JP2012122145A - 遮熱性布帛 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維布帛の片面に光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料をバインダーを用いて部分的に固着してなる遮熱性布帛であって、その遮熱性布帛の固着面を肌側に使用してなる衣服。
【選択図】なし
Description
特許文献2,3には、合成繊維中に赤外線反射性の無機微粒子、セラミックスを練り込んだ繊維及びそれを製織編してなる遮光体が開示されているが、適用されるのは合成繊維のみであり、また、多量の粒子を添加した場合には、染色性に影響を与えたり、糸強度を低下させる等問題が発生する虞があり、十分な遮熱性が得られにくい。
また、(2)に、光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料を含む樹脂を繊維布帛表面の10〜80%の面積で被覆することを特徴とする(1)に記載の遮熱性布帛である。
また、(3)に、光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料が部分的に固着された繊維布帛が未加工布に対して1℃以上の遮熱性を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の遮熱性布帛である。
また、(4)に、光輝性金属微粒子が鱗片状アルミニウムであり、セラミックス系白色顔料が酸化チタンであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の遮熱性布帛である。
また、(5)に、(1)乃至(4)のいずれかに記載の遮熱性布帛が用いられ、光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料が部分的に固着されてなる面を内側にして構成してなることを特徴とする衣服である。
しかし、鱗片状アルミニウムを単独で使用した場合、繊維布帛表面の凹凸により鱗片状粒子が整列しにくくなることで、反射性能が低下し赤外線を吸収しやすくなる。この場合、繊維布帛の生地表面温度は高くなり易くなるため好ましくない。
セラミックス系白色顔料の粒径は2μm以下、特に0.1〜1.5μmのものを使用することが好ましい。2μmより大きいと比重が重いことにより樹脂液中で沈降等が発生するとともに、固着表面がざらついたり、洗濯や摩耗による脱落等の問題が発生する虞がある。
更に、その形状は鱗片状、略球状、破砕状や不定形状等のものを用いることができる。球状、破砕状、不定形状のセラミックス系白色顔料を用いた場合、コスト、加工性の点のみならず、素材表面の凹凸に影響を受けずに赤外線を乱反射するため生地温度の上昇は低く抑えられるため好ましい。しかし、充分な遮蔽性能を得る為には多量のセラミックス白色顔料が必要となり、風合いが硬くなる虞がある。
5〜5g/m2の範囲にあることが好ましい。0.5g/m2未満では十分な遮熱性が得られず、5g/m2より多い場合には遮熱性については必要量以上となり、性能の向上が見込めないばかりか、コストUP、風合いの硬化、脱落が生じ易くなる等の問題が発生する虞がある。
アコーティングまたは捺染方式が用いられる。
グラビアコーティング方式の場合には光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料の粉
体または分散体を樹脂液中で分散させ、粘度200〜2000cps程度に調整後、25〜500メッシュ、深度20〜200μmのグラビアロールを用いてコーティングを行う。
また、捺染方式の場合では、樹脂液粘度を5000〜50000cpsに調整後、50〜150メッシュのスクリーンを用いて捺染を行う。
抗菌加工、防炎加工、カレンダー加工、防風加工など任意の加工を遮熱加工の前又は後に
施してもよい。
金属微粒子とセラミックス系白色顔料の固着面を肌側(内面)として縫製、着用される衣
服で、スポーツ、アウトドア等屋外で使用されるシャツ、パンツ、帽子等で使用した場合
に遮熱効果が得られる。
発泡スチロールの台座上に黒画用紙を密着させ、高さ1.5cm、巾3cmの額縁状にカットした発泡スチロールを設置、黒画用紙上の中央部に温度センサーを固定した後、12cm×12cmに採取した試験布を固着面を下側にしてセットする。20℃65%RH環境下にて60Wのレフランプを試験布の真上15cmの距離から15分照射し、15分後での昇温温度を測定した。
<蓄熱性評価>
発泡スチロールの台座上に黒画用紙を密着させ、黒画用紙上の中央部に温度センサーを固定した後、12cm×12cmに採取した試験布の固着面を下側にしてセットする。20℃65%RH環境下にて60Wのレフランプを試験布の真上15cmの距離から15分照射し、15分後での昇温温度を記録した。
<赤外線遮蔽率>
(株)島津製作所製 自記分光光度計UV−3100PCを用いて、波長0.4〜1.5μmの時の平均遮蔽率を測定した。
経糸、緯糸の双方にナイロンマルチフィラメント76dtex/68fを用い、経糸密度180本/インチ、緯糸密度80本/インチのナイロンタフタを製織し、常法により精練を行った後、アサヒガードAG7000(明成化学工業(株)製、フッ素系撥水剤)5%水溶液でパディングし、乾燥後、170℃で30秒間の熱処理を行った。そしてさらに温度170℃、圧力30kgf/cm2の条件にてカレンダー加工を行った。
次に、下記の樹脂処方1に示す組成の鱗片状アルミおよび酸化チタンの粘度35000cpsの分散樹脂液を、柄面積40%の100メッシュのロータリー捺染機を用いて、上述のカレンダー面に柄状に塗布した後、120℃にて乾燥、さらに150℃にて90秒熱処理して遮熱性布帛を得た。評価結果を表1に示す。得られた布帛は光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料を使用していない比較例1に対して6℃の高い温度差を有し、生地蓄熱性も0.3℃にとどまるものであった。
<樹脂処方1>
バインダーCB501 100重量部
(林化学工業(株)製、エステル系ポリウレタン樹脂 固形分45%)
アルミペースト 5重量部
(鱗片状アルミ 平均粒径 20μm 固形分60%)
チタンペースト 5重量部
(林化学工業(株)製、酸化チタン 平均粒径 0.3μm 固形分55%)
オキザールUL−3 3重量部
