JP2012116310A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキ制御に係る制御原点のキャリブレーション時、制御原点調整指示信号によって、マスタ圧制御装置のCPUの検出手段が作動されて検出した制御原点が不揮発性メモリとバッファメモリとに記憶されて、且つセレクタ手段302の読み出し選択がバッファメモリ側に設定されるので、キャリブレーションによる新制御原点がリアルタイムにブレーキ制御アプリケーション303にて適用可能となる。これにより、従来のように、イグニッションスイッチをオフ・オン操作して再起動するまでの時間を待つ必要がないので、メンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【選択図】図3
Description
図1は、ブレーキ制御システムの全体構成を示すブロック図である。図1で矢印付きの破線は信号線であり、矢印の向きによって信号の流れを表している。
図1に示すように、ブレーキ制御装置1は、マスタシリンダ9の出力圧力であるマスタ圧を制御するための電動モータ20を備えたマスタ圧制御機構4と、該マスタ圧制御機構4を電気的に制御するためのマスタ圧制御装置3と、ホイール圧制御機構6と、該ホイール圧制御機構6を電気的に制御するためのホイール圧制御装置5と、ブレーキペダル100に連結されるインプットロッド7と、運転者のペダル操作量から要求ブレーキ力を検出する操作量検出装置8と、マスタシリンダ9と、リザーバタンク10と、補助電源12とを有している。
マスタシリンダ9の出力圧力を変化させるための第2の加減圧部は、マスタ圧制御装置3と、マスタ圧制御機構4と、該マスタ圧制御機構4により制御されるアシストピストン40とを有している。なお、後述のとおり、インプットピストン16とアシストピストン40とはプライマリ液室42の液圧を制御するプライマリピストンとして作用する。インプットピストン16とアシストピストン40との間には、一対の中立バネ30、31が介装され、インプットピストン16とアシストピストン40とは、中立バネ30、31のバネ力によって中立位置に弾性的に保持され、これらの軸方向の相対変位に対して中立バネ30、31のバネ力が作用するようになっている。
マスタ圧制御機構4は、マスタ圧制御装置3から出力されるモータ駆動電流に従って、アシストピストン40を押圧する機構であり、回転トルクを発生させる電動モータ20と、該電動モータ20の回転トルクを増幅する減速装置21と、回転運動と直進運動との間の変換を行う回転−直動変換装置25とを備えている。
該ホイール圧制御機構6は、ホイール圧制御装置5の出力に従って、マスタシリンダ9で加圧された作動液を受け、各車輪に対して摩擦制動力を発生するための各ホイールシリンダ11a〜11dへ供給する作動液圧を制御する。
電動モータ20は、マスタ圧制御装置3で制御されるモータ駆動電流によって動作し、所望の回転トルクを発生する。電動モータ20としては、DCモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ等を使用するのが適当であるが、制御性、静粛性、耐久性の点において、DCブラシレスモータが望ましい。電動モータ20には、例えばレゾルバなどの位置センサ(図2で回転角検出センサ205として示す)が備わっており、この信号がマスタ圧制御装置3に入力されるように構成されている。これにより、マスタ圧制御装置3は、上記位置センサの信号に基づいて電動モータ20の回転角すなわち回転量を算出することができ、これに基づいて回転−直動変換装置25の推進量、すなわちアシストピストン40の変位量を算出することができる。
倍力可変制御処理は、インプットピストン16の変位量に比例ゲイン(K1)を乗じた量だけアシストピストン40を変位させる制御処理である。なお、K1は、制御性の点からは1であることが望ましいが、緊急ブレーキ等により運転者のブレーキ操作量を超える大きなブレーキ力が必要な場合には、一時的に1を超える値に変更することができる。これにより、同量のブレーキ操作量でも、マスタ圧を通常時(K1=1の場合)に比べて引き上げられるため、より大きなブレーキ力を発生させることができる。ここで、緊急ブレーキの判定は、例えば、操作量検出装置8の信号の時間変化率が所定値を上回るか否かで判定することができる。
