本発明を実施するための最良の形態
定義:
ここに使用される、発現という用語は、遺伝子の転写および翻訳を意味すると解釈されるべきである。遺伝子発現のレベルは、メチル化分析、ヘテロ接合性の消失(以下、LOHともいう)、RNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを含むがそれらに限定されない、遺伝子の転写および翻訳のレベルに関連する、または示すいずれの因子の分析により決定することができる。
さらに、転写遺伝子活性は、遺伝変種に限定されない(SNP、点変異、欠失、挿入、反復長、再配列およびその他の多型を含むがそれらに限定されない)、遺伝的変異により影響を受けることができる。
ここに使用される、「予後」という用語は、疾患の経過予測(例えば、回帰、状態および転移に限定されない)、特に、浸潤性および前立腺腫瘍の転移能を意味すると解釈されるべきである。
ここに使用される、「予後マーカー」という用語は、疾患の経過予測の指標、特に、浸潤性および前立腺腫瘍の転移能を意味すると解釈されるべきである。
ここに使用される、「予後分類」という用語は、疾患の経過予測による、特に、浸潤性および前立腺腫瘍の転移能による、前立腺細胞増殖障害の分類を意味すると解釈されるべきである。
好ましくは、疾患処理の先天的な異種から生じる、治療後の死亡または再発の高い、低い、および中程度の危険性を有する患者を定義するのに使用される。ここに使用される、前立腺腫瘍について使用される「浸潤性」という用語は、前立腺外に急速にまん延する生物学的可能性を有する前立腺細胞増殖障害を意味すると解釈されるべきである。技術的な腫瘍浸潤性標準の指標は、腫瘍の病期、腫瘍の悪性度、グリーソンの悪性度、結節状態および生存を含むがそれらに限定されない。ここに使用される、「生存」という用語は、死亡までの生存を意味するのに限定されるべきではない(前記死亡が、前立腺細胞増殖障害または前立腺細胞増殖障害関連のいずれに起因するかに関わらず)が、例えば、「無再発生存期間」(再発という用語は、限局性および遠隔再発の双方を含まなければならない)、無転移生存期間、無病生存期間(疾患という用語は、前立腺癌およびそれに関連する疾患を含む)に限定されない、臨床的用語を定義するためにその他の用語との組み合わせで使用することができる。前記生存の長さは、定義された開始点(例えば、診断の時期および治療開始)および定義された終了点(例えば、死亡、再発または転移)を参照することにより算出することができる。
「観察/期待比(O/E比)」という用語は、特定のDNA配列内のCpGジヌクレオチドの頻度を指し、[CpG部位の数/(C塩基数×G塩基数)]に対応する。
「CpG島」という用語は、(1)0.6より大きい「観察/期待比」に対応するCpGジヌクレオチドの頻度を有し、(2)0.5より大きい「GC含有量」を有する基準を満たすゲノムDNAの隣接する領域を指す。CpG島は、常にではないが、典型的に、約0.2から約1kb、または約2kbの間の長さである。
「メチル化状態」または「メチル化ステータス」という用語は、DNA配列内の1つまたは複数のCpGジヌクレオチドで、5−メチルシトシン(「5−mCyt」)の有無を指す。DNA配列内の1つ以上の特定のCpGメチル化部位でのメチル化状態(2つのCpG、CpGジヌクレオチド配列をそれぞれ有する)は、「非メチル化」、「完全メチル化」および「ヘミメチル化」を含む。
「ヘミ・メチル化」または「ヘミメチル化」という用語は、回文CpGメチル化部位のメチル化状態を指し、回文CpGメチル化部位の2つのCpGジヌクレオチド配列のうちの1つにおいて、1つのシトシンのみが、メチル化(例えば、5’−CCMGG−3’(トップストランド):3’−GGCC−5’(ボトムストランド))である。
ここに使用される、「AUC」という用語は、曲線下面積の略語である。特に、受信者動作特性(ROC)曲線下面積を指す。ROC曲線は、診断テストの異なる起こり得るカットポイントの無病誤診率に対する真の陽性率のプロットである。それは、選択されたカットポイントにより(感度の増加は、特異度の減少を伴う)、感度と特異度との間の得失評価を示す。ROC曲線下面積(AUC)は、診断テスト(面積が大きいほどよく、最適条件は1であり、無作為試験は、0.5の面積を有する対角線にあるROC曲線を有する。参照:J.P.Egan.Signal Detection Theory and ROC Analysis、Academic Press、New York、1975)の精度の測定である。
「高メチル化」という用語は、正常対照DNAサンプル内の対応するCpGジヌクレオチドで検出された5−mCyt量に対して、テストDNAサンプルのDNA配列内の1つまたは複数のCpジヌクレオチドでの5−mCytの存在の増加に対応する平均メチル化状態を指す。
「低メチル化」という用語は、正常対照DNAサンプル内の対応するCpGジヌクレオチドで検出された5−mCyt量に対して、テストDNAサンプルのDNA配列内の1つまたは複数のCpジヌクレオチドでの5−mCytの存在の減少に対応する平均メチル化状態を指す。
「マイクロアレイ」という用語は、技術的に認められている、「DNAマイクロアレイ」および「DNAチップ」の双方を広く指し、全ての技術的に認識された固定用支持を網羅し、それに核酸分子を添付し、またはその上で核酸の合成をするための全ての方法を網羅する。
「遺伝パラメータ」は、その規範にさらに必要とされる遺伝子および配列の突然変異および多型である。突然変異として指定されるものは、特に、挿入、欠失、点変異、反転および多型、特にSNP(一塩基変異多型)である。
特に、「エピジェネティックパラメータ」は、シトシンメチル化である。さらに、エピジェネティックパラメータは、例えば、記載された方法、言い換えると、DNAメチル化に関連がある方法を使用して、直接的に分析することができないヒストンのアセチル化を含む。
「バイサルファイト試薬」という用語は、メチル化と非メチル化CpGジヌクレオチド配列を識別するためにここに述べたように役に立つ、重亜硫酸塩、二硫酸塩、亜硫酸水素塩またはその化合を含む試薬を指す。
「メチル化アッセイ」という用語は、DNA配列内で1つ以上のCpGジヌクレオチド配列のメチル化状態を決定するためのアッセイを指す。
「MS.AP−PCR」(メチル化感受性任意配列プライマーポリメラーゼ連鎖反応)という用語は、CpGジヌクレオチドを含む可能性が最も高い領域に焦点を合わせるために、Gonzalgoら、Cancer Research 57:594−599、1997により記載されるCGリッチなプライマーを使用してゲノムのグローバルスキャンを可能にする、技術的に認められている技術を指す。
「MethyLightTM」という用語は、Eadsら、Cancer Res. 59:2302−2306、1999により記載される技術的に認められている蛍光ベースの実時間PCR技術を指す。
「HeavyMethylTM」アッセイという用語は、ここに実施されるその実施例において、アッセイを言及し、増幅プライマー間のCpGの位置を覆い、増幅プライマーにより覆われたメチル化特異的遮断プローブ(ここにまた、遮断薬として参照)は、核酸サンプルのメチル化特異選択的増幅を可能にする。
「HeavyMethylTM MethyLightTM」アッセイという用語は、ここに実施されるその実施例において、HeavyMethylTM MethyLightTMアッセイを指すが、これはMethyLightTMアッセイの変形であり、MethyLightTMアッセイは、増幅プライマー間のCpGの位置をカバーするメチル化特異遮断プローブと結合する。
「Ms−SNuPE」(メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長法)という用語は、Gonzalgo&Jones、Nucleic Acids Res.25:2529−2531、1997により記載される技術的に認められているアッセイを指す。
「MSP」という用語(メチル化感受性PCR)は、HermanらProc. Natl. Acad. Sci. USA 93:9821−9826、1996、および米国特許番号第5,786,146号により記載される、技術的に認められているメチル化アッセイを指す。
「COBRA」(結合された重亜硫酸塩の制限の分析)という用語は、Xiong&Laird、Nucleic Acids Res.25:2532−2534、1997により記載される、技術的に認められているメチル化アッセイを指す。
「MCA」(メチル化CpG島増幅)という用語は、Toyotaら、Cancer Res.59:2307−12、1999、およびWO00/26401A1に記載される、メチル化アッセイを指す。
「ハイブリダイゼーション」という用語は、二重構造を形成する、サンプルDNAにおけるワトソン・クリック塩基対合の線図に沿って相補的配列にオリゴヌクレオチドの結合剤として理解される。
ここに定義される、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、5×SSC/5×Denhardt溶液/1.0%SDSにおいて、68℃でハイブリダイズすることを含み、0.2×SSC/0.1%SDSにおいて、室温で洗浄すること、またはその技術的に認められている同等な条件(例えば、ハイブリダイゼーションが2.5×SSCバッファにおいて行われ、続いて低バッファ濃度において37℃で洗浄され、しかも安定性を保つという条件)を含む。ここに定義される、適度にストリンジェントな条件とは、3×SSCにおいて42℃で洗浄すること、またはその技術的に認められている同等条件を含む。塩濃度および温度のパラメータは、前記プローブと標的核酸との間の同一性の最適水準を達成するために、塩濃度および温度のパラメータを変化することができる。
当該の状態に関するガイドは、例えば、Sambrookら、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、N.Y.;およびAusubelら(eds.)、1995、Current Protocols in Molecular Biology、(John Wiley&Sons、N.Y.)ユニット2.10で技術的に利用可能である。
「アレイ配列番号」、「複合アレイ配列番号」、または「複合アレイ配列」という用語は、対象となるアレイ(例えば、その順番において、配列番号:1〜71のhead−to−tail型複合)の全ての個々の隣接する配列のhead−to−tail型(5’〜3’)線形複合から成る、仮定に基づいた、またはその他の配列を指す。
「アレイ配列番号ノード」、「複合アレイ配列番号ノード」、または「複合アレイ配列ノード」という用語は、「アレイ配列番号」、「複合アレイ配列番号」または「複合アレイ配列」のいずれの2つの個々の隣接する配列間での接合を指す。
複合アレイ配列に関連して、「隣接するヌクレオチド」という成句は、複合アレイのいずれの個々の隣接する配列に対する隣接する配列を指すが、上記に定義される、「ノード」を含む、複合アレイ配列の領域を含まない。
要約:
本発明は、前立腺細胞増殖障害の予後を提供するための新規の実用性を有する分子遺伝子マーカーを提供する。特定の実施例において、前記マーカーは、浸潤性および/または侵襲性による腫瘍を分類するために使用することができる。特に、本発明による方法および核酸は、前立腺細胞増殖障害の予後、治療、監査、および治療および監査の少なくとも1つのために使用されることが好ましい。
「予後」という用語は、疾患進行(進行という用語は、治療後再発も含むと解釈されなければならない)の結果予測を意味と解釈される。予後は、全体的な患者生存、疾患または無再発生存率、増加した腫瘍関連の合併症および腫瘍または転移の進行速度において発現し、事前決定レベルに関連して、前記因子の減少(増加した腫瘍関連の合併症の進行速度を除いて)は、「陰性」結果であり、その増加は、「陽性」結果である。事前決定レベルに関連して、腫瘍関連の合併症および腫瘍または転移の進行速度の減少は、「陽性」結果であり、その増加は、「陰性」結果である。
浸潤性癌は陰性結果の高い危険性を有するとされ、非浸潤性癌は陰性結果の低い危険性を有するとされるように、以下では、予後はまた「浸潤性」という点で言及される場合がある。
1つの態様において、陰性結果の危険性の概算を提供するために本発明による予後マーカーを使用する。予測される結果において前立腺癌の特徴付けは、医師に再発および/または死亡の危険性を決定することを可能にする。これは、アジュバント・ホルモン治療、化学治療、および放射線治療などの治療後、再発および死亡の危険性の絶対削減として治療選択に役立つ。治療に起因する危険性における絶対削減は、予測される陰性結果に基づき決定できる。その後、治療に起因する危険性における絶対削減は、患者に対する前記治療の適合性を決定するために、前記治療の難点(例えば、副作用、費用)を比較することができる。
逆に、非浸潤性(すなわち、死亡および/または再発の低い危険性を有する陽性結果)として特徴付けられる癌は、患者がアジュバントまたはその他の治療から得られる絶対的利点は低く、経過観察により適切に治療を受けることができる。そこに、本発明の偉大な利点がある。患者が治療より有意に恩恵を受けないことを決定する手段を提供することにより、本発明は、経過観察に対する適切な候補を識別し、治療の過剰処方を妨げる。
疾患の予測される結果(すなわち、予後)によれば、適切な治療が選択できる。癌が浸潤性として特徴付けられることは、ホルモン治療、化学治療、および放射線治療を含むがこれらに限定されないアジュバント治療が、さらなる治療に加えて、または当該治療の代わりに提供されることが特に好ましい。
ここに記載されるマーカーは、手術治療後、患者の結果を予測するためにさらに使用される。また、以下「予測」マーカーとして言及される。表11による遺伝子の過剰発現(特に、FOXL2、配列番号:35、配列番号:63、HIST2H2BF、GPR7およびさらに好ましくは、PITX2)は、前立腺癌患者の陰性結果に関連する。予測される陽性結果を有する患者(すなわち、低メチル化または過剰発現)は、前記治療後の結果、術後アジュバント療法を有する治療後、再発および死亡の危険性の絶対的減少の低下をもたらす。予測される陰性結果を有する患者(すなわち、高メチル化)は、前記治療後の結果、術後アジュバント療法を有する治療後、再発および死亡の危険性の相対的により大きい絶対的減少をもたらす。従って、前記治療後、陰性結果を有する患者は、陽性結果を有する患者よりもアジュバント治療のより適した候補であると見なされる。従って、陽性結果を有する患者をアジュバント治療の過剰処方されないように阻止することができる。
DNAのバイサルファイト修飾は、CpGメチル化状態にアクセスするために使用される技術的に認められているツールである。5−メチルシトシンは、真核細胞DNA内で最も頻繁な共有修飾塩基である。例えば、転写の規制において、遺伝子刷り込みにおいて、および腫瘍形成において、役割を果たす。従って、遺伝情報の構成要素としての5−メチルシトシンの同定は、極めて注目されるべきことである。しかしながら、5−メチルシトシンは、シトシンと塩基対合の挙動が同一であるため、5−メチルシトシンの位置は、シークエンシングにより特定できない。さらに、5−メチルシトシンにより媒介されるエピジェネティック情報は、例えば、PCR増幅中、完全に喪失する。
5−メチルシトシンの存在に対してDNAを分析するために最も頻繁に使用される方法は、バイサルファイトとシトシンとの特異反応に基づくもので、続くアルカリ加水分解の際にシトシンがウラシルに変換され、その塩基対合の挙動においてチミンに対応する。しかしながら、重要なことに、5−メチルシトシンは、これらの状態のもとで、修飾されないで維持される。最終的に、元のDNAが変換されるが、ハイブリダイゼーションの挙動により、本来はシトシンとは識別できないメチルシトシンが、例えば、増幅およびハイブリダイゼーション、またはシークエンシングなどの標準的で技術的に認められている分子生物学的技法を使用して、現在唯一の残存シトシンとして検出することができるようになる。これらの技法全ては、現在十分に活用できる、特異な塩基対合の特性に基づく。
感度において従来の技術は、分析されるDNAをアガロースマトリクス中に封入してDNAの拡散および再生を防ぐステップと(重亜硫酸塩は、単鎖DNAとのみ反応する)、高速透析法を用いた全ての沈殿および精製法を差し替えるステップ(Olek Aら、A modified and improved method for bisulfite based cytosine methylation analysis、Nucleic Acids Res.24:5064−6、1996)とを含む方法で定義される。従って、その方法の有用性および感度を示しながら、メチル化状態に対する個別細胞を分析することが可能である。5−メチルシトシンを検出するために技術的に認められている方法の概要は、Rein、T.ら、Nucleic Acids Res.、26:2255、1998により提供される。
バイサルファイト技法は、例外を除いて(例えば、Zeschnigk M、et al.、Eur J Hum Genet.5:94−98、1997)、現在調査においてのみ使用される。全ての場合に、既知遺伝子の短い、特異的断片は、バイサルファイト治療後、個々のシトシンの位置を分析するために、完全に配列されるか(Olek&Walter、Nat Genet.1997 17:275−6、1997)、1つ以上のプライマー拡張反応に従って(Gonzalgo&Jones、Nucleic Acids Res.、25:2529−31、1997;WO95/00669;U.S.Patent No.6,251,594)、酵素消化により処理される(Xiong&Laird、Nucleic Acids Res.、25:2532−4、1997)かのどちらかで、増幅される。ハイブリダイゼーションによる検出はまた、技術的に記載される(Olekら、WO99/28498)。さらに、個々の遺伝子に関してメチル化検出のためのバイサルファイト技法の使用を記載する(Grigg&Clark、Bioessays、16:431−6、1994;Zeschnigk Mら、Hum Mol Genet.、6:387−95、1997;Feil Rら、Nucleic Acids Res.、22:695−、1994;Martin Vら、Gene、157:261−4、1995;WO9746705およびWO9515373)。
本発明は、1つ以上のメチル化アッセイと組み合わせて、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961から成る群から配列内でCpGジヌクレオチド配列のメチル化状態を決定するためのバイサルファイト技法の使用を提供するものである。好ましくは、前記群は、配列番号:35、63、19から成るものであり、最も好ましくは、前記配列は配列番号:961である。本発明によれば、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961から成る群から配列内でCpGジヌクレオチド配列を決定するステップおよび配列番号:961は予後有用性を有する。
メチル化アッセイ手順。様々なメチル化アッセイ手順が技術的に知られており、本発明に関連して使用することができる。これらのアッセイは、DNA配列内で1つまたは複数のCpGジヌクレオチド(例えば、CpG島)のメチル化状態を決定させる。当該アッセイは、バイサルファイト処理されるDNAのDNAシークエンシング、PCR(配列特異的な増幅に対する)、サザンブロット分析、およびメチル化感受性制限酵素の使用などの技法の中に含まれる。
例えば、ゲノムシークエンシングは、バイサルファイト治療を使用することにより、DNAメチル化パターンおよび5−メチルシトシン分配の分析を単純にする(Frommerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827−1831、1992)。さらに、バイサルファイト変換されたDNAから増幅されるPCR生成物の制限酵素での消化は、例えば、Sadri&Hornsbyにより記載される方法(Nucl.Acids Res.24:5058−5059、1996)、またはCOBRA法(結合された重亜硫酸塩の制限の分析)を使用する(Xiong&Laird、Nucleic Acids Res.25:2532−2534、1997)。
COBRA。COBRA分析法は、少量のゲノムDNA内の特異遺伝子座で、DNAメチル化レベルを決定するために役立つ定量的メチル化アッセイである(Xiong&Laird、Nucleic Acids Res.25:2532−2534、1997)。つまり、制限酵素での消化は、重亜硫酸ナトリウム処理されるDNAのPCR生成物にメチル化依存型配列の差異を示すために使用される。メチル化依存型配列の差異は、Frommerらにより記載される手順によれば、標準バイサルファイト治療によりゲノムDNAを初めに持ち込まれる(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827−1831、1992)。その後、バイサルファイト変換型DNAのPCR増幅は、該当するCpG島に対して特異的なプライマーを使用して実行され、制限エンドヌクレアーゼでの消化、ゲル電気泳動、および特定の、標識ハイブリダイゼーションプローブを使用する検出に続く。元のDNAサンプルのメチル化レベルは、広範囲のDNAメチル化レベルにわたり、線形的かつ定量的に、相対量の消化および未消化のPCR生成物により示される。さらに、この技法は、顕微解剖されたパラフィン包埋組織サンプルから得たDNAに正確に適用することができる。COBRA分析法に対する標準試薬(例えば、標準COBRAベースのキットにあるような)は、特異遺伝子に対するPCRプライマー(またはバイサルファイト処理されたDNA配列またはCpG島)、制限酵素および適切なバッファ、遺伝子ハイブリダイゼーションオリゴ、制御ハイブリダイゼーションオリゴ、オリゴプローブに対するキナーゼ標識キット、および標識ヌクレオチドを含むことができるが、それらに限定されない。さらに、バイサルファイト変換試薬は、DNA変性バッファ、スルホン化バッファ、DNA再生試薬またはキット(例えば、沈殿、限外ろ過、親和性カラム)、脱スルホン化バッファ、およびDNA再生構成要素などを含む。
好ましくは、「MethyLightTM」(蛍光ベースの実時間PCR技法)(Eadsら、Cancer Res.59:2302−2306、1999)、Ms−SNuPE(メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー延長)反応(Gonzalgo&Jones、Nucleic Acids Res.25:2529−2531、1997)、メチル化特異的PCR(“MSP”;Hermanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821−9826、1996;US Patent No.5,786,146)、およびメチル化CpG島増幅(“MCA”;Toyotaら、Cancer Res.59:2307−12、1999)などのアッセイは、これらの方法を単独で、またはこれらのその他の方法と組み合わせで使用する。
MethyLight TM 。MethyLightTMアッセイは、PCRステップ後、これ以上の操作を必要としない蛍光ベースの実時間PCR(TaqManTM)技法を使用するハイスループット定量メチル化アッセイである(Eadsら、Cancer Res.59:2302−2306、1999)。つまり、MethyLightTM処理は、標準手順によれば、重亜硫酸ナトリウム反応において、メチル化依存型配列の差異の混合プールに変換されるゲノムDNAの混合サンプルではじまる(バイサルファイト手順は、非メチル化シトシン残渣をウラシルに変換する)。その後、蛍光ベースのPCRは、「非特定的な」(既知CpGメチル化部位に重ならないプライマーを有する)PCR反応か、「特定的な」(既知CpGジヌクレオチドに重なるPCRプライマーを有する)反応のどちらかで実行される。配列識別は、増幅処理のレベルで、または蛍光検出処理のレベルのどちらかで、またはその両方で起こってもよい。
MethyLightTMアッセイは、ゲノムDNAサンプル内のメチル化パターンの定量試験として使用することができ、配列識別は、プローブハイブリダイゼーションのレベルで起こる。この定量版において、PCR反応は、特異推定メチル化部位に重なる蛍光プローブの存在下において、非特定的増幅を提供する。投入DNAの量の非特定的制御は、プライマーも、プローブにもCpGジヌクレオチドの上に横たわらない反応によって、提供される。また、ゲノムメチル化の定量試験は、既知メチル化部位(「MSP」技法の蛍光ベースン版)を「被覆」しない制御オリゴヌクレオチドか、潜在メチル化部位を被覆するオリゴヌクレオチドのどちらかを用いて、特定的PCRプールのプロービングにより達成される。
MethyLightTMアッセイ処理は、増幅処理において「TaqMan(登録商標)」プローブと共に使用することができる。例えば、二本鎖ゲノムDNAは、重亜硫酸ナトリウムで処理され、例えば、特定的プライマーおよびTaqMan(登録商標)プローブか、非特定的プライマーおよびTaqMan(登録商標)プローブかのどちらかを有するTaqMan(登録商標)プローブを使用して、2セットのPCR反応のうちの1つに従う。TaqMan(登録商標)プローブは、蛍光「レポーター」および「抑制」分子と共に、二重標識化され、相対的に高いGC含有領域に対して特異的であるために策定され、前方または逆プライマーよりもPCRサイクルで約10℃高い温度で溶解する。これは、TaqMan(登録商標)プローブをPCRアニ−リング/延長ステップ中、完全にハイブリダイズさせる。Taqポリメラーゼが、PCR中、酵素的に新規のストランドを合成する場合、最終的に、アニ−ルしたTaqMan(登録商標)プローブを達成する。その後、Taqポリメラーゼの5’から3’のエンドヌクレアーゼ活性は、実時間蛍光検出システムを使用して、消滅していない信号の定量検出のために蛍光レポーター分子を放出するために、それを消化することにより、TaqMan(登録商標)プローブを置換する。
MethyLightTM分析のための標準試薬(例えば、標準MethyLightTMベースのキットにあるような)は、特異遺伝子に対するPCRプライマー(またはバイサルファイト処理されたDNA配列またはCpG島)、TaqMan(登録商標)プローブ、最適化PCRバッファおよびデオキシヌクレオチド、およびTaqポリメラーゼなどを含むことができるが、それらに限定されない。
Ms−SNuPE。Ms−SNuPE技法は、DNAのバイサルファイト治療、そして続く単一ヌクレオチドプライマー延長に基づき、特定のCpGサイトでのメチル化差異を評価するための定量方法である(Gonzalgo&Jones、Nucleic Acids Res.25:2529−2531、1997)。つまり、ゲノムDNAは、変化しない5−メチルシトシンを離れる場合、重亜硫酸ナトリウムと反応し、非メチル化シトシンをウラシルに変換する。その後、望ましい標的配列の増幅は、バイサルファイト変換型DNAに特異的なPCRプライマーを使用して実行され、結果生成物は、隔離され、該当するCpG部位でメチル化分析のテンプレートとして使用される。少量のDNAは分析され(例えば、顕微解剖された病理セクション)、CpG部位でメチル化状態を決定する制限酵素の利用を避ける。
Ms−SnuPE分析のための標準試薬(例えば、標準Ms−SNuPEベースのキットにあるような)は、特異遺伝子に対するPCRプライマー(またはバイサルファイト処理されたDNA配列またはCpG島)、最適化PCRバッファおよびデオキシヌクレオチド、およびゲル抽出キット、陽性コントロールプライマー、特異遺伝子に対するMs−SnuPEプライマー、反応バッファ(Ms−SNuPE反応に対する)、および標識化されたヌクレオチドなどを含むことができるが、それらに限定されない。さらに、バイサルファイト変換型試薬は、DNA変性バッファ、スルホン化バッファ、DNA再生試薬またはキット(例えば、沈殿、限外ろ過、親和性カラム)、脱スルホン化バッファ、およびDNA再生構成要素を含むことができる。
MSP。MSP(メチル化特異的PCR)は、CpG島内のCpG部位の事実上いずれの群のメチル化状態、メチル化感受性制限酵素の使用の依存性を評価することを可能にする(HermanらProc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821−9826、1996;US Patent No.5,786,146)。つまり、DNAは、メチル化シトシンをウラシルに変換するものではない、全ての非メチル化を変換する重亜硫酸ナトリウムにより修飾され、メチル化対非メチル化DNAに対する特異的なプライマーで増幅する。MSPは、少量のDNAのみ必要とし、与えられたCpG島遺伝子座の0.1%のメチル化対立遺伝子に敏感で、パラフィン包埋サンプルから抽出したDNAにおいて実行することができる。標準試薬(例えば、標準MSPベースのキットにあるような)は、特異遺伝子に対するメチル化および非メチル化PCRプライマー(またはバイサルファイト処理されたDNA配列またはCpG島)、最適化PCRバッファおよびデオキシヌクレオチド、および特異的プローブなどを含むことができるが、それらに限定されない。
