JP2012121767A - 黒鉛及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比して核スピン不純物の含有量が低減されたダイヤモンドを得ることが可能な黒鉛及びその製造方法を提供する。
【解決手段】黒鉛15は、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きく、且つ、密度が1.2g/cm3以上である。黒鉛15の製造方法は、炭化水素ガスを金属基板13に吹き付けて黒鉛15を得る工程を備え、金属基板13がタンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種から構成されており、炭化水素ガスにおける炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きい。
【選択図】図1
【解決手段】黒鉛15は、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きく、且つ、密度が1.2g/cm3以上である。黒鉛15の製造方法は、炭化水素ガスを金属基板13に吹き付けて黒鉛15を得る工程を備え、金属基板13がタンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種から構成されており、炭化水素ガスにおける炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、黒鉛及びその製造方法に関し、特に、量子コンピューター等の量子デバイスに適用可能なダイヤモンドを製造するための黒鉛及びその製造方法に関する。
近年、ムーアの法則に従った半導体コンピューターの成長は限界に近づいており、新たな原理に基づくコンピューターが探索されている。量子コンピューターは、光、スピン、磁束のような量子状態を利用することで、現在のスーパーコンピューターをはるかに越える速さで計算できる可能性を有している。量子コンピューターは、因数分解や超並列計算、データベース検索に有効であるため、暗号化及びその解読、医薬の開発あるいはデータの超高速検索に用いることができる。
これまで量子コンピューターは、NMR、光、半導体素子、超伝導等がその候補や原理の証明に用いられている。中でも固体素子として半導体素子、超伝導が期待されているが、いずれも極低温下において動作させる必要がある。
一方、近年、ダイヤモンド中における窒素原子Nと当該窒素原子Nに隣接する空格子欠陥Vとで構成されるNV0センターに一つの電子が入り込み負に帯電したNV−センターと呼ばれるカラーセンターのスピンと蛍光とを用いた固体素子の概念が提案されている。このような固体素子は、室温で動作することができるため非常に有望である。
ところで、ダイヤモンドの合成方法については従来種々検討されており、化学気相合成(CVD)や高温高圧合成(HPHT)が知られている(例えば、下記特許文献1,2参照)。特許文献1には、メタンガスを原料として用いてCVDによってダイヤモンドを得ることが記載されており、特許文献2には、黒鉛等の炭素材料を原料として用いて高温高圧合成によってダイヤモンドを得ることが記載されている。
ダイヤモンドを構成する元素は主として炭素原子であり、天然に存在する炭素原子は、一般に98.9mol%の炭素原子12Cと1.1mol%の炭素原子13Cとで構成されている。これに対し、特許文献1,2には、ダイヤモンドの熱伝導率を向上させる観点から、炭素同位体の含有比率を調整した合成ダイヤモンドを得ることが記載されている。
炭素同位体のうち炭素原子13Cは核スピンを有することから、当該炭素原子13Cを過剰に含むダイヤモンドを量子デバイス(例えば量子コンピューター)に用いると、ダイヤモンド中のカラーセンターの緩和時間が短くなる等により、量子デバイスの処理能力が低下する傾向がある。そのため、量子デバイスの処理能力を向上させるためには、核スピン不純物の含有量を従来に比して低減することが必要となる。
ダイヤモンドの合成方法として、黒鉛を用いて高温高圧合成法等によりダイヤモンドを得ることは、高品質なダイヤモンドを得る観点から有効である。しかしながら、従来、黒鉛を出発原料として合成ダイヤモンドを得ることは試みられているものの、量子デバイスに適用する観点から、核スピン不純物の含有量が充分に低減されたダイヤモンドを得ることが可能な黒鉛及びその製造方法については見出されていない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、従来に比して核スピン不純物の含有量が低減されたダイヤモンドを得ることが可能な黒鉛及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、量子デバイスに適用されるダイヤモンドでは、従来のダイヤモンドに比して炭素成分における炭素原子13Cの含有比率を低減する必要があることを見出した。そして、本発明者は、このようなダイヤモンドの合成に用いる黒鉛において、炭素成分における炭素原子13Cの含有比率を低減する必要があることを見出した。
