本発明は、太陽パネルと該太陽パネルを駆動させるアクチュエータユニットとを備える太陽パネルユニットに関する。
従来より、太陽パネルと、該太陽パネルを駆動させるアクチュエータユニットとを備える太陽パネルユニットが知られている。この太陽パネルユニットにおいて、太陽パネルの受光面を太陽光の方向に追尾させるようにアクチュエータユニットを駆動すると、太陽パネルでの受光量が増えるため、太陽パネルによる発電量を増やすことができる。この種の太陽パネルユニットとして、例えば特許文献1には、作動液を充満した密閉容器からなる受熱槽と、該受熱槽内において太陽光の輻射熱を受けて膨張する作動液の圧力によって作動するアクチュエータユニットと、を備えた太陽パネルユニットが開示されている。前記アクチュエータユニットは、一端が太陽パネルに固定されたピストンを有していて、前記作動液の圧力によってピストンが往復運動を行うことにより、太陽パネルが駆動する。
ところで、太陽パネルユニットを駆動させるアクチュエータユニットは、例えば家屋や工場の屋根等に設置される。このアクチュエータユニットの重量が重くなると、屋根に大きな荷重がかかるため、その分、屋根の耐荷重性を向上させる必要が生じる。また、アクチュエータユニットの据え付け作業も困難となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽パネルを駆動させるアクチュエータユニットを軽量化することである。
第1の発明は、太陽パネルユニットを対象とし、少なくとも1つの太陽パネル(92a)と、回転軸(95)を介して前記太陽パネル(92a)を支持する少なくとも1つの支持部(94)と、内圧に応じて伸縮変形する少なくとも1つの空気袋(101,102)を有し、該空気袋(101,102)の伸縮変形に伴い前記太陽パネル(92a)を前記回転軸(95)の軸周り方向に回動させるアクチュエータユニット(100)とを備えることを特徴とする。
第1の発明では、太陽パネル(92a)は、回転軸(95)を介して支持部(94)に支持されている。そして、アクチュエータユニット(100)の空気袋(101,102)が内圧に応じて伸縮変形することにより、太陽パネル(92a)が回転軸(95)の軸周り方向に回動する。
第2の発明は、第1の発明において、前記空気袋(101,102)は、該空気袋(101,102)の内部の空間と該空気袋(101,102)の外部の空間とを連通させるための開口部(101c,102c)と、前記太陽パネル(92a)を背面側から支持する受け部(101b,102b)と、圧縮空気によって伸張変形して前記受け部(101b,102b)を前記太陽パネル(92a)側に向かって変位させる本体部(101a,102a)とを有し、前記アクチュエータユニット(100)は、圧縮空気を前記開口部(101c,102c)を介して前記空気袋(101,102)の内部の空間へ供給する第1動作と、前記空気袋(101,102)内の空気を前記開口部(101c,102c)を介して前記空気袋(101,102)の外部へ排出する第2動作とを切り替えて行う給排気機構(105)を備えることを特徴とする。
第2の発明では、給排気機構(105)が第1動作を行うと、開口部(101c,102c)を介して空気袋(101,102)内に圧縮空気が給気される。すると、空気袋(101,102)の本体部(101a,102a)が伸張変形して、受け部(101b,102b)が太陽パネル(92a)側に向かって変位する。これにより、受け部(101b,102b)が太陽パネル(92a)を背面側から押し上げるため、太陽パネル(92a)は、空気袋(101,102)の伸張方向へ回動する。一方、給排気機構(105)が第2動作を行うと、空気袋(101,102)内の空気が開口部(101c,102c)を介して外部へ排出される。すると、内圧が低くなった空気袋(101,102)に対して太陽パネル(92a)の荷重が下方向へ作用し、空気袋(101,102)は収縮する。その結果、太陽パネル(92a)は、空気袋(101,102)の受け部(101b,102b)の収縮方向へ回動する。
第3の発明は、第2の発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、前記回転軸(95)を挟むように配置される2つの前記空気袋(101,102)を備えることを特徴とする。
第3の発明では、アクチュエータユニット(100)として、回転軸(95)を挟んで配置される2つの空気袋(101,102)が用いられている。こうすると、一方の空気袋(101)によって太陽パネル(92a)を押し上げて該太陽パネル(92a)を所定方向(第1の方向)へ回動できるとともに、他方の空気袋(102)によって太陽パネル(92a)を押し上げて該太陽パネル(92a)を前記第1の方向とは逆向きの第2の方向へ回動できる。これにより、太陽パネル(92a)が正逆の双方向へ確実に回動される。
第4の発明は、第2の発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、1つの前記空気袋(101)と、前記太陽パネル(92a)に対して、前記空気袋(101)の伸張変形時の回動方向と逆方向の付勢力を作用させる弾性部材(99a,99b)と、を備えることを特徴とする。
第4の発明では、アクチュエータユニット(100)として、1つの空気袋(101)と、該空気袋(101)の伸張変形時の回転方向と逆方向の付勢力を太陽パネル(92a)へ作用させる弾性部材(99a,99b)とが用いられている。こうすると、空気袋(101)によって太陽パネル(92a)を押し上げて該太陽パネル(92a)を所定の方向(第1の方向)へ回動できるとともに、弾性部材(99a,99b)によって太陽パネル(92a)を付勢して該太陽パネル(92a)を前記第1の方向とは逆向きの第2の方向へ回動できる。これにより、太陽パネル(92a)が正逆の双方向へ確実に回動される。
第5の発明は、第4の発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、前記弾性部材(99a,99b)により付勢される前記太陽パネル(92a)を所定の回動角度で保持するように該太陽パネル(92a)の回動を規制するロック機構(170)を備えることを特徴とする。
太陽パネル(92a)が風等の外力を受けると回動位置を保持できない場合がある。これに対して、第5の発明では、太陽パネル(92a)にロック機構(170)を設けているため、太陽パネル(92a)が風等の外力を受けても、所望の回動角度で保持される。
第6の発明は、第2から第5のうちいずれか1つの発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、一端が前記太陽パネル(92a)の背面に連結し、他端が前記空気袋(101a,101b)の受け部(101b,102b)に連結するロッド部材(103,104)を備えることを特徴とする。
第6の発明では、太陽パネル(92a)は、ロッド部材(103,104)を介して空気袋(101,102)に支持される。こうすると、太陽パネル(92a)は、空気袋(101,102)が設置された設置面から離れた位置で回動されるため、太陽パネル(92a)が設置面に当たってしまうのを抑制できる。
第7の発明は、第1から第6のうちいずれか1つの発明において、複数の前記太陽パネル(92a,92b)と、回転軸(95)を介して複数の前記太陽パネル(92a,92b)をそれぞれ支持する複数の支持部(94,94,…)と、複数の前記太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応する前記アクチュエータユニット(100)と、複数の前記太陽パネル(92a,92b)が互いに同じ回動角度となるように各太陽パネル(92a,92b)を互いに連結するリンク機構(98)と、を備えることを特徴とする。
第7の発明では、複数の太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応して設けられるアクチュエータユニット(100)によって該太陽パネル(92a)が駆動されると、その他の太陽パネル(92b)も該太陽パネル(92a)と同じ回動角度となるようにリンク機構(98)によって動作させられる。これにより、全ての太陽パネル(92a,92b)が連動して回動する。
上記第1の発明によれば、太陽パネル(92a)を回動させるためのアクチュエータユニット(100)に空気袋(101,102)を用いている。空気袋(101,102)は、空気圧によって伸縮する中空状に形成されるため、空気袋(101,102)を、例えばゴム等の比較的軽い材料で構成することができる。これにより、アクチュエータユニット(100)を軽量化できる。しかも、太陽パネル(92a)は、回転軸(95)を介して支持されるため、太陽パネル(92a)の一部分に空気袋(101,102)の変形に伴う力を作用させるだけで、太陽パネル(92a)を回転軸(95)の軸周りに確実に回動させることができる。しかも、太陽パネル(92a)は支持部(94)によって支持されるため、空気袋(101,102)に作用する荷重は小さくなる。従って、空気袋(101,102)内に作用させる内圧が小さくても、太陽パネル(92a)を回動できる。
また、上記第2の発明によれば、給排気機構(105)の切換に伴い空気袋(101,102)を伸縮変形させることで、太陽パネル(92a)を双方向へ回動できる。
また、上記第3の発明によれば、2つの空気袋(101,102)を回転軸(95)を挟んで配置しているため、太陽パネル(92a)をより確実に双方向へ回動できる。
また、上記第4の発明によれば、1つの空気袋(101)と、該空気袋(101)の伸張方向と逆方向の付勢力を作用させる弾性部材(99a,99b)とを設けているため、、太陽パネル(92a)をより確実に双方向へ回動できる。
また、上記第5の発明によれば、ロック機構(170)により、太陽パネル(92a)に風等の外力が作用しても、該太陽パネル(92a)を所望の回動角度に保持できる。
また、上記第6の発明によれば、太陽パネル(92a)をアクチュエータユニット(100)の設置面から離れた位置で支持できるため、太陽パネル(92a)が回動可能な領域を確保できる。
また、上記第7の発明によれば、1つのアクチュエータユニット(100)で複数の太陽パネル(92a,92b)を同じ回動角度となるように回動できる。これにより、太陽パネルユニットの簡素化を図ることができる。
図1は、実施形態1に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図2は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの概略構成図である。
図3は、実施形態1に係る加圧ユニットの概略構成図であり、図3(A)は水加圧室の容積が拡大した状態の一例であり、図3(B)は水加圧室の容積が縮小した状態の一例である。
図4は、実施形態1に係る太陽パネルユニットの概略図であって、屋根に取り付けられた状態の斜視図である。
図5は、実施形態1に係る太陽パネルユニットの取付ユニットの構造を説明する図である。
図6は、図4におけるVI−VI断面図である。
図7は、図4におけるA方向から視た矢視図であり、太陽パネルが東側を向いた状態の一例である。
図8は、図4におけるA方向から視た矢視図であり、太陽パネルが南側を向いた状態の一例である。
図9は、図4におけるA方向から視た矢視図であり、太陽パネルが西側を向いた状態の一例である。
図10は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの初回の第1動作を、図10(A)、図10(B)、及び図10(C)の順に説明するための概略構成図である。
図11は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの第2動作を、図11(A)、図11(B)、及び図11(C)の順に説明するための概略構成図である。
図12は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの第1動作を、図12(A)、図12(B)、及び図12(C)の順に説明するための概略構成図である。
図13は、実施形態2における図6相当図である。
図14は、実施形態2における図7相当図である。
図15は、実施形態2における図8相当図である。
図16は、実施形態2における図9相当図である。
図17は、実施形態3に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図18は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの概略構成図である。
図19は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの初回の第1動作を、図19(A)、図19(B)、及び図19(C)の順に説明するための概略構成図である。
図20は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの第2動作を、図20(A)、図20(B)、及び図20(C)の順に説明するための概略構成図である。
図21は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの第1動作を、図21(A)、図21(B)、及び図21(C)の順に説明するための概略構成図である。
図22は、実施形態4に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図23は、実施形態4に係るエジェクタ方式の加圧機構の縦断面図である。
図24は、実施形態5に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図25は、実施形態6に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図26は、実施形態7に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図27は、実施形態8に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図28は、実施形態9に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図29は、実施形態10に係る給湯システムの加圧ユニットの概略構成図であり、図29(A)は第1動作中の加圧ユニットを示し、図29(B)は第2動作中の加圧ユニットを示している。
図30は、その他の実施形態に係るアクチュエータユニットの構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。実施形態1に係る給湯システム(S)は、一般家屋等に適用されている。給湯システム(S)は、図1に示すように、温水を所定の利用対象へ供給する給湯ユニット(10)と、太陽光によって発電を行う太陽光発電ユニット(90)を有している。
〈給湯ユニット〉
給湯ユニット(10)は、水道水を利用対象へ供給する給水システムであって、いわゆるヒートポンプ式の給湯器を構成している。給湯ユニット(10)は、水源となる水道管側の水を加熱して温水を生成し、この温水をシャワー(2)や浴槽(図示省略)等の利用対象へ供給する。給湯ユニット(10)は、水を加熱するための熱源となる熱源ユニット(10a)と、水道水が流れる配管内に形成される水流路(20)と、温水を貯留するための貯湯タンク(30)とを有している。
熱源ユニット(10a)は、圧縮機(11)、水熱交換器(12)、膨張弁(13)、及び室外熱交換器(14)を有している。熱源ユニット(10a)では、各構成機器(11,12,13,14)が冷媒配管を介して互いに接続されることで、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成される。冷媒回路(15)には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。冷媒回路(15)では、冷媒が臨界圧力以上まで圧縮される、いわゆる超臨界サイクルが行われる。
圧縮機(11)は、例えばスクロール圧縮機で構成されている。圧縮機(11)は、モータの回転数(運転周波数)が可変なインバータ式である。水熱交換器(12)は、第1内部流路(12a)と、第2内部流路(12b)とを有している。第1内部流路(12a)は、冷媒回路(15)に接続され、第2内部流路(12b)は水流路(20)に接続されている。水熱交換器(12)では、第1内部流路(12a)を流れる冷媒と、第2内部流路(12b)を流れる水とが、熱交換する。膨張弁(13)は、開度が調整可能な電子膨張弁で構成されている。
室外熱交換器(14)は、室外に設置されている。室外熱交換器(14)は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器である。室外熱交換器(14)の近傍には、室外ファン(16)が設けられている。室外熱交換器(14)では、室外ファン(16)が送風する室外空気と、冷媒とが熱交換する。
貯湯タンク(30)は、縦長の中空状の密閉容器で構成されている。貯湯タンク(30)は、円筒形の胴部(30a)と、この胴部(30a)の上端を閉塞する頂部(30b)と、胴部(30a)の下端を閉塞する底部(30c)とを有している。
水流路(20)は、流入端が水道管側に接続され、流出端がシャワー(2)等の利用対象と接続されている。なお、水流路(20)の流出端は、複数の分岐しており、図示しない浴槽等にも接続している。水流路(20)は、給水路(21)、加熱循環流路(22)、及び供給路(23)を有している。
給水路(21)は、上水道管側の水道水を貯湯タンク(30)へ供給するための流路である。給水路(21)は、流入端が上水道管と繋がり、流出端が貯湯タンク(30)の内部と繋がっている。給水路(21)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して、貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。給水路(21)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、止水弁(31)、空気圧縮ユニット(50)、減圧弁(32)、第1逆止弁(CV1)が接続されている。
止水弁(31)は、水の流通を禁止可能な開閉弁である。空気圧縮ユニット(50)は、水道水の圧力を利用して空気を圧縮するものである。空気圧縮ユニット(50)の詳細な構造は後述する。減圧弁(32)は、水道水の圧力を低減させる減圧機構を構成している。これにより、水流路(20)では、減圧弁(32)の上流側の圧力(例えば0.5MPa)よりも、減圧弁(32)の下流側の圧力(例えば0.17MPa)が低くなり、貯湯タンク(30)の耐圧が確保されている。即ち、減圧弁(32)は、貯湯タンク(30)の内圧が所定の耐圧制限値を越えないように、貯湯タンク(30)側の水道水の圧力を低減している。第1逆止弁(CV1)は、減圧弁(32)側から貯湯タンク(30)側へ向かう方向(図1の矢印で示す方向)の水の流れを許容し、その逆方向の水の流れを禁止する。
空気圧縮ユニット(50)は、図2に示すように、水流路切換部(51)、空気流路切換部(52)、弁制御部(59)、及び空気圧縮機(60)を有している。
水流路切換部(51)は、第1から第4までのポートを有する四方切換弁で構成されている。水流路切換部(51)では、第1ポートが空気圧縮機(60)の第1水ポート(53)と接続し、第2ポートが空気圧縮機(60)の第2水ポート(54)と接続し、第3ポートが止水弁(31)を介して上水道管と接続し、第4ポートが給水路(21)と接続している。水流路切換部(51)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に、第2ポートと第4ポートとを連通させる第1状態(図2の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとを連通させると同時に、第2ポートと第3ポートとを連通させる第2状態(図2の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
空気流路切換部(52)は、第1から第3までのポートを有する三方切換弁で構成されている。空気流路切換部(52)では、第1ポートが空気圧縮機(60)の第1吐出ポート(55)と接続し、第2ポートが空気圧縮機(60)の第2吐出ポート(56)と接続し、第3ポートが空気流路(40)と接続している。空気流路切換部(52)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に第2ポートを遮断する第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2ポートと第3ポートとを連通させると同時に第1ポートを遮断する第2状態(図2の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
弁制御部(59)は、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)を制御するものである。具体的に、弁制御部(59)は、空気圧縮機(60)で第1動作と第2動作とを切り換えて行うように、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)を制御する。より詳細には、弁制御部(59)は、第1動作において、水流路切換部(51)を第1状態とし且つ空気流路切換部(52)を第1状態とする。また、弁制御部(59)は、第2動作において、水流路切換部(51)を第2状態とし且つ空気流路切換部(52)を第2状態とする。これらの第1動作と第2動作との詳細は後述する。
実施形態1の空気圧縮機(60)は、筒状の1つのシリンダ部材(61)と、このシリンダ部材(61)の内部に進退自在に収容される1つのピストン部材(63)を有している。シリンダ部材(61)は、中空円筒状に形成されている。シリンダ部材(61)は、筒状胴部(61a)と、筒状胴部(61a)の軸方向の一端を閉塞する第1閉塞部(61b)と、筒状胴部(61a)の軸方向の他端を閉塞する第2閉塞部(61c)とを有している。
シリンダ部材(61)の内部には、軸方向の中間部位に仕切部(62)が設けられている。この仕切部(62)により、シリンダ部材(61)の内部は、第1閉塞部(61b)側寄りの第1シリンダ室(C1)と、第2閉塞部(61c)側寄りの第2シリンダ室(C2)とに仕切られている。
ピストン部材(63)は、第1シリンダ室(C1)に収容される第1ピストン部(64)と、第2シリンダ室(C2)に収容される第2ピストン部(65)と、両者のピストン部(64,65)を連結する1本のピストンロッド(66)とを有している。第1ピストン部(64)及び第2ピストン部(65)は、互いに同じ外径となる円板状に形成されている。ピストンロッド(66)は、仕切部(62)に形成された貫通口(62a)を貫通して両者のピストン部(64,65)を連結している。ピストンロッド(66)は、各ピストン部(64,65)よりも小径に形成され、シリンダ部材(61)の軸心と同軸となって軸方向に延びている。
第1ピストン部(64)は、第1シリンダ室(C1)を第1受水室(W1)と第1空気室(A1)とに区画している。第1受水室(W1)は、第1閉塞部(61b)と第1ピストン部(64)との間に形成されている。第1空気室(A1)は、第1ピストン部(64)と仕切部(62)との間に形成されている。つまり、第1シリンダ室(C1)では、第1空気室(A1)が第1受水室(W1)よりも仕切部(62)寄りに位置している。
第2ピストン部(65)は、第2シリンダ室(C2)を第2受水室(W2)と第2空気室(A2)とに区画している。第2受水室(W2)は、第2閉塞部(61c)と第2ピストン部(65)との間に形成されている。第2空気室(A2)は、第2ピストン部(65)と仕切部(62)との間に形成されている。つまり、第2シリンダ室(C2)では、第2空気室(A2)が第2受水室(W2)よりも仕切部(62)寄りに位置している。
第1受水室(W1)には、第1水ポート(53)が接続している。第1空気室(A1)には、第1吐出ポート(55)と第1吸入ポート(57)とが接続している。第2受水室(W2)には、第2水ポート(54)が接続している。第2空気室(A2)には、第2吐出ポート(56)と第2吸入ポート(58)とが接続している。第1吸入ポート(57)と第2吸入ポート(58)の各流入端は、室内や室外等の空気中(大気中)に開口している。
各吸入ポート(57,58)の内部には、弁座部(57a,58a)、ボール弁(57b,58b)、及びバネ部(57c,58c)がそれぞれ設けられている。ボール弁(57b,57b)は、弁座部(57a,58a)よりも流入側に配置され、バネ部(57c,58c)によって弁座部(57a,58a)側に付勢されている。弁座部(57a,58a)、ボール弁(57b,58b)、及びバネ部(57c,58c)は、各空気室(A1,A2)内の空気が各吸入ポート(57,58)を通じてシリンダ部材(61)の外部へ流出するのを禁止する逆止弁を構成している。
各吐出ポート(55,56)の内部には、弁座部(55a,56a)、ボール弁(55b,56b)、及びバネ部(55c,56c)がそれぞれ設けられている。ボール弁(55b,56b)は、弁座部(55a,55a)よりも流出側に配置され、バネ部(57c,58c)によって弁座部(57a,58a)側に付勢されている。弁座部(55a,56a)、ボール弁(55b,56b)、及びバネ部(55c,56c)は、空気室(A1,A2)の内圧が所定圧力以上となると、吐出ポート(55,56)を開放する吐出弁を構成している。
各ピストン部(64,65)では、各受水室(W1,W2)側に臨む受圧面Sw1,Sw2の面積が、空気室(A1,A2)に臨む増圧面Sa1,Sa2の面積よりも大きくなっている。具体的に、第1ピストン部(64)には、第1空気室(A1)側の端面にピストンロッド(66)が設けられている。このため、第1ピストン部(64)では、第1受水室(W1)側に面する部位の面積(即ち、受圧面Sw1の面積)が、第1空気室(A1)側に面する部位の面積(即ち、増圧面Sa1の面積)よりも、ピストンロッド(66)の軸直角断面の面積の分だけ小さくなっている。同様に、第2ピストン部(65)では、第2空気室(A2)側の端面にピストンロッド(66)が設けられている。このため、第2ピストン部(65)では、第2受水室(W2)側に面する部位の面積(即ち、受圧面Sw2の面積)が、第2空気室(A2)側に面する部位の面積(即ち、増圧面Sa2の面積)よりも、ピストンロッド(66)の軸直角断面の面積の分だけ小さくなっている。
加熱循環流路(22)は、貯湯タンク(30)内の水を循環させながら、この水を加熱するための流路である。加熱循環流路(22)の流入側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。加熱循環流路(22)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の頂部(30b)を貫通して貯湯タンク(30)内の頂部(30b)の近傍に開口している。貯湯タンク(30)の内部では、加熱循環流路(22)の流入端が、該加熱循環流路(22)の流出端よりも低い位置となっている。
加熱循環流路(22)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、排水用三方弁(33)、第1循環ポンプ(34)、及び三方切換弁(35)が接続されている。また、加熱循環流路(22)には、第1循環ポンプ(34)と三方切換弁(35)の間に、上述した水熱交換器(12)の第2内部流路(12b)が接続されている。
排水用三方弁(33)は、3つのポートを有し、これらのうちの2つのポートが加熱循環流路(22)と繋がり、残りのポートが排水路(24)と接続している。排水路(24)は、下水道管に繋がっている。排水用三方弁(33)は、通常は加熱循環流路(22)を開放する状態に保持される。第1循環ポンプ(34)は、例えば遠心式あるいは容積式の水ポンプである。