MCA。MCA技法は、ゲノムDNA内の改変メチル化パターンのスクリーニング、およびこれらの変化に関連する特異配列を隔離するために使用できる方法である(Toyotaら、Cancer Res.59:2307−12、1999)。つまり、それらの認識部位でシトシンメチル化に対して異なる感度を有する制限酵素は、任意的配列PCR増幅より前に、主要な腫瘍、細胞株、および正常組織からゲノムDNAを消化するために使用される。差異的メチル化を示す断片は、高分解能のポリアクリルアミドゲルにPCR生成物を分解した後、クローン化し、配列化する。その後、クローン化された断片は、これらの領域の差異的メチル化を確認するためにサザン分析のプローブとして使用される。
標準試薬(例えば、標準MCAベースのキットにあるような)は、任意配列プライマーゲノムDNAのPCRプライマー、PCRバッファおよびヌクレオチド、制限酵素および適切なバッファ、遺伝子ハイブリダイゼーションオリゴまたはプローブ、制御ハイブリダイゼーションオリゴまたはプローブなどを含むことができるが、それらに限定されない。
配列番号:1〜64および配列番号:961(好ましくは、配列番号:35、63、19および最も好ましくは配列番号:961)によるゲノム配列、および配列番号:65〜320および配列番号:962〜965(好ましくは、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230および最も好ましくは配列番号:962〜965)により異常に起こる処理された変異は、前立腺細胞増殖障害の予後および/または治療を提供するために使用を有すると決定された。
1つの実施例において、本発明は、対象に前立腺細胞増殖障害の予後を提供するための方法を提供する。特に好ましい実施例において、本発明は、前立腺細胞増殖障害の浸潤性に基づき、分類のための方法を提供する。
前記方法は、
i)表11による1つ以上の遺伝子または遺伝子配列の発現レベルおよび/またはその調節領域を決定するステップと、
ii)前記の発現レベルによる前記前立腺細胞増殖障害の予後を決定するステップとを含む。
前記発現レベルは、メチル化分析、ヘテロ接合性の消失(以下はまた、LOHという)、RNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを含むがそれらに限定されない、技術的かつ標準的ないずれの手段により決定することができる。
従って、前期方法は、そこから転写されたRNAの発現、または前記RNAから翻訳されたポリペプチドまたはタンパク質のいずれの分析を用いて可能であり、好ましくはmRNA発現分析またはポリペプチド発現分析を用いて可能である。従って、本発明はまた、前立腺癌または腫瘍を患う対象において、表11による遺伝子、ゲノム配列の発現および/または調節領域を検出、および前記対象において、治療成果の予後および/または予測を決定するための定量および質的の双方の予後アッセイおよび方法を提供する。前記遺伝子、ゲノム配列および/または調節領域は、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択することが特に好ましい。さらに好ましいものは、遺伝子PITX2である。
表 11による遺伝子またはゲノム領域から転写されるmRNAの異常発現は、特に配列番号:35、配列番号:63およびGPR7、および最も好ましいPITX2は、前立腺癌の治療結果の予後および/または予測に関連する。
遺伝子またはゲノム配列をコード化するmRNAの存在を検出するために、サンプルは、患者から得られる。前記サンプルは、腫瘍の細胞問題、最も好ましくは、原発腫瘍を含むいずれの適切なサンプルであってもよい。適切なサンプルタイプは、腫瘍細胞または細胞株、組織スライド、パラフィン包埋組織、生検、パラフィンに包埋した組織、体液(前立腺マッサージ流体および尿などのに限定されない)またはいずれの他の適切な生体試料およびその全ての可能な組み合わせを含む。
特に好ましい前記方法の実施例において、前記ソースは、原発腫瘍組織である。前記サンプルは、そこに含まれるRNAを抽出するために処理することができる。その後、前記サンプルに起因する核酸は、分析される。多くの技法は、遺伝子発現の絶対、および相対的レベルを決定するために技術的な状態において周知のことであり、本発明に使用するのに適する一般的な技法は、in situ(その場)ハイブリダイゼーション(例えば、FISH)、ノーザン解析、リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイ(RPA)、マイクロアレイおよび定量的PCRおよび差次的発現PCRまたはその他の核酸検出方法などのPCRベースの技法が公知である。
逆転写/ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)の使用が特に好ましい。RT−PCR法は、技術的分野で公知である(例えば、Watson and Fleming、上記参照)。
RT−PCR法は、以下のように実行することができる。例えば、トータル細胞RNAは、標準グアニジウム・イソチオシアネート法により分離され、トータルRNAは、逆転写される。逆転写法は、逆転写酵素酵素および3’エンドオリゴdTプライマーおよび/またはランダムヘキサマープライマーを使用して、テンプレートRNAにDNA合成を生じる。従って、cDNAは、その後、PCRを用いて増幅される(Belyavskyら、Nucl Acid Res 17:2919−2932、1989; Krug and Berger、Methods in Enzymology、Academic Press、N.Y.、Vol.152、pp.316−325、1987は、参照することにより組み込まれる)。RT−PCR法の「実時間」変形型がさらに好ましく、PCR生成物は、ハイブリダイゼーションプローブ(例えば、TaqMan、Lightcycler、Molecular Beacons&Scorpion)またはSYBRグリーンを用いて検出される。前記プローブまたはSYBRグリーンからの検出信号は、その後、標準曲線を参照することによるか、較正基準の曲線のCt値を比較することによるどちらかで定量される。ハウスキーピング遺伝子分析は、頻繁に結果を標準化するために使用される。
ノーザンブロット分析において、トータルまたはpoly(A)+mRNAは、変性アガロースゲルを継続し、乾燥ゲル自身の、または細胞膜にある標識プローブへのハイブリダイゼーションにより検出される。結果を示す信号は、RNA集団の標的RNAの量に比例する。
2つ以上の細胞集団または組織からの信号の比較は、遺伝子発現レベルの相対的差異を示す。絶対量測定は、標的RNAに対応するインビトロ転写の既知量を使用して、生成した標準曲線への信号を比較することにより実行することができる。発現レベルが状態に関わらず相対的に一定であることを期待される遺伝子である、ハウスキーピング遺伝子分析は、頻繁に結果を標準化するために使用され、細胞膜での不均一な運搬RNA、またはゲルでRNAの不均一荷重により起こる見かけの差異を削除する。
ノーザンブロット分析における最初のステップは、該当する細胞または組織から純粋な、損なわれていないRNAを分離することである。ノーザンブロット分析は、大きさによりRNAを識別するため、サンプルの完全性は、信号が単一バンドに局部集中する程度に影響を及ぼす。部分的に劣化したRNAサンプルは、感度の総合損失、あるいはデータの誤った解釈を用いていくつかのバンドがなすりつけたように尾を引いたり、または当該のバンドを分布させる信号を生じる。ノーザンブロット分析において、DNA、RNAおよびオリゴヌクレオチドプローブを使用することができ、好ましくは、これらのプローブを標識化する(例えば、放射性標識、massa標識または蛍光標識)。前記プローブではなく、前記標的RNAの大きさは、検出バンドの大きさで決定するため、可変長プローブを生成するランダムプライムド法などの方法では、プローブ合成に適している。前記プローブの特異的活性は、感度のレベルを決定するためであり、高特異性活性を有するプローブを使用することが好ましい。
リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイにおいて、定義された長さの標的RNAおよびRNAプローブは、溶解してハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションに続き、前記RNAは、いずれの非ハイブリダイズされた一本鎖RNAおよびプローブを除去するために、一本鎖核酸に対して特異的なリボヌクレアーゼを用いて消化される。リボヌクレアーゼを不活性化し、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を変性することにより、RNAを分離する。損なわれてないRNAプローブの量は、RNA集団の標的RNAの量に比例する。RPAは、遺伝子発現の相対的および絶対量測定、およびイントロン/エクソン境界および転写開始部位などのRNA構造のマッピングにも使用することができる。リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイは、一般に低い限度の検出を有する場合、ノーザンブロット分析に好ましい。
RPAに使用されるアンチセンスRNAプローブは、定義されたエンドポイントを用いて、DNAテンプレートのインビトロ転写により生成され、それは、一般的に50〜600の範囲のヌクレオチドである。標的RNAに相同ではない追加配列を含むRNAプローブの使用は、保護された断片を等身大プローブから識別させる。RNAプローブは、一本鎖RNAプローブ、RNAの再現性および信頼性:リボヌクレアーゼを有するRNA二重消化を生成する容易さにより、一般的にDNAプローブの代わりに使用され(Ausubelら、2003)、高特異性活性を有するプローブを使用することが特に好ましい。
マイクロアレイの使用が特に好ましい。マイクロアレイ解析処理は、2つの主要な部分に分けることができる。第一は、スライド・ガラス上に固定化された既知遺伝子に蛍光標識されたcDNA(問合せされた配列を含む)のハイブリダイゼーションすることにより続いて、スライド・ガラス上、またはその他の固体サポート上に既知遺伝子配列の固定化する処理である。ハイブリダイゼーション後、アレイは、蛍光マイクロアレイスキャナーを使用してスキャンされる。異なる遺伝子の相対的蛍光強度の分析は、遺伝子発現における差異の測定を提供する。
DNAアレイは、準備したスライド・ガラス上に事前合成されたオリゴヌクレオチドを固定化することにより生成することができる。この場合において、代表的な遺伝子配列は、標準オリゴヌクレオチド合成および精製方法を使用して、製造され、準備される。これらの合成された遺伝子配列は、該当する遺伝子(最もこのましくは、PITX2)に相補的であり、25から70の範囲のヌクレオチドにおいて、短い配列になりがちである。あるいは、固定化されたオリゴは、科学的にスライドの表面にin−situに合成することができる。In situオリゴヌクレオチド合成は、マイクロアレイ上のスポットに逐次添加の適切なヌクレオチドを含み、ヌクレオチドを受け取らないスポットは、物理的または仮想マスクを使用して、各ステージの処理中、保護される。
マイクロアレイ試験をプロファイリングする発現において、使用されるRNAテンプレートは、検査のもとで、細胞または組織の転写分析結果の代表である。初めに、RNAは、比較される細胞集団または組織から分離される。各RNAサンプルは、その後、逆転写反応を介して、蛍光標識されたcDNAを生成するためにテンプレートとして使用される。cDNAの蛍光標識は、直接標識するか、間接標識するかのどちらかにより、達成することができる。直接標識する間、蛍光修飾ヌクレオチド(例えば、Cy(登録商標)3−またはCy(登録商標)5−dCTP)は、逆転写の間、cDNAに直接組み込まれる。あるいは、間接標識は、cDNA合成中、アミノアリル修飾ヌクレオチドを組み込むことにより、達成することができ、逆転写反応完了後、アミノアリル修飾cDNAにN−ハイドロキシサクシニミド(NHS)−エステル色素を結合することができる。あるいは、前記プローブは、非標識化することができるが、直接または間接的のどちらかで、標識化するリガンドを用いて特異結合することにより検出可能である。リガンド(およびプローブ)を標識化するのに適する標識および方法は、技術分野において公知であり、例えば、既知の方法により組み込むことができる放射性標識(例えば、ニック翻訳法またはkinasing法)を含む。その他の適する標識は、ビオチン、蛍光基、化学発光基(例えば、ジオキセタン、特に誘発されたジオキセタン)、酵素、抗体、およびその同等物を含むが、それらに限定されない。
差異的な遺伝子発現分析を実行するために、異なるRNAサンプルから生成されたcDNAは、Cy(登録商標)3を用いて標識化される。結果として生じる標識されたcDNAは、組み込まれていないヌクレオチド、染色されていない残存RNAを除去するために精製される。精製に続いて、標識されたcDNAサンプルは、マイクロアレイにハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションの厳重さは、温度、イオン強度、時間の長さおよびホルムアミド濃度を含む、ハイブリダイゼーション中、および洗浄手順中の多数の要因により決定される。これらの要因は、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd ed.、1989)に概説される。マイクロアレイは、蛍光マイクロアレイスキャナーを使用して、ハイブリダイゼーション後、スキャンされる。各スポットの蛍光強度は、ぼんやりしたスポットは弱い発現を示すが、明るいスポットは強く発現した遺伝子に対応するその遺伝子の発現レベルを示す。
画像が取得されると、原データを分析しなければならない。初めに、蛍光のバックグラウンドを各スポットの蛍光から削除しなければならない。その後、データは、外から加えられたRNAなどの制御配列、またはアレイ設定、cDNA標識、ハイブリダイゼーションまたは洗浄における非特異的ハイブリダイゼーション、アレイ不完全性または変動性から成るハウスキーピング遺伝子パネルに標準化する。データ標準化は、比較される多数のアレイの結果を与える。
本発明は、患者から得たサンプルの前記遺伝子配列によりコード化されたポリペプチドの存在の検出のための方法をさらに提供する。
表11による遺伝子および/またはゲノム領域によりコード化されたポリペプチド(特に、配列番号:35、配列番号:63、GPR7および最も好ましくは、PITX2)のポリペプチド発現の異常レベルは、前立腺癌および腫瘍の予後および/または治療結果に関連する。
ポリペプチドを検出するための技術分野で公知のいずれの方法を使用することができる。当該の方法は、質量分析法、免疫拡散法、免疫電気泳動法、免疫化学的方法、結合リガンドアッセイ、免疫組織化学的方法、凝集および補体アッセイ(例えば、Basic and Clinical Immunologyを参照、Sites and Terr、eds.、Appleton&Lange、Norwalk、Conn.pp217−262、1991、参照により組み込まれる)を含むが、それらに限定されない。1つのまたは複数のエピトープを有する抗体に反応し、標識されたポリペプチドおよびその誘導体を競合的に置換することを含む、結合リガンド免疫測定法が好ましい。
本発明のある実施例は、表11による遺伝子および/またはゲノム領域によりコード化されたポリペプチド(特に、配列番号:35、配列番号:63、GPR7および最も好ましくは、PITX2)の特異的抗体の使用を備える。
当該の抗体は、前立腺癌予後および/または予測用途のために役立つ。ある実施例において、単クローン抗体またはポリクローナル抗体の生成は、抗遺伝子としてコード化されたポリペプチドの使用により誘発することができる。言い換えると、当該の抗体は、前立腺癌予後のためのマーカーとして発現したポリペプチドを検出するために使用することができる。当該のポリペプチドが示すレベルは、従来の方法により定量化することができる。抗体−ポリペプチド結合は、蛍光または放射性リガンドを用いた標識のような技術分野で公知の様々な手段により検出および定量化することができる。本発明は、上記に述べられた手順を実行するキットをさらに備えるものであって、当該キットは、ポリペプチドを詳しく調べるための特異的な抗体を含む。
多数の競合的および非競合的なポリペプチド結合免疫測定法は、技術分野において公知である。当該の測定法に使用される抗体は、例えば、凝集試験に使用されるような非標識であっても、多種多様の測定方法に使用される標識であってもよい。使用できる標識は、放射性核種、酵素、蛍光基質、化学発光基質、酵素基質または共同因子、酵素阻害薬、粒子、染料およびその同等物を含む。好ましいアッセイは、放射免疫測定(RIA)、酵素免疫測定法、例えば、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光免疫測定法およびその同等物を含むが、それらに限定されない。ポリクローナル抗体または単クローン抗体またはそのエピトープは、技術分野における公知の多数の方法のいずれにより、免疫学的検定で使用することができる。
前記方法のほかの実施例において、タンパク質は、ウエスタンブロット分析を用いて検出することができる。前記分析は、技術分野における標準であり、つまり、タンパク質は、例えば、SDS−PAGEの電気泳動を用いて分離される。その後、分離されたタンパク質は、例えば、ニトロセルロースのような適切な細胞膜(または紙)に転写され、電気泳動により達成される特別分離を保持する。その後、細胞膜は、細胞膜上の粘着場所に保持し結合するために、一般的タンパク質(例えば、乳タンパク質)を用いて培養される。
その後、該当するタンパク質に特異的な抗体は添加され、前記抗体は、染色または酵素手段(例えば、アルカリ性ホスファターゼまたは西洋わさびペルオキシダーゼ)により検出可能な程度に標識される。その後、細胞膜上の抗体の位置が、検出される。
前記方法のほかの実施例において、前記タンパク質は、免疫組織化学(サンプルの特異的抗原プローブへの抗体の使用)を用いて検出することができる。前記分析は、技術分野における標準であり、組織の抗原の検出は、培養された細胞が一般に免疫組織化学と称するが、免疫組織化学として公知である。つまり、一次抗体は、その特異的抗原を結合することにより検出される。その後、抗体抗原複合体は、二次酵素合成抗原により結合される。必要な基質および色原体の存在下において、結合酵素は、抗体抗原結合部位で着色された沈殿物により検出される。広範な敵するサンプルタイプ、抗体抗原親和性、抗体タイプ、および検出促進法がある。従って、免疫組織化学、または免疫細胞化学的検出の最適条件は、各個々の症例に対して当業者により決定されなければならない。
ポリペプチドへの抗体を調製するための1つの方法は、全てまたは一部のポリペプチドのアミノ酸配列選択または調製であり、アミノ酸配列を科学的に合成し、それを適切な動物、たいていはウサギまたはネズミに注射する方法である(Milstein and Kohler Nature 256:495−497、1975;Gulfre and Milstein、Methods in Enzymology:Immunochemical Techniques 73:1−46、Langone and Banatis eds.、Academic Press、1981、参照により組み込まれる)。ポリペプチドまたはそのエピトープの調製方法は、化学合成、遺伝子組み換え技術または生体試料からの分離を含むが、それらに限定されない。
前記方法の最終ステップにおいて、患者の予後が決定され、過剰発現が陰性予後を示す。過剰発現という用語は、平均、中央値または最適化閾値から成る群から選択できる事前決定されるカットオフよりも検出レベルが大きい場合、発現を意味すると解釈されるべきである。
本発明の他の態様は、前立腺癌を患う対象の予後を提供する際に使用するキットを提供し、表11による遺伝子またはゲノム領域のポリペプチドを検出する手段を備える(特に、配列番号:35、配列番号:63およびGPR7および最も好ましくはPITX2)。
ポリペプチドを検出する手段は、好ましくは、抗体、抗体誘導体、または抗体断片を備える。ポリペプチドは、標識抗体を使用してウェスタンブロット分析を用いて検出されることが最も好ましい。本発明のほかの実施例において、前記キットは、患者の生体サンプルを摂取するための手段をさらに備える。患者の生体試料のポリペプチドを検出するための手段を得るために適した容器を備える、キットであることが好ましく、そのキットの使用説明書および結果の解釈の説明書をさらに含むことが最も好ましい。好ましい実施例において、前立腺癌または腫瘍を患う患者のための治療戦略を決定するステップに使用するキットは、(a)表11による遺伝子またはゲノム領域のポリペプチドを検出する手段(特に、配列番号:35、配列番号:63およびGPR7および最も好ましくはPITX2)、(b)ポリペプチドを有する複合体を形成できる手段およびポリペプチドを含む患者の生体サンプルを含むために適する容器、(c)(b)の複合体を検出する手段、および選択的に(d)そのキット使用説明書および結果の解釈の説明書を備える。
前記キットはまた、別容器で梱包されるブロッキング、洗浄またはコーティングに適するバッファまたは溶液などのその他の構成要素を含むことができる。
前立腺癌を患う対象の予後を提供する際に使用されるキットに関連する本発明のほかの実施例において、前記キットは、表11による遺伝子(特に、配列番号:35、配列番号:63およびGPR7および最も好ましくはPITX2)またはゲノム領域の転写レベルを測定する手段を備える。好ましい実施例において、転写レベルを測定する手段は、適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件のもとで、表11による遺伝子またはゲノム領域の転写生成物(特に、配列番号:35、配列番号:63およびGPR7および最も好ましくはPITX2)に、ハイブリダイズできる、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを備える。最も好ましい実施例において、転写レベルは、ノーザンブロット分析、逆転写酵素PCR、実時間PCR、リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイ、およびマイクロアレイの群から選択される技法により決定される。本発明のその他の実施例において、前記キットは、患者の生体試料を摂取するための手段をさらに備える。
転写レベルおよび患者の生体試料を測定するための手段を含むために適する容器を含むことがさらに好ましく、そのキット使用説明書および結果の解釈の説明書をさらに備えることが最も好ましい。
好ましい実施例において、前立腺癌を患う患者に対する治療戦略を決定するステップに使用するキットは、(a)適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件のもとで、表11による遺伝子またはゲノム領域の転写生成物(特に、配列番号:35、配列番号:63およびGPR7および最も好ましくはPITX2)に、ハイブリダイズできる、複数のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、(b)前記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドおよび前記転写生成物を含む患者の生体サンプルを含むために適する容器であって、前記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件のもとで、前記転写生成物にハイブリダイズでき、(c)(b)のハイブリダイゼーションを検出するための手段、および選択的に、(d)そのキット使用説明書および結果の解釈の説明書を備える。
前記キットはまた、別容器で梱包されるハイブリダイゼーションバッファ(オリゴヌクレオチドがプローブとして使用される)のようなその他の構成要素を含むことができる。
あるいは、別容器で梱包される、オリゴヌクレオチドが標的部位を増幅するために使用される前記キットは、PCRのようなポリメラーゼにより媒介されるプライマー拡張のために最適化されるポリメラーゼおよび反応バッファを含むことができる。
本発明の実施例によれば、キットは、本発明のその他の態様による方法の発現ステップの決定ためのに使用されることが最も好ましい。
さらなる態様において、本発明は、以下のステップを備えて前立腺癌を患う対象の予後を提供するためのさらなる方法を提供する。前記方法の初期ステップにおいて、サンプルを対象から摂取する。適切なサンプルタイプは、腫瘍細胞または細胞株、組織スライド、パラフィン包埋組織、生検、パラフィンに包埋した組織、体液(前立腺マッサージ流体および尿などに限定されない)またはいずれの他の適切な生体試料およびその全ての可能な組み合わせを含む。本発明に使用するのに適する一般的な技法は、in situ(その場)ハイブリダイゼーション(例えば、FISH)、ノーザン解析、リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイ(RPA)、マイクロアレイおよび定量的PCRおよび差次的発現PCRまたはその他の核酸検出方法などのPCRベースの技法を含む。
逆転写/ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)の使用が特に好ましい。RT−PCR法は、技術的分野で公知である(例えば、Watson and Fleming、上記参照)。
RT−PCR法は、以下のように実行することができる。例えば、トータル細胞RNAは、標準グアニジウム・イソチオシアネート法により分離され、トータルRNAは、逆転写される。逆転写法は、逆転写酵素酵素および3’エンドオリゴdTプライマーおよび/またはランダムヘキサマープライマーを使用して、テンプレートRNAにDNA合成を生じる。従って、cDNAは、その後、PCRを用いて増幅される(Belyavskyら、Nucl Acid Res 17:2919−2932、1989;Krug and Berger、Methods in Enzymology、Academic Press、N.Y.、Vol.152、pp.316−325、1987は、参照することにより組み込まれる)。RT−PCR法の「実時間」変形型がさらに好ましく、PCR生成物は、ハイブリダイゼーションプローブ(例えば、TaqMan、Lightcycler、Molecular Beacons&Scorpion)またはSYBRグリーンを用いて検出される。前記プローブまたはSYBRグリーンからの検出信号は、その後、標準曲線を参照することによるか、較正基準の曲線のCt値を比較することによるどちらかで定量される。ハウスキーピング遺伝子分析は、頻繁に結果を標準化するために使用される。
ノーザンブロット分析において、トータルまたはpoly(A)+mRNAは、変性アガロースゲルを継続し、乾燥ゲル自身の、または細胞膜にある標識プローブへのハイブリダイゼーションにより検出される。結果を示す信号は、RNA集団の標的RNAの量に比例する。
2つ以上の細胞集団または組織からの信号の比較は、遺伝子発現レベルの相対的差異を示す。絶対量測定は、標的RNAに対応するインビトロ転写の既知量を使用して、生成した標準曲線への信号を比較することにより実行することができる。発現レベルが状態に関わらず相対的に一定であることを期待される遺伝子である、ハウスキーピング遺伝子分析は、頻繁に結果を標準化するために使用され、細胞膜での不均一な運搬RNA、またはゲルでRNAの不均一荷重により起こる見かけの差異を削除する。
ノーザンブロット分析における最初のステップは、該当する細胞または組織から純粋な、損なわれていないRNAを分離することである。ノーザンブロット分析は、大きさによりRNAを識別するため、サンプルの完全性は、信号が単一バンドに局部集中する程度に影響を及ぼす。部分的に劣化したRNAサンプルは、感度の総合損失、あるいはデータの誤った解釈を用いていくつかのバンドがなすりつけたように尾を引いたり、または当該のバンドを分布させる信号を生じる。ノーザンブロット分析において、DNA、RNAおよびオリゴヌクレオチドプローブを使用することができ、好ましくは、これらのプローブを標識化する(例えば、放射性標識、massa標識または蛍光標識)。前記プローブではなく、前記標的RNAの大きさは、検出バンドの大きさで決定するため、可変長プローブを生成するランダムプライムド法などの方法では、プローブ合成に適している。前記プローブの特異的活性は、感度のレベルを決定するためであり、高特異性活性を有するプローブを使用することが好ましい。
リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイにおいて、定義された長さの標的RNAおよびRNAプローブは、溶解してハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションに続き、前記RNAは、いずれの非ハイブリダイズされた一本鎖RNAおよびプローブを除去するために、一本鎖核酸に対して特異的なリボヌクレアーゼを用いて消化される。リボヌクレアーゼを不活性化し、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を変性することにより、RNAを分離する。損なわれてないRNAプローブの量は、RNA集団の標的RNAの量に比例する。RPAは、遺伝子発現の相対的および絶対量測定、およびイントロン/エクソン境界および転写開始部位などのRNA構造のマッピングにも使用することができる。リボヌクレアーゼ・プロテクションアッセイは、一般に低い限度の検出を有する場合、ノーザンブロット分析に好ましい。
