JP2012118372A - フルカラー画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低明度領域の彩度が高く、色濁りのない鮮やかな色調を有する高彩度のレッドが得られ、かつ、優れた画質のフルカラー画像を安定して形成することのできるフルカラー画像形成方法を提供すること。
【解決手段】フルカラー画像形成方法において、イエロートナーがイエロー着色剤として少なくともC.I.ピグメントイエロー74を結着樹脂100質量部に対して4質量部以上10質量部以下含有し、マゼンタトナーがマゼンタ着色剤として少なくともシュウ酸金属配位化合とチオフェンジイミダゾール基含有化合物で表される着色剤とを結着樹脂100質量部に対して合計で4質量部以上10質量部以下含有し、該イエロートナー中の該イエロー着色剤の含有量Wyと該マゼンタトナー中の該マゼンタ着色剤の含有量Wmの比、Wy/Wmが0.3以上2.5以下であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルカラー画像形成方法に関し、更に詳しくは電子写真方式によるフルカラー画像形成方法に関する。
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)を用いた電子写真方式による画像形成方法においては、従来からのモノクロ画像に加え、近年、フルカラー画像を形成する機会が増加している。電子写真方式によるフルカラー画像形成方法においては、印刷用の版を必要としないことから必要枚数分の印刷物をオンデマンドに作製できるので、軽印刷分野において広く利用されている。
特にカタログや広告などのフルカラー画像を形成する場合においては、原物(オリジナル)の色相をより忠実に再現することが求められている。
1990年代より始まったIT革命は印刷現場を取り巻く環境を著しくデジタル化の方向へ導いており、このデジタル化によって、YMCK入稿データの「RGB」化が標準化しつつあり、取り扱われるデータがより色再現領域の広いものへとシフトしつつある。
しかしながら、電子写真方式によるフルカラー画像形成方法は、反射光による減色法によって色を表すものであるために、それ自体が光源を有し加色法によって色を表すディスプレイと比較して色再現範囲がはるかに狭いため、ディスプレイ上に表示されるフルカラー画像を紙などの転写材上に再現することが難しいという問題がある。
特に2種類のトナーを重ねて作る二次色の高明度領域の色再現性に乏しいという問題がある。具体的には、例えばレッド色を再現する場合においては、イエロートナーによるトナー像とマゼンタトナーによるトナー像とを重ね合わせるため、彩度および明度が低下し、そのため必然的に色再現領域が加色法による色再現領域よりも狭いものとなってしまう。
フルカラー画像では、重ね合わされたトナー画像のうち最下層に配置されたものが上層のものに隠蔽されずにその色調を視認できる様にすることが求められ、定着後のトナー画像が十分な透明性を発現するトナーが求められてきた。この様なニーズに対し、有機顔料は油溶性染料に比べ一般的に耐熱性や耐光性が優れているが、トナー中で粒子状に分散した状態で存在するため隠蔽力が強くなり、トナーの透明性を低下させる欠点を有していた。また、顔料は一般的に良好な分散性が得られにくい傾向があることから、透明性がさらに小さくなり、形成画像の彩度を低下させ良好な色再現性が得られにくくなるという課題を有していた。
従って、重ね合わされたトナー画像のうちの最下層のものが上層のものに隠蔽されずにその色調を的確に視認できる様にするためには、トナーを構成する着色剤に分散性や安定した色再現性を発現する着色力が求められた。とりわけ、カタログや広告等のフルカラープリント物をトナーで作製するにあたっては、使用されるトナーにオリジナルに忠実な色再現性がより一層求められていた。すなわち、フルカラーの画像形成を行うにあたり、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー画像を重ね合わせたときに目標の色調画像が再現する良好な色再現性を有するカラートナーが求められていた。
そして、カラートナーの色再現性向上を目的として種々の着色剤の検討がこれまでもなされてきた。例えば、代表的なカラートナー用マゼンタ着色剤の1つに、キナクリドン系顔料がある。キナクリドン系顔料を用いたトナーは、優れた耐光性を有するとともに、良好なマゼンタ色調を有するので汎用的に使用されている。
しかしながら、キナクリドン系顔料はトナー中での分散性(トナー形成中にキナクリドン顔料が集合してトナー中でミクロ的に局在する)に課題を有し、色重ね時に濁りを発生させ易かった。従って、近年要求が高くなっているコンピュータグラフィックスや高彩度ディスプレイ画像上の画像を忠実に再現することが困難であった。そこで、キナクリドン系顔料に染料を添加して彩度の向上を図ろうとする検討が行われた(例えば、特許文献1参照)。また、キナクリドン系顔料にナフトール系顔料を併用させたトナー(例えば、特許文献2参照)や、アントラキノン系顔料を併用させたトナー(例えば、特許文献3参照)の様に、他の顔料を併用してトナー設計を行う技術も検討されていた。