三方切換弁(35)は、第1ポートから第3までのポートを有している。三方切換弁(35)では、第1ポートが加熱循環流路(22)の上流側と繋がり、第2ポートが加熱循環流路(22)の下流側と繋がり、第3ポートがバイパス路(25)と繋がっている。三方切換弁(35)は、第1ポートと第2ポートとを連通させて第3ポートを遮断する状態(図1の実線で示す状態)と、第2ポートと第3ポートとを連通させて第1ポートを遮断する状態(図1の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。バイパス路(25)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して、貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。
供給路(23)は、貯湯タンク(30)内の温水をシャワー(2)等の利用対象へ供給するための流路である。供給路(23)の流入端は、貯湯タンク(30)の内部と連通している。貯湯タンク(30)の流出端は加圧ユニット(70)を介してシャワー(2)と連通している。なお、図示は省略するが、供給路(23)の流出端は、複数の分岐してシャワー(2)以外の他の利用対象(例えば浴槽)にも接続されている。
供給路(23)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、第2逆止弁(CV2)及び給湯混合弁(36)が接続されている。第2逆止弁(CV2)は、貯湯タンク(30)側から給湯混合弁(36)へ向かう方向(図1の矢印で示す方向)の水の流れを許容し、その逆方向の水の流れを禁止する。
給湯混合弁(36)は、3つのポートを有し、そのうちの2つのポートが供給路(23)と繋がり、残りのポートが分岐路(26)の一端と繋がっている。分岐路(26)の他端は、給水路(21)における減圧弁(32)の下流側と繋がっている。分岐路(26)には、第3逆止弁(CV3)が設けられている。第3逆止弁(CV-3)は、給水路(21)側から給湯混合弁(36)側へ向かう方向(図1の矢印で示す方向)の水の流れを許容し、その逆方向の水の流れを禁止する。給湯混合弁(36)は、各ポートの開度をそれぞれ調整可能に構成されている。これにより、給湯混合弁(36)は、給水路(21)側から送られる水と、貯湯タンク(30)側から送られる水の混合量(混合比)を調整できる。この混合比を調整することで、供給路(23)からシャワー(2)へ供給される水の温度を調節できる。
供給路(23)には、第2逆止弁(CV2)の上流側に逃がし流路(27)の一端が繋がっている。逃がし流路(27)の他端は、下水道と繋がっている。逃がし流路(27)には、リリーフ弁(37)が接続されている。リリーフ弁(37)は、貯湯タンク(30)内の圧力を所定値以下に抑えるものである。即ち、貯湯タンク(30)では、水の蒸発に起因して内圧が過剰に高くなることがある。このようにして貯湯タンク(30)の内圧が所定の圧力(例えば0.19MPa)を越えると、リリーフ弁(37)が一時的に開放される。その結果、貯湯タンク(30)内の水蒸気が下水道側へ排出され、貯湯タンク(30)の内圧が所定の圧力以下に抑えられる。
水流路(20)は、冷却循環流路(28)を更に有している。冷却循環流路(28)は、貯湯タンク(30)の水を循環させながら、パワーコンディショナ(115)の発熱部品(詳細は後述する)を冷却するための流路である。冷却循環流路(28)の流入側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。冷却循環流路(28)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の頂部(30b)を貫通して貯湯タンク(30)の内部まで延びている。貯湯タンク(30)の流出端は、貯湯タンク(30)の軸方向(高さ方向)の中間部に位置している。貯湯タンク(30)の内部では、冷却循環流路(28)の流入端が、該冷却循環流路(28)の流出端よりも低い位置となっている。また、貯湯タンク(30)の内部では、冷却循環流路(28)の流入端が、加熱循環流路(22)の流出端よりも低い位置となっている。
冷却循環流路(28)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、第2循環ポンプ(38)及びウォータージャケット(39)が接続されている。第2循環ポンプ(38)は、例えば遠心式あるいは容積式の水ポンプである。
ウォータージャケット(39)は、冷却循環流路(28)を流れる水によってパワーコンディショナ(115)の発熱部品を冷却する冷却部を構成している。ウォータージャケット(39)は、伝熱部材となるジャケット部(39a)と、該ジャケット部(39a)内に形成される冷却水路(39b)とを有している。ジャケット部(39a)は、例えば扁平な矩形柱状に形成され、アルミニウム等の伝熱性の高い材料で構成されている。ジャケット部(39a)の厚さ方向の一端面には、パワーコンディショナ(115)の発電部品の放熱部(115a)が接触する。冷却水路(39b)は、冷却循環流路(28)に接続されている。
給湯ユニット(10)は、空気流路(40)、蓄圧タンク(41)、三方切換機構(42)、及び加圧ユニット(70)を備えている。空気流路(40)は、空気圧縮ユニット(50)で圧縮した空気が流れる流路である。空気流路(40)は、主給気路(43)、第1給気路(44)、及び第2給気路(45)を有している。主給気路(43)の流入端は、空気圧縮ユニット(50)の吐出側と連通している。主給気路(43)の流出端は、三方切換機構(42)の第1ポートに接続している。第1給気路(44)の流入端は、三方切換機構(42)の第2ポートに接続している。第1給気路(44)の流出端は、加圧ユニット(70)に接続している。第2給気路(45)の流入端は、三方切換機構(42)の第3ポートに接続している。第2給気路(45)の流出端は、太陽光発電ユニット(90)の空気袋(101,102)側と連通している。
蓄圧タンク(41)は、主給気路(43)に接続されている。蓄圧タンク(41)は、中空密閉式の容器である。蓄圧タンク(41)には、空気圧縮ユニット(50)で圧縮された空気が貯められる。蓄圧タンク(41)には、空気逃がし流路(46)の一端が接続されている。空気逃がし流路(46)の他端は、大気に開口している。空気逃がし流路(46)には、蓄圧タンク(41)の圧力を所定の圧力に維持するように開閉する空気逃がし弁(47)が設けられている。
三方切換機構(42)は、第1ポートから第3までのポートを有し、空気流路(40)の空気流れを切り換えるものである。三方切換機構(42)は、第1ポートと第2ポートとを連通させて第3ポートを遮断する状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとを連通させて第2ポートを遮断する状態(図1の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
加圧ユニット(70)は、圧縮空気を駆動源として、シャワー(2)の吐出水を加圧するものである。加圧ユニット(70)は、ダイヤフラム式の加圧機構で構成されている。加圧ユニット(70)は、図3(A)及び図3(B)に示すように、中空の箱状のケーシング(71)を有している。ケーシング(71)は、筒状のケース本体部(71a)と、該ケース本体部(71a)の一端側を閉塞する第1壁部(71b)と、該ケース本体部(71a)の他端側を閉塞する第2壁部(71c)とを有している。
第1壁部(71b)には、吸入水ポート(72)と吐出水ポート(73)とが接続されている。吸入水ポート(72)の流入端は、給湯ユニット(10)の供給路(23)と接続している。吸入水ポート(72)の流出端は、第1壁部(71b)を貫通して該ケーシング(71)の内部に臨んでいる。吐出水ポート(73)の流入端は、第1壁部(71b)を貫通して該ケーシング(71)の内部に臨んでいる。吐出水ポート(73)の流出端は、シャワー(2)の流入端と接続している。
第2壁部(71c)には、空気吸入ポート(74)が接続されている。空気吸入ポート(74)の流入端は、第1給気路(44)と接続している。空気吸入ポート(74)の流出端は、第1壁部(71b)を貫通してケーシング(71)の内部に臨んでいる。
加圧ユニット(70)は、ダイヤフラム部(75)と、このダイヤフラム部(75)を駆動するダイヤフラム駆動機構(80)とを備えている。ダイヤフラム部(75)は、ケーシング(71)の内部における第1壁部(71b)寄りに配置されている。ダイヤフラム部(75)は、中央部が外周部と比較して柔軟に形成される略椀形状に形成されている。ダイヤフラム部(75)の外周縁部は、ケース本体部(71a)の内周壁に固定されている。これにより、ケーシング(71)の内部の空間は、水加圧室(76)と空気導入室(77)とに区画される。水加圧室(76)は、ダイヤフラム部(75)と第1壁部(71b)との間に形成され、吸入水ポート(72)及び吐出水ポート(73)と連通している。空気導入室(77)は、ダイヤフラム部(75)と第2壁部(71c)との間に形成され、空気吸入ポート(74)と連通している。なお、ケーシング(71)には、空気導入室(77)に流入した圧縮空気をケーシング(71)の外部に排出するための排出口(図示省略)が形成されている。
ダイヤフラム駆動機構(80)は、空気導入室(77)に収容されている。ダイヤフラム駆動機構(80)は、羽根車(81)、出力軸(82)、直動変換機構(83)、従動ロッド部(84)、及び固定部材(85)を有している。羽根車(81)は、空気吸入ポート(74)の流出端の近傍に配置されている。羽根車(81)は、空気吸入ポート(74)から吐出される圧縮空気によって回転駆動される。出力軸(82)は、羽根車(81)の軸心に連結している。出力軸(82)は、軸受部(図示省略)に回転自在に支持されている。直動変換機構(83)は、出力軸(82)の回転運動を従動ロッド部(84)の直線的な往復運動に変換するものである。直動変換機構(83)は、例えばスコッチ・ヨーク機構等、種々の変換機構を採用することができる。従動ロッド部(84)は、出力軸(82)によって駆動されて、ケース本体部(71a)の軸方向に進退する。固定部材(85)は、一端側の面に従動ロッド部(84)の先端部が固定されている。固定部材(85)の他端の面には、ダイヤフラム部(75)の中央部が固定されている。これにより、従動ロッド部(84)が往復運動を行うと、固定部材(85)と共にダイヤフラム部(75)の中央部が変位する。その結果、ダイヤフラム部(75)の形状が図3(A)、図3(B)のように変形し、水加圧室(76)の容積が変化する。その結果、水加圧室(76)の水が所定の圧力に加圧される。
吸入水ポート(72)の内部には、弁座部(72a)、ボール弁(72b)、及びバネ部(72c)が設けられている。ボール弁(72b)は、弁座部(72a)よりも流出側に配置され、バネ部(72c)によって弁座部(72a)側に付勢されている。弁座部(72a)、ボール弁(72b)、及びバネ部(72c)は、シャワー(2)側から供給路(23)側への水の流出を禁止する逆止弁として機能する。
吐出水ポート(73)の内部には、弁座部(73a)、ボール弁(73b)、及びバネ部(73c)が設けられている。ボール弁(73b)は、弁座部(73a)よりも流入側に配置され、バネ部(73c)によって弁座部(73a)側に付勢されている。弁座部(73a)、ボール弁(73b)、及びバネ部(73c)は、水加圧室(76)の内圧が所定圧力以上となると吐出水ポート(73)を開放する吐出弁を構成している。
〈太陽光発電ユニット〉
太陽光発電ユニット(90)は、太陽光により直流電力を発生させる太陽パネルユニット(91)と、太陽パネルユニット(91)を屋根(R)等に取り付けるための取付ユニット(160)と、太陽パネルユニット(91)で発電した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ(115)とを備えている。
太陽パネルユニット(91)は、複数の太陽パネル(92a,92b)と、太陽パネル駆動機構(93)とを備えている。
複数の太陽パネル(92a,92b)は、図4に示すように、一般家屋等の屋根(R)に整列されて設置されている。各太陽パネル(92a,92b)は略板状に形成され、その上側に太陽光の受光面(92c)を形成している。太陽パネル(92a,92b)は、太陽光を受光面(92c)に受けることによって、直流電力を発生する。
太陽パネル駆動機構(93)は、複数の太陽パネル(92a,92b)を太陽光に向かうように駆動させるためのものである。太陽パネル駆動機構(93)は、複数の柱部(94,94,…)を備えている。これらの柱部(94)は、取付ユニット(160)によって屋根(R)に対して固定され、複数の太陽パネル(92a,92b)を回転自在に支持している。この太陽パネル駆動機構(93)の構成については、詳しくは後述する。
取付ユニット(160)は、太陽パネル(92a,92b)及び太陽パネル駆動機構(93)を、屋根(R)に取り付けるためのものである。具体的には、取付ユニット(160)は、図4及び図5に示すように、複数のラック部材(161,161,…)と、複数の金具部材(162,162,…)とを備えている。
ラック部材(161)は、複数の太陽パネル(92a,92b)を屋根(R)上に整列して配列させるためのものである。ラック部材(161)は、アルミニウム等の比較的軽い金属材料等により直線状に延びるように形成され、屋根(R)の傾斜に沿って概ね南北方向に延びるように配置されている。各ラック部材(161)は、等間隔をおいて互いに平行になるように配置されている。各ラック部材(161)には、ねじ(170)を挿通させるための貫通穴(161a)が、所定の間隔をおいて上下方向に貫通している。
金具部材(162)は、前記ラック部材(161)を屋根(R)に取り付けるための取付部材を構成している。金具部材(162)は、平板状に形成される取付部(163)と、該取付部(163)の一端から該取付部(163)と略直角方向に延びる支持部(164)とが一体化されて形成されている。前記支持部(164)の先端は、前記取付部(163)とは反対側に折曲されている。取付部(163)の先端には、ねじ(171)を挿通させるための貫通穴(163a)が形成されている。また、支持部(164)の先端にも、ねじ(170)を挿通させるための貫通穴(164a)が形成されている。金具部材(162)の取付部(163)は、支持部(164)が上方を向くように、屋根(R)と瓦(T)との間の空間に配置された状態で、屋根(R)に固定された台座部(165)にねじ(171)により締結されている。
図1に示すパワーコンディショナ(115)は、太陽パネル(92a,92b)で発電した直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を所定の電力供給対象へ送るものである。パワーコンディショナ(115)は、インバータ回路、フィルタ回路、昇圧回路等を有し、これらの回路に含まれる複数のパワー素子(スイッチング素子等)やリアクタンス等が発熱部品を構成している。パワーコンディショナ(115)には、発熱部品の熱を放出するための放熱部(115a)が設けられている。この放熱部(115a)は、上述したウォータージャケット(39)に接触して配置されている。
〈太陽パネル駆動機構の構成〉
太陽パネル駆動機構(93)は、上述のように、複数の太陽パネル(92a,92b)を太陽光に向かうように駆動させるためのものである。太陽パネル駆動機構(93)は、図4から図7に示すように、前記複数の柱部(94,94,…)と、複数の回転軸(95,95,…)と、複数の取付板(96,96,…,97,97,…)と、アクチュエータユニット(100)とを備えている。各太陽パネル(92a,92b)には、該太陽パネル(92a,92b)を支持する一対の柱部(94)と、該柱部(94)に回転自在に支持される回転軸(95)と、各太陽パネル(92a,92b)に連結する4枚の取付板(96,97)とが対応している。
各柱部(94)は、上下に縦長の矩形柱状に形成されている。柱部(94)は、回転軸(95)を介して太陽パネル(92a,92b)を支持する支持部を構成している。各柱部(94)の下端部には、ねじ(170)を締結するためのねじ穴(94b)が軸方向に延びるように形成されている。一対の柱部(94,94)は、所定の間隔をおいて屋根(R)に立設している。具体的には、一対の柱部(94,94)は、該一対の柱部(94,94)のねじ穴(94b,94b)が、取付ユニット(160)のラック部材(161)の貫通穴(161a)及び金具部材(162)の貫通穴(163a)と重なった状態で、ねじ(170)によって締結されている。これにより、一対の柱部(94,94)を、屋根(R)上においてずれることなく所定の位置に設置することができる。しかも、柱部(94)は、ラック部材(161)のうち背面が金具部材(162)によって支持される部分に設置されているため、ラック部材(161)が柱部(94)の荷重によって変形してしまうのを抑制できる。その結果、ラック部材(161)を比較的軽量な材料で構成できるため、屋根(R)にかかる荷重を軽減することができる。
柱部(94)の上端部には、回転軸(95)を回転自在に支持する軸受部(94a)が形成されている。回転軸(95)は、柱部(94)に跨るように屋根(R)と平行に延びている。
4枚の取付板(96,97)は、各太陽パネル(92a,92b)の下端部に固定されている。具体的には、一対の柱部(94)の外側には一対の外側取付板(96)が設けられている。これらの外側取付板は、下側(図6における左側)に位置する第1外側取付板(96a)と、上側(図6における右側)に位置する第2外側取付板(96b)とで構成されている。また、一対の柱部(94)の内側には一対の内側取付板(97)が設けられている。これらの内側取付板(97)は、下側寄りに位置する第1内側取付板(97a)と、上側寄りに位置する第2内側取付板(97b)とで構成されている。
第1外側取付板(96a)には、回転軸(95)の軸方向に突出する突出部(96c)が形成されている。この突出部(96c)は、各太陽パネル(92a,92b)の側端よりも外方へ位置するように形成されている。突出部(96c)は、回転軸(95)の軸方向から視て、該回転軸(95)からずれた位置に形成されている。
アクチュエータユニット(100)は、一対の空気袋(101,102)と、該空気袋(101,102)に連結する一対のロッド部材(103,104)とを有している。アクチュエータユニット(100)は、複数の太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応して設けられている。具体的には、アクチュエータユニット(100)は、実施形態1では、東西方向(図4における左右方向)に配列される3つの太陽パネル(92a,92b)のうちの中央に配置される太陽パネル(92a)の背面側に取り付けられている。なお、以下において、太陽パネルのうちアクチュエータユニット(100)が取り付けられている太陽パネルを駆動側太陽パネル(92a)、アクチュエータユニット(100)が取り付けられていない太陽パネル(図4における両側の太陽パネル)を被駆動側太陽パネル(92b)と呼ぶ場合もある。
一対の空気袋(101,102)は、屋根(R)に敷設される台座部(113)の上側に設置される。一対の空気袋(101,102)は、第1内側取付板(97a)の下方に配置される第1空気袋(101)と、第2内側取付板(97b)の下方に配置される第2空気袋(102)とで構成されている。また、両者の空気袋(101,102)は、柱部(94)に支持される回転軸(95)を挟むように配置されている。本実施形態では、第1空気袋(101)が第2空気袋(102)よりも西側寄りに配置されている。一対の空気袋(101,102)は、可撓性を有し且つ比較的軽いゴム等の材料で構成され、比較的膜厚の薄い中空状に形成されている。
各空気袋(101,102)は、その内圧の変化によって伸縮変形する本体部(101a,102a)と、該本体部(101a,102a)の伸縮変形に伴い駆動側太陽パネル(92a)と垂直な方向に変位する受け部(101b,102b)とを有している。つまり、受け部(101b,102b)は、本体部(101a,102a)が伸張することで駆動側太陽パネル(92a)側に変位し、本体部(101a,102a)が収縮することで屋根(R)側に変位する。また、各空気袋(101,102)には、それぞれ給排気口(101c,102c)が設けられている。これらの給排気口(101c,102c)は、各空気袋(101,102)の内部の空間と各空気袋(101,102)の外部の空間とを連通させるための開口部を構成している。
一対のロッド部(103,104)は、第1空気袋(101)と第1内側取付板(97a)とを連結する第1ロッド部(103)と、第2空気袋(102)と第2内側取付板(97b)とを連結する第2ロッド部(104)とで構成されている。具体的に、第1ロッド部(103)は、長手方向の一端が第1空気袋(101)の受け部(101b)の上端部に軸部(103a)を介して連結し、長手方向の他端が第1内側取付板(97a)に軸部(103b)を介して連結している。同様に、第2ロッド部(104)は、長手方向の一端が第2空気袋(102)の受け部(102b)の上端部に軸部(104a)を介して連結し、長手方向の他端が第2内側取付板(97b)に軸部(104b)を介して連結している。各ロッド部(103,104)は、対応する空気袋(101,102)及び対応する内側取付板(97a,97b)に対して回動自在に連結されている。このような構成により、駆動側太陽パネル(92a)の自重が各ロッド部(103,104)を介して各空気袋(101,102)に作用する。つまり、各空気袋(101,102)の各受け部(101b,102b)は、駆動側太陽パネル(92a)を背面側から支持している。上述のように各ロッド部(103,104)を介して駆動側太陽パネル(92a)を支持することにより、駆動側太陽パネル(92a)を屋根(R)から離した位置で回動できるため、太陽パネル(92a,92b)が回動できる領域が確保される。
太陽パネル駆動機構(93)は、図7に示すように、リンク部材(98)を備えている。リンク部材(98)は、複数の太陽パネル(92a,92b)が互いに同じ回動角度となるように各太陽パネル(92a,92b)を互いに連結するリンク機構を構成している。
リンク部材(98)は、東西方向に配列される3枚の太陽パネル(92a,92b)の側端同士を連結するように、直線状に延びるように形成されている。リンク部材(98)には、各太陽パネル(92a,92b)に取り付けられた第1外側取付板(96a)の突出部(96c)に対応する位置に軸受穴(98a)が形成され、各軸受穴(98a)に対応する各突出部(96c)が挿通される。各軸受穴(98a)の内径は、各突出部(96c)に対して回転自在な大きさに形成されている。
太陽パネル駆動機構(93)は、各空気袋(101,102)の内圧を変化させるための給排気機構(105)を備えている。給排気機構(105)は、第1空気袋側流路(106)と、第2空気袋側流路(107)とを有している。
第1空気袋側流路(106)は、第1中継流路(106a)、第1給排気流路(106b)、及び第1排出路(106c)を有している。また、第1空気袋側流路(106)には、第1から第3のポートを有する第1給排気切換弁(108)が設けられている。同様に、第2空気袋側流路(107)は、第2中継流路(107a)、第2給排気流路(107b)、及び第2排出路(107c)を有している。また、第2空気袋側流路(107)には、第1から第3のポートを有する第2給排気切換弁(109)が設けられている。
第1中継流路(106a)の流入端は、給湯ユニット(10)の第2給気路(45)と接続している。第1中継流路(106a)の流出端は、第1給排気切換弁(108)の第1ポートと接続している。第1給排気流路(106b)の一端は、第1給排気切換弁(108)の第2ポートと接続している。第1給排気流路(106b)の他端は、第1空気袋(101)の給排気口(101c)と接続している。第1排出路(106c)の流入端は、第1給排気切換弁(108)の第3ポートと接続している。第1排出路(106c)の流出端は、外気側(大気圧側)に開口している。
第2中継流路(107a)の流入端は、給湯ユニット(10)の第2給気路(45)と接続している。第2中継流路(107a)の流出端は、第2給排気切換弁(109)の第1ポートと接続している。第2給排気流路(107b)の一端は、第2給排気切換弁(109)の第2ポートと接続している。第2給排気流路(107b)の他端は、第2空気袋(102)の給排気口(102c)と接続している。第2排出路(107c)の流入端は、第2給排気切換弁(109)の第3ポートと接続している。第2排出路(107c)の流出端は、外気側(大気圧側)に開口している。
給排気機構(105)は、第1動作と第2動作とを切り替えて行うように構成されている。具体的には、給排気機構(105)が第1動作と行うと、2つの給排気切換弁(108,109)が、第1ポートと第2ポートとを連通させて第3ポートを遮断する第1状態(図6の実線で示す状態)となる。一方、給排気機構(105)が第2動作を行うと、2つの給排気切換弁(108,109)が、第2ポートと第3ポートとを連通させて第1ポートを遮断する第2状態(図6の破線で示す状態)となる。
太陽パネル駆動機構(93)は、角度センサ(110)と日射センサ(111)と太陽パネル制御部(112)とを有している。角度センサ(110)は、回転軸(95)の端部に取り付けられている。角度センサ(110)は、太陽パネル(92a)の角度位置を検出する検出部である。日射センサ(111)は、太陽の方位を検出する検出部である。太陽パネル制御部(112)は、角度センサ(110)及び日射センサ(111)の検出値に基づいて、太陽パネル(92a)の角度を調整するものである。具体的に、太陽パネル制御部(112)は、これらの検出値に応じて第1、第2給排気切換弁(108,109)を切り換えるように構成されている。
−運転動作−
〈基本動作〉
給湯システム(S)の運転時には、上水道水が貯湯タンク(30)に適宜供給され、この貯湯タンク(30)内の水が適宜加熱される。また、貯湯タンク(30)で生成された温水が、シャワー(2)等の利用対象へ適宜供給される。このような、給湯システム(S)の基本動作について図1を参照しながら説明する。
給湯システム(S)の運転時には、上水道管の水が給水路(21)を介して貯湯タンク(30)へ適宜供給される。具体的に、上水道管の水は、空気圧縮ユニット(50)を通過する。この際、空気圧縮ユニット(50)では、水道水の水圧によって空気が圧縮され、この空気が蓄圧タンク(41)に貯留される(詳細は後述する)。空気圧縮ユニット(50)を通過した水は、減圧弁(32)で減圧される。減圧された水は、貯湯タンク(30)の内部に流入する。このように減圧弁(32)で水を減圧することで、貯湯タンク(30)内の圧力も低くなる。よって、貯湯タンク(30)の耐圧を十分に確保できる。
貯湯タンク(30)内の水は、熱源ユニット(10a)によって適宜加熱される。具体的に、貯湯タンク(30)の水を加熱する加熱動作時には、圧縮機(11)、及び室外ファン(16)が運転され、膨張弁(13)の開度が適宜調節される。これにより、冷媒回路(15)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、この冷凍サイクルでは、圧縮機(11)で圧縮された冷媒が、水熱交換器(12)の第1内部流路(12a)で放熱する。放熱した冷媒は、膨張弁(13)で減圧されて室外熱交換器(14)で蒸発し、圧縮機(11)に吸入される。
