JP2012125536A - バイオプシ用スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】圧迫時の厚みが薄い検査対象物であっても、該検査対象物を確実に圧迫保持して生検部位の組織を採取することが可能になると共に、圧迫時に生体が感じる痛みを和らげることができる。
【解決手段】バイオプシ用スペーサ(10)では、開口部(70)を画成する面(75、79)のうち、少なくとも2つの面(75)には、一面(66)側に形成され且つ開口部(70)の内方に向かって傾斜する傾斜部(76)と、他面(68)側に形成され且つ一面(66)から他面(68)に向かう検査対象物の圧迫方向に沿った垂直部(78)とが形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、人体等の生体の検査対象物に生検針を穿刺して該検査対象物中の生検部位の組織を採取するためのバイオプシにおいて、圧迫後の厚みが薄い検査対象物を底上げするためのスペーサに関する。
従来より、人体等の生体の検査対象物に生検針を穿刺して該検査対象物中の生検部位の組織を採取するバイオプシが広く行われている(例えば、特許文献1参照)。この場合、撮影台に載置された検査対象物(乳房)を圧迫板で圧迫保持した状態で該乳房に放射線を照射することにより前記乳房の放射線画像を取得し、該放射線画像より得られた生検部位の位置に基づいて前記乳房に生検針を穿刺することにより前記生検部位の組織を採取する。
ところで、バイオプシに用いられる生検針は、針先側の側面に生検部位の組織を採取するための採取部(開口)が設けられている。そのため、乳房中の石灰化組織を採取するために該乳房を圧迫保持した場合、圧迫後の乳房の厚みが薄いと、前記生検部位と前記採取部とを対向させるように前記乳房に前記生検針を穿刺したときに、前記生検針の針先が前記乳房を突き抜けて撮影台に到達し、前記生検部位の組織を採取することができなくなる。
そこで、従来は、発泡スチロール板や、開口部が形成されたアクリル板等のスペーサを撮影台に配設し、該スペーサに乳房を載置して底上げすることにより、圧迫時の見掛け上の厚みを増やすair gap法が行われている(非特許文献1参照)。
特開2002−360556号公報
角田博子、中村清吾、矢形寛編集「実践 マンモトーム生検 基本テクニックからトラブルシューティングまで」中山書店、2008年3月14日、p.35―36
しかしながら、比較的小さな乳房に対するバイオプシにおいて、air gap法を適用すると、該乳房の固定が困難である上に、圧迫保持された乳房が移動しやすいという問題がある。また、スペーサで底上げを行っても、圧迫時の実際の乳房の厚みは変化しないので、生検針の針先が乳房を突き抜けるおそれがある。さらに、開口部が形成されたアクリル板のスペーサでは、該開口部を画成する面(前記乳房の圧迫方向に沿って形成された垂直部)と前記乳房の載置面とを連結する辺が直角部になるので、圧迫時に乳房が前記直角部に押し当たると、生体が痛みを感じるおそれがある。
本発明は、上記の課題を解消するためになされたものであり、圧迫時の厚みが薄い検査対象物であっても、該検査対象物を確実に圧迫保持して生検部位の組織を採取することが可能になると共に、圧迫時に生体が感じる痛みを和らげることができるバイオプシ用スペーサを提供することを目的とする。
本発明は、生体の検査対象物が載置されるスペーサ本体の一面から他面に貫通する開口部が形成されたバイオプシ用スペーサにおいて、前記開口部を画成する面のうち、少なくとも2つの面には、前記一面側に形成され且つ前記開口部の内方に向かって傾斜する傾斜部と、前記他面側に形成され且つ前記一面から前記他面に向かう前記検査対象物の圧迫方向に沿った垂直部とが形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、前記少なくとも2つの面には、前記圧迫方向に沿って前記傾斜部と前記垂直部とが順に形成されているので、前記検査対象物の圧迫時に、該検査対象物の一部は、前記傾斜部及び前記垂直部に沿って圧迫されつつ、前記傾斜部及び前記垂直部によって形成された前記開口部の内方の空間に押し込まれるように固定される。このように、前記空間を前記検査対象物の一部でうずめることにより、従来のair gap法と比較して、比較的小さな検査対象物でも確実に固定することができる。
また、前記空間を前記検査対象物の一部でうずめることにより、圧迫後の前記検査対象物の厚みを増やすことができる。これにより、前記生検針の針先が前記検査対象物から突き抜けることなく、生検部位の組織を採取することが可能となる。
さらに、前記開口部の内方に向かって前記傾斜部を形成すると共に、該傾斜部に連なる前記垂直部が前記圧迫方向に沿って形成されているので、前記傾斜部と前記一面との連結箇所(辺)、及び、前記傾斜部と前記垂直部との連結箇所は、それぞれ直角部とはならない。この結果、前記圧迫方向に前記検査対象物を圧迫して、該検査対象物の一部を前記空間に押し込めたときに、前記生体が感じる痛みを緩和することができる。
