JP2012126538A - 乗客コンベアの移動手摺 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の移動手摺において、手摺本体の両端部の接続部で抗張体が単純に上下に重ね合わせられている部分では、接続部の曲げ剛性が他の部分の曲げ剛性よりも高くなる。このため、接続部が湾曲されると、抗張体の重ね合わせ範囲の両端に力が集中し、その部分に過度の変形が生じる。
【解決手段】この発明に係る乗客コンベアの移動手摺は、熱可塑性材料からなる芯体と、該芯体の長手方向に沿って、その内部に設けられた帯状の抗張体とを有する乗客コンベアの移動手摺において、前記抗張体の接続部である一方の端部と他方の端部とが、それぞれに対応する少なくとも一つの突部と少なくとも一つの切り込み部とを有するものである。
【選択図】図3
【解決手段】この発明に係る乗客コンベアの移動手摺は、熱可塑性材料からなる芯体と、該芯体の長手方向に沿って、その内部に設けられた帯状の抗張体とを有する乗客コンベアの移動手摺において、前記抗張体の接続部である一方の端部と他方の端部とが、それぞれに対応する少なくとも一つの突部と少なくとも一つの切り込み部とを有するものである。
【選択図】図3
Description
この発明は、熱可塑性材料からなる芯体内に帯状の抗張体が埋設されてなるエスカレータ等の乗客コンベアの移動手摺に関するものである。
従来の乗客コンベアの移動手摺では、抗張体の両端部を接着剤により接着した後、その周囲を熱可塑性材料で覆うことにより、手摺本体の両端部が接続される(例えば、特許文献1参照)。
また、接続部の他の部分に対する曲げ剛性の緩和と手摺本体の接続部の引張強度の増加を目的とし、抗張体の両端部に貫通孔を設けるようにしたものがある。(例えば、特許文献2参照)。
上記特許文献1のような従来の移動手摺では、手摺本体の両端部の接続部で抗張体が単純に上下に重ね合わせられているため、接続部の曲げ剛性が他の部分の曲げ剛性よりも高くなり過ぎる。このため、接続部が湾曲されると、抗張体の重ね合わせ範囲の両端に力が集中し、その部分に過度の変形が生じる。
また、上記特許文献2のような従来の移動手摺においても、手摺本体の両端部の接続部で抗張体が単純に上下に重ね合わせられている部分では、上記特許文献1ほど顕著ではないが、接続部の曲げ剛性が他の部分の曲げ剛性よりも高くなる。このため、接続部が湾曲されると、抗張体の重ね合わせ範囲の両端に力が集中し、その部分に過度の変形が生じる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、接続部の引張強度を損なうことなく、手摺本体の接続部と他の部分との剛性の差を抑制することができる乗客コンベアの移動手摺を得ることを目的とする。
この発明に係る乗客コンベアの移動手摺は、熱可塑性材料からなる芯体と、該芯体の長手方向に沿って、その内部に設けられた帯状の抗張体とを有する乗客コンベアの移動手摺において、前記抗張体の接続部である一方の端部と他方の端部とが、それぞれに対応する少なくとも一つの突部と少なくとも一つの切り込み部とを有するものである。
この発明の乗客コンベアの移動手摺は、抗張体の端部に1または複数個の嵌合する突起部を設けたので、手摺本体の接続部における抗張体の厚みが厚い部分が複数個所に分散されることになり、接続部の剛性が強い部分を分散することになる。そのため、接続領域における曲げ剛性を緩和することができる。また、複数の面に接着剤を塗布する構造となるため、相対する一つの面だけに接着剤を塗布する構造に対して、万一一つの面の接着剤が剥がれた場合でも、他の面の接着剤により接着されているので、接続部の引張強度をある程度保つことができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による乗客コンベアの移動手摺の断面図である。図において、断面C字状の芯体1は、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性材料により成形されている。芯体1は、使用目的や製造方法に応じて1層又は複数の層により構成されている。
芯体1内には、帯状の抗張体2が芯体1の長手方向に沿って連続的に埋設されている。抗張体2は、例えば、鋼又はステンレス鋼等の金属により構成されている。
図1はこの発明の実施の形態1による乗客コンベアの移動手摺の断面図である。図において、断面C字状の芯体1は、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性材料により成形されている。芯体1は、使用目的や製造方法に応じて1層又は複数の層により構成されている。
芯体1内には、帯状の抗張体2が芯体1の長手方向に沿って連続的に埋設されている。抗張体2は、例えば、鋼又はステンレス鋼等の金属により構成されている。