RPAに使用されるアンチセンスRNAプローブは、定義されたエンドポイントを用いて、DNAテンプレートのインビトロ転写により生成され、それは、一般的に50〜600の範囲のヌクレオチドである。標的RNAに相同ではない追加配列を含むRNAプローブの使用は、保護された断片を等身大プローブから識別させる。RNAプローブは、一本鎖RNAプローブ、RNAの再現性および信頼性:リボヌクレアーゼを有するRNA二重消化を生成する容易さにより、一般的にDNAプローブの代わりに使用され(Ausubelら、2003)、高特異性活性を有するプローブを使用することが特に好ましい。
マイクロアレイの使用が特に好ましい。マイクロアレイ解析処理は、2つの主要な部分に分けることができる。第一は、スライド・ガラス上に固定化された既知遺伝子に蛍光標識されたcDNA(問合せされた配列を含む)のハイブリダイゼーションすることにより続いて、スライド・ガラス上、またはその他の固体サポート上に既知遺伝子配列の固定化する処理である。ハイブリダイゼーション後、アレイは、蛍光マイクロアレイスキャナーを使用してスキャンされる。異なる遺伝子の相対的蛍光強度の分析は、遺伝子発現における差異の測定を提供する。
DNAアレイは、準備されたスライド・ガラス上に事前合成されたオリゴヌクレオチドを固定化することにより生成することができる。この場合において、代表的な遺伝子配列は、標準オリゴヌクレオチド合成および精製方法を使用して、製造され、準備される。これらの合成された遺伝子配列は、該当する遺伝子(最もこのましくは、PITX2)に相補的であり、25から70の範囲のヌクレオチドにおいて、短い配列になりがちである。
あるいは、固定化されたオリゴは、科学的にスライドの表面にin−situに合成することができる。In situオリゴヌクレオチド合成は、マイクロアレイ上のスポットに逐次添加の適切なヌクレオチドを含み、ヌクレオチドを受け取らないスポットは、物理的または仮想マスクを使用して、各ステージの処理中、保護される。
マイクロアレイ試験をプロファイリングする発現において、使用されるRNAテンプレートは、検査のもとで、細胞または組織の転写分析結果の代表である。初めに、RNAは、比較される細胞集団または組織から分離される。各RNAサンプルは、その後、逆転写反応を介して、蛍光標識されたcDNAを生成するためにテンプレートとして使用される。cDNAの蛍光標識は、直接標識するか、間接標識するかのどちらかにより、達成することができる。直接標識する間、蛍光修飾ヌクレオチド(例えば、Cy(登録商標)3−またはCy(登録商標)5−dCTP)は、逆転写の間、cDNAに直接組み込まれる。あるいは、間接標識は、cDNA合成中、アミノアリル修飾ヌクレオチドを組み込むことにより、達成することができ、逆転写反応完了後、アミノアリル修飾cDNAにN−ハイドロキシサクシニミド(NHS)−エステル色素を結合することができる。あるいは、前記プローブは、非標識化することができるが、直接または間接的のどちらかで、標識化するリガンドを用いて特異結合することにより検出可能である。リガンド(およびプローブ)を標識化するのに適する標識および方法は、技術分野において公知であり、例えば、既知の方法により組み込むことができる放射性標識(例えば、ニック翻訳法またはkinasing法)を含む。その他の適する標識は、ビオチン、蛍光基、化学発光基(例えば、ジオキセタン、特に誘発されたジオキセタン)、酵素、抗体、およびその同等物を含むが、それらに限定されない。
差異的な遺伝子発現分析を実行するために、異なるRNAサンプルから生成されたcDNAは、Cy(登録商標)3を用いて標識化される。結果として生じる標識されたcDNAは、組み込まれていないヌクレオチド、染色されていない残存RNAを除去するために精製される。精製に続いて、標識されたcDNAサンプルは、マイクロアレイにハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションの厳重さは、温度、イオン強度、時間の長さおよびホルムアミド濃度を含む、ハイブリダイゼーション中、および洗浄手順中の多数の要因により決定される。これらの要因は、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd ed.、1989)に概説される。マイクロアレイは、蛍光マイクロアレイスキャナーを使用して、ハイブリダイゼーション後、スキャンされる。各スポットの蛍光強度は、ぼんやりしたスポットは弱い発現を示すが、明るいスポットは強く発現した遺伝子に対応するその遺伝子の発現レベルを示す。
画像が取得されると、原データを分析しなければならない。初めに、蛍光のバックグラウンドを各スポットの蛍光から削除しなければならない。その後、データは、外から加えられたRNAなどの制御配列、またはアレイ設定、cDNA標識、ハイブリダイゼーションまたは洗浄における非特異的ハイブリダイゼーション、アレイ不完全性または変動性から成るハウスキーピング遺伝子パネルに標準化する。データ標準化は、比較される多数のアレイの結果を与える。
本発明は、患者から得たサンプルの前記遺伝子配列によりコード化されたポリペプチドの存在の検出のための方法をさらに提供する。
表11による遺伝子および/またはゲノム領域によりコード化されたポリペプチド(特に、FOXL2、HIST2H2BFおよびGPR7、および最も好ましくは、PITX2)のポリペプチド発現の異常レベルは、前立腺癌および腫瘍の予後および/または治療結果に関連する。
ポリペプチドを検出するための技術分野で公知のいずれの方法を使用することができる。当該の方法は、質量分析法、免疫拡散法、免疫電気泳動法、免疫化学的方法、結合リガンドアッセイ、免疫組織化学的方法、凝集および補体アッセイ(例えば、Basic and Clinical Immunologyを参照、Sites and Terr、eds.、Appleton&Lange、Norwalk、Conn.pp217−262、1991、参照により組み込まれる)を含むが、それらに限定されない。1つのまたは複数のエピトープを有する抗体に反応し、標識されたポリペプチドおよびその誘導体を競合的に置換することを含む、結合リガンド免疫測定法が好ましい。
本発明のある実施例は、表11から選択される遺伝子、好ましくは、FOXL2、HIST2H2BFまたはGPR7および最も好ましくは、PITX2によりコード化されたポリペプチドの特異的抗体の使用を備える。
当該の抗体は、前立腺癌予後および/または予測用途のために役立つ。ある実施例において、単クローン抗体またはポリクローナル抗体の生成は、抗遺伝子としてコード化されたポリペプチドの使用により誘発することができる。言い換えると、当該の抗体は、前立腺癌予後のためのマーカーとして発現したポリペプチドを検出するために使用することができる。当該のポリペプチドが示すレベルは、従来の方法により定量化することができる。抗体−ポリペプチド結合は、蛍光または放射性リガンドを用いた標識のような技術分野で公知の様々な手段により検出および定量化することができる。本発明は、上記に述べられた手順を実行するキットをさらに備えるものであって、当該キットは、ポリペプチドを詳しく調べるための特異的な抗体を含む。
多数の競合的および非競合的なポリペプチド結合免疫測定法は、技術分野において公知である。当該の測定法に使用される抗体は、例えば、凝集試験に使用されるような非標識であっても、多種多様の測定方法に使用される標識であってもよい。使用できる標識は、放射性核種、酵素、蛍光基質、化学発光基質、酵素基質または共同因子、酵素阻害薬、粒子、染料およびその同等物を含む。好ましいアッセイは、放射免疫測定(RIA)、酵素免疫測定法、例えば、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光免疫測定法およびその同等物を含むが、それらに限定されない。ポリクローナル抗体または単クローン抗体またはそのエピトープは、技術分野における公知の多数の方法のいずれにより、免疫学的検定で使用することができる。
前記方法の別の実施例において、前記タンパク質は、ウエスタンブロット分析を用いて検出することができる。前記分析は、技術分野における標準であり、つまり、タンパク質は、例えば、SDS−PAGEの電気泳動を用いて分離される。その後、分離されたタンパク質は、例えば、ニトロセルロースのような適切な細胞膜(または紙)に転写され、電気泳動により達成される特別分離を保持する。その後、細胞膜は、細胞膜上の粘着場所に保持し結合するために、一般的タンパク質(例えば、乳タンパク質)を用いて培養される。その後、該当するタンパク質に特異的な抗体は添加され、前記抗体は、染色または酵素手段(例えば、アルカリ性ホスファターゼまたは西洋わさびペルオキシダーゼ)により検出可能な程度に標識される。その後、細胞膜上の抗体の位置が、検出される。
前記方法の別の実施例において、前記タンパク質は、免疫組織化学(サンプルの特異的抗原プローブへの抗体の使用)を用いて検出することができる。前記分析は、技術分野における標準であり、組織の抗原の検出は、培養された細胞が一般に免疫組織化学と称するが、免疫組織化学として公知である。つまり、一次抗体は、その特異的抗原を結合することにより検出される。その後、抗体抗原複合体は、二次酵素合成抗原により結合される。
必要な基質および色原体の存在下において、結合酵素は、抗体抗原結合部位で着色された沈殿物により検出される。広範な敵するサンプルタイプ、抗体抗原親和性、抗体タイプ、および検出促進法がある。従って、免疫組織化学、または免疫細胞化学的検出の最適条件は、各個々の症例に対して当業者により決定されなければならない。
ポリペプチドへの抗体を調製するための1つの方法は、全てまたは一部のポリペプチドのアミノ酸配列選択または調製であり、アミノ酸配列を科学的に合成し、それを適切な動物、たいていはウサギまたはネズミに注射する方法である(Milstein and Kohler Nature 256:495−497、1975;Gulfre and Milstein、Methods in Enzymology:Immunochemical Techniques 73:1−46、Langone and Banatis eds.、Academic Press、1981、参照により組み込まれる)。ポリペプチドまたはそのエピトープの調製方法は、化学合成、遺伝子組み換え技術または生体試料からの分離を含むが、それらに限定されない。
特に好ましい実施例において、表11による遺伝子、ゲノム配列および/または調節領域の発現レベルは、前記遺伝子、ゲノム配列および/またはその調節領域のメチル化レベルを分析することにより決定される。前記遺伝子、ゲノム配列および/またはその調節領域のメチル化レベルは、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態またはレベルを決定することにより決定されることが好ましい。前記遺伝子、ゲノム配列および/またはその調節領域のメチル化レベルは、複数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態またはレベルを決定することにより決定されることがさらに好ましい。前記遺伝子、ゲノム配列および/または調節領域は、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択されることが特に好ましい。前記遺伝子PITX2であることがさらに好ましい。前記分析は、
i)前記対象から得たゲノムDNAを、前記ゲノムDNAの少なくとも1つの標的部位内で、メチル化および非メチル化CpGジヌクレオチドを識別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させるステップを含み、前記隣接するヌクレオチドは、少なくとも1つのCpGジヌクレオチド配列を備え、
ii)i)で分析された前記標的部位のメチル化状態から決定する場合、その予後による前立腺細胞増殖障害を分類するステップと、を備える。
ゲノムDNAは、市販のキットを含む、技術分野においていずれの標準手段により分離することができる。つまり、それに該当するDNAは細胞膜により封入され、生体サンプルを酵素的、科学的または機械的手段により分離および溶解しなければならない。その後、DNA溶液は、例えば、プロテイナーゼKを用いて消化することにより、タンパク質およびその他の汚染物質を除去することができる。その後、ゲノムDNAは溶液から回復する。これは、塩析、有機抽出または固相担体へのDNAの結合を含む、様々な方法を用いて実行することができる。方法の選択は、時間、費用、およびDNAの所要数量を含む、いろいろな要因の影響を受ける。好ましくは、DNAサンプルのソースは、細胞または細胞株、組織スライド、生検、パラフィン包埋組織、体液、精液、尿、血液、およびその組み合わせから選択される。好ましくは、前記ソースは、生検、体液、精液、尿、または血液である。その後、ゲノムDNAサンプルは、5’位で非メチル化されるシトシン塩基がウラシル、チミン、またはハイブリダイゼーションの挙動においてシトシンとは異なるその他の塩基に変換されるような方法において、処理される。これは、ここで「治療」として理解される。
ゲノムDNAの上記に記載される治療は、塩基対合の挙動において、重亜硫酸塩(亜硫酸水素塩、二硫酸塩)およびウラシルまたはシトシンとは異なるその他の塩基に非メチル化シトシン核酸塩基をを変換することにより生じるアルカリ加水分解を用いて実行されることが好ましい。
その後、処置されたDNAは、前立腺癌の発展に関連する1つ以上の標的遺伝子配列(前記処置よりも前に)のメチル化状態を決定するために分析される。前記標的部位は、表11に記載されるように、遺伝子またはゲノム配列から成る群から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはゲノム配列の少なくとも16の隣接するヌクレオチドを備え、または当該ヌクレオチドに、ストリンジェントな条件のもとで、ハイブリダイズされることが特に好ましい。前記遺伝子またはゲノム配列は、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択されることが特に好ましい。遺伝子PITX2であることがさらに好ましい。添付の配列リストに記載されるように、前記遺伝子の配列が分析されることがさらに好ましい。分析方法は、ここに記載されるものを含む、技術分野における既知の遺伝子から選択することができる。ここに記載されるように、MethyLightTM、MSPTMおよびオリゴヌクレオチドをブロッキングするための使用が特に好ましい。当該の分析(プライマー、オリゴヌクレオチドのブリッキングおよびプローブの検出を含む)で使用されるいずれのオリゴヌクレオチドは、1つ以上の配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965およびそれに相補的な配列の塩基配列の少なくとも16塩基対合の長いセグメントに逆相補的で、同一であり、またはストリンジェントな、または極めてストリンジェントな条件のもとで、ハイブリダイズするべきであることがさらに好ましい。当該の分析(プライマー、オリゴヌクレオチドのブリッキングおよびプローブの検出を含む)で使用されるいずれのオリゴヌクレオチドは、1つ以上の配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、および最も好ましくは、配列番号:962から965およびそれに相補的な配列の塩基配列の少なくとも16塩基対合の長いセグメントに逆相補的で、同一であり、またはストリンジェントな、または極めてストリンジェントな条件のもとで、ハイブリダイズするべきであることが好ましい。
表11に記載されるものから得られる1つ以上の遺伝子またはゲノム配列、さらに好ましくは、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35による遺伝子またはゲノム配列の異常メチル化は、前立腺細胞増殖障害の予後に関連する。1つまたは複数の配列の分析は、前立腺細胞増殖障害の予後分類することができる。1つ以上の遺伝子またはゲノム配列の高メチル化が不良な予後に関連することがさらに好ましい。高メチル化は、一般にmRNAの発現のもとで、その結果ポリペプチドに関連する。
ある実施例において、前記方法は、前立腺細胞増殖障害の予後を提供するためのマーカーとして、表11による遺伝子から成る群から選択される1つ以上の遺伝子またはゲノム配列の使用を公開する。前記遺伝子またはゲノム配列は、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択されることが特に好ましい。前記遺伝子PITX2であることがさらに好ましい。
前記遺伝子および/または配列の前記使用は、mRNA発現分析またはタンパク質発現分析を用いて、遺伝子発現のいずれの分析を用いて可能である。しかしながら、本発明の最も好ましい実施例において、前立腺細胞増殖障害の検出が前記遺伝子またはゲノム配列のメチル化状態の分析およびそのプロモーターまたは調節要素を用いて可能である。遺伝子のメチル化分析の方法は、ここに記載される。
ある実施例において、前記方法は、前立腺細胞増殖障害の予後を提供するためのマーカーとして、表11による遺伝子から成る群から選択される1つ以上の遺伝子またはゲノム配列の使用を公開する。前記遺伝子またはゲノム配列は、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択されることが特に好ましい。前記遺伝子PITX2であることがさらに好ましい。
前記遺伝子および/または配列の前記使用は、mRNA発現分析またはタンパク質発現分析を用いて、遺伝子発現のいずれの分析を用いて可能である。しかしながら、本発明の最も好ましい実施例において、前立腺細胞増殖障害の検出が前記遺伝子またはゲノム配列のメチル化状態の分析およびそのプロモーターまたは調節要素を用いて可能である。遺伝子のメチル化分析の方法は、ここに記載される。
遺伝子、ゲノム配列または表11によるゲノム配列により規制される遺伝子のmRNA発現の異常レベルは、前立腺細胞増殖障害の予後に関連する。従って、前記遺伝子または配列の発現レベルの増加または減少は、前立腺細胞増殖障害の予後に関連する要因と共に関連付けられ、疾患の攻撃性および進行を含むが、それらに限定されない。前記遺伝子またはゲノム配列は、PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択されることが特に好ましい。前記遺伝子PITX2であることがさらに好ましい。
前立腺細胞増殖障害の予後分類において、遺伝子またはゲノム配列をコード化するmRNAの存在を検出するために、サンプルを患者から摂取する。好ましくは、サンプルのソースは、細胞または細胞株、組織スライド、生検、パラフィン包埋組織、体液、精液、尿、血液、その組み合わせから成る群から選択する。好ましくは、ソースは生検、体液、精液、尿、または血液である。サンプルは、そこに含まれる核酸を抽出するために処理することができる。サンプルから結果として生じる核酸は、ゲル電気泳動またはその他の分離法による。検出は、核酸、特に、ハイブリッド二本鎖を形成するためのプローブとして役割を果たすDNA配列を有するサンプルのmRNAに接触することを含む。ハイブリダイゼーションの厳重さは、温度、イオン強度、時間の長さおよびホルムアミド濃度を含む、ハイブリダイゼーション中、および洗浄手順中の多数の要因により決定される。これらの要因は、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd ed.、1989)に概説される。結果として生じる二本鎖の検出は、通常、標識プローブの使用により達成される。あるいは、前記プローブは、非標識化することができるが、直接または間接的のどちらかで、標識化するリガンドを用いて特異結合することにより検出可能である。プローブおよびリガンドを標識化するのに適する標識および方法は、技術分野において公知であり、例えば、既知の方法により組み込むことができる放射性標識(例えば、ニック翻訳法またはkinasing法)、ビオチン、蛍光基、化学発光基(例えば、ジオキセタン、特に誘発されたジオキセタン)、酵素、抗体、およびその同等物を含む。
前記遺伝子およびゲノム配列から転写されるmRNAのサンプルで検出の感度を増加するために、逆転写/ポリメラーゼ連鎖反応法がmRNAから転写されるcDNAを増幅するために使用することができる。逆転写/PCR法は、技術的分野で公知である(例えば、Watson and Fleming、上記参照)。
逆転写/PCR法は、以下のように実行することができる。例えば、トータル細胞RNAは、標準グアニジウム・イソチオシアネート法により分離され、トータルRNAは、逆転写される。逆転写法は、逆転写酵素酵素および3’エンドプライマーを使用して、テンプレートRNAにDNA合成を生じる。一般的には、前記プライマーは、オリゴ(dT)配列を含む。従って、生成されたcDNAは、その後、PCR法およびEYA4特異的プライマーを用いて増幅される(Belyavskyら、Nucl Acid Res 17:2919−2932、1989;Krug and Berger、Methods in Enzymology、Academic Press、N.Y.、Vol.152、pp.316−325、1987は、参照することにより組み込まれる)。
本発明はまた、ある実施例において、生体試料のテストを通じて、前立腺細胞増殖障害状態の予後を提供するために使用されるキットを説明することができる。代表するキットは、mRNAに選択的にハイブリダイズする1つ以上の核酸セグメントおよび各1つ以上の核酸セグメントのための容器を備えることができる。ある実施例において、核酸セグメントは、単一チューブ内に合成することができる。さらに実施例において、核酸セグメントはまた、標的mRNAを増幅するための1組のプライマーを含むことができる。当該のキットはまた、いずれのバッファ、溶液、溶媒、酵素、ヌクレオチド、またはハイブリダイゼーション、増幅、または検出反応に対する他の構成要素を含むことができる。キットの構成要素には、逆転写−PCR、in situハイブリダイゼーション、ノーザンアッセイおよび/またはRPAのための試薬を含むことが好ましい。
本発明の特定の実施例は、予後分類およびそれにより改善された前立腺細胞増殖障害の治療を可能にする前記配列内のメチル化レベルおよび/またはパターンの分析の新規の用途を提供する。前立腺細胞増殖障害の治療は、特定の悪性度において疾患予後に直接関連し、それにより公開される方法は、医師および患者がよりよい、さらに情報に通じた治療決定をすることが可能になる。
さらなる改善
本発明は、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961(好ましくは、配列番号:35、63、19および最も好ましくは、配列番号:961)から成る群から選択されるゲノム配列に対する新規の使用を提供する。さらに、実施例は、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961(好ましくは、配列番号:35、63、19および最も好ましくは、配列番号:961)から成る群のシトシンメチル化パターンの分析のためのヌクレオチドおよび/またはPNA−オリゴマーと同様に、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961の修飾変形型を提供する。
本発明の対象は、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961から成る群から選択される少なくとも1つのゲノム配列およびそれに相補的な配列内で、1つ以上のCpGジヌクレオチドのメチル化状態の分析を備える。好ましくは、前記群は、配列番号:35、63、19から成り、最も好ましくは、前記配列は、配列番号:961である。
公開される発明は、ゲノム配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961(好ましくは、配列番号:35、63、19および最も好ましくは、配列番号:961)から生じる処置された核酸を提供するものであって、前記処置は、ウラシル、またはハイブリダイゼーションにおいてシトシンとは検出可能な程度に異なるその他の塩基に、ゲノムDNA配列の少なくとも1つの非メチル化シトシン塩基を変換することに適するものである。当該のゲノム配列は、1つ以上の連続する、またはランダムなメチル化CpG位置を備えることができる。好ましくは、前記処置は、重亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、二硫酸塩、およびその組み合わせから成る群から選択される試薬の使用を備える。本発明の好ましい実施例において、前記対象は、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962〜965(好ましくは、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230から成る前記群、および最も好ましくは、配列番号:962〜965から成る前記群)から成る群から選択される配列の長さにおいて、少なくとも16の隣接するヌクレオチド塩基の配列を含む不自然に起こる核酸の分析を含む。配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965から成る群から選択される配列の長さにおいて、少なくとも16の隣接するヌクレオチド塩基の配列を含む不自然に起こる核酸であることが特に好ましく、それは、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961またはその他のヒトゲノムDNAに同一ではなく、相補的でもない。配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962から965から成る群から選択される配列の長さにおいて、少なくとも16の隣接するヌクレオチド塩基の配列を含む不自然に起こる核酸であることがさらに好ましく、それは、配列番号:961、35、63および19またはその他のヒトゲノムDNAに同一ではなく、相補的でもない。
前記配列は、少なくとも1つのCpG、TpAまたはCpAジヌクレオチドおよびそれに相補的な配列を備えることがさらに好ましい。配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965の配列は、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961による不自然に起こる核酸の修飾版でを提供するものであって、各ゲノム配列の修飾は、以下のような前記ゲノム配列とは異なり、独自の配列を有する核酸の合成をもたらす。例えば、配列番号:1のような各センス鎖ゲノムDNAに関して、4つの変換型版が公開される。初期版では、「C」は「T」に変換されるが、「CpG」は、「CpG」を維持し(すなわち、ゲノム配列に関しては、「CpG」ジヌクレオチド配列の全ての「C」残基は、メチル化され、従って変換されない事例に対応する)、第ニ版は、公開されたゲノムDNA配列の補体を公開するものであって(すなわち、アンチセンスストランド)、「C」は「T」に変換されるが、「CpG」は、「CpG」を維持する(すなわち、ゲノム配列に関しては、「CpG」ジヌクレオチド配列の全ての「C」残基は、メチル化され、従って変換されない事例に対応する)。配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961の「高メチル化」変換型配列は、配列番号:65から配列番号:728に対応する。第三の化学的変換版は、各ゲノム配列を提供するものであって、「C」は、全ての「C」残基に対して「T」に変換され、「CpG」ジヌクレオチド配列のC残基を含み(すなわち、ゲノム配列に関しては、CpGジヌクレオチド配列の全ての「C」残基は、高メチル化され、事例に対応する)、最終の科学的変換版では、各配列は、公開されたゲノムDNA配列の補体を公開するものであって(すなわち、アンチセンスストランド)、「C」は、全ての「C」残基に対して「T」に変換され、「CpG」ジヌクレオチド配列のC残基を含む(すなわち、各ゲノム配列の補体(アンチセンスストランド)に関しては、CpGジヌクレオチド配列の全ての「C」残基が高メチル化される場合に対応する)。配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961の「低メチル化」変換型配列は、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965に対応する。
別の好ましい実施例において、当該分析は、配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から配列番号:965によるゲノムまたは処理された(科学的に修飾された)DNA内で、シトシンメチル化状態を検出するためのオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの使用を含む。前記オリゴヌクレオチドまたはオリゴマーは、適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件下(上記に定義されているような)でハイブリダイズする、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する核酸配列を備えるものであって、配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から配列番号:965による処置された核酸配列および/またはそれに相補的な配列、または配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961および/またはそれに相補的な配列によるゲノム配列にハイブリダイズする。