従って、本発明によれば、圧迫時の厚みが薄い検査対象物であっても、該検査対象物を確実に圧迫保持して生検部位の組織を採取することが可能になると共に、圧迫時に生体が感じる痛みを和らげることができる。
ここで、前記開口部は、前記少なくとも2つの面と前記生体側の面とによって画成され、前記生体側の面は、前記検査対象物の圧迫方向に沿って形成された垂直部のみから構成され、前記生体側の面の前記圧迫方向に沿った高さは、前記少なくとも2つの面の前記圧迫方向に沿った高さよりも低ければよい。これにより、前記生体側の面は、圧迫状態の前記検査対象物に対する土手として機能し、圧迫時に前記生体が感じる痛みを和らげつつ、圧迫時での前記検査対象物の位置ずれや、前記圧迫方向と交差する方向への前記検査対象物の抜けを防止することができる。
また、前記各垂直部を面取りすれば、圧迫時に前記生体が感じる痛みをより少なくすることができる。この場合、前記少なくとも2つの面を構成する垂直部の前記圧迫方向に沿った高さを4mm以下とすれば、前記生体が感じる痛みをさらに和らげることが可能となる。
また、本発明では、前記検査対象物の形状や大きさに対応して、前記バイオプシ用スペーサの高さを調整することも可能である。
このような高さ調整を実現するために、本発明では、1つの前記スペーサ本体に前記開口部を形成して前記バイオプシ用スペーサを構成するか、あるいは、少なくとも2つの前記スペーサ本体を前記圧迫方向に沿って積層し、前記各スペーサ本体を貫通するように前記開口部を形成することにより前記バイオプシ用スペーサを構成する。
これにより、医師又は技師は、2つ以上の前記スペーサ本体を予め用意しておき、前記検査対象物の形状や大きさに応じて、1つの前記スペーサ本体のみ使用するか、あるいは、2つ以上の前記スペーサ本体を積層して使用すればよい。この結果、前記バイオプシ用スペーサの高さ調整を容易に行うことができ、前記バイオプシ用スペーサの使い勝手が向上する。
ここで、前記各スペーサ本体を積層した場合、前記垂直部は、下層側のスペーサ本体の底面側に形成されると共に、前記傾斜部は、上層側のスペーサ本体から前記垂直部にかけて略面一となるように形成される。これにより、2つ以上の前記スペーサ本体を積層した前記バイオプシ用スペーサにおいても、前記圧迫方向に前記検査対象物を圧迫して、該検査対象物の一部を前記開口部の内方の空間にうずめたときに、前記生体が感じる痛みを緩和することができる。
なお、前記傾斜部が略面一とは、2つ以上の前記スペーサ本体を積層したときに、前記傾斜部のうち、前記上層側のスペーサ本体の傾斜部分と、前記下層側のスペーサ本体の傾斜部分とが一直線となっているか、あるいは、前記各傾斜部分は互いに平行ではあるが、各スペーサ本体間で僅かな段差(数mm程度の段差、望ましくは、2mm〜3mm程度の段差)が形成されている場合をいう。
また、前記上層側のスペーサ本体の底面と、前記下層側のスペーサ本体の上面とに、前記各スペーサ本体を位置決めして積層させるための位置決め部をそれぞれ設けてもよい。これにより、前記検査対象物の圧迫時に、前記圧迫方向と直交する方向に作用する応力に起因した、前記下層側のスペーサ本体に対する前記上層側のスペーサ本体の位置ずれを抑制することができる。
さらに、前記各位置決め部は、前記上層側のスペーサ本体の底面に設けられた凸状部材と、前記下層側のスペーサ本体の上面に設けられ且つ前記凸状部材に嵌合する凹部とであるか、あるいは、前記上層側のスペーサ本体の底面と、前記下層側のスペーサ本体の上面とにそれぞれ設けられた磁石であればよい。いずれの場合であっても、前記検査対象物の圧迫時における前記下層側のスペーサ本体に対する前記上層側のスペーサ本体の位置ずれを効果的に抑制することができる。
さらにまた、前記上層側のスペーサ本体の底面に、前記下層側のスペーサ本体の上面と粘着するための粘着部材を配設すれば、前記下層側のスペーサ本体に対して前記上層側のスペーサ本体を剥離可能に貼着することが可能となる。
また、前記上層側のスペーサ本体における前記生体の遠位側に、前記傾斜部に連接し、且つ、前記下層側のスペーサ本体に向かって窪んだ凹部を設けてもよい。
2以上の前記スペーサ本体が積層された前記バイオプシ用スペーサでは、1つの前記スペーサ本体を用いた場合と比較して、前記検査対象物の一部が前記開口部の内方の空間に深くうずまるので、前記検査対象物のポジショニングを行うべく、医師又は技師が前記開口部に手を入れても、該ポジショニングを容易に行えない場合がある。
そこで、上記のように、前記生体の遠位側に、前記傾斜部に連接する前記凹部を設けることにより、2以上の前記スペーサ本体を積層した場合でも、前記医師又は前記技師は、前記凹部を介して前記開口部に手を入れやすくなり、この結果、前記検査対象物のポジショニングを容易に行うことが可能となる。
また、本発明に係るバイオプシ用スペーサにおいて、前記開口部が平面視で矩形状であれば、該開口部を容易に形成することができる。