しかしながら、キナクリドン系顔料を単独で用いたときも染料や他のマゼンタ系顔料を併用するものも、トナー画像の吸収スペクトルがブロードで彩度が低いという問題を有していた。
さらに、高彩度の画像形成を実現する手段として金属化合物と色素よりなる着色剤を用い重合法によりトナーを製造する技術も提案される様になった(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4に開示されたトナーは、優れた色相域と透明性を有するものの吸収スペクトルがシャープすぎるため、イエロートナーと重ね合わせたときに互いに重なり合う部分の面積が少なく、その結果、2次色レッドの彩度が低くなり、このレッド領域の色再現範囲を拡大することが難しかった。
これに対して、トナーやインクの改良を図って高彩度化し、従来よりも加色法の色再現領域に近い画像出力を可能とする技術が開発されてきている。具体的な例としては、着色剤種の選択や分散粒径の微細化、更には着色剤の高充填化(インクであれば盛量の増加)などが挙げられる(例えば、特許文献5参照)。またこれらに加えて、通常のイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの4色システムにオレンジトナーや、レッドトナー、グリーントナー、ブルートナーといった色を加えた多色系システムも実用化されている。しかし、これらの多色系システムは、画像形成装置の機構が複雑になるという欠点を有している。
特開2007−286148号公報 特開2006−267741号公報 特開2006−154363号公報 特開2009−222847 特許第4321573号公報
イエロートナーとマゼンタトナーの単色彩度を向上するためには、吸収スペクトルの吸光度が高くてスペクトル形状がシャープな着色剤を選択することが好ましい。その一方で、2次色のレッドはイエロートナーとマゼンタトナーの吸収スペクトルの合計で表現している。そのため、イエロートナーとマゼンタトナーの吸収スペクトルがシャープになりすぎると吸収スペクトルの合計面積が減少するため、この重なり部分で再現するレッドの彩度が低下してしまい、従来再現出来ていた低明度領域のレッドの彩度を十分再現することが困難となってしまう。その対策のひとつとして、イエロー着色剤の含有量を増加させてレッドの彩度の向上が可能である。しかし、イエロー着色剤の含有量が多くなりすぎるとイエロートナーの摩擦帯電挙動が変化して帯電立ち上がりが遅くなり、トナーが現像器内で充分帯電しないうちに現像ニップへ供給され、その結果、現像電界に従うことなくキャリアから離脱して、現像器から舞い上がり機内部材を汚染するという問題があった。
本発明は上記課題を解決するために成されたもので、フルカラー画像において、色濁りのない鮮やかな色調を有する高彩度のレッド画像が得られ、かつ、優れた画質のフルカラー画像を安定して形成し、機内汚染を発生しないフルカラー画像形成方法を提供することを目的としている。特に、低明度領域のレッド画像の彩度を向上し、レッド領域の色再現性を改善するフルカラー画像形成方法を提供することを目的としている。
本発明の上記課題は以下の構成とすることによって解決される。
1.
少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーによりフルカラー画像を得るフルカラー画像形成方法において、
該イエロートナーがイエロー着色剤として少なくともC.I.ピグメントイエロー74を結着樹脂100質量部に対して4質量部以上10質量部以下含有し、該マゼンタトナーがマゼンタ着色剤として少なくとも下記一般式(1)で表される着色剤と下記一般式(2)で表される着色剤とを結着樹脂100質量部に対して合計で4質量部以上10質量部以下含有し、該イエロートナー中の該イエロー着色剤の含有量Wyと該マゼンタトナー中の該マゼンタ着色剤の含有量Wmの比、Wy/Wmが0.3以上2.5以下であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
Figure 2012118372
(一般式(1)中、Rは各々独立して置換基を表し、nは1から5の整数を表し、(R)nの炭素原子数の合計は14以上を表し、Xは各々独立して水素原子またはフッ素原子を表す。一般式(2)中、Rx、Rxは炭素原子数1個から3個のアルキル基を表す。)
2.
前記マゼンタ着色剤が、C.I.ピグメントレッド122を含有するものであることを特徴とする前記1に記載のフルカラー画像形成方法。
3.