芯体1の内面には、スライド布3が芯体1の長手方向に沿って連続的に付着されている。このスライド布3により、手摺ガイド(図示せず)との間の摩擦力が低減されるとともに、手摺駆動ローラ(図示せず)との間で所要の摩擦力が確保される。
また、スライド布3の材料としては、例えば綿、又はポリエステル等の合成繊維が用いられる。実施の形態1の手摺本体4は、芯体1、抗張体2及びスライド布3を有している。
また、スライド布3の材料としては、例えば綿、又はポリエステル等の合成繊維が用いられる。実施の形態1の手摺本体4は、芯体1、抗張体2及びスライド布3を有している。
次に、移動手摺の製造方法について説明する。上記の手摺本体4は、所定長さで直線状に成形された後、その両端部が接続され、全体形状が環状にされる。図2は図1の手摺本体4の両端部の接続部の接続前の状態を示す斜視図である。抗張体2は、長手方向の一端部である第一の端部2aと、長手方向の他端部である第二の端部2bとを有している。
第一及び第二の端部2a、2bの周囲の芯体1は除去されており、これにより第一及び第二の端部2a、2bは芯体1から露出している。
抗張体2の第一の端部2aには、幅方向で短冊状に第一の切り込み部5a〜5cが設けられ、第一の突部6a〜6dが形成されている。
抗張体2の第一の端部2aには、幅方向で短冊状に第一の切り込み部5a〜5cが設けられ、第一の突部6a〜6dが形成されている。
抗張体2の第二の端部2bには、第一の突部6a〜6dのそれぞれに対応する位置に、幅方向に第一の突部6a〜6dと略同幅の第二の切り込み部7a〜7dが設けられ、第二の突部8a〜8cが第一の切り込み部5a〜5cのそれぞれに対応する位置に設けられている。
ここで、第一の突部6a〜6dは第二の切り込み部7a〜7dに入り込むようになっており、第二の突部8a〜8cが第一の切り込み部5a〜5cに入り込むようになっている。
すなわち、第一の突部6a〜6dは第二の突部8a〜8cと抗張体2の幅方向に交互に噛み合うように設けられている。
すなわち、第一の突部6a〜6dは第二の突部8a〜8cと抗張体2の幅方向に交互に噛み合うように設けられている。
抗張体2の端部に設けられた切り込み部の数は、抗張体2のそれぞれの端部である第一及び第二の端部2a、2bについて、一方が1とした場合に他方が1となるような構成が最小の構成となり、一方が2とした場合に他方が1となるような構成、一方が2とした場合に他方が2となるような構成、一方が3とした場合に他方が2となるような構成、及び、図2で示したように一方が4とした場合に他方が3となるような構成等々、突部の幅が約1mm程度となるまで加工が可能であれば特に数に制限はない。
図3はこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの移動手摺の接続部の重ね合わせ方を示す図である。図において、第一の突部6a〜6dのそれぞれの先端部は第二の切り込み部7a〜7dのそれぞれの終端位置を通り越して抗張体2の第二の端部2bと重なり合う第二の重合部9a〜9dを有するように構成される。
一方、反対に第二の突部8a〜8cのそれぞれの先端部は第一の切り込み部5a〜5cのそれぞれの終端位置を通り越して抗張体2の第一の端部2aと重なり合う第一の重合部10a〜10cを有するように構成される。
一方、反対に第二の突部8a〜8cのそれぞれの先端部は第一の切り込み部5a〜5cのそれぞれの終端位置を通り越して抗張体2の第一の端部2aと重なり合う第一の重合部10a〜10cを有するように構成される。
ここで、重合部とは抗張体が重なり合う部分を示し、この部分では他の部分より剛性が増す。
図は第一及び第二の突部が、抗張体の第二及び第一の端部の裏側(紙面の裏方向)に配置されて重合部を形成している場合を示している。なお、重合部は抗張体の第二及び第一の端部の表側(紙面の表方向)に配置されていてもよく、第二の端部と第一の端部とで反対の位置に配置されていても構わない。
図は第一及び第二の突部が、抗張体の第二及び第一の端部の裏側(紙面の裏方向)に配置されて重合部を形成している場合を示している。なお、重合部は抗張体の第二及び第一の端部の表側(紙面の表方向)に配置されていてもよく、第二の端部と第一の端部とで反対の位置に配置されていても構わない。
次に、第二の重合部9a〜9d及び第一の重合部10a〜10cに接着剤を塗布し、抗張体2のそれぞれの端部に貼り合わせる。図では、抗張体2の長手方向でそれぞれの重合部との間には重合部が存在しない領域16が設けられている。
図3においては、それぞれの重合部との間に隙間が空くように構成しているが、それぞれの重合部の抗張体2の幅方向の一端がほぼ一直線上になるように構成した場合でも、それぞれの重合部の一部の領域が重なるように構成した場合でも、従来に比べ重ねあわせによる局所的な剛性の増大を抑制することができるが、回転ローラーの半径にあわせてそれぞれの重合部との間に隙間が空くように構成した方がより高い効果が得られる。
