JP2012117458A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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圭介 永坂
Takahiko Fujiwara
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章仁 細井
Ryota Ogami
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Abstract

【課題】より効率的に触媒の硫黄被毒を解消することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】触媒貴金属に被毒した硫黄をリーン空燃比下で酸化して放出可能な温度域の最低温度である温度T2に触媒床温が満たないときに(S202:YES)、同触媒床温を温度T2以上とすべく、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温を行った上で(S204〜S206)、燃料カットによる空燃比リーン化制御を実行する(S207)ようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、化学蓄熱剤の発熱及び吸熱によって触媒床温の昇降を行う内燃機関の排気浄化装置に関する。
車載等の内燃機関に適用される排気浄化装置として、NOxやCO、HC等の排気中の有害成分を浄化する触媒コンバーターを備えたものがある。触媒コンバーターは、セラミクス等からなる触媒担体に、Pt等の触媒貴金属を担持したものとなっている。
そして従来、機関始動時に化学蓄熱剤の発熱で触媒の昇温を図ることで、触媒を早期に活性化させて機関始動直後からの排気浄化を可能とした内燃機関の排気浄化装置が知られている。例えば特許文献1には、Ca、Mg、Sr、Baといった第2族元素の水酸化物や炭酸化物を化学蓄熱剤として用い、その水酸化物反応や炭酸化物反応による発熱で触媒の昇温を図る排気浄化装置が開示されている。なお、化学蓄熱剤としては、特許文献2に見られるような、CaO、MgO、BaOといった金属酸化物も利用することができ、そうした場合には、それら金属酸化物の加水反応による発熱で触媒を昇温させることが可能である。
なお、上記のような触媒コンバーターは、リーン空燃比下では、排気中の酸素を吸蔵し、リッチ空燃比下では、吸蔵した酸素を放出する酸素吸蔵能力を備えている。こうした触媒コンバーターでは、酸素吸蔵時に、触媒の酸素のサイトを埋めるかたちで排気中のSOxが吸蔵されてしまい、触媒の硫黄被毒が発生して、触媒の排気浄化能力の低下を招くことがある。
そこで従来、こうした硫黄被毒の進行を抑制する排気浄化装置として、特許文献3に記載の装置が知られている。同文献に記載の排気浄化装置では、触媒担体の硫黄吸着量が多く、内燃機関の燃料カットに伴う空燃比のリーン化で触媒貴金属の硫黄被毒が進行すると判断されるときには、燃料カットに先立って空燃比のリッチ化制御を行い、触媒担体に吸着された硫黄を放出しておくことで、硫黄被毒の進行を抑制している。
特開2001−289039号公報 特開2010−090786号公報 特開2006−112289号公報
このように、燃料カットに先立って空燃比のリッチ化制御を行えば、条件さえ整えば、触媒の硫黄被毒の進行を効果的に抑制可能である。しかしながら、リッチ化制御時の触媒の温度条件によっては、触媒担体に吸着された硫黄が触媒貴金属上で還元されてしまい、その後に燃料カットを行っても、硫黄を放出できないことがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、より効率的に触媒の硫黄被毒を解消することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
化学蓄熱剤の発熱及び吸熱によって触媒床温の昇降を行う内燃機関の排気浄化装置としての請求項1に記載の発明は、上記課題を解決するため、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温を行った上で、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御を実行している。
発明者らが行った調査の結果を、図1に示す。なお、同図のT0は、触媒の活性温度を示している。
温度T1以下の触媒床温におけるリッチ空燃比下では、触媒の酸素吸蔵と共に硫黄種が触媒担体に酸素のサイトを埋めるかたちでSOxとして触媒担体に蓄積される。そして触媒担体に蓄積したSOxは、温度T1以上の触媒床温におけるリッチ空燃比下で触媒担体から放出されて、触媒貴金属に吸着する。そして触媒貴金属に吸着した硫黄種は、温度T1以上、温度T3以下の触媒床温におけるリッチ空燃比下で硫黄Sへと還元されて、触媒の硫黄被毒を増進する。
