JP2012120045A - パルス走行位置検出回路、a/d変換回路および固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度でパルス信号の走行位置を検出することができ、狭小な場所にも配置することができるパルス走行位置検出回路、これを用いたA/D変換回路、およびこのA/D変換回路を用いた固体撮像素子を提供する。
【解決手段】印加された電源または該電源に応じた電流源に応じた遅延時間でパルス信号を遅延させる複数の遅延素子を具備した同一の構成の遅延回路が、少なくとも1つのフィードフォワード回路が形成されるように、直列の円環状に複数段連結されたパルス走行回路と、複数の遅延回路のそれぞれから出力される出力信号を検出して保持した情報を走行位置の情報として出力するラッチ回路とを備え、それぞれの遅延回路は、第1の遅延素子と、構造が異なる第2の遅延素子とを具備し、少なくとも1つの遅延回路内にパルス信号の走行を開始させる起動信号を入力し、他の遅延回路内に、少なくともパルス信号が走行している間は所定の固定電圧を入力する。
【選択図】図2
【解決手段】印加された電源または該電源に応じた電流源に応じた遅延時間でパルス信号を遅延させる複数の遅延素子を具備した同一の構成の遅延回路が、少なくとも1つのフィードフォワード回路が形成されるように、直列の円環状に複数段連結されたパルス走行回路と、複数の遅延回路のそれぞれから出力される出力信号を検出して保持した情報を走行位置の情報として出力するラッチ回路とを備え、それぞれの遅延回路は、第1の遅延素子と、構造が異なる第2の遅延素子とを具備し、少なくとも1つの遅延回路内にパルス信号の走行を開始させる起動信号を入力し、他の遅延回路内に、少なくともパルス信号が走行している間は所定の固定電圧を入力する。
【選択図】図2
Description
本発明は、パルス走行位置検出回路、A/D変換回路および固体撮像素子に関する。
従来、アナログ入力電圧の大きさに応じた遅延時間でパルス信号を遅延させるパルス走行回路を用いてアナログ入力電圧をデジタル値に変換するA/D(アナログ/デジタル)変換回路として、図14に示した構成のものが知られている(非特許文献1参照)。
図14は、従来のA/D変換回路の概略構成を示したブロック図である。図14において、A/D変換回路500は、パルス走行回路50、カウンタ56、ラッチ58、ラッチ&エンコーダ52から構成される。
パルス走行回路50は、一方の入力端子にパルス信号StartPが入力され、他方の入力端子に最終段の遅延回路の出力信号が入力されるAND(論理積)型遅延回路DL1と、前段の遅延回路の出力信号が入力されるn−1個のバッファ型遅延回路DL2〜DLnがリング状に連結されている。パルス走行回路50内の遅延回路DL1〜DLnには、電源電圧としてアナログ・デジタル変換の対象となるアナログ入力信号(電圧)Vinが供給されている。
パルス走行回路50にパルス信号StartPを入力すると、パルス信号StartPは、リング状に構成された遅延回路DL1〜DLnに供給されたアナログ入力信号Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間をもってパルス走行回路50内を走行(周回)する。このとき、所定時間内にパルス信号StartPが通過する遅延回路DL1〜DLnの段数は、アナログ入力信号Vinの電圧の大きさに応じた遅延回路DL1〜DLnのそれぞれ(以下、遅延回路DL1〜DLnの内、いずれか1つを示すときには、「遅延回路DL」という)の遅延時間によって決まる。すなわち、パルス信号StartPが所定時間内に通過する遅延回路DLの段数は、電源側に供給されたアナログ入力信号Vinの電圧の大きさによって決まることとなる。
カウンタ56は、パルス走行回路50内の遅延回路DL1〜DLnの1つの接続点(n)に接続され、この接続点(n)の信号、すなわち、遅延回路DLnの出力信号の変化に基づいて、パルス信号StartPがパルス走行回路50内を周回した周回数を計測する。そして、計測したパルス信号StartPの周回数を、デジタルデータとして出力する。
ラッチ58は、クロック信号CKsの入力タイミングで、カウンタ56が出力したデジタルデータ、すなわち、パルス信号StartPがパルス走行回路50内を周回した周回数を保持(ラッチ)する。ラッチ58は、保持した結果のデジタルデータを、デジタルデータaとして出力する。
ラッチ&エンコーダ52は、パルス走行回路50内の遅延回路DL1〜DLnの各接続点(1)〜(n)に接続され、クロック信号CKsの入力タイミングで、各接続点(1)〜(n)の信号、すなわち、遅延回路DL1〜DLnのそれぞれの出力信号を保持(ラッチ)する。この保持した結果が、パルス信号StartPがパルス走行回路50内を走行しているときの、パルス走行回路50内での走行位置である。ラッチ&エンコーダ52は、保持した結果のデジタルデータを、デジタルデータbとして出力する。
A/D変換回路500は、ラッチ58から出力されたデジタルデータaを、A/D変換回路500がアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTの上位ビットとし、ラッチ&エンコーダ52から出力されたデジタルデータbを、A/D変換回路500がアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTの下位ビットとして出力する。
次に、A/D変換回路500におけるアナログ・デジタル変換の方法について説明する。図15は、パルス走行回路50の電源側に供給されたアナログ入力信号Vinの電圧の大きさと、パルス走行回路50内を走行するパルス信号StartPの伝播遅延時間との関係の例を示したグラフである。図15に示したように、アナログ入力信号Vinの電圧が低い場合には、パルス信号StartPの伝播遅延時間が大きくなり、アナログ入力信号Vinの電圧が高い場合には、パルス信号StartPの伝播遅延時間は小さくなる。
このように、アナログ入力信号Vinの電圧の大きさに応じて、パルス走行回路50内を走行するパルス信号StartPの伝播遅延時間が変化する。すなわち、アナログ入力信号Vinの電圧の大きさに応じて、パルス信号StartPがパルス走行回路50内の遅延回路DLを通過する通過段数(および周回数)が変わる。このパルス信号StartPがパルス走行回路50内の遅延回路DLを通過する通過段数(および周回数)が、A/D変換回路500がアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTとなる。
次に、A/D変換回路500においてデジタルデータDTを出力する際のサンプリング周期について説明する。図16は、クロック信号CKsとデジタルデータDTの関係の例を示したタイミングチャートである。A/D変換回路500では、ラッチ58およびラッチ&エンコーダ52が、サンプリング周期であるクロック信号CKsの周期毎にパルス信号StartPがパルス走行回路50内の遅延回路DLを通過した通過段数(および周回数)を保持する。そして、A/D変換回路500は、ラッチ58およびラッチ&エンコーダ52がクロック信号CKsの周期毎に保持した結果のデジタルデータに基づいたデジタルデータDTを周期的に出力する。
