JP2012119085A - 防水コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティ内の防水性を低下させることなく、端子金具の半挿入を検知できるようにする。
【解決手段】複数の雌型端子金具10が装着される防水コネクタであって、雌型端子金具10を収容可能なコネクタハウジング30と、複数の雌型端子金具10を短絡させる短絡端子20と、コネクタハウジング30に装着可能なカバー50とを備え、コネクタハウジング30には、撓み変形可能なランス37が設けられ、ランス37とコネクタハウジング30との間には、ランス37の撓み空間40が設けられており、カバー50には、撓み空間40に収容される嵌合部54と、コネクタハウジング30に設けられた係止突起33と係止可能な弾性係止片52とが設けられており、雌型端子金具10が半挿入状態では、ランス37が撓み空間40に撓んだ状態となって、嵌合部54とランス37とが干渉し、係止突起33と弾性係止片52とが係止できなくなることを特徴とする。
【選択図】図11

Description

本発明は、防水コネクタに関する。
従来、複数の端子金具を短絡させる短絡端子を装着してなる防水コネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。この防水コネクタは、端子金具が接続される複数の接続部を有する短絡端子と、この短絡端子をインサート成形してなる合成樹脂製のコネクタハウジングとから構成されている。コネクタハウジングの内部には、端子金具を収容可能なキャビティが設けられており、このキャビティは端子金具を挿入する挿入口のみ開口した形状に形成されている。
一方、電線にはゴム栓が装着されており、キャビティの内部に端子金具を挿入すると同時に、ゴム栓をキャビティの内周壁に密着させるように挿入することで、キャビティ内の防水性を図っている。
実開平4−27589号公報
ところが、このような防水コネクタは、端子金具と短絡端子とが正規に接続されているか否かを視認することができないため、端子金具が正規の位置まで正規挿入されないにもかかわらず、端子金具と短絡端子とが正規に接続されたと誤認される、いわゆる端子金具の半挿入が発生する虞がある。
そのため、端子金具が正規挿入されたか否かを視認する為に、コネクタハウジングに検知用の開口部を設け、端子金具の装着後、ゴム栓などによって開口部を塞ぐといった方法が検討されている。しかしながら、このような方法によると、冷熱サイクル試験における高温域側では、コネクタハウジング内の空気が熱膨張することにより、ゴム栓がコネクタハウジングの開口部から脱落する虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、キャビティ内の防水性を低下させることなく、端子金具の半挿入を検知できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として本発明は、複数の端子金具を短絡させる防水コネクタであって、前方に開口するフード部を有しこのフード部の後方にて前記複数の端子金具を収容可能な端子収容部が設けられたコネクタハウジングと、前記フード部の開口部を塞ぐように前記コネクタハウジングに装着されるカバーとを備え、前記端子収容部には、同端子収容部の内壁から片持ち状に延出され弾性的に撓み変形可能なランスが設けられ、前記ランスと前記端子収容部の内壁との間には、前記ランスの撓み空間が設けられており、前記ランスは、前記端子収容部に前記端子金具を挿入する過程において、前記端子金具に押圧されて前記撓み空間内に撓み変形し、前記端子金具が正規の挿入位置に挿入された正規挿入状態に至ることで弾性復帰して、前記端子金具と係止するように構成されており、前記カバーには、前記フード部内に嵌合して前記撓み空間に収容される嵌合部と、前記嵌合部が前記フード部に対して正規の嵌合位置に嵌合された際に、前記コネクタハウジングに設けられた係止部と係止可能な被係止部とが設けられており、前記端子金具が前記正規挿入状態に至る前の半挿入状態では、前記ランスが前記撓み空間に撓んだ状態となって、前記嵌合部と前記ランスとが干渉することで、前記係止部と前記被係止部とが係止できなくなるところに特徴を有する。
このような構成の防水コネクタによると、端子金具が半挿入状態の時には、ランスが撓み空間内に撓み変形した状態となり、コネクタハウジングにカバーを装着する際に、カバーの嵌合部がランスと干渉して、カバーをフード部に対して正規の装着位置に装着することができなくなる。これにより、係止部と被係止部とが係止できず、端子金具が半挿入状態であることを検知することができる。また、嵌合部がフード部に対して正規の嵌合位置に嵌合された際には、係止部と被係止部とが係止することで、カバーがフード部から脱落しないように保持することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記一対の係止部は、前記コネクタハウジングにおける同コネクタハウジングの装着方向と直交する横方向両端に位置する両側面から突出する一対の係止突起であって、前記一対の被係止部は、前記カバーにおける前記カバーの装着方向と直交する横方向両端に位置して前記コネクタハウジングを横方向両側から挟み込むように弾性的に撓み変形可能に設けられた一対の弾性係止片であって、前記弾性係止片には、係止孔が設けられており、前記弾性係止片は前記カバーと前記コネクタハウジングとの装着過程において、前記係止突起に乗り上げて弾性変形し、前記カバーと前記コネクタハウジングとが正規の装着位置に至ると、前記係止突起が前記係止孔に収容されて弾性復帰することで、前記カバーと前記コネクタハウジングとを正規の装着位置に保持する構成としてもよい。
