JP2012122415A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した燃料噴射特性を実現する。
【解決手段】燃料噴射装置10は、ノズルニードル90の端部に圧力室34を区画するシリンダ80を備える。シリンダ80内には、制御部材としてのフローティングプレート100が配置されている。シリンダ80とフローティングプレート100とは、自動調芯機構120を備える。自動調芯機構120は、フローティングプレート100に設けられた錐面121と、シリンダ80に設けられた当接部122とを有する。錐面121は、フローティングプレート100の中心軸がシリンダ80の中心軸に一致するようにフローティングプレート100の径方向の位置を調節する。当接部122は、角部によって提供されるから、錐面121と当接部122との接触面は、稜線となる。この結果、応答性を高め、安定した燃料噴射特性が得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材に作用する燃料圧力を調節するために圧力応動型の制御部材を備える燃料噴射装置に関する。
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材に燃料圧力を作用させる圧力室と、この圧力室の圧力を調節することによって弁部材を移動させる圧力調節機構とを備える燃料噴射装置が開示されている。これらの燃料噴射装置においては、圧力調節機構は、電磁弁の開閉によって生じる圧力変化に応答して移動する圧力応動型の制御部材を用いることが提案されている。このような制御部材は、他の部材との接触面において流体的な抵抗を受ける。
欧州特許第1656498号明細書 特開平6−108948号公報 特許第4054621号公報
従来技術の構成では、制御部材の軸方向への移動を許容するために、制御部材が径方向へも移動可能であった。このため、制御部材の位置が径方向にずれると、制御部材と他の部材との接触面が変化する。接触面の変化は、例えば接触面の形状の変化、接触面の分布の変化、接触面の大きさの変化などを含む。かかる接触面の変化は、制御部材に作用する流体的な抵抗力を変化させる。このため、制御部材の径方向の移動によって、制御部材の挙動に変化が生じ、燃料噴射特性に変動を与えるおそれがあった。
また、接触面の面積が大きいと、流体的な抵抗力が大きくなり、応答性が低下するおそれがあった。また、燃料は温度に応じて粘度が変化する。このため、接触面に起因する流体的な抵抗は、温度に応じて変化する。この結果、接触面の面積が大きいと、流体的な抵抗力の変動が大きくなり、燃料噴射特性に変動を与えるおそれがあった。
図7は、比較例の燃料噴射装置P10の部分拡大断面図である。燃料噴射装置P10は、ハウジング部材としてのオリフィス部材P1と、シリンダP2と、ノズルニードルP3と、制御部材としてのフローティングプレートP5とを備える。オリフィス部材P1と、シリンダP2と、ノズルニードルP3との間には、圧力室P4が形成されている。オリフィス部材P1は、高圧燃料を供給するための主供給路P11を有する。高圧燃料は、主供給路P11からシリンダP2の外側と、ノズルニードルP3の外側とを通って噴孔に供給される。オリフィス部材P1は、フローティングプレートP5に対向する当接面P12に、高圧室を区画する環状の凹部P13と、制御圧室を区画する円形の凹部P14とを有する。凹部P13には、通路P15を経由して高圧燃料が導入される。凹部P14は、通路P16を経由して制御弁に連通されている。凹部P14内の燃料は、制御弁が開いているときにだけ、通路P16を経由して排出される。シリンダP2は、フローティングプレートP5を収容する大径内周面P21と、ノズルニードルP3のピストン部P31を収容する小径内周面P22と、大径内周面P21と小径内周面P22との間に形成された段差面P23とを有する。段差面P23は、フローティングプレートP5が図中下方に移動したときに当接する肩面である。フローティングプレートP5は、圧力室P4と凹部P14とを連通する通路P51を有する。フローティングプレートP5は、大径内周面P21と対向する外周面P52と、圧力室P4に面し、段差面P23に当接するストッパ面P53とを有する。外周面P52とストッパ面P53との間の角部には、部分的に切欠部P54が形成されている。
フローティングプレートP5が図中上方にあるとき、フローティングプレートP5は、当接面P12に接触する。このとき、圧力室P4は通路P51を通して凹部P14に連通する。圧力室P4と凹部P13との間の連通は遮断される。一方、フローティングプレートP5が図中下方にあるとき、フローティングプレートP5は、段差面P23に接触する。このとき、圧力室P4は、切欠部P54と、外周面P52と大径内周面P21との間の隙間を通して凹部P13と連通する。フローティングプレートP5が図中下方にあるとき、ストッパ面P53と段差面P23とは、広い面積にわたって接触する。
図8は、比較例の燃料噴射装置P10のシリンダP2とフローティングプレートP5とを示す部分平面図である。図中には、シリンダP2の中心軸AXP2と、フローティングプレートP5の中心軸AXP5とが一致している状態が図示されている。切欠部P54は、フローティングプレートP5の直径上から離れた位置に径方向に沿って形成されている。この比較例では、複数の切欠部P54が平行に設けられている。この結果、ストッパ面P53と段差面P23との接触面P55は、円弧状の形状となる。接触面P55は、部分円筒の端面の形状と見ることもできる。
図示された比較例の形状では、制御部材としてのフローティングプレートP5と段差面P23との接触面P55の面積が大きい。この大きい接触面P55は、フローティングプレートP5が段差面P23に着座しようとするとき、または離れようとするときに、大きい流体的な抵抗力を生じる。このため、フローティングプレートP5の応答性が低下するおそれがあった。この結果、期待された燃料噴射特性を提供できないおそれがあった。また、大きい接触面P55は、流体的な抵抗力の大きい温度変動を生じる。このため、フローティングプレートP5の応答性が温度によって変動するおそれがあった。この結果、燃料噴射特性が不安定となるおそれがあった。
