JP3864783B2 - 無線通信ネットワークシステム、無線端末、無線通信方法およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の機器が無線通信によってデータの送受を行う無線通信ネットワーク技術に関し、特に無線通信ネットワークに接続された発信元の無線端末が種々の情報をパケット化して発信し、他の無線端末が中継を繰り返しながら着信先の無線端末まで転送するシステムで用いる技術に関し、ネットワーク内におけるパケット生成の時間的な順序を判断するためのパラメータの付加方法、更には通信ネットワーク上のパケットを減少させてパケット通信のスループット向上をはかる方法の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信ネットワークシステムは、メッシュ状に構成されたマルチホップの無線通信ネットワーク中の、任意の無線端末間でデータ転送を行うために、各無線端末は無線端末間における無線接続情報を作成し、この情報の交換を行うことで互いの位置関係を認識し、この情報を無線通信ネットワークの全ての無線端末に周知することにより、無線端末は無線通信ネットワークのメッシュ構造と全ての無線端末の接続位置を認識することで、データを転送することが出来る無線通信ネットワークが知られている。
【0003】
図7は、無線通信ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図7において、無線通信ネットワークは、無線端末A、B、C、D、E及びFによって構成されている。図中の点線は、無線通信のルートであり、すべての無線端末は、バケツリレー式にパケット通信が可能である。
【0004】
そして、無線端末A乃至Eは、互いの無線接続情報から位置関係を認識し通知することによって、無線通信ネットワークのメッシュ構造と互いの位置関係を知っている。
【0005】
このような無線通信ネットワークにおいて送信側無線端末(例えば、無線端末A)から受信側無線端末(例えば、無線端末E)へパケットを送る場合、送信側無線端末Aから送信されたパケットは、任意に選択された中継無線端末(例えば、無線端末B、D)によってバケツリレー方式で受信側無線端末Eに到達する。
【0006】
図8は、従来のパケット通信のシーケンスを説明するための図である。
図8において、送信側無線機Aから受信側無線機Eへ向けて送信されたデータパケットは、中継無線機B、Dを中継して受信側無線機Eに着信する。
【0007】
そして、上記データパケットを受信した受信側無線機Eは、受信した旨のパケット(応答パケット)を送信側無線機A宛てに送信する。この応答パケットは、中継無線機D、Bを中継して送信側無線機Aに着信する。
【0008】
図9は、データパケット障害時の再発信の原理を説明するための図である。送信側無線機から受信側無線機へパケット送信される過程における、各無線機間でのパケット受け渡しの応答は、受け渡し先の中継無線機がその先の中継無線機ヘパケットを送信した電波(以後、エコーと言う)を受信することで確認を行っている。例えば、送信側無線機Aからデータパケットを受信した中継無線機Bは、そのデータパケットを次の中継無線機Dへ送信する。そして、送信側無線機Aは、中継無線機Bが中継無線機Dへ送信した電波を傍受することにより、データパケットが中継無線機Dへ送信されたことを確認する(図9(a))。
【0009】
しかしながら、ある無線機がこのエコーの受信に失敗した場合、そのエコーを受信すべきであった無線機は、パケットの受け渡しが正常に行われなかったと判断して、回避ルート上にある他の中継無線機に再度発信を行う。例えば、データパケットを送信した送信側無線機Aが、何らかの原因により中継無線機Bからのエコーの受信に失敗すると、送信側無線機Aは、このデータパケットが正常に中継されたにもかかわらず、中継無線機Bにおける中継に何らかの障害があると判断し、同一内容のデータパケットを中継無線機Cに送信する(図9(b))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
よって、無線通信ネットワーク上には分裂した同一内容のパケットが複数存在してしまう。この分裂パケットはお互いに干渉し合い、さらなる分裂パケット発生の原因となる。また、送信パケットが受信側無線機に到達し、受信側無線機が応答パケットを送信した後もネットワーク上に存在し続ける可能性がある。
【0011】
すなわち、無線通信ネットワークにおいて、ネットワーク上にパケットが多数存在していると、それぞれの通信が輻輳し、さらに分裂パケットの発生を誘発してスループットの低下、通信障害の原因となる。
【0012】
本発明は、分裂パケットを極力減少させる事によってスループットの低下、通信障害の発生を抑えようとするもので、無線通信ネットワークにおいて、不要な古い分裂パケット(受信側で着信済み)を破棄し、ネットワーク内に存在する総パケット数を減少させることが可能な無線通信ネットワークシステム、無線端末、無線通信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
送信側無線端末から発信されるパケットに、その生成された順番に通し番号
(以後パケット通番という)を付加する。
【0014】
そして、この付加されているこのパケット通番により、送信側無線端末からの送信パケットと受信側無線端末からの応答パケットを区別し、中継無線端末がパケットを受信した時、ネットワーク上に受信側無線端末からの応答パケットが存在する場合は、パケット通番の古い方のパケットを破棄する。
【0015】
これにより、中継無線端末が新旧のパケットを同時に受信した時に、古いパケットを破棄する事になり、無線通信ネットワーク内に存在する分裂パケットの数を減少させて発信衝突の確率を減少させることができる。
【0016】
また、中継無線端末にてパケット破棄を行う際のパラメータに、送信元無線端末のアドレスを加える。
このアドレスが違う場合には当該パケットを破棄しない。
【0017】
