JP2012123395A - 光デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マッハツェンダ型光変調器の光導波路(A)、(B)は、通常、分極非反転領域である−Z面に形成される。しかし、信号電極11と接地電極10を2つの導波路に非対称に設けると、出力光にチャープを生じ、好ましくないので、これらの電極を2つの導波路に対称に設ける。ここで、光変調が有効にかけられるためには、光導波路の存在する基板の一部を分極反転する必要がある。分極反転により、光導波路は、+Z面に形成されることになる。しかし、+Z面には、分極反転領域の自発分極の不安定性から、電荷が蓄積され、光変調器の性能に悪影響を与えるので、分極反転領域の表面に導電性のアモルファス層を形成する。
【選択図】図1
Description
光導波路(A)、(B)とコプレーナ(CPW)電極10、11とからなる。電極は信号電極11とその両側の接地電極10とからなり、中心付近に分極反転領 域13が形成されており、この部分では+Z面に光導波路が形成されている。基板はZ-cutのニオブ酸リチウム(LiNbO3)であり、基板と電極との間 には電極での光吸収を防ぐためバッファ層12としてSiO2が形成されている。また、図には記載されていないがSiO2の上部には焦電によりバッファ層間 にたまる電荷による温度ドリフトを防ぐため、Si膜が形成されているのが望ましい。
・動作点の変動が+Z面で発生していること。
・製造工程によらず+Z面を使用する場合には発生すること。
・従来の焦電効果により発生した光変調器の温度ドリフトに対する信頼性確立方法では上記問題を解決できないこと。
が明らかになった。
図8(a) のように、強誘電体結晶では温度変化が発生すると電荷が発生する。これを焦電効果と呼ぶ。この電荷が絶縁膜であるバッファ層12に、光導波路(A)、 (B)に対して非対称に分布することで、電荷の作る電界により2本の導波路間で非対称に位相が変化して、温度ドリフトの原因となる。そこで、図8(b)のようにバッファ層12上面に導電膜15を形成することで電荷を対称化する方法が知られている。
本発明の課題は、分極反転領域を有する光デバイスにおいて、分極反転領域の特性に起因する性能劣化の発生を有効に防止した光デバイスを提供することである。
図7と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
図1(a)の上面図は、図7(a)と同様であるが、+Z面部分にはバッファ層と基板の間にアモルファス層が形成されている。図1(b)の線A−A’での断面図においては、この部分が分極の非反転領域であるので、アモルファス層は、設けられていない。図1(c) の線B−B’での断面図は、この部分が分極の反転領域であるので、光導波路(A)、(B)の上面を覆うように、アモルファス層が設けられている。本発明の実施形態では、もっとも好ましい例として、アモルファス層を設けることを示しているが、導電性を有する層であれば良い。
図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
アモルファス層は+Z面の導波路部分を覆っていることで効果を発揮するが、効果が大きいのは+Z面すべてを覆っている場合である。すなわち、導電層である アモルファス層の面積が大きくなることにより、アモルファス層のアースとしての容量が大きくなるので、+Z面に蓄積した電荷の分布を均一化する能力が大き くなるからである。したがって、図2(c)の線B−B’に沿った断面図に示されているように分極反転領域の全表面を覆うように、アモルファス層が設けられる。
図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
基板側面に、導電層21を形成し、アモルファス層20部分と接触させることでより大きな効果を発揮する。すなわち、導電層21とアモルファス層20とが一 体となって、アースとして作用し、より大きな容量を持ったアースで+Z面に生じた電荷の分布を均一化することになり、本発明の効果が大きくなる。また、側 面部の導電層21としては、光損失に影響がないためSiやTiなどが優れている。さらに側面部の導電層21は接地していることが望ましい。導電層21を接 地することにより、アースとしての効果を更に大きくすることができるとともに、側面部に導電層21を設けることにより、接地のための配線を接続しやすくな る。
図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
広帯域を要求される40Gbit/sの光変調器の場合には、光導波路の両脇の基板を掘り下げて(リッジ溝23)リッジ構造にすることが知られている。この リッジ溝23は、典型的には、RIE(Reactive Ion Etching)法によって、形成される。分極反転領域を設けた40Gbit/sの光変調器の場合にも本発明は有効であり、図4(a)、(c)のように+Z表面にアモルファス層20を形成する。アモルファス層20は、必ずしもアモルファスである必要はなく、導電性の材質でできた層であれば良い。
図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
図1〜図4は、すべてマッハツェンダ型光変調器の構成例を示した。しかし、本発明は温度変化に対する+Z面における光の位相変化に起因する悪影響を問題としているため、位相変調器においても効果を発揮する。図5に、本発明を位相変調器に適用した場合をしめす。図5に示す位相変調器は直線光導波路25上に電極を配置して、RF電圧を印加することで光の位相を変調する。このような変調器においても例えば、図5に示すように一部を分極反転することで低周波領域での変調帯域をフラットにする技術などが知られている。このように、低周波領域において、変調帯域をフラットにすると、伝送効率がよくなることが知られている。したがって、位相変調器においても、図5のように、分極反転領域を設ける構成が用いられる。