一方、触媒貴金属に被毒した硫黄Sは、温度T2(T1<T2<T3)以上の触媒床温におけるリーン空燃比下で酸化してSOxとなって被毒解除される。また触媒貴金属に被毒した硫黄Sは、温度T3以上の触媒床温におけるリッチ空燃比下でH2Sとなって被毒解除される。
以上のように、硫黄被毒の回避のためには、触媒床温が温度T1から温度T3までの温度域では、空燃比リッチ化制御を実行しないことが好ましい。また硫黄被毒解消のための空燃比リーン化制御は、温度T2以上の触媒床温で行うことが好ましい。
その点、上記構成では、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御は、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温を行った上で実行される。そのため、リーン空燃比下で被毒解除可能な温度域(温度T2以上の温度域)まで触媒床温を十分高めた上で空燃比リーン化制御を行うことが可能となり、より効率的に触媒の硫黄被毒を解消することができる。
なお、このときの化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温は、請求項2によるように、触媒貴金属に被毒した硫黄をリーン空燃比下で酸化して放出可能な温度域の最低温度である温度T2に触媒床温が満たないときに、同触媒床温を上記温度T2以上とするように行うようにすると良い。
なお、上記のような空燃比リーン化制御の実行後に空燃比をリッチ化することで、酸化した触媒貴金属を還元して、触媒活性を回復させることができる。ところが、上述したように、触媒床温が温度T1から温度T3までの温度域にあるときに空燃比をリッチ化すると、触媒貴金属に吸着したSOxが硫黄へと還元されてしまい、触媒の硫黄被毒が却って増進されてしまう結果となる。
その点、請求項3に記載の発明では、化学蓄熱剤の吸熱による触媒床温の降温を行った上で、空燃比リーン化制御後における、酸化した触媒貴金属の還元のための空燃比リッチ化制御を実行している。そのため、触媒の硫黄被毒が増進されない温度域(温度T1以下の温度域)まで触媒床温を降温した上で、空燃比リッチ化制御を行うことができ、硫黄被毒の進行を回避できるようになる。
なお、このときの化学蓄熱剤の吸熱による触媒床温の降温は、請求項4によるように、触媒担体に吸着したSOxが、リッチ空燃比下で、触媒貴金属上にて還元されて被毒する温度域の最低温度である温度T1を触媒床温が超えているときに、同触媒床温を上記温度T1未満とするように行うようにすると良い。
ちなみに、上述したような、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御は、請求項5によるように、内燃機関の燃料カットを通じて行うことで、より効果的に硫黄を放出することが可能となる。
触媒に吸蔵された硫黄の挙動と触媒床温及び空燃比との関係を示す図。 本発明の内燃機関の排気浄化装置の第1の実施の形態についてその適用対象となる内燃機関の構成を模式的に示す略図。 同実施形態に採用される硫黄被毒解消要求判定ルーチンのフローチャート。 同実施形態に採用される硫黄被毒解消制御ルーチンのフローチャート。 本発明の内燃機関の排気浄化装置の第2の実施の形態に採用される硫黄被毒解消制御ルーチンのフローチャート。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の内燃機関の排気浄化装置を具体化した第1の実施の形態を、図2〜図4を参照して詳細に説明する。
まず、図2に基づいて本実施の形態の排気浄化装置の適用される内燃機関の構成を説明する。同図に示すように、内燃機関の吸気通路1には、その上流側から順に、吸気を浄化するエアクリーナー2、吸入空気量を検出するエアフローメーター3、スロットルモーター4により開閉駆動されて吸入空気量を調節するスロットルバルブ5が設けられる。また吸気通路1のスロットルバルブ5の下流には、吸気中に燃料を噴射するインジェクター6が設けられる。そしてその下流にて吸気通路1は、吸気バルブ7を介して当該内燃機関の燃焼室8に接続されている。
燃焼室8には、その内部に導入された空気と燃料との混合気を点火する点火プラグ9が配設されている。そして燃焼室8は、排気バルブ10を介して排気通路11に接続されている。
排気通路11には、その上流から順に、排気の酸素濃度の測定結果から燃焼された混合気の空燃比を検出する空燃比センサー12、排気を浄化する触媒コンバーター13、排気の酸素濃度を測定して触媒コンバーター13を通過した排気の空燃比がリッチ、リーンのいずれにあるかを検出する酸素センサー14が配設されている。
