JP2012124304A - 高出力面発光レーザアレイの駆動方法、高出力面発光レーザアレイ群の制御方法、および光出力制御システム - Google Patents

高出力面発光レーザアレイの駆動方法、高出力面発光レーザアレイ群の制御方法、および光出力制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】 所望の光出力を得るための光変換効率が高く、かつ長期信頼性にも優れた高出力2次元面発光レーザアレイの駆動方法等を提供する。
【解決手段】 本発明は、複数の面発光レーザ素子よりなる、連続発振モードで駆動させて用いる2次元面発光レーザアレイであって、光出力1W以上の高出力用途のものを対象とするものである。本発明では、温度一定の条件の下で光変換効率が最大となる駆動電流値が前記面発光レーザアレイの光出力を最大にする駆動電流値の50%以下となる場合に、前記面発光レーザアレイの光出力がその最大値の50%以下となる電流値で駆動させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数の面発光レーザよりなる連続発振型の高出力2次元面発光レーザアレイの駆動方法等に関するものである。
たとえば光インターコネクション用の信号光源として、基板上に形成された複数の面発光レーザ素子を有する2次元面発光レーザアレイ素子が提案されている。この2次元面発光レーザアレイ素子は、個々の面発光レーザ素子が独立したレーザ光信号を出力するように構成されている。
一方、このような2次元面発光レーザアレイ素子を同時に駆動することで、ワットクラスの高出力レーザ光源として用いる技術が開示されている(非特許文献1参照)。このような高出力2次元面発光レーザアレイ素子は、前記信号光源の場合とは異なり、複数の面発光レーザ素子からのレーザ光出力が集約され、一つないし複数のアレイ素子が一つの光源として機能するように構成されている。このような2次元面発光レーザアレイ素子は、端面発光型レーザ素子のような端面の光学的破壊(Catastrophic Optical Damage:COD)がないため、信頼性が非常に高い高出力レーザ光源として期待されている。
Jean−FrancoisSeurin,etal.,"High−powerhigh−efficiency2DVCSELarrays",Proc.SPIE,Vol.6908,690808(2008)
図1は一般的な半導体レーザにおける、駆動電流に対する電圧と光出力の関係を示す図である。図1より明らかなように、光出力が最大となる電流値が存在する。駆動電流・電圧が大きくなるに伴い半導体レーザ素子内部での発熱量および温度が上昇し、電流から光への変換効率が低下していくためである。パルス電流でパルス発振させる場合は発熱量が少ないため光出力はかなり大きな電流値で最大となるが、連続発振の場合は十分に大きくない電流値で光出力が飽和してしまうことになる。この性質は前記2次元面発光レーザアレイ素子においても同様である。
高出力レーザ光源はできる限り大きな光出力を得ることを目的としているため、光出力を最大にする電流値よりやや低い電流値(例えば図1のE範囲)を実使用時の駆動電流に定める。もしくは、そのような電流値で所望の光出力が得られるようにレーザ素子や光源装置が設計される。
図1から分かるように、光出力が飽和するよりも十分小さな電流領域では、半導体レーザの光出力は駆動電流の増加に対して直線的に増大する。一方レーザ素子に印加される電圧も駆動電流の増加に対して直線的に増大するため、図2に示されているように、駆動電流と電圧の積で表される消費電力は駆動電流に関して二次の関数となる。それゆえ、光出力と消費電力の比で定義される光変換効率は大電流領域では低くなる。光通信や光ピックアップの光源として用いられる半導体レーザ素子は光出力が一般に1W未満であり、光変換効率が低くても大きな問題とはならない。ところが、光出力が1Wを超えるような高出力レーザ素子、さらにはそれを複数組み込んで10W、100Wという超強力な光出力を取り出す装置においては、光変換効率の低さはレーザ素子による発熱量の大幅な増大に直結するという問題があった。レーザ素子で発生する熱量が大きくなると大掛かりな冷却機構が必要になるばかりでなく、レーザ素子自体や冷却機構の消費電力も急増してしまう。