例えば、コネクタハウジングに係止孔を設けると共に、カバーの外面に係止突起を設け、コネクタハウジングにカバーが装着された際に、カバーの係止突起がコネクタハウジングの係止孔と係止することでカバーが正規の装着位置に保持されるようにすることができる。ところが、このような構成によると、コネクタハウジングに係止孔を設けることになるので、コネクタハウジングの剛性が低下する。その点、本発明によると、コネクタハウジングに係止孔が形成されないため、コネクタハウジングの剛性が低下することはない。また、コネクタハウジングに係止孔を形成するのではなく、コネクタハウジングの外側に位置する弾性係止片に係止孔を設けているので、金型の構造を簡素化することが可能であり、金型の製造コストを低減させることができる。
また、嵌合部の両側面が両弾性係止片によって覆われているので、カバーをコネクタハウジングに装着する前の状態において、嵌合部が他の部材などに接触して破損することを抑制することができる。また、両弾性係止片によってコネクタハウジングを横方向両側から挟みこむようにカバーとコネクタハウジングとを装着させるので、カバーに弾性係止片が設けられていない場合に比べて、嵌合部が正規の嵌合姿勢に対して傾いた状態に組み付けられることを規制することができる。これにより、カバーが傾いた状態のままコネクタハウジングに装着されることにより嵌合部の先端がフード部の内周面に接触するなどして破損したり、嵌合部が傾いたことでフード部への嵌合抵抗が上がり、組み付け作業性が低下したりすることを抑制することができる。
前記嵌合部には、前記フード部の内周面と前記嵌合部の外周面とに密着して、前記フード部と前記嵌合部との間を液密状にシールするシール部材が嵌着されている構成としてもよい。
このような構成によると、端子金具の半挿入を検知する嵌合部をシール部材を保持する保持部として兼用することができる。これにより、カバーにシール部材を保持する保持部を別途設けることなく、フード部の内周面と嵌合部の外周面との間をシールすることができ、部品点数を低減させると共に、カバーを小型化することができる。
前記嵌合部は、前記撓み空間に収容されることで、前記ランスが前記撓み空間へ撓み変形できないように規制する構成にしてもよい。
このような構成によると、端子金具の半挿入を検知する嵌合部を端子金具を二重係止するリテーナとして兼用することができ、リテーナを別途設ける必要がない。これにより、防水コネクタ全体を小型化することができる。
前記カバーは、前記嵌合部が前記フード部内に浅く嵌合した嵌合初期位置と、前記嵌合部が前記フード部に対して正規の嵌合位置に嵌合した嵌合完了位置との間を移動可能に設けられている構成にしてもよい。
このような構成によると、端子金具を正規の挿入位置に挿入した後にカバーを嵌合初期位置から嵌合完了位置に変位させるだけで、カバーとコネクタハウジングとを正規の装着位置に組み付けることができ、カバーとコネクタハウジングとの向きを逐一確認してカバーをコネクタハウジングに組み付ける場合に比べて、カバーとコネクタハウジングとの組み付け作業性を向上させることができる。
前記カバーには、前記嵌合初期位置において前記コネクタハウジングの外面に設けられた一対の保持突起が収容されることで、前記カバーを抜け止めする一対の係止溝が設けられており、前記弾性係止片の装着方向前端部は、前記嵌合初期位置において前記係止突起と当接している構成にしてもよい。
このような構成によると、嵌合初期位置にあるカバーが抜け方向に移動することが規制されていることは勿論、嵌合初期位置にあるカバーが意図せずに嵌合完了位置に向かって移動することを規制し、カバーをコネクタハウジングに対して嵌合初期位置に保持することができる。
前記一対の保持突起は、前記コネクタハウジングの装着方向と直交する外面に設けられ、前記一対の係止突起の略中央部を境に反対方向にずれてそれぞれ配置されている構成にしてもよい。
このような構成によると、嵌合初期位置で正規の装着姿勢に保持されたカバーに対して傾いた姿勢となるように外力が作用した際に、係止溝における装着方向前端部と、保持突起とが当接することで、コネクタハウジングに対してカバーが傾いた姿勢となることを規制することができる。
前記カバーには、前記嵌合部を覆う覆い壁が設けられており、この覆い壁に前記両弾性係止片が連結されている構成にしてもよい。
このような構成によると、覆い壁によって嵌合部を覆うことができるので、嵌合部に他の部材が接触するなどして、嵌合部が破損することを抑制することができる。また、両弾性係止片が覆い壁に連結されているため、両弾性係止片を覆い壁によって補強することができる。また、覆い壁によって嵌合部が覆われているため、嵌合部に埃などの異物が付着することを抑制することができる。
前記カバーには、前記フード部の開口部を覆う蓋部が設けられており、前記蓋部には、前記嵌合部に嵌着された前記シール部材に臨む検知孔が形成されている構成にしてもよい。
このような構成によると、カバーが嵌合初期位置又は嵌合完了位置の何れの位置に配されている場合においても、検知孔からシール部材が装着されているか否か確認することができる。
本発明によれば、キャビティ内の防水性を低下させることなく、端子金具の半挿入を検知できるようにすることができる。
実施形態に係るカバーとコネクタハウジングとを装着させる前の状態を示す平面図 同側面図 実施形態に係る防水コネクタの分解斜視図 実施形態に係るコネクタハウジングの正面図 図4のV−V線断面図 実施形態に係るカバーの背面図 実施形態に係るコネクタハウジングにカバーが嵌合初期位置に保持された状態を示す正面図 図7のVIII−VIII線一部破断断面図 実施形態に係るコネクタハウジングにカバーが嵌合完了位置に保持された状態におけるカバーが一部破断された状態を示す平面図 図8のコネクタハウジングとカバーとが嵌合完了位置に至った状態に相当する断面図 図8のコネクタハウジングのランスとカバーの嵌合部とが干渉している状態に相当する断面図
<実施形態>
本発明の一実施形態ついて図1乃至図11を参照しながら説明する。