さらに、前記スペーサ本体で前記検査対象物と接触する可能性のある箇所を面取りすれば、前記生体が感じる痛みを一層少なくすることができる。
また、前記スペーサ本体は、放射線の散乱を防止し且つ洗浄可能な材料からなることが望ましい。これにより、前記検査対象物に対する放射線撮影を行った場合に、高画質の放射線画像が得られるので、該放射線画像に基づいて生検部位の位置を正確に求めることができる。また、前記スペーサ本体を洗浄可能とすることにより、前記バイオプシ用スペーサを清潔な状態に維持することができる。
さらに、前記他面に粘着部材を配設することにより、撮影台に対して前記バイオプシ用スペーサを剥離可能に貼着することが可能となる。
さらにまた、前記スペーサ本体のうち、前記検査対象物の圧迫時に前記生体及び前記検査対象物と接触しない箇所に取手を設けることにより、前記スペーサ本体の持ち運びが容易になると共に、前記撮影台等に貼着された前記スペーサ本体を容易に剥離することができる。
本発明によれば、圧迫時の厚みが薄い検査対象物であっても、該検査対象物を確実に圧迫保持して生検部位の組織を採取することが可能になると共に、圧迫時に生体が感じる痛みを和らげることができる。
本実施形態に係るバイオプシ用スペーサが適用されるマンモグラフィ装置の斜視図である。 図1のマンモグラフィ装置の一部省略側面図である。 図3A及び図3Bは、本実施形態に係るバイオプシ用スペーサの斜視図である。 図4Aは、図3AのIVA−IVA線に沿った断面図であり、図4Bは、図3AのIVB−IVB線に沿った断面図である。 図3A及び図3Bのバイオプシ用スペーサの平面図である。 図6A及び図6Bは、圧迫板及びバイオプシ用スペーサによるマンモの圧迫状態を示す説明図である。 図7A及び図7Bは、本実施形態に係るバイオプシ用スペーサの変形例を示す斜視図である。 本実施形態に係るバイオプシ用スペーサの変形例を示す斜視図である。 2つのスペーサ本体を積層して構成されるバイオプシ用スペーサの斜視図である。 図9のバイオプシ用スペーサの分解斜視図である。 図9及び図10に示す上層側のスペーサ本体の斜視図である。 図12Aは、図9のXIIA−XIIA線に沿った断面図であり、図12Bは、図9のXIIB−XIIB線に沿った断面図である。 図9のバイオプシ用スペーサの変形例を示す斜視図である。 図13のバイオプシ用スペーサの分解斜視図である。
本発明に係るバイオプシ用スペーサについて、マンモグラフィ装置との関係で好適な実施形態を、図1〜図14を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るバイオプシ用スペーサ10が用いられるマンモグラフィ装置12は、基本的には、立設状態に設置される基台14と、該基台14の略中央部に配設された旋回軸16の先端部に固定されるアーム部材18と、被検体(生体)20の検査対象物としてのマンモ22に対して放射線24を照射する放射線源26を収容し、且つ、アーム部材18の一端部に固定される放射線源収容部28と、マンモ22を透過した放射線24を検出する固体検出器30が収容され、且つ、アーム部材18の他端部に固定される撮影台32と、撮影台32上に配設されたバイオプシ用スペーサ10と、撮影台32及びバイオプシ用スペーサ10に対してマンモ22を圧迫して保持する圧迫板34と、圧迫板34に装着され、且つ、マンモ22の生検部位36から必要な組織を採取するバイオプシハンド部38とを備える。
また、基台14には、被検体20の撮影部位等の撮影条件や被検体20のID情報等を表示すると共に、必要に応じてこれらの情報を設定可能な表示操作部40が配設される。
放射線源収容部28及び撮影台32を連結するアーム部材18は、旋回軸16を中心として旋回することで、被検体20のマンモ22に対する方向が調整可能に構成される。また、放射線源収容部28は、ヒンジ部42を介してアーム部材18に連結されており、矢印θ方向に撮影台32とは独立に旋回可能に構成される。
アーム部材18における矢印X方向に沿った両側部には、被検体20が把持するための取手部44がそれぞれ設けられ、該アーム部材18における被検体20が対向する矢印Y方向の側部(正面側)には、矢印Z方向に沿って溝部46が設けられている。圧迫板34は、その基端部を溝部46に挿入して図示しない取付部と嵌合することにより、放射線源収容部28と撮影台32との間に配設されると共に、前記取付部が溝部46に沿って矢印Z方向に変位することにより、該取付部と一体的に矢印Z方向に変位可能である。
また、圧迫板34における被検体20側には、バイオプシハンド部38を用いた組織採取のための開口部50が設けられる。バイオプシハンド部38は、圧迫板34に固定されたポスト52と、ポスト52に一端部が軸支され、圧迫板34の面に沿って旋回可能な第1アーム54と、第1アーム54の他端部に一端部が軸支され、圧迫板34の面に沿って旋回可能な第2アーム56とを備える。第2アーム56の他端部には、矢印Z方向に移動可能な生検針58が装着される。
