JP2012127120A - アンカー定着構造、及び耐震補強方法 - Google Patents

アンカー定着構造、及び耐震補強方法 Download PDF

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康晴 和知
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勝 江村
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Abstract

【課題】地震発生時にアンカーに作用する押込み力による緊張材の弛みを抑制すると共に、アンカーの定着部の皿バネの塑性変形を防止する。
【解決手段】アンカー10を構成するPC鋼より線24の端部を定着具50により施工対象物である地盤2に定着するためのアンカー定着構造であって、定着具50と地盤2との間に配され、定着具50を地盤2の反対側へ付勢する皿バネ76と、定着具50と地盤2との間に配され、皿バネ76の弾性変形量を所定量以上に制限するストッパ78とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、施工対象物にアンカーを定着させるためのアンカー定着構造、及び当該アンカー定着構造を備えるアンカーを用いて行う耐震補強方法に関する。
地盤や構造物等の施工対象物に埋め込んだ鋼線を、その後端に固定した定着具の楔作用により緊張させた状態で施工対象物に定着させることにより、施工対象物を締め付けるアンカーが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のアンカーでは、定着具が載置された支圧板と施工対象物に固定された台座との間にバネが設けられており、定着具がバネにより鋼線の後端側、即ち、緊張力を増加させる側に付勢されている。これにより、鋼線の緊張力の経時的減少が補われる。
また、既存建物の耐震補強方法として、アンカーを、一端がアンカーの定着地盤に定着され、他端が既存建物の基礎に定着されるように打設する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の既存建物の耐震補強方法では、アンカーの鋼線を、予め緊張力を与えた状態で定着地盤と基礎とに定着させるか、あるいは、緊張力を与えない状態で定着地盤と基礎とに定着させる。
特開平11―43941号公報 特開2008―223430号公報
特許文献2に記載の既存建物の耐震補強方法において、アンカーの鋼線等の緊張材に予め緊張力を与えておく場合は、基礎と定着地盤との間の地盤に、鉛直方向荷重に対する十分な耐力が要求される。このため、当該地盤が軟弱地盤である場合には地盤改良を要することから、施工コストが増大し、工期が長期化する。また、アンカーの緊張材に初期緊張力を与えない場合及び当該初期緊張力が弱い場合は、地震発生時の緊張材の伸長量が長くなり、耐震性能が低下する。
そこで、通常時に地盤に作用する鉛直方向荷重を低減し、地震発生時には十分な耐震性能を発揮させることを目的として、アンカーの緊張材の初期緊張力を、地震発生時の設計上の緊張力よりも格段に小さく、緊張材の弛みを取る程度の強さに設定する方法が考えられる。しかしながら、地震が発生して建物に水平力が作用した場合、建物の片側では引抜き力が生じるがその反対側では押込み力が生じるところ、緊張材の緊張力を弱く設定している場合には押込み力により緊張材に弛みが生じ、定着具の楔作用が弱まる。これにより、緊張材の緊張力が弱まったり、鋼線が定着具から外れたりする。
ここで、当該方法を特許文献1に記載のアンカーを用いて実施した場合には、バネの弾性力が押込み力に抗することから、押込み力による緊張材の弛みを抑制できる。しかしながら、緊張材に大きな緊張力が与えられ、バネに弾性限度を超える応力が生じた場合には、バネが塑性変形し、再使用できなくなる。特に、皿バネは、塑性変形し易いため、対策を要する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、地震発生時にアンカーに作用する押込み力による緊張材の弛みを抑制すると共に、アンカーの定着構造の皿バネの塑性変形を防止することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るアンカー定着構造は、アンカーを構成する緊張材の端部を定着具により施工対象物に定着するためのアンカー定着構造であって、前記定着具と前記締付対象物との間に配され、前記定着具を前記締付対象物の反対側へ付勢する皿バネと、前記定着具と前記締付対象物との間に配され、前記皿バネの弾性変形量を所定量以下に制限する弾性変形制限部材と、を備える。
