以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
<冊子生成装置のシステム構成図>
図1に、本発明の実施形態に係る冊子作成装置のシステム構成を示す。101は画像入力装置であり、イメージ情報である光学像を電気信号に変換し、所定の画像処理をした後にデジタル情報として記録、再生する。例えば、画像入力装置101は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはスキャナである。102はユーザーが操作するパーソナルコンピュータからなるクライアント装置であり、アルバム編集装置108とWEBブラウザ109などのアプリケーションを含む。
103はプリントサイトであって、ネットワーク106を介してクライアント装置102に接続される。ユーザーは、WEBブラウザ109を使用することによって、クライアント装置102上のアルバム編集装置108を使用して作成したアルバムデータのプリント注文をすることが可能である。104は出力装置であって、プリントサイト103に送られたアルバムデータを実際に印刷し、アルバム111を作成する。105はフォトサイトであって、画像DB(データベース)110内に、各種WEBページ情報、画像、音声などのマルチメディア情報を保存管理する。
106はインターネットなどのネットワークであり、クライアント装置102、プリントサイト103及びフォトサイト105が接続され、各種データの送受信が行われる。107はローカル通信媒体であって、画像入力装置101で取得された画像データをクライアント装置102へ転送する。ローカル通信媒体107としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394に代表される有線通信媒体と、Bluetoothに代表される無線通信媒体がある。ローカル通信媒体107を介して画像入力装置101からクライアント装置102へ転送された画像データは、クライアント装置102内のHDD(ハードディスクドライブ)に記憶される。
アルバム編集装置108はクライアント装置102上で動作し、画像データやコメントなどを配置可能な複数ページで構成されるアルバムを編集することができる。ユーザーはクライアント装置102上で動作するWEBブラウザ109によりネットワーク106経由でフォトサイト105にアクセスし、アルバム編集装置108でのアルバム作成に使用するテンプレートデータや画像データをダウンロードすることができる。フォトサイト105上の画像DB110は、WEBブラウザ109によってダウンロードされる電子アルバム用のテンプレートデータや画像データを格納する。出力装置104で作成されるアルバム111は本システムの最終成果物となる。
アルバム編集装置108で編集に使用される画像データは大きく分けて二種類ある。1つ目は、クライアント装置102上のHDDなどの記憶媒体に登録された画像データである。HDDに記憶された画像データの中には、画像入力装置101から取得され、ローカル通信媒体を介してクライアント装置102に転送されものも含まれる。もう1つは、フォトサイト105の画像DB110に格納されている画像データである。それらの画像データは、一般にクライアント装置102よりネットワーク106を介してフォトサイト105へアップロードされたものを含む。アルバム編集時には、それらはネットワーク106を介してフォトサイト105からクライアント装置102へ適宜ダウンロードされる。
クライアント装置102は、プリントサイト103に関して前述した注文方法の他に、編集されたアルバムのプリント注文をフォトサイト105経由でプリントサイト103に依頼することも可能である。プリントサイト103は、出力装置104を使ってアルバムのプリント注文に対する印刷処理を実行してアルバム111を出力する。なお、図1ではプリントサイト103を1つだけ図示したが、2つ以上備えるようにしてもよい。
<クライアント装置のハードウェア構成>
図2に、クライアント装置102のハードウェア構成を示す。201は表示装置(CRT)であり、その表示画面には、例えば編集中の文書、図形、画像、その他の編集情報、ウインドウー、アイコン、メッセージ、メニュー、その他のユーザーインターフェース情報が表示される。202はVRAMであり、表示装置201に表示するための画像が描画される。このVRAM202に生成された画像データは、所定の規定に従って表示装置201に転送されることにより、表示装置201に画像が表示される。
203はCDまたはDVDに代表される記憶メディア媒体に対する記録再生動作を行うための外部メディアドライブである。アプリケーションを含む各種制御プログラムやデータをクライアント装置102と記憶媒体との間で授受する際の制御を担う。204はキーボードであり、文字入力や種々の操作を行うための各種キーを有する。205はポインティングデバイスである。例えば、表示装置201の表示画面上に表示されたアイコン、メニュー、その他のオブジェクトを指示し、操作するために使用される。