従って、本発明は核酸分子(例えば、オリゴヌクレオチドおよびペプチド核酸(PNA)分子(PNA−オリゴマー))を含むものであって、適度にストリンジェントな、および/またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から965の配列の全て、または一部に、またはその補体にハイブリダイズする核酸分子を含む。核酸分子は、適度にストリンジェントな、および/またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から965の配列の全て、または一部に、ハイブリダイズする核酸分子であることが特に好ましく、それは、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961またはその他のヒトゲノムDNAに同一ではなく、相補的でもない。核酸分子は、適度にストリンジェントな、および/またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965の配列の全て、または一部に、ハイブリダイズする核酸分子であることがさらに好ましく、それは、配列番号:961、35、63および19またはその他のヒトゲノムDNAに同一ではなく、相補的でもない。
ハイブリダイズされる核酸のハイブリダイズされる部分の長さは、一般的に少なくとも9、15、20、25、30または35ヌクレオチドである。しかしながら、より長い分子が発明の効用性を有し、従って本発明の範囲内である。
好ましくは、発明のハイブリダイズされる核酸のハイブリダイズされる部分は、前記配列に、または配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から965の一部に、またはその補体に、少なくとも95%、または少なくとも98%、または100%同一である。
ここに記載されるハイブリダイズされる核酸は、例えば、プライマー(例えば、PCRプライマー)、または診断用および/または予後プローブまたはプライマーとして、使用することができる。好ましくは、核酸サンプルへのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションは、ストリンジェントな条件下で実行され、前記プローブは、標的配列に100%同一である。二本鎖核酸またはハイブリッド安定性は、融解温度またはTmとして言い表され、それはプローブが標的DNAから分離する温度である。この融解温度は、要求されるストリンジェントな条件を定義するために使用される。
標的配列に関しては、同一であるよりむしろ、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961に対応する配列(対立遺伝子多型およびSNPなど)に関連し、実質的には同一であり、唯一相同ハイブリダイゼーションが特定塩分濃度(例えば、SSCまたはSSPE)で起こる最低温度を初めに固定するために役立つ。その後、1%の不適合がTmで1℃の低下を生じると仮定すれば、ハイブリダイゼーション反応での最終洗浄温度は、それに応じて低下する(例えば、前記プローブで95%より大きい同一である配列が追求される場合、最終洗浄温度は、5℃低下する)。実際のところは、Tmの変化は、1%の不適合につき、0.5℃から1.5℃の間である。
発明のオリゴヌクレオチド(ヌクレオチド内)の長さXの実施例は、例えば、配列番号:1に関連してポリヌクレオチドの位置により示されるように、連続的に重複するオリゴヌクレオチドの長さXのセット(センスおよびアンチセンスセット)に対応する配列を含み、各連続的に重複するセット(与えられたX値に対応する)内でオリゴヌクレオチドは、以下のヌクレオチドの位置からのZオリゴヌクレオチドとして定義される。
nから(n+(X−1));
式中、n=1、2、3,…(Y−(X−1))であり;
Yは、配列番号:1(7572)の長さ(ヌクレオチドまたは塩基対合)を表し;
Xは、セット内(例えば、連続的に重複する20merのセットに対しては、X=20)の各オリゴヌクレオチドの長さ(ヌクレオチド内)を表し;および
任意の配列番号の長さYの連続的に重複するオリゴマーの長さXの数(Z)は、Y−(X−1)で表す。例えば、X=20である場合、配列番号:1のセンスまたはアンチセンスセットのどちらかに対して、Z=7572−19=7553である。
好ましくは、前記セットは、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを備えるオリゴマーに限定される。
発明の20merオリゴヌクレオチドの実施例は、オリゴマーのセット(およびその補体へのアンチセンスセット)を含み、配列番号:1に関連してポリヌクレオチドの位置により、
1〜20、2〜21、3〜22、4〜23、5〜24、……7553〜7572で示される。
好ましくは、前記セットは、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを備えるオリゴマーに限定される。
同様に、発明の25merオリゴヌクレオチドの実施例は、2,256のオリゴマーのセット(およびその補体へのアンチセンスセット)を含み、配列番号:1に関連してポリヌクレオチドの位置により、
1〜25、2〜26、3〜27、4〜28、5〜29、……7553〜7572で示される。
好ましくは、前記セットは、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを備えるオリゴマーに限定される。
本発明は、各配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から配列番号:965(センスおよびアンチセンス)に関して、複数の連続的に重複するオリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドの長さXのセットを含み、それは、例えば、X=9、10、17、20、22、23、25、27、30または35ヌクレオチドである。
本発明によるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーは、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961に対応するゲノム配列の遺伝的およびエピジェネティックパラメータを解明するために役立つ効果的なツールとなる。当該オリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドの長さXの好ましいセットは、配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から配列番号:965に(およびその補体に)対応するオリゴマーの連続的に重複するセットである。前記オリゴマーは、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを含む。
本発明による特に好ましいオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーは、CpGジヌクレオチド(または対応する変換されたTpGまたはCpAジヌクレオチド)配列のシトシンがオリゴヌクレオチドの中部3分の1内にある、すなわち、例えば、オリゴヌクレオチドが長さで13塩基である場合、CpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドが5’−末端から第5と第9の間のヌクレオチドに位置するものである。
化学的にオリゴヌクレオチドを1つ以上の部分または複合体に連結させることによって、本発明のオリゴヌクレオチドを修飾することもでき、オリゴヌクレオチドの活性、安定性または検出を向上させる。かかる部分または複合体は、例えば、米国特許5,514,758号、5,565,552号、5,567,810号、5,574,142号、5,585,481号、5,587,371号、5,597,696号および5,958,773号で開示されるように、コレステロール、コール酸、チオエーテル、脂肪族鎖、リン脂質、ポリアミン、ポリエチレングリコール(PEG)、パルミチル部分、その他などの、発色団、蛍光体、脂質を含む。プローブはまた、特に好ましい対特性を有するPNA(ペプチド核酸)の形でも存在することもある。このように、オリゴヌクレオチドはペプチドなどの他の相補群を含むこともあり、ハイブリダイゼーショントリガーされた切断剤(Krolら、BioTechniques 6:958−976、1988)または挿入剤(Zon、Pharm.Res.5:539−549、1988)を含むこともある。
このために、オリゴヌクレオチドは別の分子、例えば、発色団、蛍光体、ペプチド、ハイブリダイゼーショントリガーされた架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーショントリガーされた切断剤などと結合することもある。
オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの技術的に認識された修飾糖および/または塩基部分を含むこともあり、または修飾骨格または非自然ヌクレオシド間リンケージを含むこともある。
本発明の特定の実施形態によるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーは通常「組」で使用され、ゲノム配列配列番号:1から配列番号:64、および配列番号:961ならびにそれらの相補的な配列、または配列番号:65から配列番号:320、および配列番号:962から配列番号:965ならびにそれらの相補的な配列により、一連の処理した核酸の範囲内の対応するCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドの、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの分析用の少なくとも1つのオリゴマーを含む。しかしながら、経済上または他の要因のために、前記配列内のCpGジヌクレオチドを限定して選択し、分析することが好ましい場合があることが予想され、オリゴヌクレオチドの組の内容はそれに応じて変えられる。
したがって、特定の実施形態において、本発明は、処理したゲノムDNA(配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965)、またはゲノムDNA(配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961ならびにそれらの相補的な配列)において、シトシンメチル化状態を検出するのに役立つ一組の少なくとも二(2)つの(オリゴヌクレオチドおよび/またはPNAオリゴマー)を提供する。これらのプローブは、前立腺細胞増殖性障害の遺伝子およびエピジェネティックのパラメータの診断および/または分類を可能にする。オリゴマーの組もまた、処理したゲノムDNA(配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965)、またはゲノムDNA(配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961ならびにそれらの相補的な配列)において、単一のヌクレオチド多型(SNP)を検出するのに使用されることもある。
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドの組の少なくとも1つ、より好ましくはすべてのメンバーが固相に結合する。
さらなる実施形態において、本発明は、配列番号:1から配列番号:320および配列番号:961から配列番号:965ならびにそれらの相補的な配列、またはそれらのセグメントのうちの1つのDNA配列を増幅するための「プライマー」オリゴヌクレオチドとして使用される、一組の少なくとも二(2)つのオリゴヌクレオチドを提供する。
オリゴヌクレオチドが「アレイ」または「DNAチップ」(すなわち、異なるオリゴヌクレオチドの配列および/または固相に結合されるPNAオリゴマー)の全部または一部を構成してもよいことが予想される。かかる異なるオリゴヌクレオチドおよび/またはPNAオリゴマー配列のアレイは、例えば、長方形または六方格子の形で固相に配列されることを特徴とする。固相面は、シリコン、ガラス、ポリスチレン、アルミニウム、鋼、鉄、銅、ニッケル、銀または金から成ってもよい。ペレットの形で、または樹脂基体としても存在することが可能な、ナイロンなどのプラスチックと同様にニトロセルロースを使用してもよい。オリゴマーアレイ製造の従来の技術の概要は、Nature Genetics(Nature Genetics Supplement、第21巻、1999年1月、およびその中で引用された文献から)の特別版から収集できる。固定化したDNAアレイを走査するために、蛍光性ラベル化されたプローブを時折使用する。特定のプローブの5’−OHへCy3およびCy5染料を単に添加することは、蛍光ラベルに特に適している。ハイブリダイズされたプローブの蛍光性の検出を、例えば、共焦点顕微鏡によって行うこともある。他の多くのものに加えて、Cy3およびCy5染料は市販されている。
オリゴヌクレオチド、またはその特定の配列が、「仮想アレイ」の全部または一部を構成してもよいこともまた予想され、そこではオリゴヌクレオチド、またはその特定の配列が、例えば、検体の複合混合物を分析するために、固有にラベル化されたプローブの多様性のある集団の一部として、またはそれと組み合わせて「指示子」として使用される。かかる方法は、例えば、米国の2003/0013091(2003年1月16日に公開された、米国出願番号09/898743)で説明されている。かかる方法では、複合混合物(すなわち、それぞれの検体)のそれぞれの核酸が、固有のラベルによって固有に結合でき、したがって検出できるように(それぞれのラベルは直ちに数えられ、混合物中のそれぞれの分子種のデジタル読み出しができる)、十分なラベルを作成する。
前立腺細胞増殖性障害の予後、治療、監視、ならびに治療および監視のうち少なくとも1つに対して、本発明によるオリゴマーを活用することは特に好ましい。これは患者から分離された生体サンプルの予後を提供するために、前記組を使用することによって可能となる。以下のオリゴヌクレオチドの組のうちの1つから選択される、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドから成るオリゴマーのそれらの組が、特に好ましい。
前記方法の一実施形態では、これは、ストリンジェントな条件下で、表11による遺伝子および配列ならびにそれらの相補体から成る群から選択される遺伝子または配列の少なくとも16の隣接するヌクレオチドを含む、またはハイブリダイズする、少なくとも1つ標的配列のメチル化状態を分析することによって達成される。前記遺伝子またはゲノム配列がPITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35ならびに添付の配列リストに記載のそれらの配列からなる群から選択されることが特に好ましい。さらに好ましいのは、遺伝子PITX2である。
本発明は、シトシンメチル化および単一のヌクレオチド多型を分析することによって、対象内の配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961によるゲノム配列の遺伝子および/またはエピジェネティックなパラメータを解明するための方法をさらに提供する。好ましい実施形態では、本発明は、シトシンメチル化および単一のヌクレオチド多型を分析することによって、対象内の配列番号:35、63、19、最も好ましくは配列番号:961よるゲノム配列の遺伝子および/またはエピジェネティックなパラメータを解明するための方法をさらに提供する。前記方法は、前記対象から取得される生体サンプルにおける配列番号:1から配列番号64および配列番号961(好ましくは配列番号35、63、19および最も好ましくは配列番号961のうちの1つ以上)のうちの1つ以上を含む核酸を、少なくと1つの試薬または一連の試薬に接触させるステップを含み、ここで前記試薬または一連の試薬は、標的核酸内でメチル化されたおよび非メチル化されたCpGジヌクレオチドを識別する。
好ましくは、前記方法は以下のステップから成る。第1のステップでは、分析される組織のサンプルを得る。ソースは適切などんなソースであってもよい。好ましくは、DNAサンプルのソースは、細胞または細胞株、組織スライド、生検、パラフィン包埋組織、体液、精液、尿、血液およびその組み合わせから成る群から選択される。好ましくは、ソースは生検、体液、精液、尿である。
その後、ゲノムDNAをサンプルから分離する。市販のキットの使用を含む当技術分野の標準的な任意の手段により、ゲノムDNAを分離してもよい。端的に言えば、該当のDNAが細胞膜によってカプセル化される場合には、酵素的、化学的または機構的方法によって、生体サンプルを分裂および溶解する必要がある。その後、DNA溶液から、例えば、プロテイナーゼKで温浸することによって、タンパク質および他の汚染物質を除去してもよい。次に、溶液からゲノムDNAを回収する。これは、塩析、有機物抽出、または固相担体へのDNAの結合を含み、多様な方法を用いて実行してもよい。方法の選択は、時間、経費およびDNAの所要数量を含むいくつかの要因に影響を受ける。
核酸を抽出したら、ゲノム二本鎖DNAを分析に使用する。
前記方法の第2のステップでは、5’位で非メチル化されるシトシン塩基を、ハイブリダイゼーションの挙動という点でシトシンと異なる、ウラシル、チミンまたは他の塩基に変換するような方法によって、ゲノムDNAサンプルを処理する。これは、本明細書では、「前処理」または「処理」として理解されるであろう。
好ましくは、バイサルファイト(ハイドロジェンサルファイト、ジサルファイト)、および塩基対合の挙動という点でシトシンと異なる、ウラシルまたは別の塩基への、非メチル化されたシトシン核酸塩基の変換をもたらす、続くアルカリ加水分解によって、上述のゲノムDNAの処理を実行する。
前記方法の第3のステップでは、本発明によるプライマーオリゴヌクレオチドおよび増幅酵素の組を使用して、処理したDNAの断片を増幅する。いくつかのDNAセグメントの増幅は、1つの、および同一の反応槽の中で同時に行うことができる。一般的に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、増幅を行う。プライマーオリゴヌクレオチドの組は、配列番号65から配列番号320および配列番号962から配列番号965(好ましくは、配列番号133,134,261,262、189,190,317,318、101,102,229,230のうちの1つおよび最も好ましくは配列番号962〜965のうちの1つ)ならびにそれらの相補的な配列のうちの1つの塩基配列の、少なくとも16の塩基対の長いセグメントに対して、配列がそれぞれ逆相補または同一、またはストリンジェントまたは非常にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含む。
前記方法の代替の実施形態では、1つ以上の配列番号:1から64および配列番号:961(好ましくは1つ以上の配列番号:35、63、19および最も好ましくは配列番号:961)から成る核酸配列内のあらかじめ選択されたCpG位のメチル化状態は、メチル化に特異のプライマーオリゴヌクレオチドの使用によって検出してもよい。この技術(MSP)は、Hermanによる米国特許第6,265,171号で説明されている。バイサルファイト処理したDNAの増幅のためのメチル化状態に特異なプライマーを使用することにより、メチル化または非メチル化された核酸との間の差別化を可能にする。MSPプライマー対は、バイサルファイト処理をしたCpGジヌクレオチドにハイブリダイズする、少なくとも1つのプライマーを含む。したがって、前記プライマーの配列は少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。非メチル化されたDNAに特異のMSPプライマーは、CpGのC位の位置にある「T」を含む。したがって好ましくは、前記プライマーの塩基配列は、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:961から965(好ましくは配列番号:133,134,261,262、189,190,317,318、101,102,229,230、および最も好ましくは配列番号:962〜965)のうちの1つ、ならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズする、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含むを要求され、そこでは前記オリゴマーの塩基配列は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドから成る。
前記方法のさらに好ましい実施形態は、ブロッカーオリゴヌクレオチドの使用を含む。
かかるブロッカーオリゴヌクレオチドの使用は、Yuら、BioTechniques 23:714−720、1997によって説明されている。ブロッキングプローブオリゴヌクレオチドは、PCRプライマーと同時に、バイサルファイト処理された核酸にハイブリダイズされる。核酸のPCR増幅は、ブロッキングのプローブの5’位で終了するので、ブロッキングのプローブへの相補的な配列が存在するところで、核酸の増幅を抑制できる。メチル化状態に特異な方法で、バイサルファイト処理された核酸にハイブリダイズするようにプローブを設計してもよい。例えば、非メチル化された核酸の集団内のメチル化された核酸を検出するためには、問題の位置での非メチル化された核酸の増幅の抑制は、メチル化された核酸の増幅の抑制が要求される場合の「CpG」と対照的に、問題の位置の「CpA」または「TpA」から成るブロッキングプローブを使用して行われる可能性がある。
ブロッカーオリゴヌクレオチドを使用するPCR方法では、ポリメラーゼ媒介性の増幅を効果的に途絶するには、ポリメラーゼによってブロッカーオリゴヌクレオチドを伸長しないことが必要となる。好ましくは、「遊離」ヒドロキシル基以外の3’位で誘導体化される、3’−デオキシオリゴヌクレオチド、またオリゴヌクレオチドであるブロッカーを用いることによりこれを達成する。例えば、3’−O−アセチルオリゴヌクレオチドは、ブロッカー分子の好ましい種類の代表である。
さらに、ブロッカーオリゴヌクレオチドのポリメラーゼ媒介性の分解を防止しなけらばならない。好ましくは、かかる防止は、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性が不足しているポリメラーゼを使用、または、例えば、ブロッカー分子をヌクレアーゼ耐性状態にする、その5’−末端のチオアート架橋を有する修飾ブロッカーオリゴヌクレオチドの使用のどちらかを含む。特定の適用では、ブロッカーのかかる5’修飾を必要としない場合もある。例えば、ブロッカー結合部位およびプライマー結合部位が重なり、それによってプライマーの結合を防止する場合(例えば、過剰なブロッカーにより)、ブロッカーオリゴヌクレオチドの分解はかなり防止される。これは、ポリメラーゼがプライマーをブロッカーに向けて、またブロッカーを通して(5’〜3’の方向)伸張させず、通常ハイブリダイズされたブロッカーオリゴヌクレオチドの分解をもたらすプロセスのためである。
特に好ましいブロッカー/PCR実施形態は、本発明の目的上、また本明細書で実施されるように、ブロッキングオリゴヌクレオチドとして、ペプチド核酸(PNA)オリゴマーの使用を含む。かかるPNAブロッカーオリゴマーは、ポリメラーゼにもよって分解も伸長もされないので、理想的に適合している。
したがって好ましくは、前記ブロッキングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965のうちの1つならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズされる、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含むことを要求され、そこでは前記オリゴヌクレオチドの塩基配列は、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを含む。より好ましくは、前記ブロッキングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは配列番号:133,134,261,262、189,190,317,318、101,102,229,230、さらに好ましくは配列番号:962〜965のうちの1つならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズされる、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含むことが要求され、そこでは前記オリゴヌクレオチドの塩基配列は、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを含む。
増幅を用いて取得された断片は、直接または間接的に検出できるラベルを有することができる。質量分析計で検出できる典型的な質量を有する蛍光ラベル、放射性核種または分離可能な分子断片の形のラベルが好ましい。前記ラベルが質量ラベルである場合には、ラベル化された増幅産物は、単一の陽性または陰性正味電荷を有し、質量分析計でより優れた検出能が可能となることが好ましい。検出は、例えば、マトリクス支援レーザ離脱/イオン化質量分析(MALDI)を用いて、または電子スプレー質量分析(ESI)を使用して実行および視覚化してもよい。
マトリクス支援レーザ離脱/イオン化質量分析(MALDI−TOF)は、生体分子の分析には非常に効果的な成果である(Karas&Hillenkamp、Anal Chem.、60:2299−301、1988)。検体を光吸収マトリクスに埋め込む。
マトリクスは短レーザパルスによって蒸発し、したがって、断片化しないよう気相で検体分子が輸送される。マトリクス分子との衝突によって検体をイオン化する。印加電圧は、フィールドフリー飛行管の中にイオンを加速する。それらの異なる質量のために、異なる程度でイオンは加速する。比較的小さなイオンは、比較的大きいイオンより早く検出器に達する。MALDI−TOF分光分析は、ペプチドおよびタンパク質の分析に、うまく適している。核酸の分析は、いくぶんより難しい(Gut&Beck、Current Innovations and Future Trends、1:147−57、1995)。核酸分析に関する感度は、ペプチドに関するより約100倍少なく、断片サイズを増大することで、不相応に減少する。さらに、負の多価バックボーンを有する核酸には、マトリクスによるイオン化プロセスは、かなり効率が悪い。MALDI−TOF分光分析では、マトリクスを選択することは、きわめて重要な役割である。ペプチドの脱着には、非常に純度の高い結晶を生産する、いくつかの非常に効率的なマトリクスが発見されてきた。今ではDNAにはいくつかの反応のよいマトリクスがあるが、しかし、ペプチドおよび核酸との間の感度における差異は減少していない。しかしながら、DNAがペプチドとより類似するような方法で、感度におけるこの差異は、化学的にDNAを修飾することによって減少できる。例えば、バックボーンの常在リン酸塩がチオリン酸エステルと置換される、ホスホロチオアート核酸は、単純なアルキル化化学反応を使用して、電荷中性のDNAに変換できる(Gut&Beck、Nucleic Acids Res.23:1367−73、1995)。この修飾DNAへの電荷タグを結合することは、ペプチドに発見されたのと同じレベルまで、MALDI−TOF感度における増加をもたらす。電荷タグ付けのさらなる利点は、不純物に対する分析の安定性の増加であり、それは非修飾基質の検出を、相当より困難にする。
前記方法の第4のステップでは、前記方法の第3のステップの間に取得された増幅産物を、処置に先立ってCpGジヌクレオチドのメチル化状態を確実にするために分析する。
増幅産物がMSP増幅を用いて取得された実施形態において、前記プライマーの塩基配列に従い、増幅産物の有無は、プライマーで覆われるCpG位のメチル化状態をそれ自体示す。
シークエンシングおよびテンプレートによる伸長法などの技術を用いると同様に、限定はされないが、アレイ技術およびプローブに基づく技術などのハイブリダイゼーションに基づく方法を用いて、標準およびメチル化特異PCRを用いて取得された増幅産物をさらに分析してもよい。
