JP2012119769A - 無線送受信装置及び無線通信ネットワーク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記無線送受信装置は、一度転送したメッセージパケットを2回目以後受信した場合、当該メッセージパケットの転送を行わない戻り防止手段と、他の無線送受信装置からの送信信号の受信を停止するか、若しくはその転送を停止するように設定できる設定手段とを備える。
【効果】受信器から遠く離れた無線送受信装置にデータの転送をさせないことにより、転送ルートを短くして、メッセージパケットの消滅を防止する。
【選択図】図1
Description
各無線送受信装置は通信経路の情報を有しない。そのために、通信経路の情報を無線送受信装置に保存することなく転送を行うので、各無線送受信装置が有するメモリの容量を小さくできる。また、通信制御部(CPU)の処理の速度が小さくても、無線通信が可能になる。
そこで、本発明の目的は、「無線送受信装置の戻り防止機能が働いてしまって、メッセージパケットが止まる」という状況の発生確率を減少させることができ、使い勝手の良い無線送受信装置、及びその無線送受信装置に適用される無線通信ネットワークを提供することである。
無線送受信装置は、メッセージパケットを受信した場合に、そのメッセージパケットの宛先である無線送受信装置との位置関係に応じて、停止設定手段を自動的に作動させる/させない、を決定する決定手段をさらに備えていてもよい。これによれば、無線送受信装置は、他の無線送受信装置との位置関係を判断して、その「宛先となる無線送受信装置」が直接通信できないような場所にある場合に、停止設定手段を自動的に働かせることができる。前記「位置関係」とは、例えば無線送受信装置間の無線伝搬路の伝搬利得によって決まる関係である。
なお、前記メッセージパケットは、宛先となる1又は複数の無線送受信装置が特定されたパケットであってもよく、宛先が特定されないパケットであってもよい。
「宛先となる無線送受信装置」とは、最終的に目的とする1又は複数の無線送受信装置のことである。この「宛先となる無線送受信装置」は、他の無線送受信装置がメッセージパケットを送信するときに、「宛先アドレス」を用いて特定されるほか、自己の無線送受信装置に自己が「他の無線送受信装置」から見た「宛先」となることを登録することにより特定してもよい。
また本発明の無線通信ネットワークは、前記本発明の無線送受信装置を接続して構成されるものである。
図1は、無線通信ネットワークの概要を示す図である。無線通信ネットワークは、無線送受信装置A〜Hと、それらを接続する無線ネットワークとによって構成される。無線送受信装置A〜Hは基本的には同一の構成である。しかし実施可能な範囲において、例えば一部の無線送受信装置を受信専用の構成としたり送信専用の構成とするなど、各無線送受信装置A〜Hを異なる構成とすることができる。図1では、無線送受信装置A〜Fのうち、無線送受信装置Fは受信専用の装置として機能するものとする。図1に示す実施形態では、無線送受信装置の数は8台として説明するが、無線送受信装置の数はこれに限られるものではない。また、無線送受信装置A〜Hの各々が移動する無線送受信装置であるとして説明を行うが、その一部又は全部が、固定位置に取り付けられるものであっても良い。
通信制御部104は中央演算装置(CPU)を中心として構成され、その機能は、ROM105に格納されている制御プログラムを、一時記憶領域であるRAM106を利用しながら実行することである。また、RAM106は不揮発性であり、後述する受信履歴の情報を記憶する履歴テーブル、無線送受信装置A〜Hの電波伝搬に係る条件を記憶する伝搬条件テーブルとしても機能する。インターフェイス部107は調歩同期シリアル通信を採用している。なお、通信制御部104、ROM105、RAM106、インターフェイス部107は1個のマイコンに搭載されている。
停止設定スイッチ110は、当該無線送受信装置の、メッセージパケットの受信を停止するか、若しくはその転送を停止するように設定されるスイッチであり、たとえばDIPスイッチやスライドスイッチが用いられる。インジケータ111は、各無線送受信装置までの電波感度を測定するためのテスト信号を受信したときに点灯するものである。テスト信号を受信したときに、電波感度が所定のしきい値よりも高い場合は、緑色を点灯させる。電波感度が所定のしきい値よりも低い場合は、赤色を点灯させ、電波が届かない場合は、無点灯となる。
また、各無線送受信装置からの情報を一箇所に収集する目的のために設けられる受信専用の無線送受信装置Fでは、例えば、プリンターを入出力装置として有している場合もある。
ここで宛先アドレスは、情報を受け取るべき無線送受信装置である無線送受信装置Fに固有のアドレス(識別アドレス)である。なお、宛先アドレスには複数の無線送受信装置を指定することもできる。