さらに大電流での駆動はレーザ素子への負荷も大きく、その長期信頼性においても問題となっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所望の光出力を得るための光変換効率が高く、かつ長期信頼性にも優れた高出力な面発光レーザアレイの駆動方法等を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明は、複数の面発光レーザ素子よりなる、連続発振モードで駆動させて用いる高出力2次元面発光レーザアレイの駆動方法であって、温度一定の条件の下、面発光レーザアレイの光出力がその最大値の50%以下となる電流値で駆動させることを特徴とする前記高出力面発光レーザアレイの駆動方法である。
また、光変換効率の最大値を100とした場合に、光変換効率が95以上である電流値範囲で駆動させることが望ましい。
第1の発明によれば、従来方法より高い光変換効率でレーザ素子を駆動させられるため、冷却機構の簡略化、装置全体での消費電力の低減、さらにはレーザ素子の長寿命化を達成することができる。光出力がその最大値の50%となる電流値を超えると光変換効率の減少が激しくなるため、この電流値が高光変換効率を実現する目安となる。もしくは、光変換効率がその最大値の95%より低下すると光変換効率の減少が激しくなるため、この光変換効率もやはり高光変換効率を実現する目安となる。
また、前記発明によれば低い電流で駆動することから、面発光レーザ素子において光の共振断面積を規定する電流注入領域の径を十分小さくすればシングルモードで発振させることができる。駆動電流が高くなると混在してくる横高次モードは一般に出射角度が大きく、単一ファイバへの高い結合を実現するためには、各素子から出射されるレーザ光を個別にコリメート(平行化)するレンズアレイが必要となる。これに対して横基本モードは出射角度が小さいため、個別のコリメートを行わなくても単一の集光レンズのみで単一ファイバへの高い結合を実現することができる。
また、低電流領域では、駆動電流と光出力が略一次の関係式で近似可能であるため、駆動電流の変化量に対する光出力の変化量を容易に推定することができる。したがって、例えば経時劣化により総光出力が低下しても、これを補うのに要する駆動電流の増加量を容易に算出することができ、必要とされる総光出力が維持されるように駆動電流値を制御することができる。劣化前の駆動電流値は光出力が飽和する電流値と比べてかなり余裕があるため、多少の光出力低下に対して無理なく前述のような回復措置をとることができる。
第2の発明は、複数の前記高出力2次元面発光レーザアレイの制御方法であって、必要とされる光出力を、独立制御可能な前記高出力2次元面発光レーザアレイ素子一つないし複数からなる光源単位において、あらかじめ記憶されている光変換効率が最大となる光出力で除して丸めた数の光源単位を選出し、さらにそれらによって必要とされる光出力が得られるよう調整された電流で駆動することを特徴とする、前記高出力2次元面発光レーザアレイ群の制御方法である。
このように制御されると、用途等に応じて低い光出力が必要な場合でも高い光変換効率を維持することができる。演算機構、記憶部、光出力の設定機構からなる制御部を持つ光出力制御システムにより、このような前記高出力2次元面発光レーザアレイ群の制御が可能となる。
第3の発明は、複数の前記高出力2次元面発光レーザアレイの制御方法であって、安定でない電流源からの入力電流値を常時検出し、独立制御可能な前記高出力2次元面発光レーザアレイ素子一つないし複数からなる光源単位において、あらかじめ記憶されている光変換効率が最大となる駆動電流値で検出された入力電流値を除して丸めた数の光源単位を選出して、それらを入力電流によって駆動することを特徴とする、前記高出力2次元面発光レーザアレイ群の制御方法である。
このように制御されると、安定でない電力源からもたらされる不安定な入力電流で駆動する場合でも高い光変換効率を維持することができる。演算機構、記憶部、入力電流値の検出機構からなる制御部を持つ光出力制御システムにより、このような前記高出力2次元面発光レーザアレイ群の制御が可能となる。
本発明によれば、所望の光出力を得るための光変換効率が高く、かつ長期信頼性にも優れた高出力2次元面発光レーザアレイの駆動方法等を提供することができる。