生検針58は、マンモ22の生検部位36の組織(例えば、石灰化組織)を吸引して採取する採取部60を有する。生検針58の採取部60は、バイオプシハンド部38の第1アーム54及び第2アーム56を圧迫板34の面に沿ったX−Y平面内で移動させると共に、生検針58を矢印Z方向に移動させることにより、生検部位36の近傍に配置することができる。
次に、本実施形態に係るバイオプシ用スペーサ10の構成について、図2〜図6Bを参照しながら詳細に説明する。
バイオプシ用スペーサ10は、略矩形状のスペーサ本体64を有する。スペーサ本体64は、放射線24の散乱を防止し、且つ、エタノール等の洗浄液体による洗浄が可能な材料からなることが望ましい。具体的には、エタノールに対して耐性を有するPC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の樹脂材料であればよい。なお、洗浄を行わないのであれば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)製のバイオプシ用スペーサ10であってもよい。また、バイオプシ用スペーサ10の色は、黒色以外の色、例えば、白色等の清潔感のある色、あるいは、無色透明であればよい。
バイオプシ用スペーサ10の上面66と側面との連結箇所(辺)は、マンモ22の圧迫時に被検体20及びマンモ22が接触する可能性のある箇所であるため、R面取りされている。また、バイオプシ用スペーサ10の胸壁48側には、マンモ22の載置面(一面)としての上面66から底面(他面)68に向かって貫通する開口部70が形成されている。
さらに、底面68における開口部70から離間した箇所には、医師又は技師がスペーサ本体64を把持するための取手72が設けられている。なお、取手72が設けられる箇所は、図3A及び図3Bに示す箇所に限定されることはなく、マンモ22の圧迫時に被検体20及びマンモ22が接触しない箇所に設けられていればよい。
さらにまた、バイオプシ用スペーサ10を撮影台32に剥離可能に貼着するために、底面68には、ゲルタックシート(商品名)等の2つの粘着部材74が配設されている。なお、バイオプシ用スペーサ10と撮影台32との粘着力を向上するために、市販の両面テープを2つの粘着部材74に用いてもよい。
ここで、開口部70の形状について、より詳しく説明する。
開口部70は、上面66から底面68に向かう方向(マンモ22の圧迫方向であるZ方向)に沿って形成された4つの面75、79によって画成されている。すなわち、胸壁48側の1つの面79と、該1つの面79以外の3つの面75とによって、平面視で、略矩形状の開口部70が画成される。
この場合、3つの面75は、それぞれ、上面66から底面68に向かうマンモ22の圧迫方向(Z方向)に沿って、開口部70内方に向かって傾斜する傾斜部76と、該傾斜部76と底面68との間で前記圧迫方向に沿って形成された垂直部78とから構成されている。従って、3つの面75は、開口部70内方に形成された空間を囲繞するように、擂り鉢状に形成されている。
一方、スペーサ本体64における1つの面79側の箇所は、2つの粘着部材74側にそれぞれ形成された2つの面75の傾斜部76に沿って傾斜していると共に、スペーサ本体64の他の部分よりも低い高さに設定されている。従って、1つの面79の前記圧迫方向に沿った高さC(図4A参照)は、他の3つの面75の前記圧迫方向に沿った高さDよりも低くなっている(C<D)。また、他の3つの面75とは異なり、該1つの面79は、前記圧迫方向に沿って形成された垂直部80のみから構成されている。さらに、1つの面79(を構成する垂直部80)の高さCは、垂直部78の高さBよりも高く設定されている(C>B)。
そのため、テーパ状の3つの傾斜部76と4つの垂直部78、80とによって、図5の平面視では矩形状、図4Aの側面視及び図4Bの正面視では擂り鉢状の開口部70が形成される。この場合、前記圧迫方向に沿って擂り鉢状に形成される開口部70のうち、4つの垂直部78、80によって形成される底面68側は、矩形状の孔部81として構成されている。なお、本実施形態において、1つの面79以外の面75は、図3Aに示す3つの面に限らず、少なくとも2つの面があればよい。
また、マンモ22の圧迫時に被検体20及びマンモ22と接触する可能性のある、各傾斜部76と各垂直部78との連結箇所(辺)や、各垂直部78、80も、前述の上面66と側面とを連結する各辺と同様に、R面取りされている。
このように構成されるバイオプシ用スペーサ10において、スペーサ本体64は、図5の平面視で、圧迫板34と略同じ大きさであればよい。また、開口部70を構成する孔部81は、前記平面視で、圧迫板34の開口部50と略同じ大きさか、又は、該開口部50よりも小さければよい。
ここで、上述したバイオプシ用スペーサ10の寸法の一例について説明する。