(林化学工業(株)製、ブロックイソシアネート)
水 5重量部
樹脂液を下記の樹脂処方2(粘度35000cps)に変更した以外は実施例1と同様に加工し、遮熱性布帛を得た。評価結果を表1に示す。得られた布帛は光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料を使用していない比較例1に対して3.0℃の温度差を有するものであった。
<樹脂処方2>
バインダーCB501 100重量部
(林化学工業(株)製、エステル系ポリウレタン樹脂 固形分45%)
アルミペースト 2.5重量部
(鱗片状アルミ 平均粒径 20μm 固形分60%)
チタンペースト 2.5重量部
(林化学工業(株)製、酸化チタン 平均粒径 0.3μm 固形分55%)
オキザールUL−3 3重量部
(林化学工業(株)製、ブロックイソシアネート)
水 3重量部
樹脂液を下記の樹脂処方3(粘度35000cps)に変更した以外は実施例1と同様に加工し、遮熱性布帛を得た。評価結果を表1に示す。光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料を使用していない比較例1に対して8.2℃の温度差が有りすぐれた遮熱性を有するものであった。
<樹脂処方3>
バインダーCB501 100重量部
(林化学工業(株)製、エステル系ポリウレタン樹脂 固形分45%)
アルミペースト 15重量部
(鱗片状アルミ 平均粒径 20μm 固形分60%)
チタンペースト 20重量部
(林化学工業(株)製、酸化チタン 平均粒径 0.3μm 固形分55%)
オキザールUL−3 3重量部
(林化学工業(株)製、ブロックイソシアネート)
水 12重量部
光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料を固着しない以外は、実施例1と同様に加工し、加工布を得た。評価結果を表1に示す。
樹脂液を下記の樹脂処方4(粘度35000cps)に変更した以外は実施例1と同様に加工し、遮熱性布帛を得た。評価結果を表1に示す。アルミを単独で使用した結果、遮熱評価において8.0℃の温度差が得られたが、3.4℃の生地蓄熱効果を有しており、すぐれた遮熱性布帛とは言い難いものであった。
<樹脂処方4>
バインダーCB501 100重量部
(林化学工業(株)製、エステル系ポリウレタン樹脂 固形分45%)
アルミペースト 20重量部
(鱗片状アルミ 平均粒径 20μm 固形分60%)
オキザールUL−3 3重量部
(林化学工業(株)製、ブロックイソシアネート)
水 8重量部
樹脂液を下記の樹脂処方5(粘度35000cps)に変更した以外は実施例1と同様に加工し、遮熱性布帛を得た。評価結果を表1に示す。酸化チタンを単独で使用した結果、赤外線の遮蔽効果が鱗片状アルミと併用したものに比べて低く、結果として比較例1に対して0.9℃の温度差にとどまり遮熱性布帛として不十分なものであった。
<樹脂処方5>
バインダーCB501 100重量部
(林化学工業(株)製、エステル系ポリウレタン樹脂 固形分45%)
チタンペースト 15重量部
(林化学工業(株)製、酸化チタン 平均粒径 0.3μm 固形分55%)
オキザールUL−3 3重量部
(林化学工業(株)製、ブロックイソシアネート)
水 10重量部
Claims (5)
- 繊維布帛の片面に光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料がバインダー樹脂により部分的に固着されてなる遮熱性布帛。
- 光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料を含む樹脂を繊維布帛表面の10〜80%の面積で被覆することを特徴とする請求項1に記載の遮熱性布帛。
- 光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料が部分的に固着された繊維布帛が未加工布に対して1℃以上の遮熱性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の遮熱性布帛。
- 光輝性金属微粒子が鱗片状アルミニウムであり、セラミックス系白色顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかにに記載の遮熱性布帛。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の遮熱性布帛が用いられ、光輝性金属微粒子とセラミックス系白色顔料が部分的に固着されてなる面を肌側にして構成してなることを特徴とする衣服。
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JP2010271686A JP5855340B2 (ja) | 2010-12-06 | 2010-12-06 | 遮熱性布帛 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103710987A (zh) * | 2013-12-11 | 2014-04-09 | 中潜股份有限公司 | 一种用于制造电热服和保温服的钛合金金色涂层 |
KR101955125B1 (ko) * | 2017-12-26 | 2019-03-06 | 이흥재 | 이산화티타늄을 함유한 냉감원단 제조방법 및 이에 의해 제조된 냉감원단 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS60159045A (ja) * | 1984-01-31 | 1985-08-20 | 小松精練株式会社 | 断熱性透湿布帛 |
JPH05153868A (ja) * | 1991-12-03 | 1993-06-22 | Kanebo Ltd | 遮熱用被覆材及びその製造方法 |
JP2006348414A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Toray Ind Inc | 熱線反射布帛およびその製造方法 |
-
2010
- 2010-12-06 JP JP2010271686A patent/JP5855340B2/ja active Active
Patent Citations (3)
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