本実施形態に係る防水コネクタは、図3及び図10に示すように、電線Wに接続された複数の雌型端子金具(本発明の「端子金具」に相当する)10を収容可能なコネクタハウジング30と、複数の雌型端子金具10が接続される短絡端子20と、コネクタハウジング30に装着されるカバー50と、コネクタハウジング30とカバー50との間をシールするゴムリング(本発明の「シール部材」に相当する)70と、を備えて構成されている。尚、以下の説明において「前」及び「後」とは、コネクタハウジング30とカバー50とを装着させるための操作方向の前側及び後側をいう。
雌型端子金具10は、短絡端子20が接続される角筒状の接続筒部11と、接続筒部11の後方に設けられたワイヤバレル12と、ワイヤバレル12の更に後方に設けられたインシュレーションバレル13とを備えて構成されている。接続筒部11の底板11Aとは反対側の天井側には、接続筒部11の上面から僅かに突出した係止段部14が設けられている。
ワイヤバレル12は、電線Wの芯線W1にかしめ圧着されることで雌型端子金具10と電線Wとを電気的に接続している。インシュレーションバレル13は、電線Wの絶縁被覆W2と同絶縁被覆W2に嵌着された円筒状のゴム栓Gとにかしめ圧着されている。
コネクタハウジング30は合成樹脂製であって、図1に示すように、扁平で前後方向に長く延びた形態をなしている。また、コネクタハウジング30は、図2及び図10に示すように、前後方向略中央部よりも前方部分が後方部分に比べて上方に拡幅して形成されており、前方部分の厚さ寸法が後方部分の厚さ寸法に比べて上下方向に大きくなっている。
コネクタハウジング30における前端部は、図5に示すように、前方に向かって開口したフード部31とされ、コネクタハウジング30におけるフード部31よりも後方は端子収容部32とされている。
フード部31の前端外周縁は、図4に示すように、上下四隅の角部が丸みを帯びた略矩形状をなし、上方に位置する角部は、下方に位置する角部よりも緩やかで大きな弧状に形成されている。また、フード部の前端開口は横長な円形状をなしている。フード部31の横方向両側に位置する外側面の後方部分は、図1及び図3に示すように、やや外側に膨出して形成されており、更にその中央部には係止突起33が設けられている。
この係止突起33は、前方から後方に向かってフード部31の外側面から離れる方向に傾斜する前方傾斜面33Aを有し、この前方傾斜面33Aの後端からフード部31の外側面と平行に後方に延び、その後端からフード部31の外側面に向かってフード部31の外側面と直交するように延びて形成されている。また、フード部31における上下方向両側に位置する外側面には前後方向略中央部を前端とする保持突起34が形成されている。
この保持突起34は、図2及び図3に示すように、前方から後方に向かってフード部31の外側面から離れる方向に傾斜して延びた後、その後端からフード部31の外側面と平行に後方に向かって僅かに延び、その後端からフード部31の外側面に向かって直交するように延びて形成されており、フード部31の外側面に対して直交した面は、後方鉛直面34Aとされている。また、保持突起34は、図4に示すように、横方向略中央部を境に反対方向にほぼ同じ寸法だけオフセットされて配さている。また、フード部31の上下方向の中央位置は、図10に示すように、端子収容部32の上下方向の中央位置よりも上方にオフセットされて形成されている。
端子収容部32の内部には、図5に示すように、雌型端子金具10が収容される複数のキャビティ35が形成されており、各キャビティ35の前方には、各キャビティ35とフード部31との間に位置して短絡端子20を保持する端子保持部36が形成されている。
キャビティ35は、端子保持部36の後端からコネクタハウジング30の後端まで前後方向に延びて形成されており、横方向に複数(本実施形態では5つ)並んで設けられている。各キャビティ35は、後方に向かって円形に開口しており、雌型端子金具10を後方から収容可能に設けられている。また、キャビティ35の内壁の上面には、図10に示すように、端子収容部32の前後方向略中央部の位置から前方向に向かって片持ち状に延出されたランス37が設けられている。また、このランス37とキャビティ35の内壁の上面との間には、ランス37の撓み空間30が形成されている。
このランス37は、上方(撓み空間)に向かって弾性的に撓み変形可能であって、キャビティ35内に雌型端子金具10が正規に挿入される際には、雌型端子金具10の接続筒部11に後方から押圧されることで上方に向かって弾性的に撓み変形し、雌型端子金具10が正規の挿入位置まで挿入された正規挿入状態では、弾性復帰するとともに接続筒部11の係止段部14と係止することで、キャビティ35内に雌型端子金具10を保持するようになっている。
また、キャビティ35には、図10に示すように、その前方部分に雌型端子金具10の接続筒部11が収容され、その後方部分にゴム栓Gが収容されている。尚、ゴム栓Gは、キャビティ35内に収容されると、電線Wの外周面とキャビティ35の内周面とに密着することで、キャビティ35内を液密状にシールするようになっている。
端子保持部36は、図4及び図5に示すように、端子収容部32における横方向の全域に亘って設けられており、後述する短絡端子20がフード部31から挿入されて装着されるようになっている。また、端子保持部36の上面には、各キャビティ35間に対応する領域に凹状の凹溝36Aが形成されている。また、端子保持部36の内部には、各キャビティ35に対応して設けられた複数の端子挿通孔38が形成されている。この端子挿通孔38は前後方向に開口しており、フード部31の内部空間とキャビティ35とに連通した形態をなしている。
また、端子収容部32における端子保持部36及び各キャビティ35の前方部分の上方には、図10に示すように、フード部31の奥壁31Aから後方に向かって延びる凹部39が形成されている。この凹部39は、フード部31の奥壁31Aにおける上下方向略中央部に設けられている。また、凹部39の上下方向の長さ寸法は、フード部31の上下方向の長さ寸法よりも小さく、凹部39の横方向の長さ寸法は、端子保持部36の横方向の長さ寸法とほぼ同一に設定されている。