図16に示したタイミングチャートの例では、A/D変換回路500が、サンプリング周期CK1においてデジタルデータDT1を出力し、サンプリング周期CK2においてデジタルデータDT2を出力し、サンプリング周期CK3においてデジタルデータDT3を出力している。
上記に述べたように、A/D変換回路500は、アナログ入力信号Vinの電圧の大きさに対応したデジタルデータDTを、クロック信号CKsの周期に応じて周期的に出力する。このA/D変換回路500から出力されるデジタルデータDTは、パルス信号StartPがパルス走行回路50内の遅延回路DLを通過する通過段数(および周回数)によって決まる。そして、パルス信号StartPがパルス走行回路50内の遅延回路DLを通過する通過段数(および周回数)は、パルス走行回路50内を走行するパルス信号StartPの伝播遅延時間に依存している。このパルス信号StartPの伝播遅延時間(以下、「パルス遅延時間」という)の特性は、A/D変換回路500におけるアナログ・デジタル変換の精度、特に、デジタルデータDTの下位ビットとしてラッチ&エンコーダ52から出力されるデジタルデータbの精度に影響する。このため、遅延回路DL1〜DLnのそれぞれにおけるパルス遅延時間は同一であることが望ましい。
このパルス遅延時間を同一にするための技術が、例えば、特許文献1に開示されている。図17は、特許文献1で開示されたパルス走行回路(n=16に相当)の概略構成を示したブロック図である。図17に示したパルス走行回路60では、2つのNAND(否定論理積)回路を組として、図14に示した1つの遅延回路DLを構成することにより、パルス走行回路を実現している。より具体的には、パルス走行回路60では、NAND回路601とNAND回路602との組が、図14に示した遅延回路DL1に相当し、NAND回路603とNAND回路604との組が、図14に示した遅延回路DL2に相当する。以降同様に、NAND回路を2個連結した回路が、図14に示した遅延回路DL3〜DLn(n=16)に相当する。このパルス走行回路60は、最終段のNAND回路632の出力信号を図14に示したカウンタ56に入力し、偶数段目のNAND回路の出力信号を図14に示したラッチ&エンコーダ52に入力することによって、図14に示したA/D変換回路500に適用することができる。
このように、パルス走行回路60においては、遅延回路DL1〜DL16を同一の素子で構成することによってパルス遅延時間を同一にし、アナログ・デジタル変換の精度(特に下位ビットの変換精度)を高めるようにしている。
"An All−Digital Analog−to−Digital Converter With 12−μV/LSB Using Moving−Average Filtering",IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS,VOL.38,NO.1,JANUARY 2003
しかしながら、上述のような従来の技術には、以下のような問題がある。すなわち、図14に示したような非特許文献1の技術によるパルス遅延型のA/D変換回路においては、上記に述べたように、パルス走行回路内の遅延回路の構成が各段で異なるため、アナログ・デジタル変換の精度が低下してしまう。また、図17に示したような特許文献2の技術によるパルス走行回路では、非特許文献1の課題である各段の遅延回路のパルス遅延時間が異なることによるアナログ・デジタル変換の精度の低下を改善することができるものの、2つの回路で1つの遅延回路を構成するため、回路規模が大きくなる。より具体的には、非特許文献1の技術では、2個のインバーター回路によってバッファ型遅延回路DL2を構成することができるのに対し、特許文献2の技術では、2個のNAND回路でバッファ型遅延回路DL2となる。
一般的にインバーター回路は、2個のMOS(Metal−Oxide Semiconductor:金属酸化膜半導体)素子で構成することができる対し、NAND回路は、4個のMOS素子で構成される。このため、バッファ型遅延回路DL2を構成するMOS素子の数が2倍となり、同じ段数のパルス走行回路を実現するために必要なMOS素子の数が約2倍となってしまう。
このようなパルス走行回路を実現するためのMOS素子の数の増加によって、パルス走行回路の配置面積が大きくなってしまうというという問題がある。配置面積が大きくなってしまうと、例えば、画素部の列毎にA/D変換回路を有する、いわゆる、カラムA/D方式の固体撮像素子のような、狭小な場所にパルス走行回路を配置することができず、アナログ・デジタル変換の精度を向上したカラムA/D方式の固体撮像素子の実現を阻害する要因となる場合がある。
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、回路規模を冗長に増大させることなくパルス遅延時間を同一にすることによって、高い精度でパルス信号の走行位置を検出することができ、狭小な場所にも配置することができるパルス走行位置検出回路、このパルス走行位置検出回路を用いたパルス遅延型のA/D変換回路、およびこのパルス遅延型のA/D変換回路を用いた固体撮像素子を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明のパルス走行位置検出回路は、印加された電源の電圧の大きさ、または該電源に応じた電流源の電流の大きさに応じた遅延時間でパルス信号を遅延させる複数の遅延素子を具備した、同一の構成の遅延回路が、少なくとも1つのフィードフォワード回路が形成されるように、直列の円環状に複数段連結されたパルス走行回路と、前記複数の遅延回路のそれぞれから出力される出力信号を検出して保持すると共に、該保持した出力信号の情報を、前記パルス走行回路内を走行する前記パルス信号の走行位置の情報として出力するラッチ回路と、を備え、前記複数の遅延回路は、それぞれ、第1の入力端子と、前段の前記遅延回路の出力信号が入力される第2の入力端子と、を有する第1の遅延素子と、前記第1の遅延素子から出力された出力信号が入力される入力端子と、次段の前記遅延回路に出力する出力端子とを有する、前記第1の遅延素子とは構造が異なる第2の遅延素子、と、を具備し、前記複数の遅延回路の内、少なくとも1つの前記遅延回路に具備した前記第1の遅延素子の前記第1の入力端子に、前記パルス信号の走行を開始させるための起動信号を入力し、前記起動信号またはフィードフォワード回路を形成するための前段の前記遅延回路からの出力信号が入力されていない他の前記遅延回路のそれぞれに具備した前記第1の遅延素子の前記第1の入力端子に、少なくとも前記パルス信号が走行している間は所定の固定電圧を入力し、前記複数の遅延回路の内、少なくとも1つの前記遅延回路に具備した前記第2の遅延素子の前記出力端子から出力される出力信号を、前記パルス信号が前記パルス走行回路内を周回したことを表す周回信号として出力する、ことを特徴とする。