図9は、比較例の燃料噴射装置P10のシリンダP2とフローティングプレートP5とを示す部分平面図である。図中には、フローティングプレートP5の中心軸AXP5が、シリンダP2の中心軸AXP2から図中下方にずれた状態が図示されている。フローティングプレートP5がずれることによって、接触面P55の形状と接触面P56の形状とが異なっている。また、接触面P55の面積と接触面P56の面積とが異なっている。接触面P56の面積は、接触面P55の面積より大きい。この場合、フローティングプレートP5が段差面P23に着座しようとするとき、または離れようとするときに、2つの接触面P55、P56は、アンバランスな流体的な抵抗力を生じる。この結果、フローティングプレートP5の挙動がフローティングプレートP5の径方向位置に応じて変化する。さらに、このような挙動の変化は燃料噴射特性に変動を与えるおそれがあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定した燃料噴射特性を発揮する燃料噴射装置を提供することである。
本発明の他の目的は、優れた応答性を発揮し、かつ安定した燃料噴射特性を発揮する燃料噴射装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、弁本体の内部において弁本体の軸方向に移動し、噴孔への高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、弁部材の端部に面して形成され、弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、圧力室に高圧燃料を流入させる流入路(31)および圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、圧力室に配置され、ハウジング部材に接離することにより、少なくとも流入路と圧力室との連通を断続する制御部材(100)と、制御部材を軸方向に移動可能に収容するシリンダ(80)と、制御部材とシリンダとに形成され、制御部材の中心軸(AX100)をシリンダの中心軸(AX80)に接近させる自動調芯機構(120)とを備えることを特徴とする。
この構成によると、自動調芯機構によって制御部材の中心軸がシリンダの中心軸に接近する。この結果、制御部材の位置が安定する。このため、安定した燃料噴射特性が得られる。
請求項2に記載の発明は、自動調芯機構は、制御部材とシリンダとの一方に設けられた錐面(121、221)と、他方に設けられた当接部(122、222)とを備え、錐面(121、221)は、制御部材をシリンダに当接させる軸方向の当接力から、制御部材の中心軸(AX100)をシリンダの中心軸(AX80)へ向けて移動させる径方向の分力を生じさせるように傾斜していることを特徴とする。
この構成によると、錐面によって制御部材が移動する。このため、簡単な構成で制御部材の位置を安定させることができる。
請求項3に記載の発明は、当接部(122、222)は角部によって提供され、錐面と当接部との接触面が角部の稜線(123、223)であることを特徴とする。この構成によると、接触面を小さくすることができる。この結果、高い応答性を実現することができる。
請求項4に記載の発明は、自動調芯機構は、制御部材に設けられた錐面(121)と、シリンダに設けられた当接部(122)とを備えることを特徴とする。この構成によると、制御部材に錐面が設けられる。
請求項5に記載の発明は、自動調芯機構は、シリンダに設けられた錐面(221)と、制御部材に設けられた当接部(222)とを備えることを特徴とする。この構成によると、シリンダに錐面が設けられる。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明を適用した第1実施形態に係る燃料供給システムを示すブロック図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明を適用した第2実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第2実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 比較例の燃料噴射装置の部分拡大断面図である。 比較例の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 比較例の燃料噴射装置を示す部分平面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る燃料供給システム1を示すブロック図である。燃料供給システム1には、第1実施形態に係る燃料噴射装置10が用いられている。燃料供給システム1は、内燃機関2に燃料を供給する。内燃機関2は、多気筒のディーゼル機関である。内燃機関2のヘッド部材2aは、燃焼室2bを区画している。燃料供給システム1は、直接噴射式燃料供給システムである。燃料噴射装置10は、燃焼室2b内に向けて直接的に燃料を噴射する。燃料供給システム1は、燃料タンク3、フィードポンプ4、高圧燃料ポンプ5、コモンレール6、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)7、および燃料噴射装置10を備える。
フィードポンプ4は、電動式のポンプである。フィードポンプ4は、燃料タンク3内に収容されている。フィードポンプ4は、高圧燃料ポンプ5に燃料配管8aによって接続されている。フィードポンプ4は、燃料タンク3内の液相燃料に、所定のフィード圧を与え、高圧燃料ポンプ5に供給する。燃料配管8aには、燃料の圧力を所定値に調節する調圧弁を設けることができる。