また、本発明者は、炭素原子13Cの含有比率が低減された黒鉛の密度(かさ密度)が過度に小さいと、ダイヤモンドを合成することが困難となる場合やダイヤモンドにおける核スピン不純物の含有量が増加してしまう場合があることを見出した。そして、本発明者は、炭素原子13Cの含有比率を低減した上で特定の密度を有する黒鉛を用いることで、核スピン不純物の含有量が低減されたダイヤモンドを好適に得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きく、且つ、密度が1.2g/cm3以上である黒鉛を提供する。
本発明に係る黒鉛では、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きいため、核スピン不純物である炭素原子13Cの含有量を低減することができる。さらに、本発明に係る黒鉛では、密度が1.2g/cm3以上であるため、このような黒鉛を出発材料として用いることにより、核スピン不純物の含有量が小さいダイヤモンドを好適に得ることができる。
また、本発明に係る黒鉛は、高温高圧下で黒鉛をダイヤモンドに変換する高温高圧合成に好適に用いられる。高温高圧合成では、化学気相合成と比較して、製造される黒鉛の結晶の純度が高く、欠陥の生成量を少なくすることができる。さらに、量子デバイスに必要となる窒素不純物を黒鉛中に均一に分散させることが可能であり、窒素不純物が偏析することが抑制される。このような黒鉛を用いることで、ダイヤモンド中にNV−センターを生成し易くなる。また、本発明に係る黒鉛は、密度が1.2g/cm3以上であるため、ダイヤモンドの高温高圧合成に際して成型が容易であると共に金属溶媒に容易に溶解させることが可能であり、さらに、黒鉛が合成時に変形することによる不具合(例えば黒鉛を収容するセルの変形)が生じることを抑制することができる。
本発明に係る黒鉛の密度は、2.25g/cm3以下とすることができる。
本発明に係る黒鉛において、タンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の含有量は、0.02質量%以下であることが好ましい。このような黒鉛を用いることにより、核スピン不純物の含有量が更に低減されたダイヤモンドを好適に得ることができる。
本発明に係る黒鉛において、ケイ素の含有量が0.1質量%以下であり、且つ、ホウ素の含有量が0.1質量%以下であることが好ましい。この場合、ダイヤモンドにおいて欠陥スピンを生成する要因となる不純物が黒鉛に混入することを抑制することができる。
また、本発明者は、核スピン不純物が低減された炭化水素ガスを所定の材質から構成される金属基板に吹き付けて黒鉛を得ることにより、上記課題を解決可能な黒鉛が得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る黒鉛の製造方法は、炭化水素ガスを金属基板に吹き付けて黒鉛を得る工程を備え、金属基板がタンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種から構成されており、炭化水素ガスにおける炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きい。
本発明に係る黒鉛の製造方法では、炭化水素ガスにおける炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きいため、黒鉛における炭素原子13Cの含有量を低減することができる。また、タンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種から構成される金属基板を用いることで、天然炭素基板のような他の基板に比して、炭素原子13C等の核スピン不純物が基板から黒鉛に混入することを抑制することができると共に、ダイヤモンドの合成に好適な密度を有する黒鉛を得ることができる。このような黒鉛を用いることにより、従来に比して核スピン不純物の含有量が低減されたダイヤモンドを好適に得ることができる。
本発明に係る黒鉛の製造方法において、金属基板の温度は、600〜2500℃であることが好ましい。この場合、ダイヤモンドの合成に好適な密度を有する黒鉛を容易に得ることができる。
本発明によれば、従来に比して核スピン不純物の含有量が低減されたダイヤモンドを得ることが可能な黒鉛及びその製造方法を提供することができる。例えば、本発明によれば、炭素成分における炭素原子13Cの含有比率が0.01mol%未満であるダイヤモンドを得ることができる。
本発明に係る黒鉛を用いて製造されたダイヤモンドでは、NV−センター等のカラーセンターのスピン緩和時間を長くすることが可能であり、例えば、従来の数百マイクロ秒から20ミリ秒以上に長くすることできる。このような長い緩和時間のカラーセンターを有するダイヤモンドは、量子デバイスに好適に用いられ、例えば、量子コンピューティングに必要な素子数を増加させると共に、十分な計算時間を与えるため、量子コンピューター用基板として好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る黒鉛及びその製造方法について説明する。
本実施形態に係る黒鉛は、炭素成分を主な構成成分として含有している。炭素成分は、炭素同位体である炭素原子12C及び炭素原子13Cから構成されている。炭素成分の含有量は、黒鉛の全質量を基準として99.9〜100質量%が好ましい。