面発光レーザの駆動電流に対する光出力と光変換効率の変化を示す。 面発光レーザの駆動電流に対する電圧と消費電力の変化を示す。 2次元面発光レーザアレイ素子の模式的な平面図。 図3に示す2次元面発光レーザアレイ素子のD−D線断面において、一つの面発光レーザ素子を拡大して示した図。 2次元面発光レーザアレイモジュール10の概略構成と、構成の一部を拡大して示した模式図。 一つの面発光レーザ素子の発振スペクトルを示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかる面発光レーザの駆動について説明する。図1は、最大光出力が11Wである面発光レーザアレイ素子の駆動電流と光出力、および光変換効率を示す図である。このようなアレイ素子を複数組み込んで合計100Wの光出力が得られるようなレーザモジュールを作製することを考える(表1参照)。
Figure 2012124304
従来の手法ではこのような場合、最大値よりもやや低い10W程度の光出力が得られるように駆動させる。なぜなら、その場合光出力100Wのレーザモジュールを作製するのに必要なアレイ素子の数が10個で済むからである。光出力10Wのときの光変換効率は図2から33%であり、このときのレーザモジュール全体の消費電力は300W、そのうち200Wが熱としてレーザモジュール内部で発生する計算になる。次に、これと同じアレイ素子を光出力が5Wとなるように駆動させる場合を考える。100Wのレーザモジュールを構成するにはアレイ素子が20個必要となるが、このときの光変換効率が41%であることから、全体での消費電力は244W、発熱量は144Wに抑えられることになる。
このレーザモジュールを長期間使用した後、光出力が90Wまで低下した場合を考える。すなわち、設定電流におけるレーザモジュールの使用時の光出力を測定し、あらかじめ測定されている設定電流における初期の光出力と比較する。初期の光出力と測定された使用時の光出力との差がない場合には、駆動条件の変更は行う必要はない。一方、前述のように光出力が低下(100W→90W)している場合において、前記アレイ素子を従来方法に従ってレーザモジュールに10個組み込んでいる場合、低下した光出力を100Wまで回復させるには駆動電流をどれだけ増加させればよいか、あるいは駆動電流の増加によって光出力を回復させられるかどうかを知るためには、再度駆動電流と光出力の関係を測定しなければならない。しかし、本発明方法に従って前記アレイ素子を20個組み込んでいる場合、閾値電流0.10Aから初期駆動電流0.55Aまでの領域、および初期駆動電流近傍では駆動電流と光出力が直線的な関係であり、それは光出力が多少低下しても変わらない。それゆえ、初期駆動電流から閾値電流を差し引いた0.45Aを低下後の光出力の比率90%で割った0.50Aに閾値電流0.10Aを加えた0.60Aで駆動すれば、本来想定されていた100Wの光出力を得られることが直ちに分かる。このため、算出された新たな駆動電流値によってレーザモジュールを駆動させることで、初期の光出力を維持することができる。
面発光レーザ素子から出射されるレーザ光には、横基本モードと横高次モードがある。光の共振断面積を規定する電流注入領域の径が十分小さければ横基本モードのみのシングルモード発振となるが、逆に電流注入領域の径が大きいと横高次モードが混在してマルチモード発振となる。横基本モードのレーザ光は出射角度が小さいため面発光レーザアレイ全体からの出射光を単一の集光レンズで一点に集光させることができる。一方、電流注入領域の径が小さいと面積当たりの活性層に注入される電流密度が高くなってしまうため、レーザ素子の寿命という観点からすると電流注入領域の径は大きいほうが望ましい。
図6は、シングルモード発振とマルチモード発振の中間的な電流注入領域の径をもつ、単一面発光レーザ素子の発振スペクトルを表す。発振波長は1060nm前後であり、電流注入領域の径は6.4μmである。この場合、比較的高い駆動電流値である12mAで駆動されているときには長波長側に出現する横基本モード(図中P)よりも強い横高次モード(図中Q)が短波長側に見られるのに対して、駆動電流値をその半分の6mAとすると、横基本モード(図中R)よりも短波長側の横高次モード(図中S)の強度が低く抑えられる。このように、駆動電流値が低ければ横高次モードを弱く抑えたまま電流注入領域の径をぎりぎりまで大きくとることができる。なお、電流注入領域の径をどこまで大きくできるかは、面発光レーザ素子の発振波長、駆動電流に応じて変化する。