206はCPUであり、ROM207、記憶装置(HDD)209及び外部メディアドライブ203に格納されたアプリケーションを含む制御プログラムに基づいて、CPU206に接続された各デバイスを制御する。207はROMであり、各種の制御プログラムやデータを保持する。208はRAMであり、CPU206のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。209はHDDなどの記憶装置であり、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションを含む各種制御プログラムおよび各種データを格納する。
210はローカル通信I/F(インターフェース)であり、ローカル通信媒体107を介して画像入力装置などの外部機器からのデータを授受する際の制御を担う。211はネットワークI/F(インターフェース)であり、他の情報処理装置やプリンタ等とネットワーク213を介して通信を行うためのものである。212はCPUバスであり、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。なお、CPU206に対する制御プログラムは、ROM207、HDD209、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、外部メディアドライブ203から提供することもできる。さらに、ネットワーク213を介して他の情報処理装置等から行うことも可能である。
本実施形態のアルバム編集装置108はアプリケーションとして実現され、HDD209にOSが実行可能なデータとして格納されている。ユーザーのポインティングデバイス205やキーボード204が操作されると、OSがアルバム編集装置108の実行可能なデータをRAM206へマップし、CPU206を用いて処理を実行する。アルバム編集装置108はOS提供のAPI関数をコールすることによりVRAM202へユーザーインターフェースを表示する。そのユーザーインターフェースに対するポインティングデバイス205やキーボード204をユーザー操作すると、OSがアルバム編集装置108へイベントを伝え、アルバム編集装置108がイベントを解釈し対応する処理を実行する。
<アルバム編集装置のブロック図>
図3に、本実施形態におけるアルバム編集装置108の機能構成を示す。301は最終成果物であるアルバム111作成のための画像データや描画データを管理、制御するためのデータ制御部である。データ制御部301は候補画像3011、アルバム構成データ3012、表紙用コンテンツデータ3013、および内部ページコンテンツデータ3014を管理する。302はアルバム作成のためにGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を制御してユーザーに対する操作手段や編集内容の表示手段を提供するためのGUI制御部である。303はアルバムに使用されるデザイン情報(レイアウトテンプレートデータなど)を管理、制御するためのデザイン制御部である。デザイン制御部303は、レイアウト情報3031と、画像割付テーブル3032を管理する。304は作成されたアルバム情報を元に印刷注文に必要な印刷データを作成して、同印刷データ及び注文処理に必要な情報の通信および管理を行うための通信制御部である。通信制御部304は商品構成データ3041を管理する。
候補画像3011は、アルバム作成時の画像データ選択工程でユーザーによって選択された、アルバムへ格納する候補の画像群である。この選択された画像を、アルバム作成時の編集&プレビュー工程で、アルバムの各ページに割り当てることにより、アルバムが作成される。アルバム構成データ3012は作成中のアルバムの基本構成情報である。例えば、アルバムの商材設定、構成ページ数、表紙用コンテンツデータ3013へのリンク、および内部ページコンテンツデータ3014へのリンクである。表紙用コンテンツデータ3013は、データ制御部301により管理されているアルバム表紙、裏表紙、および背表紙に割り振られる画像データと、その描画位置、アルバムのタイトル、および台紙に対する付加描画に関するデータである。内部ページコンテンツデータ3014は、アルバム表紙および裏表紙以外の内部を構成するページへ割り振られる画像データとその描画位置、写真へのコメント、および台紙部分への付加描画に関するデータである。作成中のアルバムの情報であるアルバム構成データ3012、表紙用コンテンツデータ3013および内部ページコンテンツデータ3014は、アルバム作成時の編集&プレビュー工程で生成される。