図6(a)が従来の変調器の場合を示し、図6(b)が本発明の変調器の場合を示す。
なお、上記実施形態の構成は、従来の図8(b)の構成とともに用いることもでき、これにより、より大きな効果が期待できる。
自発分極を有し、該自発分極の非反転領域と反転領域とを備える誘電体基板と、
該非反転領域の−Z面と、該反転領域の+Z面にわたって形成された光導波路と、
該光導波路の近傍に形成された電極と、
該反転領域の表面近傍の、少なくとも光導波路を覆う面に設けられた導電層と、
を備えることを特徴とする光デバイス。
(付記2)
該導電層は、アモルファス層であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記3)
該アモルファス層は、LiNbO3、LiTaO3、あるいは、BaTiO3を材質とすることを特徴とする付記2に記載の光デバイス。
(付記4)
前記導電層の厚さは、5〜1000Åであることを特徴とする付記2に記載の光デバイス。
(付記5)
前記導電層は、前記反転領域の全体を覆っていることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記6)
前記導電体層が、前記誘電体基板の側面に形成され、前記導電層と接続されていることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記7)
前記導電体層の前記誘電体基板の側面に設けられた部分は、接地されていることを特徴とする付記6に記載の光デバイス。
(付記8)
前記誘電体基板は、LiNbO3結晶で構成されることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記9)
前記光デバイスは、前記誘電体基板の−Z面に光導波路を形成後、該誘電体基板の自発分極を反転することによって、該誘電体基板の+Z面に光導波路を形成することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記10)
前記光導波路の近傍に溝が掘られていることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記11)
前記導電層と前記電極の間に、バッファ層として絶縁層が設けられていることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記12)
前記バッファ層の上に、誘電膜が設けられていることを特徴とする付記11に記載の光デバイス。
(付記13)
前記光デバイスは、光変調器であることを特徴とする付記1〜12のいずれか1つに記載の光デバイス。
(付記14)
前記光変調器は、マッハツェンダ型光強度変調器であることを特徴とする付記13に記載の光デバイス。
(付記15)
前記光変調器は、光位相変調器であることを特徴とする付記13に記載の光デバイス。
11 信号電極
12 バッファ層
13 分極反転領域
15 導電膜
20 アモルファス層
21 導電層
23 リッジ溝
25 光導波路
Claims (11)
- 自発分極を有し、該自発分極の非反転領域と反転領域とを備える誘電体基板と、
該非反転領域の−Z面と、該反転領域の+Z面とを横切るように形成された光導波路と、
該光導波路の近傍に形成された電極と、
該誘電体基板の該反転領域の表面上であって、前記表面及び前記光導波路と接するとともに少なくとも光導波路を覆うように設けられた第1の導電層と、
絶縁層からなり、前期第1の導電層と前記電極との間に設けられ、前記第1の導電層と接するバッファ層と、
を備える、
ことを特徴とする光デバイス。 - 前記第1の導電層は、アモルファス層であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記アモルファス層は、LiNbO3、LiTaO3、あるいは、BaTiO3を材質とすることを特徴とする請求項2に記載の光デバイス。
- 前記第1の導電層の厚さは、5〜1000Åであることを特徴とする請求項2に記載の光デバイス。
- 前記第1の導電層は、前記反転領域の全体を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 第2の導電層が、前記誘電体基板の側面に形成され、前記第1の導電層と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記第2の導電層は、接地されていることを特徴とする請求項6に記載の光デバイス。
- 前記誘電体基板は、LiNbO3結晶で構成されることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記光デバイスは、前記誘電体基板の−Z面に光導波路を形成後、該誘電体基板の自発分極を反転することによって、該誘電体基板の+Z面に光導波路を形成することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記バッファ層は、SiO2を含む材料からなり、前記バッファ層が前記電極での光の吸収を防ぐことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記光デバイスは、光変調器であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の光デバイス。
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