図3においては、それぞれの重合部との間に隙間が空くように構成しているが、それぞれの重合部の抗張体2の幅方向の一端がほぼ一直線上になるように構成した場合でも、それぞれの重合部の一部の領域が重なるように構成した場合でも、従来に比べ重ねあわせによる局所的な剛性の増大を抑制することができるが、回転ローラーの半径にあわせてそれぞれの重合部との間に隙間が空くように構成した方がより高い効果が得られる。
図では、第一の突部6a〜6dと第二の切り込み部7a〜7dの長さと幅、及び、第二の突部8a〜8cと第一の切り込み部5a〜5cの長さと幅は全てほぼ同じであるように示されているが、それぞれの重合部及び抗張体2の長手方向でそれぞれの重合部との間で重合部が存在しない領域を有するような構成であれば、例えば、第一の突部6a〜6dのそれぞれの長さと第二の突部8a〜8cのそれぞれの長さが異なっていても、それぞれの重合部の面積が異なってくるだけで、重ね合わせ部分を分散し重ねあわせによる局所的な剛性の増大を抑制するという効果が得られることに変わりはない。
短冊状に加工された抗張体の端部が重なり合わさる長手方向の長さを従来の重ね合わせの長さとほぼ同一とすることで、接続部の接着面積は従来とほぼ同一となる。これにより、少なくとも従来方法による接続と同等の接着強度を確保することが可能となる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できるために必要な面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さにすれば十分な信頼性が得られる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できるために必要な面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さにすれば十分な信頼性が得られる。
なお、従来は重合部、すなわち、抗張体の端部が重なり合う箇所が一箇所しか存在しなかったため、その箇所での接着不良の効果が重合部全体に及ぶ可能性があったが、この発明の実施の形態1における乗客コンベアの移動手摺の接続部では、重合部が複数に分散しているために一つの重合部の接着不良の効果が重合部全体に影響し難い効果がある。ただし、各重合部にかかる引っ張り強度は、不良箇所での引っ張り強度が得られないため増すこととなる。
また、交互に接着部分を有するため接着面にかかる力が分散されやすい。
また、交互に接着部分を有するため接着面にかかる力が分散されやすい。
第二の重合部9a〜9d及び第一の重合部10a〜10cが接着された後、むき出しとなった抗張体2は専用接続型に投入され溶融した熱可塑性樹脂を注入し冷却して固化させる。これにより第一の端部2aと第二の端部2b近傍のむき出しとなった抗張体2は芯体1と同じ熱可塑性樹脂により覆われる。このようにして、手摺本体4の両端部が接続され、環状の移動手摺が得られる。
上記説明したように、この発明の実施の形態1による乗客コンベアの移動手摺では、抗張体2の端部において重ね合わせる箇所を芯体1の長手方向に分散させて設けているため、従来技術における乗客コンベアの移動手摺の回転ローラー近傍を示した図15とこの発明の実施の形態1における乗客コンベアの移動手摺の回転ローラー近傍を示した図16を比較し明らかなように、手摺本体4が曲げられた際に、重ねあわせによる重合部が第一の重合部10と第二の重合部9の2つの領域に分かれていた方が、従来のように重合部17が一箇所しかない場合に比べ、回転ローラー18に添って移動するときに局所的な剛性の増大を抑制することにより接続部に過度の応力が負荷されることを防止することができる。
この発明の実施の形態1による乗客コンベアの移動手摺では、抗張体2の長手方向に重ね合わせ部を大きく2つの領域に分散させることにより、各重ね合わせ領域における剛性(断面二次モーメント)は従来の剛性と比較してそれぞれ3/7倍、4/7倍に低減し分散することが可能となる。
なお、この発明の実施の形態1による乗客コンベアの移動手摺では、曲率半径Rが従来の4/7程度の小径の回転ローラーを使用しても、重ね合わせ部の応力負荷を従来と同程度に抑えることが可能となる。
なお、この発明の実施の形態1による乗客コンベアの移動手摺では、曲率半径Rが従来の4/7程度の小径の回転ローラーを使用しても、重ね合わせ部の応力負荷を従来と同程度に抑えることが可能となる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2における乗客コンベアの移動手摺の接続部を示した図である。上記実施の形態1では抗張体の長手方向でそれぞれの重合部との間には重合部が存在しない領域が設けられているよう構成されていたが、重合部を抗張体の長手方向及び幅方向にさらに分散することで重合部が存在しない領域が設けられていなくても上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
