JP2003075790A - 進行波形光変調器 - Google Patents

進行波形光変調器

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JP2003075790A
JP2003075790A JP2001268592A JP2001268592A JP2003075790A JP 2003075790 A JP2003075790 A JP 2003075790A JP 2001268592 A JP2001268592 A JP 2001268592A JP 2001268592 A JP2001268592 A JP 2001268592A JP 2003075790 A JP2003075790 A JP 2003075790A
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conductive film
substrate
optical modulator
electrode
optical
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JP2001268592A
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Kenji Aoki
謙治 青木
Jungo Kondo
順悟 近藤
Atsuo Kondo
厚男 近藤
Osamu Mitomi
修 三冨
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Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極を伝搬するマイクロ波と光導波路を伝搬す
る光との間の速度整合を達成しつつ、駆動電圧Vπと電
極の長さLとの積(Vπ・L)を小さくする。 【解決手段】光変調器1Aは、相対向する表面2aと底
面2b、10とを備えている電気光学材料からなる基板
2A、基板2Aの表面2a側に形成されている光導波路
6A、6B、基板2の表面2a上に形成されており、光
導波路6A、6B内を伝搬する光を変調するための電極
3、4、5、および底面10に形成されている導電性膜
14A、14Bを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、進行波形光変調器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マッハツェンダー型の光導波路を有する
進行波形光変調器を動作させる際には、動作点を適正な
位置へと補正するために直流バイアスをかけて駆動す
る。光変調器を小型化するためには、電極の長さを短く
する必要があり、このためには駆動電圧Vπと電極の長
さLとの積(Vπ・L)を小さくすることが必要であ
る。本出願人は、特開平10−133159号公報にお
いて、進行波形光変調器の基板の光導波路の下に薄肉部
分を設け、この薄肉部分の厚さを例えば10μm以下に
薄くすることを開示した。これによって、酸化珪素等か
らなるバッファ層を形成することなしに高速光変調が可
能であるし、駆動電圧Vπと電極の長さLとの積(Vπ
・L)を小さくできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば10GHz以上
の電気信号で動作する進行波形光変調器において速度整
合を達成するためには、薄肉部分の厚さを10μm程度
まで薄くすることが必要である。しかし、薄肉部分の上
と下とには通常は大気が接触しており、大気の屈折率は
電気光学結晶の屈折率よりもはるかに低い。この結果、
薄肉部分の厚さが10μm近辺になると、光導波路の形
態が偏平化する傾向がある。一方、進行波形光変調器と
結合される外部の光ファイバー内を伝搬する光ビームの
形態はほぼ真円形状である。このため、光導波路の形態
が偏平化すると、光ファイバー内を伝搬する光ビームの
強度分布と光変調器内の光導波路を伝搬する光ビームの
強度分布との不一致が大きくなる。薄肉部分の厚さを大
きくすると、前述の速度整合が困難になるし、駆動電圧
Vπと電極の長さLとの積(Vπ・L)をある程度以上
低下させることが難しい。
【0004】本発明の課題は、電極を伝搬するマイクロ
波と光導波路を伝搬する光との間の速度整合を達成しつ
つ、駆動電圧Vπと電極の長さLとの積(Vπ・L)を
小さくできるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対向する表