レイアウト情報3031はデザイン制御部303により管理されているレイアウトファイルで、各ページ見開きにおける画像や文字列の配置を決定するための情報が記録されている。画像割付けテーブル3032はデザイン制御部303により管理されている画像データ割付テーブルで、各ページに割り付けられる画像データ数に関わる情報テーブルが記録されている。
商品構成データ3041はプリントサイト103へ注文可能な商品構成の選択肢に関する情報である。商品構成データ3041は、商品構成の選択肢毎に、A4などの冊子サイズ、構成可能なページ数およびアルバムの構成用紙の厚さ情報を保持する。プリントサイト103で注文可能な商品構成の選択肢毎にそれらの情報を保持する。通信制御部304はプリントサイトと適宜通信することにより商品構成データ3041を最新の状態とする。
<アルバム編集装置の処理概要>
図4に、本実施形態に係るアルバム編集装置108での大まかな流れを説明するフローを示す。図5に、本実施形態に係るアルバム編集装置108のUI(ユーザーインターフェースを示す。以下、図5のUIでの操作説明を交えながら、図4のフローを用いてアルバム編集装置108の動作概略を示す。
ステップS401は商品選択工程である。アルバム編集装置108は通信制御部304を用いてプリントサイト103へ注文可能な商品構成に関する情報である商品構成データ3041を取得する。アルバム編集装置108は、商品構成データ3041より、図5(A)に示す商品の選択肢を表す商品選択UI500を構成し、GUI制御部302を用いてそのUIをCRT210へ表示する。以下特に明記しない限り、商品選択UI500へのUI操作に関しては全てGUI制御部302が応答し処理するものとする。
本実施形態において、商品選択UI500は、商品の選択肢として501、502を有している。それぞれの選択肢のラジオボタン5011、5012の排他的な選択により、アルバム編集装置108で作成する商品がどちらになるかが決定される。
501の商品は、アルバムを構成するページ数と、ページ内の写真の位置を自由に編集可能な自由レイアウトアルバムである。アルバムを構成するページ数は、表紙と裏表紙を含めて160ページから400ページで構成することが可能である。さらに501の商品の表紙として紙厚が薄めのソフトカバーと、厚いハードカバーを排他的に選択可能である。ユーザーによるラジオボタン50111、50112の排他的な選択により、アルバム編集装置108で作成する商品の表紙のタイプが決定される。
502の商品は、アルバムを構成するページ数が12ページ、20ページ、24ページに制限されている商材であり、ページ内の写真の位置を自動レイアウトで決定する簡単アルバムである。502の商品の表紙としては、501と同様に、ソフトカバーとハードカバーがラジオボタン50121、50122で排他的に選択可能である。またラジオボタン50123、50124、50125の排他的な選択により、アルバムを構成するページ数が決定される。
上で説明した商品選択UI500上での選択後、「進む」ボタン503を押下されることにより、アルバム編集装置108で作成する商品が決定される。商品が決定されると、GUI制御部302は選択されたアルバムの商材設定をデータ制御部301へ伝える。データ制御部301は作成するアルバムの設定としてアルバム構成データ3012へアルバムの商材設定を保存する。保存後、アルバム編集装置108が次のステップへ処理を進める。本実施形態では、以下、構成ページ数の自由度が高い、自由レイアウトアルバムを選択した場合を説明する。
ステップS402は画像データ選択工程である。アルバム編集装置108はGUI制御部302を用いて、図5(B)に示すアルバムへ配置する画像の候補を選択する画像選択UI510をCRT210へ表示する。以下特に明記しない限り、画像選択UI510へのUI操作に関しては全てGUI制御部302が応答し処理するものとする。
画像選択UI510には、画像の取得先を選択するためにフォルダー選択領域511が存在する。更にフォルダー選択領域511にはデスクトップ5111とフォトサイト5112のフォルダーアイコンが表示される。デスクトップ5111は、クライアント装置102のHDD209のデスクトップフォルダーからの画像取得を表すアイコンである。デスクトップ5111がクリックされると選択状態となる。もし選択中のフォルダーに画像ファイルが格納されている場合は、画像のサムネール群がフォルダー内画像領域512へ表示される。また下位に位置するフォルダーが存在すれば、ツリー構造で下位フォルダーのアイコンが表示される。外部メディアドライブ203に外部メディアがマウントされていればデスクトップフォルダーの下位には外部メディア上のフォルダーアイコンが表示される。またローカル通信I/F210へ画像入力装置101が接続されていれば、その内部フォルダーもデスクトップフォルダーの下位フォルダーとして表示される。フォトサイト5112は、フォトサイト105の画像DB110よりネットワーク106経由での画像取得を表すアイコンである。クリック操作に関してはデスクトップ5111のアイコンと同様なUI挙動をとる。デスクトップフォルダーと異なるところは、フォルダー内画像領域512へ表示される画像は通信制御部304によりネットワークI/F211経由でフォトサイト105より取得され、表示されることである。