圧迫板34及びスペーサ本体64の横幅(X方向の長さ)及び奥行き(Y方向の長さ)が、それぞれ、150mm×150mmであり、Z方向の厚みが、それぞれ、10mm〜30mmである場合に、圧迫板34の開口部50及びスペーサ本体64の開口部70の大きさは、図5の平面視で、90mm(A=90mm)×64mmであり、開口部70を構成する孔部81の大きさは、50mm×50mmである。従って、前記平面視で、各傾斜部76の上面66側から垂直部78側までの長さは、それぞれ20mmとなる。また、垂直部78の高さBは3mmであり、垂直部80の高さCは6mmである。なお、垂直部78の高さBは、垂直部80の高さCよりも低ければよく、例えば、4mm以下であればよい(B<C且つB≦4mm)。
なお、上記の寸法は、一例であり、圧迫保持されるマンモ22の大きさや、生検針58の仕様等によって、適宜変更すればよいことは勿論である。
ところで、例えば、生検針58の針先から採取部60までの距離が5mm〜10mmであり、採取部60の長さが19.4mmであり、圧迫後のマンモ22の厚みが10mm〜20mmと薄い場合、従来は、発泡スチロール板や、開口部が形成されたアクリル板等のスペーサを撮影台32に配設してマンモ22を底上げするair gap法が行われている。しかしながら、air gap法は、比較的小さなマンモ22の固定が困難である上に、圧迫保持されたマンモ22が移動しやすいという問題がある。また、スペーサで底上げを行っても、圧迫時の実際のマンモ22の厚みは変化しないので、生検針58の針先がマンモ22を突き抜けるおそれがある。さらに、開口部が形成されたアクリル板のスペーサでは、該開口部を画成する面(マンモ22の圧迫方向に沿って形成された垂直部)とマンモ22の載置面とを連結する辺が直角部になるので、圧迫時にマンモ22が直角部に押し当たると、被検体20が痛みを感じるおそれがある。
これに対して、本実施形態に係るバイオプシ用スペーサ10では、傾斜部76及び垂直部78から構成される3つの面75と、垂直部80のみから構成される1つの面79とによって、図5の平面視で矩形状、且つ、図4Aの側面視及び図4Bの正面視で擂り鉢状の開口部70を画成すると共に、スペーサ本体64の各箇所の寸法を、例えば、上述の条件に設定している。
これにより、スペーサ本体64の上面66に載置されたマンモ22を、圧迫板34とスペーサ本体64及び撮影台32とによって圧迫保持すると、図2、図6A及び図6Bに示すように、マンモ22の一部は、傾斜部76及び垂直部78、80に沿って圧迫されつつ、傾斜部76、垂直部78、80及び撮影台32によって形成された開口部70の内方の空間に押し込まれるように固定される。このように、前記空間をマンモ22の一部でうずめることにより、従来のair gap法と比較して、比較的小さなマンモ22でも確実に固定することができる。
また、前記空間をマンモ22の一部でうずめることにより、圧迫後のマンモ22の厚みを増やすことができ、これにより、生検針58の針先がマンモ22から突き抜けることなく、生検部位36の組織を採取することが可能となる。
さらに、開口部70の内方に向かって傾斜部76を形成すると共に、該傾斜部76に連なる垂直部78や、垂直部80が前記圧迫方向に沿って形成されているので、傾斜部76と上面66との連結箇所(辺)、及び、傾斜部76と垂直部78との連結箇所は、それぞれ直角部とはならない。この結果、前記圧迫方向にマンモ22を圧迫して、該マンモ22の一部を前記空間に押し込めたときに、被検体20が感じる痛みを緩和することができる。
従って、本実施形態に係るバイオプシ用スペーサ10を用いると、圧迫時の厚みが薄いマンモ22であっても、該マンモ22を確実に圧迫保持して生検部位36の組織を採取することが可能になると共に、圧迫時に被検体20が感じる痛みを和らげることができる。
また、垂直部80の高さCが3つの面75の高さDよりも低く、且つ、垂直部78の高さBよりも高く設定されているので(C<D且つC>B)、該垂直部80は、圧迫状態のマンモ22に対する土手として機能する。この結果、圧迫時に被検体20が感じる痛みを和らげつつ、圧迫時でのマンモ22の位置ずれや、前記圧迫方向と交差する方向(Y方向)へのマンモ22の抜けを防止することができる。
さらに、垂直部78、80や、傾斜部76及び垂直部78、80を構成する各辺や、上面66及び側面の連結箇所の各辺は、圧迫時にマンモ22及び被検体20と接触する可能性のある箇所であるため、これらの箇所をR面取りすることにより、被検体20が感じる痛みをより少なくすることができる。その際、垂直部78の高さBを4mm以下にすれば、該痛みをさらに和らげることが可能となる。
また、開口部70(を構成する孔部81)が平面視で矩形状であれば、該開口部70を容易に形成することができる。
さらに、底面68に粘着部材74を配設することにより、撮影台32に対してスペーサ本体64を剥離可能に貼着することが可能となる。また、スペーサ本体64に取手72を設けることにより、スペーサ本体64の持ち運びが容易になると共に、撮影台32に貼着されたスペーサ本体64を容易に剥離することができる。