炭素成分において炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量(含有比率、純度)は、99.99mol%より大きく、ダイヤモンドにおける核スピン不純物の含有量を更に低減し、NV−センターのスピン緩和時間を100ミリ秒以上に長くすることができる観点から、99.999mol%以上が好ましい。上記炭素原子12Cの含有比率の上限値は、100mol%が好ましい。炭素同位体の含有比率は、燃焼質量分析法を用いて測定することができる。炭素同位体の含有比率は、黒鉛の合成に用いる炭素源における炭素同位体の含有比率により調整することができる。
本実施形態に係る黒鉛におけるタンタル(Ta)、レニウム(Re)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)及びコバルト(Co)からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属成分(金属元素)の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.02質量%以下が好ましい。上記金属成分の含有量が0.02質量%を超えると、ダイヤモンドにおける電子スピンないし核スピン不純物の含有量が増加し易くなる傾向がある。上記金属成分の全ての含有量が0.02質量%以下であることがより好ましい。金属成分の含有量の下限値は、例えば0質量%である。
上記金属成分の含有量は、ICP質量分析により測定することができる。上記金属成分は、黒鉛を酸やアルカリにより洗浄することや、黒鉛の合成時に用いる基板の材質、合成温度によって調整することができる。例えば合成温度を低くする、あるいは、金属カーバイドのバッファー層を用いることで黒鉛に混入する金属成分の含有量を低減することが可能であり、Ni基板を用いる場合には、600〜800℃で合成することが好ましい。
本実施形態に係る黒鉛におけるケイ素(Si)の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましい。ケイ素の含有量が0.1質量%を超えると、欠陥スピンを生成する要因となる不純物(例えばSi−V(欠陥))がダイヤモンドに混入し易くなる傾向がある。ケイ素の含有量の下限値は、例えば0質量%である。ケイ素の含有量は、ICP質量分析を用いて測定することができる。ケイ素の含有量は、黒鉛の合成時に用いる石英板(例えばシリコンウエハ)の数量等により調整することができる。
本実施形態に係る黒鉛におけるホウ素(B)の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましい。ホウ素の含有量が0.1質量%を超えると、欠陥スピンを生成する要因となる不純物がダイヤモンドに混入し易くなる傾向がある。ホウ素の含有量の下限値は、例えば0質量%である。ホウ素の含有量は、ICP質量分析を用いて測定することができる。ホウ素の含有量は、合成前にチャンバ内を洗浄することで調整することが可能であり、例えば、チャンバ内を真空引きした後に水素ガスや酸素ガス置換する工程を複数回(例えば3回)行うことが好ましい。
本実施形態に係る黒鉛の密度の下限値は、1.2g/cm3以上であり、1.5g/cm3以上が好ましく、2.0g/cm3以上がより好ましい。密度が1.2g/cm3未満であると、黒鉛を構成する炭素原子間の化学結合状態が密度1.2g/cm3以上である黒鉛と異なるために、有機物などが黒鉛に取り込まれ易くなり不純物量が増加すると共に金属溶媒が酸化し易くなる上、成型の容易さや金属溶媒への溶け込み易さが低下してダイヤモンドを合成することが困難となる。
例えば、特許文献2では、密度1.1g/cm3のフレーク状熱分解炭素を原料としてダイヤモンドを合成したことが報告されている。しかしながら、ダイヤモンドの高温高圧合成に際しては、不純物の取り込みを抑制するために、通常合成に先立って黒鉛等の炭素源を高圧プレス等で圧縮成型するが、本発明者の知見によれば、上記フレーク状熱分解炭素を用いると、密度が低いために成型することが困難である。さらには、上記フレーク状熱分解炭素を用いると、高圧下における変形量が大きいために高温高圧合成に際して炭素源を収容するセルが炭素源の変形に追いつかず割れてしまい、炭素源の温度制御が困難となりダイヤモンドを合成し難くなる共にダイヤモンドへの不純物混入の確率が高くなる。
黒鉛の密度の上限値は、2.25g/cm3以下とすることができる。密度が2.25g/cm3以下であると、ダイヤモンドを更に好適に合成することができる。
黒鉛の密度は、デジタル顕微鏡による採寸、質量測定により測定することができる。黒鉛の密度は、合成時の合成温度、原料ガスの供給量(流量)、原料ガスの圧力により調整することができる。例えば、黒鉛の密度を高くするためには、合成温度を高くし、原料ガスの供給量を低くし、原料ガスの圧力を低くすることが好ましい。
本実施形態に係る黒鉛を用いて、例えば高温高圧合成によりダイヤモンドを得ることができる。高温高圧合成では、黒鉛を金属溶媒に溶解させる。本実施形態に係る黒鉛は、Fe、Co、Ni等の金属溶媒に1〜5%固溶させることができる。
次に、図1を用いて本実施形態に係る黒鉛の製造方法を説明する。図1は、黒鉛の製造装置を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る黒鉛の製造方法は、金属基板に炭化水素ガスを吹き付けて黒鉛を得る工程を備えており、図1に示す製造装置1を一手段として用いることができる。