図4はこの発明の実施の形態2における乗客コンベアの移動手摺の接続部を示した図である。上記実施の形態1では抗張体の長手方向でそれぞれの重合部との間には重合部が存在しない領域が設けられているよう構成されていたが、重合部を抗張体の長手方向及び幅方向にさらに分散することで重合部が存在しない領域が設けられていなくても上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
第一の端部2aには、長さの異なる第一の突部11a〜11dが設けられている。図4では、突部の数は4で長さは二種類となるように記載している。また、幅方向の両端に長さの長い突部を設け、中央部に長さの短い突部を設けているが、突部の数、位置、及び、長さについてはこれに限られない。
第二の端部2bには、長さの異なる第二の切り込み部12a〜12dが第一の突部11a〜11dに対応する位置に対応する長さで設けられている。
ここで、第一の突部11a〜11dと第二の切り込み部12a〜12dはと抗張体2の幅方向に互い違いに噛み合うように略等間隔の短冊状に加工されている。
ここで、第一の突部11a〜11dと第二の切り込み部12a〜12dはと抗張体2の幅方向に互い違いに噛み合うように略等間隔の短冊状に加工されている。
図5はこの発明の実施の形態2における乗客コンベアの移動手摺の接続部の重ね合わせ方を示す図である。図において、第一の突部11a〜11dのうち長さの長い第一の突部11a及び11dは、それぞれ対応する第二の切り込み部12a及び12dの終端位置を越えて抗張体2の第二の端部2bと重なり合う第一の重合部13aを有するように構成される。
第一の突部11a〜11dのうち長さの短い第一の突部11b及び11cは、それぞれ対応する第二の切り込み部12b及び12cの終端位置を越えて抗張体2の第二の端部2bと重なり合う第二の重合部13bを有するように構成される。
第一の突部11a〜11dのうち長さの短い第一の突部11b及び11cは、それぞれ対応する第二の切り込み部12b及び12cの終端位置を越えて抗張体2の第二の端部2bと重なり合う第二の重合部13bを有するように構成される。
また、第二の端部2bに設けられた第二の突部14a〜14cのそれぞれの先端位置は第一の切り込み部15a〜15cのそれぞれの終端位置を通り越して抗張体2の第一の端部2aと重なり合う第三の重合部13cを有するように構成される。
第一、第二及び第三の重合部13a〜13cに接着剤を塗布し、抗張体2のそれぞれの端部を貼り合わせる。
図5においては、第一の重合部13aと第二の重合部13bの抗張体2の幅方向の一端がほぼ一直線上になるように、また、第二の重合部13bと第三の重合部13cの抗張体2の幅方向の一端がほぼ一直線上になるように構成されているが、抗張体2の長手方向に重なる領域が生じるように構成しても、隙間が空くように構成しても良い。
図5においては、第一の重合部13aと第二の重合部13bの抗張体2の幅方向の一端がほぼ一直線上になるように、また、第二の重合部13bと第三の重合部13cの抗張体2の幅方向の一端がほぼ一直線上になるように構成されているが、抗張体2の長手方向に重なる領域が生じるように構成しても、隙間が空くように構成しても良い。
このように構成されたこの発明の実施の形態2における乗客コンベアの移動手摺の接続部では、重ね合わさる部分が一箇所に集中せず、長手方向に三つの領域として分散するような構成としているので、抗張体が重なる領域をより細かな多数領域に分散することが可能となり、局所的な剛性の増大を抑制することができる。
この発明の実施の形態2における乗客コンベアの移動手摺では、分散させた重ね合わせ部の剛性(断面二次モーメント)の最大部は従来の3/7倍となる。これにより曲率半径Rが従来の3/7程度の小径の回転ローラーを使用しても、重ね合わせ部の応力負荷を従来と同程度に抑えることが可能となる。
この発明の実施の形態2における乗客コンベアの移動手摺では、分散させた重ね合わせ部の剛性(断面二次モーメント)の最大部は従来の3/7倍となる。これにより曲率半径Rが従来の3/7程度の小径の回転ローラーを使用しても、重ね合わせ部の応力負荷を従来と同程度に抑えることが可能となる。
なお、上記実施の形態では、必要な重ね合わせ面積が確保できるのであれば、突部及び切り込み部の数及び長さは図面に示した数に限られず、等しい長さである必要もない。一例として以下に示す図11乃至図14で示したような場合でも、上記実施の形態に示す効果が得られることは明らかである。
図11は、上記実施の形態2における図4の第二の端部2bに設けられた第二の突部のうち中央の突部の長さを長くした場合を示した図である。また、図12は、図11において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。
図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