上記アンカー定着構造は、前記締付対象物と前記定着具との間に配された第1支圧板と、前記第1支圧板と前記定着具との間にこれらに対して相対変位可能に、前記第1支圧板と共に前記皿バネを挟み込むように配された第2支圧板と、前記定着具と前記第2支圧板との間に挟み込まれ、前記定着具と前記第2支圧板との間隔を一定に保持するスペーサと、を備えてもよい。
上記アンカー定着構造において、前記所定量は、前記皿バネの弾性限度内の変形量に設定されていてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る耐震補強方法は、上記アンカー定着構造を備えるアンカーを、地盤に構築された構造体と前記アンカーの定着地盤とに定着させることより行う耐震補強方法であって、前記緊張材に、当該緊張材が弛まない程度の大きさの緊張力で、且つ、地震発生時の設計上の緊張力よりも小さい緊張力を与えた状態で、前記アンカーを前記構造体と前記定着地盤とに定着させることを特徴とする。
本発明によれば、地震発生時にアンカーに作用する押込み力による緊張材の弛みを抑制すると共に、アンカーの定着構造の皿バネの塑性変形を防止することができる。
一実施形態に係る既存建物の耐震補強構造を示す立面断面図である。 アンカーを示す立面断面図である。 定着構造を拡大して示す立面断面図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 (A)、(B)は、既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 既存建物の耐震補強方法を説明するための図である。 (A)、(B)は、既存建物の耐震補強構造の作用を説明するための立面断面図である。 引抜力が発生する側のアンカーの定着構造の作用を説明するために立面断面図である。 押込み力が発生する側のアンカーの定着構造の作用を説明するための立面断面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係るアンカー10を適用した既存建物1の耐震補強構造100を示す立面断面図である。この図に示すように、地盤2には既存基礎3が存在し、この既存基礎3の上には耐震補強の対象の既存建物1が存在する。また、地盤2の上層には軟弱地盤4が存在し、この軟弱地盤4の下層には支持層(定着地盤)5が存在する。
耐震補強構造100は、既存基礎3と一体化された新設基礎12と、一端を支持層5に定着され他端を新設基礎12に定着されたアンカー10とを備えている。ここで、既存基礎3及び新設基礎12と支持層5との間には、地盤改良された層や杭等は設けられておらず、軟弱地盤4の補強工事は実施されていない。
図2は、アンカー10を示す立面断面図である。この図に示すように、アンカー10は、合成樹脂製のシース管22と、シース管22に挿通された複数本のPC鋼より線24と、シース管22に挿通された注入パイプ26、27と、アンカー20の上端に設けられた定着構造50とを備える。地盤2には、新設基礎12及び軟弱地盤4を貫通する孔14が、支持層5まで延びており、シース管22は、孔14に挿通されて、新設基礎12から支持層5まで延びている。
定着構造50には保護キャップ28が取り付けられている。また、シース管22の中間部には複数のスペーサ32が設けられており、このスペーサ32により、複数本のPC鋼より線24と注入パイプ26、27とが位置決めされている。
PC鋼より線24は、支持層5から新設基礎12までの間を貫通して新設基礎12から突出している。また、シース管22の下部には止水材34が詰められており、注入パイプ26は、シース管22の上部から止水材34の上側まで延び、注入パイプ27は、シース管22の上部から止水材34の下側まで延びている。