また、本発明のパルス走行位置検出回路は、前記複数の遅延回路の内、1つのみの前記遅延回路に具備した前記第1の遅延素子の前記第1の入力端子に、前記起動信号を入力し、前記起動信号を入力した前記遅延回路の前段の前記遅延回路に具備した前記第2の遅延素子の前記出力端子から出力される出力信号を、前記周回信号として出力する、ことを特徴とする。
また、本発明のパルス走行位置検出回路は、前記第1の遅延素子が、NAND(否定論理積)素子またはNOR(否定論理和)素子であり、前記第2の遅延素子が、NOT(論理否定)素子である、ことを特徴とする。
また、本発明のA/D変換回路は、上記本発明のパルス走行位置検出回路と、前記パルス走行位置検出回路から出力されたパルス信号の走行位置の情報に基づいて、該パルス信号が前記パルス走行回路内を走行したときに通過した、前記パルス走行位置検出回路内の遅延回路の段数を算出するエンコーダ回路と、前記パルス走行位置検出回路から出力される前記パルス信号の周回信号に基づいて、 前記パルス走行回路内を前記パルス信号が走行したときの、該パルス信号の周回数を計測するカウンタ回路と、を備え、入力されたアナログ信号を、前記パルス走行位置検出回路に印加する電源としたときに得られた、前記カウンタ回路によって計測した前記パルス信号の周回数と、前記エンコーダ回路が算出した前記遅延回路の段数とに基づいたデジタルデータを、入力された前記アナログ信号をアナログ・デジタル変換したデジタル信号として出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の固体撮像素子は、光電変換素子を有し、該光電変換素子への入射光量に応じた画素信号を出力する画素が二次元に複数配置された画素部と、前記画素部の1列毎または複数列毎に配置された上記本発明のA/D変換回路と、を備え、前記画素部の各列から出力されたそれぞれの画素信号をアナログ信号として、前記画素部の列に対応する前記A/D変換回路にそれぞれ入力し、前記A/D変換回路のそれぞれから出力されたデジタル信号を、順次出力する、ことを特徴とする。
本発明によれば、回路規模を冗長に増大させることなくパルス遅延時間を同一にすることによって、高い精度でパルス信号の走行位置を検出することができ、狭小な場所にも配置することができるパルス走行位置検出回路、このパルス走行位置検出回路を用いたパルス遅延型のA/D変換回路、およびこのパルス遅延型のA/D変換回路を用いた固体撮像素子を提供することができるという効果が得られる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本第1の実施形態によるパルス走行位置検出回路の概略構成を示したブロック図である。図1において、パルス走行位置検出回路10は、パルス走行回路100と、ラッチ150とから構成される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本第1の実施形態によるパルス走行位置検出回路の概略構成を示したブロック図である。図1において、パルス走行位置検出回路10は、パルス走行回路100と、ラッチ150とから構成される。
パルス走行回路100は、アナログ入力信号Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間でパルス信号StartPを走行させる複数の遅延回路が、リング状に連結されている。パルス走行回路100は、内部に備えた遅延回路の出力信号のそれぞれを、ラッチ150に出力する。また、パルス走行回路100は、最終段の遅延回路の出力信号を、パルス走行位置検出回路10の周回信号として出力する。なお、パルス走行回路100に関する詳細な説明は、後述する。
ラッチ150は、パルス走行回路100内の各遅延回路を走行しているパルス信号StartPの位置を表す走行位置データを出力する。ラッチ150は、パルス走行回路100から出力されたパルス走行回路100内の遅延回路の出力信号を、クロック信号CKsの入力タイミングで保持(ラッチ)する。この保持したパルス走行回路100内の遅延回路の出力信号が、パルス信号StartPの走行位置のデータを表す走行位置データとなる。
<第1のパルス走行回路>
次に、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えたパルス走行回路について説明する。図2は、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えた第1のパルス走行回路の概略構成の例を示したブロック図である。図2に示したパルス走行回路100は、特許文献1で開示された16段のパルス走行回路の場合を示しており、遅延回路101〜116がリング状に16個接続された構成である。
次に、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えたパルス走行回路について説明する。図2は、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えた第1のパルス走行回路の概略構成の例を示したブロック図である。図2に示したパルス走行回路100は、特許文献1で開示された16段のパルス走行回路の場合を示しており、遅延回路101〜116がリング状に16個接続された構成である。
パルス走行回路100内の複数の遅延回路101〜116のそれぞれは、遅延素子としてNAND回路D2およびNOT(論理否定)回路D1が用いられている。そして、遅延回路101〜116のそれぞれの構成は、同一の構成となっている。各遅延回路内のNAND回路D2の一方の入力端子には、駆動制御用のパルス信号StartPまたは“High”レベルの固定電圧(図2においては、アナログ入力信号Vinの場合を示しているが、電源電圧VDDでもよい)が接続され、他方の入力端子には、前段の遅延回路のNOT回路D1の出力端子が接続されている。また、各遅延回路内のNOT回路D1の入力端子には、自遅延回路内のNAND回路D2の出力端子が接続され、出力端子は、次段の遅延回路のNAND回路D2の他方の入力端子に接続されている。
パルス走行回路100は、複数の遅延回路101〜116がリング状に連結されると共に、遅延回路116内のNAND回路D2の一方の入力端のみ、遅延回路114内のNAND回路D2の出力信号がフィードフォワードループとして入力されるように構成されている。このフィードフォワードループの構成は、パルス信号StartPが入力されている間、遅延回路101〜116のパルス遅延時間に応じた周期で、各遅延回路の出力を発振させるための構成である。