加熱動作時には、第1循環ポンプ(34)が運転され、三方切換弁(35)が図1の実線で示す状態に切り換えられる。これにより、貯湯タンク(30)内は、加熱循環流路(22)に流入し、水熱交換器(12)の第2内部流路(12b)を流れる。水熱交換器(12)では、第1内部流路(12a)を流れる冷媒の熱が、第2内部流路(12b)を流れる水に付与される。これにより、第2内部流路(12b)を流れる水が所定温度まで加熱される。第2内部流路(12b)で加熱された水は、貯湯タンク(30)内に返送される。
貯湯タンク(30)内で生成された温水は、シャワー(2)やその他の利用対象へ適宜供給される。具体的に、貯湯タンク(30)の温水を供給する供給動作時には、給湯混合弁(36)が供給路(23)を開放状態とする。これにより、貯湯タンク(30)内の温水は、該貯湯タンク(30)の内圧によって搬送され、給湯混合弁(36)を通過する。この際、給湯混合弁(36)は、分岐路(26)側のポートの開度も適宜調整する。これにより、貯湯タンク(30)側から供給される温水と、分岐路(26)側から供給される水(冷水)とが所定の比率で混合され、供給水の温度が調整される。このようにして温度調整された水は、加圧ユニット(70)を通過した後、シャワー(2)へ送られる。
〈空気圧縮ユニットの運転動作〉
上述した基本動作時には、空気圧縮ユニット(50)が水道水の水圧を利用して空気を圧縮する。この空気圧縮ユニット(50)の運転について、図2、図10〜図12を参照しながら説明する。
空気圧縮ユニット(50)の運転動作では、第1空気室(A1)の空気を圧縮する第1動作と、第2空気室(A2)の空気を圧縮する第2動作とが、所定の期間置きに交互に実行される。これにより、空気圧縮ユニット(50)では、圧縮空気が連続的に生成される。空気圧縮ユニット(50)の運転開始時には、第1動作又は第2動作のいずれかが行われる。ここでは、第1動作を先に行った場合について説明する。
初回の第1動作が開始されると、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第1状態(図2の実線で示す状態)となる。その結果、第1水ポート(53)が水道管側と連通し、第2水ポート(54)が利用対象側(貯湯タンク(30)側)と連通する。同時に、第1吐出ポート(55)と空気流路(40)とが連通する。ここで、この初回の運転では、各受水室(W1,W2)に水が入っていない。このため、第1動作が開始されると、第1水ポート(53)を通じて第1受水室(W1)に水が充填される(図10(A)を参照)。一方、第2受水室(W2)には、水が充填されていないため、第2水ポート(54)へ水が流出することはない。
図10(A)に示す状態において、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に更に水が流入すると、第1ピストン部(64)の受圧面Sw1に水圧が作用し、ピストン部材(63)が第2閉塞部(61c)側に変位していく(図10(B)を参照)。その結果、第1空気室(A1)の容積が徐々に小さくなり、第1空気室(A1)内の空気が圧縮される。この際、第1ピストン部(64)の受圧面Sw1は、第1空気室(A1)の空気の増圧面Sa1よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第1空気室(A1)の空気を第1受水室(W1)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第1ピストン部(64)と共に第2ピストン部(65)が第2閉塞部(61c)側に変位していくと、第2空気室(A2)の容積が徐々に大きくなっていく。これにより、シリンダ部材(61)の外部の空気が、第2吸入ポート(58)を通じて第2空気室(A2)に吸入されていく。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)のボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図10(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
初回の第1動作が行われてから所定時間が経過すると、第2動作が実行される。第2動作では、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第2状態(図2の破線で示す状態)となる。その結果、第2水ポート(54)が水道管側と連通し、第1水ポート(53)が利用対象側(貯湯タンク(30)側)と連通する。同時に、第2吐出ポート(56)と空気流路(40)とが連通する。第2動作が開始されると、第2水ポート(54)を通じて第2受水室(W2)に水が充填される(図11(A)を参照)。
図11(A)に示す状態において、第2水ポート(54)から第2受水室(W2)に更に水が流入すると、第2ピストン部(65)の受圧面Sw2に水圧が作用し、ピストン部材(63)が第1閉塞部(61b)側に変位していく(図11(B)を参照)。その結果、第2空気室(A2)の容積が徐々に小さくなり、第2空気室(A2)内の空気が圧縮される。この際、第2ピストン部(65)の受圧面Sw2は、第2空気室(A2)の空気の増圧面Sa2よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第2空気室(A2)の空気を第2受水室(W2)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第2ピストン部(65)と共に第1ピストン部(64)が第1閉塞部(61b)側に変位していくと、第1受水室(W1)の容積が徐々に小さくなり、第1空気室(A1)の容積が徐々に大きくなってく。このため、第1受水室(W1)の水は、第1水ポート(53)に流出し、給水路(21)を経由して貯湯タンク(30)へ供給される。同時に、シリンダ部材(61)の外部の空気が、第1吸入ポート(57)を通じて第1空気室(A1)に吸入されていく(図11(B)を参照)。
第2空気室(A2)の空気が所定圧力以上になると、第2吐出ポート(56)のボール弁(56b)が開放される。その結果、第2空気室(A2)内の圧縮空気が第2吐出ポート(56)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図11(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
第2動作が行われてから所定時間が経過すると、第1動作が再び実行される。これにより、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に水が流入し、ピストン部材(63)が第2閉塞部(61c)側に変位する(図12(A)、図12(B)を参照)。これにより、第1空気室(A1)の空気が圧縮されるとともに、第2受水室(W2)の水が第2水ポート(54)を通じて貯湯タンク(30)へ供給される。同時に、シリンダ部材(61)の外部の空気が第2空気室(A2)に吸入される。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)の第1ボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図12(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
その後は、図11に示す第2動作と、図12に示す第1動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、空気圧縮ユニット(50)からは、圧縮空気が連続的に蓄圧タンク(41)側へ供給されるとともに、水道水が連続的に貯湯タンク(30)側へ供給される。
〈加圧ユニットの動作〉
給湯システム(S)の給湯ユニット(10)では、上述したように、水道水の圧力が減圧機構としての減圧弁(32)によって減圧されてから、貯湯タンク(30)に供給される。これにより、上水道管の水圧が比較的高い条件であっても、貯湯タンク(30)の内圧が過剰に高くなることがない。よって、貯湯タンク(30)の耐圧を確保することができる。一方、このように水道水の圧力を減圧弁(32)で減圧すると、シャワー(2)等の利用対象へ供給される水の水圧も低下してしまう。従って、シャワー(2)から吐出される水の水圧が小さくなり、シャワー(2)からユーザー等へ十分な吐出圧の水を供給できなくなる、という問題が生じてしまう。そこで、本実施形態1の給湯ユニット(10)では、空気圧縮ユニット(50)で圧縮した圧縮空気を利用して加圧ユニット(70)を駆動し、この加圧ユニット(70)によりシャワー(2)の吐出水を加圧するようにしている。
具体的に、加圧ユニット(70)の動作時には、三方切換機構(42)が図1の実線で示す状態となり、第1ポートと第2ポートとが連通する。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気は、加圧ユニット(70)側に供給される。この圧縮空気は、図3に示す空気吸入ポート(74)よりケーシング(71)内の空気導入室(77)に流入する。
空気導入室(77)に圧縮空気が流入すると、この空気によって羽根車(81)が回転駆動される。すると、羽根車(81)に連結する出力軸(82)も回転する。出力軸(82)の回転運動は、直動変換機構(83)によって従動ロッド部(84)の往復運動に変換される。これにより、従動ロッド部(84)は、図3(A)の位置と図3(B)の位置との間を交互に変位する。これに伴い、従動ロッド部(84)に連結するダイヤフラム部(75)は、図3(A)の状態と図3(B)の状態とに交互に変形する。
以上のようにして、ダイヤフラム部(75)が変形すると、水加圧室(76)で水が加圧される。具体的に、加圧ユニット(70)が図3(B)の状態から図3(A)の状態に切り換わると、吸入水ポート(72)のボール弁(72b)が開放され、供給路(23)の水が吸入水ポート(72)を通じて水加圧室(76)に導入される。この状態から再び図3(A)の状態になると、水加圧室(76)の容積が小さくなり、水加圧室(76)の水が加圧される。以上のようにして、水加圧室(76)の水圧が所定圧力以上になると、吐出水ポート(73)のボール弁(73b)が開放される。その結果、加圧された水は、吐出水ポート(73)を通じてシャワー(2)へ供給され、比較的高圧の吐出水となってユーザー等へ供給される。
〈太陽パネルユニットの動作〉
太陽パネルユニット(91)では、太陽光の方角に応じて太陽パネル(92a,92b)の角度が調整される。給湯システム(S)では、この太陽パネル(92a,92b)の駆動源として、空気圧縮ユニット(50)から供給された圧縮空気が利用される。太陽パネルユニット(91)の動作について図1,図6から図9を参照しながら説明する。
給湯システム(S)において、太陽パネル(92a,92b)を駆動する際には、三方切換機構(42)が図1の破線で示す状態に切り換わる。これにより、蓄圧タンク(41)に貯留された圧縮空気は、給排気機構(105)側へ送られる。この状態において、太陽パネル制御部(112)は、太陽の位置(方角)に応じて、各給排気切換弁(108,109)を制御する。より詳細に、太陽パネル制御部(112)は、角度センサ(110)で検出した太陽パネル(92a,92b)の角度位置と、日射センサ(111)で検出した太陽の日射方向とに基づいて、太陽パネル(92a,92b)の必要な回動角度を算出する。そして、太陽パネル制御部(112)は、太陽パネル(92a,92b)が算出した回転角度で変位するように、各給排気切換弁(108,109)を制御し、各空気袋(101,102)を伸縮させる。
例えば太陽が東側(例えば図7におけるの右上側)に位置していたとする。この場合、太陽パネル制御部(112)は、東側寄りに設けられる第2空気袋(102)の受け部(102b)が、第1空気袋(101)の受け部(101b)よりも低い位置とするように、各給排気切換弁(108,109)を制御する。具体的に、この場合には第2給排気切換弁(109)を第2状態とすることで、第2給排気流路(107b)と第2排出路(107c)とを連通させる。これにより、第2空気袋(102)内の圧縮空気が第2排出路(107c)を通じて大気中へ放出される。その結果、第2空気袋(102)は徐々に収縮し、第2空気袋(102)の受け部(102b)が下方に変位する。同時に、第1給排気切換弁(108)を第1状態とすることで、第1中継流路(106a)と第1給排気流路(106b)とを連通させる。これにより、第1中継流路(106a)側の圧縮空気が、第1空気袋(101)に流入する。その結果、第1空気袋(101)は徐々に伸張し、第1空気袋(101)の第1受け部(101b)が上方に変位する。以上のように各受け部(101b,102b)の高さ位置を調整することで、アクチュエータユニット(100)が取り付けられている駆動側太陽パネル(92a)の角度位置が調整される。
上述のように駆動側太陽パネル(92a)の角度位置が調整されると、各太陽パネル(92a,92b)同士を連結するリンク部材(98)の作用により、被駆動側太陽パネル(92b)も、駆動側太陽パネル(92a)と同じ角度位置となるように回動する。具体的には、駆動側太陽パネル(92a)が回動すると、その回動力が、リンク部材(98)を介して被駆動側太陽パネル(92b)に伝わる。これにより、全ての太陽パネル(92a,92b)が、図7に示すような角度位置に調整される。
また、例えば太陽が南側(例えば図8における上側)に位置していたとする。この場合、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)の受け部(101b)と、第2空気袋(102)の受け部(102b)とを同じ位置とするように、各給排気切換弁(108,109)を制御する。具体的に、この場合には第1給排気切換弁(108)と第2給排気切換弁(109)とを第1状態又は第2状態に適宜切り換えることで、各受け部(101b,102b)を同じ高さ変位させる。以上のように各受け部(101b,102b)の高さ位置を調整することで、各太陽パネル(92a,92b)が図8に示すような角度位置に調整される。
また、例えば太陽が西側(例えば図9における左上側)に位置していたとする。この場合、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)の受け部(101b)が、第2空気袋(102)の受け部(102b)よりも低い位置とするように、各給排気切換弁(108,109)を制御する。具体的に、この場合には第1給排気切換弁(108)を第2状態とし、第2給排気切換弁(109)を第1状態とする。その結果、第1空気袋(101)を収縮させて受け部(101b)を下方に変位させることができる。同時に、第2空気袋(102)を収縮させて受け部(101b)を上方に変位させることができる。以上のように各受け部(101b,102b)の高さ位置を調整することで、各太陽パネル(92a,92b)が図9に示すような角度位置に調整される。
以上のようにして、各太陽パネル(92a,92b)の受光面(92c)に太陽光が授与されると、太陽パネル(92a,92b)では、直流電力が生成される。この直流電力は、パワーコンディショナ(115)に出力されて、該パワーコンディショナ(115)によって交流電力に変換される。パワーコンディショナ(115)から出力された交流電力は、熱源ユニット(10a)や他の電力供給対象へ供給される。
この際、パワーコンディショナ(115)では、スイッチング素子の切換等により、発熱部品から熱が放出される。この熱は、放熱部(115a)及びジャケット部(39a)を介して冷却水路(39b)を流れる水に付与される。その結果、パワーコンディショナ(115)の発熱部品を冷却することができる。パワーコンディショナ(115)の発熱部品から吸熱して貯湯タンク(30)に流入する。これにより、パワーコンディショナ(115)からの熱を貯湯タンク(30)の温水の生成に利用できる。
−実施形態1の効果−
以上のように、実施形態1に係る給湯システム(S)の太陽パネル駆動機構(93)では、太陽パネル(92a)を動作させるためのアクチュエータユニット(100)に2つの空気袋(101,102)を用いている。空気袋(101,102)は、比較的重量の軽いゴム等によって中空状に形成されているため、例えばアクチュエータとして金属製のシリンダ及びピストン等を用いる場合と比べると重量を軽くしやすい。その結果、太陽パネル駆動機構(93)が設置される屋根(R)にかかる荷重を小さくすることができる。
また、実施形態1では、太陽パネル(92a)の背面に、回転軸(95)を挟んで2つの空気袋(101,102)を配置している。こうすると、太陽パネル(92a)を確実に双方向に回動させることができる。具体的には、例えば図7のように太陽パネルが傾いている場合、第2空気袋(102)と比べて、第1空気袋(101)には太陽パネルの荷重があまり作用していない。従って、第1空気袋(101)内の空気を排気しただけでは、太陽パネル(92a)が回動しない虞がある。これに対して、上述のように2つの空気袋(101,102)を設けることで、例えば図7のような場合であっても、第2空気袋(102)内に圧縮空気を供給して該第2空気袋(102)を伸張させることで、太陽パネル(92a)を確実に回動させることができる。
また、実施形態1では、各太陽パネル(92a,92b)の側面を、リンク部材(98)によって連結している。これにより、1つのアクチュエータユニット(100)によって全ての太陽パネル(92a,92b)の角度位置を調整できるため、太陽パネルユニット(91)の簡素化を図ることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る給湯システム(S)は、上記実施形態1とアクチュエータユニット(100)の構成が異なるものである。具体的には、上記実施形態1のアクチュエータユニット(100)には、2つの空気袋(101,102)が用いられているのに対し、実施形態2のアクチュエータユニット(100)には、1つの空気袋(101)と、付勢部材としての圧縮バネ(99a)が用いられている。以下では、実施形態1と異なる点について主に説明する。
実施形態2のアクチュエータユニット(100)は、図13に示すように、第1空気袋(101)と、該第1空気袋(101)に連結する第1ロッド部(103)と、1つの圧縮バネ(99a)とを有している。これらの部材(99a,101,103)は、複数の太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応して設けられている。
圧縮バネ(99a)は、太陽パネル(92a)を付勢する弾性部材を構成している。圧縮バネ(99a)は、回転軸(95)を挟んで第1空気袋(101)と反対側の位置に設けられている。圧縮バネ(99a)は、一端が台座部(113)に固定されている一方、他端が第2内側取付板(97b)に対して固定されている。これにより、圧縮バネ(99a)は、一端側から他端側へ向けて太陽パネル(92a)を付勢する。
太陽パネル駆動機構(93)は、ロック機構(170)を備えている。ロック機構(170)は、シリンダ(171)と、該シリンダ(171)内を往復動可能なピストン(172)と、一端が該ピストン(172)に固定され他端がシリンダ(171)から外部へ露出するピストンロッド(173)と、該ピストンロッド(173)をシリンダ(171)に対して固定可能な固定部(図示省略)とを備えている。この固定部は、太陽パネル制御部(112)からの指令に応じて、ピストンロッド(173)をシリンダ(171)に対して固定する固定状態と、ピストンロッド(173)がシリンダ(171)に対して往復動可能なように前記固定状態を解除する固定解除状態とに切換可能に構成されている。
実施形態2の太陽パネル制御部(112)は、第1給排気切換弁(108)及びロック機構(170)を制御するように構成されている。具体的には、太陽パネル制御部(112)は、角度センサ(110)及び日射センサ(111)の検出値に基づいて、第1給排気切換弁(108)を切り替えるとともに、ロック機構(170)の固定部を固定状態と固定解除状態とに切り替えるように構成されている。
なお、実施形態2における太陽パネルユニット(91)は、実施形態1における第2空気袋側流路(107)、及び第2給排気切換弁(109)が省略された構成となっている。
−運転動作−
〈太陽パネルユニットの動作〉
実施形態2における太陽パネルユニット(91)も、実施形態1の場合と同様、太陽光の方角に応じて太陽パネル(92a,92b)の角度が調整される。太陽パネルユニット(91)の動作について、図14、図15及び図16を参照しながら説明する。
例えば太陽が東側(例えば図14におけるの右上側)に位置していたとする。この場合、まず太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定解除状態へ切り替える。それから、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)が、圧縮バネ(99a)の付勢力に抗して伸張するように、第1給排気切換弁(108)を制御する。具体的に、この場合には、第1給排気切換弁(108)を第1状態とすることで、第1中継流路(106a)と第1給排気流路(106b)とを連通させる。これにより、第1中継流路(106a)側の圧縮空気が、第1空気袋(101)に流入する。その結果、第1空気袋(101)は徐々に伸張し、第1空気袋(101)の第1受け部(101b)は、圧縮バネ(99a)の付勢力に抗して上方に変位する一方、ロック機構(170)のピストンロッド(173)は、図14に示すような角度位置に対応する長さとなるようにシリンダ(171)内へ収縮する。これにより、太陽パネル(92)が背面側から押圧されて所定の角度だけ回動し、図14に示すような角度位置に調整される。その後、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定状態に切り替える。これにより、太陽パネル(92a,92b)が風等で回転しないように固定される。
また、例えば太陽が南側(例えば図15における上側)に位置していたとする。この場合もまず、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定解除状態へ切り替える。それから、太陽パネル制御部(112)は、太陽パネル(92a,92b)が水平となるように、第1給排気切換弁(108)を制御する。具体的には、この場合には第1給排気切換弁(108)を第1状態又は第2状態に適宜切り換えることで、太陽パネル(92a,92b)が水平となるように第1空気袋(101)の第1受け部(101b)を変位させる。これにより、太陽パネル(92a)には、圧縮バネ(99a)によって第1空気袋(101)の伸張変形時の回動方向と逆方向(図15における半時計回り方向)の付勢力が付与されることにより、該太陽パネル(92a)が所定の角度だけ回動する。一方、ロック機構(170)のピストンロッド(173)は、図15に示すような角度位置に対応する長さとなるようにシリンダ(171)内から伸張する。これにより、太陽パネル(92a)は、図15に示すような角度位置に調整される。その後、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定状態に切り替える。これにより、太陽パネル(92a,92b)が風等で回転しないように固定される。
また、例えば太陽が西側(例えば図16における左上側)に位置していたとする。この場合もまず、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定解除状態へ切り替える。それから、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)が、圧縮バネ(99a)の付勢力により押圧されるように、第1給排気切換弁(108)を制御する。具体的には、この場合には第1給排気切換弁(108)を第2状態とすることで、第1空気袋(101)から空気が排出されることで該第1空気袋(101)の内圧が低くなる。そうなると、圧縮バネ(99a)の付勢力により太陽パネル(92a)が図16における反時計回り方向へ回動する。一方、ロック機構(170)のピストンロッド(173)は、図16に示すような角度位置に対応する長さとなるようにシリンダ(171)内から伸張する。これにより、太陽パネル(92a)は、図16に示すような角度位置に調整される。その後、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定状態に切り替える。これにより、太陽パネル(92a,92b)が風等で回転しないように固定される。
−実施形態2の効果−
以上のように、実施形態2に係る給湯システム(S)の太陽パネル駆動機構(93)では、太陽パネル(92a)を動作させるためのアクチュエータユニット(100)に、1つの空気袋(101)と、1つの圧縮バネ(99a)とを用いている。このような構成であっても、実施形態1の場合と同様、太陽パネル(92a,92b)を回動させて所定の角度位置に調整できる。
また、実施形態2では、太陽パネル(92a)の回動を規制するロック機構(170)を設けたため、太陽パネル(92a)に作用する外力により、該太陽パネル(92a)が所望の角度位置からずれてしまうのを抑制できるため、太陽パネル(92a,92b)を所定の角度位置で確実に固定できる。
《発明の実施形態3》
実施形態3に係る給湯システム(S)は、上記実施形態1と空気圧縮ユニット(50)の構成が異なるものである。図18に示すように、実施形態3の空気圧縮ユニット(50)は、実施形態1と同様の、水流路切換部(51)、空気流路切換部(52)、及び弁制御部(図示省略)を有している。一方、実施形態3の空気圧縮機(60)は、実施形態1と異なり、2つのシリンダ部材(121,122)を有する2シリンダ式に構成されている。
2つのシリンダ部材(121,122)は、第1シリンダ部材(121)と、第2シリンダ部材(122)とで構成されている。各シリンダ部材(121,122)は、筒状胴部(121a,122a)と、筒状胴部(121a,122a)の軸方向の一端を閉塞する第1閉塞部(121b,122b)と、筒状胴部(121a,122a)の軸方向の他端を閉塞する第2閉塞部(121c,122c)とを有している。第1シリンダ部材(121)の内部には、第1シリンダ室(C1)が形成され、第2シリンダ部材(122)の内部には、第2シリンダ室(C2)が形成されている。第1シリンダ室(C1)は、第2シリンダ室(C2)よりも大径で、且つ軸方向の長さが短くなっている。
実施形態3の空気圧縮ユニット(50)は、実施形態1と同様、ピストン部材(123)を有している。ピストン部材(123)は、第1シリンダ室(C1)に収容される第1ピストン部(124)と、第2シリンダ室(C2)に収容される第2ピストン部(125)と、両者のピストン部(124,125)を連結する1本のピストンロッド(126)とを有し、変位部材を構成している。第1ピストン部(124)及び第2ピストン部(125)は円板状に形成され、第1ピストン部(124)が第2ピストン部(125)よりも大径となっている。ピストンロッド(126)は、第1シリンダ部材(121)の第2閉塞部(121c)、及び第2シリンダ部材(122)の第1閉塞部(122b)を貫通して両者のピストン部(124,125)を連結している。ピストンロッド(126)は、各ピストン部(124,125)よりも小径に形成され、両者のシリンダ部材(121,122)の軸心と同軸となって軸方向に延びている。
第1ピストン部(124)は、第1シリンダ室(C1)を第1受水室(W1)と第2受水室(W2)とに区画している。第1受水室(W1)は、第1閉塞部(121b)と第1ピストン部(124)との間に形成されている。第2受水室(W2)は、第1ピストン部(64)と第2閉塞部(121c)との間に形成されている。つまり、第1シリンダ室(C1)には、第1ピストン部(124)を挟んで軸方向の一端側(第1閉塞部(121b)側)に第1受水室(W1)が形成され、第1ピストン部(124)を挟んで軸方向の他端側(第2閉塞部(121c)側)に第2受水室(W2)が形成されている。