前記方法の一実施形態では、ステップ3で合成された増幅産物を、アレイまたは一組のオリゴヌクレオチドおよび/またはPNAプローブに、続いてハイブリダイズする。このような状況において、ハイブリダイゼーションは以下の方法で行われる。ハイブリダイゼーションの間に使用される一組のプローブは好ましくは、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドまたはPNA-オリゴマーから成り;そのプロセスでは、増幅産物はすでに固相に結合されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするプローブとして役立ち;続いて非ハイブリダイズされる断片を取り出し;前記オリゴヌクレオチドは少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する少なくとも1つの塩基配列を含み、それは本配列リストで特異の塩基配列のセグメントと逆相補的または同一であり;セグメントは少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを含む。
好ましい実施形態では、前記ジヌクレオチドは、オリゴマーの中央部全長3分の1に存在する。例えば、そこで、オリゴマーが1つのCpGジヌクレオチドを含む場合には、前記ジヌクレオチドは好ましくは、13−merの5’末端から第5から第9のヌクレオチドである。1つのオリゴヌクレオチドは、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961による配列内のそれぞれのCpGジヌクレオチド、および配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965内の相当する位置を分析するために存在する。前記オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸の形でも存在してもよい。次に、非ハイブリダイズされた増幅産物を取り出す。その後、ハイブリダイズされた増幅産物を検出する。このような状況において、増幅産物に付けられたラベルが、オリゴヌクレオチド配列が位置する固相のそれぞれの位置で特定可能であることが好ましい。
前記方法のさらなる実施形態では、CpG位のゲノムメチル化状態は、PCR増幅プライマーと同時にバイサルファイト処理したDNAにハイブリダイズされる、オリゴヌクレオチドプローブを用いて確実にしてもよい(そこでは前記プライマーは、特異または標準のどちらかのメチル化である可能性がある)。
この方法の特に好ましい実施形態は、蛍光に基づく実時間定量PCR(Heidら、Genome Res.6:986−994、1996;米国特許6,331,393号もまた参照されたし)を使用し、二重ラベルが付いた蛍光オリゴヌクレオチドプローブ(ABIプリズム7700配列検出システム、Perkin Elmer Applied Biosystems、カルフォルニア州、フォスターシティを使用した、TaqManTM PCR)を用いる。TaqManTMPCR反応は、TaqManTMプローブと呼ばれる、非伸長可能な問い合わせオリゴヌクレオチドの使用を用い、好ましい実施形態において、前方増幅プライマーと逆増幅プライマーとの間に位置するGpCを、豊富な配列にハイブリダイズするよう設計する。TaqManTMプローブは、TaqManTMオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに付着しているリンカー部分(例えば、ホスホラミダイト)に共有結合している蛍光性の「リポーター部分」および「クエンチャー部分」さらに含む。バイサルファイト処置後の核酸内のメチル化の分析には、MethylLightTMアッセイとしても知られている、米国特許第6,331,393号(その全体は参照することによって本明細書に組み込まれる)で説明されるように、プローブが特異のメチル化であることが要求される。説明された発明にも使用するのに適当であるTaqManTM検出方法論のバリエーションは、二重プローブ技術(LightcyclerTM)または蛍光性増幅プライマー(SunriseTM技術)の使用を含む。バイサルファイト処理されたDNAの使用、さらにCpGジヌクレオチド内のメチル化分析に適切な方法で、これら両技術を適合させることもある。
バイサルファイト処理された核酸の分析によるメチル化の評価のためのプローブオリゴヌクレオチドを使用するためのさらに適当な方法。前記方法のさらに好ましい実施形態では、前記方法の第5のステップは、Gonzalgo&Jones、Nucleic Acids Res.25:2529−2531、1997により説明されるように、MS−SNuPEなどの、テンプレートによるオリゴヌクレオチド伸長の使用を含む。
前記方法のさらなる実施形態では、前記方法の第4のステップは、前記方法の第3のステップで生産された増幅産物のシークエンシングおよび続く配列分析を含む(Sanger F.ら、Proc Natl Acad Sci USA 74:5463−5467、1977)。
最良の形態
前記方法の最も好ましい実施形態では、上記に概略を説明した方法の最初の3つのステップにより、ゲノム核酸を分離し処理する。すなわち、
a)対象から、対象のゲノムDNAを有する生体サンプルを取得するステップと、
b)ゲノムDNAを抽出するか、あるいは分離するステップと、
c)シトシン塩基の5位で非メチル化されるシトシン塩基を、ハイブリダイゼーション性質という点で、検出可能的にシトシンと異なるウラシルまたは他の塩基に変換するために、1つ以上の試薬によって、b)のゲノムDNAまたはその断片を処理するステップであり、ここで、
d)メチル化特異の方法、すなわちメチル化特異プライマーまたはブロッキングオリゴヌクレオチドの使用によって、c)での処置後に増幅するステップを実行し、さらに、
e)上述のように、実時間検出プローブを用いて、増幅産物の検出を実行する。
好ましくは、上述のように、メチル化特異プライマーを用いて、続くd)の増幅を実行する場合には、前記メチル化特異プライマーは、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:962から配列番号:965のうちの1つならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズされる、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含み、そこでは前記オリゴマーの塩基配列は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。より好ましくは、上述のように、メチル化特異プライマーを用いて、続くd)の増幅を実行する場合には、前記メチル化特異プライマーは、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、さらに好ましくは配列番号:962〜965のうちの1つならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズされる、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含み、そこでは前記オリゴマーの塩基配列は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。
前記方法の他の最も好ましい代替の実施形態では、上述のように、ブロッキングオリゴヌクレオチドの存在下で、続くd)の増幅を実行する。前記ブロッキングオリゴヌクレオチドは、配列番号:65から配列番号:320および配列番号:961から配列番号:965のうちの1つならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズされる、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含み、そこでは前記オリゴマーの塩基配列は、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを含む。より好ましくは、前記ブロッキングオリゴヌクレオチドは、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、さらに好ましくは配列番号:962〜965のうちの1つならびにそれらの相補的な配列により、処理された核酸配列にハイブリダイズされる、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する配列を含み、そこでは前記オリゴマーの塩基配列は、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチドを含む。
前記方法のステップe)、すなわち、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961(好ましくは配列番号35、63、19、さらに好ましくは配列番号:961)による、1つ以上のCpG位のメチル化状態を示す特異増幅産物の検出は、上述のように、実時間検出方法を用いて実行する。
本発明のさらなる実施形態は、本発明の配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961(好ましくは配列番号35、63、19、さらに好ましくは配列番号:961)ならびにそれらの相補的な配列により、ゲノムDNAのメチル化状態を前処理の必要なく分析する方法を提供する。
かかるさらなる実施形態の第1のステップでは、組織または細胞源からゲノムDNAサンプルを分離する。好ましくは、かかる細胞源は、細胞系、組織学的スライド、体液またはパラフィンに埋め込まれた組織を含む。第2のステップでは、ゲノムDNAを抽出する。抽出には、洗浄剤溶解物、可聴化およびガラス玉によるボルテックスの使用を含むがこれらに限定されない、当業者に標準的な手段を使用してもよい。核酸を抽出するとすぐに、ゲノム二本鎖DNAを分析に使用する。
好ましい実施形態において、処置に先立ってDNAを開裂することもあり、これは特にメチル化感受性制限エンドヌクレアーゼにより、最先端技術で標準の任意の手段により行ってもよい。
第3のステップでは、その後、1つ以上のメチル化感受性制限酵素によりDNAを消化する。制限部位のDNAの加水分解が、特異のCpGジヌクレオチドのメチル化状態で有益となるように、前記消化を行う。
任意であるが好ましい実施形態である、第4のステップでは、制限断片を増幅する。好ましくは、これはポリメラーゼ連鎖反応を使用して実行し、前記増幅産物は、上述した適切な検出可能なラベル、すなわち、フルオロフォアラベル、放射性核種および質量ラベルを有することもある。
第5のステップでは、増幅産物を検出する。例えば、ゲル電気泳動分析、ハイブリダイゼーション分析、PCR製品内の検出可能なタグの取り込み、DNAアッセイ分析、MALDIまたはESI分析に限定しないが、当技術分野における任意の標準的手段により検出を行う。
ゲノム核酸のメチル化状態を決定した後、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961の少なくとも1つのCpGジヌクレオチド配列のメチル化状態、ならびに、配列番号:1から配列番号:64および配列番号:961の複数のCpGジヌクレオチド配列の平均的メチル化状態を反映する平均値または値に基づいて、前立腺ガンの予後を推測する。前記予後は好ましくは、遺伝子PITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35(配列番号:35、63、19、最も好ましくは配列番号:961)の少なくとも1つのCpGジヌクレオチド配列のメチル化状態、ならびに、配列番号:35、63、19、最も好ましくは配列番号:961の複数のCpGジヌクレオチド配列の平均的メチル化状態を反映する平均値または値に基づく。前記CpG位の低メチル化は良好な予後に関連し、また高メチル化は不良な予後に関連する。一般的に、mRNAの発現のもと、およびポリペプチドにより、高メチル化は関連する。低メチル化および高メチル化を決定するカットオフポイントは、所定の集団の平均メチル化レベルであってもよく、好ましくは最適化されたカットオフのレベルである。配列番号:35の分析には、カットオフは30%と40%との間のメチル化であることが好ましく、最も好ましくは36.42%である。配列番号:63の分析には、カットオフは2%と10%との間のメチル化であることが好ましく、最も好ましくは5.96%である。GPR7の分析には、カットオフは20%と10%との間のメチル化であることが好ましく、最も好ましくは16.65%である。PITX2の分析には、カットオフは20%と10%との間のメチル化であることが好ましく、最も好ましくは14.27%である。
発現分析(最も好ましくはメチル化分析を用いる)の、本明細書に説明されるマーカー(好ましくはPITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35)の本発明による方法を、前立腺ガンの予後を決定するのに使用する場合に、最も好ましくはグリーソンスコアだが、ノモグラムスコアおよびPSAレベルを含み、予後を決定するのに使用される他の臨床的予後変数と組み合わせて、好ましくは前記方法を使用する(すなわち、前記変数を計算に入れる、または考慮に入れる)。本発明の好ましい実施形態では、本明細書で説明される、マーカーPITX2および配列番号:35のそれぞれの予後発現分析が、局限性臓器(T2)前立腺ガンを示す患者に行われる。PITX2および配列番号:35にはT2前立腺ガンを決定する際にはっきりと異なる利点を有する一方で、現在の臨床的実践では、T2前立腺ガンを示しているすべての患者が良好の予後を有すると見なされる。本発明によると、不良な予後(高メチル化)を有する前記T2患者は、T3(非局限性臓器)前立腺ガンを示している患者より典型的な予後を有するであろうし、また適切に治療される可能性がある。さらに、マーカーPITX2および配列番号:63のそれぞれの予後発現は、高いグリーソンスコア(8以上)を表している患者の分析において、さらなる有用性を有する。前記患者は、不良な予後を有すると現在考えられるが、しかし、PITX2および配列番号:63の発現分析の、本明細書に説明されている方法を用いて、不良な予後(高メチル化)を有するグリーソンスコアの高い患者と、良好な予後を有する患者を識別することは、初めて可能となる。現在グリーソンスコアの高い患者のすべては、手術後のアジュバント治療の候補と考えられ、したがって、発明による方法は前記患者の過剰治療の防止を可能にする。加えて、マーカー配列番号:63の予後発現分析は、ノモグラムスコアに基づく不良な予後を示している患者の分析においてさらに有用である。
キット
さらに、本発明のさらなる側面は、例えば、バイサルファイトを含有する試薬;それぞれの症例で対応するか、相補的であるか、または、ストリンジェントもしくは非常にストリンジェントな条件下で、配列番号:1から配列番号:320もしくは配列番号:961から965の配列の16ベースの長いセグメントにハイブリダイズする配列の、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含んでいる一組のプライマーオリゴヌクレオチド;オリゴヌクレオチドおよび/またはPNA−オリゴマー;その上、説明した方法を実行および評価するための説明書を備えるキットである。さらに好ましい実施形態では、前記キットは、CpG位特異メチル化分析を実行するための標準的試薬をさらに備えてもよく、そこでは前記分析は以下の技術のうち1つ以上を含む。MS−SNuPE、MSP、MethyLightTM、HeavyMethylTM、COBRA、および核酸シークエンシング。
しかしながら、本発明の方向に沿ったキットは、前述の要素の一部だけを含むこともできる。
前記キットは好ましくは、バイサルファイトを含有する試薬;それぞれの症例で対応するか、相補的であるか、または、ストリンジェントもしくは非常にストリンジェントな条件下で、配列番号:133,134,261,262、189,190,317,318、101,102,229,230、さらに好ましくは配列番号:962〜965の配列の16ベースの長いセグメントにハイブリダイズする配列の、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含んでいる一組のプライマーオリゴヌクレオチド;オリゴヌクレオチドおよび/またはPNA−オリゴマー;その上、説明した方法を実行および評価するための説明書を備える。さらに好ましい実施形態において、前記キットはCpG位特異的メチル化分析を実行するために標準的な試薬をさらに含むこともあり、そこでは前記分析は以下の技術のうちの1つ以上を含む。MS−SNuPE、MSP、MethyLightTM、HeavyMethylTM、COBRAおよび核酸シークエンシング。しかしながら、本発明の方向に沿うキットはまた、前述の構成要素の一部だけを含むこともできる。
説明された発明は、前立腺ガン患者の予後を予測するのに役立つ組成物をさらに提供する。前記組成物は、配列番号133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965から成る群から選択される核酸配列のセグメントの長さにおいて少なくとも1つの核酸18塩基対、および塩化マグネシウム、dNTP、タックポリメラーゼ、ウシ血清アルブミン、特にオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸(PNA)オリゴマーにあるオリゴマーを含む群から採取される1つ以上の物質を含み、前記オリゴマーは、いずれの場合も、配列番号133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965およびそれらの相補的な配列により、前処理されたゲノムDNAに相補的、または適度にストリンジェントもしくはストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、少なくとも9つのヌクレオチドの長さを有する少なくとも1つの塩基配列を有する。前記組成物が水溶液中で前記核酸の安定化に適切な緩衝液を含み、また前記溶液内でポリメラーゼに基づく反応を可能にすることが好ましい。適切な緩衝液は当技術分野において知られていて、市販されている。
一実施形態において、本発明は、対象における前立腺癌または前立腺腫瘍の診断を下すための方法を提供する。前記方法は、以下のステップを含む。
i)CDRN2A、ELK1、GSTP1、RARB、PTGS2、RASSF1、ESR2、ONECUT2、BTG4、SLC35F2、HOXB5、LIMK1、HIST1H4J、配列番号:35、EPAS1、NOTCH1、配列番号:55、PTPRN2、Q9NP73、MX1、DOCK10、CCND2、ISL1、SNAPC2、GRN、H2AFY2、WDFY3、FOS、FAT、Q86SP6、SLC38A1、SNRPN、GPRK5、FBN2、ARHGEF18、RHOC、KBTBD6、NR2E1、PSD、DRG1、Q8N365、配列番号:44、Q96S01、CD37、CMYA3、配列番号:61、Q8NCX8およびZNF566および/またはそれらの制御領域のうちの、または前記配列番号による1つ以上の遺伝子または遺伝子配列の発現レベルを決定するステップと、
ii)前記表現レベルにより、前記前立腺癌または前立腺腫瘍の有無を決定するステップ。
前記発現レベルは、メチル化分析、ヘテロ接合性の消失(以下、LOHとも称する)、RNA表現レベルおよびタンパク質の表現レベルを含むがこれに限定されない、当技術分野において任意の標準手段によって決定してもよい。
したがって、前記方法は、転写されるRNA、または前記RNAから翻訳されるポリペプチドもしくはタンパク質の発現の任意の分析を用いて、好ましくは、mRNA発現分析およびポリペプチド発現分析を用いて可能となる。
したがって、CDRN2A、ELK1、GSTP1、RARB、PTGS2、RASSF1、ESR2、ONECUT2、BTG4、SLC35F2、HOXB5、LIMK1、HIST1H4J、配列番号:35、EPAS1、NOTCH1、配列番号:55、PTPRN2、Q9NP73、MX1、DOCK10、CCND2、ISL1、SNAPC2、GRN、H2AFY2、WDFY3、FOS、FAT、Q86SP6、SLC38A1、SNRPN、GPRK5、FBN2、ARHGEF18、RHOC、KBTBD6、NR2E1、PSD、DRG1、Q8N365、配列番号:44、Q96S01、CD37、CMYA3、配列番号:61、Q8NCX8およびZNF566に適用されるように、表11により遺伝子、ゲノム配列および/または制御領域の発現を検出するための定量的および質的の両方の予後アッセイおよび方法は、前記診断目的のために適切である。さらに、表11による上述の遺伝子および配列の分析用の、上述の組成物、キットおよび核酸はまた、CDRN2A、ELK1、GSTP1、RARB、PTGS2、RASSF1、ESR2、ONECUT2、BTG4、SLC35F2、HOXB5、LIMK1、HIST1H4J、配列番号:35、EPAS1、NOTCH1、配列番号:55、PTPRN2、Q9NP73、MX1、DOCK10、CCND2、ISL1、SNAPC2、GRN、H2AFY2、WDFY3、FOS、FAT、Q86SP6、SLC38A1、SNRPN、GPRK5、FBN2、ARHGEF18、RHOC、KBTBD6、NR2E1、PSD、DRG1、Q8N365、配列番号:44、Q96S01、CD37、CMYA3、配列番号:61、Q8NCX8およびZNF566の分析に有用であり、したがって、前立腺癌または前立腺腫瘍の検出に適用できる。
本発明をある好ましい実施形態により特異性を持って説明してきたが、以下の実施例および表は、本発明を説明するためだけに役立ち、最も広範囲の解釈の原理および範囲、ならびにそれらに相当する形態に本発明を限定することは意図されない。
実施例
調査概要
本調査の目的は、転移能を有する浸潤性腫瘍を患う、前立腺癌患者を特定できる、遺伝子マーカーを開発することである。異なった形で発現されるゲノムマーカーを特定するために、メチル化分析を使用することとした。
新規のマーカーを発見するために、ゲノム規模でのスクリーニングステップから調査を始めた。このアプローチは、患者サンプルの所定の群間での差別的なメチル化を決定するための、分子生物学的方法を利用する。前記ゲノムスクリーニング方法を使用して特定される差別的にメチル化された配列は、本明細書ではメチル化配列タグ(MeSTとも称する)と称される。ゲノム規模でのスクリーニングステップは、差別的にメチル化されたCpG部位を特定する。特定されたCpG部位を囲んでいる領域に関する追加情報は、スクリーニングステップ(MeSTまたはメチル化配列タグ)およびヒトゲノムのマッピングで見つかる配列のBLAST分析によって得られる。
ゲノム規模でのスクリーニングによる候補の特定に続いて、有望な候補のサブセットのためにMSP MethyLightTMアッセイが開発された。これらのアッセイは、臨床転帰情報により56の前立腺摘除術サンプルでメチル化を分析するのに使用された。MSP MethyLightTMアッセイは敏感で定量的であり、またCpGコメチル化を利用しており、したがって、このアッセイフォーマットは、DNA配列技術に補完的なデータを提供する。
その後、すべての有望なMeST候補およびいくつかの追加候補を、以下にさらに詳細に説明する、出願者が独自に開発したチップ技術を使用したメチル化オリゴヌクレオチド配列によって分析した。適当なサンプルセットが使用されれば、このプロセスはMeSTまたは候補遺伝子の予備性能に関する情報を提供する。候補マーカーは、チップデータ分析から得たデータに基づいて選択される。選択は主に、望ましいクラス間の区別に対するマーカーのAUCに基づいている。
開発プロセスを完了するために、アッセイ開発のためにチップ研究から選択された補マーカーを、可能性のある診断または予後テスト(パラフィン包埋組織)に対して使用される標的集団およびサンプル物質でのさらなる検証のために、実時間のPCRアッセイで検定した。
実施例1:MeSTスクリーニング
実験計画
腫瘍の浸潤性と関連するマーカーのゲノム規模でのスクリーニングに、前立腺癌サンプルからのプールゲノムDNAを使用した。2つの異なる方法、メチル化特異性任意配列プライマーポリメラーゼ連鎖反応(MS−APPCR)(Liangら、1998)およびメチル化CpG島増幅(MCA)(Toyotaら、1999)が適用された。これらの技術は、メチル化感受性酵素n概要を用いてメチル化されたCpG部位と非メチル化されたCpG部位を区別し、ゲノムDNAはメチル化感受性制限酵素で切断される。非メチル化された部位での分裂は非メチル化された標的の増幅を防止するので、メチル化された断片は選択的に増幅される。これらの技術を使用して得られるメチル化された配列タグ(MeST)断片は、Ensemblデータベース(www.ensembl.org)のBLASTユーティリティを利用して配列が決定され、ヒトゲノムにマッピングされる。
スクリーニング段階の腫瘍の浸潤性の主要な定義は、根治的前立腺摘除術の後のPSAの再現に基づいた。浸潤性腫瘍は、24ヵ月未満で再発したものと定義された。非浸潤性腫瘍は、PSA定期テストのフォローアップで最低48ヵ月後にも再発しなかったものと定義された。それぞれのカテゴリーで5つのサンプルがプールされ、それぞれのカテゴリーに対して3つのプールがある。浸潤性腫瘍患者のPSAの再現までの期間の平均値は、5.1ヵ月であった。再発しなかった患者のフォローアップ期間の平均値は、60.3ヵ月であった。PSAの再現の前に、ネオアジュバントまたはアジュバント療法を受けた患者はなかった。
我々は、浸潤性の代替指標による他の4つの比較もまた含めた。グリーソン悪性度4および5のサンプルを、グリーソン悪性度1、2および3のサンプルと比較した。末期腫瘍(IIIおよびIV)を、初期腫瘍(IおよびII)と比較した。辺縁領域腫瘍を移行領域腫瘍と比較した。最後に、早期にPSAを再発(2年未満)した患者の腫瘍に隣接している正常組織を、PSAを再発(4年以降のフォローアップ)しなかった患者の腫瘍に隣接している正常組織と比較した。
スクリーニング
通常、MeSTスクリーニングプロセスにより、可能性のあるマーカーを表す多数の配列が得られる。それらのうちのいくつかは、冗長であるか、またはゲノムと一致できない。残りの配列は、評価手順採点法を使用して選択される。
多角的な方法を使用した状況
同一タイプの多角的なプール比較における状況
CpG島での位置
プロモーター領域における位置
遺伝子配列の近くまたは内部の位置
癌のある近隣遺伝子の関連性
遺伝子のクラス(転写因子、増殖因子など)
反復要素(負のスコア)
このスコアスキームでは、MeST配列はそれぞれの正の基準(最初の7つの基準)に対して1ポイントを得て、50%を超える反復配列内容を有すると、8を引いたスコアを得る(負のスコア)。後者の場合、MeSTは常に全体的に負のスコアを有する。MeSTスクリーニング実験の結果を表2および表3に集約した。
スコア基準および可能性のある遺伝子機能の文献に基づいた調査を使用して、チップ単位複製配列計画法のために80の遺伝子を選択した。PSAの再現に基づく比較からのMeSTを優先するが、他の比較からの多くのMeSTを単位複製配列計画法リストに含めた。
実施例2:実時間PCR研究
実験計画
前立腺癌浸潤性のマーカーとしてのMeSTの性能に関する初期データを得るために、MeSTスクリーニングから有力な候補のためのTaqmanTM7900でMSPアッセイを開発した。
本明細書で使用するように、用語MSP−MethyLightとは、メチル化特異プライマーを用いてバイサルファイト処理をした配列の増幅、およびMethyLight検出オリゴヌクレオチドを用いて得られた増幅産物の検出を含むアッセイを指すと解釈されるべきである(「プローブ」とも称される)。
多数のMeSTのために、MSP−MethyLightアッセイを開発した(表12を参照)。アッセイの性能を確実にするために、非メチル化されたDNAで、人工的にメチル化されたDNAおよびメチル化されたDNAの希釈物でアッセイを検定した。すべてのアッセイでは、20〜100ナノグラムの非メチル化されたDNAの有無で、わずか100ピコグラムのメチル化されたDNAを増幅できた。ほとんどのアッセイでは、0.1%から100%の間のメチル化で定量的であった。
36のアッセイのうち、前立腺腫瘍DNAのプールで21をメチル化した。スクリーニングプロセスからの46のサンプルで、これら21のアッセイを最初に検定した。これら46のサンプルは、24ヵ月未満に再発した患者からの14の前立腺摘除術、および最低48ヵ月後にも再発しなかった患者からの18の前立腺摘除術を含んだ。さらに、フォローアップ情報のない患者が14人いて、9人は高いグリーソン(スコア8〜10)であり、5人は低いGleason(スコア2〜6)であった。この実験のデータは、単独のサンプルセットとして7つのアッセイを選ぶのに使用された。
第2のサンプルセットは、PSAの再現までの平均期間が6ヵ月で、早期にPSAを再発した患者からの26の根治的前立腺摘除術の冷凍サンプルと、最低48ヵ月(平均フォローアップ期間は60ヶ月であった)後にもPSAを再発しなかった患者からの30のサンプルから構成された。閾値サイクル(Ct)とメチル化されたDNAの標準曲線を比較することによって、それぞれの遺伝子座でメチル化されたDNAの量を測定するのに、MethyLightTMアッセイを使用した。DNAの総量を測定するのにコントロールアッセイを使用した。すべてのアッセイに対してすべてのサンプルを3回検定した。プライマーとプローブを表12に記載する。DNAの総量に対するメチル化されたDNAの比率が、それぞれのサンプルでのそれぞれの候補のメチル化状態を示すのに使用された。
