JP2012126143A - 板材分割装置及び板材分割方法 - Google Patents

板材分割装置及び板材分割方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より小さな負荷で板材を割って分割できるようにすることを目的とする。
【解決手段】板材分割装置は、変位可能当接機構部830と、分割力印加機構部と、板材固定部840とを備えている。板材固定部840は、板材10のうち直線状分割ライン部12の側方部分を支持する。変位可能当接機構部830は、板材固定部840による固定支持部分から直線状分割ライン部12を挟んで反対側で、板材10の主面に直線状分割ライン部の延在方向に沿って当接可能な直線状当接部分を有している。そして、その直線状当接部分がその延在方向に沿って複数箇所で、板材10と略直交する方向に沿って変位可能で、かつ、その板材に向けてその変位量に応じた付勢力でされる。
【選択図】図13

Description

この発明は、板材を割って分割する技術に関する。
サファイア基板など、硬度が高くかつ脆性を有する板材の分割は、例えば、次のようにしてなされる。
まず、板材の一主面側に分割溝を形成する。そして、一対のダイ上に板材を載置する。この際、分割溝が一対のダイ間で当該ダイに向くようにする。そして、ダイの反対側から、刃を板材の分割溝に沿った位置に押付けることで、基板に負荷を加えて前記分割溝で板材を割る。
なお、サファイア基板等にレーザー光で分割用の起点を形成して、サファイア基板を割る技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
国際公開第2006/062017号パンフレット
しかしながら、板材やダイを正確に平面とすることは困難であり、また、刃とダイとを正確に平行な位置関係とすることは困難である。例えば、一般的には、板材やダイの平面度は5μm程度であり、また、刃とダイとの平行度も5μm程度以上ある。このため、ダイや刃を板材に押し当てた際に、それらのダイや刃が板材に接触しない部分が生じ、任意の数点でのみ接触する。そして、分割溝の応力が最大となる溝先端部のうち、刃と板材との接点が2つのダイと板材との接点間(の中央)に無い部分では、分割方向の応力が小さくなってしまう。そのような応力状態でも、分割するのに十分な応力を作用させるためには、刃やダイに大きな負荷を加える必要がある。
そこで、本発明は、より小さな負荷で板材を割って分割できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る板材分割装置は、板材に形成された直線状分割ライン部に沿って前記板材を分割する板材分割装置であって、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って前記板材の主面に当接可能な直線状当接部分を有し、前記直線状当接部分がその延在方向に沿って複数箇所で、前記板材と略直交する方向に沿って変位可能で、かつ、前記板材に向けてその変位量に応じた付勢力で付勢される変位可能当接機構部と、前記板材を分割する力として、前記直線状当接部分を前記板材の主面に押付ける力を作用させる分割力印加機構部と、を備えたものである。
また、板材分割装置は、前記板材のうち前記直線状分割ライン部の側方部分を固定支持する板材固定部をさらに備え、前記変位可能当接機構部は、前記板材固定部による固定支持部分から前記直線状分割ライン部を挟んで反対側で前記板材の主面に当接可能に配設され、前記分割力印加機構部は、前記板材固定部及び前記変位可能当接機構部のうち少なくとも一方を、前記変位可能当接機構部を前記板材に押付ける方向に移動させるものである。
第2の態様に係る板材分割装置は、前記変位可能当接機構部の前記直線状当接部分は、その延在方向に沿って設けられた複数の分割当接部分を有し、前記各分割当接部分がそれぞれ独立して前記板材と略直交する方向に変位可能で、かつ、独立して変位量に応じた付勢力で付勢されるものである。
第3の態様に係る板材分割装置は、前記変位可能当接機構部が、前記直線状当接部分の延在方向に沿って複数箇所で、その直線状当接部分の変位量に応じた物理量を検出する検出部を有するものである。
第4の態様に係る板材分割装置は、前記変位可能当接機構部が、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設された複数の分割当接部と、前記各分割当接部を前記板材と略直交する方向に沿って変位可能に支持する分割支持部と、前記各分割当接部を前記板材に向けて付勢する複数の分割付勢部を有するものである。
この場合、第5の態様のように、前記各分割付勢部は、バネ又は圧縮剛性を呈する部材であってもよい。
第6の態様に係る板材分割装置は、前記変位可能当接機構部を、固定端部と当接端部との間に形成した凹部形成部分で前記当接端部を前記固定端部に対して変位可能かつ付勢可能に支持した一体型分割当接部を複数、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成としたものである。
第7の態様に係る板材分割装置は、前記変位可能当接機構部を、弾性変形可能な材料で形成された弾性分割当接部を複数、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成としたものである。
第8の態様に係る板材分割装置は、前記変位可能当接機構部を、複数の平行平板機構部を、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成としたものである。
第9の態様に係る板材分割方法は、板材に形成された直線状分割ライン部に沿って前記板材を分割する板材分割方法であって、前記板材のうち前記直線状分割ライン部の側方部分を固定支持する工程と、分割用の当接部材を、前記板材の固定支持部分から前記直線状分割ライン部を挟んで反対側で前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って前記板材の主面に当接させることで、前記当接部材のうち前記板材との当接部分を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿った複数箇所で前記板材と略直交する方向に沿って変位させると共に、その当接部分を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿った複数箇所でそれぞれの変位量に応じた付勢力で付勢する工程と、前記当接部材を前記板材の主面に押し当てることで、前記板材を前記直線状分割ライン部で割って分割する工程とを備えたものである。