フォルダー内画像領域512の画像は、ポインティングデバイスのクリック、またはキーボードのショートカットキー操作により、複数個の画像選択を受け付けることが可能ある。フォルダー内画像領域512での画像の選択後、追加ボタン513が押下されると、選択画面領域514へ選択された画像のサムネールがコピーされる。それらのコピーされた画像がアルバムに配置される候補画像となる。選択画面領域514においても、ポインティングデバイスのクリック、またはキーボードのショートカットキー操作により、複数個の画像選択を受け付けることが可能である。選択画面領域514での画像の選択後、削除ボタン515が押下されると、選択画面領域514から選択画像を除外することが可能である。選択画面領域514へ候補画像がある場合に「進む」ボタン516が有効になる。この「進む」ボタン516が押下されると、アルバム編集装置108は、データ制御部301を用いて、選択画面領域514の候補画像の画像データを候補画像3011へ保存する。なお、「戻る」ボタン517が押下された場合はS401の商品選択工程へ処理を戻す。
ステップS403は編集&プレビュー工程である。アルバム編集装置108はGUI制御部302を用いて、図5(C)に示すアルバムの編集とそのプレビューを行うUIである編集&プレビューUI520をCRT210へ表示する。以下特に明記しない限り、編集&プレビューUI520へのUI操作に関しては全てGUI制御部302が応答し処理するものとする。
編集&プレビューUI520は大きく4つの領域で構成される。1つ目の領域は操作ボタン領域521であり、アルバム作成のために必要な各種操作ボタンが配置される。2つ目の領域は見開きページ編集領域522であり、アルバムの見開きのページのプレビューが表示される。3つ目の領域は候補画像トレー523であり、S402画像データ選択工程で選択された画像のサムネールが表示される。これらのサムネールは、データ制御部301が管理する候補画像3011の画像群より生成され表示される。最後の4つの目の領域はアルバム全体プレビュー524であり、アルバム全体を構成する全てのページに関して見開きページの形式のプレビューが表示される。ここで表示するプレビューは、データ制御部301が管理するアルバム構成データ3012、表紙用コンテンツデータ3013、および内部ページコンテンツデータ3014の情報を元に生成される。なお、新規作成されたアルバムの場合、商品選択されたアルバム形式で作成可能な最低枚数のページを持つ構成のプレビューが表示される。
アルバム全体プレビュー524では、見開きページのプレビューの内の必ず1つが選択状態となる。キーボード204やポインティングデバイス205によるそれらプレビューに対する選択操作により、選択対象を別の見開きプレビューに変更可能である。選択プレビューが変更になると、見開きページ編集領域522での編集対象のプレビューも連動して変更される。図5(C)では、冊子の表紙と裏表紙のプレビュー5241が選択されている状態を示している。見開きページ編集領域522に表紙と裏表紙のプレビュー5221が表示されている。図5(C)は左開きのアルバムの例である。そのため表紙と裏表紙のプレビュー5221の右半分は表紙のプレビュー、左半分は裏表紙のプレビューである。それらに挟まれて中央部分に背表紙のプレビューが表示される。
表紙のプレビュー上にはタイトルのテキスト領域5222が存在する。また背表紙のプレビュー上には背表紙タイトルのテキスト領域5223が存在する。テキスト領域5222、5223はポインティングデバイス205でのクリックにより選択状態になり、キーボード204からの文字入力を受け付ける。図5(C)は“旅の思い出”という文字列が入力されている例である。これらの入力された文字情報は、表紙用コンテンツデータ3013として、データ制御部301によって管理される。更に表紙のプレビュー上には、表紙の画像領域5224が表示される。ポインティングデバイス205で候補画像トレー523の画像を選択後、表紙の画像領域5224にドラック・アンド・ドロップされると、その領域に選択された画像を割り当てる。割り当てられた画像はデータ制御部301に伝えられ、表紙用コンテンツデータ3013として管理される。見開きページ編集領域522に、表紙および裏表紙以外のページが表示されている場合も同様に、キーボード204とポインティングデバイス205を用いて、テキスト領域と画像領域を編集可能である。その場合編集内容は、内部ページコンテンツデータ3014に保存される。