本実施の形態の排気浄化装置では、触媒コンバーター13は、排気を浄化する触媒貴金属が担持された触媒担体15と、その周囲に設けられて化学蓄熱剤が収容された蓄熱剤室16とを備えている。また、触媒コンバーター13には、開弁に応じて蓄熱剤室16に水を注入する水注入バルブ17と、開弁に応じて同蓄熱剤室16から水を放出する水放出バルブ18とが設けられている。
なお、本実施の形態では、蓄熱剤室16に収容される化学蓄熱剤として、CaO、MgO、BaOといった金属酸化物を使用している。こうした化学蓄熱剤は、蓄熱剤室16への水の注入に応じて加水反応を起して発熱する。またこうした化学蓄熱剤は、蓄熱剤室16からの水の放出に応じて脱水反応を起して吸熱する。
以上のように構成された内燃機関は、電子制御ユニット19により制御されている。電子制御ユニット19は、機関制御に係る各種演算処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、機関制御用のプログラムやデータの記憶された読み込み専用メモリー(ROM)、CPUの演算結果やセンサーの検出結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリー(RAM)を備えている。
こうした電子制御ユニット19には、上記エアフローメーター3、空燃比センサー12、酸素センサー14を始め、機関各部に設けられた各種のセンサーの検出信号が入力されている。また電子制御ユニット19には、スロットルモーター4、点火プラグ9、水注入バルブ17、水放出バルブ18を始め、機関各部に設けられたアクチュエーター類の駆動回路が接続されている。
以上のように構成された内燃機関において、電子制御ユニット19は、機関制御の一環として、触媒の硫黄被毒を解消するための被毒解消制御を行うようにしている。そして電子制御ユニット19は、そうした被毒解消制御の実行に際して、硫黄被毒が進行し、その解消制御が必要であるか否かの判定を行うようにしている。この判定は、図3に示すような、被毒解消要求判定ルーチンを通じて行われる。本ルーチンの処理は、電子制御ユニット19によって、規定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとなっている。なお、本実施の形態では、硫黄被毒の進行度合いを、内燃機関の積算吸入空気量に基づいて判断している。
さて、本ルーチンが開始されると、まずステップS100において、被毒解消要求フラグがオフであるか否かの判定が行われ、ここで同フラグがオンであると(S100:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、被毒解消要求フラグがオフであれば、ステップS101 以下の各処理を通じて、同フラグのオンが必要であるか否かの判定が行われる。
まずステップS101では、機関冷却水温が暖機判定値を超えており、内燃機関の暖機が完了しているか否かの判定が行われる。ここで機関冷却水温が暖機判定値以下であれば(S101:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、機関冷却水温が暖機判定値を超えていれば(S101:YES)、ステップS102において、積算吸入空気量のカウントアップが行われる。このときの積算吸入空気量には、そのときの吸入空気量に応じた値が加算されている。
続くステップS103では、触媒床温が温度T3未満であるか否かが判定される。この温度T3は、リーン空燃比下、リッチ空燃比下の双方において、触媒の硫黄被毒を解除可能な温度域の最低温度となっている。ここで、触媒床温が温度T3以上であれば(S103:NO)、既に硫黄被毒が解消される状態にあるとして、ステップS107にて、積算吸入空気量の値がリセットされた上で今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、触媒床温が温度T3未満であれば、ステップS104において、内燃機関の燃料カットが実行中でないか実行中であるかが判定される。ここで燃料カットの実行中であれば(S105:NO)、既に硫黄被毒が解消される状態にあるとして、ステップS107にて、積算吸入空気量の値がリセットされた上で今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、燃料カットの実行中でなければ(S105:YES)、ステップS105において、積算吸入空気量カウンターの値が判定値αを超えているか否かが判定される。ここで積算吸入空気量カウンターの値が判定値α以下であれば(S106:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、積算吸入空気量カウンターの値が判定値αを超えていれば(S106:YES)、被毒解消制御が必要なまでに触媒の硫黄被毒が進行したとして、ステップS106にて、被毒解消要求フラグがオンとされる。そしてステップS107にて、積算吸入空気量カウンターの値がリセットされた上で今回の本ルーチンの処理が終了される。