第1の態様に係る板材分割装置によると、分割力印加機構部の分割力を作用させると、直線状当接部分は、その延在方向に沿って複数箇所で、板材の平面度や、板材と板材当接部材との平行度等に応じて変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材に向けて付勢される。このため、直線状当接部分と板材の一主面とを直線状当接部分の延在方向に沿ってなるべく均一な力で接触させることができる。これにより、直線状分割ライン部の延在方向に沿って分割荷重分布をなるべく均一にすることができ、より小さな力で板材を割って分割できる。
また、第2の態様によると、前記変位可能当接機構部の前記直線状当接部分は、板材の平面度や、板材と板材当接部材との平行度等に応じて、独立して変位し、また、独立して変位量に応じた付勢力で付勢される。従って、直線状当接部分と板材の主面とを直線状分割ライン部の延在方向に沿ってより均一な力で接触させることができる。これにより、より小さな力で板材を割って分割できる。
また、第3の態様によると、前記変位可能当接機構部は、前記直線状当接部分の延在方向に沿って複数箇所で、その直線状当接部分の変位量に応じた物理量を検出する検出部を有するため、板材を分割する際の状況等を検出することができる。
第4の態様によると、前記変位可能当接機構部は、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って分割された複数の分割当接部と、前記各分割当接部を前記板材と略直交する方向に沿って変位可能に支持する分割支持部と、前記各分割当接部を前記板材に向けて付勢する複数のバネ部材を有しているので、各分割当接部を独立して変位させて独立して付勢することができる。また、各分割当接部が変位する方向及び付勢される方向を、板材と略直交する方向になるべく一致させることができる。
第6の態様によると、固定端部と当接端部との間に形成した凹部形成部分で、前記当接端部を前記固定端部に対して変位可能かつ付勢可能に支持した一体型分割当接部を複数、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設しているため、その製造を容易に行える。
第7の態様によると、前記変位可能当接機構部は、弾性変形可能な弾性分割当接部を複数、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成であるため、その製造を容易に行える。
第8の態様によれば、複数の平行平板機構部を、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成であるため、板材との当接部分を板材に対して略直交する方向に比較的正確に変位させることができる。
第9の態様に係る板材分割方法によると、分割用の当接部材を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って前記板材の主面に当接させることで、前記当接部材のうち前記板材との当接部分を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿った複数箇所で前記板材と略直交する方向に沿って変位させると共に、その当接部分を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿った複数箇所でそれぞれの変位量に応じた付勢力で付勢している。そして、前記当接部材を前記板材の主面に押し当てることで、前記板材を前記直線状分割ライン部で割って分割するため、直線状当接部分と板材の一主面とを直線状当接部分の延在方向に沿ってなるべく均一な力で接触させることができる。これにより、直線状分割ライン部の延在方向に沿って分割荷重分布をなるべく均一にすることができ、より小さな力で板材を割って分割できる。
第1実施形態に係る板材分割装置を示す説明図である。 板材を分割する際における変位可能当接機構部と板材との当接部分を示す説明図である。 第2実施形態に係る板材分割装置の全体構成を示す説明図である。 同上の板材分割装置の要部を示す概略斜視図である。 同上の要部を示す概略側面図である。 同上の要部を示す概略正面図である。 第1変形例を示す概略斜視図である。 第2変形例を示す概略正面図である。 第3変形例を示す概略正面図である。 第4変形例を示す概略正面図である。 第5変形例を示す概略斜視図である。 第6変形例を示す概略斜視図である。 第7変形例を示す概略斜視図である。 第2実施形態に係る板材分割装置及び従来タイプの板材分割装置で板材を分割した場合の分割負荷を示す図である。 第2実施形態に係る板材分割装置による板材の分割縁部の真直度を示す図である。 第2実施形態に係る板材分割装置による板材の分割縁部の真直度を示す図である。 第2実施形態に係る板材分割装置による板材の分割縁部の真直度を示す図である。 従来タイプの板材分割装置による板材の分割縁部の真直度を示す図である。 従来タイプの板材分割装置による板材の分割縁部の真直度を示す図である。 従来タイプの板材分割装置による板材の分割縁部の真直度を示す図である。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係る板材分割装置及び板材分割方法について説明する。本実施形態では、板材を分割する基本的構成について説明する。図1は板材分割装置を示す説明図であり、図2は板材を分割する際における変位可能当接機構部と板材との当接部分を示す説明図である。
この板材分割装置20及び板材分割方法は、板材10に形成された直線状分割ライン部に沿って当該板材10を割って分割するものである。