メッセージパケットの種類は大きく分類すると、データ信号であるか、各無線送受信装置までの電波感度を測定するためのテスト信号であるかに分類される。さらに、データ信号である場合には、どのような種類のメッセージパケットであるか、例えば、センサデータであるか、音声であるかなどが記述される。
有効データ長は、メッセージ領域の中で、何バイトが有効なデータであるかを示す。
周波数番号は、送信する周波数ごとに予め与えられているものであり、無線ネットワークにおいて、複数の送信周波数が選択される場合においても、周波数番号によっていずれの周波数が用いられているかを認識することができる。
最大転送回数は、オリジナル送信元の無線送受信装置から宛先の無線送受信装置まで、いくつの無線送受信装置を経て、当該メッセージパケットを送信することを許すか(制限数)を表すものである。転送回数が最大転送回数以上である場合には、その無線送受信装置からの転送が停止される。
この転送機能において、通信可能なエリアに複数の無線送受信装置があった場合に、キャリアセンスの時間を無線送受信装置が協調して変更して、複数の無線送受信装置から同時に転送が行われる状態を生じさせないようにする方式(協調型転送)が採用されている。ここで「キャリアセンス」とは、ある時間を起点(キャリアセンス時間起点)として、所定時間(キャリアセンス時間)待って、その所定時間内に他の無線送受信装置からの送信(転送)がされていないことを認識した場合には、自らが転送を開始し、他の無線送受信装置からの送信(転送)がされたと認識した場合には自らは転送をしない技術をいう。キャリアセンス時間は、ある上限値の範囲内で各無線送受信装置に設定される時間である。なお、初期においてキャリアセンス時間を設定するだけだと、初期のキャリアセンス時間に重複が生じ、同時転送の状態が固定される可能性もあるので、各無線送受信装置のキャリアセンス時間にばらつきを生じさせるために、「ランダムウエイト」を追加するようにしている(特許文献1参照)。
「戻り防止機能」の説明に先立ち、まず、従来の転送方式について説明をする。従来の転送方式では、他の無線送受信装置(第1無線送受信装置)からの情報を受けた無線送受信装置(第2無線送受信装置)は、受信した情報を無条件に転送する。このとき、第1無線送受信装置からの情報を受信する無線送受信装置は第2無線送受信装置に限るものではなく、複数個となる場合もある。同様にして、第2無線送受信装置からの情報を受けた無線送受信装置(第3無線送受信装置)も、無条件に転送をする。この場合においても、第2無線送受信装置からの情報を受信する無線送受信装置は第3無線送受信装置に限るものではなく、複数個となる場合もある。このようにして、次から次ぎに情報が転送され、1台の無線送受信装置の通信可能な距離を越えた信号伝送が可能とされる。
上では、2台の無線送受信装置の間で生じる関係のみを説明したが、同様の関係が、無線ネットワークのあらゆる部分で発生する。この結果として多数の無用な伝送が発生する。図1の例では、無線送受信装置Aから無線送受信装置Fに情報が伝達されたときに通信の目的を達したこととなり、その後においては、この情報に係る電波の発射は不要である。しかしながら、従来の転送方式によれば、転送回数が最大転送回数となるまで、各無線送受信装置が無用な電波を、無秩序に発射し続けることとなる。「戻り防止機能」はこのような事態の発生を防止する技術である。
図5に示すフローチャートの説明に先立ち、RAM106に形成される履歴テーブルの内容である「メッセージパケットの履歴」(以下、履歴と省略する)について説明をする。
図5に示すフローチャートの説明を行う。まず、ステップS1において、通信制御部104は、受信されるメッセージパケット(新たに受信される1個のメッセージパケット)の受信を認識する。より具体的には、メッセージパケットを受信部103が受信するごとに通信制御部104にその制御データの内容が転送され、通信制御部104は受信を認識する。
「転送停止の設定」がなされていないならば、ステップS4において、通信制御部104は、前に受信した履歴をRAM106の履歴テーブルから読み出す。この場合、ステップS4〜ステップS6で構成されるループにおいて、最初に読み出される履歴は、図4に示す履歴4(最も直近の履歴)である。なお、読み出す履歴の数が1個だけに設定されている場合には、ステップS6の処理は必要とはされない。
比較内容は、「オリジナル送信元アドレス」、「メッセージパケットの種類」、「メッセージパケット識別情報」、「残り再送回数」の4つであり、この4つが一致するか否かを比較するものである。なお、「メッセージパケット種類」が1種類に固定されている場合には、比較内容は、「オリジナル送信元アドレス」、「メッセージパケット識別情報」、「残り再送回数」の3つとされる。しかし、比較内容の種類は3〜4に限られるものではなく、メッセージパケットの同一性が特定できれば良く、もっと少なくても良い。例えば「オリジナル送信元アドレス」、「メッセージパケット識別情報」の2つでもよい。