次に、図面を参照して本発明に係る2次元面発光レーザアレイ素子、面発光レーザ装置および光源の例について詳細に説明する。なお、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。また、以下に本発明に用いられる2次元面発光レーザアレイについて説明するが、本発明は以下に示す面発光レーザアレイ以外にも当然に適用可能であり、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図3は、2次元面発光レーザアレイ素子1000の模式的な平面図である。図3に示すように、この2次元面発光レーザアレイ素子1000は、nを2以上の整数として、直列接続アレイ構造1001〜1001と、共通n側電極1002と、共通p側電極1003とを有する。各直列接続アレイ構造1001〜1001は、それぞれmを2以上の整数としてm個の面発光レーザ素子100から構成されている。すなわち、この2次元面発光レーザアレイ素子1000は、m×n個の面発光レーザ素子100から構成されている。m、nは特に限定されないが、たとえば、mは10〜100であり、nは10〜1000である。
面発光レーザが適切な電流・電圧範囲で駆動された場合に最も多く発生する故障は、結晶中に発生・増殖した転位が活性層に到達して光出力を低下、もしくは非発光化させるというものである。しかしこの場合、駆動電流と電圧の関係はほとんど変化しない。それゆえ、直列接続された面発光レーザ素子のうちの一つもしくはいくつかにおいてこのような故障が生じても、直列接続アレイ構造、およびそれを含むアレイ素子全体の駆動電流と電圧の関係はやはりほとんど変化しない。このような故障がいくつかの面発光レーザ素子に発生した場合、アレイ素子全体としては光出力が駆動電流に対して一定比率で低下したように見える。
図4は、図3に示す2次元面発光レーザアレイ素子1000のD−D線断面において、1つの面発光レーザ素子100を拡大して示した図である。図4に示すように、この面発光レーザ素子100は、基板101と、基板101上に形成された下部多層膜反射鏡である下部DBRミラー102と、バッファ層103と、n型コンタクト層104と、多重量子井戸構造を有する活性層105と、下部傾斜組成層106と、外周に位置する電流狭窄部107aと電流狭窄部107aの中心に位置する円形の電流注入部107bとを有する電流狭窄層107と、上部傾斜組成層108と、p型スペーサ層109と、p型電流経路層110と、p型スペーサ層111と、p型コンタクト層112とが順次積層した構造を有する。そして、活性層105からp型コンタクト層112までが円柱状のメサポストM1を構成している。
基板101は、たとえばアンドープのGaAsからなる。また、下部DBRミラー102は、たとえばGaAs/Al0.9Ga0.1As層の積層構造からなる。また、バッファ層103は、たとえばアンドープのGaAsからなる。また、n型コンタクト層104は、たとえばn型GaAsからなる。また、活性層105は、たとえば1100nm帯のレーザ光用として、InGaAs層とGaAs障壁層が交互に積層した構造を有しており、最下層のGaAs障壁層はn型クラッド層としても機能する。また、電流狭窄層107については、たとえば電流狭窄部107aはAlからなり、電流注入部107bは、AlAsからなる。下部傾斜組成層106および上部傾斜組成層108は、たとえばAlGaAsからなり、厚さ方向において電流狭窄層107に近づくにつれてそのAl組成が段階的に増加するように構成されている。また、p型スペーサ層109、111とp型電流経路層110、p型コンタクト層112とは、たとえばそれぞれ炭素をドープしたp型、p型のGaAsからなる。
また、p+型コンタクト層112上に、Pt/Tiからなり、中心に開口部113aを有するp側円環電極113が形成されている。