また、凹部39の奥部は、キャビティ35のランス37が上方に向かって撓み変形する際に収容される撓み空間40とされている。すなわち、凹部39の奥部における下方内面は、ランス37の上面によって構成されており、凹部39の内部空間はキャビティ35と連通している。また、撓み空間40は、隣り合うランス37の撓み空間同士が連なる態様で端子収容部32が設けられた領域に一括して設けられている。
短絡端子20は、図5に示すように、前後方向に延びる細長い複数のピン状接続部21と、複数のピン状接続部21を横方向に並列に連結する連結部22とから構成されている。ピン状接続部21は、その基端部21Aが他の部分に比べてやや横方向に幅広に形成されている。また、ピン状接続部21は、端子収容部32の端子保持部36における端子挿通孔38に挿通可能に形成されており、ピン状接続部21が端子挿通孔38に対して正規の位置まで挿入されると、ピン状接続部21の基端部21Aが端子挿通孔38の横方向両側に位置する内壁に圧入されるようになっている。このようにして、短絡端子20が端子保持部36に保持されるようになっているので、短絡端子をインサート成形してコネクタハウジングを構成するよりも、コネクタハウジング30に対する短絡端子20の組み付け作業性が容易となっている。
また、ピン状接続部21は、正規の位置まで挿入されると、キャビティ35における雌型端子金具10の接続筒部11が収容される位置に配されるようになっている。これにより、各キャビティ35に雌型端子金具10が装着されると、雌型端子金具10の接続筒部11とピン状接続部21とが電気的に接続され、連結部22によって、各雌型端子金具10が短絡されるようになっている。また、短絡端子20のピン状接続部21に対して雌型端子金具10を一本ずつ組み付けることができるので、全ての端子金具に短絡端子を一括して接続する場合の挿入抵抗に比べて、雌型端子金具10と短絡端子20とを接続するための挿入抵抗を低減させることができる。
一方、カバー50は合成樹脂製であって、図3及び図6に示すように、横方向に横長な蓋部51と、蓋部51の横方向両端部から前方に向かって延出された一対の弾性係止片52と、蓋部51の上下方向両端部から前方に延出された一対の覆い壁53とから構成されている。覆い壁53は、弾性係止片52の両側縁と蓋部51の外周縁部とに連なって一体に形成されている。また、カバー50は、図6及び図8に示すように、大まかには前方に開口するフード状をなし、内部にコネクタハウジング30のフード部31を収容可能に形成されている。カバー50の前端開口は、図6に示すように、上下四隅の角部が丸みを帯びた略矩形状をなし、コネクタハウジング30のフード部31の外形形状に対応して設けられている。また、カバー50は、その内部にコネクタハウジング30のフード部31が適合して収容されるように形成されている。また、カバー50の前端開口の上方に位置する角部は、フード部31の前端外周縁と同様、下方に位置する角部よりも緩やかで大きな弧状に形成されており、カバー50とコネクタハウジング30とが誤嵌合されないように形成されている。
蓋部51の外周形状は、図7に示すように、カバー50の開口縁部とほぼ同じ形状をなし、図10に示すように、フード部31の開口部を前方から塞ぐようになっている。
蓋部51の前側には前方に向かって延びる嵌合部54が形成されている。また、蓋部51は、嵌合部54の基端側に連設されて、フード部31の嵌合方向前端部に当接可能とされている。嵌合部54は、大まかには平板状をなし、先端に向かうほど板厚寸法が小さくなるように形成されている。また、嵌合部54における前後方向略中央部よりも前方部分は、コネクタハウジング30の端子収容部32における凹部39に嵌合可能な凹部嵌合部55とされている。
凹部嵌合部55の先端部は、図10に示すように、端子収容部32の撓み空間40に一括して嵌合され、各ランス37が上方に向かって撓み変形することを規制するようになっている。詳しくは、凹部嵌合部55の先端部が端子収容部32の撓み空間40に対して適合して収容された嵌合完了位置において、凹部嵌合部55の先端部における上面が凹部39の奥部上方内面に密着すると共に、凹部嵌合部55の先端部における下面が凹部39の奥部下方内面(ランス37の上面)に密着する。これにより、キャビティ35に雌型端子金具10が正規の挿入位置まで挿入された正規挿入状態において、ランス37の撓み変形を規制することで、雌型端子金具10を二重に係止することができるようになっている。
また、凹部嵌合部55は、図10に示すように、カバー50とコネクタハウジング30とが正規の装着位置に装着した際に、コネクタハウジング30の端子収容部32における凹部39に適合して収容され、キャビティ35の前端上方に位置する内壁を構成するようになっている。これにより、キャビティ35の前端上方に位置する内壁が端子収容部32の内壁によって構成され、更にその上方に凹部嵌合部55が収容される構成をとる場合に比べてキャビティ35の内壁一枚分だけコネクタハウジング30を低背化することができるようになっている。
また、凹部嵌合部55には、図6に示すように、上下方向に立設する壁部55Aが設けられている。この壁部55Aは、凹部嵌合部55が凹部39に収容される際に、端子収容部32における端子保持部36の凹溝36Aに嵌合し、凹部嵌合部55を正規の位置に案内する役割を果たしている。また、壁部55Aは、凹部嵌合部55を補強する役割も果たしている。
嵌合部54における前後方向略中央部よりも後方部分は、ゴムリング70が嵌着されたゴムリング装着部56と、ゴムリング装着部56よりも全周に亘って拡幅されたゴムリング押さえ部57とから構成されている。また、このゴムリング装着部56及びゴムリング押さえ部57は、フード部31内に収容可能に形成されている。