なお、マンモグラフィ装置12において、バイオプシを実施する場合には、先ず、圧迫板34とバイオプシ用スペーサ10及び撮影台32とによってマンモ22が圧迫保持された状態で、ヒンジ部42を中心として放射線源収容部28を回動させて、Z軸方向に対して斜めに傾斜した位置に放射線源26を配置した後、マンモ22に対して放射線24を照射するステレオ撮影を行う。これにより、固体検出器30は、マンモ22を透過した放射線24を検出して放射線画像(ステレオ画像)に変換する。次に、図示しないコンソールにおいて、前記ステレオ画像に基づき生検部位36の三次元座標位置を算出する。次いで、バイオプシハンド部38は、前記三次元座標位置に基づき、第1アーム54及び第2アーム56を操作して生検針58をX−Y平面内で移動させる一方で、該生検針58を開口部50を介してマンモ22に穿刺することにより、生検部位36の組織を採取部60で採取する。
従って、放射線24の散乱を防止可能な材料からスペーサ本体64を構成することにより、上記のステレオ撮影において、高画質のステレオ画像を取得することができ、この結果、該ステレオ画像に基づき生検部位36の三次元座標位置を正確に求めることができる。また、スペーサ本体64が洗浄可能であれば、バイオプシ用スペーサ10を清潔な状態に維持することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
例えば、図7A〜図8に示すバイオプシ用スペーサ10a〜10cを用いてマンモ22を圧迫保持することも可能である。
図7Aのバイオプシ用スペーサ10aは、傾斜部76の幅が狭いと共に、垂直部78、80が略同じ高さである点で、前述のバイオプシ用スペーサ10(図2〜図6B参照)とは異なる。また、図7Bのバイオプシ用スペーサ10bは、垂直部78、80が略同じ高さである点でバイオプシ用スペーサ10とは異なる。さらに、図8のバイオプシ用スペーサ10cは、傾斜部76の幅が狭い点でバイオプシ用スペーサ10とは異なる。これらのバイオプシ用スペーサ10a〜10cにおいても、バイオプシ用スペーサ10と共通する構成に関して、同様の効果が得られる。
また、図9〜図12Bに示すバイオプシ用スペーサ10dを用いてマンモ22を圧迫保持してもよい。
バイオプシ用スペーサ10dは、2つのスペーサ本体64、84を矢印Z方向に順に積層して構成したものである。
この場合、上層側のスペーサ本体84は、下層側のスペーサ本体64と同じ材質からなると共に、その厚み、横幅及び奥行きも、スペーサ本体64の厚み、幅及び奥行きとそれぞれ略同じである。また、スペーサ本体84においても、マンモ22の圧迫時に、被検体20及びマンモ22と接触する可能性のある箇所は、R面取りされている。さらに、スペーサ本体84の胸壁48(図2及び図6A参照)側には、上面86から底面88に向かって擂り鉢状の開口部分が形成され、この開口部分は、スペーサ本体64の胸壁48側の開口部分に連通している。さらにまた、スペーサ本体84は、垂直部80のような圧迫状態のマンモ22に対する土手が存在せず、胸壁48側が切欠部分とされた略U字状の形状を有する。
すなわち、バイオプシ用スペーサ10dにおいて、開口部70は、スペーサ本体84の上面(一面)86から底面88にかけて形成された3つの面100と、スペーサ本体64の4つの面75、79とによって画成されている。この場合、3つの面100は、それぞれ、上面86から開口部70内方に向かって傾斜する傾斜部96と、傾斜部96と底面88との間に形成される垂直部98とから構成されている。
ここで、2つのスペーサ本体64、84が積層されている場合、各傾斜部76、96が略面一になって、圧迫方向に沿って連なる2つの傾斜部76、96が1つの面を構成すると共に、各垂直部78、98が矢印Z方向に沿って略平行に形成されていることが望ましい。この場合、1つの面を構成する傾斜部76、96が略面一とは、2つのスペーサ本体64、84を積層したときに、傾斜部76、96が一直線となっているか、あるいは、傾斜部76、96が互いに平行ではあるが、垂直部98の存在によって、傾斜部76、96間で僅かな段差(数mm程度の段差、望ましくは、2mm〜3mm程度の段差)が形成されている場合をいう。なお、図9及び図12Bは、僅かな段差がある場合を図示している。
従って、2つのスペーサ本体64、84を積層すれば、3つの面100と4つの面75、79とによって、擂り鉢状の開口部70を形成することができる。また、スペーサ本体84の底面88における開口部70から離間した箇所には、医師又は技師がスペーサ本体84を把持するための取手92が設けられている。
なお、取手92が設けられる箇所は、図11に示す箇所に限定されることはなく、取手72の場合と同様に、マンモ22の圧迫時に被検体20及びマンモ22が接触しない箇所に設けられていればよい。さらに、スペーサ本体64に対してスペーサ本体84を剥離可能に貼着(積層)するために、底面88には、粘着部材74と同じ機能を有する2つの粘着部材94が配設されている。