製造装置1は、真空チャンバ3と、ヒーター5と、原料供給ノズル7とを備えている。真空チャンバ3は、一側面の略中央に開口を有する容器であり、金属(例えばステンレス)や石英から形成されている。真空チャンバ3の開口は、ダクト9により真空ポンプ11に接続されている。真空チャンバ3の内部は、真空ポンプ11によって例えば真空度1×10−7〜1×10−1Torrに減圧することができる。
ヒーター5は、真空チャンバ3内の底部に配置されており、金属基板13を支持するためのサンプル支持部に相当する。金属基板13は、ヒーター5の上に載置される。金属基板13は、タンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属成分から構成されている。金属基板13が上記金属成分から構成されることにより、広い温度範囲(例えば600〜2500℃)で好適な密度(例えば密度1.2g/cm3以上)を有する黒鉛を合成することができる。金属基板13を構成する合金としては、例えばFe−Co−Ni合金が挙げられる。なお、金属基板13の周囲に石英板(図示せず)を配置してもよい。
金属基板13の温度(合成温度)は、ヒーター5により調節することが可能であり、600℃以上が好ましく、1700℃以上がより好ましい。金属基板13の温度は、2500℃以下が好ましい。金属基板13の温度が600℃未満又は2500℃を超えると、ダイヤモンド合成に好適な密度を有する黒鉛が得られ難くなると共に、金属成分の混入が0.2質量%を超える傾向がある。
原料供給ノズル7は、ヒーター5と対向するように真空チャンバ3内の上部に配置されており、真空チャンバ3の外部に配置された原料供給源(図示せず)に接続されている。原料供給ノズル7の先端と金属基板13との間隔は、例えば10〜100mmである。原料供給ノズル7は、炭化水素ガスを真空チャンバ3の底部方向(矢印Aの方向)へ供給する。原料供給ノズル7から供給された炭化水素ガスは、ヒーター5に支持された金属基板13の表面(主面)に吹き付けられ当該表面に接触する。これにより、金属基板13の表面上で炭化水素ガスが熱分解して当該表面上に黒鉛15が堆積する。
炭化水素ガスとしては、例えばメタンガス、エタンガスが挙げられる。炭化水素ガスの流量は、例えば1〜100sccmであり、圧力は、例えば0〜100Torrである。炭化水素ガスにおける炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12Cの含有量(含有比率)は、99.99mol%より大きく、核スピン不純物の含有量を更に低減する観点から、99.999mol%以上が好ましい。上記炭素原子12Cの含有比率の上限値は、100mol%が好ましい。
上記のとおり黒鉛15を合成した後、ダイヤモンドの合成に先立って黒鉛を粉砕してもよい。また、ダイヤモンドの合成に先立って黒鉛を成型することが好ましく、例えば、高圧プレスによって黒鉛を型に入れて成型、又は熱間静水圧プレス(HIP)や冷間静水圧プレス(CIP)によって成型する。
黒鉛を成型した後、黒鉛を酸(例えば王水、フッ酸、硝酸あるいはそれらを混合したもの)やアルカリ(例えばNaOH)または過酸化水素水により洗浄してもよい。これにより、黒鉛中に残存する金属成分を除去することができる。
以上により得られた黒鉛は、ダイヤモンドの合成に好適に用いられ、特に高温高圧合成に好適に用いられる。ダイヤモンドの合成に際しては、窒素原子を含有するダイヤモンドを種結晶として使用することや、合成時の自然混入又は窒素ゲッターの人工添加等により、ダイヤモンド中に窒素原子を混入させることができる。
窒素原子を含有するダイヤモンドに電子線等を照射してダイヤモンド中に欠陥を生じさせた後にダイヤモンドを真空アニールする方法等により、ダイヤモンド中にNV−センターを導入することができる。例えば、電子線を加速電圧1.0〜10MeV、照射線量10kGy〜1GGyの条件でダイヤモンドに照射した後、ダイヤモンドを真空度10−6〜10−3Torr、600〜1200℃でアニールする。なお、ダイヤモンドに電子線を照射した後に真空アニールすることにより、ダイヤモンドにおける窒素含有量や炭素同位体の含有比率は大きく変化するものではない。以上により、NV−センターを含有するダイヤモンドを得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜2では、図1に示す製造装置1と同様の構成を有する装置を用いて黒鉛を合成した。黒鉛の合成に先立って、真空チャンバ内を1Torr以下まで真空引きした後に水素ガス置換する工程を計3回行った。
(実施例1)
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを10sccm、100Torrで、1500℃に熱したTa基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率90%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法(サーモフィッシャー社製、商品名:「DELTA V」)で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを10sccm、100Torrで、1500℃に熱したTa基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率90%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法(サーモフィッシャー社製、商品名:「DELTA V」)で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