ゴムリング70は、図3及び図8に示すように、環状をなし、ゴムリング装着部56に前方から装着されている。また、ゴムリング70には、その内周面にゴムリング装着部56の外周面に全周に亘って密着可能な内周リップ71が設けられ、その外周面にフード部31の内周面に全周に亘って密着可能な複数条(本実施形態では二条)の外周リップ72が設けられている。
ゴムリング押さえ部57は、ゴムリング装着部56の後方に位置し、ゴムリング70の後方端部に全周に亘って密着した状態となっている。ゴムリング押さえ部57は、カバー50とコネクタハウジング30とを装着させる際に、ゴムリング70をコネクタハウジング30のフード部31の奥部に押し込む役割を果たしている。また、ゴムリング押さえ部57は、ゴムリング70を前方からゴムリング装着部56に装着する際に、位置決めする役割も果たしている。
また、蓋部51には、図3及び図7に示すように、前後方向に貫通する検知孔58が設けられている。この検知孔58は、嵌合部54の横方向両側に設けられており、ゴムリング装着部56に装着されたゴムリング70に臨むように形成されている。すなわち、蓋部51の後方からゴムリング70を視認できるようになっている。これにより、カバー50がコネクタハウジング30に装着された状態においても、カバー50の後方から検知孔58を確認することで、ゴムリング装着部56にゴムリング70が装着されているか否か確認することができるようになっている。
両弾性係止片52は、図1及び図9に示すように、横方向に対向した形態をなし、フード部31を横方向に両側から挟みこむように形成されている。これにより、嵌合部54の両側面が両弾性係止片52によって覆われているので、カバー50をコネクタハウジング30に装着する前の状態では、嵌合部54が他の部材などに接触して破損することを抑制することができる。また、両弾性係止片52によってコネクタハウジング30を両側から挟みこむようにカバー50とコネクタハウジング30とを装着させるので、カバー50に両弾性係止片52が設けられていない場合に比べて、嵌合部54が正規の嵌合姿勢に対して傾いた姿勢で組み付けられることを規制することができる。これにより、カバー50が傾いた状態のままコネクタハウジング30に装着されることにより、嵌合部54の先端部がフード部31の内周面に接触して破損したり、嵌合部54が傾いたことでフード部31への嵌合抵抗が上がり、組み付け作業性が低下したりすることを抑制することができる。
また、弾性係止片52は、横方向に外側に向かって弾性的に撓み変形するように構成されている。また、弾性係止片52は、図2に示すように、フード部31の係止突起33と対応する位置に設定されており、後方に開口するU字状に形成されている。また、弾性係止片52の中央部には、弾性係止片52と蓋部51の横方向両端部とに亘って構成される矩形状の係止孔52Aが形成されている。この係止孔52Aは、内部にフード部31の係止突起33を収容可能に設けられている。また、両弾性係止片52の前端内側における上下方向中央部に位置する角部は、図9に示すように、前方から後方に向かって内側に傾斜するようにテーパ加工されたテーパ面52Bとされている。
弾性係止片52は、カバー50をコネクタハウジング30のフード部31に組み付けて互いに嵌合させると、弾性係止片52のテーパ面52Bとフード部31の係止突起33の前方傾斜面33Aとが当接して摺動することで、弾性係止片52が外側に向かって撓み変形し、係止突起33に乗り上げる。更に、カバー50とコネクタハウジング30とを嵌合させると、図9に示すように、カバー50とコネクタハウジング30とが正規の装着位置(嵌合完了位置)に至ると、係止突起33が係止孔52Aに収容され、弾性係止片52が弾性復帰する。これにより、カバー50はコネクタハウジング30に対して嵌合完了位置に保持されるようになっている。このように、本実施形態においては、コネクタハウジング30側に係止孔を形成する必要がないので、コネクタハウジング30の剛性が低下することがなく、剛性低下によるコネクタハウジング30の破損を防止することができる。また、コネクタハウジング30側に係止孔を形成するよりも、弾性係止片52に係止孔52Aを設け、コネクタハウジング30の外面に係止突起33を形成する方が金型の構造を簡素化することが可能であり、金型の製造コストを低減させることができる。
覆い壁53は、図1及び図2に示すように、両弾性係止片52の間に位置する蓋部51の外周縁部から弾性係止片52の前端部と同じ位置まで前方に延出されている。また、覆い壁53は、弾性係止片52の両側縁における前後方向略中央部の位置から後端部の位置まで一体に連結されている。これにより、嵌合部54を両弾性係止片52と共に全周に亘って覆うことができるので、嵌合部54に他の部材が接触するなどして、嵌合部54が破損することをより抑制することができる。また、覆い壁53は、弾性係止片52の後端から前後方向略中央部までを撓み不能に補強することで、弾性係止片52が撓み易くなって破損することを規制しているとともに、撓み可能な領域をできるだけ短くすることで弾性係止片52の剛性を高め、係止突起33に対する係止力を高めている。また、カバー30がコネクタハウジング50に対して装着された状態において、フード部31の開口部は、弾性係止片52と覆い壁53とによって全周に亘って覆われているので、覆い壁53が設けられていない場合に比べて、フード部31の開口部から埃などの異物がフード部31内に侵入することを抑制することができる。また、カバー50に覆い壁52が設けられていない場合に比べて、嵌合部54が正規の挿入姿勢に対して傾いた姿勢で組み付けられることをより規制することができる。
また、覆い壁53の前端部には、フード部31の保持突起34と対応する位置に弾性片59がそれぞれ設けられている。この弾性片59の両側には、覆い壁53の前端から後方に向かって延びる一対のスリット60が設けられている。これにより、両弾性片59は外側に向かって弾性的に撓み変形可能となっている。