高圧燃料ポンプ5は、内燃機関2に取り付けられている。高圧燃料ポンプ5は、内燃機関2の出力軸によって駆動される。高圧燃料ポンプ5は、コモンレール6に燃料配管8bによって接続されている。高圧燃料ポンプ5は、フィードポンプ4によって供給された燃料にさらに圧力を加えて、コモンレール6に供給する。高圧燃料ポンプ5は、ECU7と電気的に接続された電磁弁を有している。この電磁弁の開閉は、ECU7によって制御される。ECU7は、高圧燃料ポンプ5からコモンレール6に供給される燃料の圧力を所定の圧力に調節するように電磁弁を制御する。
コモンレール6は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料からなる管状の部材である。コモンレール6には、気筒数に応じた複数の分岐部6aが形成されている。ひとつの分岐部6aは、供給流路8cを形成する燃料配管によって、ひとつの燃料噴射装置10に接続されている。燃料供給システム1は、複数の燃料噴射装置10を備える。燃料噴射装置10と高圧燃料ポンプ5とは、戻り流路8dを形成する燃料配管によって接続されている。コモンレール6は、高圧燃料ポンプ5から供給された高圧燃料を一時的に蓄える。コモンレール6は、高圧燃料を、複数の燃料噴射装置10に供給流路8cを介して分配する。コモンレール6は、軸方向の両端部のうち、一方の端部にコモンレールセンサ6bを有する。コモンレール6は、他方の端部に圧力レギュレータ6cを有する。コモンレールセンサ6bは、ECU7に電気的に接続されており、高圧燃料の圧力および温度を検出してECU7に出力する。圧力レギュレータ6cは、高圧燃料の圧力を一定に調節するとともに、余剰分の燃料を減圧して排出する。圧力レギュレータ6cを通過した余剰分の燃料は、コモンレール6と燃料タンク3との間を接続する燃料配管8e内の流路を介して、燃料タンク3へ戻される。
燃料噴射装置10は、噴孔11から燃焼室2b内へ高圧燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁である。燃料噴射装置10は、噴孔11からの高圧燃料の噴射を、ECU7からの制御信号に応じて制御する弁機構を備えている。弁機構は、高圧燃料の噴射を断続する主弁12と、制御弁13とを含む。燃料噴射装置10は、弁機構を駆動し、制御するために供給流路8cから供給された高圧燃料の一部を使用する。弁機構を駆動し、制御するために使用された燃料は、燃料噴射装置10と高圧燃料ポンプ5との間を連通する戻り流路8dに排出され、高圧燃料ポンプ5へ戻される。燃料噴射装置10は、内燃機関2のヘッド部材2aの挿入孔に挿入されて、取り付けられている。燃料噴射装置10は、160から220メガパスカル(MPa)程度の高圧燃料を噴射する。
ECU7は、マイクロコンピュータ等によって構成されている。ECU7は、複数のセンサと電気的に接続されている。複数のセンサには、上述したコモンレールセンサ6b、内燃機関2の回転速度を検出する回転速度センサ、スロットル開度を検出するスロットルセンサ、吸入吸気量を検出するエアフローセンサ、過給圧を検出する過給圧センサ、冷却水温を検出する水温センサ、および潤滑油の油温を検出する油温センサ等を含むことができる。ECU7は、センサからの情報に基づいて、高圧燃料ポンプ5の電磁弁および燃料噴射装置10の弁機構の開閉を制御するための電気信号を、高圧燃料ポンプ5の電磁弁および燃料噴射装置10に出力する。
図2は、第1実施形態の燃料噴射装置10を示す断面図である。燃料噴射装置10は、電磁式の駆動部20、ボディ30、ノズルニードル90、およびフローティングプレート100を備える。
駆動部20は、ボディ30内に収容されている。駆動部20は、パイロット式の電磁弁である。駆動部20は、制御弁13を構成する。駆動部20は、ソレノイド21、固定子22、可動子23、スプリング24、バルブシート部材25、およびターミナル26を有している。ターミナル26は、通電部材である。ターミナル26の一方の端部は、ボディ30から外部に露出している。ターミナル26の他方の端部は、ソレノイド21と接続されている。ソレノイド21は、ターミナル26を介してECU7からのパルス電流の供給を受ける。ソレノイド21は、通電されると磁界を発生させる。固定子22は、磁性材料によって形成された円筒状の部材である。固定子22は、ソレノイド21によって発生された磁束を案内する。可動子23は、磁性材料によって形成された二段円柱状の部材である。可動子23は、固定子22の軸方向先端側に配置されている。可動子23は、ソレノイド21が励磁されると、固定子22に向けて吸引される。スプリング24は、コイルスプリングである。スプリング24は、可動子23を固定子22から離間させる方向に付勢している。バルブシート部材25は、ボディ30の制御弁座部52とともに圧力制御弁27を形成している。バルブシート部材25は、可動子23の軸方向の端部に設けられている。バルブシート部材25は、制御弁座部52に着座し、流体の流通を阻止することができる。ソレノイド21が励磁されないとき、バルブシート部材25は、スプリング24の付勢力によって制御弁座部52に着座している。ソレノイド21が励磁されると、バルブシート部材25は、制御弁座部52から離座する。
ボディ30は、ノズルボディ40、オリフィス部材50、ホルダ60、リテーニングナット70、およびシリンダ80を有している。ノズルボディ40、オリフィス部材50、およびホルダ60は、噴孔11が設けられた先端側から、この順序で並んでいる。ボディ30は、流入路31、流出路32、主供給路33、および圧力室34を区画形成している。ボディ30は、オリフィス部材50の下面によって、圧力室34に露出する当接面51を提供する。流入路31の一端は、供給流路8cに連通している。流入路31の他端は、当接面51に開口する流入口31aに連通している。流出路32の一端は、圧力制御弁27を介して戻り流路8dに連通している。流出路32の他端は、当接面51に開口する流出口32aに連通している。圧力室34は、シリンダ80と、オリフィス部材50と、ノズルニードル90とによって区画されている。圧力室34には、供給流路8cを通過した高圧燃料が流入口31aから流入することができる。圧力室34内の燃料は、流出口32aを経由して戻り流路8dに流出することができる。