次に、硫黄被毒を解消するための被毒解消制御の詳細を説明する。図4は、被毒解消制御ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、機関始動後、電子制御ユニット19によって、規定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとなっている。なお、本実施の形態では、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御を内燃機関の燃料カットを通じて行うようにしている。
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS200において、燃料カット要求フラグがオンであるか否かが判定される。ここで燃料カット要求フラグがオフであれば(S200:NO)、すなわち燃料カットを行うべき機関運転状態になければ、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
燃料カット要求フラグがオンであれば(S200:YES)、ステップS201において、上述の被毒解消要求フラグがオンであるか否かが判定される。ここで被毒解消フラグがオフであれば(S201:NO)、ステップS207にて内燃機関の燃料カットが実行された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、被毒解消フラグがオンであれば(S201:YES)、ステップS202において触媒床温Tが温度T2未満であるか否かが判定される。ここでの温度T2は、触媒貴金属に被毒した硫黄をリーン空燃比下で酸化して放出可能な温度域の最低温度となっている。ここで、触媒床温Tが温度T2以上であれば(S202:YES)、そのまま燃料カットを実行しても、硫黄被毒の解消が可能であるため、ステップS207にて燃料カットが実行される。
一方、触媒床温Tが温度T2未満であれば(S202:NO)、そのままでは、燃料カットを実行しても、硫黄被毒を効果的に解消できないことになる。そこでこのときには、ステップS203において、化学蓄熱剤の発熱が可能な状況にあるか否かが判定され、可能でなければ(S203:NO)、そのまま燃料カットを実行し(S207)、可能であれば、ステップS204以下の処理において、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温Tの昇温が図られる。
すなわち、ステップS204においては、水注入バルブ17が開かれ、蓄熱剤室16への水の注入が開始される。これにより、蓄熱剤室16の化学蓄熱剤は、加水反応を起し、発熱する。そして化学蓄熱剤の加水反応が完了すると(S205)、ステップS206において水注入バルブ17が閉じられる。そしてその後、燃料カットが実行される(S207)。
以上の本実施の形態の内燃機関の排気浄化装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温を行った上で、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための燃料カットによる空燃比リーン化制御を実行している。より詳しくは、触媒貴金属に被毒した硫黄をリーン空燃比下で酸化して放出可能な温度域の最低温度である温度T2に触媒床温が満たないときに、同触媒床温を温度T2以上とすべく、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温を行った上で、燃料カットによる空燃比リーン化制御を実行している。そのため、リーン空燃比下で被毒解除可能な温度域(温度T2以上の温度域)まで触媒床温を十分高めた上で空燃比リーン化制御を行うことが可能となり、より効率的に触媒の硫黄被毒を解消することができる。
(2)本実施の形態では、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御を、内燃機関の燃料カットを通じて行うようにしている。そのため、硫黄の放出をより効果的に行うことができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の内燃機関の排気浄化装置を具体化した第2の実施の形態を、図5を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施の形態にあって、上記実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1の実施の形態では、被毒解消要求があるときには、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温の昇温を行った上で、内燃機関の燃料カットを通じた空燃比リーン化制御を実行するようにしていた。こうした空燃比リーン化制御後の触媒貴金属は、酸化した状態にあり、活性が低下している。そこで本実施の形態では、空燃比リーン化制御後に、酸化した触媒貴金属を還元して触媒の活性を回復するための空燃比リッチ化制御を実行している。ちなみに、空燃比リッチ化制御は、燃料噴射量を増量補正することで実行されている。