弾性片59の内面には、図8及び図10に示すように、弾性片59の前端より僅かに後方の位置から蓋部51まで延びる係止溝61が設けられている。この係止溝61は、フード部31の保持突起34に対応するように設けられており、保持突起34を収容可能としている。したがって、カバー50をコネクタハウジング30のフード部31に装着させると、図8に示すように、保持突起34が係止溝61内に収容され、保持突起34の後方鉛直面34Aと弾性片59における係止溝61の前方縁部61Aとが係止して、カバー50がコネクタハウジング30に対して浅く(半分程度)嵌合した状態(後述する嵌合初期位置にある状態)から、脱落しないようになっている。これにより、カバー50は、図8に示すように、凹部嵌合部55が凹部39に対して浅く嵌合され、且つ、ゴムリング装着部56がフード部31の前端開口縁部に配された嵌合初期位置と、図10に示すように、凹部嵌合部55が凹部39に正規に嵌合した状態に収容され、且つ、ゴムリング装着部56がフード部31の奥部に配された嵌合完了位置との間を移動可能となっている。すなわち、コネクタハウジング30に対してカバー50を嵌合初期位置に装着した状態では、キャビティ35に雌型端子金具10が装着可能とされ、コネクタハウジング30に対してカバー50を嵌合完了位置に組み付けた状態では、キャビティ35に雌型端子金具10が抜け止めされた状態に保持されるようになっている。
また、弾性片59の係止溝61に保持突起34が収容された状態において、弾性係止片52のテーパ面52Bとフード部31の係止突起33における前方傾斜面33Aとは、当接した状態となっているので、カバー50が嵌合初期位置から嵌合完了位置へ向けて嵌合方向に意図せず移動することを規制することができ、カバー50を嵌合初期位置に仮係止できるようになっている。
また、両保持突起34と両弾性片59における係止溝61とが、フード部31及びカバー50の横方向略中央部を境にそれぞれ反対側にオフセットされて配されているので、嵌合初期位置に正規の姿勢で保持されたカバー50に対して、傾いた姿勢となるように外力が作用しても、係止溝61の前方縁部と、保持突起34とが当接することで、カバー50が正規の嵌合姿勢に対して傾いた姿勢となることを規制することができるようになっている。
また、カバー50の嵌合部54におけるゴムリング装着部56に嵌着されたゴムリング70は、図8及び図10に示すように、カバー50が嵌合初期位置及び嵌合完了位置に配された状態において、ゴムリング装着部56の外周面とフード部31の内周面とに密着した状態となっている。詳しくは、ゴムリング70の内周リップ71がゴムリング装着部56の外周面と全周に亘って密着し、ゴムリング70の外周リップ72がフード部31の内周面と全周に亘って密着した状態となっている。すなわち、ゴムリング70は、カバー50が嵌合初期位置から嵌合完了位置まで移動する間、常にはゴムリング装着部56の外周面とフード部31の内周面とに密着したシール状態となっている。
さて、キャビティ35のランス37は、キャビティ35に収容された雌型端子金具10が正規挿入状態に至る前の半挿入状態では、図11に示すように、雌型端子金具10の接続筒部11に後方から押圧されることで上方に向かって弾性的に撓み変形したままの状態となる。すなわち、ランス37は、撓み空間40内に突出して収容された状態となる。したがって、ランス37が上方に向かって撓み変形した状態で、カバー50とコネクタハウジング30とを装着させると、カバー50の凹部嵌合部55の先端部がランス37の先端と干渉して、カバー50とコネクタハウジング30とを正規の位置に装着させることができず、フード部31の係止突起33と弾性係止片52の係止孔52Aとを係止させることができないようになっている。
本実施形態は以上のような構成であって、まず、本実施形態のコネクタハウジング30とカバー50とを嵌合初期位置に仮係止された状態に組み付ける際の作用効果を説明する。また、続けてカバー50が仮係止された状態に組み付けられたコネクタハウジング30に対して、複数の雌型端子金具10同士を電気的に短絡させて接続する方法を説明すると共に、防水コネクタの作用効果を説明する。
まず、コネクタハウジング30とカバー50とを準備し、コネクタハウジング30にカバー50を組み付け、カバー50をコネクタハウジング30に対して嵌合初期位置まで嵌合させる。このとき、両弾性係止片52によってコネクタハウジング30を両側から挟みこむようにカバー50とコネクタハウジング30とを装着させるので、嵌合部54が正規の挿入姿勢に対して横方向に傾いた姿勢で組み付けられることを規制することができる。これにより、カバー50が傾いた状態のままコネクタハウジング30に装着されることにより、嵌合部54の先端部がフード部31の側方内面に接触して破損したり、嵌合部54が横方向に傾いた状態で嵌合されることによってフード部31への嵌合抵抗が上がり、組み付け作業性が低下したりすることを抑制することができる。
また、嵌合初期位置に配置されたカバー50は、図8に示すように、保持突起34の後方鉛直面34Aと覆い壁53における係止溝61の前方縁部61Aとが当接すると共に、フード部31における係止突起33の前方傾斜面33Aと弾性係止片52のテーパ面52Bとが当接している。これにより、カバー50は、ゴムリング70の外周リップ72をフード部31の前端開口内周縁部に全周に亘って密着させた状態で、コネクタハウジング30に対して、嵌合初期位置に仮係止されている。すなわち、本実施形態の防水コネクタは、カバー50を嵌合初期位置に配置した状態で出荷することができるので、防水コネクタの納入先で、カバー50とコネクタハウジング30とを装着させる向きを逐一確認して、互いに組み付ける必要がないので、納入先での作業効率を向上させることができる。