また、シース管22内の止水材34から新設基礎12までの間には、インナーグラウト16が充填されており、PC鋼より線24がインナーグラウト16でシース管22に固着されている。また、シース管22と孔14との間には、アウターグラウト18が充填されており、シース管22はアウターグラウト18で孔14の内壁に固着されている。ここで、止水材34は、支持層5内に配され、インナーグラウト16は、支持層5内にまで充填されており、従って、PC鋼より線24の下端は、支持層5に定着されている。また、PC鋼より線24は、軟弱地盤4と一体化されており、軟弱地盤4から伸縮や変形を拘束されている。
ここで、軟弱地盤4と新設基礎12との境界部より下側では、PC鋼より線24が露出しているのに対し、軟弱地盤4と新設基礎12との境界部より上側では、PC鋼より線24が被覆材36で被覆されている。また、PC鋼より線24と被覆材36との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。このため、軟弱地盤4と新設基礎12との境界部より下側では、PC鋼より線24がインナーグラウト16でシース管22に固着されているのに対し、軟弱地盤4と新設基礎12との境界部より上側では、PC鋼より線24がシース管22に固着されておらず、伸縮できる。
図3は、定着構造50を拡大して示す立面断面図である。この図に示すように、定着構造50は、定着具60と、支圧部70とを備えている。定着具60は、各PC鋼より線24が挿通される複数の孔62Aが形成されたアンカーヘッド62と、各孔62Aに対応して設けられたグリッパー64と、アンカーヘッド62を支持するジョイントプレート66を備えている。ジョイントプレート66には、ジョイントコネクター68が固定されている。
アンカーヘッド62の各孔62Aは、上側から下側へかけて縮径するテーパ孔であり、グリッパー64はこの孔62Aに挿入される楔部材である。PC鋼より線24の上端は、被覆材36で被覆されることなく露出しており、このPC鋼より線24の上端が、アンカーヘッド62の孔62Aに挿通され、楔作用により孔62Aとグリッパー64と摩擦係合した状態になっている。これにより、PC鋼より線24の上端がアンカーヘッド62に定着されている。
また、ジョイントプレート66とジョイントコネクター68には、複数本のPC鋼より線24が挿通される貫通孔が形成されている。ジョイントプレート66は、アンカーヘッド62と新設基礎2との間に配された円環状の板であり、ジョイントコネクター68は、ジョイントプレート66からシース管22の中まで延びる円筒状の部材である。ここで、ジョイントコネクター68の内周部にはシース管22が係合しており、ジョイントコネクター68とシース管22とは、アウターグラウト18に固着されることで一体化されている。
支圧部70は、新設基礎12上に載置された第1支圧板72と、第1支圧板72とアンカーヘッド62との間に配された第2支圧板74と、第1支圧板72と第2支圧板74との間に挟み込まれるように配された皿バネ76と、皿バネ76の中央に配されたストッパー78と、第2支圧板74とジョイントプレート66との間に挟み込まれたスペーサ79とを備えている。第1支圧板72、ストッパー78、及び第2支圧板74には、ジョイントコネクター68が挿通される貫通孔が形成されている。また、スペーサ79は複数に分割されている。また、第2支圧板74には保護キャップ28が固定されている。
皿バネ76は、PC鋼より線24の軸線方向の荷重で弾性変形して高さを減ずる。また、皿バネ76は、弾性力で第2支圧板74及びその上に設置されたアンカーヘッド62等を、新設基礎12の反対側へ付勢する。ここで、皿バネ76の中央部に設けられたストッパー78の厚みは、皿バネ76に弾性限度の荷重が加わったときの皿バネ76の高さ(以下、弾性限界高さという)よりも大きくなるように設定されており、第1支圧板72と第2支圧板74との最小間隔は、皿バネ76の弾性限界高さより大きくなるように設定されている。このため、皿バネ76に弾性限度を超える荷重が作用することはなく、皿バネ76が塑性変形することはない。