前記イエロー着色剤の含有量Wyと前記マゼンタ着色剤の含有量Wmの比、Wy/Wmが0.5以上1.5以下であることを特徴とする前記1に記載のフルカラー画像形成方法。
本発明は上記構成とすることによって、低明度レッド領域の色再現性を拡大することができる。
本発明のイエロートナーの吸収スペクトルとマゼンタトナーの吸収スペクトルの重なりの大きさを説明する概念図である。 本発明のレッド画像の低明度領域の彩度向上を説明する概念図である。
(本発明の画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、フルカラー画像形成に用いるイエロートナーが、イエロー着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を結着樹脂100質量部に対して4質量部以上10質量部以下含有し、マゼンタトナーがマゼンタ着色剤として下記一般式(1)で表される着色剤と下記一般式(2)で表される着色剤とを結着樹脂100質量部に対して合計4質量部以上10質量部以下含有するものであって、該イエロートナー中の該イエロー着色剤の含有量Wyと該マゼンタトナー中の該マゼンタ着色剤の含有量Wmの比Wy/Wmが0.3以上2.5以下であることを特徴とするフルカラー画像形成方法である。
また、本発明の画像形成方法には、少なくともイエロートナー(Y)、マゼンタトナー(M)、シアントナー(C)、ブラックトナー(K)4色のトナーを用いるが、さらにグレーやグリーンやブルーといった4色以外のトナーを用いても構わない。また、トナーの現像の順序としては、上層トナーが下層トナーを隠蔽することを考慮して、得られる画像の上層から順に光透過率の高いY→M→C→Kとなるような現像の順に行われることがより好ましい。
図1は、本発明のイエロートナーとマゼンタトナーの吸収スペクトルの重なりを説明する概念図である。
イエロートナーとマゼンタトナーの吸収スペクトルの重なり部分が、二次色のレッド再現領域となり、その面積が大きくなるほどレッドの色再現性が向上する。
まず、イエロートナーだが、従来のイエロートナーの吸収スペクトルを実線(a)とすると、本発明のイエロートナーは、着色剤を増量していくことにより破線(b)で示したスペクトルとなり、二次色のレッド領域の面積が広げることができる。一方、マゼンタトナーは、実線(c)で示した実線の吸収スペクトル(例えばC.I.ピグメントレッド122など)から、破線(d)で示した本発明のスペクトルとすることにより、吸収スペクトルをより短波側へシフトさせて、二次色のレッド領域の面積をさらに増大させているのである。
吸収スペクトルのレッド領域面積増大による色再現領域拡大について、図2でL表色系を用いて説明する。図2は、L表色系の色相角Hが0〜60°のレッド領域において、Lを縦軸とした時の明度(L)と彩度(C)の関係を示している。実線が従来のイエロートナーとマゼンタトナーを用いた場合のレッド色再現領域である。これに対して、本発明のイエロートナーとマゼンタトナーを用いた場合のレッド色再現領域を破線で示した。このように、吸収スペクトルのレッド領域面積増大によりレッドの彩度が向上すると、色再現領域の拡大を図ることができる。
(L表色系)
次に本発明で用いている「L表色系」について説明する。
「L表色系」とは、CIE(国際照明委員会)が定めた均等色空間で、色を数値化して表すのに有用な手段であり、L表色系による色空間を示すL座標図においては、L軸方向が明度を表し、a軸方向が赤−緑方向の色相を表し、b軸方向が黄−青方向の色相を表している。なお、明度とは色の相対的な明るさをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいい、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいう。
が大きくなるほど色が明るく、小さくなるほど暗くなることを示している。a、bとも絶対値が大きくなるに従って色が鮮やかになり、0に近づくに従ってくすんだ色になることを示している。これによって、一つの色をL、a、bを用いて数値化することが可能となる。
また、「明度」、「色相」とは別に鮮やかさの度合いを数値化する方法として「彩度(C)」があり、計算式(1)にて求めることができる。
式(1):彩度C=〔(a+(b1/2
彩度Cの値が大きいほど鮮やかな色といえる。
、a、bは、具体的には、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパチャーとしてφ4mmのものを用い、測定波長域380〜730nmを10nm間隔で、視野角を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件において測定されるものである。
また、L、a、bおよびそこから算出される彩度Cはトナー付着量によっても変化するため、評価する場合はトナー付着量を一定にして測定する必要がある。
本発明においては、イエロートナーに含有される着色剤の含有量をWy、マゼンタトナーに含有される着色剤の総量をWmとした時に、Wy/Wm=0.3〜2.5の範囲であり、この範囲であれば、二次色であるレッドの色再現領域を広くすることが出来る。0.3より小さいと、イエロートナーの濃度がマゼンタトナーの濃度に対して低くなりすぎて、2次色を作像する際にイエロートナーを多く乗せる必要がでてきて、転写・定着工程への悪影響が生じる。2.5より大きくなると、逆にマゼンタトナーの濃度がイエロートナーの濃度に対して低くなりすぎて、マゼンタトナーを多く乗せる必要がでてきて、転写・定着工程への悪影響が発生する。さらに、イエロートナーとマゼンタトナーの付着量バランスを考慮すると、Wy/Wm=0.5〜1.5が好ましい。
次に本発明の画像形成方法に用いられるトナーの構成について具体的に説明する。
(イエロー着色剤)
本発明のイエロー着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー74が用いられる。本発明では、イエロー着色剤であるC.I.ピグメントイエロー74を結着樹脂100質量部に対して、4質量部以上10質量部以下含有させることによって、イエロートナーの吸光度を高く設定し、マゼンタトナーの吸収との重なり、即ちレッドの再現領域を拡大することができる。即ち、4質量部未満ではイエロートナーの吸収が低くて、トナー画像とした時に十分な画像濃度を得ることが出来ない。また10質量部を越えるとトナーとしたときに帯電不良を起こす可能性がある。