遅延回路101は、入力されたパルス信号StartPによってパルス走行回路100が起動または停止する起動用の遅延回路である。遅延回路101は、自遅延回路101が停止しているときに、自遅延回路101内のNAND回路D2の一方の入力端子にパルス信号StartP(“High”レベル)が入力されると、自遅延回路101内のNAND回路D2の他方の入力端子に入力された前段の遅延回路116内のNOT回路D1の出力信号のレベルを、遅延回路101の電源電圧として供給されたアナログ入力電圧Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間をもって、伝播させる。また、遅延回路101は、自遅延回路101が動作しているときに、自遅延回路101内のNAND回路D2の一方の入力端子にパルス信号StartP(“Low”レベル)が入力されると、自遅延回路101内のNAND回路D2の他方の入力端子に入力された前段の遅延回路116内のNOT回路D1の出力信号のレベルによらず、“Low”レベルの出力信号を出力する。
2段目以降の遅延回路102〜116は、自遅延回路内のNAND回路D2の他方の入力端子に入力された前段の遅延回路内のNOT回路D1の出力信号のレベルを、自遅延回路の電源電圧として供給されたアナログ入力電圧Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間をもって伝播させる。このようにして、パルス信号StartPがパルス走行回路100内を走行(周回)する。
各遅延回路101〜106内のNOT回路D1の出力信号は、ラッチ150にも出力される。また、遅延回路106内のNOT回路D1の出力信号は、周回信号としても出力される。
各遅延回路101〜106内のNOT回路D1の出力信号は、ラッチ150にも出力される。また、遅延回路106内のNOT回路D1の出力信号は、周回信号としても出力される。
なお、パルス走行回路100においては、遅延回路がリング状に16個接続された場合について説明したが、パルス走行回路100内に備える遅延回路の個数は、図2に示した構成に限定されるものではなく、3個以上であれば特に制限はなく、様々な個数で構成することができる。
また、図2に示したパルス走行回路100では、遅延回路101内のNAND回路D2の一方の入力端子のみにパルス信号StartPに接続され、遅延回路102〜116内のNAND回路D2の一方の入力端子は“High”レベルに接続される場合を示している。しかし、パルス走行回路100の構成は、図2に示した構成に限定されるものではなく、少なくとも1つのNAND回路D2の一方の入力端子に、パルス信号StartPが接続されていればよい。
また、フィードフォワードループの構成も、図2に示したパルス走行回路100の構成に限定されるものではなく、例えば、遅延回路114内のNAND回路D2の一方の入力端のみ、遅延回路110内のNAND回路D2の出力信号が入力されるように構成してもよい。
次に、パルス走行回路100内での遅延回路の構成について説明する。図3〜図6は、本第1のパルス走行回路における遅延回路の構成の一部を示したブロック図である。図3〜図6は、図2に示したパルス走行回路100において、符号120を付与した遅延回路101〜102の部分を示している。パルス走行回路100は、全体の構成を、図3〜図6に示した遅延回路101および遅延回路102と同様の構成とすることができる。
図3に示したパルス走行回路100内の構成の一部120は、図2に示した構成であり、NAND回路D2およびNOT回路D1の電源側をアナログ入力電圧Vinとし、接地側をGNDとした構成である。なお、図3に示した接続では、遅延回路102内のNAND回路D2の一方の入力端子には、アナログ入力信号Vinが固定電圧として供給されている。図3に示した接続での各遅延回路のパルス遅延時間は、アナログ入力信号VinとGNDとの電圧レベルの差によって制御される。
また、パルス走行回路100内の遅延回路の構成は、図4に示したパルス走行回路100内の構成の一部120aのように、NAND回路D2およびNOT回路D1の電源側を電源電圧(VDD)とし、接地側をアナログ入力電圧Vinとすることもできる。なお、図4に示した接続では、遅延回路102内のNAND回路D2の一方の入力端子には、電源電圧VDDが固定電圧として供給されている。図4に示した接続での各遅延回路のパルス遅延時間は、電源電圧VDDとアナログ入力信号Vinとの電圧レベルの差によって制御される。
また、パルス走行回路100内の遅延回路の構成は、図5に示したパルス走行回路100内の構成の一部120bのように、NAND回路D2およびNOT回路D1の電源側にアナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じた電流値を流す電流源41〜44を接続して、各遅延回路のパルス遅延時間を制御する構成とすることもできる。なお、図5に示した接続では、遅延回路102内のNAND回路D2の一方の入力端子には、電源電圧VDDが固定電圧として供給されている。
また、パルス走行回路100内の遅延回路の構成は、図6に示したパルス走行回路100内の構成の一部120cのように、NAND回路D2およびNOT回路D1の接地側にアナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じた電流値を流す電流源41〜44を接続して、各遅延回路のパルス遅延時間を制御する構成とすることもできる。なお、図6に示した接続では、遅延回路102内のNAND回路D2の一方の入力端子には、電源電圧VDDが固定電圧として供給されている。
また、図示しないが、NAND回路D2およびNOT回路D1の電源側と接地側とのそれぞれに、アナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じた電流値を流す電流源を接続して、各遅延回路のパルス遅延時間を制御する構成とすることもできる。
上記に述べたとおり、本第1のパルス走行回路100は、同一の遅延素子(NAND回路D2とNOT回路D1)を用いて各遅延回路を構成している。この構成により、パルス走行回路100では、各遅延回路におけるパルス遅延時間の差がないパルス走行回路を実現することができる。
また、本第1のパルス走行回路100における遅延回路は、特許文献1で開示されたパルス走行回路よりも回路規模を少なくすることができる。より具体的には、特許文献1で開示されたパルス走行回路では、2つのNAND回路によってパルス走行回路100内の遅延回路に相当する構成を実現しているため、MOS素子の数は、(NAND回路のMOS素子)×2個=4個×2個=8個となる。これに対して本第1のパルス走行回路100におけるMOS素子の数は、(NAND回路のMOS素子)+(NOT回路のMOS素子)=4個+2個=6個である。従って、本第1のパルス走行回路100では、1つの遅延回路に対して2個のMOS素子を削減することができる。
このように、本第1のパルス走行回路100では、パルス走行回路内の各遅延回路におけるパルス遅延時間の差がなく、さらに、各遅延回路を構成するMOS素子の数が少ないことによって、高精度にパルス信号StartPの走行位置を検出することができる回路規模の小さいパルス走行回路を実現することができる。