ノズルボディ40は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる有底円筒状の部材である。ノズルボディ40は、ノズルニードル収容部41、弁座部42、および噴孔11を有している。ノズルニードル収容部41は、ノズルボディ40の軸方向に沿って形成され、ノズルニードル90を収容する円筒穴である。ノズルニードル収容部41内には、高圧燃料が供給される。弁座部42は、ノズルニードル収容部41の底壁に形成されている。弁座部42は、ノズルニードル90の先端と接触するように形成されている。弁座部42は、高圧燃料の流通を断続する主弁の固定側弁座を提供する。噴孔11は、弁座部42より下流側に位置している。噴孔11は、ノズルボディ40の内側から外側に向けて放射状に複数形成されている。噴孔11を通過することで、高圧燃料は、微粒化され、および拡散して空気と混合し易い状態となる。ノズルボディ40は、ノズル部材、または弁本体とも呼ばれる。ノズルボディ40は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔11が先端部に形成された部材である。
シリンダ80は、金属材料よりなる円筒状の部材である。シリンダ80は、オリフィス部材50およびノズルニードル90とともに圧力室34を区画する。シリンダ80は、ノズルニードル収容部41内に、ノズルニードル収容部41と同軸となるように配置されている。シリンダ80の一方の端面は、オリフィス部材50側に配置されている。シリンダ80の一方の端面は、オリフィス部材50の当接面51に押し付けられている。この結果、シリンダ80は、オリフィス部材50に固定され、保持されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に対して移動可能であるが、圧力室34を区画する部材として、オリフィス部材50に属する部材として見ることができる。一方で、シリンダ80は、その径方向の位置がノズルニードル90を介してノズルボディ40によって規定されるから、ノズルボディ40に属する部材としても見ることができる。
オリフィス部材50は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる円柱状の部材である。オリフィス部材50は、ノズルボディ40とホルダ60との間に配置され、保持されている。オリフィス部材50は、当接面51、制御弁座部52、流入路31、流出路32、および主供給路33を形成している。当接面51は、オリフィス部材50のノズルボディ40側の端面の径方向中央部に形成されている。当接面51は、シリンダ80によって囲まれて円形をなしている。制御弁座部52は、オリフィス部材50の軸方向の両端面のうち、ホルダ60側の端面に形成されている。制御弁座部52は、バルブシート部材25とともに圧力制御弁27を構成している。流入路31は、オリフィス部材50の中心軸に対して傾斜している。流出路32は、当接面51の径方向中央部から、制御弁座部52に向って延びている。流出路32は、オリフィス部材50の中心軸に対して傾斜している。主供給路33は、供給流路8cとノズルニードル収容部41とを連通している。
オリフィス部材50は、フローティングプレート100に対向する面に、流入凹部53と、流出凹部54と、二重環状の当接面51を形成している。流入凹部53は、オリフィス部材50の中心軸と同心状の環状の溝状に形成されている。流入凹部53は、当接面51の頂面から窪んでいる。流入凹部53には、流入口31aが開口している。流出凹部54は、オリフィス部材50の中心軸と同心状の円形の溝状に形成されている。流出凹部54は、オリフィス部材50の径方向中央部に設けられている。流出凹部54は、当接面51の頂面から円形に窪んでいる。流入凹部53は、流出凹部54より径方向外側に位置する。流入凹部53と流出凹部54との間には、当接面51の内環が位置している。流入凹部53と流出凹部54とは、当接面51の内環によって提供される平面シールによって仕切られる。平面シールは、当接面51の頂面とフローティングプレート100とが接触するとき、流入凹部53と流出凹部54とを完全に仕切る。流入凹部53より径方向外側には、当接面51の外環が位置している。流入凹部53とノズルニードル収容部41とは、当接面51の外環によって提供される平面シールによって仕切られる。平面シールは、当接面51の頂面とフローティングプレート100とが接触するとき、流入凹部53とノズルニードル収容部41とを完全に仕切る。
オリフィス部材50は、ハウジング部材、またはオリフィスプレートとも呼ばれる。オリフィス部材50は、ノズルニードル90の端部に面して形成され、ノズルニードル90に作用する燃料の圧力を調節することによりノズルニードル90の移動を制御する圧力室34を区画する。さらに、オリフィス部材50は、圧力室34に高圧燃料を流入させる流入路31および圧力室34から燃料を流出させる流出路32を形成する。
ホルダ60は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる筒状の部材である。ホルダ60は、軸方向に沿って形成される縦孔61、62、およびソケット部63を有する。縦孔61は、供給流路8cと流入路31とを連通する燃料流路である。縦孔62のオリフィス部材50側には駆動部20が収容されている。縦孔62のオリフィス部材50とは反対側には、縦孔62の開口を閉塞するようソケット部63が形成されている。ソケット部63は、内部に駆動部20のターミナル26の一端が突出している。ソケット部63は、ECU7と接続されたプラグと嵌合可能なコネクタである。ソケット部63とプラグとの接続により、ECU7から駆動部20へのパルス電流の供給が可能となる。