一般に着色剤の含有量を増量すると帯電性能に影響を与えることがある。特にC.I.ピグメントイエローでは帯電の立ち上がりが遅くなり、現像器内で新しいトナーが補給された時に帯電量の低いトナーが生じてしまう。この低帯電量のトナーは、現像器内で撹拌される時に飛散して機内を汚し、あるいは画像にカブリを生じさせるなどの問題を生じることがあるが、本発明においては上記範囲内の含有量であれば、問題は生じない。
(マゼンタ着色剤)
本発明のマゼンタ着色剤は、下記一般式(1)と下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 2012118372
ここで、一般式(1)中、Rは各々独立して置換基を表し、nは1から5の整数を表し、(R)nの炭素原子数の合計は14以上を表す。また、Xは各々独立して水素原子またはフッ素原子を表す。一般式(2)中、Rx、Rxは炭素原子数1個から3個のアルキル基を表す。
Rx、Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基を表す。
Rx、Rxを上記とすることにより、マゼンタの吸収スペクトルをより短波側へシフトすることが可能となる。
本発明においては、結着樹脂100質量部に対して上記一般式(1)で表される着色剤と一般式(2)で表される着色剤を合計で4質量部以上10質量部以下含有することを特徴としている。一般式(1)と一般式(2)の添加比率は、50:50〜99:1が好ましい。
本発明の一般式(1)において、Rで表される置換基としては、置換可能なものであれば特に限定はないが、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、ヘテロ環基(複素環基とも呼び、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)などが挙げられる。またこれらは更に同様の置換基によって置換されても良い。
これらの中で好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、アミノ基、アミド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられるが、更に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アミド基、ハロゲン原子であり、最も好ましくはアルコキシ基である。
一般式(1)において、nは1〜5の整数を表すが、合成上の容易性から1であることが好ましい。一般式(1)において(R)nの炭素数の合計は14以上であるが、好ましくは16以上、更に好ましくは18以上である。
本発明に用いられる一般式(1)で表される着色剤には、例えば以下のものが挙げられるが、本発明に用いられる着色剤はこれらに限定されるものではない。
下記例示化合物の中で、Arは以下に示す(1)−1〜(1)−40の構造単位を表す。
Figure 2012118372
Figure 2012118372
Figure 2012118372
本発明に係る着色剤である前記一般式(1)で表される銅錯体化合物及び配位子は特開2002−332259号、同2003−237246号、同2007−31425号、同2009−222847号公報等を参考にして合成する事ができる。
本発明に用いられる一般式(2)で表される着色剤には、例えば以下の例示化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2012118372
本発明に係る前記一般式(2)で表される化合物は、例えば、特開昭63−226653号、特開平10−193807号、同11−78258号、同6−250357号、同2−155693号、同1−110565号、同2−668号、同2−28264号、同2−53865号、同2−53866号の各公報、英国特許1,252,418号明細書、特開昭64−63194号、特開平2−208094号、同3−205189号、同2−265791号、同2−310087号、同2−53866号の各公報、特開平4−91987号、特開昭63−205288号、特開平3−226750号の各公報、英国特許1,183,515号明細書、特開平4−190348号、特開昭63−113077号、特開平3−275767号、同4−13774号、同4−89287号、特開平7−175187号、同10−60296号、同11−78258号、特開2004−138834号、特開2006−350300号等の各公報に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
本発明のマゼンタトナーには着色剤として、前述の一般式(1)、一般式(2)で表される着色剤に加えて、C.I.ピグメントレッド122を含有することが好ましい。C.I.ピグメントレッド122はマゼンタトナーの着色剤とした時に好ましい色相を与え、上述の一般式(1)、一般式(2)で表される着色剤の色相角の僅かなずれを補う効果がある。
C.I.ピグメントレッド122の好ましい含有量は、1質量部から3質量部であり、一般式(1)と一般式(2)で表される着色剤とC.I.ピグメントレッド122の総量に対して、10質量%〜40質量%が好ましい。10質量%〜40質量%においては、吸収スペクトルが適度に幅をもつため、イエロー着色剤との吸収スペクトルの重なりが適切となり、レッドの低明度領域の彩度向上が図れる。さらに、この添加量範囲であれば、吸収スペクトルがブロードになりすぎることもなくマゼンタトナーの彩度も維持できる。
(結着樹脂)
本発明のイエロートナーに含有される結着樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。
トナーが粉砕法などによって製造される場合には、例えばスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、各色のトナーが懸濁重合法、乳化凝集法、ミニエマルション重合凝集法などによって製造される場合には、トナー粒子を構成する結着樹脂を得るための重合性単量体として、公知の種々の重合性単量体を用いることができ、重合性単量体としては、例えばビニル系単量体などが挙げられる。
結着樹脂を得るための重合性単量体として、具体的には例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体として、上記の重合性単量体にイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルホン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、かつ無色のものであれば公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
(離型剤)
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。