さらにまた、スペーサ本体84の底面88における取手92近傍の箇所には、先端部分が略球状で且つSUS(ステンレス鋼)等からなる2つのピン部材(凸状部材、位置決め部)104が配設され、一方で、スペーサ本体64の上面66には、2つのピン部材104と嵌合可能な2つの凹部(位置決め部)102が形成されている。従って、各ピン部材104を各凹部102に圧入して嵌合させると、図12Aに示すように、スペーサ本体64に対してスペーサ本体84を位置決めした状態で各スペーサ本体64、84を積層することができる。
このように構成されるバイオプシ用スペーサ10dでは、医師又は技師は、2つのスペーサ本体64、84を予め用意しておき、マンモ22の形状や大きさに応じて、1つのスペーサ本体64のみ使用するか、あるいは、2つのスペーサ本体64、84を積層して使用すればよい。この結果、バイオプシ用スペーサ10dの高さ調整を容易に行うことができ、バイオプシ用スペーサ10dの使い勝手が向上する。
なお、図9〜図12Bでは、2つのスペーサ本体64、84を積層してバイオプシ用スペーサ10dを構成しているが、スペーサ本体84の上面86に他のスペーサ本体をさらに積層して、3つ以上のスペーサ本体でバイオプシ用スペーサ10dを構成しても、同様の効果が得られることは勿論である。
また、バイオプシ用スペーサ10dでは、マンモ22の圧迫方向に連なる傾斜部76、96が略面一となるように形成されているので、マンモ22を圧迫して、該マンモ22の一部を開口部70内方の空間にうずめたときに、被検体20が感じる痛みを緩和することができる。
また、ピン部材104と凹部102とを嵌合(圧入固定)することにより、各スペーサ本体64、84は、位置決めされた状態で積層されるので、マンモ22の圧迫時に、圧迫方向と直交する矢印X方向(左右方向)及び矢印Y方向(奥行き方向)に作用する応力に起因した、スペーサ本体64に対するスペーサ本体84の位置ずれを効果的に抑制することができる。なお、前記応力は、マンモ22の圧迫時の圧力に起因した前記左右方向及び前記奥行き方向に広げようとする応力である。
なお、2つのピン部材104及び2つの凹部102に代えて、スペーサ本体64の上面66とスペーサ本体84の底面88とに2つの磁石をそれぞれ設けて、各磁石が互いに引き付けあうようにすれば、スペーサ本体64に対するスペーサ本体84の位置ずれを効果的に抑制することができる。あるいは、2つのピン部材104を磁石とし、凹部102にも磁石を設ければ、スペーサ本体64、84の位置決めを確実に行うことができる。
さらに、スペーサ本体84の底面88に、スペーサ本体64の上面66と粘着するための2つの粘着部材94を配設すれば、スペーサ本体64に対してスペーサ本体84を剥離可能に貼着することが可能となる。
また、図13及び図14に示すバイオプシ用スペーサ10eを用いてマンモ22を圧迫保持してもよい。
バイオプシ用スペーサ10eは、スペーサ本体84における被検体20の遠位側に、傾斜部96に連接し且つスペーサ本体64に向かって窪んだ凹部108が形成されている点で、バイオプシ用スペーサ10d(図9〜図12B参照)とは異なる。
すなわち、スペーサ本体84における被検体20の遠位側であって、且つ、2つのピン部材104間に凹部108が設けられている。この場合、スペーサ本体84における被検体20の遠位側において、互いに対向する2つの傾斜部106を形成することにより、凹部108が設けられる。なお、凹部108は、例えば、80mm以上の横幅、及び、8mm程度の深さを有することが望ましい。また、バイオプシ用スペーサ10eでは、凹部108の横幅を確保するために、2つのピン部材104及び2つの凹部102を互いに離間する方向(スペーサ本体84の両側部)にずらして設けてもよい。
このように凹部108を設けることにより、スペーサ本体84における被検体20の遠位側には、取手92を設けるスペースを確保しづらくなる。そこで、バイオプシ用スペーサ10eでは、スペーサ本体84の両側部に取手110が設けられている。
ここで、2以上のスペーサ本体64、84を積層した場合、1つのスペーサ本体64を用いた場合と比較して、マンモ22の一部が開口部70内方の空間に深くうずまるので、マンモ22のポジショニングを行うべく医師又は技師が開口部70に手を入れても、該ポジショニングを容易に行えない場合がある。
そこで、スペーサ本体84における被検体20の遠位側に傾斜部96に連接する凹部108を設けることにより、2以上のスペーサ本体64、84を積層した場合でも、医師又は技師は、凹部108を介して開口部70に手を入れやすくなり、マンモ22のポジショニングを容易に行うことが可能となる。
10、10a〜10e…バイオプシ用スペーサ
12…マンモグラフィ装置
20…被検体
22…マンモ
24…放射線
32…撮影台
34…圧迫板
36…生検部位
48…胸壁
50、70…開口部
58…生検針
60…採取部
64、84…スペーサ本体