なお、遅延回路におけるMOS素子の削減の効果は、パルス走行回路100内でリング状に接続する遅延回路の数が多くなる、すなわち、パルス走行位置検出回路におけるパルス走行位置の検出精度を上げるために、より多くの遅延回路をパルス走行回路100内に備えて、走行位置データのビット数を多くするほど、高い削減の効果を得ることができる。
<第2のパルス走行回路>
次に、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えたパルス走行回路について説明する。図7は、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えた第2のパルス走行回路の概略構成の例を示したブロック図である。図7に示したパルス走行回路200と、図2に示したパルス走行回路100との違いは、パルス走行回路100において各遅延回路を構成するNAND回路D2の代わりに、NOR(否定論理和)回路D3を備えた構成となっていることである。パルス走行回路200は、図2に示したパルス走行回路100と同様に、16段のパルス走行回路を示しており、遅延回路201〜216がリング状に16個接続された構成である。
次に、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えたパルス走行回路について説明する。図7は、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えた第2のパルス走行回路の概略構成の例を示したブロック図である。図7に示したパルス走行回路200と、図2に示したパルス走行回路100との違いは、パルス走行回路100において各遅延回路を構成するNAND回路D2の代わりに、NOR(否定論理和)回路D3を備えた構成となっていることである。パルス走行回路200は、図2に示したパルス走行回路100と同様に、16段のパルス走行回路を示しており、遅延回路201〜216がリング状に16個接続された構成である。
パルス走行回路200内の複数の遅延回路201〜216のそれぞれは、遅延素子としてNOR回路D3およびNOT回路D1が用いられている。そして、遅延回路201〜216のそれぞれの構成は、同一の構成となっている。各遅延回路内のNOR回路D3の一方の入力端子には、駆動制御用のパルス信号StartPまたは“Low”レベルの固定電圧(図7においては、GND)が接続され、他方の入力端子には、前段の遅延回路のNOT回路D1の出力端子が接続されている。また、各遅延回路内のNOT回路D1の入力端子には、自遅延回路内のNOR回路D3の出力端子が接続され、出力端子は、次段の遅延回路のNOR回路D3の他方の入力端子に接続されている。
パルス走行回路200は、複数の遅延回路201〜216がリング状に連結されると共に、遅延回路216内のNOR回路D3の一方の入力端のみ、遅延回路214内のNOR回路D3の出力信号がフィードフォワードループとして入力されるように構成されている。このフィードフォワードループの構成は、図2に示したパルス走行回路100と同様に、パルス信号StartPが入力されている間、遅延回路201〜216のパルス遅延時間に応じた周期で、各遅延回路の出力を発振させるための構成である。
遅延回路201は、入力されたパルス信号StartPによってパルス走行回路200が起動または停止する起動用の遅延回路である。遅延回路201は、自遅延回路201が停止しているときに、自遅延回路201内のNOR回路D3の一方の入力端子にパルス信号StartP(“Low”レベル)が入力されると、自遅延回路201内のNOR回路D3の他方の入力端子に入力された前段の遅延回路216内のNOT回路D1の出力信号のレベルを、遅延回路201の電源電圧として供給されたアナログ入力電圧Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間をもって、伝播させる。また、遅延回路201は、自遅延回路201が動作しているときに、自遅延回路201内のNOR回路D3の一方の入力端子にパルス信号StartP(“High”レベル)が入力されると、自遅延回路201内のNOR回路D3の他方の入力端子に入力された前段の遅延回路216内のNOT回路D1の出力信号のレベルによらず、“High”レベルの出力信号を出力する。
2段目以降の遅延回路202〜216は、自遅延回路内のNOR回路D3の他方の入力端子に入力された前段の遅延回路内のNOT回路D1の出力信号のレベルを、自遅延回路の電源電圧として供給されたアナログ入力電圧Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間をもって伝播させる。このようにして、パルス信号StartPがパルス走行回路200内を走行(周回)する。
各遅延回路201〜206内のNOT回路D1の出力信号は、ラッチ150にも出力される。また、遅延回路206内のNOT回路D1の出力信号は、周回信号としても出力される。
各遅延回路201〜206内のNOT回路D1の出力信号は、ラッチ150にも出力される。また、遅延回路206内のNOT回路D1の出力信号は、周回信号としても出力される。
なお、パルス走行回路200においては、遅延回路がリング状に16個接続された場合について説明したが、パルス走行回路200内に備える遅延回路の個数は、図7に示した構成に限定されるものではなく、3個以上であれば特に制限はなく、様々な個数で構成することができる。
また、図7に示したパルス走行回路200では、遅延回路201内のNOR回路D3の一方の入力端子のみにパルス信号StartPに接続され、遅延回路202〜216内のNOR回路D3の一方の入力端子は“Low”レベルに接続される場合を示している。しかし、パルス走行回路200の構成は、図7に示した構成に限定されるものではなく、少なくとも1つのNOR回路D3の一方の入力端子に、パルス信号StartPが接続されていればよい。
また、フィードフォワードループの構成も、図7に示したパルス走行回路200の構成に限定されるものではなく、例えば、遅延回路214内のNOR回路D3の一方の入力端のみ、遅延回路210内のNOR回路D3の出力信号が入力されるように構成してもよい。
次に、パルス走行回路200内での遅延回路の構成について説明する。図8〜図11は、本第2のパルス走行回路における遅延回路の構成の一部を示したブロック図である。図8〜図11は、図7に示したパルス走行回路200において、符号220を付与した遅延回路201〜202の部分を示している。パルス走行回路200は、全体の構成を、図8〜図11に示した遅延回路201および遅延回路202と同様の構成とすることができる。
図8に示したパルス走行回路200内の構成の一部220は、図7に示した構成であり、NOR回路D3およびNOT回路D1の電源側をアナログ入力電圧Vinとし、接地側をGNDとした構成である。なお、図8に示した接続では、遅延回路202内のNOR回路D3の一方の入力端子には、GNDが固定電圧として供給されている。図8に示した接続での各遅延回路のパルス遅延時間は、アナログ入力信号VinとGNDとの電圧レベルの差によって制御される。