さらに、位相調整層114上からメサポストM1の外周にわたって誘電体からなる上部多層膜反射鏡である上部DBRミラー115が形成されている。上部DBRミラー115は、たとえばα−Si/SiOまたはα−Si/Alのペアを、その材料の屈折率に応じて99%程度の適切な反射率がえられるようなペア数にしたものでよい。あるいは、上部DBRミラー115の一部のみを誘電体膜で構成し、他の部分を半導体膜で構成してもよい。また、n型コンタクト層104は、メサポストM1の下部から上部DBRミラー115の外周側に延設しており、その表面にたとえばAuGeNi/Auからなる半円環状のn側電極116が形成されている。また、上部DBRミラー115が形成されていない領域には、表面保護のためにSiNなどの誘電体からなるパッシベーション膜117が形成されている。
また、n側電極116に対して、パッシベーション膜117に形成された開口部を介して接触するように、Auからなる引き出し電極118が形成されている。一方、p側円環電極113に対しても、パッシベーション膜117に形成された開口部を介して接触するように、Auからなる引き出し電極118が形成されている。
ここで、図3に示すように、直列接続アレイ構造1001において、面発光レーザ素子100のn側電極116に接続した引き出し電極118は、共通n側電極1002に接続しており、p側円環電極113に接続した引き出し電極118は、隣接する面発光レーザ素子100のn側電極116に接続している。このように、直列接続アレイ構造1001は、複数の面発光レーザ素子100が電気的に直列接続した構成を有している。また、他の直列接続アレイ構造1001〜1001も、同様に複数の面発光レーザ素子100が直列接続した構成を有している。
さらに、これらの直列接続アレイ構造1001〜1001は、共通n側電極1002と共通p側電極1003とによって電気的に並列接続している。また、共通n側電極1002と共通p側電極1003とは、外部に設けた不図示の電流供給回路に電気的に接続している。
そして、この2次元面発光レーザアレイ素子1000は、電流供給回路から共通n側電極1002と共通p側電極1003とを介して各直列接続アレイ構造1001〜1001の面発光レーザ素子100に電圧を印加し、電流を注入すると、電流は主に低抵抗のp型コンタクト層112とp型電流経路層110とを流れ、さらに電流経路が電流狭窄層107によって電流注入部107b内に狭窄されて、高い電流密度で活性層105に供給される。その結果、活性層105はキャリア注入されて自然放出光を発光する。自然放出光のうち、レーザ発振波長である1100nm帯の光は、下部DBRミラー102と上部DBRミラー115との間で定在波を形成し、活性層105によって増幅される。そして、注入電流がしきい値以上になると、定在波を形成する光がレーザ発振し、p側円環電極113の開口部113aからたとえば1100nm帯のレーザ光が出力する。
次に、2次元面発光レーザアレイモジュールについて説明する。図5は、2次元面発光レーザアレイモジュール10の概略構成と、構成の一部を拡大して示した模式図である。図5に示すように、この2次元面発光レーザアレイモジュール10は、基台11と、基台11上に順次載置したヒートシンク12、基板13と、基板13上に載置した、図3に示した9個の2次元面発光レーザアレイ素子1000と、2次元面発光レーザアレイ素子1000の上方に順次配置した集光レンズ15と、基台11上に立設し、集光レンズ15を支持する支持具17と、2次元面発光レーザアレイ素子1000と集光レンズ15の間に配置されるマイクロレンズアレイ14、基台11の裏面に配置した電極18とを備える。
基台11、ヒートシンク12、基板13、支持具17は、たとえばそれぞれ金属や窒化アルミ等の材質からなる。また、各2次元面発光レーザアレイ素子1000は、基板13上で適宜配線されるとともに、電極18に電気的に接続している。マイクロレンズアレイ14は、2次元面発光レーザアレイ素子1000に集積されている個々の面発光レーザ素子からのレーザ光をコリメートするように構成されている。また、集光レンズ15は、たとえば非球面の凸レンズであり、基板13上の2次元面発光レーザアレイ素子群からの出射レーザ光を光ファイバFの入射面に集光するように構成されている。
この2次元面発光レーザアレイモジュール10は、ファイバレーザ装置、熱プロセス用レーザ装置等の高出力のレーザ光を必要とする高出力レーザ装置の内部に、レーザ光源として一つないし複数組み込まれて用いられる。2次元面発光レーザアレイモジュール10において光ファイバFに結合されたレーザ光は光ファイバFを伝搬して所望の場所まで運ばれ、ファイバレーザの励起等、各種の用途に使用される。