(外添剤)
本発明のイエロートナーとしては、トナー粒子をそのままの状態で用いることもできるが、トナー粒子に対して、流動性、帯電性およびクリーニング性などを改良するために、流動化剤およびクリーニング助剤などの外添剤を添加して用いることもできる。
外添剤としては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいはチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などの無機微粒子が挙げられる。
これら無機微粒子は、耐熱保管性および環境安定性の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって表面処理が行われたものであることが好ましい。
外添剤の添加量は、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて用いてもよい。
(トナーの製造方法)
本発明のイエロートナーは、結着樹脂と、着色剤と、必要に応じて内添剤とを用いてトナー粒子を得、このトナー粒子に対して必要に応じて外添剤を添加することによって製造することができる。
各色のトナーを製造する方法としては、例えば粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、乳化凝集法を用いることが好ましい。この乳化凝集法によれば、製造コストおよび製造安定性の観点から、トナー粒子の小粒径化を容易に図ることができる。
ここに、乳化凝集法とは、乳化重合法によって製造された結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう)の分散液を、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう)の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。ここで、結着樹脂の微粒子は、任意に離型剤、荷電制御剤などを含有していてもよい。
トナーの製造方法として、乳化凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)着色剤微粒子の分散液と結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤微粒子および結着樹脂微粒子を凝集、融着させてトナー粒子を形成する工程
(4)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー粒子を乾燥する工程
(6)トナー粒子に外添剤を添加する工程
乳化凝集法によってトナーを製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調整し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
また、乳化凝集法によってはコア−シェル構造を有するトナー粒子を得ることもでき、具体的にコア−シェル構造を有するトナー粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂微粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
特に、本発明のイエロートナーは、水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる分散液と、水系媒体中に結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液とを混合して、着色剤微粒子および結着樹脂微粒子を凝集、融着させる工程を経ることにより得られるものであること、すなわち乳化凝集法などの製造方法により得られるものであることが好ましい。
また、トナーの製造方法として、粉砕法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)結着樹脂、着色剤および必要に応じて内添剤をヘンシェルミキサーなどにより混合する工程
(2)得られた混合物を押出混練機などにより加熱しながら混練する工程
(3)得られた混練物をハンマーミルなどにより粗粉砕処理した後、更にターボミル粉砕機などにより粉砕処理を行う工程
(4)得られた粉砕物を、例えばコアンダ効果を利用した気流分級機を用いて微粉分級処理しトナー粒子を形成する工程
(5)トナー粒子に外添剤を添加する工程
(トナー粒子の粒子径)
本発明のトナー粒子の粒子径は、例えば体積基準のメディアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜9μmとされる。体積基準のメディアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメディアン径は、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(体積D50%径)とする。
(トナーの軟化点温度)
本発明のトナーの軟化点温度(Tsp)は70℃以上130℃以下となるものが好ましく、70℃以上120℃以下となるものがより好ましい。本発明に用いられる各色のトナーを構成する着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点温度(Tsp)が上記範囲であることにより定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減させることができる。従って、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
また、トナーの軟化点温度(Tsp)が上記範囲であることにより、従来技術よりも低い温度でトナー画像定着が行えることができ、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成を実現することができる。
なお、トナーの軟化点温度(Tsp)は、例えば、以下の方法を単独で、または、組み合わせることにより制御することができる。すなわち、
(1)結着樹脂を形成すべき単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により結着樹脂の分子量を調節する。
(3)離型剤等の種類や添加量を調節する。
(軟化点温度測定)
トナーの軟化点温度(Tsp)の測定方法は、例えば「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×10Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点温度とする。