次に、カバー30が嵌合初期位置に装着されたコネクタハウジング30の各キャビティ35に対して後方から雌型端子金具10を挿入する。すると、雌型端子金具10における接続筒部11がランス37に当接して摺動し、ランス37を上方に撓み変形させる。更に、雌型端子金具10を挿入して、雌型端子金具10が正規の挿入位置まで挿入されると、ランス37が弾性復帰し、接続筒部11の係止段部14とランス37の前端部とが係止して、雌型端子金具10がキャビティ35から後方に抜けることが規制される。このようにして、すべてのキャビティ35に対して雌型端子金具10を装着する。これにより、複数の雌型端子金具10同士を電気的に接続して各雌型端子金具10を短絡させることができる。
最後に、コネクタハウジング30に対してすべての雌型端子金具10が接続されたところで、カバー50を嵌合初期位置から嵌合完了位置に移動させて、図10に示すように、カバー50の凹部嵌合部55を端子収容部32の凹部39に嵌合させることで、凹部嵌合部55の先端部を端子収容部32の撓み空間40に収容する。すると、凹部嵌合部55の先端部における上面が撓み空間40の上方内面に密着すると共に、凹部嵌合部55の先端部における下面がランス37の上面に密着し、ランス37は、凹部嵌合部55によって変位規制された状態となり、雌型端子金具10が二重に係止された防水コネクタが完成する。このように、本実施形態の防水コネクタは、カバー50を嵌合初期位置から嵌合完了位置に変位させるだけで、カバー50とコネクタハウジング30とを正規の位置に装着させることができるので、カバーとコネクタハウジングとの向きを逐一確認してカバーをコネクタハウジングに組み付ける場合に比べて、カバー50とコネクタハウジング30との組み付け作業性を向上させることができる。
また、カバー50とコネクタハウジング30との装着過程において、ゴムリング装着部56におけるゴムリング70は、ゴムリング押さえ部57によってフード部31の奥部に押し込まれ、ゴムリング70の外周リップ72は、フード部31の内周壁と全周に亘って密着しながら摺動する。すなわち、カバー50を嵌合初期位置から嵌合完了位置まで移動させる間、内周リップ71がゴムリング装着部56の外周面に常に密着した状態にあることは勿論、外周リップ72が常にフード部31の内周面に密着した状態となっており、シール面に埃などの異物が付着することがないようになっている。これにより、外周リップ72とフード部31の内周面との間に異物が侵入して防水性が低下することを防ぐことができる。
更に、本実施形態においては、カバー50を嵌合初期位置に保持された状態で出荷することが可能であることから、搬送中や保管中、更には雌型端子金具10の組み付け工程中においても、外周リップ72とフード部31の内周面とが常に密着した状態にあり、外周リップ72とフード部31の内周面との間に異物が挟み込まれることを防止することができる。また、カバー50の覆い壁53は、図8に示すように、カバー50が嵌合初期位置に仮係止された状態において、ゴムリング70及びフード部31の開口縁部の上下方向両側を覆っているので、フード部31の開口部からフード部31内に埃などの異物が侵入することを規制し、ゴムリング70に異物が付着することを軽減している。
また、カバー50とコネクタハウジング30との装着過程では、カバー50における弾性係止片52のテーパ面52Bとフード部31における係止突起33の前方傾斜面33Aとが摺動して、弾性係止片52が係止突起33に乗り上げる。そして、カバー50とコネクタハウジング30とが正規の装着位置に至ると、図9に示すように、係止突起33が弾性係止片52の係止孔52Aに収容されることで、弾性係止片52が弾性復帰し、カバー50とコネクタハウジング30とが正規嵌合状態(嵌合完了位置)に保持されるようになっている。
ところで、コネクタハウジング30のキャビティ35に挿入された雌型端子金具10が一本でも半挿入状態であると、図11に示すように、ランス37が雌型端子金具10の接続筒部11によって、上方に撓み変形されたままの状態となる。すなわち、ランス37が端子収容部32の撓み空間40に突出して収容されたままの状態となっている。
このような状態において、カバー50を嵌合初期状態から嵌合完了状態へ移動させと、カバー50の凹部嵌合部55の先端が凹部39内において、ランス37の先端と干渉して、凹部嵌合部55が凹部39に嵌合できなくなり、カバー50とコネクタハウジング30とが正規嵌合できなくなる。これにより、カバー50の弾性係止片52とフード部31の係止突起33とが係止できないことをもって、雌型端子金具10の何れかが半挿入状態であることを検知することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、カバー50をコネクタハウジング30に対して嵌合初期位置に組み付けておく構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、カバー50とコネクタハウジング30とを別々に管理し、雌型端子金具10を組み付ける際に、コネクタハウジング30にカバー50を組み付けてもよい。
(2)上記実施形態では、嵌合部54にゴムリング70を装着した構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ゴムリング70を別途保持する保持部を設ける構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、カバー50に両弾性係止片52と両覆い壁53とを連結して弾性係止片52を補強する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、弾性係止片52の板厚を大きくすることで覆い壁53と弾性係止片52とが連結されていない構成にしてもよい。