66、86…上面
68、88…底面
72、92、110…取手
74、94…粘着部材
75、79、100…面
76、96、106…傾斜部
78、80、98…垂直部
81…孔部
102、108…凹部
104…ピン部材

Claims (15)

  1. 生体の検査対象物が載置されるスペーサ本体の一面から他面に貫通する開口部が形成されたバイオプシ用スペーサにおいて、
    前記開口部を画成する面のうち、少なくとも2つの面には、
    前記一面側に形成され、且つ、前記開口部の内方に向かって傾斜する傾斜部と、
    前記他面側に形成され、且つ、前記一面から前記他面に向かう前記検査対象物の圧迫方向に沿った垂直部とが形成されていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  2. 請求項1記載のスペーサにおいて、
    前記開口部は、前記少なくとも2つの面と、前記生体側の面とによって画成され、
    前記生体側の面は、前記検査対象物の圧迫方向に沿って形成された垂直部のみから構成され、
    前記生体側の面の前記圧迫方向に沿った高さは、前記少なくとも2つの面の前記圧迫方向に沿った高さよりも低いことを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  3. 請求項2記載のスペーサにおいて、
    前記各垂直部は、面取りされていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記少なくとも2つの面を構成する垂直部の前記圧迫方向に沿った高さは、4mm以下であることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    1つの前記スペーサ本体に前記開口部を形成することにより前記バイオプシ用スペーサが構成されるか、又は、少なくとも2つの前記スペーサ本体を前記圧迫方向に沿って積層し、前記各スペーサ本体を貫通するように前記開口部を形成することにより前記バイオプシ用スペーサが構成されることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  6. 請求項5記載のスペーサにおいて、
    前記各スペーサ本体を積層した場合、前記垂直部は、下層側のスペーサ本体の底面側に形成されると共に、前記傾斜部は、上層側のスペーサ本体から前記垂直部にかけて略面一となるように形成されることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  7. 請求項6記載のスペーサにおいて、
    前記上層側のスペーサ本体の底面と、前記下層側のスペーサ本体の上面とには、前記各スペーサ本体を位置決めして積層させるための位置決め部がそれぞれ設けられていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  8. 請求項7記載のスペーサにおいて、
    前記各位置決め部は、
    前記上層側のスペーサ本体の底面に設けられた凸状部材と、前記下層側のスペーサ本体の上面に設けられ且つ前記凸状部材に嵌合する凹部とであるか、
    あるいは、前記上層側のスペーサ本体の底面と、前記下層側のスペーサ本体の上面とにそれぞれ設けられた磁石であることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記上層側のスペーサ本体の底面には、前記下層側のスペーサ本体の上面と粘着するための粘着部材が配設されていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記上層側のスペーサ本体における前記生体の遠位側には、前記傾斜部に連接し、且つ、前記下層側のスペーサ本体に向かって窪んだ凹部が設けられていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記開口部は、平面視で、矩形状であることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体で前記検査対象物と接触する可能性がある箇所は、面取りされていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体は、放射線の散乱を防止し、且つ、洗浄可能な材料からなることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記他面には、粘着部材が配設されていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体のうち、前記検査対象物の圧迫時に前記生体及び前記検査対象物と接触しない箇所には、取手が設けられていることを特徴とするバイオプシ用スペーサ。
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