面と底面とを備えている電気光学材料からなる基板、こ
の基板の表面側に形成されている光導波路、基板の表面
側に形成されており、光導波路内を伝搬する光を変調す
るための電極、および底面側に形成されている導電性膜
を備えていることを特徴とする、進行波形光変調器に係
るものである。
【0006】本発明によって、基板の底面側に導電性膜
を形成することによって、導電性膜が底面において等電
位膜として機能し、この等電位膜側から光導波路へと向
かって電圧が印加される。これによって、光導波路に印
加される実効電圧が向上するため、駆動電圧Vπと電極
の長さLとの積(Vπ・L)を小さくできる。この結
果、駆動電圧Vπを一定としたときに、必要な補正電極
の長さLを短くできる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、基板の底面と
は、基板の光導波路および電極が形成されている面(表
面)と対向する反対側の面を意味している。従って、底
面は、表面に対して略並行な面であるか、少なくとも1
0°以下の傾斜角度を有している面である。また、底面
は、平坦であってよく、あるいは起伏を有していて良
い。また、底面は、後述するような凹部に面している面
であってよく、あるいは、薄肉部分の底面であってよ
い。
【0008】導電性膜とは、導電性を有する膜のことを
意味している。導電性膜は、導電性を有していればよ
く、電流が流れている膜であってもよいが、電流が実際
に流れている必要はない。
【0009】本発明においては、導電性膜は、底面の全
面にわたって設けられていても良い。しかし、好適な実
施形態においては、基板の表面側に電極ギャップが形成
されており、導電性膜が、少なくとも電極ギャップに対
向する領域の少なくとも一部に形成されている。これに
よって、光導波路に対して効果的に電圧を印加しやす
い。
【0010】この場合には、好ましくは、底面のうち光
導波路に対向する領域には光導波路を形成しない。これ
によって、光導波路の光ビームへの悪影響を抑制でき
る。
【0011】特に好適な実施形態においては、基板の底
面側に凹部が設けられており、基板が、厚肉部分、凹部
に面する第一の薄肉部分および凹部に面する第二の薄肉
部分を備えており、第一の薄肉部分内に光導波路が設け
られており、第一の薄肉部分が第二の薄肉部分よりも厚
い。
【0012】「第一の薄肉部分内に光導波路が設けられ
ている」とは、光導波路の少なくとも屈折率の中心が第
一の薄肉部分内に存在することを意味している。
【0013】こうした実施形態においては、マイクロ波
と光との速度整合を確保し、Vπ・Lを抑制しつつ、同
時に光導波路内を伝搬する光のビーム形状を真円形に近
づけ、光の結合損失を低減できる。
【0014】図1は、この実施形態に係る光変調器1A
を概略的に示す横断面図である。光変調器1Aは、電気
光学材料、好ましくは電気光学結晶からなる基板2Aを
備えている。基板2Aは、2つの厚肉部分21と、1つ
の第一の薄肉部分9と、2つの第二の薄肉部分8A、8
Bとを備えている。基板2Aは、相対向する表面2aと
底面2b、10とを備えている。また、基板2Aの底面
2b側には凹部7が形成されており、凹部7に対して、
薄肉部分8A、8B、9が面している。第一の薄肉部分
9の凹部7側には突起22が形成されている。突起22
の高さの分だけ、薄肉部分9の厚さT(OP)が薄肉部
分8A、8Bの厚さT(sub)よりも大きくなってい
る。薄肉部分9の表面2a側には一対の光導波路6A、
6Bが形成されている。
【0015】また、基板2Aの表面2a側には、例えば
3列の電極3、4、5が形成されている。電極は、図示
しないマイクロ波信号源に接続されている。本例では、
X板またはY板を使用し、光導波路内にTEモードの光
を伝搬させる。このため、各光導波路6A、6Bは、そ
れぞれ隣接する電極3と4との間、あるいは電極4と5
との間に挟まれている。
【0016】基板の底面、特に薄肉部分8A、8Bの底
面10上に導電性膜14A、14Bが形成されている。
これと共に、薄肉部分21の側面12上には焦電防止膜
20Bが形成されており、厚肉部分21の凹部7に面す
る側面11上には焦電防止膜20Aが形成されている。
【0017】本発明によれば、電極3、5と導電性膜1
4A、14Bとの間に電圧が印加される共に、各導電性
膜14A、14Bが等電位膜として作用する。そして、
導電性膜14A、14Bの末端部分と電極4との間にも
電圧が印加される。このように、導電性膜14A、14