(4)上記実施形態では、弾性係止片52をフード部31の係止突起33に当接させることで、カバー50が嵌合初期位置から意図せずに嵌合完了位置に向かって移動することを規制するように構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、保持突起34の前方に仮係止用の突起を設け、覆い壁53の係止溝61の中央に突起と係止可能な仮係止用突起を設けるなどしてカバー50の移動を規制するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、凹部嵌合部55を平板状に形成し、凹部39の撓み空間40に一括嵌合させることで、各ランス37の変形を一括して規制するように構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、凹部嵌合部55を、各撓み空間に嵌合可能な複数の規制部を連結した櫛形状に構成してもよい。
10 :雌型端子金具(端子金具)
20 :短絡端子
30 :コネクタハウジング
31 :フード部
33 :係止突起(係止部)
34 :保持突起
37 :ランス
40 :撓み空間
50 :カバー
51 :蓋部
52 :弾性係止片(被係止部)
52A:係止孔
53 :覆い壁
54 :嵌合部
58 :検知孔
61 :係止溝
70 :ゴムリング(シール部材)

Claims (9)

  1. 複数の端子金具を短絡させる防水コネクタであって、
    前方に開口するフード部を有しこのフード部の後方にて前記複数の端子金具を収容可能な端子収容部が設けられたコネクタハウジングと、
    前記フード部の開口部を塞ぐように前記コネクタハウジングに装着されるカバーとを備え、
    前記端子収容部には、同端子収容部の内壁から片持ち状に延出され弾性的に撓み変形可能なランスが設けられ、前記ランスと前記端子収容部の内壁との間には、前記ランスの撓み空間が設けられており、
    前記ランスは、前記端子収容部に前記端子金具を挿入する過程において、前記端子金具に押圧されて前記撓み空間内に撓み変形し、前記端子金具が正規の挿入位置に挿入された正規挿入状態に至ることで弾性復帰して、前記端子金具と係止するように構成されており、
    前記カバーには、前記フード部内に嵌合して前記撓み空間に収容される嵌合部と、前記嵌合部が前記フード部に対して正規の嵌合位置に嵌合された際に、前記コネクタハウジングに設けられた係止部と係止可能な被係止部とが設けられており、
    前記端子金具が前記正規挿入状態に至る前の半挿入状態では、前記ランスが前記撓み空間に撓んだ状態となって、前記嵌合部と前記ランスとが干渉することで、前記係止部と前記被係止部とが係止できなくなることを特徴とする防水コネクタ。
  2. 前記一対の係止部は、前記コネクタハウジングにおける同コネクタハウジングの装着方向と直交する横方向両端に位置する両側面から突出する一対の係止突起であって、
    前記一対の被係止部は、前記カバーにおける前記カバーの装着方向と直交する横方向両端に位置して前記コネクタハウジングを横方向両側から挟み込むように弾性的に撓み変形可能に設けられた一対の弾性係止片であって、
    前記弾性係止片には、係止孔が設けられており、
    前記弾性係止片は前記カバーと前記コネクタハウジングとの装着過程において、前記係止突起に乗り上げて弾性変形し、前記カバーと前記コネクタハウジングとが正規の装着位置に至ると、前記係止突起が前記係止孔に収容されて弾性復帰することで、前記カバーと前記コネクタハウジングとを正規の装着位置に保持することを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
  3. 前記嵌合部には、前記フード部の内周面と前記嵌合部の外周面とに密着して、前記フード部と前記嵌合部との間を液密状にシールするシール部材が嵌着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の防水コネクタ。
  4. 前記嵌合部は、前記撓み空間に収容されることで、前記ランスが前記撓み空間へ撓み変形できないように規制することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の防水コネクタ。
  5. 前記カバーは、前記嵌合部が前記フード部内に浅く嵌合した嵌合初期位置と、前記嵌合部が前記フード部に対して正規の嵌合位置に嵌合した嵌合完了位置との間を移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の防水コネクタ。
  6. 前記カバーには、前記嵌合初期位置において前記コネクタハウジングの外面に設けられた一対の保持突起が収容されることで、前記カバーを抜け止めする一対の係止溝が設けられており、
    前記弾性係止片の装着方向前端部は、前記嵌合初期位置において前記係止突起と当接していることを特徴とする請求項5記載の防水コネクタ。
  7. 前記一対の保持突起は、前記コネクタハウジングの装着方向と直交する外面に設けられ、前記一対の係止突起の略中央部を境に反対方向にずれてそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項6記載の防水コネクタ。
  8. 前記カバーには、前記嵌合部を覆う覆い壁が設けられており、この覆い壁に前記両弾性係止片が連結されていることを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れか一項に記載の防水コネクタ。
  9. 前記カバーには、前記フード部の開口部を覆う蓋部が設けられており、前記蓋部には、前記嵌合部に嵌着された前記シール部材に臨む検知孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の防水コネクタ。
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