前記2次元面発光レーザアレイモジュールを前記高出力レーザ装置にいくつ組み込むか、あるいは前記2次元面発光レーザアレイモジュールの内部に前記2次元面発光レーザアレイ素子をいくつ組み込むかは、前記高出力レーザ装置が最大でどれだけの光出力を必要とするかによって決められる。しかし、高出力レーザ装置は常に最大の光出力を必要とするとは限らず、用途等に応じて光出力を変化させて用いることもある。そのような場合、以下のようにして2次元面発光レーザアレイモジュールの駆動を制御することができる。
まず、高出力レーザ装置の使用者がその用途に応じた使用光出力を設定する。装置は内部の演算機構において、あらかじめ記憶部に記録されている光変換効率を最大にする1モジュールあたりの最大効率光出力で、設定された使用光出力を除し、導出された値を丸めて整数とした上で、駆動させるモジュールの数とする。なお、数値を丸める方法としては、単純に数値を四捨五入して整数化すればよい。また、演算機構によって、使用光出力を駆動するモジュール数で除して、単位モジュール数当たりの単位光出力を算出する。続いて、同じくあらかじめ記憶部に記憶されている駆動電流と光出力の直線的関係(すなわち、光出力が生じるための閾値電流と、駆動電流と光出力の関係の傾き)を用いてモジュールの駆動電流を調整する。調整は、演算機構によって、最大効率光出力と単位光出力との差を演算出し、この差に対応する補正駆動電流を前述した直線関係から算出する。その後、算出された補正駆動電流を用いて、設定機構によって駆動電流を補正し、新たな駆動電流を設定する。このような手順を踏むことで、高い光変換効率を維持したまま設定された所望の光出力が得られるようにモジュール群を駆動させることができる。なお、記憶部からの情報の読み出しや、演算機構での各種演算および駆動電流の設定機構での駆動電流の設定は、制御部が行う。このようなシステムとしては、CPU等の制御部、演算機構、設定機構等と、各種記憶媒体である記憶部を有するコンピュータ等を適用することができる。
また、駆動電流が安定しないような高出力レーザ装置、たとえば屋外に設置された太陽電池や風力発電装置に接続されている高出力レーザ装置においても、これと同じような手順を行うことで常に高い光変換効率を維持した駆動を実現することができる。その場合はまず電流計などの電流の検出機構によって駆動電流値を都度検出し、それを、演算機構によって、あらかじめ記憶部に記憶されている光変換効率を最大にする1モジュールあたりの最大効率駆動電流値で除し、導出された値を丸めて整数とした上で、駆動光源単位数の設定を行う設定機構によって駆動させるモジュールの数とする。これを常時行い、駆動させるモジュールの数を最適な値に調整することで高い光変換効率を維持し続けることができる。なお、記憶部からの情報の読み出しや、演算機構での各種演算および駆動電流の設定機構での駆動電流の設定は、前述と同様の制御部が行う。
10・・・面発光レーザモジュール
11・・・基台
12・・・ヒートシンク
13・・・基板
14・・・マイクロレンズアレイ
15・・・集光レンズ
17・・・支持具
18・・・電極
100・・・面発光レーザ素子
101・・・基板
102・・・下部DBRミラー
103・・・バッファ層
104・・・n型コンタクト層
105・・・活性層
106・・・下部傾斜組成層
107・・・電流狭窄層
107a・・・電流狭窄部
107b・・・電流注入部
108・・・上部傾斜組成層
109、111・・・p型スペーサ層
110・・・p型電流経路層
112・・・p型コンタクト層
113・・・p側円環電極
113a・・・開口部
114・・・位相調整層
115・・・上部DBRミラー
116・・・n側電極
117・・・パッシベーション膜
118・・・引き出し電極
122・・・被酸化層
1000・・・2次元面発光レーザアレイ素子
1001〜1001・・・直列接続アレイ構造
1002・・・共通n側電極
1003・・・共通p側電極
F・・・光ファイバ
M1・・・メサポスト

Claims (8)