Bと中心電極4との間の電圧印加によって、光導波路6
A、6Bに印加される実効電圧が向上する。
【0018】また、図1のような形態の光変調器におい
ては、電極を伝搬する変調波(マイクロ波)によって生
成する電界は、基板の底面側の空気(溝ないし凹部中)
にかなりリークする。この際、光導波路および中心電極
4の直下の領域においても電界の空気中へのリークが発
生するが、第二の薄肉部分8A、8Bの領域でもマイク
ロ波電界のリークの寄与がある。この結果、変調波の位
相速度が向上する。
【0019】これと同時に、突起22を設けない場合と
比べて、光導波路6A、6Bの直下の領域の厚さは若干
大きくできるので、光導波路6A、6Bを伝搬する光ビ
ームの偏平化を防止でき、これによって光の結合損失を
抑制できる。
【0020】図1の例では、薄肉部分の凹部7側に突起
22を設けることによって、薄肉部分9の厚さを薄肉部
分8A、8Bの厚さよりも大きくした。しかし、突起を
薄肉部分の表面2a側に設けることもでき、突起を薄肉
部分の凹部7側および表面2a側の両方に設けることも
できる。
【0021】本発明の好適な実施形態においては、光の
進行方向における導電性膜の単位長さ1cm当たりの、
進行方向と垂直な方向の導電性膜の抵抗値が、1×10
−3Ω以上である。例えば図1を参照すると、紙面に垂
直な方向(A方向)が光の進行方向であり、光の進行方
向に垂直な方向は矢印Bで表している。
【0022】このように、導電性膜が単位長さ1cmあた
り1×10−3Ω以上の前記抵抗値を備える場合にも、
絶縁性膜でなければ、動作点調整のための等電位膜とし
ての機能は損なわれない。これと同時に、導電性膜が一
定以上の抵抗値を備えることによって、高周波電圧、つ
まりマイクロ波電圧に対しては誘電体として機能し、マ
イクロ波特性に対する悪影響を抑制できる。
【0023】即ち、光変調器の電極対によってキャパシ
タンスが形成されており、また導電性膜は抵抗として作
用するので、電極対と導電性膜とによってCR回路が構
成される。電極対によって構成される単位長1cmあた
りのキャパシタンスCと、導電性膜単位長1cmあたり
の矢印B方向の抵抗値Rとによって、CR回路の遮断周
波数が決定される。光変調器の高周波特性への悪影響を
抑制するためには、この遮断周波数よりマイクロ波の使
用周波数を高くする必要がある。この観点から、動作周
波数を10GHzとした場合、前記単位長さ1cmあたりの抵抗
値を1×10−3Ω以上とすることが好ましい。
【0024】但し、動作周波数が低い場合は、導電性膜
によるマイクロ波特性の悪化が生じても、変調器の変調
動作に問題はない。また、VOA(可変光減衰器)、光ス
イッチに適用した場合も、高速動作を要求しない限り、
動作に問題はない。このため、動作周波数範囲に応じて
導電層抵抗値を低くしてもよい。この場合においては前
記単位長さ1cmあたりの前記抵抗値が1×10−3Ω以下
であってもよい。
【0025】動作点調整のための等電位膜としての機能
を発揮させるという観点からは、使用変調周波数に応じ
て導電性膜の抵抗値の上限が制限される。例えば、動作
点補正を1Hz以上の周波数で行う場合、前記抵抗値が1
×109Ω以下であればよい。
【0026】本発明の導電性膜は、金属膜や半導体膜を
含んでいる。導電性膜を構成する金属としては、金、ア
ルミニウム、銅を例示できる。
【0027】導電性膜を構成する半導体としては、アモ
ルファスシリコン、カーボンを例示できる。
【0028】この半導体中に、不純物として以下のもの
を添加することによって、半導体膜の抵抗値を制御する
ことができる。半導体シリコンに対しては、ドナー不純
物として窒素、リンなどがあり、アクセプタ不純物とし
てホウ素、マグネシウムなどが考えられる。
【0029】本発明において、導電性膜の厚さtは、前
述の抵抗値を実現できるように適宜選択すれば良い。
【0030】本実施形態においては、基板2Aの表面2
a側に電極ギャップ19A、19Bが形成されており、
導電性膜14A、14Bが、底面のうち電極ギャップに
対向する領域Dの少なくとも一部に形成されている。底
面のうち電極ギャップに対向する領域Dとは、言い換え
ると、表面2aに垂直な方向Hから見たときの底面への
投影面において、電極ギャップ19A、19Bと重なる
領域のことである。本例においては、各導電性膜14
A、14Bのうち、14aは領域D内にあり、14b
は、底面のうち電極3、5に対向する領域G内にある。
【0031】また、本実施形態においては、導電性膜が