分割対象となる板材10は、脆性を有する板材であることが好ましい。具体的には、板材10は、単結晶サファイア基板や単結晶SiC基板等の単結晶基板、その他、多結晶基板を含む高脆な基板、さらには、これらの基板上に半導体でデバイスを形成した積層体であってもよい。また、形状は、略方形板状であっても、略円板状であってもよく、特に限定されない。
この板材10には、少なくとも1本の直線状分割ライン部12が形成されている。直線状分割ライン部12は、板材10における他の部分よりも強度的に弱い直線状部分であり、板材10に後述する分割力を作用させると、板材10は、当該直線状分割ライン部12をきっかけとして直線状に割れて分割するようになっている。このような直線状分割ライン部12は、例えば、板材10の主面にレーザー光を照射等することで形成された所定深さの溝であってもよく、或は、板材10の主面に溝を形成しない程度の比較的弱い強度のレーザー光を照射等することで形成された所定深さの直線状変質部分であってもよい。
なお、板材10に対して上記直線状分割ライン部12が平行状に複数本或は縦横に複数本形成されていてもよい。ここでは、説明の便宜上、1本の直線状分割ライン部12が形成されている例で説明する。
板材分割装置20は、変位可能当接機構部30と、分割力印加機構部50とを備えている。
変位可能当接機構部30は、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って板材10のいずれか一方の主面に当接可能な直線状当接部分32を有している。そして、その直線状当接部分32がその延在方向に沿って複数箇所で、板材10と略直交する方向(板材10の主面に対する法線方向)に沿って変位可能で、かつ、その板材10に向けてその変位量に応じた付勢力、好ましくは、変位量に比例した付勢力でされるようになっている。この変位可能当接機構部30のより具体的な構成については、後述する実施形態で説明する。
また、分割力印加機構部50は、板材10を分割する力として、上記直線状当接部分32を板材10の主面に押付ける力を作用させる。この際、分割力印加機構部50は、変位可能当接機構部30側を移動させても、板材10側を移動させても、それらの双方を移動させてもよい。要するに、直線状当接部分32を板材10の主面に押付ける力が作用すればよい。また、電動モータ等のアクチュエータの力を受けて前記力を作用させるものであっても、人力を受けて前記力を作用させるものであってもよい。
この板材分割装置20の基本的な動作を説明する。まず、上記分割力印加機構部50により、上記分割用の当接部材である変位可能当接機構部30の直線状当接部分32を、直線状分割ライン部12に沿って板材10の主面に当接させる。この際、直線状当接部分32は、直線状分割ライン部12が形成された位置で板材10に当接しても、直線状分割ライン部12の側方位置で、板材10に当接してもよい。要するに、板材10のうち直線状分割ライン部12部分で当該板材10を割って分割する力が作用する態様であればよい。図1では前者の態様を示している。
この際、板材10の主面が理想的な平面ではなく、多少湾曲等していると、図2に示すように、直線状当接部分32が、その延在方向に沿った複数箇所で、当該板材10の主面の平面度に応じて、板材10に略直交する方向で変位する。また、直線状当接部分32のそれぞれの変位部分で、その変位量に応じた付勢力で板材10の主面に向けて付勢される。なお、図2では理解を容易にするために2箇所での変位のみ図示している。
また、板材10と直線状当接部分32とが理想的な平行配置関係に無い場合も同様に、直線状当接部分32は、その延在方向に沿った複数箇所で、前記平行度に応じて、板材10に略直交する方向で変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材10の主面に向けて付勢される。
すると、直線状当接部分32と板材10の主面とが、直線状当接部分32の延在方向に沿ってなるべく均一な力F1で接触して、板材10を押圧する。
そして、直線状当接部分32を板材10の主面により強く押し当てることで、板材10が直線状分割ライン部12に沿って分割される。
このように構成された板材分割装置20及び板材分割方法によると、直線状当接部分32は、その延在方向に沿った複数箇所で、板材10の平面度や板材10と直線状当接部分32との平行度等に応じて、板材10に略直交する方向で変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材10の主面に向けて付勢される。このため、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って分割荷重分布をなるべく均一にすることができるので、板材10を分割するのに必要な力を可及的に小さくすることができる。
また、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って分割荷重分布をなるべく均一にすることができることから、分割後における板材10の割れ線の真直度も向上させることができると期待できる。さらに、直線状当接部分32に対する局所的な力の作用を解消できることから、変位可能当接機構部30の塑性変形によるダメージも少なくすることができ、変位可能当接機構部30の耐久性向上も期待できる。
ちなみに、図2において、延在方向に沿った複数箇所で変位しない直線状当接部分32B(2点鎖線参照)を想定すると、板材10の最も突出した局所に大きな力F1が集中して作用し、他の凹んだ部分には力が作用し難い。このため、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って分割荷重分布が部分的に偏在してしまい、結果として、板材10を分割するのに必要な力が大きくなってしまう。
また、局所的な力の作用により、分割後における板材10の割れ線の真直度が悪くなる恐れがある。さらに、同局所的な力の作用により、変位可能当接機構部30の塑性変形によるダメージも大きくなってしまう恐れがある。
{第2実施形態}