スペーサ79は、第2支圧板74とジョイントプレート66との間に挟み込まれており、これらの間隔を一定に保持する。ここで、第2支圧板74とジョイントプレート66との間に所定の厚みのスペーサ79を挟み込むことにより、皿バネ76の弾性変形量を、スペーサ79の厚みと同量の所定量に設定している。
ところで、PC鋼より線24のアンカーヘッド62に対する定着位置を調整することにより、PC鋼より線24の緊張力を調整できるところ、本実施形態では、当該緊張力が所定値T1(例えば、0<T<100kN)に設定されている。ここで、所定値T1は、地震発生時のアンカー10の設計上の緊張力(以下、最大値という)T0と比して格段に小さく(例えば、最大値T0を1000kN、所定値T1を最大値T0の10%未満)、PC鋼より線24の弛みを取るのに十分な大きさである。
図4〜図11は、既存建物1の耐震補強方法を説明するための図である。図4に示すように、本工法では、まず、新設基礎12を構築する工程を実施し、次に削孔工程を実施する。新設基礎12は、既存基礎14に隣接して既存基礎14と一体となるように構築する。そして、掘削工程では、ケーシング19を使用しながら孔14を新設基礎12から支持層5まで掘削する。
図5に示すように、次に、アンカー挿入工程を実施する。当該工程では、予め組み立てておいたアンカー40を、シース管22及びPC鋼より線24の先端が支持層5内まで到達し、PC鋼より線24の後端が新設基礎12から上側に突出するように、孔14に挿入する。
図6(A)に示すように、次に、インナーグラウト注入工程を実施し、その後、図6(B)に示すように、アウターグラウト注入工程を実施する。インナーグラウト注入工程では、注入パイプ26を通してシース管22の内部にインナーグラウト16を注入する。注入パイプ26の下端は止水材34の上側に配されているため、インナーグラウト16は、止水材34で塞き止められてシース管22内で堆積する。また、アウターグラウト注入工程では、注入パイプ27を通してアウターグラウト18を注入する。注入パイプ27の下端は、止水材34の下側に配されているため、シース管22から流出して孔14の底部で塞き止められて孔14内で堆積する。次に、ケーシング引抜き工程を実施する。当該工程では、孔14内にグラウト材を加圧注入しながらケーシング19を孔14内から引き抜く。
図7〜図11に示すように、次に、緊張・頭部処理工程を実施する。当該工程では、インナーグラウト16及びアウターグラウト18が硬化した後、油圧ジャッキを利用してPC鋼より線24をアンカーヘッド62に定着させ、保護キャップ28を定着構造50に取り付ける。この際、PC鋼より線24に上述の所定値T1の緊張力が付与されるように、PC鋼より線24のアンカーヘッド62に対する定着位置を調整する。
以下、緊張・頭部処理工程について詳細に説明する。図7に示すように、当該工程では、まず、定着構造50を新設基礎12上にセットし、複数本のPC鋼より線24の各々をアンカーヘッド62の孔62Aに挿通する。そして、複数のグリッパー64の各々を孔62Aにセットする。
図8に示すように、次に、油圧ジャッキを用いて第2支圧板74に所定値T1を載荷し、皿バネ76を弾性変形させる。この際、第2支圧板74が降下することにより、第2支圧板74とジョイントプレート66との間に隙間ができる。
図9に示すように、次に、スペーサ79を、第2支圧板74とジョイントプレート66との隙間に挟み込む。これにより、第2支圧板74とジョイントプレート66との間隔が一定に保持され、皿バネ76の弾性変形量が一定に保持される。
図10に示すように、次に、PC鋼より線24を緊張させる工程を実施する。当該工程では、PC鋼より線24を、所定値T1より大きく最大値T0よりも小さい所定値T2(例えば、500kN)で緊張させ、PC鋼より線24にグリッパー64を食い込ませることにより、PC鋼より線24を一旦、アンカーヘッド62に定着させる。この際、第1支圧板72と第2支圧板74との間隔がスペーサ79の厚み以上に制限される。ここで、スペーサ79の厚みは、皿バネ76の弾性限界高さよりも大きく設定されていることから、皿バネ76の塑性変形が防止される。
図11に示すように、次に、PC鋼より線24の緊張力を所定値T2から所定値T1に低下させる。以上でPC鋼より線24が所定値T1の緊張力を付与された状態で、アンカーヘッド62に定着されることになる。そして、保護キャップ28を第2支圧板74にボルトで締結する。