第2ピストン部(125)は、第2シリンダ室(C2)を第1空気室(A1)と第2空気室(A2)とに区画している。第1空気室(A1)は、第2閉塞部(122c)と第2ピストン部(125)との間に形成されている。第2空気室(A2)は、第2ピストン部(125)と第1閉塞部(122b)との間に形成されている。つまり、第2シリンダ室(C2)には、第2ピストン部(125)を挟んで軸方向の一端側(第2閉塞部(122c)側)に第1空気室(A1)が形成され、第2ピストン部(125)を挟んで軸方向の他端側(第1閉塞部(122b)側)に第2空気室(A2)が形成されている。
実施形態3の空気圧縮機(120)には、実施形態1と同様にして、6本のポート(53〜58)が接続されている。具体的に、第1シリンダ部材(121)では、第1受水室(W1)に第1水ポート(53)が接続し、第2受水室(W2)に第2水ポート(54)が接続している。第2シリンダ部材(122)では、第1空気室(A1)に第1吐出ポート(55)の流入端と、第1吸入ポート(57)の流出端とが接続し、第2空気室(A2)に第2吐出ポート(56)の流入端と、第2吸入ポート(58)の流出端とが接続している。
実施形態2の空気圧縮機(120)においても、各受水室(W1,W2)側に臨む受圧面Sw1,Sw2の面積が、空気室(A1,A2)に臨む増圧面Sa1,Sa2よりも大きくなっている。具体的に、ピストン部材(123)では、第1ピストン部(124)における第1受水室(W1)側の受圧面Sw1の面積が、第2ピストン部(125)における第1空気室(A1)側の増圧面Sa1の面積よりも大きくなっている。また、ピストン部材(123)では、第1ピストン部(124)における第2受水室(W2)側の受圧面Sw2の面積が、第2ピストン部(125)における第2空気室(A2)側の増圧面Sa2の面積よりも大きくなっている。
〈圧縮動作〉
実施形態3の空気圧縮ユニット(50)の運転動作について図18〜図21を参照しながら説明する。実施形態3の空気圧縮ユニット(50)では、実施形態1と同様、第1空気室(A1)の空気を圧縮する第1動作と、第2空気室(A2)の空気を圧縮する第2動作とが、所定の期間置きに交互に実行される。
初回の第1動作が開始されると、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第1状態(図18の実線で示す状態)となる。その結果、上水道管の水道水が第1水ポート(53)を通じて第1受水室(W1)に流入する。一方、第2受水室(W2)は第2水ポート(54)と連通するが、第2受水室(W2)には水が充填されていないため、第2水ポート(54)を水が流れることはない。
図19(A)に示す状態において、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に更に水が流入すると、第1ピストン部(124)の受圧面Sw1に水圧が作用し、ピストン部材(123)が第2閉塞部(121c,122,)側に変位していく(図19(B)を参照)。その結果、第1空気室(A1)の容積が徐々に小さくなり、第1空気室(A1)内の空気が圧縮される。この際、第1ピストン部(124)の受圧面Sw1は、第1空気室(A1)の空気の増圧面Sa1よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第1空気室(A1)の空気を第1受水室(W1)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第2シリンダ部材(122)では、第2ピストン部(125)の変位に伴い第2空気室(A2)の容積が徐々に大きくなっていく。これにより、第2シリンダ部材(122)の外部の空気が、第2吸入ポート(58)を通じて第2空気室(A2)に吸入されていく。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)のボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図19(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
初回の第1動作が行われてから所定時間が経過すると、第2動作が実行される。第2動作では、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第2状態(図18の破線で示す状態)となる。その結果、上水道管の水道水が第2水ポート(54)を通じて第2受圧室(W2)に流入する。
図20(A)に示す状態において、第2水ポート(54)から第2受水室(W2)に更に水が流入すると、第2ピストン部(125)の受圧面Sw2に水圧が作用し、ピストン部材(123)が第1閉塞部(121b,122b)側に変位していく(図20(B)を参照)。その結果、第2空気室(A2)の容積が徐々に小さくなり、第2空気室(A2)内の空気が圧縮される。この際、第2ピストン部(125)の受圧面Sw2は、第2空気室(A2)の空気の増圧面Sa2よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第2空気室(A2)の空気を第2受水室(W2)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第2シリンダ部材(122)では、第2ピストン部(125)の変位に伴い第1空気室(A1)の容積が徐々に大きくなっていく。これにより、第2シリンダ部材(122)の外部の空気が、第1空気室(A1)に吸入されていく。また、第1シリンダ部材(121)では、第1ピストン部(124)の変位に伴い第1受水室(W1)の容積が徐々に小さくなっていく。このため、第1受水室(W1)の水は、第1水ポート(53)に流出し、給水路(21)を経由して貯湯タンク(30)へ供給される(図20(B)を参照)。
第2空気室(A2)の空気が所定圧力以上になると、第2吐出ポート(56)のボール弁(56b)が開放される。その結果、第2空気室(A2)内の圧縮空気が第2吐出ポート(56)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図20(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
第2動作が行われてから所定時間が経過すると、第1動作が再び実行される。これにより、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に水が流入し、ピストン部材(123)が第2閉塞部(121c,122c)側に変位する(図21(A)、図21(B)を参照)。これにより、第1空気室(A1)の空気が圧縮されるとともに、第2受水室(W2)の水が第2水ポート(54)を通じて貯湯タンク(30)へ供給される。同時に、第2シリンダ部材(122)の外部の空気が第2空気室(A2)に吸入される。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)の第1ボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図21(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
その後は、図20に示す第2動作と、図21に示す第1動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、空気圧縮ユニット(50)からは、圧縮空気が連続的に蓄圧タンク(41)側へ供給されるとともに、水道水が連続的に貯湯タンク(30)側へ供給される。
−実施形態3の効果−
実施形態3の空気圧縮ユニット(50)においても、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とを交互に行うことで、圧縮空気を連続的に生成しつつ、水道水を利用対象(2)側へ供給することができる。また、受水室(W1,W2)における水の受圧面Sw1,Sw2の面積を、空気室(A1,A2)における空気の増圧面Sa1,Sa2の面積よりも大きくしているため、空気室(A1,A2)の空気を水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧させることができる。
特に、実施形態3の空気圧縮ユニット(50)では、2つのシリンダ部材(121,122)を別体に形成しているため、受圧面Sw1,Sw2の面積を増圧面Sa1,Sa2の面積よりも容易に大きくできる。
《発明の実施形態4》
実施形態4の給湯システム(S)は、上記実施形態1と加圧ユニット(70)の構成が異なるものである。実施形態4の加圧ユニット(70)は、シャワー(2)の上流近傍に接続されている。図22及び図23に示すように、実施形態4の加圧ユニット(70)は、エジェクタ機構(130)を有し、いわゆるエジェクタ方式の加圧機構で構成されている。
エジェクタ機構(130)は、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、水導入路(131)、柱状流路(132)、縮径流路(133)、混合流路(134)、拡径流路(135)、及び水導出路(136)を有している。水導入路(131)には、貯湯タンク(30)からの水が流入する。柱状流路(132)は、円柱状に形成され、周方向外方に水導入路(131)が接続され、軸方向の一端に縮径流路(133)が接続されている。縮径流路(133)は、下流側にすすむにつれて流路断面の面積を徐々に小さくするような略円錐形状の流路を形成している。
混合流路(134)は、縮径流路(133)と拡径流路(135)との間に接続されている。混合流路(134)は、その流入端から流出端に亘って流路断面の形状がほぼ同じとなっている。混合流路(134)の流路長さは、縮径流路(133)や拡径流路(135)よりも長くなっている。
拡径流路(135)は、混合流路(134)を流出した水の流速を低下させ、該水の圧力を上昇させるものである。拡径流路(135)は、下流側にすすむにつれて流路断面の面積を徐々に大きくするような略円錐状の流路を構成している。拡径流路(135)の下流端には、水導出路(136)が接続している。水導出路(136)の下流端には、図示を省略したシャワー(2)が接続される。
エジェクタ機構(130)は、空気ノズル(137)を有している。空気ノズル(137)は、空気流れの上流側から下流側に向かって順に、空気導入路(137a)、空気縮径路(137b)、及び空気導出路(137c)を有している。
空気導入路(137a)は、圧縮空気が供給される第1給気路(44)と接続している。空気縮径路(137b)は、空気導入路(137a)の下流端に接続され、柱状流路(132)の内部に形成されている。空気縮径路(137b)は、空気の流路を縮小して空気を高速化させるものである。空気縮径路(137b)は、下流側にすすむにつれて空気の流路断面の面積を徐々に小さくするような略円錐形状をしている。空気導出路(137c)は、空気縮径路(137b)の下流端に接続され、縮径流路(133)の内部に形成されている。空気導出路(137c)の下流端は、混合流路(134)の上流側に開口している。これにより、混合流路(134)では、混合流路(134)では、縮径流路(133)から流出した水と、空気ノズル(137)から供給された圧縮空気とが混合される。
〈加圧動作〉
実施形態4の加圧ユニット(70)の加圧動作について説明する。加圧ユニット(70)の動作時には、三方切換機構(42)が図22の実線で示す状態となり、第1ポートと第2ポートとが連通する。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気は、加圧ユニット(70)側に供給される。この圧縮空気は、図23に示すように、エジェクタ機構(130)の空気ノズル(137)に流入する。空気ノズル(137)に流入した水は、空気導入路(137a)を通過し、空気縮径路(137b)で高速化された後、空気導出路(137c)を介して混合流路(134)へ流出する。
一方、貯湯タンク(30)から供給された水は、エジェクタ機構(130)の水導入路(131)に流入する。この水は、柱状流路(132)に流出して直角方向に案内された後、縮径流路(133)を流れる。この縮径流路(133)には、空気ノズル(137)から噴出された圧縮空気により負圧が作用している。このため、縮径流路(133)の水は、圧縮空気に引き込まれて混合流路(134)に流出し、この混合流路(134)で高速化される。同時に、混合流路(134)では、空気と水とが混合される。この混合流路(134)中の水は、拡径流路(135)を流れることで、流路断面が拡大されて減速される。その結果、拡径流路(135)では、水の圧力が昇圧される。以上のようにして、加圧された水は、空気とともにシャワー(2)へ送られる。これにより、シャワー(2)からは、比較的高圧の吐出水がユーザー等へ供給される。
−実施形態4の効果−
実施形態4では、実施形態1と同様、加圧ユニット(70)によって加圧した水をシャワー(2)から吐出させるようにしている。これにより、貯湯タンク(30)の耐圧を確保するために水道水の圧力を減圧弁(32)で減圧しても、シャワー(2)から十分な吐出圧の水を噴出させることができる。
また、実施形態4では、加圧ユニット(70)として、エジェクタ機構(130)を有するエジェクタ方式の加圧機構を用いている。このため、圧縮空気による吸引圧を利用して、水の圧力を効率良く上昇させることができる。また、混合流路(134)では、水と圧縮空気とが混合するため、シャワー(2)からは微細な空気を含む水を噴出させることができる。このようにすると、シャワー(2)から噴出される水量を低減しつつ、所望とする洗浄効果を得ることができる。従って、水道水を節約することができる。
《発明の実施形態5》
実施形態5に係る給湯システム(S)では、上記実施形態1の第1循環ポンプ(34)、及び第2循環ポンプ(38)が、上記実施形態1の加圧ユニット(70)(図3を参照)と同じ構成のダイヤフラム式のポンプで構成されている。つまり、実施形態5では、第1循環ポンプ(34)及び第2循環ポンプ(38)が、圧縮空気によって駆動される被駆動体となっている。
具体的に、図24に示すように、実施形態5の空気流路(40)には、主給気路(43)から分岐する第3給気路(48)が設けられている。第3給気路(48)の下流側は、第1ポンプ側給気路(48a)と、第2ポンプ側給気路(48b)とに分岐している。第1ポンプ側給気路(48a)の下流端は、第1循環ポンプ(34)の空気導入室(77a)と接続している。第2ポンプ側給気路(48b)の下流端は、第2循環ポンプ(38)の空気導入室(77b)と接続している。また、第1ポンプ側給気路(48a)には、第1開閉弁(49a)が接続され、第2ポンプ側給気路(48b)には、第2開閉弁(49b)が接続されている。これらの開閉弁(49a,49b)は、例えば電磁開閉弁で構成されている。
第1循環ポンプ(34)の運転時には、第1開閉弁(49a)が開放される。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気が、第1循環ポンプ(34)の空気導入室(77a)に供給され、ダイヤフラム部(75a)が図3(A)の状態と図3(B)の状態とに交互に変形する。その結果、第1循環ポンプ(34)の水加圧室(76a)の容積が拡縮され、加熱循環流路(22)の水が搬送される。
同様に、第2循環ポンプ(38)の運転時には、第2開閉弁(49b)が開放される。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気が、第2循環ポンプ(38)の空気導入室(77b)に供給され、ダイヤフラム部(75b)が図3(A)の状態と図3(B)の状態とに交互に変形する。その結果、第2循環ポンプ(68)の水加圧室(76b)の容積が拡縮され、冷却循環流路(28)の水が搬送される。
《発明の実施形態6》
図25に示す実施形態6に係る給湯システム(S)では、実施形態1のシャワー(2)に代わって、蛇口(3)が利用対象として設けられている。蛇口(3)は、水流路(20)の流出端に接続されて、水を所定の圧力で吐出させる吐出機構を構成している。実施形態5では、貯湯タンク(30)が地上付近に配置されているのに対し、蛇口(3)は家屋の3階に配置されている。つまり、実施形態6では、水が供給される利用対象が、貯湯タンク(30)よりも高くに位置している。
このようにして、蛇口(3)が高い位置に設けられると、貯湯タンク(30)から蛇口(3)までの揚程が大きくなり、蛇口(3)から吐出される水の圧力が低下し易くなる。しかしながら、実施形態5の蛇口(3)の上流側近傍には、上記実施形態1と同様の加圧ユニット(70)が設けられている。このため、蛇口(3)から供給される吐出水の圧力を十分確保できる。
《発明の実施形態7》
図26に示す実施形態7に係る給湯システム(S)では、実施形態1のシャワー(2)に代わって、噴霧器(4)が利用対象として設けられている。噴霧器(4)は、水流路(20)の流出端に接続されて、水を所定の圧力で吐出させる吐出機構を構成している。実施形態7では、貯湯タンク(30)が地上付近に配置されているのに対し、噴霧器(4)は屋根の上方に配置されている。つまり、実施形態6においても、水が供給される利用対象が、貯湯タンク(30)よりも高くに位置している。
また、実施形態7では、噴霧器(4)の噴出口が、太陽パネル(92a,92b)の受光面に対向している。つまり、実施形態7の噴霧器(4)からは、太陽パネル(92a,92b)の受光面に向かって、洗浄水が噴出される。これにより、圧縮空気を利用して太陽パネル(92a,92b)を適宜洗浄することができる。
一方、このように、噴霧器(4)が高い位置に設けられると、噴霧器(4)から噴出される水の水圧が低下し易くなる。しかしながら、実施形態7の上流側近傍には、上記実施形態1と同様の加圧ユニット(70)が設けられている。このため、噴霧器(4)から共有される吐出水の圧力を十分確保でき、太陽パネル(92a,92)の洗浄効果を十分に得ることができる。
《発明の実施形態8》
図27に示す実施形態8に係る給湯システム(S)では、貯湯タンク(30)と利用対象(2)との間の回路に、上記実施形態1と同様の空気圧縮ユニット(50)が設けられている。具体的に、供給路(23)から分岐する逃がし流路(27)の流出側に、空気圧縮ユニット(50)と蓄圧タンク(41)とが付加されている。
上述したように、貯湯タンク(30)では、温水の生成に伴い水蒸気が発生するため、貯湯タンク(30)の内圧が過剰となることがある。この場合には、リリーフ弁(37)が開放され、貯湯タンク(30)内の水が逃がし流路(27)へ流出する。そこで、図27の例では、逃がし流路(27)へ流出した水の圧力を利用して空気を圧縮するようにしている。これにより、給湯システム(S)では、逃がし流路(27)から下水道管へ排出していた水の圧力を空気圧として回収し、この空気圧を利用して所定の被駆動体を駆動させることができる。
《発明の実施形態9》
図28に示す実施形態9に係る給湯システム(S)では、冷却循環流路(28)の流入端の高さ位置、及び該冷却循環流路(28)の流出端の高さ位置が、上記実施形態1と異なる位置となっている。具体的に、図28の例では、冷却循環流路(28)の流入端の高さが、貯湯タンク(30)の上下方向の中間部に位置し、冷却循環流路(28)の流出端の高さが、貯湯タンク(30)の上部近傍に位置している。この例では、パワーコンディショナ(115)の発熱部品から吸熱した循環水が、貯湯タンク(30)における比較的高い部位に返送される。このため、貯湯タンク(30)の下側の水温が高く成りすぎるのを防止できる。よって、貯湯タンク(30)から加熱循環流路(22)へ流出する水の温度を比較的低くすることができる。その結果、冷媒回路(15)では、水熱交換器(12)の冷媒(二酸化炭素)を十分に放熱させることができるため、所望とする冷凍サイクルを行うことができる。
《発明の実施形態10》
実施形態10に係る給湯システム(S)では、実施形態1の加圧ユニット(70)と異なるタイプのダイヤフラム方式の加圧機構が適用されている。
具体的に、図29に示す例の加圧ユニット(70)は、ハウジング(140)の内部に、水の流路が形成されている。この水の流路は、貯湯タンク(30)側と連通する上流側分岐路(141)と、シャワー(2)側と連通する下流側分岐路(142)とを有している。上流側分岐路(141)の流出側は、第1分岐路(141a)と第2分岐路(141b)とに分岐している。同様に、下流側分岐路(142)の流入側は、第3分岐路(142a)と第4分岐路(142b)とに分岐している。第1分岐路(141a)の流出端には、第1ボール弁(143a)が設けられ、第2分岐路(141b)の流出端には、第2ボール弁(143b)が設けられている。第3分岐路(142a)の流入端には、第3ボール弁(144a)が設けられ、第4分岐路(142b)の流入端には、第4ボール弁(144b)が設けられている。
ハウジング(140)の内部には、第1チャンバ(145)と第2チャンバ(146)とが形成されている。第1チャンバ(145)は、第1分岐路(141a)と第3分岐路(142a)との間に形成されている。第2チャンバ(146)は、第2分岐路(141b)と第4分岐路(142b)との間に形成されている。第1チャンバ(145)は、第1ダイヤフラム部(147)によって第1水加圧室(145a)と第1空気導入室(145b)とに区画されている。第2チャンバ(146)は、第2ダイヤフラム部(148)によって第2水加圧室(146a)と第2空気導入室(146b)とに区画されている。第1ダイヤフラム部(147)と第2ダイヤフラム部(148)とは、連結軸(149)を介して連結されている。
ハウジング(140)の内部には、空気圧縮ユニット(50)側からの圧縮空気が供給される、空気供給室(150)が形成されている。空気供給室(150)は、第1切換流路(151)を通じて第1空気導入室(145b)と連通するとともに、第2切換流路(152)を通じて第2空気導入室(146b)と連通している。加圧ユニット(70)では、図示しない切換機構により、空気供給室(150)の圧縮空気を第1切換流路(151)を通じて第1空気導入室(145b)へ供給する第1動作(図29(A)に示す動作)と、空気供給室(150)の圧縮空気を第2切換流路(152)を通じて第2空気導入室(146b)へ供給する第2動作(図29(B)に示す動作)とが交互に繰り返し行われる。
具体的に、第1動作において、空気供給室(150)の圧縮空気が第1空気導入室(145b)へ供給されると、第1ダイヤフラム部(147)が圧縮空気によって押圧されて、第1水加圧室(145a)側に変位する。同時に、第2ダイヤフラム部(148)は第2空気導入室(146b)側に変位する。その結果、第2水加圧室(146a)の容積が拡大する。このようにして第2水加圧室(146a)の内圧が低下すると、第2ボール弁(143b)が第2水加圧室(146a)側に変位して第2分岐路(141b)が開放される。これにより、貯湯タンク(30)側の水が第2分岐路(141b)を通じて第2水加圧室(146a)に流入する。
次いで、第2動作が行われ、空気供給室(150)の圧縮空気が第2空気導入室(146b)へ供給されると、第2ダイヤフラム部(148)が圧縮空気によって押圧されて、第2水加圧室(146a)側に変位する。これにより、第2水加圧室(146a)の容積が縮小され、第2水加圧室(146a)内の水が加圧される。第2水加圧室(146a)の圧力が上昇すると、第4ボール弁(144b)が下流側分岐路(142)側に変位して第4分岐路(142b)が開放される。その結果、圧縮された水は、下流側分岐路(142)を経由してシャワー(2)へ供給される。
第2動作において、第1ダイヤフラム部(147)が第1空気導入室(145b)側に変位すると、第1水加圧室(145a)の容積が拡大する。このようにして第1水加圧室(145a)の内圧が低下すると、第1ボール弁(143a)が第1水加圧室(145a)側に変位して第1分岐路(141a)が開放される。これにより、貯湯タンク(30)側の水が第1分岐路(141a)を通じて第1水加圧室(145a)に流入する。
次いで、第1動作が再び行われ、空気供給室(150)の圧縮空気が第1空気導入室(145b)へ供給されると、第2ダイヤフラム部(148)が圧縮空気によって押圧されて、第1水加圧室(145a)側に変位する。これにより、第1水加圧室(145a)の容積が縮小され、第1水加圧室(145a)内の水が加圧される。第1水加圧室(145a)の圧力が上昇すると、第3ボール弁(144a)が下流側分岐路(142)側に変位して第3分岐路(142a)が開放される。その結果、圧縮された水は、下流側分岐路(142)を経由してシャワー(2)へ供給される。
第1動作において、第1ダイヤフラム部(147)が第2空気導入室(146b)側に変位すると、第2水加圧室(146a)の容積が拡大する。このようにして第2水加圧室(146a)の内圧が低下すると、第2ボール弁(143b)が第2水加圧室(146a)側に変位して第2分岐路(141b)が開放される。これにより、貯湯タンク(30)側の水が第2分岐路(141b)を通じて第2水加圧室(146a)に流入する。
以上のように、図29に示す例の加圧ユニット(70)では、第1動作と第2動作とが交互に行われる。その結果、加圧ユニット(70)で圧縮された水がシャワー(2)へ連続的に供給され、シャワー(2)から比較的高圧の吐出水がユーザー等へ供給される。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成にしてもよい。
上記各実施形態では、太陽パネル駆動機構(93)に、各太陽パネル(92a,92b)を互いに連結するリンク部材(98)を設けたが、この限りでなく、リンク部材(98)は設けられていなくてもよい。この場合、複数のアクチュエータユニット(100)を、各太陽パネルに対応させればよい。これにより、各アクチュエータユニット(100)によって、対応する各太陽パネルを駆動できる。
また、上記各実施形態では、空気袋(101,102)をロッド部(103,104)を介して太陽パネル(92a)の背面側に連結しているが、この限りでなく、空気袋(101,102)の受け部(101b,102b)を直接、太陽パネル(92a)の背面側に連結してもよい。
また、上記各実施形態では、各空気袋(101,102)に1つの開口部(101c,102c)を形成し、各空気袋(101,102)の給気及び排気を該開口部(101c,102c)を通じて行っているが、この限りでなく、例えば各空気袋に2つの開口部(101c,102c)を設けても良い。この場合、前記2つの開口部のうちの一方の開口部を、空気袋内へ圧縮空気を導入するための給気口として利用でき、他方の開口部を、圧縮袋内の空気を排出するための排気口として利用できる。
また、上記実施形態2では、圧縮バネ(99a)で弾性部材を構成したが、この限りでなく、弾性部材を引っ張りバネ(99b)で構成してもよい。この場合、引っ張りバネ(99b)を、図30に示すように、回転軸(95)よりも第1空気袋(101)が設けられている側に配置すればよい。こうすると、空気袋(101)によって太陽パネル(92a)を押し上げることにより該太陽パネル(92a)を所定の方向(第1方向)へ回転できる一方、引っ張りバネ(99b)によって太陽パネル(92a)を引っ張ることにより該太陽パネル(92a)を前記第1の方向とは逆向きの第2の方向へ回転できる。これにより、太陽パネル(92a)を正逆の双方向へ確実に回動できる。
以上説明したように、本発明は、太陽光発電ユニットを備えた給湯システムに特に有用である。
60 空気圧縮機(空気圧縮部)
90 太陽パネルユニット
92a 駆動側太陽パネル(太陽パネル)
92b 被駆動側太陽パネル(太陽パネル)
93 太陽パネル駆動機構
94 柱部(支持部)
95 回転軸
98 リンク部材(リンク機構)
99a 圧縮バネ(弾性部材)
99b 引っ張りバネ(弾性部材)
100 アクチュエータユニット
101 第1空気袋(空気袋)
102 第2空気袋(空気袋)
101a,102a 本体部
101b,102b 受け部