ステップS6において、通信制御部104は、受信されるメッセージパケットに含まれる情報(履歴5)と履歴テーブルのすべての履歴の内容が比較されたか否かを判断する。つまり、履歴5の内容と履歴4の内容、履歴5の内容と履歴3の内容、履歴5の内容と履歴2の内容及び履歴5の内容と履歴1の内容との4回の比較が行われたか否かを判断する。
ステップS4において、通信制御部104は、未だ受信されるメッセージパケットに含まれる情報(履歴5)と比較していない履歴を読み出す。すなわち、履歴5と履歴4との比較のみが終了したのであれば、比較していない履歴である履歴3を読み出す。ステップS4〜S6の処理は、ループに含まれるので複数回繰り返す。
そしてステップS8に示すように、メッセージパケット(履歴5に関するメッセージパケット)を履歴4としてRAM106に書き込み、もとの履歴4を履歴3に移し、もとの履歴3を履歴2に移し、もとの履歴2を履歴1に移し、もとの履歴1は廃棄する。
つまり、以上述べた逆戻り処理の内容は以下のように要約される。受信されるメッセージパケットに含まれる情報(履歴5)が、RAM106の履歴4〜履歴1の何れかに記憶された、複数回の転送の各々に関する情報と一致する場合に、受信されるメッセージパケットを転送しないように制御する。
ところが、実際に運用してみると、このような戻り防止機能が備えられている無線送受信装置を無線通信ネットワークで接続した送受信中継システムにおいて、各無線送受信装置が、最終的に目的とする無線送受信装置にメッセージパケットが伝達されるまえに、メッセージパケットがいずれの無線送受信装置からも転送されず止まってしまうという状況が発生することがあった。
そこで本発明の実施形態では、当該無線送受信装置に「転送停止の設定」がなされているかどうかを判断する(図5;ステップS3)。この転送停止の設定は、システムの管理者が停止設定スイッチ110(図2)を操作して、当該無線送受信装置の、メッセージパケットの転送を停止するように設定する。
これにより、「逆戻り処理を採用することによりメッセージパケットが宛先となる無線送受信装置に届く前に各無線送受信装置を迂回しているうちに、各無線送受信装置の戻り防止機能が働いて、メッセージパケットが止まってしまうという」事態を予防することができる。したがって、オリジナル送信元が再送をしなければならなくなる回数が減少し、メッセージパケットを無駄にしている時間を削減できるので、無線送受信装置の電源部に再充電ができない電池を使用している場合にはその消耗を防止し、再充電可能なバッテリーが使用される場合には、バッテリーの無充電で使用できる時間を延ばすことができる。
図6は、「戻り防止機能」の処理(図5)の中で、「転送停止の設定」の他の実施例を示す部分的なフローチャートである。ステップS1で通信制御部104はメッセージパケットの受信を認識すると、ステップS2において、通信制御部104は、受信されるメッセージパケットのオリジナル送信元が自分(当該無線送受信装置)であるか否かを判断し、オリジナル送信元と識別アドレスとが一致する場合には、ステップS9に進み、通信制御部104は受信メッセージパケットを破棄する。ここまでは図5の処理手順と同一である。
ここで伝搬条件テーブルとは、他の無線送受信装置から受信したメッセージパケットを転送するか否かを決定するテーブルである。転送を行うか否かは、メッセージパケットの「オリジナル送信元の無線送受信装置」と「宛先となる無線送受信装置」の組合せにより、所定の条件に従って決定する。所定の条件とは、例えば、オリジナル送信元の無線送受信装置から見て自己の無線送受信装置が宛先となる無線送受信装置と反対側に設置されているときには、受信したメッセージパケットを転送しないように設定する。それにより、メッセージパケットの「逆戻り」を抑制でき、結果としてメッセージパケットの消失等を予防することができる。なお、伝播条件テーブルは、各無線送受信装置が個別に保持しており、例えばRAM106に記憶される。
伝播条件テーブルによれば、オリジナル送信元の無線送受信装置Dから宛先となる無線送受信装置Fにメッセージパケットを送信する場合、図7の無線送受信装置Aの伝播条件テーブルは、「×」となっている。これは、オリジナル送信元の無線送受信装置Dから見て無線送受信装置A は宛先となる無線送受信装置Fの反対側に位置しており、無線送受信装置Aを経由するとパケット消失や転送遅延の恐れがあるため、「×」となっている。