(トナーのガラス転移点)
本発明のトナーは、そのガラス転移点(Tg)が20〜90℃であることが好ましく、より好ましくは30〜65℃である。
(ガラス転移温度の測定)
本発明のトナーのガラス転移温度は、DSC−7示差走査カロリーメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、トナー4.5mg〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(ガラス転移点)として示す。
(現像剤)
本発明のイエロートナーは、非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散したバインダー型キャリアなどを用いることもできる。コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメディアン径は、20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜60μmである。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
(転写材)
本発明のイエロートナーの画像形成に用いられる転写材としては、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔イエロートナー作製例〔1〕(乳化凝集法)〕
(1)イエロー着色剤微粒子分散液〔1〕の調製工程
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、「C.I.ピグメントイエロー74」4質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行って、イエロー着色剤微粒子〔1〕が分散されてなるイエロー着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
イエロー着色剤微粒子分散液〔1〕中のイエロー着色剤微粒子の粒径は、体積基準メディアン径が174nmであった。なお、体積基準メディアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、下記の条件にて測定したものである。
〔測定条件〕
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797、20℃にて1.002
・ゼロ点調整:測定セルにイオン交換水を入れて調整を行う。
(2)コア部用樹脂粒子〔1〕の作製工程
下記に示す第1段重合、第2段重合および第3段重合を経て多層構造を有するコア部用樹脂粒子〔1〕を作製した。
(a)第1段重合(樹脂粒子〔A1〕)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、n−オクチルメルカプタン16.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子〔A1〕を作製した。なお、第1段重合で作製した樹脂粒子〔A1〕の質量平均分子量(Mw)は16,500であった。
質量平均分子量(Mw)の測定は、「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μlを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。
(b)第2段重合(樹脂粒子〔A2〕:中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン101.1質量部、n−ブチルアクリレート62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部、n−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる単量体混合液に、離型剤として、パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
一方、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、前述の樹脂粒子〔A1〕32.8質量部(固形分換算)添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記パラフィンワックスを含有する単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径340nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。次いで、この乳化粒子分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子〔A2〕を作製した。なお、第2段重合で調製した樹脂粒子〔A2〕のMwは23,000であった。
(c)第3段重合(コア部用樹脂粒子〔1〕:外層の形成)
上記樹脂粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリレート154.1質量部、n−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しコア部用樹脂粒子〔1〕を得た。なお、コア部用樹脂粒子〔1〕のMwは26,800であった。また、コア部用樹脂粒子〔1〕の体積平均粒径は125nmであった。さらに、このコア部用樹脂粒子〔1〕のガラス転移温度(Tg)は28.1℃であった。
(3)シェル層用樹脂粒子〔1〕の作製工程
上記コア部用樹脂粒子〔1〕の第1段重合において、スチレンを548質量部、2−エチヘキシルアクリレートを156質量部、メタクリル酸を96質量部、n−オクチルメルカプタンを16.5質量部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、シェル層用樹脂粒子〔1〕を作製した。なお、シェル層用樹脂粒子〔1〕のTgは53.0℃であった。
(4)イエロートナー粒子〔1〕の作製工程
(a)コア部〔1〕の形成