リテーニングナット70は、金属材料よりなる二段円筒状の部材である。リテーニングナット70は、ノズルボディ40の一部と、オリフィス部材50と、ホルダ60の一部を収容している。リテーニングナット70は、ホルダ60のオリフィス部材50に近い端部に螺合されている。リテーニングナット70は、内周壁部に段差部71を形成している。段差部71は、ノズルボディ40の移動を規制する。リテーニングナット70がホルダ60へ取り付けられると、ノズルボディ40およびオリフィス部材50が、ホルダ60側に押し付けられる。ホルダ60と、リテーニングナット70とは、ノズルボディ40およびオリフィス部材50を軸方向に挟持し、固定している。
ノズルニードル90は、高速度工具鋼等の金属材料よって形成された全体として円柱状の部材である。ノズルニードル90は、ピストン部91、摺動部92、およびシート部93を有する。ピストン部91は、ノズルニードル90の円柱状の外周壁のうち、シリンダ80内に位置する部分である。ピストン部91は、シリンダ80内において、シリンダ80の内面に対して摺動自在に支持されている。摺動部92は、ノズルニードル90の外周面に等間隔に形成されている。摺動部92は、ノズルボディ40の内面に接触している。摺動部92は、ノズルニードル90を、ノズルボディ40内において軸方向に移動可能に案内する。シート部93は、ノズルニードル90の軸方向の両端部のうち、圧力室34とは反対側となる端部に形成されている。シート部93は、弁座部42に着座可能である。シート部93と弁座部42は、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料の噴孔11への流れを断続する主弁12を構成している。ノズルニードル90の段差部には、環状の鍔部材96が装着されている。ノズルニードル90は、弁部材とも呼ばれる。ノズルニードル90は、ノズルボディ40の内部においてノズルボディ40の軸方向に移動し、噴孔11への高圧燃料の供給を断続する。
シリンダ80とノズルニードル90との間には、リターンスプリング97が圧縮状態で配置されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に接触しているから、リターンスプリング97は、オリフィス部材50とノズルニードル90との間に配置されているといえる。ノズルニードル90は、リターンスプリング97によって閉弁方向へ付勢されている。リターンスプリング97は、コイルスプリングである。リターンスプリング97の軸方向の一端は、鍔部材96に当接し、他端はシリンダ80の端面に当接している。ノズルニードル90は、ピストン部91に作用する燃料の圧力と、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料との圧力差に応答して、シリンダ80の軸方向に沿って直線的に往復変位する。ノズルニードル90は、シート部93を弁座部42に着座、または離座させることにより、主弁12を開閉する。
シリンダ80内には、フローティングプレート100が収容されている。フローティングプレート100は、圧力室34への燃料の流入と流出とを制御する制御部材である。フローティングプレート100は、金属材料よりなる円板状の部材である。フローティングプレート100は、圧力室34内に移動可能に配置されている。フローティングプレート100の中心軸は、シリンダ80の中心軸に沿って配置されている。フローティングプレート100は、シリンダ80と同軸上に配置されている。フローティングプレート100は、主としてその軸方向に往復変位可能に配置されている。フローティングプレート100の両端面のうち、当接面51と対向する一方の端面は、当接面51に当接可能である。フローティングプレート100の外周面と、シリンダ80との間には、燃料の流通を可能とする十分な大きさの隙間が形成されている。フローティングプレート100の中央部には、連通孔101がフローティングプレート100を軸方向に貫通して形成されている。連通孔101は、圧力室34と流出路32とを連通する。連通孔101は、絞り部でもある。連通孔101は、連通孔101を流れる燃料の流量を制限する。
フローティングプレート100が当接面51から離れているとき、流入口31aから流入した燃料は、フローティングプレート100とシリンダ80との間を通過して圧力室34に流入する。フローティングプレート100が当接面51に着座しているとき、圧力室34内の燃料は、連通孔101を経由して、流出口32aから流出することができる。フローティングプレート100が当接面51に着座しているとき、流入口31aと圧力室34との間の連通は遮断される。フローティングプレート100と、オリフィス部材50とは、圧力室34への高圧燃料の導入と、圧力室34からの燃料の排出とを切替える流路切替え弁を提供している。
フローティングプレート100は、圧力制御弁27によって制御される圧力に応じて移動する圧力応動型の制御部材である。フローティングプレート100は、圧力室34に配置され、オリフィス部材50に接離することにより、少なくとも流入路31と圧力室34との連通を断続する。さらに、フローティングプレート100は、ノズルボディ40によって径方向の位置が規定される部材である。オリフィス部材50とフローティングプレート100とは、流入路31と圧力室34との連通を断続するための平面シールを形成している。
プレートスプリング110は、コイルスプリングである。プレートスプリング110の軸方向の一端は、フローティングプレート100の端面に着座している。プレートスプリング110の軸方向の他端は、ノズルニードル90に着座している。プレートスプリング110は、フローティングプレート100とノズルニードル90との間に、軸方向に縮められ状態で配置されている。プレートスプリング110はフローティングプレート100を当接面51に向けて付勢している。
燃料供給システム1は、燃料噴射装置10に高圧燃料を供給する。燃料噴射装置10は、ECU7からの信号に応答して燃料を噴射する。