結果
ROCカーブ(図2〜図8)を作図し、感度、特異性およびp値を計算するのに、それぞれのアッセイに対するメチル化値を使用した。表4にデータを集約した。いくつかの候補に対するAUC値は、マーカーのメチル化が予後値を有することができたことを示唆する。6つの候補で、0.68以上のAUCがあった。最も有力な候補、配列番号:19(GPR7)および配列番号:35(FOXL2の下流のゲノム領域)は、ボンフェローニの補正後、ウィルコクソン検定で顕著であった。特異性がこれら2つのアッセイに対して87%に設定される場合、感度はそれぞれに対して約50%である。(配列番号は、表11の遺伝子名と相関性がある。)
実施例3:チップ研究
チップ研究では、候補遺伝子および選択したMeSTsから成る遺伝子パネルを、出願者のマイクロアレイ技術を使用して、329のサンプルで分析した。
サンプルセット
サンプルセットは、根治的前立腺摘除術から得た329の冷凍サンプルを含む。腫瘍の推定パーセントが少なくとも70%であるサンプルのみを使用し、腫瘍の平均推定パーセント(容量で)は90%であった。一部のサンプル提供者は、腫瘍を含むことが分かっている冷凍前立腺の部分除芯、または腫瘍から離れている正常組織の切除のどちらかによって、高いパーセントの腫瘍を得た。ネオアジュバント療法を受けた患者も、研究から除外されなかった。無病生存率に関する臨床情報は、疾病再発より前にアジュバント療法を受けている患者には使用しなかった。
グリーソンスコアは、ほとんどすべての前立腺摘除術に利用可能である。一部のサンプルでは、出願者に提供された腫瘍の一部のグリーソンスコアもまた、利用可能である。サンプルセットは、2つの極端なグリーソンカテゴリー(高いまたは低い)のうちの1つに適格なサンプル、2つの再発カテゴリー(早期または非再発)に適格な、患者からのサンプル、または複数のカテゴリー(例えば、高いグリーソンと早期の再発)に該当するサンプルから成る。サンプルセットの中で、135のサンプルが、低いグリーソンスコア(1+2、2+1、2+2、2+3、3+2および3+3)であった。99のサンプルが、高いグリーソンスコア(3+5、5+3、4+4、4+5、5+4および5+5)であった。いくつかのサンプルでは、臨床フォローアップ情報が利用可能である。65人の患者が2年未満でPSAの再現を経験し、88人の患者が最低4年のフォローアップの後にも再発しなかった。
管理目的のために、追加サンプルを含めた。オリゴの品質と機能性を管理するために、非メチル化された(phi−29DNA)および人工的にメチル化されたDNA(プロメガ)を使用した。さらに、リンパ球からの16のDNAサンプルを、テストサンプルと平行して処理した。
アレイ
アレイは62の異なる候補を表すオリゴを含めた。候補のうちの51は、MeSTであった。1つのMeST、配列番号:32を、両方とも遺伝子のエクソン1に近い、2つの非重複の単位複製配列によって表した。すべてのMeSTに対して、単位複製配列が、CpGの多くある領域で出来る限りMeST配列と近くなるように設計した。男性および女性の制御リンパ球サンプルの分析のために、X染色体遺伝子ELK1の単位複製配列を含めた。
分析された他の遺伝子には、CCND2(Cyclin D2 Padarら、2003)、CD44(Woodsonら、2004)、EDNRB1(エンドセリン受容体B;Woodsonら、2004;Nelsonら、1997)、GSTP1(グルタチオンS−転移酵素pi;Maruyamaら、2002)、RARB(レチノイン酸受容体、ベータ;Singalら、2004)、PTGS2(プロスタグランジン−エンドペロキシドシンターゼ2;Yegnasubramanianら、2004)、RASSF1(Ras関連ドメインファミリー1;Liuら、2002)、ESR2(エストロゲン受容体2;Zhuら、2004)、DRG1(発生学的に調節されているGTP結合タンパク質1;Bandyopadhyayら、2003)、およびCDKN2A(p16;Halvorsenら、2000)を含めた。2つの単位複製配列でDRG1を表した。すべての場合において、プロモーターまたはエクソン1の近くのCpGが多くある領域が標的となる。p16のために、比較的高いメチル化率が文献(Nguyenら、2000)に言及されていたので、エクソン2を包囲するCpGが多くある領域を使用した。
分析したすべての遺伝子の全概要を表11に示した。
統計方法;チップデータの分析
未処理のハイブリダイゼーション強度からメチル化率まで
それぞれのCpG位のログメチル化率(ログ(CG/TG))を、以下のステップを含む標準前処理パイプラインによって決定した。
‐それぞれのスポットで、平均前景ピクセル強度から平均背景ピクセル強度を差し引く。これにより、背景が修正されたハイブリダイゼーション強度のよい推定が得られる。
‐それぞれのCpG位のCGおよびTG検出オリゴヌクレオチドの両方に対して、4つの冗長なスポット強度の、背景が修正された平均値を取った。
‐それぞれのチップおよびそれぞれのCG/TGオリゴ対に対して、ログ(CG/TG)比率を計算した。
‐それぞれのサンプルに対して、冗長なチップ反復を超えているログ(CG/TG)強度の平均値を取った。
このログ比率は、ハイブリダイゼーションノイズはあらゆる可能性のメチル化率(Huberら、2002)を超えてほぼ一定の分散を有する、という性質を有する。
主成分分析
主成分分析(PCA)は、測定ベクトル(例えば、チップデータ、いくつかのCpG部位などのメチル化プロフィール)を新しい座標に投影する。新しい座標軸は主成分と称される。第1の主成分は、データのうちで最も大きな分散の方向に及ぶ。次の成分は、分散を減少させることによって整理され、直交して、お互いに無相関となる。異なるCpG位は、異なる要素に沿うデータ集団の拡張に、異なる重量を提供する。PCAは非管理の技術であり、すなわち、データポイントのいかなる群またはラベルの情報も取り入れない(さらに詳しくは、例えば、Ripley、1996を参照)。
典型的にPCAは、データから高分散を有する特長を視覚化または抽出するために、高次元のデータ(本事例では、メチル化アレイデータ)を下の次元の部分空間に投影するのに使用される。本報告書では、データの統計品質管理のために、二次元投影を使用した。
我々は、チップデータで異なるプロセスパラメータの結果を調査し、測定値に大きな変更を引き起こす、変化するそのプロセスパラメータを除外した。
異常値の単一チップを検出し、さらなる分析から除外するのに、PCAの堅調なバージョンを使用した(Modelら、2002)。
T2管理図
チップの製造プロセスの一般的な安定性を管理するために、我々は、多変量統計プロセス管理(MVSPC)の分野からの方法を使用した。我々の主なツールはT2管理図であり、これは通常の作業環境からのチッププロセスの大幅な偏差を検出するのに使用される(Modelら、2002)。
T2図は、以下のように作図される。
1.プロセスパラメータに関するチップデータを整理する(例えば、ハイブリダイゼーションの日付またはスポッティングロボット)。
2.通常の作業環境のもとでチッププロセスを説明する、履歴データの組を定義する(例えば、最初の75のハイブリッドチップ)。図では、履歴データの組からのデータは、特別なプロットシンボルによって表示される。
3.履歴データの組までのすべての新しいチップの距離を計算する。いくつかの連続的なチップの距離が所定の管理限界を超過する場合、プロセスは管理不能と見なされなければならない。
チップ製造プロセスを監視するT2図を使用することにより、ほとんどの系統的誤差原因を効率的に検出して除外できる。
仮説検証
主な課題は、サンプルのクラス予測へ重要な貢献ができるマーカーを特定することである。マーカーを含む予測モデルがマーカーのないモデルよりも分類性能を向上させない帰無仮説が、p<0.05で棄却できる場合、重要な貢献が見出される。我々は、このテストを可能性のあるマーカーの全体集合に適用するので、複数の検証のためにp値を修正しなければならない。我々は、可能性のあるテストしたマーカーの数で単一のマーカーp値を単に乗じる、保守的なボンフェローニの補正を適用することによってこれを行う。我々は、これほど保守的はでない偽スクリーニング率(FDR)方法によっても結果を得る(Dudoitら、2002)。
この報告書全体にわたり、マーカー(時として単に遺伝子または単位複製配列と称される)は該当するゲノム領域である(ROI)。それは通常、それぞれの領域のいくつかのCpG位から成る。マーカーに予測力のない帰無仮説を検証するために、我々は、群と比較するウィルコクソンの順位和検定を使用する。有意な検証結果(p<0.05)は、それぞれのメチル化ログ率、すなわち、ln(CG/TG)の分布の間のシフトを示す。ウィルコクソン統計値を生成する前に、それぞれのマーカーのすべてのオリゴの平均値を、CpGを結合するのに使用した。このアプローチは、コメチル化を示すマーカーに有利に働くという利点を有する。
マーカーの有意なp値は、このROIのメチル化には、2つのクラスによって与えられる、該当する問題になんらかの系統的相関があることを意味する。一般に、ウィルコクソンの順位和検定を使用した有意なp値もまた、優良な分類性能を暗示する。
ROC分析によるクラス予測
選択したマーカーのCpGアンサンブルが、いかにうまく異なる組織クラスを区別できるかについて推定するのに、受信者動作特性(ROC)分析を使用した。ROC曲線は、マーカー全体にわたって可能性のある検証閾値のための、真の陽性率(感度)対偽陽性率(1特異性)のプロットである。ROC曲線の曲線下面積(AUC)は、無作為のサンプルを適切に分類する確率を与え、したがって、全体的なマーカー性能を評価するのに使用できる。AUCはウィルコクソン検定統計値に関連があり、AUCまたはウィルコクソンp値によるマーカーの比較ランキングは相当する。それぞれのマーカーのすべてのオリゴの平均値を、ROC分析の前にCpGを結合するのに使用した。このアプローチは、コメチル化を示すマーカーに有利に働くという利点を有する。
実験の成績
DNA抽出
外部の協力者から冷凍組織または抽出されたゲノムDNAのどちらかのサンプルを受け取った。組織サンプルからのDNAを、キアゲンDNAミニキットを使用して、Epigenomicsベルリンで分離した。
配達され、抽出されたすべてのサンプルDNAの品質を、光度測定によって最初に評価した。A260/280比率と同様に260nmおよび280nmの吸光を決定し、得られた濃度を計算した。使用した大部分のDNAに対して、1.6と1.9との間のA260/280比率が、十分な純度を示して測定された。一部のサンプルのために、1.2〜1.5の範囲の比率を計算した。いずれにしても、これらのDNAも同様に処理した。
光度測定の後、200ngのゲノムDNAを0.8%のアガロースゲルに加え、ゲル電気泳動を実行した。図8は、典型的なゲルイメージを示す。減成の徴候は観察されないか、またはわずかな減成の徴候だけが観察され、使用したDNA全体に優良な品質を示した。
バイサルファイト処理および多重PCR
管理DNAと同様に選択したすべてのサンプルからの全ゲノムDNAをバイサルファイト処理し、非メチル化されたシトシンをウラシルに変えた。メチル化されたシトシンは保存する。Epigenomicsのジオキサンバイサルファイト処理プロセスを使用して、バイサルファイト処理を実行した。後のデータに可能性のあるプロセスバイアスをもたらす、同じ生物学的背景を有する、すべてのサンプルの合同処理を回避するために、サンプルを処理バッチに無作為に群化した。グリーソンスコアとPSA結果のために、50のサンプルのバッチを無作為に選んだ。DNAサンプルごとに、単独の2つのバイサルファイト反応を実行した。バイサルファイト化の後、それぞれ8つのプライマー対を含む、続く8つの多重PCR(mPCR)反応で、11.25ngのそれぞれのサンプルを使用した。
mPCR結果を監視するために、すべてのPCR製品対して、ゲル電気泳動を実行した。mPCR−組において、8つのプライマー対のうちで最良の組成を検出するために、ALF分析を使用して、単一のPCR製品の混合体とmPCR−組の異なる変異体とを比較した。
ALF発現の分析:
拡大された断片の評価をするために、ALF発現技術を使用して、プロメガDNAのmPCR製品を分析した。それらのmPCRの結果を、単一のPCR製品の混成体と比較した。図9に8プレックスPCRの結果を例示する。研究用に選択された全部で64の断片(8つの8プレックスPCR)を、実行されたmPCR実験で増幅することもできる。場合によっては、望まれない副生物が得られる。
アガロースゲル電気泳動:
上述のように、DNAサンプルごとに、単独の2つのバイサルファイト反応およびPCRを実行し、得られたPCR製品に2%のアガロースゲルを加えた。図10に、典型的ゲルイメージを示し、10のサンプルのmPCR性能を例示する。可視的なPCR製品は、バイサルファイト処理またはPCR増幅の失敗を暗示しない。その後、2倍の量のDNA(22.5ng)でPCRを繰り返した。再度失敗したバイサルファイト処理をしたDNAは、研究から除外した。我々がサンプルからただ1つのハイブリダイゼーションプローブ(プールされた64のPCR製品)を得た場合は、この単一のプローブを使用して、4つのチップをハイブリダイゼーションした。サンプルから単独の2つのバイサルファイト処理からのプローブがうまく増幅した場合は、それぞれ2つのチップに両方のブロープをハイブリダイゼーションした。
数回の試みにもかかわらず、処理された331のサンプル(管理サンプルを含む)のうち四(4)つは、増幅できなかった。これらのサンプルは、それ以上処理しなかった。
チップ研究の結果
我々の主な分析は、高いグリーソンスコア(8〜10)と低いグリーソンスコア(悪性度4または悪性度5の要素のない2〜6)とのサンプルの比較であった。これらのクラスは、表5のカテゴリーAおよびCである。第2の比較のために、我々は、手術の後、早期にPSAの再現(2年未満)をした患者からと、再発しなかった群(4年のフォローアップ以降)からのサンプルの群を使用した。これらのクラスは、非再発の群用のA1、B1、C1およびD1、ならびに再発の群用のA2、B2およびC2である(表5を参照)。これらの2つのサンプルセット(グリーソンおよび臨床転帰)は、若干重なる。我々の3回目の比較は、中間のグリーソン(3+4、4+3、2+5、5+2、2+4、4+2)を有する患者だけを分析し、我々の候補配列のメチル化がこれらの患者の早期再発と相関するかどうか決定した。したがって、カテゴリーB1およびB2のみを含めた。
腫瘍組織対リンパ球
チップの診断値を評価するために、16のリンパ球サンプルを研究に含めた。ウィルコクソンの順位和検定を使用して、前立腺癌組織とリンパ球を比較した。上位10の増幅産物の順位を図12に表示する。リンパ球群が若干均一であるのに対して、図は前立腺癌サンプルの比較的大きな変動を示す。群間の差異は、CDRN2A、ELK1、GSTP1、RARB、PTGS2、RASSF1、ESR2、ONECUT2、BTG4、SLC35F2、HOXB5、LIMK1、HIST1H4J、配列番号:35、EPAS1、NOTCH1、配列番号:55、PTPRN2、Q9NP73、MX1、DOCK10、CCND2、ISL1、SNAPC2、GRN、H2AFY2、WDFY3、FOS、FAT、Q86SP6、SLC38A1、SNRPN、GPRK5、FBN2、ARHGEF18、RHOC、KBTBD6、NR2E1、PSD、DRG1、Q8N365、配列番号:44、Q96S01、CD37、CMYA3、配列番号:61、Q8NCX8およびZNF566の増幅産物では、0.05レベル(5%の偽発見率補正後)と有意である。
グリーソンの候補マーカー
高いグリーソン対低いグリーソンの比較
高いグリーソン(スコア8〜10)と低いグリーソン(悪性度4または悪性度5の要素のないスコア2〜6)として分類された患者のメチル化プロフィールの差異を分析するのに、ウィルコクソンの順位検定を使用した。高いグリーソンクラスは98のサンプルから成り、また低いグリーソンクラスは135のサンプルから成る。図12は、この分析結果を示す。
25の増幅産物では、ウィルコクソン検定のボンフェローニの補正をされたp値は、0.05より下である。生物学的関連性の考察については、以下の項を参照されたし。図13は、上位10のマーカーのメチル化マトリクスを示す。
候補マーカー増幅産物のAUC/感度/特異性を表6に示す。
図13は、最高のAUCを有する10のマーカーの高グリーソン対低いグリーソンメチル化マトリクスを示す。それぞれの列は1つのサンプルを、それぞれの行は1つのオリゴヌクレオチド(それぞれ1つ、2つ、または3つのCpG位)を表す。オリゴヌクレオチドはマーカー候補ごとに群化する。示されたマーカーは、AUCの増加とともに、上部から下部まで整理される。それぞれのマーカーの右側では、ボンフェローニの補正をされたウィルコクソンp値およびAUCを得る。0.75以下の特異性のAUC感度を括弧で囲む。メチル化データを主な対象として、個々のオリゴヌクレオチドに対して1つの標準偏差に正規化する。色は平均値からのオリゴヌクレオチドメチル化状態の相対距離を表す。淡灰色はオリゴヌクレオチドの範囲内で低メチル化されたCpGを表し、一方で濃灰色はオリゴヌクレオチドの範囲内で高メチル化されたCpGを示す。
PSAの再現の候補マーカー
早期再発対非再発との比較
次に我々は、早期再発(24ヵ月未満のPSAの再現)と非再発(最低4年後でもPSA非再発)として分類された患者のメチル化プロフィールの差異を分析した。
三つ(3)の増幅産物では、ボンフェローニの補正がされた尤度比(LR)検定のp値は、0.05より下である。生物学的関連性に関する考察は、以下を参照されたし。
上部のマーカー増幅産物のAUC/感度/特異性を表7に示す。
図15は、最高のAUCを有する10のマーカーの早期再発対非再発のメチル化マトリクスを示す。それぞれの列は1つのサンプルを、それぞれの行は1つのオリゴヌクレオチド(1つ、2つまたは、3つのCpG部位)を表す。オリゴヌクレオチドはマーカー候補ごとに群化する。示されたマーカーは、AUCの増加とともに、上部から下部まで整理される。それぞれのマーカーの右側では、ボンフェローニの補正をされたウィルコクソンp値およびAUCを得る。0.75以下の特異性のAUC感度を括弧で囲む。メチル化データを主な対象として、個々のオリゴヌクレオチドに対して1つの標準偏差に正規化する。色は平均値からのオリゴヌクレオチドメチル化状態の相対距離を表す。淡灰色はオリゴヌクレオチドの範囲内で低メチル化されたCpGを表し、一方で濃灰色はオリゴヌクレオチドの範囲内で高メチル化されたCpGを示す。
中間グリーソンスコアを有する患者におけるPSAの再現の候補マーカー
早期再発対非再発との比較
最後に我々は、早期再発(24ヵ月未満のPSAの再現)と非再発(最低4年後でもPSA非再発)として分類された患者から、中間グリーソンサンプルのメチル化プロフィールの差異を分析した。中間グリーソンは、スコア2+5、5+2、3+4、4+3、2+4、4+2、1+5、5+1を有する患者をすべて含め、またこれらの患者はセクション6.6.2で使用される群のサブセットである。その大多数は、グリーソン3+4または4+3であった。増幅産物は0.05より下のボンフェローニの補正をされたp値を示さなかったが、いくつかのマーカーは有望なAUC(表8を参照)を示した。この比較が小規模のサンプルセットであったため、この比較は検出力不足であった可能性はある。
生物学的関連性に関する考察は、以下を参照されたい。
マイクロアレイ分析によって明らかにされたコメチル化
最新のチップ研究の設計によって、我々は、コメチル化されたマーカー断片の範囲内で領域を決めることができた。この設計では、1つ、2つまたは3つのCpG部位を含む、少なくとも2つのオリゴ対を、分析されるそれぞれのマーカー断片に含めた。図16以降にアレイ分析で標的とされるCpG部位の詳細を示す。コメチル化の証拠は、順位化されたマトリクス図で明白となる。マイクロアレイ分析からの順位化されたマトリクス図では、それぞれのマーカー断片は、水平に群化する。それぞれのマーカー断片が1つから3つの単位複製配列および最低4つから最高30までの個々のCpG部位を表すので、断片のメチル化状態に関する広範囲な情報を決定できる。垂直方向の断片の群化の範囲内での連続的な濃灰色の箱は、オリゴヌクレオチド(およびそのオリゴ内部のCpG)のコメチル化を示す。断片内で最も差別的な領域のために、これらのデータをさらに分析し、また実時間PCRアッセイ設計のために、この情報を利用する。
結果概要
非常に保守的な統計的方法論を使用する、主なアッセイ、高いおよび低いグリーソンサンプルの比較では、25のマーカーが統計的有意性の基準を満たした。この比較は浸潤性の代用指標としてグリーソンを信頼しているが、グリーソン情報がほぼすべての腫瘍に利用できたので、主分析として使用した。PSAの再現まで時間に基づいて、より少ないサンプルが追加分析のために利用可能となるが、それでもまだ2つのマーカーは統計的有意性に達した。
考察
生物学的側面
MeSTスクリーニング
MeST Screeningプロセスは非常に成功し、400の候補が生まれた。実時間PCRおよびチップ研究において、MeST候補はうまく機能した。実時間PCRの研究において、3つのMeSTsが、GSTP1より優れていた。チップ研究において、グリーソン比較の上位5つの候補は、すべてのMeSTである。したがって、スクリーニングプロセスは、浸潤性と非浸潤性腫瘍を識別するための有益な候補マーカーを提供する。
さらに、すべてのスクリーニング比較からのMeSTを、上位スコア候補のリストで表した。グリーソン比較、GPR7での上位候補マーカーが、2つの結果の比較、グリーソン比較および病期に基づく比較で発見された。別の上位パフォーマー、DOCK10が、前立腺領域に基づく比較において発見された。上位マーカーのうちで、ABHD9だけが、2つの結果のカテゴリーにいる患者の腫瘍に隣接している正常組織の比較において発見された。我々は、ゲノム規模でのスクリーニング比較のスクリーニング化のすべてが重要な候補マーカーを生むと結論付けた。
MethyLightによる候補の評価
サンプルがチップ研究のために収集される間に、実時間PCRアッセイ開発のために、多くの候補MeSTsを選んだ。多くの前立腺腫瘍サンプルからの、プールされたDNAサンプルで、アッセイを事前に選別した。このステップにより、有益となる可能性があるそれらアッセイのみを事前に識別できる。3分の1を超えるアッセイがこのステップで除外された。次に、アッセイの優先順位を付けるために、スクリーニングサンプルからのDNAで残りのアッセイを検定した。その後、単独の56のサンプルの最終組で、優先順位を付けられた7つのうちの6つのアッセイがうまく機能した。
実時間PCR実験の成功は、これらのマーカーに顕著なコメチル化があることを示唆する。したがって、すべてある程度のコメチル化を必要とする、実時間PCRアッセイは、最終的なアッセイの選択に適切な候補となるであろう。実時間PCR実験は、メチル化差異の定量化に大きく依存する。ほぼすべてのアッセイでは、早期再発群と非再発群との間の差異は、定量的メチル化差異であった。最終的なアッセイタイプは、強い定量的能力が必要となるであろう。
メチル化アレイによる候補評価
チップ実験は非常に成功し、多くの候補配列のマーカー可能性を示す。高いまたは低いグリーソンサンプルの比較において、25の単位複製配列は著しく異なる。これらの圧倒的多数は、高いグリーソンサンプルで高メチル化される。実時間PCRによって分析される3つの候補は、このグリーソン比較において上位6つのマーカーの中にあった。したがって、メチル化を測定する2つの方法の間に一貫性がある。
PSAの再現患者の特徴に基づく比較は、低いサンプル番号を有する。これらの低い番号にもかかわらず、我々は、我々の候補マーカーのうち少なくとも三(3)つが、再発を経験していない患者から早期の再発を経験している患者をかなり識別できるということをやはり証明できた。一般に、メチル化は早期再発を経験している患者でより高くなる。この比較において、実時間PCR研究の上位3つの候補は、チップ分析において上位3つの最も重要なマーカーであった。GPR7、配列番号:35(FOXL2の下流)、およびABHD9のAUCは、チップ臨床転帰データでそれぞれ0.72、0.72、および0.66であり、また実時間PCR臨床転帰データでそれぞれ0.76、0.75および0.70であった。
低いまたは高いグリーソンを有する患者の治療は時に明快である。高いグリーソンを有する任意の患者は、決定的治療(手術または放射線)および場合によりアジュバント治療を含む、積極的治療が推薦される。低いグリーソンを有する患者は、決定的治療を延期する選択の余地がある。若干の不確実性がまだこれらの患者にあると同時に、中間グリーソンレベルを有する患者には、最良の選択肢はそれほどまだ明快ではない。さらに、今日前立腺癌と診断されている患者の大多数は、6または7の中間グリーソンスコアを有する。
これらは、分子分類検定が最も役立つ患者である。臨床転帰に基づく比較で最も高いAUCを有する単位複製配列は、GPR7(AUC=0.72)および配列番号:35(AUC=0.72)であった。この比較が中間グリーソンスコア(1+5、5+1、2+4、4+2、3+4、4+3、2+5、5+2)を有する患者に限定されるとき、これら両方のマーカーのAUCはその場合でもまだ0.72以上であった。これらの結果は、メチル化に基づくアッセイが中央範囲のグリーソンスコアを有する患者にさえも情報を提供することを示唆するであろう。
マーカー遺伝子の生物学
いくつかの興味深いマーカーが実時間PCRおよびチップ研究によって特定された。実時間PCRマーカーのうちの1つは、Gタンパク質複合体型の受容体(GPR7;配列番号:19)であるが、しかし遺伝子産物についてほとんど知られていない。実時間研究からの第2のマーカーは、9(ABHD9;配列番号:37)を含んでいる遺伝子Abhydrolase DomainのプロモーターのCpG島に位置する。配列番号:35に最も近い遺伝子はFOXL2である。MeSTは、この遺伝子の数キロベース下流のCpG島にある。配列番号:63は、いくつかのヒストン遺伝子の領域内にある。
追加のマーカーがチップ研究で出現した。NOTCH1(配列番号:41)は、隣接している細胞との間の相互作用を調節するシグナル経路を管理する。多くの研究室では、発癌と転移におけるこの遺伝子の役割を研究している。DOCK10(配列番号:16)、Kelch反復およびBTB(POZ)ドメインを含む6と称される遺伝子のプロモーターにある配列番号:51、ならびにESTとB細胞転座遺伝子4との間に位置する配列番号:17を含む、多くの候補についてあまり知られていない。BTG4は、増殖抑制性質を有することが示されている(Buanneら、2000)。
PTGS2(配列番号:9)は、前立腺摘除術後間もなく再発した患者の前立腺腫瘍で、よりメチル化されることが既に文献で示されている、唯一の遺伝子である(Yegnasubramanianら、2004)。PTGS2、別名シクロオキシゲナーゼ(COX2)は、それぞれ0.69および0.65のAUCを有する、グリーソンおよび臨床転帰分析でさらに有望な候補である。GSTP1は、前立腺癌で最も旺盛に研究されているメチル化マーカーであり、その予後値を直接示している既報のデータがない一方で、そのメチル化がグリーソン悪性度と相関するというある程度の証拠がある(Maruyamaら、2002)。しかしながら、この相互関係は、別の研究(Woodsonら、2004)では確認されなかった。即時データでは、GSTP1メチル化はグリーソン悪性度と著しく相関するが、臨床転帰比較のAUCはわずか0.58である。
医学的側面
我々のグリーソン比較から出現したメチル化候補は、有益な予後マーカーである。中間グリーソンスコアを有する患者にさえおいて、我々はグリーソンカテゴリーと相関するこれら候補のうちの一部が、PSAの再現を予測することもできることを示してきた。したがって、グリーソンに基づく我々の分析が、グリーソンに追加情報を提供するマーカーを提供することは起こり得る。
個々のマーカーとして、特異性が75%に設定される場合、チップ候補は40〜60%の感度に達する。実時間研究において、マーカーのうち3つの感度は比較的高く、85%の特異性で50〜60%に達した。実時間での向上された性能は、MSP−MethyLightの定量的能力による可能性がある。約20%の患者は、手術後に5〜10年以内に再発を経験する。これが根治的前立腺摘除術集団での浸潤性腫瘍の有病率として設定される場合、ひいては、50%の感度および85%の特異性を有する我々のマーカーなどは、0.87の陰性予測値および0.45の陽性予測値を持つであろう。したがって、この性能を有するマーカーは、手術後の再発がたった13%の可能性を有する患者群および再発の可能性が45%の患者群を定義する。第1の群はPSAの上昇を単に監視するだけの可能性があり、第2の群はアジュバント療法の候補となるであろう。
これらの候補が前立腺摘除術サンプルで研究されてきたと同時に、それらは生検の分析にも役立つ。前立腺摘除術の後、結果を予測するマーカーは腫瘍の浸潤性および転移の可能性と相関し、これらの性質は生検においても存在する。生検および病期検定の後、患者は静観、決定的な治療的療法、または治療の組み合わせ(手術に加えて放射線またはアンドロゲン除去など)を選ぶ。高い陰性予測値による分子検定により、より多くの患者が静観を選ぶことができる。十分に高い陽性予測値による分子検定は、単に放射線または手術のみならず受けるべき患者のサブセットを選択するであろう。このように、これら候補のメチル化マーカーには、前立腺癌の治療中および治療後の両方で軽減する可能性を有する。