これにより、パケット破棄の判断に送信元アドレスを付加する事になり、同一ネットワーク上での複数送受信無線端末の通信を可能とする。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の無線通信ネットワークシステムは、無線データ通信を行なう複数の無線端末によって構成され、上記無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、送信先無線端末が無線データを受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムであって、上記無線データを中継する無線端末として、送信元無線端末が、上記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数M(例えば、図2における「+2」)を順次加算した送信通し番号、及び上記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継する送信パケット中継手段と、上記送信先無線端末が、上記送信パケットを受信した際、上記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため上記送信通し番号に数N(N<M)(例えば、図2における「+1」)を加算した応答通し番号、及び前記送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継する応答パケット中継手段と、2以上の送信パケットを同時に受信した際、上記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、上記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄するパケット破棄手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様によれば、本発明の無線端末は、無線データ通信を行なう複数の無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、上記無線端末のいずれかである送信元無線端末から送信された無線データを上記無線端末のいずれかである送信先無線端末が受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムを構成し、上記無線データを中継する無線端末として、送信元無線端末が、上記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び上記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継する送信パケット中継手段と、上記送信先無線端末が、上記送信パケットを受信した際、上記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため上記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び前記送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継する応答パケット中継手段と、2以上の送信パケットを同時に受信した際、上記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、上記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄するパケット破棄手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様によれば、本発明の無線通信方法は、無線データ通信を行なう複数の無線端末によって構成され、前記無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、前記無線端末のいずれかである送信元無線端末から送信された無線データを前記無線端末のいずれかである送信先の無線端末が受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムにおいて実行される無線通信方法であって、前記無線データを中継する無線端末として、送信元無線端末が、前記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び前記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継し、前記送信先無線端末が、前記送信パケットを受信した際、前記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため前記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び前記送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継し、2以上の送信パケットを同時に受信した際、前記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、前記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、本発明の通信プログラムは、無線データ通信を行なう複数の無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、前記無線端末のいずれかである送信先無線端末から送信された無線データを前記無線端末のいずれかである送信先無線端末が受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムを構成し、前記無線データを中継する無線端末において実行させるための通信プログラムであって、送信元無線端末が、前記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び前記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継する機能と、前記送信先無線端末が、前記送信パケットを受信した際、前記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため前記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び前記送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継する機能と、2以上の送信パケットを同時に受信した際、前記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、前記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄する機能と、を実現させるための通信プログラムである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される無線端末の機能ブロック図である。
【0021】
図1において、無線端末1は、無線データ通信を行なう複数の無線端末によって無線通信ネットワークシステムを構成する。上記各無線端末は、直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、送信先無線端末が無線データを受信すると着信応答を返信する。
【0022】
そして、上記無線端末1は、無線データを送受信するデータ送受信手段2と、送信パケット生成手段3と、応答パケット生成手段4と、パケット破棄手段5とを備える。
【0023】
送信パケット生成手段3は、送信元無線端末として、上記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、順に数M(例えば、2)を加算した送信通し番号を付した送信パケットを生成する。
【0024】