操作ボタン領域521には、レイアウト変更ボタン5211と、ページ追加/削除ボタン5212が配置されている。レイアウト変更ボタン5211が押下されると、見開きページ編集領域522で表示中の編集対象ページに対し、図5(D)のテキスト領域や画像領域の配置位置を変更可能なダイアログ530が表示される。ダイアログ530には、レイアウト情報3031と画像割付テーブル3032の情報を元に、デザイン制御部303が計算した選択可能なレイアウト構成5301が表示される。レイアウト構成5301での選択により、デザイン制御部303が、見開きページ編集領域522で表示されている編集対象ページ上のテキストや写真の配置位置を変更する。編集対象ページのレイアウトの変更結果は、表紙用コンテンツデータ3013または内部ページコンテンツデータ3014へデータ制御部によって保存される。保存されると、GUI制御部302が見開きページ編集領域522とアルバム全体プレビュー524のプレビューを変更する。
見開きページ編集領域522で表示されている現在の編集対象ページがアルバムの内部ページである場合、ページ追加/削除ボタン5212が有効になる。ページ追加/削除ボタン5212が押下されると、図5(E)に示すように、アルバムに対してページの追加/削除が可能なダイアログ540が表示される。ラジオボックス群5401を指定することにより、現在の編集対象ページの前後へのページ追加、または編集対象ページの削除が可能である。このページ追加/削除処理の結果は、データ制御部301によって、内部ページコンテンツデータ3014に保管され、またアルバムの総ページ数は、アルバム構成データ3012へ保管される。さらにこの変更に応じて、GUI制御部302が見開きページ編集領域522とアルバム全体プレビュー524のプレビューを変更する。なお商品としてアルバムの構成可能ページ数の範囲は決まっており、その情報は商品構成データ3041の一部として通信制御部304が管理する。その構成可能ページ数の範囲情報を元に、アルバムの構成可能ページ数の範囲内でページの追加/削除がなされる。
上記で説明したボタン5211、5212の他にも、操作ボタン領域521には、テキスト領域の文字属性を変更するボタンや、枠や背景などの飾りを変更可能なボタンが存在するが、細部の説明となるので説明は省略する。
「進む」ボタン525が押下されると、アルバム編集装置108はデータ制御部301を使ってS403で作成したアルバムデータ(3012〜3014)の商品としての検証および整形処理を実施する。この検証および整形処理の1つとして、図6に示す冊子用紙決定処理を実施する。その詳細については後述する。検証および整形処理で問題がなければアルバム編集装置108はS404へ処理を進める。検証および整形処理で問題があれば、ユーザーへ警告メッセージを出して、S403でのアルバムの再編集を促す。
ステップS404は注文工程である。まずアルバム編集装置108は、通信制御部304を使ってS403で作成したアルバムデータ(3012〜3014)をプリントサイト103へアップロードする。アップロード終了後、プリントサイト103は、そのアップロードに関連付けられたIDを返却する。アルバム編集装置108は、そのIDに関連したプリントサイトの注文ページの表示をWEBブラウザ109へ依頼する。WEBブラウザ上の注文ページを用いてアルバムの決裁方法や送付先の指定が行われる。それらの処理は、WEBベースのアルバム注文サイトと同様なので説明を省略する。
<実施例1>
実施例1では、アルバム構成データ3012に保管されているアルバムの商材設定として、表紙および裏表紙がその他のページを構成する用紙と同じ用紙種類で作成されるシンプルなアルバムの場合について説明する。アルバムのページ構成数は自由に編集可能であるが、5223の背表紙のタイトルはなく、保管のための格納ケースも付属しない商材設定とする。
冊子のシート束の厚さは、そのページ数と、アルバムで使われる用紙の厚さによって決まる。前述のように、冊子が薄いと、糊付けを行っても糊付け面積が十分にないため、シートがシート束から外れてしまい、厚い場合でも、シート束が糊容器の間口に入らないので糊付けできず、糊付けされてないシート束を搬送、排出できないといったことがあった。そのため、本実施例では、製本可能な冊子の厚さの範囲の条件を1cm以上かつ5cm未満として説明する。
図6に、製本するアルバムのシート束を商品として適切な厚さに調整するための冊子用紙決定処理のフローを示す。このフローは、冊子厚さ候補群生成処理S601と、冊子厚さ候補群判定処理S602と、用紙厚さ決定処理S603の3つの処理より構成され、データ制御部301で実行される。個々の処理に関して、図7〜図10を参照して説明する。
図7に、冊子厚さ候補群生成処理S601のフローを示す。S701でデータ制御部301はS403で編集作成した冊子を構成するページ数を、アルバム構成データ3012から取得する。取得したページ数を2で割ることにより、アルバムの構成用紙数が計算できる。