なお、先の図1に示したように、触媒床温が温度T1から温度T3までの温度域にあるときに空燃比をリッチ化すると、触媒貴金属に吸着したSOxが硫黄へと還元されてしまい、触媒の硫黄被毒が増進されてしまう結果となる。そこで本実施の形態では、空燃比リッチ化制御に先立って、化学蓄熱剤の吸熱による触媒床温の降温を行って、触媒床温を温度T1未満とするようにしている。
図5は、こうした本実施の形態に採用される被毒解消制御ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、機関始動後、電子制御ユニット19によって、規定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS300において、燃料カット要求フラグがオンであるか否かが判定される。ここで燃料カット要求フラグがオフであれば(S300:NO)、すなわち燃料カットを行うべき機関運転状態になければ、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
燃料カット要求フラグがオンであれば(S300:YES)、ステップS301において、上述の被毒解消要求フラグがオンであるか否かが判定される。ここで被毒解消フラグがオフであれば(S301:NO)、ステップS307に処理が進められ、そのステップS307において燃料カットが実行される。
一方、被毒解消フラグがオンであれば(S301:YES)、ステップS302において触媒床温Tが温度T2未満であるか否かが判定される。ここで、触媒床温Tが温度T2以上であれば(S302:YES)、そのまま燃料カットを実行しても、硫黄被毒の解消が可能であるため、ステップS307にて燃料カットが実行される。
一方、触媒床温Tが温度T2未満であれば(S302:NO)、ステップS303において、化学蓄熱剤の加熱が可能な状況にあるか否かが判定される。ここで加熱が可能でなければ(S303:NO)、そのまま燃料カットが実行され(S207)、可能であれば、ステップS304〜ステップS306の処理において、化学蓄熱剤の発熱による触媒床温Tの床温が図られる。
すなわち、ステップS304においては、水注入バルブ17が開かれ、蓄熱剤室16への水の注入が開始される。これにより、蓄熱剤室16の化学蓄熱剤は、加水反応を起し、発熱する。そして化学蓄熱剤の加水反応が完了すると(S305)、ステップS306において水注入バルブ17が閉じられる。そしてその後、燃料カットが実行される(S307)。
燃料カットが実行されると、ステップS308において、触媒床温が上記温度T1から上記温度T3までの温度域にあるか否かが判定される。触媒床温が上記温度T1以下であれば、そのままの状態で空燃比リッチ化制御を行っても、触媒の活性を効果的に回復できるため、ステップS312において、空燃比リッチ化制御が実行される。また、触媒床温が上記温度T3以上であれば、空燃比をリッチ化した状態でも、被毒した硫黄を放出可能なため、この場合にもそのまま、ステップS312において空燃比リッチ化制御が実行される。
一方、触媒床温が温度T1から温度T3までの温度域にあれば(S308:YES)、そのままの状態で空燃比をリッチ化すれば、触媒貴金属上でSOxの硫黄還元が生じてしまう。そこでこのときには、ステップS309からステップS311の処理を通じて、化学蓄熱剤の吸熱による触媒昇温の降温が行われた上で、ステップS312での空燃比リッチ化制御が実行される。
すなわち、ステップS309では、水放出バルブ18が開かれ、蓄熱剤室16からの水の放出が開始される。これにより、蓄熱剤室16内の化学蓄熱剤は、脱水反応を起し、吸熱する。そして化学蓄熱剤の脱水反応が完了すると(S310)、ステップS311において、水放出バルブ18が閉じられる。そしてその後、空燃比リッチ化制御が実行される(S312)。
本実施の形態の内燃機関の排気浄化装置によれば、上記(1)、(2)の効果に加え、更に以下の効果を奏することができる。