また、パルス走行回路200内の遅延回路の構成は、図9に示したパルス走行回路200内の構成の一部220aのように、NOR回路D3およびNOT回路D1の電源側を電源電圧(VDD)とし、接地側をアナログ入力電圧Vinとすることもできる。なお、図9に示した接続では、遅延回路202内のNOR回路D3の一方の入力端子には、アナログ入力信号Vinが固定電圧として供給されている。図9に示した接続での各遅延回路のパルス遅延時間は、電源電圧VDDとアナログ入力信号Vinとの電圧レベルの差によって制御される。
また、パルス走行回路200内の遅延回路の構成は、図10に示したパルス走行回路200内の構成の一部220bのように、NOR回路D3およびNOT回路D1の電源側にアナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じた電流値を流す電流源41〜44を接続して、各遅延回路のパルス遅延時間を制御する構成とすることもできる。なお、図10に示した接続では、遅延回路202内のNOR回路D3の一方の入力端子には、GNDが固定電圧として供給されている。
また、パルス走行回路200内の遅延回路の構成は、図11に示したパルス走行回路200内の構成の一部220cのように、NOR回路D3およびNOT回路D1の接地側にアナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じた電流値を流す電流源41〜44を接続して、各遅延回路のパルス遅延時間を制御する構成とすることもできる。なお、図11に示した接続では、遅延回路202内のNOR回路D3の一方の入力端子には、GNDが固定電圧として供給されている。
また、図示しないが、NOR回路D3およびNOT回路D1の電源側と接地側とのそれぞれに、アナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じた電流値を流す電流源を接続して、各遅延回路のパルス遅延時間を制御する構成とすることもできる。
上記に述べたとおり、本第2のパルス走行回路200においても、第1のパルス走行回路100と同様に、同一の遅延素子(NOR回路D3とNOT回路D1)を用いて各遅延回路を構成している。この構成により、パルス走行回路200でも、第1のパルス走行回路100と同様に、各遅延回路におけるパルス遅延時間の差がないパルス走行回路を実現することができる。
また、本第2のパルス走行回路200における遅延回路は、第1のパルス走行回路100と同様に、特許文献1で開示されたパルス走行回路よりも回路規模を少なくすることができる。一般的にNOR回路は、4個のMOS素子で構成される。特許文献1で開示されたパルス走行回路では8個のMOS素子によってパルス走行回路200内の遅延回路に相当する構成を実現するのに対し、本第2のパルス走行回路200では、(NOR回路のMOS素子)+(NOT回路のMOS素子)=4個+2個=6個のMOS素子で各遅延回路を構成することができる。従って、本第2のパルス走行回路200でも、第1のパルス走行回路100と同様に、1つの遅延回路に対して2個のMOS素子を削減することができる。
このように、本第2のパルス走行回路200でも、第1のパルス走行回路100と同様に、高精度にパルス信号StartPの走行位置を検出することができる回路規模の小さいパルス走行回路を実現することができる。
なお、遅延回路におけるMOS素子の削減の効果は、パルス走行回路200内でリング状に接続する遅延回路の数が多くなる、すなわち、パルス走行位置検出回路におけるパルス走行位置の検出精度を上げるために、より多くの遅延回路をパルス走行回路200内に備えて、走行位置データのビット数を多くするほど、高い削減の効果を得ることができる。
上記に述べたとおり、本第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10では、パルス走行回路におけるパルス遅延時間を同一にすることができるため、高い精度でパルス信号の走行位置を検出することができる。また、パルス走行回路の回路規模を小さくすることができるため、狭小な場所にもパルス走行回路を配置することができる。これにより、高い精度でアナログ・デジタル変換を行うパルス遅延型のA/D変換回路や、画素部の列毎にA/D変換回路を配置したカラムA/D方式の固体撮像素子を実現することができる。
<第2の実施形態>
次に、第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10を備えたパルス遅延型のA/D変換回路について説明する。図12は、本第2の実施形態によるA/D変換回路の概略構成を示したブロック図である。図12において、A/D変換回路20は、パルス走行位置検出回路10と、エンコーダ12と、カウンタ16と、ラッチ18とから構成される。図12に示したA/D変換回路20と、図14に示した従来のA/D変換回路500との違いは、従来のA/D変換回路500のパルス走行回路50とラッチ&エンコーダ52とに代わり、第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10とエンコーダ12とを備えた構成となっていることである。
次に、第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10を備えたパルス遅延型のA/D変換回路について説明する。図12は、本第2の実施形態によるA/D変換回路の概略構成を示したブロック図である。図12において、A/D変換回路20は、パルス走行位置検出回路10と、エンコーダ12と、カウンタ16と、ラッチ18とから構成される。図12に示したA/D変換回路20と、図14に示した従来のA/D変換回路500との違いは、従来のA/D変換回路500のパルス走行回路50とラッチ&エンコーダ52とに代わり、第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10とエンコーダ12とを備えた構成となっていることである。
パルス走行位置検出回路10には、アナログ・デジタル変換の対象となるアナログ信号が、アナログ入力信号Vinとして入力されている。パルス走行位置検出回路10は、上記に述べたように、アナログ・デジタル変換の対象となるアナログ入力信号Vinの電圧の大きさに応じた遅延時間で周回するパルス信号StartPの走行位置データを、クロック信号CKsの入力タイミングでエンコーダ12に出力する。また、パルス走行位置検出回路10は、上記に述べたように、内部に備えるパルス走行回路100の最終段の遅延回路の出力信号を、周回信号としてカウンタ16に出力する。
エンコーダ12は、パルス走行位置検出回路10から入力された走行位置データに基づいて、パルス信号StartPが、パルス走行位置検出回路10に備えるパルス走行回路100内の遅延回路を通過した段数を算出し、算出した通過段数を表すデジタルデータを、デジタルデータbとして出力する。