実施例4:実時間定量的メチル化分析
バイサルファイト変換の後、実時間PCR技術を使用して、ゲノムDNAを分析した。
QMアッセイ(=定量的メチル化アッセイ)は、定量的DNAメチル化検出のための実時間PCRに基づく方法である。アッセイ原理は、標的領域の非メチル化の特異的増幅、およびCGまたはTG状態それぞれに特異な2つの異なるプローブの競合ハイブリダイゼーションによるメチル化の特異的検出に基づく。本研究では、2つの異なる蛍光色素(CG特異的プローブのための「FAM」、TG特異的プローブのための「VIC」)で標識化され、また抑制分子(「TAMRA」または「副溝結合/非蛍光抑制」によってさらに修正されたTaqManのプローブを使用した。
QMアッセイの未加工データの評価は、2つの異なる方法で可能である。
1.増幅の対数期における絶対蛍光強度(FI)の測定
CGおよびTG特異的プローブの閾値サイクル(ct)における差異。
以下の一連の定量的メチル化アッセイでは、入力DNAのために正常化遺伝子GSTP1を参照することによって、増幅されたサンプルDNAの量を定量化する。標準化のために、GSTP1遺伝子の分析のためのプライマーおよびプローブは、CpGジヌクレオチドが不足するので、メチル化のレベルにかかわらず増幅が可能となる。メチル化の可変位がないので、1つのプローブのオリゴヌクレオチドだけが必要となる。
サンプル内のメチル化のレベルを定量化するために、DNA標準の知られているメチル化のレベルを参照することによって反応を調整する。バイサルファイト処理されたphi29の増幅されたゲノムDNA(すなわち、非メチル化される)および/またはSss1メチル化酵素で処理された(これにより、サンプルのそれぞれのCpG位をメチル化する)phi29の増幅されたゲノムDNAからDNA標準を構成し、その後、バイサルファイト溶液で処理した。0%(すなわち、phi29の増幅されたゲノムDNAのみ)5%、10%、25%、50%、75%および100%(すなわち、phi29のSss1処理されたゲノムのみ)の7つの異なる参照標準を使用した。
バイサルファイト処理
Olekら、Nucleic Acids Res.1996 Dec 15;24(24):5064−6により開示されている方法に基づきバイサルファイト処理を実行し、出願者の研究室のワークフロー向けに最適化された。
定量化標準
サンプル内のメチル化のレベルを定量化するために、DNA標準の知られているメチル化のレベルを参照することによって反応を調整する。バイサルファイト処理されたphi29の増幅されたヒトゲノムDNA(プロメガ)(すなわち、非メチル化される)、および/またはSss1メチル化酵素で処理された(これにより、サンプルのそれぞれのCpG位をメチル化する)phi29の増幅されたゲノムDNAからDNA標準を構成し、その後、バイサルファイト溶液で処理した。0%(すなわち、phi29の増幅されたゲノムDNAのみ)5%、10%、25%、50%、75%および100%(すなわち、phi29のSss1処理されたゲノムのみ)の7つの異なる参照標準を使用した。2000ngバッチのヒトゲノムDNA(プロメガ)をバイサルファイトで処理した。メチル化MDADNAを生成するために、4.5μgのMDA−DNA(700ng/μl)の13の管をSss1で処理した。
コントロールアッセイ
GSTP1−C3アッセイの設計は、異なるソースからのDNAを定量化するのに適切にさせ、新鮮/冷凍サンプル、血漿または血清などのリモートサンプル、およびパラフィンの埋め込まれた材料などのアーカイブ見本から得られるDNAを含む。管理増幅産物を増幅する反応に、以下のオリゴヌクレオチドを使用した。
コントロールプライマー1:GGAGTGGAGGAAATTGAGAT(配列番号:966)
コントロールプライマー2:CCACACAACAAATACTCAAAAC(配列番号:967)
コントロールプローブ:FAM−TGGGTGTTTGTAATTTTTGTTTTGTGTTAGGTT−TAMRA(配列番号:968)
サイクルプログラム(40サイクル):95℃、10分
95℃、15秒
58℃、1分
アッセイ設計および反応状態
遺伝子PITX2(配列番号:961)の分析のために、2つのアッセイを開発した。
アッセイ1:
プライマー:GTAGGGGAGGGAAGTAGATGTT(配列番号:969)
TTCTAATCCTCCTTTCCACAATAA(配列番号:970)
プローブ:FAM−AGTCGGAGTCGGGAGAGCGA−TAMRA(配列番号:971)
VIC−AGTTGGAGTTGGGAGAGTGAAAGGAGA−TAMRA(配列番号:972)
単位複製配列(配列番号:973):
断片の長さ:143bp
プライマー位、プローブ位およびCpGジヌクレオチド位を強調表示する。
PCR要素(Eurogentecによって供給される):3mMのMgCl2緩衝液、10×緩衝液、HotstartTAQ、200μMのdNTP、それぞれ625nMプライマー、それぞれ200nMのプローブ
サイクルプログラム(45サイクル):95℃、10分
95℃、15秒
62℃、1分
アッセイ2:
プライマー:AACATCTACTTCCCTCCCCTAC(配列番号:974)
GTTAGTAGAGATTTTATTAAATTTTATTGTAT(配列番号:975)
プローブ:FAM−TTCGGTTGCGCGGT−MGBNQF(配列番号:976) VIC−TTTGGTTGTGTGGTTG−MGBNQF‖(配列番号:977)
単位複製配列(配列番号:978):
断片の長さ:164bp
プローブ位、プライマー位およびCpG位を強調表示する。
プローブは、3つのコメチル化されたCpG位に及ぶ。
PCR要素(Eurogentecによって供給される):2、5mMのMgCl2緩衝液、10×緩衝液、HotstartTAQ、200μMのdNTP、それぞれ625nMのプライマー、それぞれ200nMのプローブ
プログラム(45サイクル):95℃、10分
95℃、15秒
60℃、1分
特定遺伝子座のメチル化の範囲は、以下の式により決定した。
絶対蛍光強度によって:メチル化速度=100*I(CG)/(I(CG)+I(TG))(I=CGプローブまたはTGプローブの蛍光強度)
閾値サイクルCtによって:メチル化速度=100*CG/(CG+TG)=100/(1+TG/CG)=100/(1+2^差分(ct))
(PCR効率E=2と仮定すれば、差分(ct)=Ct(メチル化された)−ct(非メチル化された))
実施例5:検証
本調査のこの段階の主なゴールは、先に特定されたマーカー候補の重要性を確認し、またメチル化のカットオフを最適化することであった。マーカーは、前立腺摘除術を受ける患者を2つの群、PSAの再現の可能性が高い患者およびPSAの再現の可能性が低い患者に分割するのに適切なはずである。さらに、マーカーはグリーソン悪性度分析に追加情報を提供するはずである。これらの基準を満たしているマーカーには、アジュバント療法の前立腺摘除術患者を選択する際に、重要な臨床役割があるであろう。
出願者は、PSAの再現を経験しなかった患者と比較して、手術の24ヵ月以内にPSAの再現を経験した患者で、より著しく高いメチル化レベルを有するいくつかのマーカーを先に特定している(上記の実施例1〜4を参照)。実時間のプラットホーム(QMアッセイ)へこれらマーカーのうちの6つを移動させた。3つの機関からのノード陰性患者のコホートから612のパラフィンの埋め込まれた前立腺摘除術サンプルのメチル化レベルを分析するために、これらのアッセイを使用した。
本発明の主な狙いは、手術後にPSAの再現の可能性が低い患者およびPSAの再現の可能性が高い患者を区別できるマーカーを提供することであった。グリーソン悪性度化および病期情報などの従来の予後指標と比較したこれらのマーカーの性能もまた提供する。
マーカーが現在の臨床的予後評価に関してどんな点で最も有益であるかを決定し、その結果、本発明の特に好ましい使用実施形態を提供することが、本発明のさらなる狙いである。本発明による分子検定が、特にグリーソン悪性度化において、公式または非公式に、他の予後ソースからの情報を組み合わせることは特に好ましい。
方法:QMアッセイの説明
今後に向けた多重化を可能にするために、大幅に標準状態を変えることなく性能を向上させるQMアッセイをそれぞれ開発した。一定の緩衝液およびポリメラーゼ状態のもとで、プライマーおよびプローブの濃度、MgCl2濃度およびアニーリング温度を最適化した。10と100パーセントのメチル化の間でそれぞれのマーカーの定量的メチル化分析を確実にするために、アッセイを設計し、最適化した。アガロースゲルでアッセイ製品を検査し、望まれない製品は検出されなかった。以下の表に最適化手順の結果を示す。
サンプルセット
605人の患者からのパラフィンの埋め込まれた前立腺摘除術組織のサンプルを分析する。サンプルは、ベイラー医科大学SPORE、スタンフォード大学泌尿器科およびシアトルのバージニアメーソン病院によって提供された。最高のパーセントの腫瘍を有する外科的ブロックを最初に発見し、それからそのブロックを区分化することにより、スタンフォードおよびバージニアメーソンからのサンプルを調製した。それぞれが厚さ10ミクロンの3つの区分を有する、3本の管を調整した。手順はベイラーとわずかに異なった。前立腺摘除術ブロック内の腫瘍から組織の核を取り除き、その後、10ミクロンの区分にこの核を切断した。3本の管のそれぞれに10の区分を含めた。
組織学的分析のために隣接した区分をスライドに取り付け、H&E染色をした。病理学者は、グリーソン悪性度化およびパーセント腫瘍を単独に決定するために、これらのスライドを検査した。この報告書ですべての分析のためにグリーソン結果を使用した。最初の提供者グリーソン値は利用可能であるが、提供者の間で知られている仮言的なバイアスのために分析には使用しなかった。例えば、スタンフォードが悪性度を報告するためにパーセンテージグリーソン4/5を使用する一方で、他の2つの提供者は従来のシステムを使用する。グリーソン測定値は、単独の均一な測定値を提供した。
2、3のサンプルにはH&Eスライド上で腫瘍細胞がないことが分かり、これらの患者は分析から除外された。さらに、我々は手術後にPSAの絶望状態になっていない2、3の患者を見つけた。これらの患者もまた、研究から除外された。全部で612人の患者がデータ分析に含まれた。
コアリング技術のために、ベイラーによって提供されたサンプルのパーセント腫瘍は、他の提供者より高かった。
ネオアジュバントまたはアジュバント療法(PSAが上昇する前に)を受けた患者および手術の時点で陽性ノードのある患者を除いて、一定の年数の間、3つの機関で手術を受けたすべての患者、40〜80歳を本研究に含めた。ベイラーの期間は1993年〜1998年、バージニアメーソンは1996年〜2000年、またスタンフォードは1996年〜1999年であった。
全体的なコホートは、William Catalonaによって収集され、2004年(Roehlら)に説明されたコホートなどの文献に説明される、他の前立腺摘除術コホートと類似している。それぞれの提供者からの患者コホートは、ほぼすべての臨床的パラメータにわたり同様である。1つの例外は、再発のタイプである。他の機関が、患者のPSAが手術後0.2ng/mlまたはそれ以上上昇するまで通常待つのに対して、スタンフォード大学泌尿器科は、PSAが0.05まで上昇したとき、多くの患者を治療する。したがって、スタンフォードは、基準を治療するという決定に基づく比較的高い再発率、およびPSAレベル(0.2ng/ml)基準に基づく比較的低い再発率を有する。事象定義基準の概要については、第6.1項を参照されたし。
図89は、患者コホート(3つの提供者をすべて含む)のフォローアップ期間のヒストグラムを示す。白い棒は検閲を受ける前に再発のなかった患者から構成され、また陰付き棒は再発を経験した患者から構成されている。1993年〜2000年に手術を受けた患者を選ぶことによって、我々はコホート(66ヵ月)の平均フォローアップ期間が、かなりの数の再発した患者を有するのに十分長いことを確実にしてきた。
脱パラフィンのために、提供者によって配達された管で、627の提供されたPETサンプルを直接処理した。リモネンの1ml(バージニアメーソンおよびベイラー)または1.8ml(スタンフォード)をそれぞれの管に加えて、時折ボルテックスしてサーモミキサー内で室温で10分間インキュベートした。サンプルは、16,000の×gで5分間、サンプルを遠心分離機にかけた。リモネン浮遊物を取り除き、沈殿物が検出されなければ、遠心分離をより高速で繰り返し、残りのリモネンを取り除いた。スタンフォードからサンプルでは、脱パラフィンプロセスは、残留するパラフィンを取り除くために、1.6mlのリモネンで一度繰り返される。
組織溶解のために、脱パラフィンしたそれぞれのサンプルに190μlの溶解緩衝液および20μlのプロテイナーゼKを加えた。スタンフォードサンプルには、570μlの溶解緩衝液および60μlのプロテイナーゼKを使用した。ボルテックスした後、サンプルを短時間遠心分離機にかけ、60℃で40時間、サーモシェーカー上でインキュベートした。インキュベーションの後、溶解が完了したことを確実にするためにサンプルを検査し、その後95℃で10分の間、プロテイナーゼを不活性化した。DNA抽出用の溶解したサンプルを直ちに使用しないときは、−20℃に保存した。
サンプル提供者およびPSAの再現に基づいて溶解物を無作為化した。2、3の修正をしたQIAGEN DNeasy Tissueキットを使用してDNAを分離した。400μlの緩衝液AL/Eを収集管に分配し、200μlの溶解物を加えた。15秒間シェークしてサンプルを混ぜ合わせた。96ウェルのDNeasyプレートの列に溶解物/緩衝液混合物を加えた。プレートを密封し、10分間5790×gで遠心分離機にかけた。500μlのAW1で列を1回洗浄し、その後500μlのAW2で洗浄した。120μlの緩衝液AEでDNAを溶出した。その結果、抽出されたDNAの最終的な容量は約120μlとなった。DNAを−20℃で保存した。
バイサルファイト処理
抽出の後、サンプルのDNA濃度を定量化するために、CFF実時間PCRアッセイを使用した。
CFF配列:
TAAGAGTAATAATGGATGGATGATGGATAGATGAATGGATGAAGAAAGAAAGGATGAGTGAGAGAAAGGAAGGGAGATGGGAGG(84bp)(配列番号:979)
CFF−前方プライマー TAAGAGTAATAATGGATGGATGATG(配列番号:980)
CFF−逆プライマー CCTCCCATCTCCCTTCC(配列番号:981)
CFFTaqManプローブ ATGGATGAAGAAAGAAAGGATGAGT(配列番号:982)
我々はそれぞれのゲノムDNAサンプルの濃度を調節したので、1ugのCFF1の測定されたDNAが44μlに存在した。パラフィンの埋め込まれた組織から抽出されたゲノムDNAのバイサルファイト処理を、96ウェルのプロトコルを使用して実行した。44μlのゲノムDNA(約1μgの増幅可能なDNAで)、83μlの4.9Mのバイサルファイト溶液(pH5.45〜5.5)、および13μLのDME溶液を、プレートのウェルの中へピペットで移した。サンプルを完全に混ぜ合わせ、以下のプログラムによりサーモサイクラーに入れた。
・99℃でDNAの5:00分の変性
・60℃で22:00分のインキュベーション
・99℃でDNAの3:00分変性
・60℃で1:27:00時間のインキュベーション
・99℃でDNAの3:00分の変性
・60℃で2:57:00時間のインキュベーション
・20℃で冷却
インキュベーションの後、それぞれのサンプルを2つの70μLのアリコートに分割した。それぞれのアリコートを、280μLの調製された緩衝液AVL/CarrierRNAおよび280μLのエタノールと混合した。ウェルを密封し、15秒間サンプルを激しく混ぜ合わせた。10分間室温でプレートをインキュベートした。QIAamp96のプレートに最初のアリコートを加え、4分間5790×gでプレートを遠心分離機にかけた。前記プロセスを第2のアリコートで繰り返し、それにより両方のアリコートが同一の結合列に加えることができた。列を500μLの緩衝液AW1で洗浄し、次に500μLの0.2MのNaOHで洗浄し、その後500μLの緩衝液AW2で2回洗浄した。70℃まで予熱した100μLの溶出緩衝液(Qiagen)でDNAを溶出した。DNAビスを−20℃で保存した。
バイサルファイト処理したDNAサンプルを8×96のウェルプレート(プレート01〜08)に保存した。それぞれのQMアッセイ用の、2枚の384ウェルPCR反応プレート上へサンプルおよび対照を混合した。それぞれのQMアッセイプレートは、標準的なDNA(検定DNAおよびテンプレート対照PCR反応をなくすための水の7つの混合物)により、4×96ウェルプレート(プレートごとに実際に使用される85のウェル)および1x96ウェルプレートのサンプルを含む。QMアッセイプレートを3回行った。
TECANワークステーションで、384ウェルPCRプレートをピペットで取った。ピペット化プログラムにより、マスター混合の最初の10μl、その後それぞれのDNAの10μlを指定のウェルの中に移動させた。ファルコン管にマスター混合をピペットで取り、TECANワークステーションで自動的にピペットで取るために、8×500μlのねじ口バイアルに分配した。
20μlの反応体積を有するABI TAQMAN 7900HT実時間装置(SDS2.2ソフトウェア)で、すべてのQMアッセイを行った。9600エミュレーションでPITX2およびCCND2アッセイを行い、他のアッセイは行わなかった。正確なサンプル名と検出器/レポーター染料をTAQMANソフトウェアへ転送するために、自動サンプルセットアップを使用した。サイクリング状態を手動で調節し、受動基準染料としてROXを使用した。それぞれを実行する結果ファイルを個別に生成するために、手動の分析セッティング(始まりおよび停止の値を有する基礎セッティングおよび手動閾値)を使用して、SDS2.2ソフトウェアで、384すべてのウェルPCRプレートを分析した。
方法:マーカー性能の評価
事象の定義
非転移性疾病患者の前立腺摘除術が成功した後は、身体に前立腺細胞が残っていないはずであり、したがって、PSAレベルはゼロまで下降するはずである。患者のPSAレベルは通常、患者に前立腺癌がないままであることを確実にするために、手術後6〜12ヵ月ごと測定される。PSAが発見できるようになり、特定のレベルまで上昇する場合は、医者および患者は追加的な治療を決定してもよい。したがって、PSAレベルの復帰および上昇は、疾病再発の主な兆候となる。
術後のPSAの再現は、一連の逐次検定以降、レベルの段階的上昇または急速な上昇のどちらかによって典型的に示される。患者の臨床的特徴または機関のアプローチによって、PSAが見つけられるとすぐに、特定の閾値に達したとき、あるいは、臨床症状がPSAの上昇に伴って起こるときに患者は治療されてもよい。大部分の機関は0.2ng/mlのPSAレベルは顕著であると考え、患者のPSAがこのレベルに達して、続くテストで上昇していることが確認されると、追加的な治療が提案される。サンプル提供者のうちの1つである、スタンフォード大学泌尿器科は、0.05ng/mlはPSAの再現であると考え、PSAがこのレベルに達すると、患者の治療を検討する。
本研究の事象は、すべてのPSAに基づく再発を含む。続くテストで確認された、0.2ng/mlのPSAレベルは、再発の検出に最高の感度および特異性を提供するために示されてきた(Freedlandら、2003)。このレベルへのPSAの上昇は通常、臨床再発のどんな進行にも先行し、したがって、本研究のほぼ全員の患者は、PSAの再現の時点で臨床再発のないままである。この0.2ng/mlのカットオフに達する前に、スタンフォードはしばしばPSAの再現により患者を治療するので、0.2ng/mlのPSAレベルだけが考えられた事象であるならば、再発患者の多くは本研究において検閲を受けるであろう。したがって、PSAレベルのために治療を受ける3つの機関のいずれかからの患者もまた、本研究では事象と考えられる。
要約すると、事象は、本研究において、PSAにおける0.2ng/mlまでのいかなる上昇(続くテストで確認される)、またはPSA基準に基づいて患者を治療するという決定として定義される。
未加工QMデータ処理
本報告書のすべての分析は、CT評価に基づく。最適実時間PCR状態が指数関数増幅段階にあると仮定すると、メチル化されたDNA(Cmeth)の濃度は以下によって決定できる。
ここでは、
CTCGはCGリポーター(FAMチャネル)の閾値サイクルを意味し、
CTTGはTGリポーター(VICチャネル)の閾値サイクルを意味する。
増幅プロット(ABI PRISM 7900HT Sequence Detection System User Guide)の外観検査によって、サイクルの閾値を決定した。ABI7900ソフトウェアによってこれらの閾値でサイクルの値(CTCGおよびCTTG)を計算した。増幅曲線が閾値を超えないときはいつでも、サイクルの値は最大サイクル、例えば50に設定される。
統計分析のためにRソフトウェアパッケージ、バージョン2.2.(GentlemanおよびIhaka、1997)を使用した。
さらに、我々は生存率分析のために、「survival」パッケージ、バージョン2.11−5(http://cran.at.r−project.org/src/contrib/Descriptions/survival.html)を使用した。
k−倍クロス確認、ROC分析およびプロット機能のために、独自に開発したコードを使用した。
「Annotated Data Matrix」(ADM)と呼ばれる、独自に開発したデータオブジェクトに、それぞれのデータセットを表す。このデータオブジェクトは、サンプルおよびアッセイのための必要なすべての注釈と同様に、品質管理および平均化の後の測定を含む。
QMアッセイ検定曲線
0から100パーセントのメチル化に及ぶ、メチル化されたMDA−DNAおよび非メチル化されたMDA−DNAの一連の混合物を、3組のそれぞれのQM PCRプレートに含めた。すべてのPCRプレートで均一なQMアッセイの性能を確実にするために、これらのDNAを使用した。すべてのアッセイは10%と100%との間で強い定量的能力を示し、一部のアッセイは5%メチル化されたDNAと非メチル化されたDNAを一貫して識別できた。
統計方法
品質管理の後、それぞれのアッセイを統計学的に分析した。
コックス回帰
コックスの比例ハザードモデル(CoxおよびOates、1984;Harrel、2001)を使用して、再発のない生存期間(RFS)と共変量との関係を分析した。
ハザード、すなわち、再発の瞬間リスクは、一変量および重回帰分析のために、
h(t|x)=h0(t)exp(βx) (3)
および
h(t|x1,…,xk)=h0(t)exp(β1x1+…+βkxk) (4)として形に表され、それぞれ、kは10であり、mは100、tは手術後何ヶ月も測定される時間であり、h0(t)は(特定されていない)基線ハザードであり、xiは共変量(例えば、アッセイの測定)であり、βiは回帰係数(モデルのパラメータ)である。βiは、コックスの比例ハザードモデルの部分尤度を最大化することによって予測されるであろう。
メチル化がハザードに関連しているかどうか検定するために、尤度比検定を実行した。
フルモデルとヌルモデルの2Log(尤度)との差異は、帰無仮説β1=…=βk=0のもとで、自由度kで約X2−分散する。
計測されたSchoenfeldの残渣(ThernauおよびGrambsch、2000)によって、比例ハザードの仮説を評価した。コックスの比例ハザードモデルの計算、分析および診断のために、「survival」パッケージのR関数「coxph」および「coxph.zph」を使用した。
段階的な回帰分析
複数のコックス回帰モデルでは、関連変量のみを含むサブモデルを発見するために、段階的な手順(VenablesおよびRipley、1999;Harrel、2001)を使用した。2つの効果は、通常これらの手順によって達成される。
・関連した情報をモデルに加えないので、基本的に従属変数(DFS/MFS)とは無関係である変数(メチル化率)は除外される。
・大いに相関性のある一組の変数の中から、従属変数と最良の関係を有するものだけを保持する。
両タイプの変数を含めることにより、数値的不安定およびと検出力の損失に通じる可能性がある。さらに、予測の機能が、オーバーフィッティングのために低くなることもある。
応用アルゴリズムは、Akaike情報量基準(AIC)を最小化することを目指す。
AICはモデルの性能に関連があり、より低い値ほどより良い性能を約束する。追加の変数を含めることにより、モデルフィットが常に改善され、したがって尤度が増加するのに対して、第2の期間は追加のパラメータの推定を不利にする。最良のモデルは、優れたフィット、また通常少ないまたは適度な数の変数を有する妥協モデルを提示する。AICによる段階的な回帰計算を、R関数「step」で行う。
カプランマイヤー生存曲線およびログランク検定
生存者のためにカプランマイヤー推定量を使用して、RFSデータから生存曲線を推定した(KaplanおよびMeier、1958)。2本の生存曲線、例えば高メチル化群対低メチル化群の差異を検定するために、ログランク検定(CoxおよびOates、1984)を使用した。さらに、一般化ウィルコクソン検定と通常称されるログランク検定の変形を適用した(説明には、HosmerおよびLemeshow、1999を参照)。カプランマイヤー分析では、「survival」パッケージの関数「survfit」と「survdiff」を使用した。
他の共変量からの単一マーカーおよびマーカーパネルの非依存性
本マーカーが追加および独立情報を伝えるかどうかを検査するために、コックスの比例ハザードモデルに他の関連した臨床要因を含め、あらゆる要因のための重量のためのp値を計算した(Wald−Test)(Thernauら、2000)。コックスの比例ハザードモデルにおける更なる要因の分析には、R関数「coxph」を使用した。
複数の検定修正
複数の検定のための修正は行わなかった。
密度推定
数値変数には、ガウシアンカーネルおよび可変的な帯域幅により、カーネル密度推定を実行した。シルバーマンの「経験則」(Silverman、1986)を使用して、帯域幅を決定した。密度の計算には、R関数「density」を使用した。
感度と特異性の分析
ベイズ公式を用いて感度および特異性を計算する方法は、所定の時間TThresholdのマーカー陽性群およびマーカー陰性群で、生存確率のカプランマイヤー推定量(Heagertyら、2000)に基づいている。異なる基準期間TThreshold(3年、4年、5年、6年)のためにROCを計算した。
k倍クロス確認
モデルの選択およびモデルのロバスト性の分析には、k倍クロス確認(Hastieら、2001)を使用した。一連の観察をk塊に無作為に分けた。言い換えると、すべての塊を検定組として使用するのに対して、残りのk−1塊は訓練組を構成する。この手順を、m回繰り返す。
結果
上述のように、605のサンプルを処理した。3つの複製を有する6つのマーカーQMアッセイで、すべてのサンプルを分析した。品質管理のためにデータをフィルタにかけて、方法の項で説明したように分析した。それぞれのマーカーの臨床性能を以下に要約し、カプランマイヤー生存曲線およびROC曲線は図90から図95に一致している。グラフ中で報告された生存曲線の比較のためのp値は、普通のログランク検定に基づいている。
一般化ウィルコクソン検定を使用した結果も、基本的に同様である(データを図示せず)。
カットオフとして平均値メチル化レベルを使用して、マーカーの性能を最初に吟味した。データを見る前にこのカットオフを決定したので、マーカーの性能を判断するのにp値を使用できる。カットオフとして平均値メチル化を使用している大幅なp値を有するどんなマーカーでも、有効であると考えられる。平均値メチル化レベルがすべてのマーカーに最良のカットオフであるとは限らず、これらのマーカーのために、予後分離は、最も低いp値をもたらすメチル化カットオフを選ぶことによってさらに最適化できる。カットオフがp値に特に最適化されるので、p値はもはや統計的有意性を示すのに使用できない。
カットオフとして平均値メチル化を使用しているマーカーの性能の重要性を判断するために、我々は0.005(6つの比較のための修正を仮定する)のp値を使った。p値(0.008未満)および事象分離に基づいて、PITX2は最有力な候補となる。配列番号:35を有するGPR7。したがって、これらの2つのマーカーは、術後前立腺癌予後の有効なマーカーと考えられる。カットオフ(p値0.018および0.0059)として平均値メチル化レベルを使用する配列番号:63は顕著ではなかったが、メチル化のカットオフが最適化されるとき、うまく機能する。結果については表17を参照されたし。
図90Aは、最適化されたメチル化カットオフ値(13.5%)を使用している品質管理フィルタを通過した、585の患者サンプルのPITX2マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示す。90Bは、カットオフとして所定の平均値メチル化値を使用しているPITX2マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示し、p値は0.000017であった。図90Cは、5年のフォローアップ後の、、PITX2マーカーのROC曲線分析を示す。平均値メチル化カットオフを三角形でマークし、最適化されたメチル化カットオフをダイヤモンドで示す。AUCは、0.64であった。