(3)本実施の形態では、化学蓄熱剤の吸熱による前記触媒床温の降温を行った上で、空燃比リーン化制御(燃料カット)後における、酸化した触媒貴金属の還元のための空燃比リッチ化制御を実行している。より詳しくは、触媒担体15に吸着したSOxが、リッチ空燃比下で、触媒貴金属上にて還元されて被毒する温度域の最低温度である温度T1を触媒床温が超えているときに、同触媒床温を温度T1未満とすべく、化学蓄熱剤の吸熱による触媒床温の降温を行った上で、空燃比リッチ化制御を実行している。そのため、触媒の硫黄被毒が増進されない温度域(温度T1以下の温度域)まで触媒床温を降温した上で、空燃比リッチ化制御を行うことができ、硫黄被毒の進行を回避できるようになる。
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、触媒の硫黄被毒の進行度合いを積算吸入空気量に基づいて判断するようにしていたが、他のパラメーターに基づいて進行度合いの判断を行うようにしても良い。例えば内燃機関の運転時間や、同内燃機関の搭載された車両の走行距離などからも、触媒の硫黄被毒の進行度合いを判断することが可能である。
・上記実施の形態では、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御を、内燃機関の燃料カットを通じて行うようにしていたが、燃料噴射量の減量補正などにより空燃比をリーン化することでも、硫黄の酸化及び放出は可能である。
・上記実施の形態では、化学蓄熱剤として、CaO、MgO、BaOといった金属酸化物を使用するようにしていたが、発熱、吸熱を制御可能で、触媒床温の昇降を十分に行える物質であれば、任意の物質を化学蓄熱剤として使用することができる。例えばCa、Mg、Sr、Baといった第2族元素の水酸化物や炭酸化物を化学蓄熱剤として使用することが可能である。また上記実施の形態では、注水、放水により化学蓄熱剤の発熱、吸熱を制御していたが、他の化学蓄熱剤を使用する場合には、使用する化学蓄熱剤の特性に応じた適宜な手段により、発熱、吸熱の制御を行うようにすると良い。
1…吸気通路、2…エアクリーナー、3…エアフローメーター、4…スロットルモーター、5…スロットルバルブ、6…インジェクター、7…吸気バルブ、8…燃焼室、9…点火プラグ、10…排気バルブ、11…排気通路、12…空燃比センサー、13…触媒コンバーター、14…酸素センサー、15…触媒担体、16…蓄熱剤室、17…水注入バルブ、18…水放出バルブ、19…電子制御ユニット。

Claims (5)

  1. 化学蓄熱剤の発熱及び吸熱によって触媒床温の昇降を行う内燃機関の排気浄化装置において、
    前記化学蓄熱剤の発熱による前記触媒床温の昇温を行った上で、触媒貴金属に被毒した硫黄を酸化して放出するための空燃比リーン化制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記触媒床温の昇温は、前記触媒貴金属に被毒した硫黄をリーン空燃比下で酸化して放出可能な温度域の最低温度である温度T2に前記触媒床温が満たないときに、同触媒床温を前記温度T2以上とするために行われる
    請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記化学蓄熱剤の吸熱による前記触媒床温の降温を行った上で、前記空燃比リーン化制御後における、酸化した前記触媒貴金属の還元のための空燃比リッチ化制御を実行する
    請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記触媒床温の降温は、触媒担体に吸着したSOxが、リッチ空燃比下で、前記触媒貴金属上にて還元されて被毒する温度域の最低温度である温度T1を前記触媒床温が超えているときに、同触媒床温を前記温度T1未満とするために行われる
    請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記空燃比リーン化制御は、前記内燃機関の燃料カットを通じて行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013060880A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Toyota Motor Corp 排ガス浄化方法及び排ガス浄化システム
JP2014066164A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Toyota Industries Corp 排気浄化装置
JP2014117632A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Toyota Industries Corp 触媒担持体及び触媒担持体の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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