図11は、上記実施の形態2における図4の第二の端部2bに設けられた第二の突部のうち中央の突部の長さを長くした場合を示した図である。また、図12は、図11において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。
図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
また、図13は、上記実施の形態2における図4の第二の端部2bに設けられた第二の突部のうち中央の突部の長さを長くし、あわせて第一の端部2aに設けられた第一の切り込み部の中央の切り込み部の長さを長くした場合を示した図である。また、図14は、図13において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。
図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
短冊状に加工された抗張体の端部が重なり合わさる長手方向の長さを従来の重ね合わせの長さとほぼ同一とすることで、接続部の接着面積は従来とほぼ同一となる。これにより、少なくとも従来方法による接続と同等の接着強度を確保することが可能となる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できるために必要な面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さにすれば十分な信頼性が得られる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できるために必要な面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さにすれば十分な信頼性が得られる。
なお、従来は重合部、すなわち、抗張体の端部が重なり合う箇所が一箇所しか存在しなかったため、その箇所での接着不良の効果が重合部全体に及ぶ可能性があったが、この発明の実施の形態1における乗客コンベアの移動手摺の接続部では、重合部が複数に分散しているために一つの重合部の接着不良の効果が重合部全体に影響し難い効果がある。ただし、各重合部にかかる引っ張り強度は、不良箇所での引っ張り強度が得られないため増すこととなる。
また、交互に接着部分を有するため接着面にかかる力が分散されやすい。
また、交互に接着部分を有するため接着面にかかる力が分散されやすい。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3における乗客コンベアの移動手摺の接続部の重ね合わせ方を示す図である。上記実施の形態では抗張体の第一の端部と重なり合う第二の突部の重ね合わせ位置、及び、抗張体の第二の端部と重なり合う第一の突部の重ね合わせ位置が抗張体の一方の面に統一されていたが、図で示すように、それぞれの突部毎に表裏に入り組むように、すなわち、一方の端部の表面及び裏面のそれぞれに少なくとも一つの領域の接着部を有するように配置し接合させてもよい。
図6はこの発明の実施の形態3における乗客コンベアの移動手摺の接続部の重ね合わせ方を示す図である。上記実施の形態では抗張体の第一の端部と重なり合う第二の突部の重ね合わせ位置、及び、抗張体の第二の端部と重なり合う第一の突部の重ね合わせ位置が抗張体の一方の面に統一されていたが、図で示すように、それぞれの突部毎に表裏に入り組むように、すなわち、一方の端部の表面及び裏面のそれぞれに少なくとも一つの領域の接着部を有するように配置し接合させてもよい。
このように構成することにより、抗張体の重ね合わせ部を表裏についてもバランスよく分散することが可能となり、局所的な剛性の増大をさらに抑制することができる。
また、乗客コンベアの移動手摺に曲げの力が負荷される際に、乗客コンベアの正方向の曲げおよび逆方向の曲げの両方に対し、高い曲げ強度を確保し接続することが可能となる。
また、乗客コンベアの移動手摺に曲げの力が負荷される際に、乗客コンベアの正方向の曲げおよび逆方向の曲げの両方に対し、高い曲げ強度を確保し接続することが可能となる。
短冊状に加工された抗張体の端部が重なり合わさる長手方向の長さを従来の重ね合わせの長さとほぼ同一とすることで、接続部の接着面積は従来とほぼ同一となる。これにより、少なくとも従来方法による接続と同等の接着強度を確保することが可能となる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できる面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さとすれば十分な信頼性が得られる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できる面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さとすれば十分な信頼性が得られる。
実施の形態4.