黒鉛の密度は1.4g/cm3であった。黒鉛には金属成分としてTaが含有されており、Taの含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.02質量%であった。黒鉛におけるケイ素、ホウ素の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.02質量%、0.01質量%以下であった。黒鉛の形状は、100μm程度の直径を有する島状結晶が連なったものであり、XRDパターンにおける2θ=26°付近及び53.6°付近のピーク強度比は、およそ20:1であった。
作製した黒鉛を粉砕・成型した後、1550℃、5.5GPaで100時間程度ダイヤモンドを高温高圧合成した。ダイヤモンドの合成に際しては、金属溶媒としてFe−Co−Tiを用い、種結晶としてIIa型のダイヤモンド結晶を用いた。
ダイヤモンドの窒素濃度を紫外・可視分光測定を用いて測定したところ、0.1ppm以下であった。ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
作製したダイヤモンドに電子線を3MeVで50kGy照射し、800℃で60分間の真空アニールを行い、NV−センターを作製した。NV−センターを含むダイヤモンドに対して、波長532nmの緑色のレーザーを照射したところ、発光ピークは637nmであり、必要なカラーセンターを作製できたことが確認された。以上により、ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%であり、NV−センターをカラーセンターとして含むダイヤモンドが得られた。
(実施例2)
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを25sccm、100Torrで、600℃に熱したNi基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率30%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを25sccm、100Torrで、600℃に熱したNi基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率30%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
黒鉛の密度は1.6g/cm3であった。黒鉛には金属成分としてNiが含有されており、Niの含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.02質量%であった。黒鉛におけるケイ素、ホウ素の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.01質量%、0.01質量%以下であった。黒鉛の形状は、100μm程度の直径を有する島状結晶が連なったものであり、XRDパターンにおける2θ=26°付近及び53.6°付近のピーク強度比は、およそ20:1であった。
作製した黒鉛を粉砕・成型した後、1550℃、5.5GPaで100時間程度ダイヤモンドを高温高圧合成した。ダイヤモンドの合成に際しては、金属溶媒としてFe−Co−Tiを用い、種結晶としてIIa型のダイヤモンド結晶を用いた。
ダイヤモンドの窒素濃度を紫外・可視分光測定を用いて測定したところ、0.1ppm以下であった。ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
作製したダイヤモンドに電子線を3MeVで50kGy照射し、800℃で60分間の真空アニールを行い、NV−センターを作製した。NV−センターを含むダイヤモンドに対して、波長532nmの緑色のレーザーを照射したところ、発光ピークは637nmであり、必要なカラーセンターを作製できたことが確認された。以上により、ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%であり、NV−センターをカラーセンターとして含むダイヤモンドが得られた。
(実施例3)
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを50sccm、100Torrで、1800℃に熱したRe基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率40%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを50sccm、100Torrで、1800℃に熱したRe基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率40%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