ECU7からの信号がないとき、圧力制御弁27は閉弁している。高圧燃料は、ノズルニードル収容部41内に供給される。一方、流入口31aから流入凹部53に供給された高圧燃料は、フローティングプレート100を当接面51からリフトさせるように作用する。このとき、流出凹部54内の圧力は連通孔101によって圧力室34内の圧力と等しい。このため、流入凹部53内の高圧燃料は、フローティングプレート100を押し下げ、圧力室34に流入する。圧力室34の圧力が上昇すると、フローティングプレート100は、当接面51に着座する。ノズルニードル収容部41内の圧力と、圧力室34内の圧力との差は小さいから、ノズルニードル90は、弁座部42に着座し、噴孔11からの燃料噴射を停止させている。
ECU7からの信号によってソレノイド21が励磁されると、圧力制御弁27が開弁する。圧力制御弁27が開弁すると、圧力室34内の燃料が連通孔101を通して流出する。これにより、圧力室34内の燃料圧力が低下する。このとき流出凹部54内の圧力が低いため、フローティングプレート100は当接面51に着座したままである。圧力室34内の圧力が低下すると、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料は、リターンスプリング97に抗してノズルニードル90を圧力室34側に高速で押し上げる。この結果、ノズルニードル90は、弁座部42から離座し、噴孔11からの燃料噴射が開始される。
ECU7からの信号によってソレノイド21の励磁が停止されると、圧力制御弁27が閉弁する。これにより、流出凹部54内の圧力は連通孔101によって圧力室34内の圧力と等しくなる。この結果、流入口31aから流入凹部53に供給される高圧燃料は、フローティングプレート100をわずかに押し下げ、圧力室34に流入する。圧力室34の圧力が上昇すると、フローティングプレート100は、当接面51に着座する。圧力室34の圧力が上昇すると、ノズルニードル90は、弁座部42に着座し、噴孔11からの燃料噴射が停止される。
図3は、第1実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図4は、第1実施形態の燃料噴射装置10のシリンダ80とフローティングプレート100とを示す部分平面図である。
シリンダ80は、筒状の部材である。シリンダ80の内面は、大径内周面81と、小径内周面82と、段差面83とを有する。大径内周面81の内直径は、小径内周面82の内直径より大きい。大径内周面81は、シリンダ80の軸方向においてオリフィス部材50側に位置する。大径内周面81の内部に、流入口31aおよび流出口32aが位置付けられている。大径内周面81は、フローティングプレート100の外周面102と対向している。大径内周面81と外周面102との間には、わずかな隙間が形成されている。大径内周面81の軸方向の深さは、フローティングプレート100の軸方向厚さよりやや大きい。このため、大径内周面81が区画する円柱状の空間は、フローティングプレート100が軸方向にわずかに移動することを許容する。小径内周面82は、シリンダ80の軸方向においてオリフィス部材50とは反対側に位置する。小径内周面82は、フローティングプレート100の外周面102の外直径より小さい内直径をもつ。小径内周面82は、ノズルニードル90の端部に設けられたピストン部91を、軸方向に沿って摺動可能に収容している。小径内周面82は、シリンダ側の摺動面を提供する。小径内周面82は、シリンダボアを形成している。段差面83は、オリフィス部材50と対向する環状の平面である。段差面83は、フローティングプレート100の端面104の径方向外側の縁部と対向する。段差面83は、大径内周面81と小径内周面82との間に形成されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に押し付けて配置されることによってオリフィス部材50とともに圧力室34を区画する。
ピストン部91は、小径内周面82内に位置している。ピストン部91は、小径内周面82に対して摺動自在に支持されている。ピストン部91は、圧力室34を区画している。ピストン部91は、圧力室34内の燃料の圧力を受ける。ピストン部91は、円筒状に形成されており、内部にプレートスプリング110の一部を収容するスプリング収容部を形成している。
フローティングプレート100は、シリンダ80の大径内周面81の径方向内側に収容されている。フローティングプレート100の外周面102と、シリンダ80の大径内周面81との間には、燃料の流通を可能とする十分な大きさの隙間が形成されている。フローティングプレート100は、オリフィス部材50と対向する端面103と、段差面83と対向する端面104とを有する。端面104は、圧力室34に面している。端面103は上面とも呼ばれる。端面104は、下面とも呼ばれる。
端面104の径方向外側の外縁部には、部分的に切欠部105が形成されている。切欠部105は、外周面102と端面104とにまたがって開口する直線状の凹溝である。切欠部105は、端面104上に、フローティングプレート100の直径から離れて位置し、かつ直径と平行な直線状の稜線を形成する。フローティングプレート100には、複数の切欠部105が形成されている。フローティングプレート100には、2つの切欠部105が互いに平行に形成されている。切欠部105は、外周面102から径方向へ所定の幅をもち、端面104から軸方向へ所定深さをもつ。切欠部105の幅は、段差面83の径方向の幅より大きい。切欠部105は、小径内周面82より径方向内側に達しており、圧力室34に連通する通路を形成している。このため、外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料は、切欠部105を通して圧力室34に流入することができる。
シリンダ80とフローティングプレート100とには、フローティングプレート100の中心軸AX100を、シリンダ80の中心軸AX80に接近させ、さらに望ましくは一致させるための自動調芯機構120が設けられている。自動調芯機構120は、錐面121と、当接部122とを有する。