図7乃至図10はこの発明の実施の形態4における乗客コンベアの移動手摺の接続部の重ね合わせ方を示す図である。図7は第一の端部に大きな凹部、第二の端部に大きな凸部を形成するように突部と切り込み部が抗張体の長手方向に隣り合う階段状の構成とした場合を示す図であり、図8は、図7において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
また、図9は第一の端部及び第二の端部に斜め状に突部と切り込み部が抗張体の長手方向に隣り合う階段状の構成とした場合を示す図であり、図10は、図9において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
図7乃至図10はこの発明の実施の形態4における乗客コンベアの移動手摺の接続部の重ね合わせ方を示す図である。図7は第一の端部に大きな凹部、第二の端部に大きな凸部を形成するように突部と切り込み部が抗張体の長手方向に隣り合う階段状の構成とした場合を示す図であり、図8は、図7において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
また、図9は第一の端部及び第二の端部に斜め状に突部と切り込み部が抗張体の長手方向に隣り合う階段状の構成とした場合を示す図であり、図10は、図9において第一の端部2aと第二の端部2bとを重ね合わせた状態を示した図である。図において、実線と破線で囲まれた部分が重合部を示す。
上記実施の形態では抗張体の端部の突部と切り込み部はそれぞれ交互に設けられた構成となっていたが、図に示すように、突部と切り込み部が抗張体の長手方向に隣り合う階段状の構成としてもよい。
このように構成されたこの発明の実施の形態4における乗客コンベアの移動手摺の接続部では、重ね合わさる部分が一箇所に集中せず、長手方向に複数の領域として分散するような構成としているので、抗張体が重なる領域を多数領域に分散することが可能となり、局所的な剛性の増大を抑制することができる。
短冊状に加工された抗張体の端部が重なり合わさる長手方向の長さを従来の重ね合わせの長さとほぼ同一とすることで、接続部の接着面積は従来とほぼ同一となる。これにより、少なくとも従来方法による接続と同等の接着強度を確保することが可能となる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できる面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さとすれば十分な信頼性が得られる。
それぞれの端部に設けられた突部の幅がほぼ同一の場合には、切り出し加工のしやすさ及び接着加工のしやすさから5〜15mm程度が望ましい。
突部の長さには、特に制限はなく重合部が十分な接着強度を確保できる面積であれば特に問題はないが、従来の接着面積が得られる程度の長さとすれば十分な信頼性が得られる。
なお、上記実施の形態では、必要な重ね合わせ面積が確保できるのであれば、突部及び切り込み部の数及び長さは図面に示した数に限られず、等しい長さである必要もない。短冊状に切り込み加工を施す抗張体の幅(図2における縦方向の長さ)も両端部が互いに噛み合うような形状であれば、全てが等間隔である必要はない。また、重ね合わせ方及び重ね合わせ部を分散させる領域の数等は、上記実施の形態に限定されるものではなく、回転ローラーの径、所望の曲げ剛性、及び、引張強度に合わせて種々の変更が可能である。一例として、重合部の分散間隔を回転ローラーの半周分に相当するようにしたり、引張強度を増すため接合部の短冊状の噛み合わせ部が物理的に引っかかるように噛み合わせた加工を施したりしてもよい。
この発明の移動手摺は、例えばエスカレータ、水平な動く歩道および傾斜型の動く歩道など、あらゆる乗客コンベアに利用できる。
1 芯体、2 抗張体、2a 第一の端部、2b 第二の端部、3 スライド布、4 手摺本体、5a〜5c 第一の切り込み部、6a〜6d 第一の突部、7a〜7d 第二の切り込み部、8a〜8c 第二の突部、9a〜9d 第二の重合部、10a〜10c 第一の重合部、11a〜11d 第一の突部、12a〜12d 第二の切り込み部、13a 第一の重合部、13b 第二の重合部、13c 第三の重合部、
Claims (3)
- 熱可塑性材料からなる芯体と、該芯体の長手方向に沿って、その内部に設けられた帯状の抗張体とを有する乗客コンベアの移動手摺において、前記抗張体の接続部である一方の端部と他方の端部とが、それぞれに対応する少なくとも一つの突部と少なくとも一つの切り込み部とを有することを特徴とする乗客コンベアの移動手摺。
- 抗張体の接続部である一方の端部と他方の端部との重ね合わせ部分が、複数の独立した領域で構成されることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺。
- 抗張体の接続部である一方の端部と他方の端部との重ね合わせ部分が、前記一方の端部の表面及び裏面のそれぞれに少なくとも一つの領域の接着部を有することを特徴とする請求項2記載の乗客コンベアの移動手摺。
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2010
- 2010-12-16 JP JP2010280724A patent/JP2012126538A/ja active Pending
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