コア部用樹脂粒子〔1〕420質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、イエロー着色剤微粒子分散液〔1〕18.7質量部(固形分換算)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を80分間かけて80℃(コア部形成温度)まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて粒子の粒径を測定し、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が6.3μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度80℃(コア部熟成温度)にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、コア部〔1〕を形成した。なお、コア部〔1〕の円形度を「FPIA2100」(シスメックス社製)にて測定したところ0.930であった。また、電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7401F(日本電子社製)を用いて走査透過電子顕微鏡法にてコア部〔1〕を10000倍にて観察し、着色剤が結着樹脂に溶解し、着色剤分散微粒子が残っていないことを確認した。
(b)シェル層の形成
次いで、65℃においてシェル層用樹脂粒子〔1〕46.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、80℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、コア部〔1〕の表面に、シェル層用樹脂粒子〔1〕の粒子を融着させた後、80℃(シェル熟成温度)で所定の円形度まで熟成処理を行い、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有する、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μm、Tgが31℃のイエロートナー粒子〔1〕を得た。
(5)イエロートナー〔1〕の作製(外添剤添加工程)
イエロートナー粒子〔1〕100質量部に下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサー」(三井三池鉱業社製)にて撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で外添処理を行い、イエロートナー〔1〕を作成した。
・ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm) 0.6質量部
・n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)0.8質量部
イエロートナー〔1〕の軟化点温度(Tsp)は107℃であった。
〔イエロートナー〔2〕〜〔5〕、〔7〕〜〔10〕の作製〕
イエロートナー作製例〔1〕において、イエロートナー粒子〔1〕の作製工程の「(a)コア部〔1〕の形成」時のイエロー着色剤微粒子分散液〔1〕の添加量を、表1に示すトナー結着樹脂100質量部に対する添加量となるように変更するほかは同様にして、イエロートナー〔2〕〜〔5〕、〔7〕〜〔10〕を作製した。イエロートナー〔2〕〜〔5〕、〔7〕〜〔10〕は、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μm、Tgが31℃、Tspが107℃であった。
〔イエロートナー作製例〔6〕(粉砕法)〕
(1)混合工程
下記材料を「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)により、撹拌羽の周速を25m/秒に設定して5分間かけて混合して混合物を得た。
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物、質量平均分子量20,000、軟化点温度Tsp110℃)
100質量部
・着色剤(C.I.ピグメントイエロー74) 4質量部
・カルナバワックス(セラリカNODA社製) 3質量部
(2)混練工程
得られた混合物を二軸押出混練機により130℃に加熱しながら混練し、混練物を得、その後この混練物を冷却した。
(3)粉砕工程
得られた混練物を「ハンマーミル」(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕した後、「ターボミルT−400型」(ターボ工業社製)により微粉砕した。
(4)分級工程
得られた微粉末を風力分級機により微粉分級を行うことにより、体積基準メディアン径が8.0μmのトナー粒子よりなるイエロートナー粒子〔6〕を得た。
(5)外添剤添加工程
イエロートナー粒子〔6〕100質量部に下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサー」(三井三池鉱業社製)にて撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間8分の条件の下で外添処理を行い、イエロートナー〔6〕を作製した。
・ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm) 0.4質量部
・n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)0.8質量部
イエロートナー〔6〕の軟化点(Tsp)は110℃であった。
〔マゼンタトナー〔1〕の作製例(乳化凝集法)〕
(1)マゼンタ着色剤微粒子分散液〔A1〕の調製工程
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、「例示化合物(2)−1」4質量部と「例示化合物(1)−17h」4質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行って、マゼンタ着色剤微粒子〔A1〕が分散されてなるマゼンタ着色剤微粒子分散液〔A1〕を調製した。マゼンタ着色剤微粒子の粒径は、体積基準メディアン径で215nmであった。
〔マゼンタ着色剤微粒子分散液〔A2〕〜〔A7〕、〔A9〕〜〔A12〕の作製〕
マゼンタ着色剤微粒子分散液作製例〔A1〕において、「一般式(2)」と「一般式(1)」の着色剤の種類と添加量を表1のように変更するほかは同様にして、マゼンタ着色剤分散液〔A2〕〜〔A7〕、〔A9〕〜〔A12〕を作製した。マゼンタ着色剤微粒子の粒径は、いずれも体積基準メディアン径で215nmであった。
〔マゼンタ着色剤微粒子分散液〔B〕の作製〕
マゼンタ着色剤微粒子分散液〔A1〕の作製例において、「例示化合物(2)−1」と「例示化合物(1)−17h」の代わりに「C.I.ピグメントレッド122」4質量部を徐々に添加するほかは同様にして、マゼンタ着色剤微粒子分散液〔B〕を作製した。
マゼンタ着色剤微粒子分散液〔B〕中のマゼンタ着色剤微粒子の粒径は、体積基準メディアン径で174nmであった。なお、体積基準メディアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、下記の条件にて測定したものである。