S702でデータ制御部301は、通信制御部304よりアルバムで利用可能な用紙の厚さのリストを取得する。通信制御部304は、商品構成データ3041として、アルバムで利用可能な用紙の厚さのリストを商品毎に保持する。アルバムで利用可能な用紙の厚さリストの一例を図8(A)に示す。図に示すように、本実施例ではアルバム編集装置108が厚さ1から厚さ5までの5段階の厚さの用紙を利用可能である。
S703でデータ制御部301は、S701で得た構成用紙数を用いて、それぞれの厚さの用紙を用いた場合の冊子の厚さ候補群を計算する。計算された冊子の厚さ候補群の例を図8(B)に示す。この図は10枚刻みで構成用紙数80〜200枚の場合の冊子の厚さ候補群を示したものである。例えば、構成用紙枚数が80枚の場合は、計算されるアルバム冊子の厚さ候補は、厚さ1〜5に対応して、それぞれ1.360cm, 1.600cm, 1.760cm, 1.920cm, 2.080cmとなる。なお、S703で計算される値は構成用紙数に対応して計算されるので、例えば構成用紙数が198枚のような表の行間の値になることもある。なお、本実施例は冊子厚さ候補群生成処理S601としてデータ制御部301で計算したが、前もって計算し商品構成データ3041として保持してもよい。
図9に、冊子厚さ候補群判定処理S602のフローを示す。S602は、冊子厚さ候補群生成処理S601で計算した冊子の厚さ候補群に対して、商品として適切な構成が取れるかどうかを判定する処理である。S901でデータ制御部301は、冊子厚さ候補群生成処理S601で計算した冊子の厚さ候補群を取得する。S902でデータ制御部301は、冊子の厚さ候補群に対して全て処理したかを判断する。全ての候補を処理した場合は終了し、まだ未処理の候補がある場合は、S903以下の処理を繰り返す。
S903でデータ制御部301は、冊子の厚さ候補群より未処理の候補を1つ取得し、現在の厚さとする。S904でデータ制御部301は、現在の厚さが製本可能な厚さかどうかを判断する。本実施例では製本可能な厚さの範囲の条件を1cm以上かつ5cm未満としている。現在の厚さが1cm以上かつ5cm未満の場合は製本可能であるので、S905でデータ制御部301は、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、製本可能の印をつける。現在の厚さが1cm未満または5cm以上の場合、S906でデータ制御部301は、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、製本不可の印をつける。図8(B)に示す厚さ候補群の中では、例えば、冊子の構成用紙枚数が200枚の場合、用紙種類の厚さ1〜4で構成される冊子の厚さは1cm以上かつ5cm未満であるので、製本可能の印がつけられる。厚さ5で構成される冊子の厚さ5.200cmは5cm以上であるので、製本不可の印がつけられる。
S907およびS908でデータ制御部301は、冊子の厚さを現在の厚さとした場合、背表紙のタイトルの文字ポイント数が、既定のポイント数より大きいかどうかの判断を行う。本実施例では背表紙へのタイトルは存在しない。そのためデータ制御部301は、S909へ処理を進め、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、背表紙タイトルの文字ポイントが適正の印をつける。
S911でデータ制御部301は、現在の厚さと格納ケースの隙間が目標値より小さいかどうかを判定する。本実施例では商品として保存性を高める格納ケースが付属されない。そのためデータ制御部301は、S912へ処理を進め、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、ケース格納可能の印をつける。
図10に用紙厚さ決定処理(S603)のフローを示す。S603は、S602で商品として適切な構成が取れることを示す印がつけられた冊子の厚さ候補群の中から、アルバム冊子の厚さを決定し、アルバム冊子で用いられる用紙の厚さを決定する処理である。
S1001でデータ制御部301は、S602で印がつけられた冊子の厚さ候補群を取得する。S1002でデータ制御部301は、冊子の厚さ候補群より、製本可能で、かつ背表紙タイトルの文字ポイントが適正で、かつケース格納可能な印が付いているものが存在するかどうかを判断する。上記が商品として適切な厚さの条件である。商品として適切な厚さの条件を満たす冊子の厚さ候補が存在する場合、データ制御部301は更にS1003で冊子の厚さ候補が複数あるかどうかを判断する。複数個の厚さ候補がある場合、S1004へ処理を進める。厚さ候補が1つの場合、その厚さ候補を冊子の厚さとして決定し、S1007へ処理を進める。