自動ブレーキ制御処理は、マスタシリンダ9の作動圧を自動ブレーキの要求液圧(以下「自動ブレーキ要求液圧という。」に調節するようにアシストピストン40を前進又は後退させる処理である。この場合のアシストピストン40の制御方法としては、テーブルに記憶された事前に取得したアシストピストン40の変位量とマスタ圧との関係に基づいて、自動ブレーキ要求液圧を実現するアシストピストン40の変位量を算出して目標値とする方法やマスタ圧センサ57で検出されたマスタ圧をフィードバックする方法等があるが、いずれの方法を採用しても構わない。なお、自動ブレーキ要求液圧は、外部ユニットから受信することが可能であり、例えば車両追従制御、車線逸脱回避制御、障害物回避制御等でのブレーキ制御に適用可能である。
該ホイール圧制御機構6は、マスタシリンダ9で加圧された作動液を各ホイールシリンダ11a〜11dへ供給するのを制御するゲートOUT弁50a、50bと、マスタシリンダ9で加圧された作動液をポンプ54a、54bへ供給するのを制御するゲートIN弁51a、51bと、マスタシリンダ9又はポンプ54a、54bから各ホイールシリンダ11a〜11dへ作動液を供給するのを制御するIN弁52a〜52dと、各ホイールシリンダ11a〜11dを減圧制御するOUT弁53a〜53dと、マスタシリンダ9で生成された作動圧を昇圧するポンプ54a、54bと、ポンプ54a、54bを駆動するモータ55と、マスタ圧を検出するマスタ圧センサ56とを有する。なお、ホイール圧制御機構6としては、アンチロックブレーキ制御用の液圧制御ユニット、車両挙動安定化制御用の液圧制御ユニット等が適当である。
該マスタ圧制御装置3の制御回路は、図2において太線枠201で示されており、マスタ圧制御機構4の電気部品や電気回路は、点線枠202で示されている。太線枠5は、ホイール圧制御装置5を示す。また、点線枠208は、操作量検出装置8のセンサを示しており、図2に示された例では、2個の変位センサを備えた構成としているが、少なくとも1個以上備えた構成であればよい。ここで用いるセンサを、踏力センサもしくはマスタ圧センサとしてもよいし、異なるセンサを少なくとも2個以上組み合わせた構成としてもよい。
また、車両電源が失陥した時には、補助電源12から補助電源リレー236を介して供給される電力が、第1電源回路215と、第2電源回路216とに供給できるようになっている。第1電源回路215によって得られる安定した電源(VCC1)は、中央制御回路(CPU)211に供給される。第2電源回路216によって得られる安定した電源(VCC2)は監視用制御回路219に供給される。
また、車両電源が失陥した時には、補助電源12から補助電源リレー235を介して三相モータ駆動回路222に電力を供給できるようになっている。外部から供給される電力は、フィルタ回路212を介することによってノイズが除去され、三相モータ駆動回路222に供給される。
通常、ブレーキ制御に係る制御原点は、不揮発性メモリ(記憶回路230)に記憶されており、イグニッションがオン操作されると、不揮発性メモリ読出し/書込みアプリケーション301(不揮発性メモリから読出す読出し手段、制御原点を不揮発性メモリに書込む書込み手段)の起動によって不揮発性メモリに記憶されている制御原点を読み出しセレクタ手段302に出力される。ここで、セレクタ手段302は、通常では、不揮発性メモリ側に選択設定されている(図3の実線で示す状態)ので、不揮発性メモリからの読出し値がそのままブレーキ制御アプリケーション303に適用される。
このキャリブレーション処理では、まず、CPU211に制御原点調整指示信号が入力されると、検出手段によって各種検出センサからの検出信号に基づいてブレーキ制御に係る制御原点を検出すると共にキャリブレーション制御アプリケーション300が起動する。そして、キャリブレーション制御アプリケーション300(制御原点をバッファメモリに書込む書込み手段)の起動により、不揮発性メモリ読出し/書込みアプリケーション301に不揮発性メモリ書込み制御指令及び不揮発性メモリへの書込み値が、また、セレクタ手段302にキャリブレーション時のセレクタ手段制御指令が、バッファメモリ304には、新制御原点であるキャリブレーション値(バッファ値)が、さらに、ブレーキ制御アプリケーション303にキャリブレーションによる新制御原点を求める制御を実行する制御指令が出力される。続いて、キャリブレーションによる新制御原点が、不揮発性メモリ読出し/書込みアプリケーションの起動により不揮発性メモリに書込みされる。しかしながら、この時点で不揮発性メモリに書込まれたキャリブレーションによる新制御原点は、イグニッションスイッチをオフ・オン操作して再起動するまでブレーキ制御アプリケーション303には反映されず、再起動した時点でキャリブレーションによる新制御原点が不揮発性メモリから読み出しされて、ブレーキ制御アプリケーション303で適用可能となる。