応答パケット生成手段4は、上記送信先無線端末として上記送信パケットを受信した際、上記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、上記送信通し番号に数N(N<M)(例えば、1)を加算した応答通し番号を付す。
【0025】
パケット破棄手段5は、上記無線データを中継する中継無線端末として、2以上の送信パケットを受信した際、上記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを受信した際、上記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄する。
【0026】
また、上記送信パケット生成手段3は、上記送信パケットに上記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付する。
また、上記応答パケット生成手段4は、上記応答パケットに上記送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付する。
【0027】
また、上記パケット破棄手段5は、2以上の送信パケットを受信した際、上記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、上記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを受信した際、上記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、上記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄する。
【0028】
このような無線端末が図7のような無線通信ネットワークシステムを構成したとすると、無線端末A(送信側無線端末)から無線端末E(受信側無線端末)ヘパケット通信を行う場合、データパケットはその中間の中継無線端末を経由して無線端末Eへ到達する。自分あてのパケットを着信した無線端末Eは、パケットが正常に着信したのを確認して、応答パケットを送信する。
【0029】
このパケットには送信側にて生成された通し番号のカウンタ値(パケット通番:送信通し番号)が格納されており、送信側無線端末ではパケット通番を+M
(例えば、2)ずつ更新して付与している。受信側無線端末で応答パケットを送信する際には、着信したパケットのパケット通番(応答通し番号)に+N(N<M)(例えば、1)ずつ付加して応答パケットとして発信する。
【0030】
図2は、パケット通番の付与原理を説明するための図である。
図2において、送信側無線端末は、初期値のパケット通番Xを送信した後に送信する2つ目のパケットには、パケット通番X+2を付与する。
【0031】
また、受信側無線端末は、送信側無線端末からパケット通番Xのパケットを受信すると、パケット通番X+1を付与した応答パケットを送信側無線端末に送信する。なお、Xは任意の値とする。
【0032】
図3は、パケット破棄の原理を説明するための図である。
上述の通り、送信されたパケットはその中継経路にて分裂する可能性があるから(図9参照)、無線通信ネットワーク上にはパケット通番が異なるパケットが存在する可能性がある。つまり送信側から発信されたパケット及びその分裂パケットと、応答パケット及びその分裂パケットが存在する可能性がある。
【0033】
中継無線端末にて着信先(受信側無線端末)からの応答パケットを受信したという事は、送信側無線端末からの送信パケットが既に受信側まで正常に到達していることを意味するから、その時点でネットワーク上に存在する送信パケットは、通信上不要なものと考えられる。そこで、中継無線機群においてはこの不要な送信側からのパケットを破棄する動作を行う。
【0034】
図4は、パケット破棄後の動作を説明するための図である。
パケットを破棄する際には、パケットに格納されているパケット通番をパラメータとして用い、パケット通番が古い方を不要なパケットと判断し当該パケットを破棄する。この際、受信側でパケットを破棄するだけであると、そのパケットを送信した側にはエコーパケットを受信できないため、再度同一のパケットを再送してしまう。そこでこれを防止させるため、パケットを破棄した無線機は当該パケットを送信した無線機に対してACK送信を行う。これにより送信側ではパケットの中継動作が終了したと判断し、パケットの再送が行われないので、分裂パケットの発生を防止する事ができる。
【0035】
よってネットワーク上に存在するパケットの総数は減少し、無線端末の発信衝突の確率が低減、ネットワーク全体のスループットは向上する事となる。
図5は、宛先の異なる同一パケット通番の処理を説明するための図である。
【0036】
上述してきたようなネットワーク上に複数の発信局が存在して同時にパケットを発信した場合には、発信元及び着信先の違う同じパケット通番のパケットが同時に無線通信ネットワーク(中継無線機群)に存在する可能性がある。
【0037】
この場合、パケット通番の新旧でのみパケット破棄の判断を行うと、お互いにパケットを破棄しあって正常に通信が行えない事が考えられる。そこで、パケット破棄の判断に最初の送信元の無線端末アドレスを加え、このアドレスが合致しない場合はパケット破棄を行わない事とする(第6図参照)。
【0038】
つまり、ネットワーク上に複数の送受信無線端末が存在し、なおかつ同じタイミングで発信されたパケットのパケット通番が合致してしまった場合においても、当該パケットは中継無線端末にて破棄される事がないため、複数の送受信端末で無線通信ネットワークを共有し通信を行う事ができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明が適用される無線通信システムを制御するプログラムは、そのプログラムコードを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、無線端末に供給し、その無線端末のコンピュータがプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0040】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0041】
プログラムコードを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0042】
また、コンピュータがメモリ上に読み出したプログラムコードを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0043】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0044】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることが出来る。