黒鉛の密度は1.5g/cm3であった。黒鉛には金属成分としてReが含有されており、Reの含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.02質量%であった。黒鉛におけるケイ素、ホウ素の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.01質量%、0.01質量%以下であった。黒鉛の形状は、高密度のフィルム状であり、XRDパターンにおける2θ=26°付近及び53.6°付近のピーク強度比は、およそ20:1であった。
作製した黒鉛を粉砕・成型した後、1550℃、5.5GPaで100時間程度ダイヤモンドを高温高圧合成した。ダイヤモンドの合成に際しては、金属溶媒としてFe−Co−Tiを用い、種結晶としてIIa型のダイヤモンド結晶を用いた。
ダイヤモンドの窒素濃度を紫外・可視分光測定を用いて測定したところ、0.1ppm以下であった。ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
作製したダイヤモンドに電子線を3MeVで50kGy照射し、800℃で60分間の真空アニールを行い、NV−センターを作製した。NV−センターを含むダイヤモンドに対して、波長532nmの緑色のレーザーを照射したところ、発光ピークは637nmであり、必要なカラーセンターを作製できたことが確認された。以上により、ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%であり、NV−センターをカラーセンターとして含むダイヤモンドが得られた。
(実施例4)
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを10sccm、100Torrで、1500℃に熱した炭化レニウムReC基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率80%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを10sccm、100Torrで、1500℃に熱した炭化レニウムReC基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率80%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
黒鉛の密度は2.0g/cm3であった。黒鉛には金属成分としてReが含有されており、Reの含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.02質量%であった。黒鉛におけるケイ素、ホウ素の含有量は、黒鉛の全質量を基準として0.01質量%、0.01質量%以下であった。黒鉛の形状は、100μm程度の直径を有する島状結晶が連なったものであり、XRDパターンにおける2θ=26°付近及び53.6°付近のピーク強度比は、およそ20:1であった。
作製した黒鉛を粉砕・成型した後、1600℃、6.5GPaで100時間程度ダイヤモンドを高温高圧合成した。ダイヤモンドの合成に際しては、金属溶媒としてFe−Co−Tiを用い、種結晶としてIIa型のダイヤモンド結晶を用いた。
ダイヤモンドの窒素濃度を紫外・可視分光測定を用いて測定したところ、0.1ppm以下であった。ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.999mol%、0.001mol%であった。
なお、100時間に及ぶダイヤモンドの合成に際して、ヒーター抵抗は3〜4mΩ程度の範囲で変化したが、その変化はわずか0.03mΩ/h以内でありほぼ直線的に変化した。
作製したダイヤモンドに電子線を3MeVで50kGy照射し、800℃で60分間の真空アニールを行い、NV−センターを作製した。NV−センターを含むダイヤモンドに対して、波長532nmの緑色のレーザーを照射したところ、発光ピークは637nmであり、必要なカラーセンターを作製できたことが確認された。以上により、ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%であり、NV−センターをカラーセンターとして含むダイヤモンドが得られた。
(比較例1)
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを100sccm、20Torrで、1800℃に熱した天然炭素基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率40%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.99mol%、0.01mol%であり、作製した黒鉛には、天然炭素基板の炭素成分が混入していることが確認された。
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを100sccm、20Torrで、1800℃に熱した天然炭素基板の表面に吹き付けて黒鉛を収率40%で得た。黒鉛の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.99mol%、0.01mol%であり、作製した黒鉛には、天然炭素基板の炭素成分が混入していることが確認された。