第2実施形態に係る板材分割装置について説明する。本実施形態では、板材を分割するためのより具体的な構成について説明する。図3は第2実施形態に係る板材分割装置の全体構成を示す説明図であり、図4は同板材分割装置の要部を示す概略斜視図であり、図5は同要部を示す概略側面図であり、図6は同要部を示す概略正面図である。
この板材分割装置120も、板材10を割って分割するための装置である。板材10自体については、上記第1実施形態で説明したものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
この板材分割装置120は、2つのベースダイ130と、分割刃140と、分割力印加機構部150とを備えている。さらに、任意付加的な構成として、板材分割装置120は、撮像部160と、モータ駆動部162と、制御部164と、モニタ166とを備えている。
2つのベースダイ130は、所定間隔離れて所定位置に固定設置されている。2つのベースダイ130の上部であってそれぞれの内向き側の端縁部に、それらの離間方向に対して略直交する方向に延在する直線状当接部分132が設けられている。そして、直線状分割ライン部12を下向きにして2つのベースダイ130間に配設するようにして、板材10を2つのベースダイ130上に載置すると、2つの直線状当接部分132が、直線状分割ライン部12を挟む各位置で、当該直線状分割ライン部12の延在方向に沿って板材10の一方の主面(ここでは下側の主面)に当接するようになっている。
これら2つのベースダイ130の各直線状当接部分132は、上記第1実施形態で説明した変位可能当接機構部30として機能する。
より具体的には、各ベースダイ130は、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って配設された複数の一体型分割当接部134を有している。各一体型分割当接部134は、略直角三角形の板状部材であり、その直角と1つの鋭角とを結ぶ辺側の側面を上方に向けた姿勢で配設されている。なお、ここでは、一体型分割当接部134の1つの鋭角を切り落してある(図4参照)。そして、各一体型分割当接部134の直角側の部分が固定端部135として固定部材138に固定されると共に、前記1つの鋭角側の部分が当接端部136として内向き、つまり、各ベースダイ130間を向くように配設されている。また、各一体型分割当接部134の固定端部135と当接端部136との間に、凹部137h、ここでは、略環状の凹部137hが形成されている。この凹部137hの形成部分は他の部分よりも弾性変形容易な部分であり、これによって、各一体型分割当接部134における固定端部135と当接端部136との間に、当接端部136を固定端部135に対して変位可能かつ付勢可能に支持する弾性支持部137が形成されている。
各ベースダイ130では、上記一体型分割当接部134が直線状分割ライン部12に沿って間隔をあけて配設されることで、各当接端部136、特に、その上面が、板材10の主面の平面度や各ベースダイ130や分割刃140、板材の平行度等に応じて、独立して変位する。また、その変位量に応じて弾性支持部137が各当接端部136を板材10に向けて付勢するようになっている。
つまり、上記各ベースダイ130の各当接端部136の上面を全体として直線状当接部分132であると捉えることができ、また、個々の各当接端部136の上面を、独立して変位可能でかつ独立して変位量に応じた付勢力で付勢される分割当接部分として捉えることができる。
なお、一体型分割当接部134は、数N〜数十Nの力で上記各当接端部136を微小変位できる程度の剛性ないし強度を有していることが好ましい。また、上記各ベースダイ130の直線状当接部分132の端縁部は鋭利に尖っている必要はなく、高寿命化のため数十〜数百μmの幅を有していてもよい。
また、分割刃140は、直線状分割ライン部12に対応する位置で、その直線状分割ライン部12の延在方向に沿って板材10の他方の主面(ここでは上側の主面)に当接可能に形成されている。
より具体的には、分割刃140は、板状に形成されており、その下縁部が下方に向けて順次薄肉となり、かつ、直線状分割ライン部12と略同じ長さ又はそれよりも長いエッジ部142に形成されている。そして、当該エッジ部142が板材10の他方の主面に当接されるようになっている。
なお、分割刃140のエッジ部142先端部は必ずしも鋭利に尖っている必要はなく、高寿命化のため、エッジ部142の幅が数十μm程度であってもよい。
分割力印加機構部150は、上記2つのベースダイ130と分割刃140のうち少なくとも1つを、板材10と略直交する方向に沿って相対的に近接する方向に移動させる機構部である。
ここでは、分割力印加機構部150は、分割刃140を板材10と略直交する方向に沿って下方に移動させる機構部である。より具体的には、分割力印加機構部150は、モータで発生させた回転運動をボールネジ機構等を介して直線運動に変換する機構やリニアモータ等で構成されており、分割刃140の上方の所定位置に固定設置されている。そして、分割力印加機構部150の駆動によって、分割刃140を、両ベースダイ130間の上方の待機位置から両ベースダイ130間の分割加工位置に向けて、所定速度で加工駆動させるようになっている。
なお、本実施形態では、分割力印加機構部150が分割刃140を移動させる例で説明したが、両ベースダイ130又は一方のベースダイ130を上方に移動させる構成であってもよく、また、分割刃140及び両ベースダイ130の全てを移動させる構成であってもよい。また、モータ等のアクチュエータによる駆動力を分割力として作用させる構成に限らず、人力を分割力として作用させる構成であってもよい。
また、上記両ベースダイ130の下方には、CCD等の撮像素子を有する撮像ユニット161aと、当該撮像ユニット161aを直線状分割ライン部12の延在方向に沿って移動させる撮像ステージ161bとを有する撮像部160が配設されている。撮像部160は、ベースダイ130間で、板材10の直線状分割ライン部12の分割の様子を撮像可能に構成されている。
制御部164は、本装置全体の動作制御等を行うものであり、モータ駆動部162を介して、上記分割力印加機構部150や撮像部160の撮像ステージ161bの動作を制御する。また、上記撮像ユニット161aからの撮像信号が制御部164に入力されると、制御部164はその撮像信号に応じた映像をモニタ166に表示する。