カウンタ16は、パルス走行位置検出回路10から入力された周回信号の変化に基づいて、パルス信号StartPが、パルス走行位置検出回路10に備えるパルス走行回路100内を周回した周回数を計測し、計測したパルス信号StartPの周回数を表すデジタルデータを、ラッチ18に出力する。なお、カウンタ16の動作は、図14に示した従来のA/D変換回路500内のカウンタ56の動作と同様である。
ラッチ18は、カウンタ16から入力されたパルス信号StartPの周回数を表すデジタルデータを、クロック信号CKsの入力タイミングで保持(ラッチ)する。そして、ラッチ18は、保持した周回数のデジタルデータを、デジタルデータaとして出力する。なお、ラッチ18の動作は、図14に示した従来のA/D変換回路500内のラッチ58の動作と同様である。
A/D変換回路20は、ラッチ18から出力されたデジタルデータaを、アナログ入力信号Viをアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTの上位ビットとし、エンコーダ12から出力されたデジタルデータbを、アナログ入力信号Viをアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTの下位ビットとして出力する。
上記に述べたとおり、本第2の実施形態のA/D変換回路20は、図14に示した従来のA/D変換回路500と同様に、アナログ・デジタル変換の対象であるアナログ入力電圧Vinの電圧レベルに応じたデジタルデータDTを出力することができる。そして、本第2の実施形態のA/D変換回路20では、内部に備えた第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10によって高精度にパルス信号StartPの走行位置を検出することができるため、従来のA/D変換回路500よりも高い精度(特に、下位ビット)でアナログ入力電圧Vinをアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTを出力することができる。
<第3の実施形態>
次に、第2の実施形態のA/D変換回路を、画素部の列毎に配置した固体撮像素子について説明する。図13は、本第3の実施形態による固体撮像素子の概略構成を示したブロック図である。図13において、固体撮像素子30は、画素部31と、走査回路32と、複数のA/D変換回路20をから構成される。本第3の実施形態の固体撮像素子30は、第2の実施形態のA/D変換回路20を、画素部の列毎に複数備えている。
次に、第2の実施形態のA/D変換回路を、画素部の列毎に配置した固体撮像素子について説明する。図13は、本第3の実施形態による固体撮像素子の概略構成を示したブロック図である。図13において、固体撮像素子30は、画素部31と、走査回路32と、複数のA/D変換回路20をから構成される。本第3の実施形態の固体撮像素子30は、第2の実施形態のA/D変換回路20を、画素部の列毎に複数備えている。
画素部31は、複数の光電変換素子を含む回路構成からなる単位画素PDが二次元に配置された画素アレイである。画素部31は、図示しない制御装置からの制御によって撮影し、走査回路32によって選択された単位画素PDから、撮影によって得られた入射光量に応じた画素信号(アナログ信号)を、画素部31の列毎に、それぞれの列に対応したA/D変換回路20に出力する。
走査回路32は、図示しない外部の制御装置からの制御によって、画素部31とA/D変換回路20とを制御するための制御信号を出力し、各機能ブロックを駆動する。走査回路32は、図示しない外部の制御装置からの画素信号読み出し要求に応じて、画素部31内の単位画素PDから画素信号を読み出すための制御信号を、画素部31に出力する。また、走査回路32は、画素部31内の選択された単位画素PDから出力された画素信号をアナログ・デジタル変換するためのA/D変換回路20の制御信号を、A/D変換回路20に出力する。A/D変換回路20に出力する制御信号は、例えば、A/D変換回路20内のパルス走行位置検出回路10に入力するパルス信号StartPや、パルス走行位置検出回路10およびラッチ18に入力するクロック信号CKsなどである。
A/D変換回路20は、画素部31の各列の出力信号線に接続され、画素部31から出力信号線に出力された画素信号を、走査回路32の制御によってアナログ・デジタル変換する。それぞれのA/D変換回路20には、画素部31の各列から出力された画素信号が、アナログ入力信号Vinとして入力される。A/D変換回路20は、画素部31から入力された画素信号の電圧レベルに応じてアナログ・デジタル変換したデジタルデータDTを、画素部31の列毎に、図示しない後段の回路に順次出力する。
なお、固体撮像素子30は、画素部31の各列にA/D変換回路20を配置した場合について説明したが、固体撮像素子30内におけるA/D変換回路20の配置は、図13に示した構成に限定されるものではない。例えば、画素部31の1つの出力信号線に複数のA/D変換回路20が接続されるような構成とすることもできる。また逆に、複数の出力信号線に1つのA/D変換回路20が接続されるような構成とすることもできる。
上記に述べたとおり、本第3の実施形態の固体撮像素子30は、画素部31から出力される画素信号をアナログ・デジタル変換する際のA/D変換回路として、第2の実施形態のA/D変換回路20を用いることにより、精度を向上させた高精度のデジタルデータを得ることができる。このことにより、本第3の実施形態の固体撮像素子30では、より高解像度の画像データを得ることができる。
また、本第3の実施形態の固体撮像素子30では、A/D変換回路20内のパルス走行回路が、第1の実施形態のパルス走行位置検出回路10に備えたパルス走行回路100であるため、パルス走行回路の回路規模が小さくなっているため、各A/D変換回路20の回路規模は、従来の構成のA/D変換回路の回路規模よりも小さい。これにより、本第3の実施形態の固体撮像素子30のように、画素部31の各列に沿ってA/D変換回路20を配置する場合でも、狭小な画素列毎にA/D変換回路20を配置することができる。また、回路規模の小さいA/D変換回路20を用いることにより、画素部31の画素列のピッチを、さらに狭めることができ、固体撮像素子30をさらに小型化することもできる。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための最良の形態によれば、パルス走行回路内の全ての遅延回路の構成を、回路規模が冗長とならない同一の構成とすることによって、全ての遅延回路のパルス遅延時間を同一にすることができる。これにより、高い精度でパルス信号の走行位置を検出することができ、狭小な場所にも配置することができるパルス走行位置検出回路を実現することができる。このことにより、A/D変換回路においてパルス走行回路内の遅延回路の構成の違いによるパルス遅延時間の差によって発生するデジタルデータの下位ビットの精度劣化を防ぐことができる。また、このA/D変換回路を搭載した固体撮像素子において、高解像度の画像データを得ることができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