〔測定条件〕
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797、20℃にて1.002
・ゼロ点調整:測定セルにイオン交換水を入れて調整を行う。
〔マゼンタトナー〔1〕の作製〕
イエロートナー作製例〔1〕において、イエロー着色剤微粒子分散液〔1〕を上記マゼンタ着色剤微粒子分散液〔A1〕18.7質量部(固形分換算)と上記マゼンタ着色剤微粒子分散液〔B〕を9.3質量部(固形分換算)に変更した他は同様にして、マゼンタトナー〔1〕を作製した。
〔マゼンタトナー〔2〕〜〔7〕、〔9〕〜〔12〕の作製〕
マゼンタトナー〔1〕の作製例において、表1の添加量になるようにマゼンタ着色剤の種類と添加量を変更するほかは同様にして、マゼンタトナー〔2〕〜〔7〕、〔9〕〜〔12〕を作製した。マゼンタトナー〔2〕〜〔7〕、〔9〕〜〔12〕は、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μm、Tgが31℃、Tspが107℃であった。
〔マゼンタトナー〔8〕の作製例(粉砕法)〕
イエロートナー作製例〔6〕の作製において、着色剤C.I.ピグメントイエロー74質量部の代わりに「例示化合物(2)−1」を1質量部と「例示化合物(1)−17h」を3質量部及びC.I.ピグメントレッド122を1質量部の混合物を用いたことの他は同様にして、マゼンタトナー〔8〕を作製した。
得られたマゼンタトナー〔8〕の体積基準メディアン径は8.0μm、軟化点温度(TSP)は110℃であった。
Figure 2012118372
〔現像剤の作製例〕
上記「イエロートナー〔1〕〜〔10〕」に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを、トナー濃度が6質量%になるように混合し、二成分現像剤である「イエロー現像剤〔1〕〜〔10〕」を作製した。同様に「マゼンタトナー〔1〕〜〔12〕」を用いて、「マゼンタ現像剤〔1〕〜〔12〕」を作製した。
〔評価実験〕
〔彩度の測定〕
前記「bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」を用いて、デフォルトモードで色域測定用のテストチャートを出力し、出力した色度測定用のテストチャートを「Spectrolina/Scan Bundle(Gretag Macbeth社製)」で測定した。色度測定は以下の条件で行った。
測定条件
光源:D50光源
観測視野:2°
濃度:ANSI T
白色基準:Abs
フィルタ:UV Cut
測定モード:リフレクタンス
言語:Japanese
なお、色域測定の評価は、イエロー単色(Y)、マゼンタ単色(M)、レッド(R)の各ベタ画像(2cm×2cm)を紙上のトナー付着量が4.0g/mの各ベタ画像を作製した。これらベタ画像によるY、M、Rの色度をa−b座標に表し、a−b平面上での原点からの距離である彩度Cを評価した。イエローは85以上、マゼンタとレッドは70以上を合格レベルと判定した。
Figure 2012118372
〔低明度領域の色再現領域測定〕
bizhub PRO C6500 にて、カラーテストチャートECI2002を出力し、色相Hが30〜60のデータを抽出して、C−Lグラフにプロットし、L50以下の領域について、面積を算出した。この面積が大きいほど低明度領域の色再現領域が大きいと判断しランク付けを行った。面積1400以上を合格レベルとした。
◎:面積1600以上
○:面積1400以上1600未満
×:面積1400未満
結果を表2に示した。
〔機内汚染評価〕
下記のようにしてトナー飛散による本体・カートリッジ内の汚染を評価した。
トナーの帯電性・流動性のバランスを評価するために、実施例〔1〕〜〔8〕、比較例〔1〕〜〔4〕各々について、イエロー単色(Y)、マゼンタ単色(M)、レッド(R)の紙上トナー付着量4.0g/mである各ベタ画像(2cm×2cm)を印字し、7000枚印字後のカートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れ具合を観察した。◎〜○の評価を合格レベルとした。
◎:良好 カートリッジ、本体内部材へのトナー付着は非常に微量である
○:実用上問題なし カートリッジ、本体内部材のトナーによる汚れが観察されるが、画像・カートリッジの着脱には影響しない
×:やや難あり カートリッジ、本体内カートリッジ周辺がトナーによって著しく汚れ、画像・カートリッジの着脱にも悪影響が見られる
結果を表2に示した。表2の結果から明らかなように、実施例1〜8の本発明のイエロートナーとマゼンタトナーは、比較例1〜4のトナーに比べて優れた彩度を示すとともに、レッド画像とした時に優れた彩度と低明度領域の再現性に優れていることが分かる。また、7000枚印字後においても機械本体内のカートリッジ周辺の汚染が無いことが分かる。
明度
彩度

Claims (3)

  1. 少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーによりフルカラー画像を得るフルカラー画像形成方法において、
    該イエロートナーがイエロー着色剤として少なくともC.I.ピグメントイエロー74を結着樹脂100質量部に対して4質量部以上10質量部以下含有し、該マゼンタトナーがマゼンタ着色剤として少なくとも下記一般式(1)で表される着色剤と下記一般式(2)で表される着色剤とを結着樹脂100質量部に対して合計で4質量部以上10質量部以下含有し、該イエロートナー中の該イエロー着色剤の含有量Wyと該マゼンタトナー中の該マゼンタ着色剤の含有量Wmの比、Wy/Wmが0.3以上2.5以下であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
    Figure 2012118372
    (一般式(1)中、Rは各々独立して置換基を表し、nは1から5の整数を表し、(R)nの炭素原子数の合計は14以上を表し、Xは各々独立して水素原子またはフッ素原子を表す。一般式(2)中、Rx、Rxは炭素原子数1個から3個のアルキル基を表す。)
  2. 前記マゼンタ着色剤が、C.I.ピグメントレッド122を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
  3. 前記イエロー着色剤の含有量Wyと前記マゼンタ着色剤の含有量Wmの比、Wy/Wmが0.5以上1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
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