101c,102c 給排気口(開口部)
103 第1ロッド部(ロッド部材)
104 第2ロッド部(ロッド部材)
105 給排気機構
170 ロック機構
本発明は、太陽パネルと該太陽パネルを駆動させるアクチュエータユニットとを備える太陽パネル駆動システム、及び給湯システムに関する。
従来より、太陽パネルと、該太陽パネルを駆動させるアクチュエータユニットとを備える太陽パネルユニットが知られている。この太陽パネルユニットにおいて、太陽パネルの受光面を太陽光の方向に追尾させるようにアクチュエータユニットを駆動すると、太陽パネルでの受光量が増えるため、太陽パネルによる発電量を増やすことができる。この種の太陽パネルユニットとして、例えば特許文献1には、作動液を充満した密閉容器からなる受熱槽と、該受熱槽内において太陽光の輻射熱を受けて膨張する作動液の圧力によって作動するアクチュエータユニットと、を備えた太陽パネルユニットが開示されている。前記アクチュエータユニットは、一端が太陽パネルに固定されたピストンを有していて、前記作動液の圧力によってピストンが往復運動を行うことにより、太陽パネルが駆動する。
ところで、太陽パネルユニットを駆動させるアクチュエータユニットは、例えば家屋や工場の屋根等に設置される。このアクチュエータユニットの重量が重くなると、屋根に大きな荷重がかかるため、その分、屋根の耐荷重性を向上させる必要が生じる。また、アクチュエータユニットの据え付け作業も困難となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽パネルを駆動させるアクチュエータユニットを軽量化することである。
第1の発明は、太陽パネル駆動システムを対象とし、水道水が供給される水流路(20)の水圧を利用して空気を圧縮する空気圧縮機(60)と、該空気圧縮機(60)で圧縮された空気が貯められる蓄圧タンク(41)と、少なくとも1つの太陽パネル(92a)と、回転軸(95)を介して太陽パネル(92a)を支持する少なくとも1つの支持部(94)と、上記蓄圧タンク(41)内の圧縮空気が供給されて内圧に応じて伸縮変形する少なくとも1つの空気袋(101,102)を有し、該空気袋(101,102)の伸縮変形に伴い回転軸(95)の軸周りに回動させるアクチュエータユニット(100)とを備えることを特徴とする。
第1の発明では、太陽パネル(92a)は、回転軸(95)を介して支持部(94)に支持されている。そして、アクチュエータユニット(100)の空気袋(101,102)が内圧に応じて伸縮変形することにより、太陽パネル(92a)が回転軸(95)の軸周り方向に回動する。
第2の発明は、第1の発明において、前記空気袋(101,102)は、該空気袋(101,102)の内部の空間と該空気袋(101,102)の外部の空間とを連通させるための開口部(101c,102c)と、前記太陽パネル(92a)を背面側から支持する受け部(101b,102b)と、圧縮空気によって伸張変形して前記受け部(101b,102b)を前記太陽パネル(92a)側に向かって変位させる本体部(101a,102a)とを有し、前記アクチュエータユニット(100)は、圧縮空気を前記開口部(101c,102c)を介して前記空気袋(101,102)の内部の空間へ供給する第1動作と、前記空気袋(101,102)内の空気を前記開口部(101c,102c)を介して前記空気袋(101,102)の外部へ排出する第2動作とを切り替えて行う給排気機構(105)を備えることを特徴とする。
第2の発明では、給排気機構(105)が第1動作を行うと、開口部(101c,102c)を介して空気袋(101,102)内に圧縮空気が給気される。すると、空気袋(101,102)の本体部(101a,102a)が伸張変形して、受け部(101b,102b)が太陽パネル(92a)側に向かって変位する。これにより、受け部(101b,102b)が太陽パネル(92a)を背面側から押し上げるため、太陽パネル(92a)は、空気袋(101,102)の伸張方向へ回動する。一方、給排気機構(105)が第2動作を行うと、空気袋(101,102)内の空気が開口部(101c,102c)を介して外部へ排出される。すると、内圧が低くなった空気袋(101,102)に対して太陽パネル(92a)の荷重が下方向へ作用し、空気袋(101,102)は収縮する。その結果、太陽パネル(92a)は、空気袋(101,102)の受け部(101b,102b)の収縮方向へ回動する。
第3の発明は、第2の発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、前記回転軸(95)を挟むように配置される2つの前記空気袋(101,102)を備えることを特徴とする。
第3の発明では、アクチュエータユニット(100)として、回転軸(95)を挟んで配置される2つの空気袋(101,102)が用いられている。こうすると、一方の空気袋(101)によって太陽パネル(92a)を押し上げて該太陽パネル(92a)を所定方向(第1の方向)へ回動できるとともに、他方の空気袋(102)によって太陽パネル(92a)を押し上げて該太陽パネル(92a)を前記第1の方向とは逆向きの第2の方向へ回動できる。これにより、太陽パネル(92a)が正逆の双方向へ確実に回動される。
第4の発明は、第2の発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、1つの前記空気袋(101)と、前記太陽パネル(92a)に対して、前記空気袋(101)の伸張変形時の回動方向と逆方向の付勢力を作用させる弾性部材(99a,99b)と、を備えることを特徴とする。
第4の発明では、アクチュエータユニット(100)として、1つの空気袋(101)と、該空気袋(101)の伸張変形時の回転方向と逆方向の付勢力を太陽パネル(92a)へ作用させる弾性部材(99a,99b)とが用いられている。こうすると、空気袋(101)によって太陽パネル(92a)を押し上げて該太陽パネル(92a)を所定の方向(第1の方向)へ回動できるとともに、弾性部材(99a,99b)によって太陽パネル(92a)を付勢して該太陽パネル(92a)を前記第1の方向とは逆向きの第2の方向へ回動できる。これにより、太陽パネル(92a)が正逆の双方向へ確実に回動される。
第5の発明は、第4の発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、前記弾性部材(99a,99b)により付勢される前記太陽パネル(92a)を所定の回動角度で保持するように該太陽パネル(92a)の回動を規制するロック機構(170)を備えることを特徴とする。
太陽パネル(92a)が風等の外力を受けると回動位置を保持できない場合がある。これに対して、第5の発明では、太陽パネル(92a)にロック機構(170)を設けているため、太陽パネル(92a)が風等の外力を受けても、所望の回動角度で保持される。
第6の発明は、第2から第5のうちいずれか1つの発明において、前記アクチュエータユニット(100)は、一端が前記太陽パネル(92a)の背面に連結し、他端が前記空気袋(101a,101b)の受け部(101b,102b)に連結するロッド部材(103,104)を備えることを特徴とする。
第6の発明では、太陽パネル(92a)は、ロッド部材(103,104)を介して空気袋(101,102)に支持される。こうすると、太陽パネル(92a)は、空気袋(101,102)が設置された設置面から離れた位置で回動されるため、太陽パネル(92a)が設置面に当たってしまうのを抑制できる。
第7の発明は、第1から第6のうちいずれか1つの発明において、複数の前記太陽パネル(92a,92b)と、回転軸(95)を介して複数の前記太陽パネル(92a,92b)をそれぞれ支持する複数の支持部(94,94,…)と、複数の前記太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応する前記アクチュエータユニット(100)と、複数の前記太陽パネル(92a,92b)が互いに同じ回動角度となるように各太陽パネル(92a,92b)を互いに連結するリンク機構(98)と、を備えることを特徴とする。
第7の発明では、複数の太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応して設けられるアクチュエータユニット(100)によって該太陽パネル(92a)が駆動されると、その他の太陽パネル(92b)も該太陽パネル(92a)と同じ回動角度となるようにリンク機構(98)によって動作させられる。これにより、全ての太陽パネル(92a,92b)が連動して回動する。
第8の発明は、給湯システムを対象とし、請求項1乃至7のいずれか1の発明のアクチュエータユニット(100)と、上記水道水が供給される水流路(20)に接続される給湯タンク(30)と、上記アクチュエータユニット(100)の太陽パネルユニット(90)で発電された電力が供給されて、上記給湯タンク(30)内の水を加熱する熱源ユニット(10a)とを備えたことを特徴とする。
上記第1の発明によれば、太陽パネル(92a)を回動させるためのアクチュエータユニット(100)に空気袋(101,102)を用いている。空気袋(101,102)は、空気圧によって伸縮する中空状に形成されるため、空気袋(101,102)を、例えばゴム等の比較的軽い材料で構成することができる。これにより、アクチュエータユニット(100)を軽量化できる。しかも、太陽パネル(92a)は、回転軸(95)を介して支持されるため、太陽パネル(92a)の一部分に空気袋(101,102)の変形に伴う力を作用させるだけで、太陽パネル(92a)を回転軸(95)の軸周りに確実に回動させることができる。しかも、太陽パネル(92a)は支持部(94)によって支持されるため、空気袋(101,102)に作用する荷重は小さくなる。従って、空気袋(101,102)内に作用させる内圧が小さくても、太陽パネル(92a)を回動できる。
また、上記第2の発明によれば、給排気機構(105)の切換に伴い空気袋(101,102)を伸縮変形させることで、太陽パネル(92a)を双方向へ回動できる。
また、上記第3の発明によれば、2つの空気袋(101,102)を回転軸(95)を挟んで配置しているため、太陽パネル(92a)をより確実に双方向へ回動できる。
また、上記第4の発明によれば、1つの空気袋(101)と、該空気袋(101)の伸張方向と逆方向の付勢力を作用させる弾性部材(99a,99b)とを設けているため、、太陽パネル(92a)をより確実に双方向へ回動できる。
また、上記第5の発明によれば、ロック機構(170)により、太陽パネル(92a)に風等の外力が作用しても、該太陽パネル(92a)を所望の回動角度に保持できる。
また、上記第6の発明によれば、太陽パネル(92a)をアクチュエータユニット(100)の設置面から離れた位置で支持できるため、太陽パネル(92a)が回動可能な領域を確保できる。
また、上記第7の発明によれば、1つのアクチュエータユニット(100)で複数の太陽パネル(92a,92b)を同じ回動角度となるように回動できる。これにより、太陽パネルユニットの簡素化を図ることができる。
図1は、実施形態1に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図2は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの概略構成図である。
図3は、実施形態1に係る加圧ユニットの概略構成図であり、図3(A)は水加圧室の容積が拡大した状態の一例であり、図3(B)は水加圧室の容積が縮小した状態の一例である。
図4は、実施形態1に係る太陽パネルユニットの概略図であって、屋根に取り付けられた状態の斜視図である。
図5は、実施形態1に係る太陽パネルユニットの取付ユニットの構造を説明する図である。
図6は、図4におけるVI−VI断面図である。
図7は、図4におけるA方向から視た矢視図であり、太陽パネルが東側を向いた状態の一例である。
図8は、図4におけるA方向から視た矢視図であり、太陽パネルが南側を向いた状態の一例である。
図9は、図4におけるA方向から視た矢視図であり、太陽パネルが西側を向いた状態の一例である。
図10は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの初回の第1動作を、図10(A)、図10(B)、及び図10(C)の順に説明するための概略構成図である。
図11は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの第2動作を、図11(A)、図11(B)、及び図11(C)の順に説明するための概略構成図である。
図12は、実施形態1に係る空気圧縮ユニットの第1動作を、図12(A)、図12(B)、及び図12(C)の順に説明するための概略構成図である。
図13は、実施形態2における図6相当図である。
図14は、実施形態2における図7相当図である。
図15は、実施形態2における図8相当図である。
図16は、実施形態2における図9相当図である。
図17は、実施形態3に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図18は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの概略構成図である。
図19は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの初回の第1動作を、図19(A)、図19(B)、及び図19(C)の順に説明するための概略構成図である。
図20は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの第2動作を、図20(A)、図20(B)、及び図20(C)の順に説明するための概略構成図である。
図21は、実施形態3に係る空気圧縮ユニットの第1動作を、図21(A)、図21(B)、及び図21(C)の順に説明するための概略構成図である。
図22は、実施形態4に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図23は、実施形態4に係るエジェクタ方式の加圧機構の縦断面図である。
図24は、実施形態5に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図25は、実施形態6に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図26は、実施形態7に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図27は、実施形態8に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図28は、実施形態9に係る給湯システムの全体構成を示す系統図である。
図29は、実施形態10に係る給湯システムの加圧ユニットの概略構成図であり、図29(A)は第1動作中の加圧ユニットを示し、図29(B)は第2動作中の加圧ユニットを示している。
図30は、その他の実施形態に係るアクチュエータユニットの構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。実施形態1に係る給湯システム(S)は、一般家屋等に適用されている。給湯システム(S)は、図1に示すように、温水を所定の利用対象へ供給する給湯ユニット(10)と、太陽光によって発電を行う太陽光発電ユニット(90)を有している。
〈給湯ユニット〉
給湯ユニット(10)は、水道水を利用対象へ供給する給水システムであって、いわゆるヒートポンプ式の給湯器を構成している。給湯ユニット(10)は、水源となる水道管側の水を加熱して温水を生成し、この温水をシャワー(2)や浴槽(図示省略)等の利用対象へ供給する。給湯ユニット(10)は、水を加熱するための熱源となる熱源ユニット(10a)と、水道水が流れる配管内に形成される水流路(20)と、温水を貯留するための貯湯タンク(30)とを有している。
熱源ユニット(10a)は、圧縮機(11)、水熱交換器(12)、膨張弁(13)、及び室外熱交換器(14)を有している。熱源ユニット(10a)では、各構成機器(11,12,13,14)が冷媒配管を介して互いに接続されることで、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成される。冷媒回路(15)には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。冷媒回路(15)では、冷媒が臨界圧力以上まで圧縮される、いわゆる超臨界サイクルが行われる。
圧縮機(11)は、例えばスクロール圧縮機で構成されている。圧縮機(11)は、モータの回転数(運転周波数)が可変なインバータ式である。水熱交換器(12)は、第1内部流路(12a)と、第2内部流路(12b)とを有している。第1内部流路(12a)は、冷媒回路(15)に接続され、第2内部流路(12b)は水流路(20)に接続されている。水熱交換器(12)では、第1内部流路(12a)を流れる冷媒と、第2内部流路(12b)を流れる水とが、熱交換する。膨張弁(13)は、開度が調整可能な電子膨張弁で構成されている。
室外熱交換器(14)は、室外に設置されている。室外熱交換器(14)は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器である。室外熱交換器(14)の近傍には、室外ファン(16)が設けられている。室外熱交換器(14)では、室外ファン(16)が送風する室外空気と、冷媒とが熱交換する。
貯湯タンク(30)は、縦長の中空状の密閉容器で構成されている。貯湯タンク(30)は、円筒形の胴部(30a)と、この胴部(30a)の上端を閉塞する頂部(30b)と、胴部(30a)の下端を閉塞する底部(30c)とを有している。
水流路(20)は、流入端が水道管側に接続され、流出端がシャワー(2)等の利用対象と接続されている。なお、水流路(20)の流出端は、複数の分岐しており、図示しない浴槽等にも接続している。水流路(20)は、給水路(21)、加熱循環流路(22)、及び供給路(23)を有している。
給水路(21)は、上水道管側の水道水を貯湯タンク(30)へ供給するための流路である。給水路(21)は、流入端が上水道管と繋がり、流出端が貯湯タンク(30)の内部と繋がっている。給水路(21)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して、貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。給水路(21)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、止水弁(31)、空気圧縮ユニット(50)、減圧弁(32)、第1逆止弁(CV1)が接続されている。
止水弁(31)は、水の流通を禁止可能な開閉弁である。空気圧縮ユニット(50)は、水道水の圧力を利用して空気を圧縮するものである。空気圧縮ユニット(50)の詳細な構造は後述する。減圧弁(32)は、水道水の圧力を低減させる減圧機構を構成している。これにより、水流路(20)では、減圧弁(32)の上流側の圧力(例えば0.5MPa)よりも、減圧弁(32)の下流側の圧力(例えば0.17MPa)が低くなり、貯湯タンク(30)の耐圧が確保されている。即ち、減圧弁(32)は、貯湯タンク(30)の内圧が所定の耐圧制限値を越えないように、貯湯タンク(30)側の水道水の圧力を低減している。第1逆止弁(CV1)は、減圧弁(32)側から貯湯タンク(30)側へ向かう方向(図1の矢印で示す方向)の水の流れを許容し、その逆方向の水の流れを禁止する。
空気圧縮ユニット(50)は、図2に示すように、水流路切換部(51)、空気流路切換部(52)、弁制御部(59)、及び空気圧縮機(60)を有している。
水流路切換部(51)は、第1から第4までのポートを有する四方切換弁で構成されている。水流路切換部(51)では、第1ポートが空気圧縮機(60)の第1水ポート(53)と接続し、第2ポートが空気圧縮機(60)の第2水ポート(54)と接続し、第3ポートが止水弁(31)を介して上水道管と接続し、第4ポートが給水路(21)と接続している。水流路切換部(51)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に、第2ポートと第4ポートとを連通させる第1状態(図2の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとを連通させると同時に、第2ポートと第3ポートとを連通させる第2状態(図2の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
空気流路切換部(52)は、第1から第3までのポートを有する三方切換弁で構成されている。空気流路切換部(52)では、第1ポートが空気圧縮機(60)の第1吐出ポート(55)と接続し、第2ポートが空気圧縮機(60)の第2吐出ポート(56)と接続し、第3ポートが空気流路(40)と接続している。空気流路切換部(52)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に第2ポートを遮断する第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2ポートと第3ポートとを連通させると同時に第1ポートを遮断する第2状態(図2の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
弁制御部(59)は、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)を制御するものである。具体的に、弁制御部(59)は、空気圧縮機(60)で第1動作と第2動作とを切り換えて行うように、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)を制御する。より詳細には、弁制御部(59)は、第1動作において、水流路切換部(51)を第1状態とし且つ空気流路切換部(52)を第1状態とする。また、弁制御部(59)は、第2動作において、水流路切換部(51)を第2状態とし且つ空気流路切換部(52)を第2状態とする。これらの第1動作と第2動作との詳細は後述する。
実施形態1の空気圧縮機(60)は、筒状の1つのシリンダ部材(61)と、このシリンダ部材(61)の内部に進退自在に収容される1つのピストン部材(63)を有している。シリンダ部材(61)は、中空円筒状に形成されている。シリンダ部材(61)は、筒状胴部(61a)と、筒状胴部(61a)の軸方向の一端を閉塞する第1閉塞部(61b)と、筒状胴部(61a)の軸方向の他端を閉塞する第2閉塞部(61c)とを有している。
シリンダ部材(61)の内部には、軸方向の中間部位に仕切部(62)が設けられている。この仕切部(62)により、シリンダ部材(61)の内部は、第1閉塞部(61b)側寄りの第1シリンダ室(C1)と、第2閉塞部(61c)側寄りの第2シリンダ室(C2)とに仕切られている。
ピストン部材(63)は、第1シリンダ室(C1)に収容される第1ピストン部(64)と、第2シリンダ室(C2)に収容される第2ピストン部(65)と、両者のピストン部(64,65)を連結する1本のピストンロッド(66)とを有している。第1ピストン部(64)及び第2ピストン部(65)は、互いに同じ外径となる円板状に形成されている。ピストンロッド(66)は、仕切部(62)に形成された貫通口(62a)を貫通して両者のピストン部(64,65)を連結している。ピストンロッド(66)は、各ピストン部(64,65)よりも小径に形成され、シリンダ部材(61)の軸心と同軸となって軸方向に延びている。
第1ピストン部(64)は、第1シリンダ室(C1)を第1受水室(W1)と第1空気室(A1)とに区画している。第1受水室(W1)は、第1閉塞部(61b)と第1ピストン部(64)との間に形成されている。第1空気室(A1)は、第1ピストン部(64)と仕切部(62)との間に形成されている。つまり、第1シリンダ室(C1)では、第1空気室(A1)が第1受水室(W1)よりも仕切部(62)寄りに位置している。
第2ピストン部(65)は、第2シリンダ室(C2)を第2受水室(W2)と第2空気室(A2)とに区画している。第2受水室(W2)は、第2閉塞部(61c)と第2ピストン部(65)との間に形成されている。第2空気室(A2)は、第2ピストン部(65)と仕切部(62)との間に形成されている。つまり、第2シリンダ室(C2)では、第2空気室(A2)が第2受水室(W2)よりも仕切部(62)寄りに位置している。
第1受水室(W1)には、第1水ポート(53)が接続している。第1空気室(A1)には、第1吐出ポート(55)と第1吸入ポート(57)とが接続している。第2受水室(W2)には、第2水ポート(54)が接続している。第2空気室(A2)には、第2吐出ポート(56)と第2吸入ポート(58)とが接続している。第1吸入ポート(57)と第2吸入ポート(58)の各流入端は、室内や室外等の空気中(大気中)に開口している。
各吸入ポート(57,58)の内部には、弁座部(57a,58a)、ボール弁(57b,58b)、及びバネ部(57c,58c)がそれぞれ設けられている。ボール弁(57b,57b)は、弁座部(57a,58a)よりも流入側に配置され、バネ部(57c,58c)によって弁座部(57a,58a)側に付勢されている。弁座部(57a,58a)、ボール弁(57b,58b)、及びバネ部(57c,58c)は、各空気室(A1,A2)内の空気が各吸入ポート(57,58)を通じてシリンダ部材(61)の外部へ流出するのを禁止する逆止弁を構成している。
各吐出ポート(55,56)の内部には、弁座部(55a,56a)、ボール弁(55b,56b)、及びバネ部(55c,56c)がそれぞれ設けられている。ボール弁(55b,56b)は、弁座部(55a,55a)よりも流出側に配置され、バネ部(57c,58c)によって弁座部(57a,58a)側に付勢されている。弁座部(55a,56a)、ボール弁(55b,56b)、及びバネ部(55c,56c)は、空気室(A1,A2)の内圧が所定圧力以上となると、吐出ポート(55,56)を開放する吐出弁を構成している。
各ピストン部(64,65)では、各受水室(W1,W2)側に臨む受圧面Sw1,Sw2の面積が、空気室(A1,A2)に臨む増圧面Sa1,Sa2の面積よりも大きくなっている。具体的に、第1ピストン部(64)には、第1空気室(A1)側の端面にピストンロッド(66)が設けられている。このため、第1ピストン部(64)では、第1受水室(W1)側に面する部位の面積(即ち、受圧面Sw1の面積)が、第1空気室(A1)側に面する部位の面積(即ち、増圧面Sa1の面積)よりも、ピストンロッド(66)の軸直角断面の面積の分だけ小さくなっている。同様に、第2ピストン部(65)では、第2空気室(A2)側の端面にピストンロッド(66)が設けられている。このため、第2ピストン部(65)では、第2受水室(W2)側に面する部位の面積(即ち、受圧面Sw2の面積)が、第2空気室(A2)側に面する部位の面積(即ち、増圧面Sa2の面積)よりも、ピストンロッド(66)の軸直角断面の面積の分だけ小さくなっている。
加熱循環流路(22)は、貯湯タンク(30)内の水を循環させながら、この水を加熱するための流路である。加熱循環流路(22)の流入側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。加熱循環流路(22)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の頂部(30b)を貫通して貯湯タンク(30)内の頂部(30b)の近傍に開口している。貯湯タンク(30)の内部では、加熱循環流路(22)の流入端が、該加熱循環流路(22)の流出端よりも低い位置となっている。