底面のうち光導波路に対向する領域Eに形成されていな
い。底面のうち光導波路に対向する領域Eとは、言い換
えると、表面2aに垂直な方向Hから見たときの底面へ
の投影面において、光導波路6A、6Bと重なる領域の
ことである。
【0032】本例では、焦電防止膜20A、20Bを設
けることによって、焦電に起因する温度ドリフトを抑制
できる。焦電防止膜の材質としては、以下のものを例示
できる。金、銅、アルミニウム、アモルファスシリコ
ン、カーボンから構成され、蒸着あるいはスパッタリン
グ法などによって形成された膜。さらにはペースト状の
塗布膜が例示できる。
【0033】図1に示すような形態の溝7(つまり薄肉
部分)は、エキシマレーザーを用いたレーザーアブレー
ション加工によって成形できる。あるいは、ダイシング
加工によって成形できる。
【0034】基板は、強誘電性の電気光学材料、好まし
くは単結晶からなる。こうした結晶は、光の変調が可能
であれば特に限定されないが、ニオブ酸リチウム、タン
タル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウ
ム固溶体、ニオブ酸カリウムリチウム、タンタル酸カリ
ウムリチウム、ニオブ酸カリウムリチウム−タンタル酸
カリウムリチウム固溶体、KTP、GaAs及び水晶な
どを例示することができる。ニオブ酸リチウム単結晶、
タンタル酸リチウム単結晶およびニオブ酸リチウム−タ
ンタル酸リチウム固溶体単結晶からなる群より選ばれた
一種以上の単結晶が、特に好ましい。
【0035】基板2A、2Bにおいては、特に好ましく
は結晶の分極軸が基板の表面2aと略水平である。ニオ
ブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオ
ブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶からな
るX板あるいはY板が好ましい。
【0036】第二の薄肉部分8A、8Bの厚さT(su
b)は、マイクロ波の実効屈折率nmを顕著に低減する
という観点からは、15μm以下であることが好まし
く、12.5μm以下が更に好ましく、10μm以下で
あることが一層好ましい。
【0037】第一の薄肉部分9の厚さT(OP)は、マ
イクロ波の実効屈折率nmを顕著に低減するという観点
からは、30μm以下であることが好ましく、20μm
以下が更に好ましい。第一の薄肉部分3fの厚さt(O
P)は、光導波路を伝搬する光ビームの偏平化を防止す
るという観点からは、10μm以上が好ましい。
【0038】第一の薄肉部分の厚さT(OP)と第二の
薄肉部分の厚さT(sub)との差が大きいことが好ま
しく、2μm以上であることが特に好ましい。ただし、
この差は25μm以下であることが好ましい。
【0039】電極の厚さT(EL)は、5−50μmと
することが好ましい。電極の厚さT(EL)は、マイク
ロ波の実効屈折率、特性インピーダンス、更には電極損
失に大きく影響する。厚さT(EL)を小さくすると、
マイクロ波の実効屈折率を低減するために、薄肉部分の
厚さT(sub)を小さくする必要があり、電極損失も
増加してしまう。一方、厚さT(EL)を大きくするこ
とは、マイクロ波の実効屈折率の低減化と電極損失の低
減には必要であるが、作製上の問題がある。実際には、
特性インピーダンスの制御も含めて、電極の厚さT(E
L)を決定する。
【0040】電極は、低抵抗でインピーダンス特性に優
れる材料であれば特に限定されるものではなく、金、
銀、銅などの材料から構成することができる。
【0041】基板表面2aと電極との間にはバッファ層
を設けることができる。バッファ層は、酸化シリコン、
弗化マグネシウム、窒化珪素、及びアルミナなどの公知
の材料を使用することができる。
【0042】電極構造については、図1に示したコプレ
ーナ型導波路(Coplanarwaveguide:CPW電極) の
他、非対称コプレーナストリップライン(Asymmetric c
oplanar strip line:A−CPS電極) を適用できる。
【0043】本発明は、基板の底面側に凹部が特に形成
されていない場合にも有効である。図2は、この実施形
態に係る光変調器1Bを概略的に示す横断面図である。
【0044】光変調器1Bの基板2Bは略平板状であ
る。基板2Bの表面側には電極3、4、5、光導波路6
A、6Bが形成されている。基板2Bの底面2b上に
は、導電性膜15A、15Bが形成されている。
【0045】本実施形態においては、基板2Bの表面2