錐面121は、フローティングプレート100に設けられている。端面104の全体に錐面121が形成されている。錐面121は、フローティングプレート100の中心軸AX100を回転中心とする回転面である。錐面121は、フローティングプレート100がシリンダ80に当接する方向、すなわち図中下方向に向けて直径が徐々に小さくなる錐面である。錐面121は、フローティングプレート100上に凸面として形成されている。錐面121は、凸曲面である。錐面121は、球面の一部によって提供されている。錐面121は、少なくとも小径内周面82より径方向内側から、小径内周面82より径方向外側にわたって形成されている。
当接部122は、シリンダ80に設けられている。当接部122は、小径内周面82と段差面83とが形成する角部によって形成されている。当接部122は、シリンダ80の内面に全周にわたって形成されている。当接部122は、円形の稜線である。当接部122は、錐面121の上に、滑動可能に当接することができる。言い換えると、錐面121は、当接部122上に、滑動可能に当接することができる。
フローティングプレート100には、2つの切欠部105が形成されているから、錐面121は、当接部122と対向する範囲においては、周方向に沿って2つの部分に分かれている。錐面121は、周方向に沿って離れた複数の錐面部分を有する。これら複数の錐面部分は、フローティングプレート100の周方向に沿って等間隔に配置されている。複数の錐面部分は、中心軸AX100に対して軸対称に配置されている。
自動調芯機構120は、中心軸AX100が中心軸AX80に一致するようにフローティングプレート100の位置を調節する。フローティングプレート100が図中下方に移動するとき、フローティングプレート100には、フローティングプレート100をシリンダ80に当接させるように、軸方向に沿って図中下方へ向かう当接力が作用する。自動調芯機構120は、錐面121の傾斜によって、当接力からフローティングプレート100の径方向に作用する分力を生じさせる。径方向の分力は、中心軸AX100を中心軸AX80に向けて移動させる方向に生じる。径方向の分力により錐面121と当接部122とが滑る。これにより、中心軸AX100が中心軸AX80に一致するように、フローティングプレート100が移動する。このように、錐面121は、軸方向の当接力から、中心軸AX100を中心軸AX80へ向けて移動させる径方向の分力を生じさせるように傾斜している。
プレートスプリング110は錐面121に当接している。錐面121はフローティングプレート100の中心軸において最も高くなるから、プレートスプリング110の当接位置が安定的に維持される。
フローティングプレート100が段差面83に向けて押されると、錐面121が当接部122に当接する。錐面121と当接部122との接触面123は、円弧状の稜線に対応する。図中には、二点鎖線によって接触面123が図示されている。自動調芯機構120は、2つの接触面123が中心軸AX80およびAX100に対して軸対称となるようにフローティングプレート100の位置を調節する。
この実施形態によると、フローティングプレート100とシリンダ80との接触面123が当接部122の稜線となる。このため、接触面123を小さくすることができる。この結果、フローティングプレート100がシリンダ80に接触するとき、および/またはフローティングプレート100がシリンダ80から離れるときに、フローティングプレート100に作用する燃料の抵抗を抑制することができる。このため、フローティングプレート100の動きの応答性が高められる。また、接触面123が小さいため、燃料の温度が変化しても、フローティングプレート100の応答性の変動が小さい。このため、安定した燃料噴射特性が実現される。
この実施形態によると、自動調芯機構120によって中心軸AX100と中心軸AX80とが一致するようにフローティングプレート100の位置が自動的に調節される。よって、フローティングプレート100とシリンダ80との当接位置が正規の位置に調節される。この結果、フローティングプレート100の挙動が安定し、燃料噴射特性が安定する。
(第2実施形態)
図5は、本発明を適用した第2実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。図6は、第2実施形態の燃料噴射装置10のシリンダ80とフローティングプレート100とを示す部分平面図である。
第1実施形態では、フローティングプレート100に錐面121を設け、シリンダ80に当接部122を設けることによって自動調芯機構120を構成した。これに代えて、第2実施形態では、シリンダ80に錐面221を設け、フローティングプレート100に当接部222を設けることによって自動調芯機構120を構成する。このように、シリンダ80とフローティングプレート100とのいずれか一方に錐面を設け、他方に当接部を設けることによって自動調芯機構120を構成することができる。
段差面83の全体に錐面221が形成されている。錐面221は、シリンダ80の中心軸AX80を回転中心とする回転面である。錐面221は、シリンダ80の内面に、大径内周面81から小径内周面82に向けて内直径が徐々に小さくなる凹面として形成されている。錐面221は、円錐台面である。錐面221は、少なくとも外周面102より径方向内側から、外周面102より径方向外側にわたって形成されている。錐面221は、環状に形成されている。
当接部222は、フローティングプレート100に設けられている。当接部222は、端面104と外周面102とが形成する角部によって形成されている。フローティングプレート100には2つの切欠部105が形成されているから、当接部222は、フローティングプレート100の外周部分に2つの円弧状部分として形成されている。当接部222は、円弧状の稜線である。当接部222は、錐面221の上に、滑動可能に当接することができる。言い換えると、錐面221は、当接部222上に、滑動可能に当接することができる。