なお、本板材分割装置120に、直線状分割ライン部12が両ベースダイ130間でかつ分割刃140の真下位置に配設されるように、板材10の位置を変更したり、板材10を回転させる板材移動ユニットが設けられていてもよい。
このように構成された板材分割装置120の動作について説明する。
まず、上記2つのベースダイ130の上に板材10を載置する。この際、直線状分割ライン部12が下向きでかつ2つのベースダイ130間であって分割刃140の真下の位置に配設されるようにする。
この状態で、分割力印加機構部150の駆動により分割刃140を下降させる。すると、分割刃140のエッジ部142が、直線状分割ライン部12の真上で板材10の他方の主面(上面)に当接する。
この際、板材10の平面度や、各ベースダイ130と板材10と分割刃140の平行度に応じて、各ベースダイ130において、各一体型分割当接部134の当接端部136が板材10に対して略直交する方向に変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材10に向けて付勢される。
すると、各ベースダイ130において、各一体型分割当接部134の当接端部136の上面と板材10の主面とが、直線状分割ライン部12の延在方向に沿ってなるべく均一な力で接触して、板材10を押圧する。
そして、分割刃140を板材10により強い力で押付けると、板材10の直線状分割ライン部12に分割応力が作用し、やがて板材10が直線状分割ライン部12に沿って分割される。この際、一体型分割当接部134の当接端部136の上面と板材10の主面とが、直線状分割ライン部12の延在方向に沿ってなるべく均一な力で接触しているので、板材10の直線状分割ライン部12における分割荷重分布もほぼ均一となる。これにより、板材10を分割するのに必要な力を可及的に小さくすることができる。
しかも、上記各当接端部136は、独立して変位し、かつ、独立して変位量に応じた付勢力で付勢されるため、変位の相互影響を排除して、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って各当接端部136と板材10とをより均一な力で接触させることができる。これにより、より小さな力で板材10を割って分割できる。
また、第1実施形態で述べたのと同様の理由から、分割後における板材10の割れ線の真直度を向上させること、及び、分割刃140やベースダイ130の耐久性向上も期待できる。
また、各一体型分割当接部134は、固定端部135と当接端部136との間に凹部137hを形成することで、それら固定端部135と当接端部136と弾性支持部137とを一体形成した構成であるため、当該各一体型分割当接部134を容易に製造することができる。
もっとも、固定端部135と当接端部136とを板バネ部材等で連結して、当接端部136を変位自在かつ変位量に応じて付勢可能に支持した構成であってもよい。
{変形例}
以下では、各種変形例について説明する。なお、上記第2実施形態と同様構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図7は第1変形例を示す概略斜視図である。この第1変形例では、上記各一体型分割当接部134に代えて、弾性分割当接部234を有している。この弾性分割当接部234は、上記各一体型分割当接部134の凹部137hを省略した構成と同様形状を有しており、全体が弾性変形可能な材料で形成されている。弾性変形可能な材料としては、上記板材10の分割時に大きく変位することなく微小変位可能な程度の剛性を持つ弾性材料であることが好ましく、例えば、ポーラス構造等を持つ焼結金属等を用いることができる。
この変形例によると、各弾性分割当接部234が、板材10の平面度や、各ベースダイ130と板材10と分割刃140の平行度に応じて、弾性変形して変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材10に向けて付勢される。
このため、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、弾性分割当接部234自体が弾性変形するので、凹部137h等を形成する必要もなく、従って、その製造を容易に行える。
図8は第2変形例を示す概略正面図であり、図9は第3変形例を示す概略正面図であり、図10は第4変形例を示す概略正面図である。これらの第2変形例〜第4変形例は、板材10との当接部分を変位可能に支持する部分と、付勢する部分とを別部材によって構成した例であり、特に、第2及び第3変形例は、バネによって付勢した構成、第4変形例は圧縮剛性を呈する部材によって付勢した構成である。各変形例について説明する。
図8に示す第2変形例は、第2実施形態における一体型分割当接部134に代えて、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って配設された複数の分割当接部334と、各分割当接部334を支持する分割支持部335と、各分割当接部334を付勢する分割付勢部としてコイルバネ336を有している。
各分割当接部334は、略台形状板状に形成されており、直線状分割ライン部12の延在方向に略直交する姿勢で、かつ、その1つの鋭角を上方の内向きに配設した姿勢で配設されている。そして、板材10が、分割当接部334の当該鋭角部分に載置するようにして支持されるようになっている。
また、各分割支持部335は、上記各分割当接部334の下部から下方に向けて延びるガイドピン部335aと、当該ガイドピン部335aを挿入可能なガイド孔338aを有する固定部材338とを有している。ガイド孔338aは、載置される板材10に対して略直交する方向に延びるように形成されている。そして、上記ガイドピン部335aがガイド孔338a内に移動自在に挿入されることで、分割当接部334が板材10と略直交する方向に沿って変位可能に支持されている。
なお、分割当接部334の外側の面が、上記固定部材338のガイド面338bに当接しており、これにより、分割当接部334の回り止が図られている。