S1004でデータ制御部301は、用紙の選択方法に関する決定をGUI制御部302に依頼する。GUI制御部302は図5(F)に示す用紙の選択ダイアログ550をCRT201へ表示しユーザー操作を待つ。用紙の選択ダイアログ550には、冊子の厚さとして複数の候補がある旨と、その選択方法を表すラジオボタン5501、5502が存在する。ラジオボタン5501は冊子の厚さの自動選択モードを、ラジオボタン5502は冊子の厚さの手動選択モードを意味する。OKボタン5503が押下されると、GUI制御部302は、ラジオボタン5501、5502のどちらが選択状態であるかをデータ制御部301に伝える。自動選択モードのラジオボタン5501が選択されている場合、データ制御部301は処理をS1005へ進める。手動選択モードのラジオボタン5502が選択されている場合、データ制御部301は処理をS1006へ進める。
S1005でデータ制御部301は、商品として適切な厚さの条件を満たす厚さの候補群より所定の選択基準に最も近いものを冊子の厚さとして決定する。本実施例では、製本可能な厚さの範囲の条件は1cm以上かつ5cm未満であり、その中間値である3cmを所定の選択基準とする。このことにより、構成用紙数が少ない薄いアルバム冊子では厚い紙が選択され冊子全体の剛性が強くなる。例えば、図8(B)に示す構成用紙数80枚の例では、最も厚い厚さ5の用紙が選択される。また、構成用紙数が多い分厚いアルバム冊子では薄い紙が自動選択され、ページを開くことが容易になる。例えば、図8(B)に示す構成用紙数200枚の例では、最も薄い厚さ1の用紙が選択される。
S1006でデータ制御部301は、商品として適切な厚さの条件を満たす厚さの候補群と、アルバム構成データ3012を通信制御部304に渡し、厚さの候補群に対するアルバムの価格計算を依頼する。その依頼の計算結果を受け取ると、データ制御部301は、商品として適切な厚さの条件を満たす厚さの候補群と、その価格の計算結果をGUI制御部302に渡し、用紙の選択に関する決定をGUI制御部302に依頼する。GUI制御部302は図5(G)に示す用紙の手動選択ダイアログ560をCRT201へ表示し、ユーザー操作を待つ。用紙の手動選択ダイアログ560には、冊子の厚さ候補と、各厚さの候補に対するアルバム価格のリスト5601が表示される。リスト5601では、ポインティングデバイス205とキーボード204の操作により、厚さの候補の1つを排他的に選択可能である。OKボタン5602が押下されると、GUI制御部302は、リスト5601上のどの候補が選択状態であるかをデータ制御部301に伝える。データ制御部301は選択状態である厚さの候補を冊子の厚さとして決定する。S1007でデータ制御部301は、S1003、S1005またはS1006で決定された冊子の厚さに基づいてアルバムを作成する際に使う用紙の厚さを決定し、アルバム構成データ3012の一部として管理する。
上記処理により、アルバム冊子を構成する用紙厚さを調整し、冊子状に製本可能な冊子の厚さにすることができる。
<実施例2> 実施例2では、実施例1に加えて、冊子の背表紙に5223の背表紙のタイトルが入力できる商材の場合を説明する。冊子の厚さが薄い場合、5223の背表紙のタイトルの文字ポイント数が小さくなり、アルバムの背表紙として文字が判読できない状態になる。アルバム冊子を構成する用紙厚さを調整して、背表紙のタイトルが判読可能な冊子の厚さにすることを目的とする。
図9の冊子厚さ候補判定処理(S602)のうち、S907とS908の処理以外は、実施例1と同じであるため説明を省略する。S907でデータ制御部301は、現在の厚さと、表紙用コンテンツデータ3013より背表紙タイトルのテキスト領域5223に指定されたタイトル文字列を取得し、デザイン制御部303に受け渡す。デザイン制御部303は、それらの情報より背表紙タイトルのテキスト領域5223での適切な文字ポイント数を計算する。S908でデータ制御部301は、計算された文字ポイント数が既定値より大きいかどうかの判定を行う。上記既定値は、背表紙タイトルが判読できない状態にならないように定められた値である。計算された文字ポイント数が既定値より大きい場合、S909でデータ制御部301は、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、背表紙タイトルの文字ポイントが適正の印をつける。計算された文字ポイント数が既定値以下の場合、S910でデータ制御部301は、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、背表紙タイトルの文字ポイントが不適正の印をつける。
図10の用紙厚さ決定処理S603のうち、S1005の処理以外は、実施例1と同じであるため説明を省略する。S1005でデータ制御部301は、商品として適切な厚さの条件を満たすもののうち、背表紙タイトルの文字ポイントの大きさが既定値より大きくて、所定の選択基準に最も近いものを冊子の厚さとして決定する。
上記処理により、アルバム冊子を構成する用紙厚さを調整し、背表紙のタイトルが判読可能な冊子の厚さにすることができる。