a側に電極ギャップ19A、19Bが形成されており、
導電性膜15A、15Bが、底面のうち電極ギャップに
対向する領域Dの少なくとも一部に形成されている。本
例においては、各導電性膜15A、15Bのうち、15
aは領域D内にあり、15bは、底面のうち電極3、5
に対向する領域G内にある。
【0046】また、本実施形態においては、導電性膜1
5A、15Bが、底面のうち光導波路に対向する領域E
に形成されていない。
【0047】本発明において、導電性膜が、底面のうち
電極ギャップに対向する領域Dの少なくとも一部に形成
されている場合には、光の進行方向に垂直な方向(矢印
B方向)に見たときの領域D内における各導電性膜の幅
Fを0〜W(Gap)の範囲で変化させると、あるF(vmin)の値
でVπLは極小値を持つ。このF(vmin)とすることがVπL
低減という観点からは好ましい。
【0048】本発明はz板を使用した場合にも適用でき
る。ただし、z板を使用した場合には、光導波路は電極
の直下に設ける必要があり、光の伝搬損失を低減するた
めに、基板の表面と電極との間にはバッファ層を設ける
ことができる。バッファ層は、酸化シリコン、フッ化マ
グネシウム、窒化珪素、およびアルミナなどの公知の材
料を使用することができる。
【0049】図3はこの実施形態に係る光変調器1Cを
概略的に示す横断面図である。光変調器1Cは、略平板
形状の基板2Cを備えている。基板2Cの表面2a上に
はバッファ層18を介して電極3、4が形成されてお
り、電極3と4との間には電極ギャップ19Aが設けら
れている。基板2Cの底面2b上には、底面2bの全面
にわたって導電性膜17が形成されている。
【0050】導電性膜17の17aは、底面2bのうち
電極3、4に対向する領域Gを被覆しており、17b
は、電極ギャップ19Aに対向する領域Dを被覆してお
り、17cは、光導波路16に対向する領域Eを被覆し
ている。
【0051】
【実施例】有限要素法を用いて、準TEM波解析を行っ
た。ただし、本発明例としては、図1に示す形態の光変
調器1Aを使用した。比較例としては、光変調器1Aか
ら導電性膜14A、14Bを除いた光変調器を使用し
た。
【0052】基板2Aの材質は、Xカットした3インチ
ウエハー(LiNbO単結晶製)とした。光導波路6
A、6Bはマッハツェンダー型の光導波路3とした。光
導波路のサイズは1/e半径で紙面横方向3μm、縦
方向2μmとした。電極3、4、5の形態はCPW電極
とした。溝7の幅(B方向の長さ)は130μmとし、
薄肉部分8A、8Bにおける深さは10μmとし、厚肉
部分21の幅は20μmとした。薄肉部分9の厚さT
(OP)を15μmとし、薄肉部分8A、8Bの厚さT
(sub)を10μmとし、中心電極4の幅を30μm
とし、光導波路6A、6Bの光軸中心と中心電極4との
間隔を10μmとし、電極ギャップ19A、19Bの大
きさを40μmとし、電極の厚さT(EL)を30μm
とした。
【0053】本発明例では、導電性膜14A、14Bの
材質をアモルファスSiとし、導電性膜の厚さtを0.1
μmとし、誘電率は完全導体を想定して10000とし
た。また、焦電防止膜20A、20Bの材質をアモルフ
ァスSiとし、厚さを0.1μmとした。Fは10μmとし
た。
【0054】この条件で計算を行った結果、マイクロ波
屈折率nmを2.3以下に制御した場合に、駆動電圧V
πと電極の長さLとの積(Vπ・L)は、比較例におい
ては13.1V・cmであり、本発明例においては1
0.2V・cmであった。このように、導電性膜を裏溝
部に設けることで、位相をπずらす電圧V・πと電極長
Lの積Vπ・Lを2.9V・cm低減できることがわか
った。また、導電性膜が高周波で誘電体であることを想
定し、誘電率を10として同じモデルで計算を行ったと
ころ、マイクロ波特性は導電性膜がない場合とほぼ一致
し、導電膜の存在が高周波でマイクロ波特性に影響を及
ぼさないことがわかった。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
極を伝搬するマイクロ波と光導波路を伝搬する光との間
の速度整合を達成しつつ、駆動電圧Vπと電極の長さL
との積(Vπ・L)を小さくするようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光変調器1Aを概略
的に示す横断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る光変調器1Bを概