また、コイルバネ336は、ガイドピン部335aに外嵌めされ、分割当接部334の下部とガイド孔338aの底面との間に介在している。そして、分割当接部334が下方に変位すると、分割当接部334の変位量に応じた付勢力で分割当接部334を上方に向けて、つまり、板材10に向けて付勢するようになっている。
なお、分割刃140の押圧力を除去した場合等に、コイルバネ336の付勢力で分割当接部334が上方に飛出してしまわないように、分割当接部334の上方への移動を規制する規制部材等を設けることが好ましい。
図9に示す第3変形例は、第2実施形態における一体型分割当接部134に代えて、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って配設された複数の分割当接部434と、各分割当接部434を支持する分割支持部435と、各分割当接部434を付勢する分割付勢部としてぜんまいバネ436と有している。
各分割当接部434は、長方形板状部分に台形板状部分を連設した形状に形成されており、直線状分割ライン部12の延在方向に略直交する姿勢で、かつ、台形板状部分の1つの鋭角を上方の内向きに配設した姿勢で配設されている。そして、板材10が、分割当接部434の当該鋭角部分に載置するようにして支持されるようになっている。
また、各分割支持部435は、上記各分割当接部434の外側部分の下部から下方に向けて延びるガイドピン部435aと、当該ガイドピン部435aを挿入可能なガイド孔438hを有する固定部材438とを有している。ガイド孔438hは、載置される板材10に対して略直交する方向に延びるように形成されている。そして、上記ガイドピン部435aがガイド孔438h内に移動自在に挿入されることで、分割当接部434が板材10と略直交する方向に沿って変位可能に支持されている。
なお、固定部材438に立設された回り止ガイド438aが分割当接部434に形成されたガイド凹部434aに移動自在に挿入されており、これにより、分割当接部434の回り止が図られている。
また、ぜんまいバネ436は、分割当接部434の下部と固定部材438の上向き面との間で縮径するように弾性変形可能に配設されている。そして、分割当接部434が下方に変位すると、分割当接部434の変位量に応じた付勢力で分割当接部434を上方に向けて、つまり、板材10に向けて付勢するようになっている。
図10に示す第4変形例は、上記第3変形例におけるぜんまいバネ436に代えて、圧縮剛性を呈する部材、ここでは、エアシリンダ536を配設している。その他の構成は、上記第3変形例と同様である。
エアシリンダ536は、加圧圧縮した状態で、分割当接部434の下部と固定部材438の上向き面との間に配設されており、分割作業時に、分割当接部434を微小変位させるようになっている。
このエアシリンダ536も、分割当接部434が下方に変位すると、分割当接部434の変位量に応じた付勢力で分割当接部434を上方に向けて、つまり、板材10に向けて付勢するようになっている。
なお、圧縮剛性を呈する部材としては、上記エアシリンダ536の他、オイルシリンダ等の液体シリンダ、変位に応じた付勢力を上記分割当接部434に作用させるように配設したダイヤフラム等を用いることができる。
これらの第2〜第4変形例によると、分割当接部334,434を変位可能に支持する部分335,435と、分割当接部334,434をその変位量に応じて付勢する部分336,436,536とを別々に構成しているため、分割当接部334,434が変位する方向及び付勢される方向を、板材10と略直交する方向になるべく一致させることができる。これにより、板材10の平面度や、各ベースダイ130と板材10と分割刃140の平行度に応じて、より正確に分割当接部334,434を変位させることができ、また、より正確に当該変位量に応じた付勢力で付勢することができる。
図11は第5変形例を示す概略斜視図である。この変形例では、上記第2実施形態における各一体型分割当接部134に代えて、平行平板機構部634を用いた例を示している。平行平板機構部634は、4つのアーム、即ち、2つの略水平アーム634aと、2つの略鉛直アーム634bとを略方形枠状に連結すると共に、それぞれの連結部分に略円弧状のくりぬき部分634hを形成することで、一種の平行平板機構を構成している。この平行平板機構部634は、例えば、金属等のブロック体を適宜切削加工等することで形成することができ、比較的簡易に製造できる。そして、一方側の略鉛直アーム634bを内側に向けて分割刃140近傍に配設した姿勢で、他方側の略鉛直アーム634bが固定部材638に固定されている。そして、上側の略水平アーム634a上に板材10を載置した状態で、上記分割刃140を下降させることにより、上記複数の一体型分割当接部134が配設されたのと同様態様で配設された複数の平行平板機構部634の一方側の略鉛直アーム634bが、板材10の平面度や、各ベースダイ130と板材10と分割刃140の平行度に応じて、板材10に対して略直交する方向に変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材10に向けて付勢される。
この際、平行平板機構の動作により、一方側の略鉛直アーム634bは、板材10に対して略直交する方向に沿って比較的正確に変位できるので、板材10の平面度等に応じた変位量を比較的正確にでき、また、比較的正確に当該変位量に応じた付勢力で付勢することができる。
図12は、第6変形例を示す概略斜視図である。この変形例では、変位量に応じた物理量を検出する検出部を設けた例を示している。
すなわち、この変形例では、上記第2実施形態における一体型分割当接部134に代えて、検出部付一体型分割当接部733を有している。検出部付一体型分割当接部733は、一体型分割当接部734と検出部734aとを有している。一体型分割当接部734は、上記一体型分割当接部134と同様に、略直角三角形の板状部材であり、固定端部735と当接端部736との間に凹部737hを形成した形状とされている。一体型分割当接部734が一体型分割当接部134と異なる点は、固定端部735と当接端部736との間にさらにスリット状の凹部737haを形成した点である。つまり、この一体型分割当接部734では、凹部737hと凹部737haを形成することで、固定端部735と当接端部736との間に弾性変形容易な弾性支持部737が形成されている。この一体型分割当接部734自体は、上記一体型分割当接部134と同様に動作するものである。