図12(A)、(B)は、耐震補強構造100の作用を説明するための立面断面図である。図12(A)に示すように、アンカー10のPC鋼より線24は、常時、最大値T0と比して格段に小さい所定値T1の緊張力を与えられており、弛みを取ることを目的として緊張されている。ここで、新設基礎12と支持層5との間の軟弱地盤4に作用する鉛直方向の荷重は、PC鋼より線24の最大値T0と比して格段に小さい所定値T1である。
そして、図12(B)に示すように、大地震が発生して既存建物1に水平力Pが作用した場合には、既存建物1の片側(図中左側)では地盤2に押し込み力が発生し、その反対側(図中右側)では地盤2に引抜き力が発生する。
図13は、引抜力が発生する側のアンカー10の定着構造50の作用を説明するために立面断面図である。この図に示すように、引抜き力が発生する側のアンカー10の定着構造50では、新設基礎12が、図中破線で示す地震発生前の位置から上昇すると、定着具60及び支圧部70が一体で上昇する。これにより、グリッパー64のPC鋼より線24に対する食い込み量が増し、PC鋼より線24は、最大値T0の緊張力が与えられて引抜き抵抗力T0を発揮する。よって、大地震発生時に、地盤2の浮上りが抑制される。
ここで、第2支圧板74には大荷重T0が載荷されるが、第1支圧板72と第2支圧板74との間隔がストッパー78の厚み以上に制限され、ストッパー78の厚みは、皿バネ76の弾性限界高さよりも大きく設定されていることから、皿バネ76の塑性変形が防止される。
なお、最大値T0は、中地震が発生して既存建物1に水平力が作用した場合を想定して設定してもよい。ここで、大地震とは、耐用年限中に一度発生する可能性がある程度の地震であり、その地震力は、気象庁震度階級で震度6強〜7程度、及び地動の最大加速度で300〜400gal程度である。また、中地震とは、建物の耐用年限中に数度は発生する程度の地震であり、その地震力は、気象庁震度階級で震度5強程度、及び、地動の最大加速度で80〜100gal程度である(建築物の構造規定、日本建築センター(1997年版)、16〜19頁参照)。
図14は、押込み力が発生する側のアンカー10の定着構造50の作用を説明するための立面断面図である。この図に示すように、押込み力が発生する側のアンカー10の定着構造50では、新設基礎12が、図中破線で示す地震発生前の位置から沈下すると、第1支圧板72が降下する。この際、皿バネ76が弾性復帰して第2支圧板74及びアンカーヘッド62を押し上げることにより、PC鋼より線24に対するグリッパー64の食い込み量の減少が抑制される。従って、PC鋼より線24の緊張力が減少することを抑制でき、グリッパー64がアンカーヘッド62から離脱することを防止できる。
以上、本実施形態に係るアンカー10を適用した耐震補強構造100及び耐震補強方法では、アンカー10を、地震が発生するまでの通常時は、地震発生時に最大値T0の引抜き抵抗力を発揮できるように、上記所定値T1を与えられた状態で待機する待受けアンカーとしている。これにより、地震が発生するまでの通常時は、新設基礎12と支持層5との間の軟弱地盤4に作用する鉛直荷重を、最大値T0と比して格段に小さい所定値T1に抑えることができ、軟弱地盤4に要求される鉛直荷重に対する耐力を低減することができる。従って、新設基礎12と支持層5との間の地盤改良や杭の打設等による補強工事を、不要もしくは減らすことができ、施工コストを低減でき、また、工期を短縮できる。
また、地震が発生するまでの通常時に、PC鋼より線24に対して弛みを取ることを目的とする所定値T1を与えていることにより、地震発生時におけるPC鋼より線24の伸長量を短くすることができ、地震発生時における既存建物1の振動を効果的に抑制できる。
ここで、PC鋼より線24に付与する初期緊張力を、弛みを取る程度に弱く設定していることから、地震時の押込み力がPC鋼より線24に入力された場合には、PC鋼より線24が弛み、PC鋼より線24に対するグリッパー64の食い込み量が減少する。これにより、PC鋼より線24の緊張力が低下したり、グリッパー64がアンカーヘッド62から離脱したりする。しかし、本実施形態に係るアンカー10の定着構造50では、地震時の押込み力により新設基礎12が沈下した場合、皿バネ76の弾性力によりアンカーヘッド62が押し上げられることにより、PC鋼より線24に入力される押込み力が低減される。従って、地震時の押込み力によりPC鋼より線24の緊張力が低下することを抑制でき、地震時の押込み力によりグリッパー64がアンカーヘッド62から離脱することを防止できる。