10・・・パルス走行位置検出回路
100・・・パルス走行回路
150・・・ラッチ(ラッチ回路)
101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216・・・遅延回路
41,42,43,44・・・電流源
D1・・・NOT回路(遅延素子,第2の遅延素子)
D2・・・NAND回路(遅延素子,第1の遅延素子)
D3・・・NOR回路(遅延素子,第1の遅延素子)
20・・・A/D変換回路
12・・・エンコーダ(エンコーダ回路)
16・・・カウンタ(カウンタ回路)
18・・・ラッチ
30・・・固体撮像素子
31・・・画素部
32・・・走査回路
PD・・・単位画素(画素)
500・・・A/D変換回路
50・・・パルス走行回路
56・・・カウンタ
58・・・ラッチ
52・・・ラッチ&エンコーダ
DL1・・・AND型遅延回路(遅延回路)
DL2,DL3,DLn・・・バッファ型遅延回路(遅延回路)
60・・・パルス走行回路
601,602,603,604,605,606,607,608,609,610,611,612,613,614,615,616,617,618,619,620,621,622,623,624,625,626,627,628,629,630,631,632・・・NAND回路(遅延素子)
100・・・パルス走行回路
150・・・ラッチ(ラッチ回路)
101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216・・・遅延回路
41,42,43,44・・・電流源
D1・・・NOT回路(遅延素子,第2の遅延素子)
D2・・・NAND回路(遅延素子,第1の遅延素子)
D3・・・NOR回路(遅延素子,第1の遅延素子)
20・・・A/D変換回路
12・・・エンコーダ(エンコーダ回路)
16・・・カウンタ(カウンタ回路)
18・・・ラッチ
30・・・固体撮像素子
31・・・画素部
32・・・走査回路
PD・・・単位画素(画素)
500・・・A/D変換回路
50・・・パルス走行回路
56・・・カウンタ
58・・・ラッチ
52・・・ラッチ&エンコーダ
DL1・・・AND型遅延回路(遅延回路)
DL2,DL3,DLn・・・バッファ型遅延回路(遅延回路)
60・・・パルス走行回路
601,602,603,604,605,606,607,608,609,610,611,612,613,614,615,616,617,618,619,620,621,622,623,624,625,626,627,628,629,630,631,632・・・NAND回路(遅延素子)
Claims (5)
- 印加された電源の電圧の大きさ、または該電源に応じた電流源の電流の大きさに応じた遅延時間でパルス信号を遅延させる複数の遅延素子を具備した、同一の構成の遅延回路が、少なくとも1つのフィードフォワード回路が形成されるように、直列の円環状に複数段連結されたパルス走行回路と、
前記複数の遅延回路のそれぞれから出力される出力信号を検出して保持すると共に、該保持した出力信号の情報を、前記パルス走行回路内を走行する前記パルス信号の走行位置の情報として出力するラッチ回路と、
を備え、
前記複数の遅延回路は、それぞれ、
第1の入力端子と、前段の前記遅延回路の出力信号が入力される第2の入力端子と、を有する第1の遅延素子と、
前記第1の遅延素子から出力された出力信号が入力される入力端子と、次段の前記遅延回路に出力する出力端子とを有する、前記第1の遅延素子とは構造が異なる第2の遅延素子、と、
を具備し、
前記複数の遅延回路の内、少なくとも1つの前記遅延回路に具備した前記第1の遅延素子の前記第1の入力端子に、前記パルス信号の走行を開始させるための起動信号を入力し、
前記起動信号またはフィードフォワード回路を形成するための前段の前記遅延回路からの出力信号が入力されていない他の前記遅延回路のそれぞれに具備した前記第1の遅延素子の前記第1の入力端子に、少なくとも前記パルス信号が走行している間は所定の固定電圧を入力し、
前記複数の遅延回路の内、少なくとも1つの前記遅延回路に具備した前記第2の遅延素子の前記出力端子から出力される出力信号を、前記パルス信号が前記パルス走行回路内を周回したことを表す周回信号として出力する、
ことを特徴とするパルス走行位置検出回路。 - 前記複数の遅延回路の内、1つのみの前記遅延回路に具備した前記第1の遅延素子の前記第1の入力端子に、前記起動信号を入力し、
前記起動信号を入力した前記遅延回路の前段の前記遅延回路に具備した前記第2の遅延素子の前記出力端子から出力される出力信号を、前記周回信号として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパルス走行位置検出回路。 - 前記第1の遅延素子は、
NAND(否定論理積)素子またはNOR(否定論理和)素子であり、
前記第2の遅延素子は、
NOT(論理否定)素子である、
ことを特徴とする請求項2に記載のパルス走行位置検出回路。 - 請求項1から請求項3のいずれか1の項に記載のパルス走行位置検出回路と、
前記パルス走行位置検出回路から出力されたパルス信号の走行位置の情報に基づいて、該パルス信号が前記パルス走行回路内を走行したときに通過した、前記パルス走行位置検出回路内の遅延回路の段数を算出するエンコーダ回路と、
前記パルス走行位置検出回路から出力される前記パルス信号の周回信号に基づいて、 前記パルス走行回路内を前記パルス信号が走行したときの、該パルス信号の周回数を計測するカウンタ回路と、
を備え、
入力されたアナログ信号を、前記パルス走行位置検出回路に印加する電源としたときに得られた、前記カウンタ回路によって計測した前記パルス信号の周回数と、前記エンコーダ回路が算出した前記遅延回路の段数とに基づいたデジタルデータを、入力された前記アナログ信号をアナログ・デジタル変換したデジタル信号として出力する、
ことを特徴とするA/D変換回路。 - 光電変換素子を有し、該光電変換素子への入射光量に応じた画素信号を出力する画素が二次元に複数配置された画素部と、
前記画素部の1列毎または複数列毎に配置された請求項4に記載のA/D変換回路と、
を備え、
前記画素部の各列から出力されたそれぞれの画素信号をアナログ信号として、前記画素部の列に対応する前記A/D変換回路にそれぞれ入力し、
前記A/D変換回路のそれぞれから出力されたデジタル信号を、順次出力する、
ことを特徴とする固体撮像素子。
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2010
- 2010-12-02 JP JP2010269632A patent/JP2012120045A/ja active Pending
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