また、検出部734aは、一体型分割当接部734の当接端部736の変位量に応じた物理量を検出する。ここでは、検出部734aは、圧電素子又は歪みゲージ等の応力検知部であり、上記一体型分割当接部734のうち凹部737haの開口部分に取付けられている。そして、当接端部736が変位に応じて弾性支持部737が歪むと、その歪み量に応じた歪み検知信号を出力するようになっている。
この変形例によると、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って複数箇所で、直線状当接部分を構成する各当接端部736の歪み量を検出することができる。このため、板材10を分割する際における各当接端部736への応力の加わり方等の状況を検出して、観察することができる。また、応力分布等から、直線状分割ライン部12の深さや形状等をも推測することができる。
なお、上記検出部734aは、応力検知部であると説明したが、必ずしもその必要はなく、例えば、当接端部736の変位量を検出する変位量検知部であってもよい。例えば、検出部734aの歪み検知信号は、当接端部736の変位量に応じた信号でもあるので、当接端部736の変位量を示す信号としても解釈できる。また、検出部734aとして、当接端部736の変位量を直接的に検出する位置検出装置、例えば、テコ式やトランス式の位置検出装置(マイクロメーターともいう)や、レーザー光等による光学式測長器、静電容量式変位計等を用いてもよい。要するに、検出部734aとしては、変位量に応じた物理量を検出する全ての検出部を含む。また、このような検出部は、上記実施形態や各変形例に適用されてもよい。
なお、上記第2実施形態及び上記各変形例は、ベースダイ130が第1実施形態で説明した変位可能当接機構部30として機能する例で説明しているが、必ずしもその必要はない。例えば、分割刃140に、図8〜図10の変形例に係る構成を適用して、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って複数箇所で変位可能かつ変位量に応じて付勢可能にして、変位可能当接機構部30として機能させてもよい。この場合、ベースダイ130を変位可能な構成にしなくともよい。また、2つのベースダイ130のうち一方だけを、変位可能当接機構部30として機能させるようにしてもよい。要するに、2つのベースダイ130と分割刃140のうち少なくとも1つが、変位可能当接機構部30として機能すればよい。
図13は第7変形例を示す概略斜視図である。この変形例では、いわゆる片持ち梁の態様で、板材を支持した例を示している。
すなわち、この変形例にかかる板材分割装置820は、板材固定部840と、変位可能当接機構部830と、分割力印加機構部850とを有している。
板材固定部840は、板材10のうち直線状分割ライン部12の側方部分を挟込むようにして支持可能に構成されている。
また、変位可能当接機構部830は、板材固定部840による固定支持部分から直線状分割ライン部12を挟んで反対側で、板材10の一方側の主面に当接可能に構成されている。この変位可能当接機構部830は、上記第2実施形態や各変形例に係る構成等によって、その延在方向に沿って複数箇所で、板材10と略直交する方向に沿って変位可能で、かつ、板材10に向けてその変位量に応じた付勢力で付勢可能に構成されている。
また、分割力印加機構部850は、上記変位可能当接機構部830を板材10の前記主面に押付ける方向に移動させる。なお、分割力印加機構部850は、板材固定部840を上方に移動させることで、上記変位可能当接機構部830を板材10の前記主面に押付けるようにしてもよい。
この板材分割装置820では、分割力印加機構部850の駆動により変位可能当接機構部830を移動させると、板材10の直線状分割ライン部12に分割力が作用し、板材10は当該直線状分割ライン部12に沿って割れるように分割される。この際、変位可能当接機構部830は、直線状分割ライン部12に沿った複数箇所で、板材10の平面度や、10板材と変位可能当接機構部830との平行度等に応じて、変位すると共に、その変位量に応じた付勢力で板材10に向けて付勢される。このため、変位可能当接機構部830を直線状分割ライン部12の延在方向に沿ってなるべく均一な力で接触させることができる。これにより、直線状分割ライン部12の延在方向に沿って分割荷重分布をなるべく均一にすることができ、より小さな力で板材10を割って分割できる。その他、上記第1実施形態や第2実施形態と同様の効果を奏する。
実際に、上記第2実施形態に係る板材分割装置20によって、板材10を分割し、分割に必要な分割負荷を測定した。その測定結果を図14に示す。なお、測定条件は、次の通りである。まず、板材10としては、サファイア基板を用いた。サファイア基板の板厚は80μmであり、これに、直線状分割ライン部12として、長さ(基板の幅)23mmで、かつ、深さ約20μmの溝を形成した。また、2つのベースダイ130の間隔を270μmに設定した。さらに、負荷条件として、1.3N/secで力を加えた。そして、3回の測定を行った(変位可能ベースNo.1〜No.3)。
また、比較例として、上記と同様条件にて、変位可能当接機構部を有さない従来タイプの板材分割装置で板材10を分割して、分割負荷を測定した(従来No.1〜No.3)。
この場合、比較例では、分割負荷が72.3N、87N、74Nであり、平均は77.76667であり、比較的大きな分割負荷が必要となる。
これに対し、本第2実施形態に係る板材分割装置20では、分割負荷が62.5N、63N、61.5Nであり、個々の値で見ても平均値で見ても、分割負荷が小さくなることがわかる。また、分割負荷のばらつきも小さく、比較的安定した分割負荷にすることもできると予測できる。
また、同様の条件で板材10を分割し、分割後の板材10の分割縁部の真直度を測定した。図15〜図17は、第2実施形態に係る板材分割装置20によって板材10を分割した場合において、板材10の分割縁部に関して、その一端からの位置と理想的な直線からのばらつき量との関係を示している。