また、本実施形態に係るアンカー10では、第1支圧板72と第2支圧板74との間隔がストッパー78の厚み以上に制限されることにより、皿バネ76に作用する荷重の大きさを所定量以下に制限できる。特に、ストッパー78の厚みを、皿バネ76の弾性限界高さより大きく設定することにより、皿バネ76に弾性限度を超える荷重が作用することを防止でき、皿バネ76が塑性変形することを防止できる。
また、本実施形態に係るアンカー10では、第2支圧板74とジョイントプレート66との間にスペーサ79を挟み込むことにより、皿バネ76の弾性変形量を所定量に規定している。これにより、皿バネ76が発揮する弾性力を所定の大きさに設定することができる。
なお、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、上述の各実施形態では、アンカー10を新設基礎12、102に定着させたが、既存基礎3に定着させてもよい。また、アンカー10を鉛直に設けることは必須ではなく、アンカー10を傾斜させて設けてもよい。
また、既存建物の耐震補強を例に挙げて本発明を説明したが、新設建物の耐震補強に本発明を適用してもよい。また、地上構造物の耐震補強を例に挙げて本発明を説明したが、地下構造物の耐震補強に本発明を適用してもよい。さらに、施工対象物としての地盤を締め付けるアンカーを例に挙げて本発明を説明したが、地上又は地中に構築された構造物等の他の施工対象物を締め付けるアンカーに本発明を適用してもよい。
1 既存建物、2 地盤(施工対象物)、3 既存基礎(構造体)、4 軟弱地盤、5 支持層(定着地盤)、10 アンカー、12 新設基礎(構造体)、14 孔、16 インナーグラウト、18 アウターグラウト、22 シース管、24 PC鋼より線(緊張材)、26、27 注入パイプ、28 保護キャップ、32 スペーサ、34 止水材、36 被覆材、50 定着構造、60 定着具、62 アンカーヘッド、62A 孔、64 グリッパー、66 ジョイントプレート、68 ジョイントコネクター、70 支圧部、72 第1支圧板、74 第2支圧板、76 皿バネ、78 ストッパー(変位量制限部材)、79 スペーサ、100 耐震補強構造

Claims (4)

  1. アンカーを構成する緊張材の端部を定着具により施工対象物に定着するためのアンカー定着構造であって、
    前記定着具と前記締付対象物との間に配され、前記定着具を前記締付対象物の反対側へ付勢する皿バネと、
    前記定着具と前記締付対象物との間に配され、前記皿バネの弾性変形量を所定量以下に制限する弾性変形制限部材と、
    を備えるアンカー定着構造。
  2. 前記締付対象物と前記定着具との間に配された第1支圧板と、
    前記第1支圧板と前記定着具との間にこれらに対して相対変位可能に、前記第1支圧板と共に前記皿バネを挟み込むように配された第2支圧板と、
    前記定着具と前記第2支圧板との間に挟み込まれ、前記定着具と前記第2支圧板との間隔を一定に保持するスペーサと、
    を備える請求項1に記載のアンカー定着構造。
  3. 前記所定量は、前記皿バネの弾性限度内の変形量に設定されている請求項1又は請求項2に記載のアンカー定着構造。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のアンカー定着構造を備えるアンカーを、地盤に構築された構造体と前記アンカーの定着地盤とに定着させることより行う耐震補強方法であって、
    前記緊張材に、当該緊張材が弛まない程度の大きさの緊張力で、且つ、地震発生時の設計上の緊張力よりも小さい緊張力を与えた状態で、前記アンカーを前記構造体と前記定着地盤とに定着させる耐震補強方法。
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