図91Aは、最適化されたメチル化カットオフ値(18.06%)を使用している品質管理フィルタを通過した、596の患者サンプルのGPR7マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示す。図91Bは、カットオフとして所定の平均値メチル化値を使用している前記マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示し、p値は0.0016であった。図91Cは、5年のフォローアップ後の、前記マーカーのROC曲線分析を示す。平均値メチル化カットオフを三角形でマークし、最適化されたメチル化カットオフはダイヤモンドで示す。AUCは、0.64であった。
図92Aは、最適化されたメチル化カットオフ値(5.79%)を使用している品質管理フィルタを通過した、599の患者サンプルの配列番号:63のマーカーのカプランマイヤー生存率分析を示す。
図92Bは、カットオフとして所定の平均値メチル化値を使用している前記マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示し、p値は0.018であった。図92Cは、5年のフォローアップ後の、前記マーカーのROC曲線分析を示す。平均値メチル化カットオフを三角形でマークし、最適化されたメチル化カットオフをダイヤモンドで示す。AUCは、0.60であった。
図93Aは、最適化されたメチル化カットオフ値(36.77%)を使用している品質管理フィルタを通過した、598の患者サンプルの配列番号:35のマーカーのカプランマイヤー生存率分析を示す。
図93Bは、カットオフとして所定の平均値メチル化値を使用している前記マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示し、p値は0.059であった。図93Cは、5年のフォローアップ後の、前記マーカーのROC曲線分析を示す。平均値メチル化カットオフを三角形でマークし、最適化されたメチル化カットオフをダイヤモンドで示す。AUCは、0.61であった。
図94Aは、最適化されたメチル化カットオフ値(28.41%)を使用している品質管理フィルタを通過した、592の患者サンプルのABHD9マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示す。図94Bは、カットオフとして所定の平均値メチル化値を使用している前記マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示し、p値は0.018であった。図94Cは、5年のフォローアップ後の、前記マーカーのROC曲線分析を示す。平均値メチル化カットオフを三角形でマークし、最適化されたメチル化カットオフをダイヤモンドで示す。AUCは、0.58であった。
図95Aは、最適化されたメチル化カットオフ値(2.22%)を使用している品質管理フィルタを通過した、604の患者サンプルのCCND2マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示す。図95Bは、カットオフとして所定の平均値メチル化値を使用している前記マーカーのカプランマイヤー生存率分析を示し、p値は0.22であった。図95Cは、5年のフォローアップ後の、前記マーカーのROC曲線分析を示す。平均値メチル化カットオフを三角形でマークし、最適化されたメチル化カットオフをダイヤモンドで示す。AUCは、0.61であった。
患者の臨床サブセットにおけるマーカーの評価
前立腺癌を評価するために、いくつかの臨床予後因子を普通に使用した。グリーソン悪性度化システムを使用している腫瘍分化状態の定量化による腫瘍の組織学的分析は、現在の臨床診療において特に重要な予後指標である。マーカーがグリーソンカテゴリー内で患者を再分割することによって、グリーソン分析を改善できるかどうか決定することにより分析を継続した。我々は、マーカーがノモグラムリスク推定(Hanら、2003)および疾病期など、他の予後指標に情報を加えることができるかどうかも調査した。
これらの分析には、我々は、我々のマーカーが集団サブ群でまだ有益かどうか決定するカプランマイヤー分析、および、前記マーカーが予後の臨床的変数と無関係である情報を提供するかどうか決定するコックスの回帰分析を使用した。グリーソンスコア(Charite Gleason判定を使用)を3群(6以下、7、および8から10)に分類し、病期を2群(T2/局限性臓器およびT3/非局限性臓器)に分類し、PSAを4群(0から4ng/ml、4から10ng/ml、10から20ng/ml、および20ng/mlより大きい)に分類し、5年間PSAのない生存者のノモグラム推定を2群(90から100%および0から89%)に分類した。
PITX2
コックスの回帰モデル化では、PITX2は他の臨床的予後情報と無関係である有用な予後マーカーとなる(表18)。言い換えると、PITX2メチル化により、PSAまたは疾病期より多くの情報がグリーソンに追加される。PITX2に対するハザード率は2.2である。サブ群の生存率分析において、PITX2は、すべての前立腺癌患者の重要なマーカーとなるべき可能性を有する。
局限性臓器疾病を有する患者サブ群内で激しい分離が見られることは、とりわけ興味深い(図96)。局限性臓器疾病(T2)を有する患者は、手術によって治療されるべきである。手術によって治療されていない患者は、手術前に前立腺を残す細胞を多少有していたはずであり、したがって、進行の初期段階に、浸潤性特徴を有する腫瘍細胞を有していたはずである。PITX2は、T2群を、非常にわずかな再発の可能性(〜5%)を有する低メチル化された群、および、むしろT3患者に近い予後を有する高メチル化された群に分類できる。
図96は、病期に基づくサブ集団で、PITX2性能の生存率分析を示す。左上プロットは、予後マーカーで疾病期の性能を示す。右上プロットは、pT2患者でのPITX2の性能を示す。左下プロットは、pT3患者でのPITX2の性能を示す。
PITX2はまた、グリーソンサブカテゴリ内で患者を階層化することができる。図97は、低いグリーソン患者(スコア5または6)および高いグリーソン患者(スコア8、9または10)の生存率分析が低いp値をもたらすことを示す。高いグリーソンスコアを有する患者は現在のところ、術後アジュバント療法に関する臨床試験の候補である。しかし、PITX2値は、これが均一な群でないことを示唆する。PITX2の低メチル化では、高いグリーソン患者は10年で無病生存が85%の確率を有する一方で、高メチル化では、高いグリーソン患者は非常に低い可能性(〜35%)を有する。疾病再発の高い尤度を有するこれらの患者は、アジュバント療法または臨床試験に選ばれるべき患者である。
図97は、グリーソンスコアカテゴリーに基づくサブ集団で、PITX2性能の生存率分析を示す。左上プロットは、予後マーカーでグリーソンスコアの性能を示す。グリーソン5または6の患者をAとマークし、グリーソン7の患者をBとマークし、グリーソン8、9および10の患者をCとマークする。右上プロットは、グリーソン5および6の患者でのPITX2の性能を示す。左下プロットは、グリーソン7の患者でのPITX2の性能を示す。右下プロットは、グリーソン8、9および10の患者でのPITX2の性能を示す。
患者の大きなコホートに基づいて、前立腺癌ノモグラムを作成する。それらは、病期、グリーソンおよび手術前のPSAレベルからの情報を1つの予後指標に数学的に組み合わせる。図98が示すように、ノモグラム自体は非常に強力である。しかし、PITX2はさらに患者を再分割することができる。
図98は、ノモグラムリスク推定に基づくサブ集団で、PITX2性能の生存率分析を示す。左上プロットは、予後マーカーでノモグラムの性能を示す。右上プロットは、ノモグラムに準じて5年でPSAのない生存の可能性が90%の患者でのPITX2の性能を示す。左下プロットは、ノモグラムに準じて5年でPSAのない生存の可能性が90%未満の患者でのPITX2の性能を示す。
配列番号:63
コックスの回帰分析では、配列番号:63は、他の臨床的予後情報と無関係である有用な予後マーカーとなる(表19)。ハザード率は2.9である。サブ群の生存率分析において、配列番号:63は、高いグリーソン患者(図99)およびモノグラムに基づく芳しくない予後を有する患者(図100)など、一部のサブ群の重要なマーカーとなるべき可能性を有しているように見える。
図99は、グリーソンスコア8、9および10の患者での配列番号:63の性能の生存率分析を示す。
図100は、ノモグラムに準じて5年でPSAのない生存の可能性が90%未満の患者での配列番号:63の性能の生存率分析を示す。
配列番号:35は、pT2患者などの一部のサブ群用のマーカーである(図101)。
考察
PITX2、配列番号:35、およびGPR7はすべて、平均値メチル化レベルがカットオフとして使用されるとき、重要な予後情報を示す。メチル化カットオフを平均値より高く設定することは、これら3つのマーカーの性能を向上させる。これは、マーカーの陽性群を減少させて、検定の特異性を増加させる効果を有する。平均値メチル化レベルは、配列番号:63のためには最適ではない。その代わりに、より低いカットオフは、このマーカーのために良好および不良予後の群をより明瞭に分類する。これら4つのマーカーのための最適化されたメチル化カットオフ値はすべて、それぞれのアッセイが技術的によく適している範囲内に収まる。
サンプルが本研究において分析された患者は、前立腺摘除術検定のために標的となるであろう集団を代表する。したがって、これらのマーカーが将来の患者に提供することもあり得る情報について思索することは可能である。PITX2は、例えば、約60%の感度と70%の特異性を有する。図90のカプランマイヤー分析では、マーカーの陽性群は10年後に、マーカーの陰性群が有する再発のリスクの約3倍を有する。図97では、PITX2が陽性であるグリーソン8〜10の患者は、10年以内のPSAの再現の可能性を65%有する。対照的に、マーカーが陰性であったグリーソン8〜10の患者は、たった15%のPSAの再現の可能性を有した。メチル化マーカー情報をグリーソン層化へ追加することにより、臨床医は、アジュバント療法から最も便益を得ることができる、予後の芳しくないサブ群を特定することができる。アジュバント療法臨床試験の患者の選択手順に、これらのメチル化マーカーを組み込む場合、臨床医は、予後の芳しくない患者のための早期アジュバント治療の追加に明瞭な便益を見始める可能性がある。
情報をグリーソンに追加することに加えて、PITX2および他のマーカーのうちのいくつかは、局限性臓器疾病を有する患者を階層化することもできる。臓器に実に局限される疾病を有する患者は、臓器の完全なる除去によって治療されるであろう。臓器に局限されると見られる疾病を有するが、検出されていない微小転移巣を有する患者は、手術によって治療されないであろう。両方とも手術可能な小さな病巣を有するこれら2つの群の患者は、転移に対して非常に異なる潜在的可能性を有する腫瘍を有する。PITX2および他のマーカーのうちのいくつかは、基本的な腫瘍の浸潤性において根本的なこれらの差異を検出しているように見える。
現在使用されているマーカーに情報を追加するこれらのマーカーの能力は、最も重要である。グリーソンおよび病期分類化はすでに重要な予後情報を提供しており、従来からの情報源に取って代わることはないが補完するであろう新しい検定はどちらも、より有益であり、また臨床治療においてすぐに採用される可能性がより高い。
患者のサブ群でのマーカーのアッセイでは、多くの場合、マーカーは、従来の臨床的変数に基づく芳しくない予後を有する患者に対し最も効果があるようであった。グリーソン8〜10の患者およびPSAのない生存者のノモグラムの確率が低い患者を、本マーカーによって、良好および不良予後の群にうまく階層化した。前立腺摘除術検定には、アジュバント療法から最も便益を得ることができる、不良予後の患者群を選択するのに前記検定が使用されるであろうから、これらの患者は標的とするのに理想的である。T3患者(非局限性臓器疾病)には、マーカー配列番号:63が好ましい。概して、この分析は、本マーカーが不良予後の患者を特定するのに特によく適していることを証明している。
実施例6:パラフィンの埋め込まれた組織でのアッセイの検定
以下のアッセイでは、配列番号:19、35、37および63の分析のために、表12で示すアッセイを用いて、パラフィンの埋め込まれた前立腺組織のサンプル内のメチル化を分析した。その後、これを実施例2で説明した冷凍サンプルに実行された同じ測定と比較した。
サンプル
サンプルは、パラフィンの埋め込まれた前立腺摘除術サンプル、または実例3で説明された新鮮冷凍組織であった。サンプルを区分化し、組織を溶解し、その後、DNAを抽出し、バイサルファイト変換した。
309のパラフィンの埋め込まれたサンプルが利用可能であり、使用されているPCRにつき1ngから10ngの間のDNAを有し、PCRにつき少なくとも1ngのDNAを有するこれらすべてのサンプルを分析に含めた。
試薬:
1×Taqman PCR緩衝液A
0.25mMのdNTP
3.5mMのMgCl2
900nMの各プライマー
300nMのプローブ
1ユニットのAmpliTaq金
サーマルサイクリングプロファイル:
ステップ1、95℃−>10分(Taq活性化)
反復:1
ステップ2、95℃−>15秒(変性)
63.0℃−>1分(アニーリング/けん引法)
反復:50
以下のカテゴリーを比較した
1.早期生化学的再発(前立腺摘除術後24ヵ月未満のPSAの再現)対生化学的非再発(手術後最低4年のPSAモニターリングの間のPSAの大幅な上昇なし)
132のサンプルが非再発群において利用可能であり、59のサンプルが早期再発群において利用可能である。
2.高いグリーソン(スコア=8〜10)対低いグリーソン(スコア=悪性度4または悪性度5の要素のないスコア2〜6)
59のサンプルが高いグリーソン群において利用可能であり、64のサンプルが低いグリーソン群において利用可能である。
結果
図102から図125に結果を示し、上述のウィルコクソン検定を使用して計算した。
図102は、表12に示される配列番号:19のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図103は、表12に示される配列番号:63のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図104は、表12に示される配列番号:35のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図105は、表12に示される配列番号:37のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図106は、表12に示される配列番号:19のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図107は、表12に示される配列番号:63のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図108は、表12に示される配列番号:35のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図109は、表12に示される配列番号:37のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図110は、表12に示される配列番号:19のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図111は、表12に示される配列番号:63のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図112は、表12に示される配列番号:35のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図113は、表12に示される配列番号:37のアッセイを使用している早期生化学的再発対生化学的非再発の比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図114は、表12に示される配列番号:19のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図115は、表12に示される配列番号:63のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図116は、表12に示される配列番号:35のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図117は、表12に示される配列番号:37のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍およびPETの両サンプルで検出された増幅産物を示す。
図118は、表12に示される配列番号:19のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図119は、表12に示される配列番号:63のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図120は、表12に示される配列番号:35のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図121は、表12に示される配列番号:37のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、PETサンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図122は、表12に示される配列番号:19のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図123は、表12に示される配列番号:63のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図124は、表12に示される配列番号:35のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
図125は、表12に示される配列番号:37のアッセイを使用している高いグリーソン対低いグリーソンの比較において、冷凍サンプルのみで検出された増幅産物を示す。
なお、本発明は以下に関するものである。
1. 前立腺細胞増殖障害を有する対象の予後を提供する方法であって、
前記対象から生体試料を取得するステップと、
PITX2、HIST2H2BF、配列番号:63、GPR7、配列番号:35およびFOXL2から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子またはゲノム配列の前記試料内での発現状態を決定するステップと、
それから前記対象の前記予後を決定するステップであって、発現が予後を示しているステップと、を備える、前立腺細胞増殖障害を有する対象の予後を提供する方法。
2.c)の前記予後を決定する際、少なくとも1つのさらなる予後変数が因子となる、前記1に記載の方法。
3.前記予後変数がノモグラム、PSA値、およびグリーソンスコアから成る群から選択される、前記2に記載の方法。
4.全患者生存率、無病生存率または無再発生存率、腫瘍関連の合併症および腫瘍発現率から成る群の少なくとも1つにおいて、前記予後を決定する、前記1または2に記載の方法。
5.d)前記対象に適切な処置を決定するステップをさらに含む、前記1から3のいずれかに記載の方法。
6.前記前立腺細胞増殖障害が、前立腺癌または前立腺腫瘍である、前記1から4のいずれかに記載の方法。
7.前記遺伝子がPITX2である、前記1から4のいずれかに記載の方法。
8.前記ゲノム配列が配列番号:35である、前記1から4のいずれかに記載の方法。
9.前記ゲノム配列が配列番号:63である、前記1から4のいずれかに記載の方法。
10.前記疾患がT2前立腺癌である、前記5または6に記載の方法。
11.前記疾患がグリーソンスコア8以上を有する前立腺癌である、前記5または7に記載の方法。
12.前記対象が、ノモグラムスコアに基づく不良な予後を有する、前記7に記載の方法。
13.前記試料は、細胞または細胞株、組織スライド、生検、パラフィン包埋組織、体液、精液、尿、血液、およびその組み合わせから成る群から選択される、前記1から12のいずれかに記載の方法。
14.前記発現は、少なくとも1つのmRNA、cDNAまたはポリペプチドの値を測定することにより決定される、前記1から13のいずれかに記載の方法。
15.前記発現は、ノーザンブロット分析、逆転写酵素PCR、実時間PCR、RNAseプロテクションアッセイ、およびマイクロアレイ解析から成る群から選択される少なくとも1つの方法の使用により決定される、前記14に記載の方法。
16.前記発現は、前記遺伝子またはゲノム領域内の1つ以上のCpG配列のメチル化レベルまたはメチル化状態を決定することにより決定される、前記1から13のいずれかに記載の方法。
17.前記対象から得た生体試料から分離したゲノムDNAを、前記ゲノムDNAの少なくとも1つの標的部位内で、メチル化および非メチル化CpGジヌクレオチドを識別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させるステップを含み、前記標的部位は、少なくとも1つの遺伝子の16の隣接するヌクレオチドの配列、またはPITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択される配列を備えるか、またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、前記隣接するヌクレオチドは、少なくとも1つのCpGジヌクレオチド配列を備え、前立腺細胞増殖障害の予後を提供するステップは、少なくとも一部分において利用可能になる、前記16に記載の方法。
18.前記対象から得た生体試料からゲノムDNAを分離するステップと、
1つ以上の試薬を用いて、5位非メチル化シトシン塩基をウラシル、またはハイブリダイゼーションの特性において、検出可能な程度にシトシンとは異なるその他の塩基に変換するために、ゲノムDNAまたはその断片を、1つ以上の試薬で処理するステップと、
処理されたゲノムDNA、またはその断片を、増幅酵素と、いずれの場合にも、少なくとも18ヌクレオチドの長さの、配列番号133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965、およびその補体から成る群から選択される配列と相補的であるか、または、適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件下で、ハイブリダイズする、隣接する配列を備える、少なくとも2つのプライマーとに接触させるステップであって、前記処理されたDNAまたはその断片は、増幅されて1つ以上の増幅産物を形成するか、または増幅されないステップと、
前記増幅産物の有無、または前記増幅産物の量または特性に基づき、少なくとも1つの遺伝子の少なくとも1つのCpGジヌクレオチド配列、またはPITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択される配列のメチル化状態、または少なくとも1つの遺伝子の複数のCpGジヌクレオチド配列またはPITX2、配列番号:63、GPR7および配列番号:35から成る群から選択される配列の平均メチル化状態または平均メチル化状態を反映する値を決定するステップと、
前記メチル化状態から前記対象の予後を決定するステップと、
を含む、前記17に記載の方法。
19.配列番号:961、35、63および19から派生する処理済核酸であって、前記処理は、前記ゲノムDNA配列の少なくとも1つの非メチル化シトシン塩基をウラシルに、またはハイブリダイゼーションにおいて検出可能な程度にシトシンとは異なるその他の塩基に変換するために適する、処理済核酸。
20.配列番号:133,134,261,262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965、およびそれに相補的な配列から成る群から選択される処理済ゲノムDNA配列、少なくとも16の隣接するヌクレオチドを備える核酸であって、前記核酸は、配列番号:961、35、63および19と同一でも相補的でもなく、前記処理は、前記ゲノムDNA配列の少なくとも1つの非メチル化シトシン塩基をウラシルに、またはハイブリダイゼーションにおいて検出可能な程度にシトシンとは異なるその他の塩基に変換するための適する核酸。
21.前記隣接する塩基配列は、少なくとも1つのCpG、TpGまたはCpAジヌクレオチド配列を含む、前記19および20に記載の核酸。
22.前記処理は、重亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、二硫酸塩、およびその組み合わせから成る群から選択される試薬の使用を含む、前記19から21のいずれかに記載の核酸。
23.配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965から成る群から選択される処理されたゲノムDNA配列、およびそれに相補的な配列と相補的であるか、または、適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、少なくとも9つの隣接するヌクレオチドの配列を備える、オリゴマーであって、前記核酸は、配列番号:961、35、63および19に、同一でも相補的でもないオリゴマー。
24.少なくとも1つのCpG、CpAまたはTpGジヌクレオチドを備える、前記23に記載の核酸。
25.PITX2、HIST2H2BF、配列番号:63、GPR7、FOXL2および配列番号:35から成る群から選択される遺伝子またはゲノム領域のポリペプチドを検出する手段を備える、前立腺細胞増殖障害を患う対象の予後を提供するために使用されるキット。
26.(a)PITX2、HIST2H2BF、配列番号:63、GPR7、FOXL2および配列番号:35から成る群から選択される遺伝子またはゲノム領域のポリペプチドを検出する手段と、(b)前記手段および前記ポリペプチドを備える患者の生体試料を入れるために適した容器であって、前記手段は、ポリペプチドと共に複合体を形成できる、容器と、(c)(b)の複合体を検出する手段と、任意に、(d)使用説明書および前記キットの結果の解説を備える、前記9に記載のキット。
27.PITX2、HIST2H2BF、配列番号:63、GPR7、FOXL2および配列番号:35から成る群から選択される遺伝子またはゲノム領域のmRNA転写の値を測定するための手段を備える、前立腺細胞増殖障害を患う対象の予後を提供するために使用されるキット。
28.(a)PITX2、配列番号:63、GPR7、および配列番号:35から成る群から選択される遺伝子またはゲノム領域のmRNA転写の値を測定するための手段と、(b)前記手段およびPITX2、配列番号:63、GPR7、および配列番号:35から成る群から選択される遺伝子またはゲノム領域のmRNAを備える患者の生体試料を入れるために適した容器であって、前記手段は、前記遺伝子の転写産物をハイブリダイズできる、容器と、(c)(b)の複合体を検出する手段と、任意に、(d)使用説明書および前記キットの結果の解説を備える、前記10に記載のキット。
29.−少なくとも1つのバイサルファイト試薬と、
−いずれの場合にも、少なくとも16ヌクレオチドの、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965、およびその補体から成る群から選択される配列と相補的であるか、または適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件下で、ハイブリダイズする、隣接する配列を備える、少なくとも2つの核酸分子と、
を備える、キット。
30.a)配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965から成る群から選ばれた配列の1つ、およびそれに相補的な配列に従って、化学的に前処理されたゲノムDNAのセグメントの、少なくとも18塩基の長さの配列を備える、核酸と、
b)塩化マグネシウム、taq ポリメラーゼのdNTP、オリゴマー、具体的には、オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸(PNA)−オリゴマーのうち少なくとも1つの物質を含むバッファーであって、前記オリゴマーは、いずれの場合にも、配列番号:133、134、261、262、189、190、317、318、101、102、229、230、962〜965、およびそれに相補的な配列の1つに従って、前処理ゲノムDNAと相補的であるか、または、適度にストリンジェントな、またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、少なくとも9つの隣接するヌクレオチドの長さを有する少なくとも1つの塩基配列を備える、バッファーと、
を備える組成物。
31.前記1から18に記載の方法、前記19から22に記載の核酸、前記23から24に記載のオリゴマー、前記25から29に記載のキット、または前立腺細胞増殖障害を患う患者の予後を提供するための前記30に記載の組成物の使用。