フローティングプレート100には、2つの切欠部105が形成されているから、当接部222は、周方向に沿って2つの部分に分かれている。当接部222は、周方向に沿って離れた複数の円弧部分を有する。これら複数の円弧部分は、フローティングプレート100の周方向に沿って等間隔に配置されている。複数の円弧部分は、中心軸AX100に対して軸対称に配置されている。
自動調芯機構120は、中心軸AX100が中心軸AX80に一致するようにフローティングプレート100の位置を調節する。錐面221は、軸方向の当接力から、中心軸AX100を中心軸AX80へ向けて移動させる径方向の分力を生じさせるように傾斜している。
この実施形態によると、接触面223を小さくすることができる。このため、フローティングプレート100の動きの応答性が高められる。また、安定した燃料噴射特性が実現される。
この実施形態によると、自動調芯機構120によって中心軸AX100と中心軸AX80とが一致するようにフローティングプレート100の位置が自動的に調節される。よって、フローティングプレート100とシリンダ80との当接位置が正規の位置に調節される。この結果、フローティングプレート100の挙動が安定し、燃料噴射特性が安定する。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、錐面121、221は、それが設けられたシリンダ80またはフローティングプレート100の中心軸AX80、またはAX100を回転中心として、その中心軸に対して傾斜した直線または曲線を回転させて得られる種々の回転面とすることができる。例えば、錐面121、221は、円錐面の一部、または球面の一部によって提供することができる。
また、上記実施形態では、錐面121、221は、フローティングプレート100がシリンダ80に当接する方向、すなわち図中下方向に向けて直径が徐々に小さくなる錐面である。これに代えて、フローティングプレート100がシリンダ80に当接する方向に向けて直径が徐々に大きくなる錐面を設けてもよい。
また、上記実施形態では、当接部122、222は、角部によって提供される稜線とした。これに代えて、当接部122、222を曲面、または錐面としてもよい。この場合、シリンダ80とフローティングプレート100との両方に錐面が設けられる。
また、上記実施形態では、自動調芯機構120は、中心軸AX100が中心軸AX80に完全に一致するよう構成されている。これに代えて、中心軸AX100が、中心軸AX80の近傍にまで接近するように構成してもよい。
また、第1実施形態では、プレートスプリング110は錐面121に当接している。これに代えて、プレートスプリング110の当接位置に、中心軸AX100と垂直な平面を設けてもよい。
1 燃料供給システム、10 燃料噴射装置、11 噴孔、20 駆動部、27 圧力制御弁、30 ボディ、34 圧力室、40 ノズルボディ(弁本体)、50 オリフィス部材(ハウジング部材)、60 ホルダ、70 リテーニングナット、80 シリンダ、90 ノズルニードル(弁部材)、97 リターンスプリング、100 フローティングプレート(制御部材)、110 プレートスプリング、120 自動調芯機構、121 錐面、122 当接部、123 接触面(稜線)、221 錐面、222 当接部、223 接触面(稜線)。

Claims (5)

  1. 高圧燃料の通路が内部に形成され、前記高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、
    前記弁本体の内部において前記弁本体の軸方向に移動し、前記噴孔への前記高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、
    前記弁部材の端部に面して形成され、前記弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより前記弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、前記圧力室に前記高圧燃料を流入させる流入路(31)および前記圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、
    前記圧力室に配置され、前記ハウジング部材に接離することにより、少なくとも前記流入路と前記圧力室との連通を断続する制御部材(100)と、
    前記制御部材を軸方向に移動可能に収容するシリンダ(80)と、
    前記制御部材と前記シリンダとに形成され、前記制御部材の中心軸(AX100)を前記シリンダの中心軸(AX80)に接近させる自動調芯機構(120)とを備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記自動調芯機構は、前記制御部材と前記シリンダとの一方に設けられた錐面(121、221)と、他方に設けられた当接部(122、222)とを備え、
    前記錐面(121、221)は、前記制御部材を前記シリンダに当接させる軸方向の当接力から、前記制御部材の中心軸(AX100)を前記シリンダの中心軸(AX80)へ向けて移動させる径方向の分力を生じさせるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記当接部(122、222)は角部によって提供され、前記錐面と前記当接部との接触面が前記角部の稜線(123、223)であることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記自動調芯機構は、前記制御部材に設けられた錐面(121)と、前記シリンダに設けられた当接部(122)とを備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記自動調芯機構は、前記シリンダに設けられた錐面(221)と、前記制御部材に設けられた当接部(222)とを備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料噴射装置。
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