加熱循環流路(22)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、排水用三方弁(33)、第1循環ポンプ(34)、及び三方切換弁(35)が接続されている。また、加熱循環流路(22)には、第1循環ポンプ(34)と三方切換弁(35)の間に、上述した水熱交換器(12)の第2内部流路(12b)が接続されている。
排水用三方弁(33)は、3つのポートを有し、これらのうちの2つのポートが加熱循環流路(22)と繋がり、残りのポートが排水路(24)と接続している。排水路(24)は、下水道管に繋がっている。排水用三方弁(33)は、通常は加熱循環流路(22)を開放する状態に保持される。第1循環ポンプ(34)は、例えば遠心式あるいは容積式の水ポンプである。
三方切換弁(35)は、第1ポートから第3までのポートを有している。三方切換弁(35)では、第1ポートが加熱循環流路(22)の上流側と繋がり、第2ポートが加熱循環流路(22)の下流側と繋がり、第3ポートがバイパス路(25)と繋がっている。三方切換弁(35)は、第1ポートと第2ポートとを連通させて第3ポートを遮断する状態(図1の実線で示す状態)と、第2ポートと第3ポートとを連通させて第1ポートを遮断する状態(図1の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。バイパス路(25)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して、貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。
供給路(23)は、貯湯タンク(30)内の温水をシャワー(2)等の利用対象へ供給するための流路である。供給路(23)の流入端は、貯湯タンク(30)の内部と連通している。貯湯タンク(30)の流出端は加圧ユニット(70)を介してシャワー(2)と連通している。なお、図示は省略するが、供給路(23)の流出端は、複数の分岐してシャワー(2)以外の他の利用対象(例えば浴槽)にも接続されている。
供給路(23)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、第2逆止弁(CV2)及び給湯混合弁(36)が接続されている。第2逆止弁(CV2)は、貯湯タンク(30)側から給湯混合弁(36)へ向かう方向(図1の矢印で示す方向)の水の流れを許容し、その逆方向の水の流れを禁止する。
給湯混合弁(36)は、3つのポートを有し、そのうちの2つのポートが供給路(23)と繋がり、残りのポートが分岐路(26)の一端と繋がっている。分岐路(26)の他端は、給水路(21)における減圧弁(32)の下流側と繋がっている。分岐路(26)には、第3逆止弁(CV3)が設けられている。第3逆止弁(CV-3)は、給水路(21)側から給湯混合弁(36)側へ向かう方向(図1の矢印で示す方向)の水の流れを許容し、その逆方向の水の流れを禁止する。給湯混合弁(36)は、各ポートの開度をそれぞれ調整可能に構成されている。これにより、給湯混合弁(36)は、給水路(21)側から送られる水と、貯湯タンク(30)側から送られる水の混合量(混合比)を調整できる。この混合比を調整することで、供給路(23)からシャワー(2)へ供給される水の温度を調節できる。
供給路(23)には、第2逆止弁(CV2)の上流側に逃がし流路(27)の一端が繋がっている。逃がし流路(27)の他端は、下水道と繋がっている。逃がし流路(27)には、リリーフ弁(37)が接続されている。リリーフ弁(37)は、貯湯タンク(30)内の圧力を所定値以下に抑えるものである。即ち、貯湯タンク(30)では、水の蒸発に起因して内圧が過剰に高くなることがある。このようにして貯湯タンク(30)の内圧が所定の圧力(例えば0.19MPa)を越えると、リリーフ弁(37)が一時的に開放される。その結果、貯湯タンク(30)内の水蒸気が下水道側へ排出され、貯湯タンク(30)の内圧が所定の圧力以下に抑えられる。
水流路(20)は、冷却循環流路(28)を更に有している。冷却循環流路(28)は、貯湯タンク(30)の水を循環させながら、パワーコンディショナ(115)の発熱部品(詳細は後述する)を冷却するための流路である。冷却循環流路(28)の流入側の配管は、貯湯タンク(30)の底部(30c)を貫通して貯湯タンク(30)内の底部(30c)の近傍に開口している。冷却循環流路(28)の流出側の配管は、貯湯タンク(30)の頂部(30b)を貫通して貯湯タンク(30)の内部まで延びている。貯湯タンク(30)の流出端は、貯湯タンク(30)の軸方向(高さ方向)の中間部に位置している。貯湯タンク(30)の内部では、冷却循環流路(28)の流入端が、該冷却循環流路(28)の流出端よりも低い位置となっている。また、貯湯タンク(30)の内部では、冷却循環流路(28)の流入端が、加熱循環流路(22)の流出端よりも低い位置となっている。
冷却循環流路(28)には、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、第2循環ポンプ(38)及びウォータージャケット(39)が接続されている。第2循環ポンプ(38)は、例えば遠心式あるいは容積式の水ポンプである。
ウォータージャケット(39)は、冷却循環流路(28)を流れる水によってパワーコンディショナ(115)の発熱部品を冷却する冷却部を構成している。ウォータージャケット(39)は、伝熱部材となるジャケット部(39a)と、該ジャケット部(39a)内に形成される冷却水路(39b)とを有している。ジャケット部(39a)は、例えば扁平な矩形柱状に形成され、アルミニウム等の伝熱性の高い材料で構成されている。ジャケット部(39a)の厚さ方向の一端面には、パワーコンディショナ(115)の発電部品の放熱部(115a)が接触する。冷却水路(39b)は、冷却循環流路(28)に接続されている。
給湯ユニット(10)は、空気流路(40)、蓄圧タンク(41)、三方切換機構(42)、及び加圧ユニット(70)を備えている。空気流路(40)は、空気圧縮ユニット(50)で圧縮した空気が流れる流路である。空気流路(40)は、主給気路(43)、第1給気路(44)、及び第2給気路(45)を有している。主給気路(43)の流入端は、空気圧縮ユニット(50)の吐出側と連通している。主給気路(43)の流出端は、三方切換機構(42)の第1ポートに接続している。第1給気路(44)の流入端は、三方切換機構(42)の第2ポートに接続している。第1給気路(44)の流出端は、加圧ユニット(70)に接続している。第2給気路(45)の流入端は、三方切換機構(42)の第3ポートに接続している。第2給気路(45)の流出端は、太陽光発電ユニット(90)の空気袋(101,102)側と連通している。
蓄圧タンク(41)は、主給気路(43)に接続されている。蓄圧タンク(41)は、中空密閉式の容器である。蓄圧タンク(41)には、空気圧縮ユニット(50)で圧縮された空気が貯められる。蓄圧タンク(41)には、空気逃がし流路(46)の一端が接続されている。空気逃がし流路(46)の他端は、大気に開口している。空気逃がし流路(46)には、蓄圧タンク(41)の圧力を所定の圧力に維持するように開閉する空気逃がし弁(47)が設けられている。
三方切換機構(42)は、第1ポートから第3までのポートを有し、空気流路(40)の空気流れを切り換えるものである。三方切換機構(42)は、第1ポートと第2ポートとを連通させて第3ポートを遮断する状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとを連通させて第2ポートを遮断する状態(図1の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
加圧ユニット(70)は、圧縮空気を駆動源として、シャワー(2)の吐出水を加圧するものである。加圧ユニット(70)は、ダイヤフラム式の加圧機構で構成されている。加圧ユニット(70)は、図3(A)及び図3(B)に示すように、中空の箱状のケーシング(71)を有している。ケーシング(71)は、筒状のケース本体部(71a)と、該ケース本体部(71a)の一端側を閉塞する第1壁部(71b)と、該ケース本体部(71a)の他端側を閉塞する第2壁部(71c)とを有している。
第1壁部(71b)には、吸入水ポート(72)と吐出水ポート(73)とが接続されている。吸入水ポート(72)の流入端は、給湯ユニット(10)の供給路(23)と接続している。吸入水ポート(72)の流出端は、第1壁部(71b)を貫通して該ケーシング(71)の内部に臨んでいる。吐出水ポート(73)の流入端は、第1壁部(71b)を貫通して該ケーシング(71)の内部に臨んでいる。吐出水ポート(73)の流出端は、シャワー(2)の流入端と接続している。
第2壁部(71c)には、空気吸入ポート(74)が接続されている。空気吸入ポート(74)の流入端は、第1給気路(44)と接続している。空気吸入ポート(74)の流出端は、第1壁部(71b)を貫通してケーシング(71)の内部に臨んでいる。
加圧ユニット(70)は、ダイヤフラム部(75)と、このダイヤフラム部(75)を駆動するダイヤフラム駆動機構(80)とを備えている。ダイヤフラム部(75)は、ケーシング(71)の内部における第1壁部(71b)寄りに配置されている。ダイヤフラム部(75)は、中央部が外周部と比較して柔軟に形成される略椀形状に形成されている。ダイヤフラム部(75)の外周縁部は、ケース本体部(71a)の内周壁に固定されている。これにより、ケーシング(71)の内部の空間は、水加圧室(76)と空気導入室(77)とに区画される。水加圧室(76)は、ダイヤフラム部(75)と第1壁部(71b)との間に形成され、吸入水ポート(72)及び吐出水ポート(73)と連通している。空気導入室(77)は、ダイヤフラム部(75)と第2壁部(71c)との間に形成され、空気吸入ポート(74)と連通している。なお、ケーシング(71)には、空気導入室(77)に流入した圧縮空気をケーシング(71)の外部に排出するための排出口(図示省略)が形成されている。
ダイヤフラム駆動機構(80)は、空気導入室(77)に収容されている。ダイヤフラム駆動機構(80)は、羽根車(81)、出力軸(82)、直動変換機構(83)、従動ロッド部(84)、及び固定部材(85)を有している。羽根車(81)は、空気吸入ポート(74)の流出端の近傍に配置されている。羽根車(81)は、空気吸入ポート(74)から吐出される圧縮空気によって回転駆動される。出力軸(82)は、羽根車(81)の軸心に連結している。出力軸(82)は、軸受部(図示省略)に回転自在に支持されている。直動変換機構(83)は、出力軸(82)の回転運動を従動ロッド部(84)の直線的な往復運動に変換するものである。直動変換機構(83)は、例えばスコッチ・ヨーク機構等、種々の変換機構を採用することができる。従動ロッド部(84)は、出力軸(82)によって駆動されて、ケース本体部(71a)の軸方向に進退する。固定部材(85)は、一端側の面に従動ロッド部(84)の先端部が固定されている。固定部材(85)の他端の面には、ダイヤフラム部(75)の中央部が固定されている。これにより、従動ロッド部(84)が往復運動を行うと、固定部材(85)と共にダイヤフラム部(75)の中央部が変位する。その結果、ダイヤフラム部(75)の形状が図3(A)、図3(B)のように変形し、水加圧室(76)の容積が変化する。その結果、水加圧室(76)の水が所定の圧力に加圧される。
吸入水ポート(72)の内部には、弁座部(72a)、ボール弁(72b)、及びバネ部(72c)が設けられている。ボール弁(72b)は、弁座部(72a)よりも流出側に配置され、バネ部(72c)によって弁座部(72a)側に付勢されている。弁座部(72a)、ボール弁(72b)、及びバネ部(72c)は、シャワー(2)側から供給路(23)側への水の流出を禁止する逆止弁として機能する。
吐出水ポート(73)の内部には、弁座部(73a)、ボール弁(73b)、及びバネ部(73c)が設けられている。ボール弁(73b)は、弁座部(73a)よりも流入側に配置され、バネ部(73c)によって弁座部(73a)側に付勢されている。弁座部(73a)、ボール弁(73b)、及びバネ部(73c)は、水加圧室(76)の内圧が所定圧力以上となると吐出水ポート(73)を開放する吐出弁を構成している。
〈太陽光発電ユニット〉
太陽光発電ユニット(90)は、太陽光により直流電力を発生させる太陽パネルユニット(91)と、太陽パネルユニット(91)を屋根(R)等に取り付けるための取付ユニット(160)と、太陽パネルユニット(91)で発電した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ(115)とを備えている。
太陽パネルユニット(91)は、複数の太陽パネル(92a,92b)と、太陽パネル駆動機構(93)とを備えている。
複数の太陽パネル(92a,92b)は、図4に示すように、一般家屋等の屋根(R)に整列されて設置されている。各太陽パネル(92a,92b)は略板状に形成され、その上側に太陽光の受光面(92c)を形成している。太陽パネル(92a,92b)は、太陽光を受光面(92c)に受けることによって、直流電力を発生する。
太陽パネル駆動機構(93)は、複数の太陽パネル(92a,92b)を太陽光に向かうように駆動させるためのものである。太陽パネル駆動機構(93)は、複数の柱部(94,94,…)を備えている。これらの柱部(94)は、取付ユニット(160)によって屋根(R)に対して固定され、複数の太陽パネル(92a,92b)を回転自在に支持している。この太陽パネル駆動機構(93)の構成については、詳しくは後述する。
取付ユニット(160)は、太陽パネル(92a,92b)及び太陽パネル駆動機構(93)を、屋根(R)に取り付けるためのものである。具体的には、取付ユニット(160)は、図4及び図5に示すように、複数のラック部材(161,161,…)と、複数の金具部材(162,162,…)とを備えている。
ラック部材(161)は、複数の太陽パネル(92a,92b)を屋根(R)上に整列して配列させるためのものである。ラック部材(161)は、アルミニウム等の比較的軽い金属材料等により直線状に延びるように形成され、屋根(R)の傾斜に沿って概ね南北方向に延びるように配置されている。各ラック部材(161)は、等間隔をおいて互いに平行になるように配置されている。各ラック部材(161)には、ねじ(170)を挿通させるための貫通穴(161a)が、所定の間隔をおいて上下方向に貫通している。
金具部材(162)は、前記ラック部材(161)を屋根(R)に取り付けるための取付部材を構成している。金具部材(162)は、平板状に形成される取付部(163)と、該取付部(163)の一端から該取付部(163)と略直角方向に延びる支持部(164)とが一体化されて形成されている。前記支持部(164)の先端は、前記取付部(163)とは反対側に折曲されている。取付部(163)の先端には、ねじ(171)を挿通させるための貫通穴(163a)が形成されている。また、支持部(164)の先端にも、ねじ(170)を挿通させるための貫通穴(164a)が形成されている。金具部材(162)の取付部(163)は、支持部(164)が上方を向くように、屋根(R)と瓦(T)との間の空間に配置された状態で、屋根(R)に固定された台座部(165)にねじ(171)により締結されている。
図1に示すパワーコンディショナ(115)は、太陽パネル(92a,92b)で発電した直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を所定の電力供給対象へ送るものである。パワーコンディショナ(115)は、インバータ回路、フィルタ回路、昇圧回路等を有し、これらの回路に含まれる複数のパワー素子(スイッチング素子等)やリアクタンス等が発熱部品を構成している。パワーコンディショナ(115)には、発熱部品の熱を放出するための放熱部(115a)が設けられている。この放熱部(115a)は、上述したウォータージャケット(39)に接触して配置されている。
〈太陽パネル駆動機構の構成〉
太陽パネル駆動機構(93)は、上述のように、複数の太陽パネル(92a,92b)を太陽光に向かうように駆動させるためのものである。太陽パネル駆動機構(93)は、図4から図7に示すように、前記複数の柱部(94,94,…)と、複数の回転軸(95,95,…)と、複数の取付板(96,96,…,97,97,…)と、アクチュエータユニット(100)とを備えている。各太陽パネル(92a,92b)には、該太陽パネル(92a,92b)を支持する一対の柱部(94)と、該柱部(94)に回転自在に支持される回転軸(95)と、各太陽パネル(92a,92b)に連結する4枚の取付板(96,97)とが対応している。
各柱部(94)は、上下に縦長の矩形柱状に形成されている。柱部(94)は、回転軸(95)を介して太陽パネル(92a,92b)を支持する支持部を構成している。各柱部(94)の下端部には、ねじ(170)を締結するためのねじ穴(94b)が軸方向に延びるように形成されている。一対の柱部(94,94)は、所定の間隔をおいて屋根(R)に立設している。具体的には、一対の柱部(94,94)は、該一対の柱部(94,94)のねじ穴(94b,94b)が、取付ユニット(160)のラック部材(161)の貫通穴(161a)及び金具部材(162)の貫通穴(163a)と重なった状態で、ねじ(170)によって締結されている。これにより、一対の柱部(94,94)を、屋根(R)上においてずれることなく所定の位置に設置することができる。しかも、柱部(94)は、ラック部材(161)のうち背面が金具部材(162)によって支持される部分に設置されているため、ラック部材(161)が柱部(94)の荷重によって変形してしまうのを抑制できる。その結果、ラック部材(161)を比較的軽量な材料で構成できるため、屋根(R)にかかる荷重を軽減することができる。
柱部(94)の上端部には、回転軸(95)を回転自在に支持する軸受部(94a)が形成されている。回転軸(95)は、柱部(94)に跨るように屋根(R)と平行に延びている。
4枚の取付板(96,97)は、各太陽パネル(92a,92b)の下端部に固定されている。具体的には、一対の柱部(94)の外側には一対の外側取付板(96)が設けられている。これらの外側取付板は、下側(図6における左側)に位置する第1外側取付板(96a)と、上側(図6における右側)に位置する第2外側取付板(96b)とで構成されている。また、一対の柱部(94)の内側には一対の内側取付板(97)が設けられている。これらの内側取付板(97)は、下側寄りに位置する第1内側取付板(97a)と、上側寄りに位置する第2内側取付板(97b)とで構成されている。
第1外側取付板(96a)には、回転軸(95)の軸方向に突出する突出部(96c)が形成されている。この突出部(96c)は、各太陽パネル(92a,92b)の側端よりも外方へ位置するように形成されている。突出部(96c)は、回転軸(95)の軸方向から視て、該回転軸(95)からずれた位置に形成されている。
アクチュエータユニット(100)は、一対の空気袋(101,102)と、該空気袋(101,102)に連結する一対のロッド部材(103,104)とを有している。アクチュエータユニット(100)は、複数の太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応して設けられている。具体的には、アクチュエータユニット(100)は、実施形態1では、東西方向(図4における左右方向)に配列される3つの太陽パネル(92a,92b)のうちの中央に配置される太陽パネル(92a)の背面側に取り付けられている。なお、以下において、太陽パネルのうちアクチュエータユニット(100)が取り付けられている太陽パネルを駆動側太陽パネル(92a)、アクチュエータユニット(100)が取り付けられていない太陽パネル(図4における両側の太陽パネル)を被駆動側太陽パネル(92b)と呼ぶ場合もある。
一対の空気袋(101,102)は、屋根(R)に敷設される台座部(113)の上側に設置される。一対の空気袋(101,102)は、第1内側取付板(97a)の下方に配置される第1空気袋(101)と、第2内側取付板(97b)の下方に配置される第2空気袋(102)とで構成されている。また、両者の空気袋(101,102)は、柱部(94)に支持される回転軸(95)を挟むように配置されている。本実施形態では、第1空気袋(101)が第2空気袋(102)よりも西側寄りに配置されている。一対の空気袋(101,102)は、可撓性を有し且つ比較的軽いゴム等の材料で構成され、比較的膜厚の薄い中空状に形成されている。
各空気袋(101,102)は、その内圧の変化によって伸縮変形する本体部(101a,102a)と、該本体部(101a,102a)の伸縮変形に伴い駆動側太陽パネル(92a)と垂直な方向に変位する受け部(101b,102b)とを有している。つまり、受け部(101b,102b)は、本体部(101a,102a)が伸張することで駆動側太陽パネル(92a)側に変位し、本体部(101a,102a)が収縮することで屋根(R)側に変位する。また、各空気袋(101,102)には、それぞれ給排気口(101c,102c)が設けられている。これらの給排気口(101c,102c)は、各空気袋(101,102)の内部の空間と各空気袋(101,102)の外部の空間とを連通させるための開口部を構成している。
一対のロッド部(103,104)は、第1空気袋(101)と第1内側取付板(97a)とを連結する第1ロッド部(103)と、第2空気袋(102)と第2内側取付板(97b)とを連結する第2ロッド部(104)とで構成されている。具体的に、第1ロッド部(103)は、長手方向の一端が第1空気袋(101)の受け部(101b)の上端部に軸部(103a)を介して連結し、長手方向の他端が第1内側取付板(97a)に軸部(103b)を介して連結している。同様に、第2ロッド部(104)は、長手方向の一端が第2空気袋(102)の受け部(102b)の上端部に軸部(104a)を介して連結し、長手方向の他端が第2内側取付板(97b)に軸部(104b)を介して連結している。各ロッド部(103,104)は、対応する空気袋(101,102)及び対応する内側取付板(97a,97b)に対して回動自在に連結されている。このような構成により、駆動側太陽パネル(92a)の自重が各ロッド部(103,104)を介して各空気袋(101,102)に作用する。つまり、各空気袋(101,102)の各受け部(101b,102b)は、駆動側太陽パネル(92a)を背面側から支持している。上述のように各ロッド部(103,104)を介して駆動側太陽パネル(92a)を支持することにより、駆動側太陽パネル(92a)を屋根(R)から離した位置で回動できるため、太陽パネル(92a,92b)が回動できる領域が確保される。
太陽パネル駆動機構(93)は、図7に示すように、リンク部材(98)を備えている。リンク部材(98)は、複数の太陽パネル(92a,92b)が互いに同じ回動角度となるように各太陽パネル(92a,92b)を互いに連結するリンク機構を構成している。
リンク部材(98)は、東西方向に配列される3枚の太陽パネル(92a,92b)の側端同士を連結するように、直線状に延びるように形成されている。リンク部材(98)には、各太陽パネル(92a,92b)に取り付けられた第1外側取付板(96a)の突出部(96c)に対応する位置に軸受穴(98a)が形成され、各軸受穴(98a)に対応する各突出部(96c)が挿通される。各軸受穴(98a)の内径は、各突出部(96c)に対して回転自在な大きさに形成されている。
太陽パネル駆動機構(93)は、各空気袋(101,102)の内圧を変化させるための給排気機構(105)を備えている。給排気機構(105)は、第1空気袋側流路(106)と、第2空気袋側流路(107)とを有している。
第1空気袋側流路(106)は、第1中継流路(106a)、第1給排気流路(106b)、及び第1排出路(106c)を有している。また、第1空気袋側流路(106)には、第1から第3のポートを有する第1給排気切換弁(108)が設けられている。同様に、第2空気袋側流路(107)は、第2中継流路(107a)、第2給排気流路(107b)、及び第2排出路(107c)を有している。また、第2空気袋側流路(107)には、第1から第3のポートを有する第2給排気切換弁(109)が設けられている。
第1中継流路(106a)の流入端は、給湯ユニット(10)の第2給気路(45)と接続している。第1中継流路(106a)の流出端は、第1給排気切換弁(108)の第1ポートと接続している。第1給排気流路(106b)の一端は、第1給排気切換弁(108)の第2ポートと接続している。第1給排気流路(106b)の他端は、第1空気袋(101)の給排気口(101c)と接続している。第1排出路(106c)の流入端は、第1給排気切換弁(108)の第3ポートと接続している。第1排出路(106c)の流出端は、外気側(大気圧側)に開口している。
第2中継流路(107a)の流入端は、給湯ユニット(10)の第2給気路(45)と接続している。第2中継流路(107a)の流出端は、第2給排気切換弁(109)の第1ポートと接続している。第2給排気流路(107b)の一端は、第2給排気切換弁(109)の第2ポートと接続している。第2給排気流路(107b)の他端は、第2空気袋(102)の給排気口(102c)と接続している。第2排出路(107c)の流入端は、第2給排気切換弁(109)の第3ポートと接続している。第2排出路(107c)の流出端は、外気側(大気圧側)に開口している。
給排気機構(105)は、第1動作と第2動作とを切り替えて行うように構成されている。具体的には、給排気機構(105)が第1動作と行うと、2つの給排気切換弁(108,109)が、第1ポートと第2ポートとを連通させて第3ポートを遮断する第1状態(図6の実線で示す状態)となる。一方、給排気機構(105)が第2動作を行うと、2つの給排気切換弁(108,109)が、第2ポートと第3ポートとを連通させて第1ポートを遮断する第2状態(図6の破線で示す状態)となる。
太陽パネル駆動機構(93)は、角度センサ(110)と日射センサ(111)と太陽パネル制御部(112)とを有している。角度センサ(110)は、回転軸(95)の端部に取り付けられている。角度センサ(110)は、太陽パネル(92a)の角度位置を検出する検出部である。日射センサ(111)は、太陽の方位を検出する検出部である。太陽パネル制御部(112)は、角度センサ(110)及び日射センサ(111)の検出値に基づいて、太陽パネル(92a)の角度を調整するものである。具体的に、太陽パネル制御部(112)は、これらの検出値に応じて第1、第2給排気切換弁(108,109)を切り換えるように構成されている。
−運転動作−
〈基本動作〉
給湯システム(S)の運転時には、上水道水が貯湯タンク(30)に適宜供給され、この貯湯タンク(30)内の水が適宜加熱される。また、貯湯タンク(30)で生成された温水が、シャワー(2)等の利用対象へ適宜供給される。このような、給湯システム(S)の基本動作について図1を参照しながら説明する。
給湯システム(S)の運転時には、上水道管の水が給水路(21)を介して貯湯タンク(30)へ適宜供給される。具体的に、上水道管の水は、空気圧縮ユニット(50)を通過する。この際、空気圧縮ユニット(50)では、水道水の水圧によって空気が圧縮され、この空気が蓄圧タンク(41)に貯留される(詳細は後述する)。空気圧縮ユニット(50)を通過した水は、減圧弁(32)で減圧される。減圧された水は、貯湯タンク(30)の内部に流入する。このように減圧弁(32)で水を減圧することで、貯湯タンク(30)内の圧力も低くなる。よって、貯湯タンク(30)の耐圧を十分に確保できる。
貯湯タンク(30)内の水は、熱源ユニット(10a)によって適宜加熱される。具体的に、貯湯タンク(30)の水を加熱する加熱動作時には、圧縮機(11)、及び室外ファン(16)が運転され、膨張弁(13)の開度が適宜調節される。これにより、冷媒回路(15)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、この冷凍サイクルでは、圧縮機(11)で圧縮された冷媒が、水熱交換器(12)の第1内部流路(12a)で放熱する。放熱した冷媒は、膨張弁(13)で減圧されて室外熱交換器(14)で蒸発し、圧縮機(11)に吸入される。