<実施例3>
実施例3では、実施例2に加えて、アルバムの保管性を増すために格納ケースを付属した商材の場合の、アルバム冊子の用紙厚さの決定について説明する。図11を用いてこの場合の課題を説明する。落下などの衝撃よりアルバムを守るためにプラスチックのような硬い材質で成型された格納ケースを付属したアルバム商品が存在する。格納ケースは硬い材質であるため、紙と比べて成型が難しい。そのため格納可能な冊子の厚さに対して、段階的なサイズのものしか用意されていない。図8(C)に本実施例での格納ケースの例を示す。格納可能サイズとして、2cmから5cmまで1cm刻みで4つのケースが用意されている。構成ページを自由に編集可能なアルバムの場合、図8(B)に示すように冊子の厚さとしては複数の厚さが取れる。冊子の厚さが格納ケースの格納可能サイズの選択肢より多いため、それらを組み合わせると格納ケースと冊子の間に大きな隙間が生じる場合がある。隙間が大きいとアルバムの持ち運びの際に格納ケースの内部でアルバムが動いてしまいアルバムを傷つけることになる。
本実施例はアルバム冊子の厚さを調整して、冊子と格納ケースの隙間を目標値より小さくすることを目的とする。なお、本実施例では、隙間の目標値を3mm未満として説明する。
図9の冊子厚さ候補群判定処理S602のうち、S911―S913の処理以外は実施例2と同じであるため説明を省略する。S911でデータ制御部301は、現在の厚さと格納ケースの隙間を計算し、隙間の目標値の3mmより小さいかどうかを判断する。隙間が目標値の3mmより小さい場合、データ制御部301は処理をS912に進め、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、ケース格納可能の印をつける。隙間が目標値の3mm以上の場合、データ制御部301は処理をS913に進め、現在の厚さの冊子の厚さ候補に対して、ケース格納不可の印をつける。図8(B)の表において、数値にアンダーラインが付いている場合は、冊子の厚さ候補と格納ケースの隙間が目標値の3mmより小さいことを示す。例えば、構成用紙数140枚の例では、厚さ2の用紙の場合に冊子厚さ候補は2.800cmであり、図8(C)の格納可能サイズ3cmの格納ケース2との隙間は目標値の3mmより小さい。構成用紙数によっては、2つ以上の厚さ候補があることがわかる。例えば、構成用紙数200枚の例では、厚さ2(格納可能サイズ4cmの格納ケース3との隙間は0mm)と厚さ4(格納可能サイズ5cmの格納ケース4との隙間は2mm)の厚さ候補である。これらの厚さ候補にケース格納可能の印がつけられる。
図10の用紙厚さ決定処理S603のうち、S1005の処理以外は、実施例2と同じであるため説明を省略する。S1005でデータ制御部301は、商品として適切な厚さの条件を満たすもののうち、冊子の厚さ候補と格納ケースの隙間が目標値より小さくて、所定の選択基準に最も近いものを冊子の厚さとして決定する。
上記処理により、アルバム冊子を構成する用紙厚さを調整して、格納ケースと冊子の隙間を目標値より小さくすることが出来る。
<その他の実施例>
実施例1−3では、商品設定や隙間の目標値を前もって適切に設定していたため、S1002で適切な厚さの条件を満たす厚さの候補が1つもないケースは存在しなかった。フォトサイトで用紙種類の選択肢が用意できないなどの理由でS1002において適切な厚さの条件を満たすものが1つもないケースが出てくる場合もある。その場合、データ制御部301はS1008へ処理を進める。S1008でデータ制御部301は、厚さの候補群の情報を渡し、商品として適切な構成が取れないという通知をGUI制御装置302へ依頼する。GUI制御装置302は、厚さの候補群の印をもとに、ユーザーへの冊子の編集アドバイスのメッセージやプレビューをCRT201へ表示する。
また、実施例1−3では、表紙および裏表紙が、その他のページを構成する用紙と同じ用紙種類で作成されることを前提として説明した。図12(A)に示すように、表紙および裏表紙が、その他のページを構成する用紙と別の用紙種類で製本可能な場合は、それぞれで調整を行い、それらの組み合わせで冊子の厚さを決定してもよい。
また、実施例3に関しては、冊子を構成する用紙の厚さ以外に、図12(B)の丸で囲まれた部分である表紙の山(耳)の大きさを加えて、格納ケースとの隙間を調整してもよい。さらに図12(C)に示すように、表紙の背の部分にかかるように厚みのあるテープを張って格納ケースとの隙間を調整してもよい。
また、図6の冊子用紙決定処理では、冊子厚さ候補群生成処理S601で冊子厚さ候補群をまとめて計算したが、特に全ての候補を先に計算する必要はない。冊子厚さの候補を1つずつ計算し、1つの候補に対して以降の処理を実行するようにしてもよい。さらに、用紙厚さ決定処理S603で用紙厚さが1つ決定された場合に処理を終了するようにしてもよい。