黒鉛の密度は1.1g/cm3であった。黒鉛の形状は、1μm程度の直径を有するフレーク状であり、XRDパターンにおける2θ=26°付近及び53.6°付近のピーク強度は、およそ40:1であった。
実施例1〜4の黒鉛は、容易に粉砕することができたのに対して、比較例1として得られた黒鉛は密度が低いため、粉砕が困難であった。そのため、ダイヤモンド合成の準備作業に1週間程度の粉砕時間を要した。
粉砕した黒鉛を用いて、1550℃、5.5GPaで50時間程度ダイヤモンドを高温高圧合成した。ダイヤモンドの合成に際しては、金属溶媒としてFe−Co−Tiを用い、種結晶としてIIa型のダイヤモンド結晶を用いた。
ダイヤモンドの窒素濃度を紫外、可視分光測定を用いて測定したところ、1ppm程度であった。ダイヤモンドの炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.99mol%、0.01mol%であった。作製したダイヤモンドは、天然炭素基板の炭素成分が混入した黒鉛を用いて得られたものであり、量子デバイスに適用するダイヤモンドの合成には好ましくないことが確認された。
また、ダイヤモンドの合成に際しては、加圧時に黒鉛が変形し、黒鉛を収容するセル部品が変形することが確認された。これにより、合成途中に抵抗が急激に大きく変化すると共に黒鉛が炭素に変換してしまい、合成を50時間程度で停止せざるを得なかった。そのため、合成されたダイヤモンドの大きさは実施例1〜4と比較して半分程度であった。
(比較例2)
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを10sccm、100Torrで、2000℃に熱した天然炭素基板の表面に吹き付けて炭素材料を得た。基板上には、炭素材料としてグラッシーカーボンが形成された。炭素材料の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.99mol%、0.01mol%であった。炭素材料の密度は0.8g/cm3であった。
炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率が99.999mol%、0.001mol%のメタンガスを10sccm、100Torrで、2000℃に熱した天然炭素基板の表面に吹き付けて炭素材料を得た。基板上には、炭素材料としてグラッシーカーボンが形成された。炭素材料の炭素原子12C及び炭素原子13Cの含有比率を燃焼質量分析法で測定したところ、炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準として99.99mol%、0.01mol%であった。炭素材料の密度は0.8g/cm3であった。
作製した炭素材料を原料として、高温高圧合成によりダイヤモンドを合成することを試みたが、炭素材料は、成型できない上にFe−Co−Tiからなる金属溶媒に十分に溶解しないため、ダイヤモンドを合成することはできなかった。
1…製造装置、3…真空チャンバ、5…ヒーター、7…原料供給ノズル、9…ダクト、11…真空ポンプ、13…金属基板、15…黒鉛。
Claims (9)
- 炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする前記炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きく、且つ、密度が1.2g/cm3以上である、黒鉛。
- 前記密度が2.25g/cm3以下である、請求項1に記載の黒鉛。
- タンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の含有量が0.02質量%以下である、請求項1又は2に記載の黒鉛。
- ケイ素の含有量が0.1質量%以下であり、且つ、ホウ素の含有量が0.1質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の黒鉛。
- 炭化水素ガスを金属基板に吹き付けて黒鉛を得る工程を備え、
前記金属基板がタンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種から構成されており、
前記炭化水素ガスにおける炭素原子12C及び炭素原子13Cの合計量を基準とする前記炭素原子12Cの含有量が99.99mol%より大きい、黒鉛の製造方法。 - 前記金属基板の温度が600〜2500℃である、請求項5に記載の黒鉛の製造方法。
- 前記黒鉛の密度が1.2〜2.25g/cm3である、請求項5又は6に記載の黒鉛の製造方法。
- 前記黒鉛におけるタンタル、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の含有量が0.02質量%以下である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の黒鉛の製造方法。
- 前記黒鉛におけるケイ素の含有量が0.1質量%以下であり、且つ、ホウ素の含有量が0.1質量%以下である、請求項5〜8のいずれか一項に記載の黒鉛の製造方法。
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