【0045】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、データパケットを中継して伝達する方式の無線通信ネットワークにおいて、無線通信ネットワークに接続されている任意の無線端末より他の無線端末に情報パケットを伝達する際に、ネットワーク全体のトラフィック量を減少させることができ、ネットワーク資源の利用効率を確保する事によりスループットを向上させることができる。また、同様の条件下での複数端末での通信を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される無線端末の機能ブロック図である。
【図2】パケット通番の付与原理を説明するための図である。
【図3】パケット破棄の原理を説明するための図である。
【図4】パケット破棄後の動作を説明するための図である。
【図5】宛先の異なる同一パケット通番の処理を説明するための図である。
【図6】パケット破棄の基準を示す図である。
【図7】無線通信ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図8】従来のパケット通信のシーケンスを説明するための図である。
【図9】データパケット障害時の再発信の原理を説明するための図である。
Claims (4)
- 無線データ通信を行なう複数の無線端末によって構成され、前記無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、送信先無線端末が無線データを受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムにおいて、
前記無線データを中継する無線端末として、
送信元無線端末が、前記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び前記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継する送信パケット中継手段と、
前記送信先無線端末が、前記送信パケットを受信した際、前記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため前記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継する応答パケット中継手段と、
2以上の送信パケットを同時に受信した際、前記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、前記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄するパケット破棄手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信ネットワークシステム。 - 無線データ通信を行なう複数の無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、送信先無線端末が無線データを受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムを構成し、前記無線データを中継する無線端末において、
送信元無線端末が、前記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び前記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継する送信パケット中継手段と、
前記送信先無線端末が、前記送信パケットを受信した際、前記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため前記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継する応答パケット中継手段と、
2以上の送信パケットを同時に受信した際、前記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、前記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄するパケット破棄手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末。 - 無線データ通信を行なう複数の無線端末によって構成され、前記無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、送信先無線端末が無線データを受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムにおいて実行される無線通信方法であって、
前記無線データを中継する無線端末として、
送信元無線端末が、前記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び前記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継し、
前記送信先無線端末が、前記送信パケットを受信した際、前記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため前記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び送信先無線端末を特定す る送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継し、
2以上の送信パケットを同時に受信した際、前記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、前記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄する、ことを特徴とする無線通信方法。 - 無線データ通信を行なう複数の無線端末のいずれもが直接又は他の1以上の無線端末を介することで他の全ての無線端末と通信可能であり、送信先無線端末が無線データを受信すると着信応答を返信する無線通信ネットワークシステムを構成し、前記無線データを中継する無線端末において実行させるための通信プログラムであって、
送信元無線端末が、前記無線データを、通信媒体の通信取得帯域で伝送するのに適した伝送フォーマットにパケット化し、前記パケットを生成した順に数Mを順次加算した送信通し番号、及び前記送信元無線端末を特定する送信元無線端末アドレスを付して送信した送信パケットを中継する機能と、
前記送信先無線端末が、前記送信パケットを受信した際、前記送信パケットを受信した旨の応答パケットを生成し、更に、前記送信パケットと応答パケットとを区別するため前記送信通し番号に数N(N<M)を加算した応答通し番号、及び送信先無線端末を特定する送信先無線端末アドレスを付して返信した応答パケットを中継する機能と、
2以上の送信パケットを同時に受信した際、前記送信元無線端末アドレスが同じ場合に、前記送信通し番号の小さい送信パケットを破棄し、または、2以上の応答パケットを同時に受信した際、前記送信先無線端末アドレスが同じ場合に、前記応答通し番号の小さい応答パケットを破棄する機能と、
を実現させるための通信プログラム。
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