加熱動作時には、第1循環ポンプ(34)が運転され、三方切換弁(35)が図1の実線で示す状態に切り換えられる。これにより、貯湯タンク(30)内は、加熱循環流路(22)に流入し、水熱交換器(12)の第2内部流路(12b)を流れる。水熱交換器(12)では、第1内部流路(12a)を流れる冷媒の熱が、第2内部流路(12b)を流れる水に付与される。これにより、第2内部流路(12b)を流れる水が所定温度まで加熱される。第2内部流路(12b)で加熱された水は、貯湯タンク(30)内に返送される。
貯湯タンク(30)内で生成された温水は、シャワー(2)やその他の利用対象へ適宜供給される。具体的に、貯湯タンク(30)の温水を供給する供給動作時には、給湯混合弁(36)が供給路(23)を開放状態とする。これにより、貯湯タンク(30)内の温水は、該貯湯タンク(30)の内圧によって搬送され、給湯混合弁(36)を通過する。この際、給湯混合弁(36)は、分岐路(26)側のポートの開度も適宜調整する。これにより、貯湯タンク(30)側から供給される温水と、分岐路(26)側から供給される水(冷水)とが所定の比率で混合され、供給水の温度が調整される。このようにして温度調整された水は、加圧ユニット(70)を通過した後、シャワー(2)へ送られる。
〈空気圧縮ユニットの運転動作〉
上述した基本動作時には、空気圧縮ユニット(50)が水道水の水圧を利用して空気を圧縮する。この空気圧縮ユニット(50)の運転について、図2、図10〜図12を参照しながら説明する。
空気圧縮ユニット(50)の運転動作では、第1空気室(A1)の空気を圧縮する第1動作と、第2空気室(A2)の空気を圧縮する第2動作とが、所定の期間置きに交互に実行される。これにより、空気圧縮ユニット(50)では、圧縮空気が連続的に生成される。空気圧縮ユニット(50)の運転開始時には、第1動作又は第2動作のいずれかが行われる。ここでは、第1動作を先に行った場合について説明する。
初回の第1動作が開始されると、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第1状態(図2の実線で示す状態)となる。その結果、第1水ポート(53)が水道管側と連通し、第2水ポート(54)が利用対象側(貯湯タンク(30)側)と連通する。同時に、第1吐出ポート(55)と空気流路(40)とが連通する。ここで、この初回の運転では、各受水室(W1,W2)に水が入っていない。このため、第1動作が開始されると、第1水ポート(53)を通じて第1受水室(W1)に水が充填される(図10(A)を参照)。一方、第2受水室(W2)には、水が充填されていないため、第2水ポート(54)へ水が流出することはない。
図10(A)に示す状態において、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に更に水が流入すると、第1ピストン部(64)の受圧面Sw1に水圧が作用し、ピストン部材(63)が第2閉塞部(61c)側に変位していく(図10(B)を参照)。その結果、第1空気室(A1)の容積が徐々に小さくなり、第1空気室(A1)内の空気が圧縮される。この際、第1ピストン部(64)の受圧面Sw1は、第1空気室(A1)の空気の増圧面Sa1よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第1空気室(A1)の空気を第1受水室(W1)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第1ピストン部(64)と共に第2ピストン部(65)が第2閉塞部(61c)側に変位していくと、第2空気室(A2)の容積が徐々に大きくなっていく。これにより、シリンダ部材(61)の外部の空気が、第2吸入ポート(58)を通じて第2空気室(A2)に吸入されていく。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)のボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図10(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
初回の第1動作が行われてから所定時間が経過すると、第2動作が実行される。第2動作では、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第2状態(図2の破線で示す状態)となる。その結果、第2水ポート(54)が水道管側と連通し、第1水ポート(53)が利用対象側(貯湯タンク(30)側)と連通する。同時に、第2吐出ポート(56)と空気流路(40)とが連通する。第2動作が開始されると、第2水ポート(54)を通じて第2受水室(W2)に水が充填される(図11(A)を参照)。
図11(A)に示す状態において、第2水ポート(54)から第2受水室(W2)に更に水が流入すると、第2ピストン部(65)の受圧面Sw2に水圧が作用し、ピストン部材(63)が第1閉塞部(61b)側に変位していく(図11(B)を参照)。その結果、第2空気室(A2)の容積が徐々に小さくなり、第2空気室(A2)内の空気が圧縮される。この際、第2ピストン部(65)の受圧面Sw2は、第2空気室(A2)の空気の増圧面Sa2よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第2空気室(A2)の空気を第2受水室(W2)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第2ピストン部(65)と共に第1ピストン部(64)が第1閉塞部(61b)側に変位していくと、第1受水室(W1)の容積が徐々に小さくなり、第1空気室(A1)の容積が徐々に大きくなってく。このため、第1受水室(W1)の水は、第1水ポート(53)に流出し、給水路(21)を経由して貯湯タンク(30)へ供給される。同時に、シリンダ部材(61)の外部の空気が、第1吸入ポート(57)を通じて第1空気室(A1)に吸入されていく(図11(B)を参照)。
第2空気室(A2)の空気が所定圧力以上になると、第2吐出ポート(56)のボール弁(56b)が開放される。その結果、第2空気室(A2)内の圧縮空気が第2吐出ポート(56)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図11(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
第2動作が行われてから所定時間が経過すると、第1動作が再び実行される。これにより、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に水が流入し、ピストン部材(63)が第2閉塞部(61c)側に変位する(図12(A)、図12(B)を参照)。これにより、第1空気室(A1)の空気が圧縮されるとともに、第2受水室(W2)の水が第2水ポート(54)を通じて貯湯タンク(30)へ供給される。同時に、シリンダ部材(61)の外部の空気が第2空気室(A2)に吸入される。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)の第1ボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図12(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
その後は、図11に示す第2動作と、図12に示す第1動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、空気圧縮ユニット(50)からは、圧縮空気が連続的に蓄圧タンク(41)側へ供給されるとともに、水道水が連続的に貯湯タンク(30)側へ供給される。
〈加圧ユニットの動作〉
給湯システム(S)の給湯ユニット(10)では、上述したように、水道水の圧力が減圧機構としての減圧弁(32)によって減圧されてから、貯湯タンク(30)に供給される。これにより、上水道管の水圧が比較的高い条件であっても、貯湯タンク(30)の内圧が過剰に高くなることがない。よって、貯湯タンク(30)の耐圧を確保することができる。一方、このように水道水の圧力を減圧弁(32)で減圧すると、シャワー(2)等の利用対象へ供給される水の水圧も低下してしまう。従って、シャワー(2)から吐出される水の水圧が小さくなり、シャワー(2)からユーザー等へ十分な吐出圧の水を供給できなくなる、という問題が生じてしまう。そこで、本実施形態1の給湯ユニット(10)では、空気圧縮ユニット(50)で圧縮した圧縮空気を利用して加圧ユニット(70)を駆動し、この加圧ユニット(70)によりシャワー(2)の吐出水を加圧するようにしている。
具体的に、加圧ユニット(70)の動作時には、三方切換機構(42)が図1の実線で示す状態となり、第1ポートと第2ポートとが連通する。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気は、加圧ユニット(70)側に供給される。この圧縮空気は、図3に示す空気吸入ポート(74)よりケーシング(71)内の空気導入室(77)に流入する。
空気導入室(77)に圧縮空気が流入すると、この空気によって羽根車(81)が回転駆動される。すると、羽根車(81)に連結する出力軸(82)も回転する。出力軸(82)の回転運動は、直動変換機構(83)によって従動ロッド部(84)の往復運動に変換される。これにより、従動ロッド部(84)は、図3(A)の位置と図3(B)の位置との間を交互に変位する。これに伴い、従動ロッド部(84)に連結するダイヤフラム部(75)は、図3(A)の状態と図3(B)の状態とに交互に変形する。
以上のようにして、ダイヤフラム部(75)が変形すると、水加圧室(76)で水が加圧される。具体的に、加圧ユニット(70)が図3(B)の状態から図3(A)の状態に切り換わると、吸入水ポート(72)のボール弁(72b)が開放され、供給路(23)の水が吸入水ポート(72)を通じて水加圧室(76)に導入される。この状態から再び図3(A)の状態になると、水加圧室(76)の容積が小さくなり、水加圧室(76)の水が加圧される。以上のようにして、水加圧室(76)の水圧が所定圧力以上になると、吐出水ポート(73)のボール弁(73b)が開放される。その結果、加圧された水は、吐出水ポート(73)を通じてシャワー(2)へ供給され、比較的高圧の吐出水となってユーザー等へ供給される。
〈太陽パネルユニットの動作〉
太陽パネルユニット(91)では、太陽光の方角に応じて太陽パネル(92a,92b)の角度が調整される。給湯システム(S)では、この太陽パネル(92a,92b)の駆動源として、空気圧縮ユニット(50)から供給された圧縮空気が利用される。太陽パネルユニット(91)の動作について図1,図6から図9を参照しながら説明する。
給湯システム(S)において、太陽パネル(92a,92b)を駆動する際には、三方切換機構(42)が図1の破線で示す状態に切り換わる。これにより、蓄圧タンク(41)に貯留された圧縮空気は、給排気機構(105)側へ送られる。この状態において、太陽パネル制御部(112)は、太陽の位置(方角)に応じて、各給排気切換弁(108,109)を制御する。より詳細に、太陽パネル制御部(112)は、角度センサ(110)で検出した太陽パネル(92a,92b)の角度位置と、日射センサ(111)で検出した太陽の日射方向とに基づいて、太陽パネル(92a,92b)の必要な回動角度を算出する。そして、太陽パネル制御部(112)は、太陽パネル(92a,92b)が算出した回転角度で変位するように、各給排気切換弁(108,109)を制御し、各空気袋(101,102)を伸縮させる。
例えば太陽が東側(例えば図7におけるの右上側)に位置していたとする。この場合、太陽パネル制御部(112)は、東側寄りに設けられる第2空気袋(102)の受け部(102b)が、第1空気袋(101)の受け部(101b)よりも低い位置とするように、各給排気切換弁(108,109)を制御する。具体的に、この場合には第2給排気切換弁(109)を第2状態とすることで、第2給排気流路(107b)と第2排出路(107c)とを連通させる。これにより、第2空気袋(102)内の圧縮空気が第2排出路(107c)を通じて大気中へ放出される。その結果、第2空気袋(102)は徐々に収縮し、第2空気袋(102)の受け部(102b)が下方に変位する。同時に、第1給排気切換弁(108)を第1状態とすることで、第1中継流路(106a)と第1給排気流路(106b)とを連通させる。これにより、第1中継流路(106a)側の圧縮空気が、第1空気袋(101)に流入する。その結果、第1空気袋(101)は徐々に伸張し、第1空気袋(101)の第1受け部(101b)が上方に変位する。以上のように各受け部(101b,102b)の高さ位置を調整することで、アクチュエータユニット(100)が取り付けられている駆動側太陽パネル(92a)の角度位置が調整される。
上述のように駆動側太陽パネル(92a)の角度位置が調整されると、各太陽パネル(92a,92b)同士を連結するリンク部材(98)の作用により、被駆動側太陽パネル(92b)も、駆動側太陽パネル(92a)と同じ角度位置となるように回動する。具体的には、駆動側太陽パネル(92a)が回動すると、その回動力が、リンク部材(98)を介して被駆動側太陽パネル(92b)に伝わる。これにより、全ての太陽パネル(92a,92b)が、図7に示すような角度位置に調整される。
また、例えば太陽が南側(例えば図8における上側)に位置していたとする。この場合、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)の受け部(101b)と、第2空気袋(102)の受け部(102b)とを同じ位置とするように、各給排気切換弁(108,109)を制御する。具体的に、この場合には第1給排気切換弁(108)と第2給排気切換弁(109)とを第1状態又は第2状態に適宜切り換えることで、各受け部(101b,102b)を同じ高さ変位させる。以上のように各受け部(101b,102b)の高さ位置を調整することで、各太陽パネル(92a,92b)が図8に示すような角度位置に調整される。
また、例えば太陽が西側(例えば図9における左上側)に位置していたとする。この場合、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)の受け部(101b)が、第2空気袋(102)の受け部(102b)よりも低い位置とするように、各給排気切換弁(108,109)を制御する。具体的に、この場合には第1給排気切換弁(108)を第2状態とし、第2給排気切換弁(109)を第1状態とする。その結果、第1空気袋(101)を収縮させて受け部(101b)を下方に変位させることができる。同時に、第2空気袋(102)を収縮させて受け部(101b)を上方に変位させることができる。以上のように各受け部(101b,102b)の高さ位置を調整することで、各太陽パネル(92a,92b)が図9に示すような角度位置に調整される。
以上のようにして、各太陽パネル(92a,92b)の受光面(92c)に太陽光が授与されると、太陽パネル(92a,92b)では、直流電力が生成される。この直流電力は、パワーコンディショナ(115)に出力されて、該パワーコンディショナ(115)によって交流電力に変換される。パワーコンディショナ(115)から出力された交流電力は、熱源ユニット(10a)や他の電力供給対象へ供給される。
この際、パワーコンディショナ(115)では、スイッチング素子の切換等により、発熱部品から熱が放出される。この熱は、放熱部(115a)及びジャケット部(39a)を介して冷却水路(39b)を流れる水に付与される。その結果、パワーコンディショナ(115)の発熱部品を冷却することができる。パワーコンディショナ(115)の発熱部品から吸熱して貯湯タンク(30)に流入する。これにより、パワーコンディショナ(115)からの熱を貯湯タンク(30)の温水の生成に利用できる。
−実施形態1の効果−
以上のように、実施形態1に係る給湯システム(S)の太陽パネル駆動機構(93)では、太陽パネル(92a)を動作させるためのアクチュエータユニット(100)に2つの空気袋(101,102)を用いている。空気袋(101,102)は、比較的重量の軽いゴム等によって中空状に形成されているため、例えばアクチュエータとして金属製のシリンダ及びピストン等を用いる場合と比べると重量を軽くしやすい。その結果、太陽パネル駆動機構(93)が設置される屋根(R)にかかる荷重を小さくすることができる。
また、実施形態1では、太陽パネル(92a)の背面に、回転軸(95)を挟んで2つの空気袋(101,102)を配置している。こうすると、太陽パネル(92a)を確実に双方向に回動させることができる。具体的には、例えば図7のように太陽パネルが傾いている場合、第2空気袋(102)と比べて、第1空気袋(101)には太陽パネルの荷重があまり作用していない。従って、第1空気袋(101)内の空気を排気しただけでは、太陽パネル(92a)が回動しない虞がある。これに対して、上述のように2つの空気袋(101,102)を設けることで、例えば図7のような場合であっても、第2空気袋(102)内に圧縮空気を供給して該第2空気袋(102)を伸張させることで、太陽パネル(92a)を確実に回動させることができる。
また、実施形態1では、各太陽パネル(92a,92b)の側面を、リンク部材(98)によって連結している。これにより、1つのアクチュエータユニット(100)によって全ての太陽パネル(92a,92b)の角度位置を調整できるため、太陽パネルユニット(91)の簡素化を図ることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る給湯システム(S)は、上記実施形態1とアクチュエータユニット(100)の構成が異なるものである。具体的には、上記実施形態1のアクチュエータユニット(100)には、2つの空気袋(101,102)が用いられているのに対し、実施形態2のアクチュエータユニット(100)には、1つの空気袋(101)と、付勢部材としての圧縮バネ(99a)が用いられている。以下では、実施形態1と異なる点について主に説明する。
実施形態2のアクチュエータユニット(100)は、図13に示すように、第1空気袋(101)と、該第1空気袋(101)に連結する第1ロッド部(103)と、1つの圧縮バネ(99a)とを有している。これらの部材(99a,101,103)は、複数の太陽パネル(92a,92b)のうちの1つ(92a)に対応して設けられている。
圧縮バネ(99a)は、太陽パネル(92a)を付勢する弾性部材を構成している。圧縮バネ(99a)は、回転軸(95)を挟んで第1空気袋(101)と反対側の位置に設けられている。圧縮バネ(99a)は、一端が台座部(113)に固定されている一方、他端が第2内側取付板(97b)に対して固定されている。これにより、圧縮バネ(99a)は、一端側から他端側へ向けて太陽パネル(92a)を付勢する。
太陽パネル駆動機構(93)は、ロック機構(170)を備えている。ロック機構(170)は、シリンダ(171)と、該シリンダ(171)内を往復動可能なピストン(172)と、一端が該ピストン(172)に固定され他端がシリンダ(171)から外部へ露出するピストンロッド(173)と、該ピストンロッド(173)をシリンダ(171)に対して固定可能な固定部(図示省略)とを備えている。この固定部は、太陽パネル制御部(112)からの指令に応じて、ピストンロッド(173)をシリンダ(171)に対して固定する固定状態と、ピストンロッド(173)がシリンダ(171)に対して往復動可能なように前記固定状態を解除する固定解除状態とに切換可能に構成されている。
実施形態2の太陽パネル制御部(112)は、第1給排気切換弁(108)及びロック機構(170)を制御するように構成されている。具体的には、太陽パネル制御部(112)は、角度センサ(110)及び日射センサ(111)の検出値に基づいて、第1給排気切換弁(108)を切り替えるとともに、ロック機構(170)の固定部を固定状態と固定解除状態とに切り替えるように構成されている。
なお、実施形態2における太陽パネルユニット(91)は、実施形態1における第2空気袋側流路(107)、及び第2給排気切換弁(109)が省略された構成となっている。
−運転動作−
〈太陽パネルユニットの動作〉
実施形態2における太陽パネルユニット(91)も、実施形態1の場合と同様、太陽光の方角に応じて太陽パネル(92a,92b)の角度が調整される。太陽パネルユニット(91)の動作について、図14、図15及び図16を参照しながら説明する。
例えば太陽が東側(例えば図14におけるの右上側)に位置していたとする。この場合、まず太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定解除状態へ切り替える。それから、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)が、圧縮バネ(99a)の付勢力に抗して伸張するように、第1給排気切換弁(108)を制御する。具体的に、この場合には、第1給排気切換弁(108)を第1状態とすることで、第1中継流路(106a)と第1給排気流路(106b)とを連通させる。これにより、第1中継流路(106a)側の圧縮空気が、第1空気袋(101)に流入する。その結果、第1空気袋(101)は徐々に伸張し、第1空気袋(101)の第1受け部(101b)は、圧縮バネ(99a)の付勢力に抗して上方に変位する一方、ロック機構(170)のピストンロッド(173)は、図14に示すような角度位置に対応する長さとなるようにシリンダ(171)内へ収縮する。これにより、太陽パネル(92)が背面側から押圧されて所定の角度だけ回動し、図14に示すような角度位置に調整される。その後、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定状態に切り替える。これにより、太陽パネル(92a,92b)が風等で回転しないように固定される。
また、例えば太陽が南側(例えば図15における上側)に位置していたとする。この場合もまず、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定解除状態へ切り替える。それから、太陽パネル制御部(112)は、太陽パネル(92a,92b)が水平となるように、第1給排気切換弁(108)を制御する。具体的には、この場合には第1給排気切換弁(108)を第1状態又は第2状態に適宜切り換えることで、太陽パネル(92a,92b)が水平となるように第1空気袋(101)の第1受け部(101b)を変位させる。これにより、太陽パネル(92a)には、圧縮バネ(99a)によって第1空気袋(101)の伸張変形時の回動方向と逆方向(図15における半時計回り方向)の付勢力が付与されることにより、該太陽パネル(92a)が所定の角度だけ回動する。一方、ロック機構(170)のピストンロッド(173)は、図15に示すような角度位置に対応する長さとなるようにシリンダ(171)内から伸張する。これにより、太陽パネル(92a)は、図15に示すような角度位置に調整される。その後、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定状態に切り替える。これにより、太陽パネル(92a,92b)が風等で回転しないように固定される。
また、例えば太陽が西側(例えば図16における左上側)に位置していたとする。この場合もまず、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定解除状態へ切り替える。それから、太陽パネル制御部(112)は、第1空気袋(101)が、圧縮バネ(99a)の付勢力により押圧されるように、第1給排気切換弁(108)を制御する。具体的には、この場合には第1給排気切換弁(108)を第2状態とすることで、第1空気袋(101)から空気が排出されることで該第1空気袋(101)の内圧が低くなる。そうなると、圧縮バネ(99a)の付勢力により太陽パネル(92a)が図16における反時計回り方向へ回動する。一方、ロック機構(170)のピストンロッド(173)は、図16に示すような角度位置に対応する長さとなるようにシリンダ(171)内から伸張する。これにより、太陽パネル(92a)は、図16に示すような角度位置に調整される。その後、太陽パネル制御部(112)は、ロック機構(170)の固定部を固定状態に切り替える。これにより、太陽パネル(92a,92b)が風等で回転しないように固定される。
−実施形態2の効果−
以上のように、実施形態2に係る給湯システム(S)の太陽パネル駆動機構(93)では、太陽パネル(92a)を動作させるためのアクチュエータユニット(100)に、1つの空気袋(101)と、1つの圧縮バネ(99a)とを用いている。このような構成であっても、実施形態1の場合と同様、太陽パネル(92a,92b)を回動させて所定の角度位置に調整できる。
また、実施形態2では、太陽パネル(92a)の回動を規制するロック機構(170)を設けたため、太陽パネル(92a)に作用する外力により、該太陽パネル(92a)が所望の角度位置からずれてしまうのを抑制できるため、太陽パネル(92a,92b)を所定の角度位置で確実に固定できる。
《発明の実施形態3》
実施形態3に係る給湯システム(S)は、上記実施形態1と空気圧縮ユニット(50)の構成が異なるものである。図18に示すように、実施形態3の空気圧縮ユニット(50)は、実施形態1と同様の、水流路切換部(51)、空気流路切換部(52)、及び弁制御部(図示省略)を有している。一方、実施形態3の空気圧縮機(60)は、実施形態1と異なり、2つのシリンダ部材(121,122)を有する2シリンダ式に構成されている。
2つのシリンダ部材(121,122)は、第1シリンダ部材(121)と、第2シリンダ部材(122)とで構成されている。各シリンダ部材(121,122)は、筒状胴部(121a,122a)と、筒状胴部(121a,122a)の軸方向の一端を閉塞する第1閉塞部(121b,122b)と、筒状胴部(121a,122a)の軸方向の他端を閉塞する第2閉塞部(121c,122c)とを有している。第1シリンダ部材(121)の内部には、第1シリンダ室(C1)が形成され、第2シリンダ部材(122)の内部には、第2シリンダ室(C2)が形成されている。第1シリンダ室(C1)は、第2シリンダ室(C2)よりも大径で、且つ軸方向の長さが短くなっている。
実施形態3の空気圧縮ユニット(50)は、実施形態1と同様、ピストン部材(123)を有している。ピストン部材(123)は、第1シリンダ室(C1)に収容される第1ピストン部(124)と、第2シリンダ室(C2)に収容される第2ピストン部(125)と、両者のピストン部(124,125)を連結する1本のピストンロッド(126)とを有し、変位部材を構成している。第1ピストン部(124)及び第2ピストン部(125)は円板状に形成され、第1ピストン部(124)が第2ピストン部(125)よりも大径となっている。ピストンロッド(126)は、第1シリンダ部材(121)の第2閉塞部(121c)、及び第2シリンダ部材(122)の第1閉塞部(122b)を貫通して両者のピストン部(124,125)を連結している。ピストンロッド(126)は、各ピストン部(124,125)よりも小径に形成され、両者のシリンダ部材(121,122)の軸心と同軸となって軸方向に延びている。
第1ピストン部(124)は、第1シリンダ室(C1)を第1受水室(W1)と第2受水室(W2)とに区画している。第1受水室(W1)は、第1閉塞部(121b)と第1ピストン部(124)との間に形成されている。第2受水室(W2)は、第1ピストン部(64)と第2閉塞部(121c)との間に形成されている。つまり、第1シリンダ室(C1)には、第1ピストン部(124)を挟んで軸方向の一端側(第1閉塞部(121b)側)に第1受水室(W1)が形成され、第1ピストン部(124)を挟んで軸方向の他端側(第2閉塞部(121c)側)に第2受水室(W2)が形成されている。