自己の無線送受信装置が、各無線送受信装置の履歴テーブルを回収する指令を出して各無線送受信装置から履歴テーブルを回収する。回収する際に、各無線送受信装置のオリジナル送信元アドレスも合わせて回収することで、回収した履歴テーブルと履歴テーブルを送信した無線送受信装置の関連付けをすることができる。これらの回収した履歴テーブルに基づいて、宛先となる無線送受信装置の履歴テーブルを参照して、受信履歴のある無線送受信装置を特定する。その特定された無線送受信装置がオリジナル送信元であるメッセージパケットについては、自己の伝播条件テーブルで「×」にする。それ以外の無線送受信装置がオリジナル送信元であるメッセージパケットについては「○」にする。つまり、宛先となる無線送受信装置の履歴テーブルにある無線送受信装置がオリジナル送信元であるメッセージパケットは転送しないことを意味する。
このように転送停止の設定を手動で行うのではなく、各無線送受信装置が回収した宛先となる無線送受信装置の履歴テーブルを参照して、伝播条件テーブルを作成する。そして、履歴テーブルにある無線送受信装置からのメッセージパケットは、転送を行わず、履歴テーブルにない無線送受信装置からのメッセージパケットは、戻り防止チェックの上で転送を行う。
また図8は、宛先が特定されない前記メッセージパケットを送信する同報送信の場合の無線通信ネットワークの概要を示す図である。無線送受信装置A〜Hのうち、中心から外れた遠い場所にある無線送受信装置F,G,Hは、自己が「他の無線送受信装置」から見た「宛先」となることを登録することによってパケットを取り込む受信機として機能するとともに、停止設定手段の設定によって、メッセージパケットの転送を停止するようにされている。無線送受信装置Dは無線送受信装置F,G,Hと同様、受信機として機能するほか、転送機能も備えている。他の無線送受信装置B,C,Eは、受信は行わず、転送のためにのみ機能するものとする。このような図8に示す実施形態において、中心から外れた遠い場所にある無線送受信装置H,F,Gは、停止設定手段を機能させて、当該無線送受信装置からメッセージパケットを転送しないこととすれば、「最終的に目的とする無線送受信装置にメッセージパケットが伝達される前にメッセージパケットが迂回して、各無線送受信装置の戻り防止機能が働いてしまって、当該メッセージパケットが止まってしまう」という状況の発生確率を減少させることができる。なお、どの無線送受信装置にメッセージパケットの転送をしない機能を持たせるかは、運用の問題であり、最終的に通信が円滑に行われるかどうかを確認しながら、最適の状態に設定することとすればよい。
101 アンテナ
102 送信部
103 受信部
104 通信制御部
105 ROM(Read Only Memory)
106 RAM(Random Access Memory)
107 インターフェイス部
108 電源部
109 その他の入出力装置
110 停止設定スイッチ
Claims (7)
- 無線通信ネットワークに接続される無線送受信装置であって、
前記無線通信ネットワークを通して他の前記無線送受信装置からメッセージパケットを受信した場合に、当該メッセージパケットの転送をする転送手段と、一度転送したメッセージパケットと同じメッセージパケットを所定の回数以後受信した場合、当該メッセージパケットの転送を行わない戻り防止手段と、メッセージパケットの受信を停止するか、若しくはその転送を停止するように設定される停止設定手段を備えることを特徴とする無線送受信装置。 - 前記停止設定手段は、手動で転送停止の設定が可能な操作部材を含む、請求項1記載の無線送受信装置。
- 前記無線送受信装置は、前記メッセージパケットを受信した場合に、そのメッセージパケットの宛先である無線送受信装置との伝搬条件に応じて、前記停止設定手段を自動的に作動させる/させないを決定する決定手段をさらに備える、請求項1記載の無線送受信装置。
- 前記無線送受信装置は、宛先の無線送受信装置ごとに、前記停止設定手段を自動的に作動させるかどうかの伝搬条件テーブルを予め有する、請求項3記載の無線送受信装置。
- 前記メッセージパケットは、宛先となる1又は複数の無線送受信装置が特定されたパケットである請求項1から請求項4までのいずれかに記載の無線送受信装置。
- 前記メッセージパケットは、宛先が特定されないパケットである請求項1から請求項4までのいずれかに記載の無線送受信装置。
- 複数の無線送受信装置と、前記無線送受信装置どうしを接続する無線通信ネットワークとを有する無線通信ネットワークであって、
前記無線送受信装置は、前記無線通信ネットワークを通して他の前記無線送受信装置からメッセージパケットを受信した場合に当該メッセージパケットの転送をする転送手段と、一度転送したメッセージパケットと同じメッセージパケットを所定の回数以後受信した場合、当該メッセージパケットの転送を行わない戻り防止手段とを備え、
前記無線送受信装置は、メッセージパケットの受信を停止するか、若しくはその転送を停止するように設定される停止設定手段をさらに備えることを特徴とする無線通信ネットワーク。
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