  1. 複数の面発光レーザ素子よりなる、連続発振モードで駆動させて用いる面発光レーザアレイであって、光出力1W以上の高出力用途のものにおいて、温度一定の条件の下で光変換効率が最大となる駆動電流値が前記面発光レーザアレイの光出力を最大にする駆動電流値の50%以下となる場合に、前記面発光レーザアレイの光出力がその最大値の50%以下となる電流値で駆動させることを特徴とする高出力面発光レーザアレイの駆動方法。
  2. 光変換効率の最大値を100とした場合に、光変換効率が95以上である電流範囲で駆動させることを特徴とする請求項1に記載の高出力面発光レーザアレイの駆動方法。
  3. 前記面発光レーザ素子から出射されるレーザ光がシングルモードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高出力面発光レーザアレイの駆動方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の高出力面発光レーザアレイの駆動方法で用いられる高出力面発光レーザアレイにおいて、前記高出力面発光レーザアレイの光出力がその最大値の50%以下となる電流値において初期駆動電流を設定し、前記初期駆動電流の設定時における光出力に対して経時劣化により光出力の低下が検出された際に、前記高出力面発光レーザアレイの閾値電流と、前記高出力面発光レーザアレイの駆動電流の変化に対する光出力の変化の関係とから、経時劣化による光出力の低下分を補うのに要する駆動電流の増加量を直線関係によって導出し、前記初期駆動電流に得られた駆動電流の増加量をあわせた新たな電流値で駆動させることで光出力を維持することを特徴とする高出力面発光レーザアレイの駆動方法。
  5. 高出力2次元面発光レーザアレイの制御方法であって、独立制御可能な高出力2次元面発光レーザアレイ素子一つないし複数からなる光源単位において、あらかじめ記憶されている光変換効率が最大となる最大効率光出力で、必要とされる使用光出力を除して丸め、駆動させる光源単位数を算出し、
    前記使用光出力を、駆動する光源単位数で除して、光源単位毎の単位光出力を算出し、
    前記単位光出力と前記最大効率光出力との光出力差を算出し、
    前記高出力2次元面発光レーザアレイの閾値電流と、前記高出力2次元面発光レーザアレイの駆動電流の変化に対する光出力の変化の直線関係とから、前記光出力差に応じた補正駆動電流を算出し、
    前記最大効率光出力を前記補正駆動電流で補正した駆動電流で面発光レーザアレイを駆動することを特徴とする高出力面発光レーザアレイ群の制御方法。
  6. 請求項5に記載の高出力面発光レーザアレイ群の制御方法を実行する光出力制御システムであって、
    前記最大効率光出力と、前記高出力面発光レーザアレイの閾値電流と、前記高出力面発光レーザアレイの駆動電流の変化に対する光出力の変化の直線関係を記憶する記憶部と、
    駆動させる光源単位数、前記単位光出力、前記光出力差および前記補正駆動電流の算出を行う演算機構と、
    前記最大効率光出力を前記補正駆動電流により補正し駆動電流を設定する光出力の設定機構と、
    前記記憶部の情報の読み出し、前記演算機構での演算、光出力の設定を制御する制御部と、
    を具備し、高出力面発光レーザアレイ群を制御することを特徴とする光出力制御システム。
  7. 高出力2次元面発光レーザアレイの制御方法であって、安定でない電流源からの入力電流値を常時検出し、独立制御可能な高出力2次元面発光レーザアレイ素子一つないし複数からなる光源単位において、あらかじめ記憶されている光変換効率が最大となる最大効率駆動電流値で、前記入力電流値を除して丸め、駆動させる光源単位数を算出し、
    前記光源単位数の光源単位を前記入力電流値によって駆動することを特徴とする高出力面発光レーザアレイ群の制御方法。
  8. 請求項7に記載の高出力面発光レーザアレイ群の制御方法を実行する光出力制御システムであって、
    前記入力電流値を検出する検出機構と、
    前記最大効率駆動電流値を記憶する記憶部と、
    駆動させる光源単位数の算出を行う演算機構と、
    駆動させる前記光源単位の数を設定する設定機構と、
    前記記憶部の情報の読み出し、前記演算機構での演算、駆動電流の設定を制御する制御部と、
    を具備し、高出力面発光レーザアレイ群を制御することを特徴とする光出力制御システム。
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