第2ピストン部(125)は、第2シリンダ室(C2)を第1空気室(A1)と第2空気室(A2)とに区画している。第1空気室(A1)は、第2閉塞部(122c)と第2ピストン部(125)との間に形成されている。第2空気室(A2)は、第2ピストン部(125)と第1閉塞部(122b)との間に形成されている。つまり、第2シリンダ室(C2)には、第2ピストン部(125)を挟んで軸方向の一端側(第2閉塞部(122c)側)に第1空気室(A1)が形成され、第2ピストン部(125)を挟んで軸方向の他端側(第1閉塞部(122b)側)に第2空気室(A2)が形成されている。
実施形態3の空気圧縮機(120)には、実施形態1と同様にして、6本のポート(53〜58)が接続されている。具体的に、第1シリンダ部材(121)では、第1受水室(W1)に第1水ポート(53)が接続し、第2受水室(W2)に第2水ポート(54)が接続している。第2シリンダ部材(122)では、第1空気室(A1)に第1吐出ポート(55)の流入端と、第1吸入ポート(57)の流出端とが接続し、第2空気室(A2)に第2吐出ポート(56)の流入端と、第2吸入ポート(58)の流出端とが接続している。
実施形態2の空気圧縮機(120)においても、各受水室(W1,W2)側に臨む受圧面Sw1,Sw2の面積が、空気室(A1,A2)に臨む増圧面Sa1,Sa2よりも大きくなっている。具体的に、ピストン部材(123)では、第1ピストン部(124)における第1受水室(W1)側の受圧面Sw1の面積が、第2ピストン部(125)における第1空気室(A1)側の増圧面Sa1の面積よりも大きくなっている。また、ピストン部材(123)では、第1ピストン部(124)における第2受水室(W2)側の受圧面Sw2の面積が、第2ピストン部(125)における第2空気室(A2)側の増圧面Sa2の面積よりも大きくなっている。
〈圧縮動作〉
実施形態3の空気圧縮ユニット(50)の運転動作について図18〜図21を参照しながら説明する。実施形態3の空気圧縮ユニット(50)では、実施形態1と同様、第1空気室(A1)の空気を圧縮する第1動作と、第2空気室(A2)の空気を圧縮する第2動作とが、所定の期間置きに交互に実行される。
初回の第1動作が開始されると、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第1状態(図18の実線で示す状態)となる。その結果、上水道管の水道水が第1水ポート(53)を通じて第1受水室(W1)に流入する。一方、第2受水室(W2)は第2水ポート(54)と連通するが、第2受水室(W2)には水が充填されていないため、第2水ポート(54)を水が流れることはない。
図19(A)に示す状態において、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に更に水が流入すると、第1ピストン部(124)の受圧面Sw1に水圧が作用し、ピストン部材(123)が第2閉塞部(121c,122,)側に変位していく(図19(B)を参照)。その結果、第1空気室(A1)の容積が徐々に小さくなり、第1空気室(A1)内の空気が圧縮される。この際、第1ピストン部(124)の受圧面Sw1は、第1空気室(A1)の空気の増圧面Sa1よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第1空気室(A1)の空気を第1受水室(W1)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第2シリンダ部材(122)では、第2ピストン部(125)の変位に伴い第2空気室(A2)の容積が徐々に大きくなっていく。これにより、第2シリンダ部材(122)の外部の空気が、第2吸入ポート(58)を通じて第2空気室(A2)に吸入されていく。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)のボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図19(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
初回の第1動作が行われてから所定時間が経過すると、第2動作が実行される。第2動作では、水流路切換部(51)及び空気流路切換部(52)がそれぞれ第2状態(図18の破線で示す状態)となる。その結果、上水道管の水道水が第2水ポート(54)を通じて第2受圧室(W2)に流入する。
図20(A)に示す状態において、第2水ポート(54)から第2受水室(W2)に更に水が流入すると、第2ピストン部(125)の受圧面Sw2に水圧が作用し、ピストン部材(123)が第1閉塞部(121b,122b)側に変位していく(図20(B)を参照)。その結果、第2空気室(A2)の容積が徐々に小さくなり、第2空気室(A2)内の空気が圧縮される。この際、第2ピストン部(125)の受圧面Sw2は、第2空気室(A2)の空気の増圧面Sa2よりも大きくなっている。このため、パスカルの原理により、第2空気室(A2)の空気を第2受水室(W2)側の水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧することができる。
また、第2シリンダ部材(122)では、第2ピストン部(125)の変位に伴い第1空気室(A1)の容積が徐々に大きくなっていく。これにより、第2シリンダ部材(122)の外部の空気が、第1空気室(A1)に吸入されていく。また、第1シリンダ部材(121)では、第1ピストン部(124)の変位に伴い第1受水室(W1)の容積が徐々に小さくなっていく。このため、第1受水室(W1)の水は、第1水ポート(53)に流出し、給水路(21)を経由して貯湯タンク(30)へ供給される(図20(B)を参照)。
第2空気室(A2)の空気が所定圧力以上になると、第2吐出ポート(56)のボール弁(56b)が開放される。その結果、第2空気室(A2)内の圧縮空気が第2吐出ポート(56)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図20(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
第2動作が行われてから所定時間が経過すると、第1動作が再び実行される。これにより、第1水ポート(53)から第1受水室(W1)に水が流入し、ピストン部材(123)が第2閉塞部(121c,122c)側に変位する(図21(A)、図21(B)を参照)。これにより、第1空気室(A1)の空気が圧縮されるとともに、第2受水室(W2)の水が第2水ポート(54)を通じて貯湯タンク(30)へ供給される。同時に、第2シリンダ部材(122)の外部の空気が第2空気室(A2)に吸入される。
第1空気室(A1)の空気が所定圧力以上になると、第1吐出ポート(55)の第1ボール弁(55b)が開放される。その結果、第1空気室(A1)内の圧縮空気が第1吐出ポート(55)を通じて空気流路(40)へ吐出される(図21(C)を参照)。空気流路(40)へ吐出された圧縮空気は、蓄圧タンク(41)内に貯留される。
その後は、図20に示す第2動作と、図21に示す第1動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、空気圧縮ユニット(50)からは、圧縮空気が連続的に蓄圧タンク(41)側へ供給されるとともに、水道水が連続的に貯湯タンク(30)側へ供給される。
−実施形態3の効果−
実施形態3の空気圧縮ユニット(50)においても、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とを交互に行うことで、圧縮空気を連続的に生成しつつ、水道水を利用対象(2)側へ供給することができる。また、受水室(W1,W2)における水の受圧面Sw1,Sw2の面積を、空気室(A1,A2)における空気の増圧面Sa1,Sa2の面積よりも大きくしているため、空気室(A1,A2)の空気を水道水の圧力よりも高い圧力まで増圧させることができる。
特に、実施形態3の空気圧縮ユニット(50)では、2つのシリンダ部材(121,122)を別体に形成しているため、受圧面Sw1,Sw2の面積を増圧面Sa1,Sa2の面積よりも容易に大きくできる。
《発明の実施形態4》
実施形態4の給湯システム(S)は、上記実施形態1と加圧ユニット(70)の構成が異なるものである。実施形態4の加圧ユニット(70)は、シャワー(2)の上流近傍に接続されている。図22及び図23に示すように、実施形態4の加圧ユニット(70)は、エジェクタ機構(130)を有し、いわゆるエジェクタ方式の加圧機構で構成されている。
エジェクタ機構(130)は、水の流れの上流側から下流側に向かって順に、水導入路(131)、柱状流路(132)、縮径流路(133)、混合流路(134)、拡径流路(135)、及び水導出路(136)を有している。水導入路(131)には、貯湯タンク(30)からの水が流入する。柱状流路(132)は、円柱状に形成され、周方向外方に水導入路(131)が接続され、軸方向の一端に縮径流路(133)が接続されている。縮径流路(133)は、下流側にすすむにつれて流路断面の面積を徐々に小さくするような略円錐形状の流路を形成している。
混合流路(134)は、縮径流路(133)と拡径流路(135)との間に接続されている。混合流路(134)は、その流入端から流出端に亘って流路断面の形状がほぼ同じとなっている。混合流路(134)の流路長さは、縮径流路(133)や拡径流路(135)よりも長くなっている。
拡径流路(135)は、混合流路(134)を流出した水の流速を低下させ、該水の圧力を上昇させるものである。拡径流路(135)は、下流側にすすむにつれて流路断面の面積を徐々に大きくするような略円錐状の流路を構成している。拡径流路(135)の下流端には、水導出路(136)が接続している。水導出路(136)の下流端には、図示を省略したシャワー(2)が接続される。
エジェクタ機構(130)は、空気ノズル(137)を有している。空気ノズル(137)は、空気流れの上流側から下流側に向かって順に、空気導入路(137a)、空気縮径路(137b)、及び空気導出路(137c)を有している。
空気導入路(137a)は、圧縮空気が供給される第1給気路(44)と接続している。空気縮径路(137b)は、空気導入路(137a)の下流端に接続され、柱状流路(132)の内部に形成されている。空気縮径路(137b)は、空気の流路を縮小して空気を高速化させるものである。空気縮径路(137b)は、下流側にすすむにつれて空気の流路断面の面積を徐々に小さくするような略円錐形状をしている。空気導出路(137c)は、空気縮径路(137b)の下流端に接続され、縮径流路(133)の内部に形成されている。空気導出路(137c)の下流端は、混合流路(134)の上流側に開口している。これにより、混合流路(134)では、混合流路(134)では、縮径流路(133)から流出した水と、空気ノズル(137)から供給された圧縮空気とが混合される。
〈加圧動作〉
実施形態4の加圧ユニット(70)の加圧動作について説明する。加圧ユニット(70)の動作時には、三方切換機構(42)が図22の実線で示す状態となり、第1ポートと第2ポートとが連通する。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気は、加圧ユニット(70)側に供給される。この圧縮空気は、図23に示すように、エジェクタ機構(130)の空気ノズル(137)に流入する。空気ノズル(137)に流入した水は、空気導入路(137a)を通過し、空気縮径路(137b)で高速化された後、空気導出路(137c)を介して混合流路(134)へ流出する。
一方、貯湯タンク(30)から供給された水は、エジェクタ機構(130)の水導入路(131)に流入する。この水は、柱状流路(132)に流出して直角方向に案内された後、縮径流路(133)を流れる。この縮径流路(133)には、空気ノズル(137)から噴出された圧縮空気により負圧が作用している。このため、縮径流路(133)の水は、圧縮空気に引き込まれて混合流路(134)に流出し、この混合流路(134)で高速化される。同時に、混合流路(134)では、空気と水とが混合される。この混合流路(134)中の水は、拡径流路(135)を流れることで、流路断面が拡大されて減速される。その結果、拡径流路(135)では、水の圧力が昇圧される。以上のようにして、加圧された水は、空気とともにシャワー(2)へ送られる。これにより、シャワー(2)からは、比較的高圧の吐出水がユーザー等へ供給される。
−実施形態4の効果−
実施形態4では、実施形態1と同様、加圧ユニット(70)によって加圧した水をシャワー(2)から吐出させるようにしている。これにより、貯湯タンク(30)の耐圧を確保するために水道水の圧力を減圧弁(32)で減圧しても、シャワー(2)から十分な吐出圧の水を噴出させることができる。
また、実施形態4では、加圧ユニット(70)として、エジェクタ機構(130)を有するエジェクタ方式の加圧機構を用いている。このため、圧縮空気による吸引圧を利用して、水の圧力を効率良く上昇させることができる。また、混合流路(134)では、水と圧縮空気とが混合するため、シャワー(2)からは微細な空気を含む水を噴出させることができる。このようにすると、シャワー(2)から噴出される水量を低減しつつ、所望とする洗浄効果を得ることができる。従って、水道水を節約することができる。
《発明の実施形態5》
実施形態5に係る給湯システム(S)では、上記実施形態1の第1循環ポンプ(34)、及び第2循環ポンプ(38)が、上記実施形態1の加圧ユニット(70)(図3を参照)と同じ構成のダイヤフラム式のポンプで構成されている。つまり、実施形態5では、第1循環ポンプ(34)及び第2循環ポンプ(38)が、圧縮空気によって駆動される被駆動体となっている。
具体的に、図24に示すように、実施形態5の空気流路(40)には、主給気路(43)から分岐する第3給気路(48)が設けられている。第3給気路(48)の下流側は、第1ポンプ側給気路(48a)と、第2ポンプ側給気路(48b)とに分岐している。第1ポンプ側給気路(48a)の下流端は、第1循環ポンプ(34)の空気導入室(77a)と接続している。第2ポンプ側給気路(48b)の下流端は、第2循環ポンプ(38)の空気導入室(77b)と接続している。また、第1ポンプ側給気路(48a)には、第1開閉弁(49a)が接続され、第2ポンプ側給気路(48b)には、第2開閉弁(49b)が接続されている。これらの開閉弁(49a,49b)は、例えば電磁開閉弁で構成されている。
第1循環ポンプ(34)の運転時には、第1開閉弁(49a)が開放される。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気が、第1循環ポンプ(34)の空気導入室(77a)に供給され、ダイヤフラム部(75a)が図3(A)の状態と図3(B)の状態とに交互に変形する。その結果、第1循環ポンプ(34)の水加圧室(76a)の容積が拡縮され、加熱循環流路(22)の水が搬送される。
同様に、第2循環ポンプ(38)の運転時には、第2開閉弁(49b)が開放される。これにより、蓄圧タンク(41)内の圧縮空気が、第2循環ポンプ(38)の空気導入室(77b)に供給され、ダイヤフラム部(75b)が図3(A)の状態と図3(B)の状態とに交互に変形する。その結果、第2循環ポンプ(68)の水加圧室(76b)の容積が拡縮され、冷却循環流路(28)の水が搬送される。
《発明の実施形態6》
図25に示す実施形態6に係る給湯システム(S)では、実施形態1のシャワー(2)に代わって、蛇口(3)が利用対象として設けられている。蛇口(3)は、水流路(20)の流出端に接続されて、水を所定の圧力で吐出させる吐出機構を構成している。実施形態5では、貯湯タンク(30)が地上付近に配置されているのに対し、蛇口(3)は家屋の3階に配置されている。つまり、実施形態6では、水が供給される利用対象が、貯湯タンク(30)よりも高くに位置している。
このようにして、蛇口(3)が高い位置に設けられると、貯湯タンク(30)から蛇口(3)までの揚程が大きくなり、蛇口(3)から吐出される水の圧力が低下し易くなる。しかしながら、実施形態5の蛇口(3)の上流側近傍には、上記実施形態1と同様の加圧ユニット(70)が設けられている。このため、蛇口(3)から供給される吐出水の圧力を十分確保できる。
《発明の実施形態7》
図26に示す実施形態7に係る給湯システム(S)では、実施形態1のシャワー(2)に代わって、噴霧器(4)が利用対象として設けられている。噴霧器(4)は、水流路(20)の流出端に接続されて、水を所定の圧力で吐出させる吐出機構を構成している。実施形態7では、貯湯タンク(30)が地上付近に配置されているのに対し、噴霧器(4)は屋根の上方に配置されている。つまり、実施形態6においても、水が供給される利用対象が、貯湯タンク(30)よりも高くに位置している。
また、実施形態7では、噴霧器(4)の噴出口が、太陽パネル(92a,92b)の受光面に対向している。つまり、実施形態7の噴霧器(4)からは、太陽パネル(92a,92b)の受光面に向かって、洗浄水が噴出される。これにより、圧縮空気を利用して太陽パネル(92a,92b)を適宜洗浄することができる。
一方、このように、噴霧器(4)が高い位置に設けられると、噴霧器(4)から噴出される水の水圧が低下し易くなる。しかしながら、実施形態7の上流側近傍には、上記実施形態1と同様の加圧ユニット(70)が設けられている。このため、噴霧器(4)から共有される吐出水の圧力を十分確保でき、太陽パネル(92a,92)の洗浄効果を十分に得ることができる。
《発明の実施形態8》
図27に示す実施形態8に係る給湯システム(S)では、貯湯タンク(30)と利用対象(2)との間の回路に、上記実施形態1と同様の空気圧縮ユニット(50)が設けられている。具体的に、供給路(23)から分岐する逃がし流路(27)の流出側に、空気圧縮ユニット(50)と蓄圧タンク(41)とが付加されている。
上述したように、貯湯タンク(30)では、温水の生成に伴い水蒸気が発生するため、貯湯タンク(30)の内圧が過剰となることがある。この場合には、リリーフ弁(37)が開放され、貯湯タンク(30)内の水が逃がし流路(27)へ流出する。そこで、図27の例では、逃がし流路(27)へ流出した水の圧力を利用して空気を圧縮するようにしている。これにより、給湯システム(S)では、逃がし流路(27)から下水道管へ排出していた水の圧力を空気圧として回収し、この空気圧を利用して所定の被駆動体を駆動させることができる。
《発明の実施形態9》
図28に示す実施形態9に係る給湯システム(S)では、冷却循環流路(28)の流入端の高さ位置、及び該冷却循環流路(28)の流出端の高さ位置が、上記実施形態1と異なる位置となっている。具体的に、図28の例では、冷却循環流路(28)の流入端の高さが、貯湯タンク(30)の上下方向の中間部に位置し、冷却循環流路(28)の流出端の高さが、貯湯タンク(30)の上部近傍に位置している。この例では、パワーコンディショナ(115)の発熱部品から吸熱した循環水が、貯湯タンク(30)における比較的高い部位に返送される。このため、貯湯タンク(30)の下側の水温が高く成りすぎるのを防止できる。よって、貯湯タンク(30)から加熱循環流路(22)へ流出する水の温度を比較的低くすることができる。その結果、冷媒回路(15)では、水熱交換器(12)の冷媒(二酸化炭素)を十分に放熱させることができるため、所望とする冷凍サイクルを行うことができる。
《発明の実施形態10》
実施形態10に係る給湯システム(S)では、実施形態1の加圧ユニット(70)と異なるタイプのダイヤフラム方式の加圧機構が適用されている。
具体的に、図29に示す例の加圧ユニット(70)は、ハウジング(140)の内部に、水の流路が形成されている。この水の流路は、貯湯タンク(30)側と連通する上流側分岐路(141)と、シャワー(2)側と連通する下流側分岐路(142)とを有している。上流側分岐路(141)の流出側は、第1分岐路(141a)と第2分岐路(141b)とに分岐している。同様に、下流側分岐路(142)の流入側は、第3分岐路(142a)と第4分岐路(142b)とに分岐している。第1分岐路(141a)の流出端には、第1ボール弁(143a)が設けられ、第2分岐路(141b)の流出端には、第2ボール弁(143b)が設けられている。第3分岐路(142a)の流入端には、第3ボール弁(144a)が設けられ、第4分岐路(142b)の流入端には、第4ボール弁(144b)が設けられている。
ハウジング(140)の内部には、第1チャンバ(145)と第2チャンバ(146)とが形成されている。第1チャンバ(145)は、第1分岐路(141a)と第3分岐路(142a)との間に形成されている。第2チャンバ(146)は、第2分岐路(141b)と第4分岐路(142b)との間に形成されている。第1チャンバ(145)は、第1ダイヤフラム部(147)によって第1水加圧室(145a)と第1空気導入室(145b)とに区画されている。第2チャンバ(146)は、第2ダイヤフラム部(148)によって第2水加圧室(146a)と第2空気導入室(146b)とに区画されている。第1ダイヤフラム部(147)と第2ダイヤフラム部(148)とは、連結軸(149)を介して連結されている。
ハウジング(140)の内部には、空気圧縮ユニット(50)側からの圧縮空気が供給される、空気供給室(150)が形成されている。空気供給室(150)は、第1切換流路(151)を通じて第1空気導入室(145b)と連通するとともに、第2切換流路(152)を通じて第2空気導入室(146b)と連通している。加圧ユニット(70)では、図示しない切換機構により、空気供給室(150)の圧縮空気を第1切換流路(151)を通じて第1空気導入室(145b)へ供給する第1動作(図29(A)に示す動作)と、空気供給室(150)の圧縮空気を第2切換流路(152)を通じて第2空気導入室(146b)へ供給する第2動作(図29(B)に示す動作)とが交互に繰り返し行われる。
具体的に、第1動作において、空気供給室(150)の圧縮空気が第1空気導入室(145b)へ供給されると、第1ダイヤフラム部(147)が圧縮空気によって押圧されて、第1水加圧室(145a)側に変位する。同時に、第2ダイヤフラム部(148)は第2空気導入室(146b)側に変位する。その結果、第2水加圧室(146a)の容積が拡大する。このようにして第2水加圧室(146a)の内圧が低下すると、第2ボール弁(143b)が第2水加圧室(146a)側に変位して第2分岐路(141b)が開放される。これにより、貯湯タンク(30)側の水が第2分岐路(141b)を通じて第2水加圧室(146a)に流入する。
次いで、第2動作が行われ、空気供給室(150)の圧縮空気が第2空気導入室(146b)へ供給されると、第2ダイヤフラム部(148)が圧縮空気によって押圧されて、第2水加圧室(146a)側に変位する。これにより、第2水加圧室(146a)の容積が縮小され、第2水加圧室(146a)内の水が加圧される。第2水加圧室(146a)の圧力が上昇すると、第4ボール弁(144b)が下流側分岐路(142)側に変位して第4分岐路(142b)が開放される。その結果、圧縮された水は、下流側分岐路(142)を経由してシャワー(2)へ供給される。
第2動作において、第1ダイヤフラム部(147)が第1空気導入室(145b)側に変位すると、第1水加圧室(145a)の容積が拡大する。このようにして第1水加圧室(145a)の内圧が低下すると、第1ボール弁(143a)が第1水加圧室(145a)側に変位して第1分岐路(141a)が開放される。これにより、貯湯タンク(30)側の水が第1分岐路(141a)を通じて第1水加圧室(145a)に流入する。
次いで、第1動作が再び行われ、空気供給室(150)の圧縮空気が第1空気導入室(145b)へ供給されると、第2ダイヤフラム部(148)が圧縮空気によって押圧されて、第1水加圧室(145a)側に変位する。これにより、第1水加圧室(145a)の容積が縮小され、第1水加圧室(145a)内の水が加圧される。第1水加圧室(145a)の圧力が上昇すると、第3ボール弁(144a)が下流側分岐路(142)側に変位して第3分岐路(142a)が開放される。その結果、圧縮された水は、下流側分岐路(142)を経由してシャワー(2)へ供給される。
第1動作において、第1ダイヤフラム部(147)が第2空気導入室(146b)側に変位すると、第2水加圧室(146a)の容積が拡大する。このようにして第2水加圧室(146a)の内圧が低下すると、第2ボール弁(143b)が第2水加圧室(146a)側に変位して第2分岐路(141b)が開放される。これにより、貯湯タンク(30)側の水が第2分岐路(141b)を通じて第2水加圧室(146a)に流入する。
以上のように、図29に示す例の加圧ユニット(70)では、第1動作と第2動作とが交互に行われる。その結果、加圧ユニット(70)で圧縮された水がシャワー(2)へ連続的に供給され、シャワー(2)から比較的高圧の吐出水がユーザー等へ供給される。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成にしてもよい。
上記各実施形態では、太陽パネル駆動機構(93)に、各太陽パネル(92a,92b)を互いに連結するリンク部材(98)を設けたが、この限りでなく、リンク部材(98)は設けられていなくてもよい。この場合、複数のアクチュエータユニット(100)を、各太陽パネルに対応させればよい。これにより、各アクチュエータユニット(100)によって、対応する各太陽パネルを駆動できる。
また、上記各実施形態では、空気袋(101,102)をロッド部(103,104)を介して太陽パネル(92a)の背面側に連結しているが、この限りでなく、空気袋(101,102)の受け部(101b,102b)を直接、太陽パネル(92a)の背面側に連結してもよい。
また、上記各実施形態では、各空気袋(101,102)に1つの開口部(101c,102c)を形成し、各空気袋(101,102)の給気及び排気を該開口部(101c,102c)を通じて行っているが、この限りでなく、例えば各空気袋に2つの開口部(101c,102c)を設けても良い。この場合、前記2つの開口部のうちの一方の開口部を、空気袋内へ圧縮空気を導入するための給気口として利用でき、他方の開口部を、圧縮袋内の空気を排出するための排気口として利用できる。
また、上記実施形態2では、圧縮バネ(99a)で弾性部材を構成したが、この限りでなく、弾性部材を引っ張りバネ(99b)で構成してもよい。この場合、引っ張りバネ(99b)を、図30に示すように、回転軸(95)よりも第1空気袋(101)が設けられている側に配置すればよい。こうすると、空気袋(101)によって太陽パネル(92a)を押し上げることにより該太陽パネル(92a)を所定の方向(第1方向)へ回転できる一方、引っ張りバネ(99b)によって太陽パネル(92a)を引っ張ることにより該太陽パネル(92a)を前記第1の方向とは逆向きの第2の方向へ回転できる。これにより、太陽パネル(92a)を正逆の双方向へ確実に回動できる。
以上説明したように、本発明は、太陽光発電ユニットを備えた給湯システムに特に有用である。
60 空気圧縮機(空気圧縮部)
90 太陽パネルユニット
92a 駆動側太陽パネル(太陽パネル)
92b 被駆動側太陽パネル(太陽パネル)
93 太陽パネル駆動機構
94 柱部(支持部)
95 回転軸
98 リンク部材(リンク機構)
99a 圧縮バネ(弾性部材)
99b 引っ張りバネ(弾性部材)
100 アクチュエータユニット
101 第1空気袋(空気袋)
102 第2空気袋(空気袋)
101a,102a 本体部
101b,102b 受け部
101c,102c 給排気口(開口部)
103 第1ロッド部(ロッド部材)
104 第2ロッド部(ロッド部材)
105 給排気機構
170 ロック機構