図18〜図20は、変位可能当接機構部を有さない従来タイプの板材分割装置で板材10を分割した比較例において、上記と同様の関係を示している。
これらの図から、比較例ではばらつきが大きくかつばらつきの最小値、最大値の差が大きいのに対し、第2実施形態に係る板材分割装置20によって分割した例では、ばらつきが小さくかつばらつきの最小値、最大値の差も比較的小さく、真直度が良好であることがわかる。
10 板材
12 直線状分割ライン部
20,120 板材分割装置
30 変位可能当接機構部
32,132 直線状当接部分
50 分割力印加機構部
130 ベースダイ
134 一体型分割当接部
135 固定端部
136 当接端部
137 弾性支持部
137h 凹部
140 分割刃
142 エッジ部
150 分割力印加機構部
234 弾性分割当接部
334,434 分割当接部
335,435 分割支持部
336 コイルバネ
436 バネ
536 エアシリンダ
634 平行平板機構部
733 検出部付一体型分割当接部
734 一体型分割当接部
734a 検出部
820 板材分割装置
830 変位可能当接機構部
840 板材固定部
850 分割力印加機構部

Claims (9)

  1. 板材に形成された直線状分割ライン部に沿って前記板材を分割する板材分割装置であって、
    前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って前記板材の主面に当接可能な直線状当接部分を有し、前記直線状当接部分がその延在方向に沿って複数箇所で、前記板材と略直交する方向に沿って変位可能で、かつ、前記板材に向けてその変位量に応じた付勢力で付勢される変位可能当接機構部と、
    前記板材を分割する力として、前記直線状当接部分を前記板材の主面に押付ける力を作用させる分割力印加機構部と、
    を備え、
    前記板材のうち前記直線状分割ライン部の側方部分を固定支持する板材固定部をさらに備え、
    前記変位可能当接機構部は、前記板材固定部による固定支持部分から前記直線状分割ライン部を挟んで反対側で前記板材の主面に当接可能に配設され、
    前記分割力印加機構部は、前記板材固定部及び前記変位可能当接機構部のうち少なくとも一方を、前記変位可能当接機構部を前記板材に押付ける方向に移動させる、板材分割装置。
  2. 請求項1記載の板材分割装置であって、
    前記変位可能当接機構部の前記直線状当接部分は、その延在方向に沿って設けられた複数の分割当接部分を有し、前記各分割当接部分がそれぞれ独立して前記板材と略直交する方向に変位可能で、かつ、独立して変位量に応じた付勢力で付勢される、板材分割装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の板材分割装置であって、
    前記変位可能当接機構部は、前記直線状当接部分の延在方向に沿って複数箇所で、その直線状当接部分の変位量に応じた物理量を検出する検出部を有する、板材分割装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の板材分割装置であって、
    前記変位可能当接機構部は、
    前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設された複数の分割当接部と、
    前記各分割当接部を前記板材と略直交する方向に沿って変位可能に支持する分割支持部と、
    前記各分割当接部を前記板材に向けて付勢する複数の分割付勢部を有する、板材分割装置。
  5. 請求項4記載の板材分割装置であって、
    前記各分割付勢部は、バネ又は圧縮剛性を呈する部材である、板材分割装置。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の板材分割装置であって、
    前記変位可能当接機構部は、
    固定端部と当接端部との間に形成した凹部形成部分で前記当接端部を前記固定端部に対して変位可能かつ付勢可能に支持した一体型分割当接部を複数、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成である、板材分割装置。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の板材分割装置であって、
    前記変位可能当接機構部は、
    弾性変形可能な材料で形成された弾性分割当接部を複数、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成である、板材分割装置。
  8. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の板材分割装置であって、
    前記変位可能当接機構部は、
    複数の平行平板機構部を、前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って配設した構成である、板材分割装置。
  9. 板材に形成された直線状分割ライン部に沿って前記板材を分割する板材分割方法であって、
    前記板材のうち前記直線状分割ライン部の側方部分を固定支持する工程と、
    分割用の当接部材を、前記板材の固定支持部分から前記直線状分割ライン部を挟んで反対側で前記直線状分割ライン部の延在方向に沿って前記板材の主面に当接させることで、前記当接部材のうち前記板材との当接部分を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿った複数箇所で前記板材と略直交する方向に沿って変位させると共に、その当接部分を前記直線状分割ライン部の延在方向に沿った複数箇所でそれぞれの変位量に応じた付勢力で付勢する工程と、
    前記当接部材を前記板材の主面に押し当てることで、前記板材を前記直線状分割ライン部で割って分割する工程と、
    を備えた板材分割方法。
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