略的に示す横断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態に係る光変調器1C
を概略的に示す横断面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 光変調器 2A、2B、2C
基板 2a 表面 2b、10 底面 3、4、
5 電極 6A、6B 光導波路 7 凹部 8A、
8B 第二の薄肉部分 9 第一の薄肉部分 11 厚肉部分21の凹部
7に面する側面 12 薄肉部分9の凹部7に面する側面 14
A、14B、15A、15B、17 導電性膜
18 バッファ層 19A、19B電極ギャップ
20A、20B 焦電防止膜 A 光の
進行方向 B 進行方向Aに垂直な方向(光変調器の幅方向)
D 底面のうち電極ギャップに対向する領域 E 底面のうち光導波路に対向する領域 F E
内における導電性膜の幅 G 底面のうち電極に
対向する領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 厚男 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 三冨 修 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA12 BA01 DA03 EA05 EB05 HA12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対向する表面と底面とを備えている電気
    光学材料からなる基板、この基板の前記表面側に形成さ
    れている光導波路、前記基板の前記表面側に形成されて
    おり、前記光導波路内を伝搬する光を変調するための電
    極、および前記底面側に形成されている導電性膜を備え
    ていることを特徴とする、進行波形光変調器。
  2. 【請求項2】前記光の進行方向における前記導電性膜の
    単位長さ1cm当たりの、前記進行方向と垂直な方向の
    前記導電性膜の抵抗値が、1×10−3Ω以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の光変調器。
  3. 【請求項3】前記導電性膜が金属からなることを特徴と
    する、請求項1または2記載の光変調器。
  4. 【請求項4】前記導電性膜が半導体からなることを特徴
    とする、請求項1または2記載の光変調器。
  5. 【請求項5】前記基板の前記表面側に電極ギャップが形
    成されており、前記導電性膜が、前記底面のうち前記電
    極ギャップに対向する領域の少なくとも一部に形成され
    ていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つ
    の請求項に記載の光変調器。
  6. 【請求項6】前記導電性膜が前記底面のうち前記光導波
    路に対向する領域に形成されていないことを特徴とす
    る、請求項5記載の光変調器。
  7. 【請求項7】前記基板の前記底面側に凹部が設けられて
    おり、前記基板が、厚肉部分、前記凹部に面する第一の
    薄肉部分および前記凹部に面する第二の薄肉部分を備え
    ており、前記第一の薄肉部分内に前記光導波路が設けら
    れており、前記第一の薄肉部分が前記第二の薄肉部分よ
    りも厚いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一
    つの請求項に記載の光変調器。
  8. 【請求項8】少なくとも前記第二の薄肉部分の底面に前
    記導電性膜が形成されていることを特徴とする、請求項
    7記載の光変調器。
  9. 【請求項9】前記第一の薄肉部分の前記凹部に面する側
    面に設けられている焦電防止膜を備えていることを特徴
    とする、請求項7または8記載の光変調器。
  10. 【請求項10】前記厚肉部分の前記凹部に面する側面に
    設けられている焦電防止膜を備えていることを特徴とす
    る、請求項7〜9のいずれか一つの請求項に記載の光変
    調器。
  11. 【請求項11】前記導電性膜が、前記底面のうち少なく
    とも前記電極に対向する領域および前記光導波路に対向
    する領域に形成されていることを特徴とする、請求項1
    〜5のいずれか一つの請求項に記載の光変調器。
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