まず、ステップS1及びS2においては、上述したように、通常、セレクタ手段302は不揮発性メモリ側に選択設定されているので、不揮発性メモリからの読出し値がセレクタ手段302を介してそのままブレーキ制御アプリケーション303にて適用される。
次に、ステップS3においてキャリブレーションの要求の有無が判定され、キャリブレーションの要求が無いと判定された場合にはステップS1に戻り、要求があると判定された場合にはステップS4に進む。
次に、ステップS6では、キャリブレーションが正常に終了した否かの判定が行われる。その結果、意図しない操作や他機器の作動によりキャリブレーションが正常に終了していないと判定された場合にはステップS101に進む。該ステップS101では新制御原点の消去が行われる。ここで消去とは、不揮発性メモリ書込みアプリケーション301の起動により、出荷時の初期値が不揮発性メモリに書き込まれ、RAM231上のバッファメモリ値に同様に初期値を設定することである。続いてステップS102に進み、該ステップS102では、ステップS101において新制御原点の消去が正常に終了したか否かが判定される。ステップS101において新制御原点の消去が正常に終了していないと判定されればステップS101に戻り再び新制御原点の消去が行われる。このステップS102からステップS101に戻る流れは1回限定であり、それ以降はステップS102にて新制御原点の消去が正常に終了していないと判定された場合でもステップS103に進む。一方、ステップS102において、新制御原点の消去が正常に終了されたと判定された場合にはステップS103に進むが、該ステップS103では、セレクタ手段302がバッファメモリ側に選択設定され、且つ不揮発性メモリへの書込み値及びRAM上のバッファメモリ値には、本ブレーキ制御装置1の製造元からの出荷時の初期値が設定される。なお、ブレーキ制御装置1の制御原点が出荷時の初期値に設定された状態で組み付けられた状態であると、キャリブレーションが未実施であるという警告を促す異常通知が発せられる。
また、ステップS6において、キャリブレーションが正常に終了したと判定された場合には、ステップS7に進む。
次に、ステップS8では、ステップS7において、キャリブレーションによる新制御原点が、不揮発性メモリに正常に書込まれたか否かが判定される。そして、新制御原点が不揮発性メモリに正常に書込まれていないと判定された場合にはステップS101〜S103に進む。一方、新制御原点が不揮発性メモリに正常に書込まれたと判定された場合にはステップS9に進む。該ステップS9では、セレクタ手段302がバッファメモリ側に選択設定され、且つ不揮発性メモリへの書込み値及びバッファメモリ値はキャリブレーションによる新制御原点となる。この結果、キャリブレーションによる新制御原点が、イグニッションスイッチをオフ・オン操作して再起動するまでの時間を待つことなく、ブレーキ制御アプリケーション303にリアルタイムに適用される。なお、他要件等にて、イグニッションスイッチがオフ・オン操作され再起動された場合には、通常通り、不揮発性メモリ読出し/書込みアプリケーション301の起動によって不揮発性メモリに記憶されている新制御原点が読み出されてセレクタ手段302を介してブレーキ制御アプリケーション303に適用される。
このイグニッションスイッチのオフ・オン操作の待ち時間とは、電動制御を有するブレーキ制御装置では、イグニッションスイッチをオフにしても、直後にサイドブレーキのかけ忘れ等で車輌が移動しブレーキを操作する可能性があるので、所定時間(例えば数分間)ブレーキペダルの操作がない等の条件をクリアして、はじめて電源を遮断する。よって、イグニッションスイッチのオフ・オン操作によりブレーキ制御装置のオン・オフ操作を行う場合、イグニッションスイッチのオフ後、所定時間待って、ブレーキ制御装置の電源が遮断された後、イグニッションスイッチのオン操作をする必要があり、少なくとも所定時間以上の時間が必要となる。この時間がイグニッションスイッチのオフ・オン操作の待ち時間である。
なお、上記異常通知が発せられる値は、初期値ではなくても予め決められた値であれば、どのような値であってもよい。
Claims (2)
- 制動力を発生するための液圧を発生するマスタシリンダと、該マスタシリンダの液圧を制御するための電動モータと、電源からの電力を受け前記電動モータを駆動する制御回路とを備え、
前記制御回路は、ブレーキ制御に係る制御原点を記憶する不揮発性メモリを有し、ブレーキペダルの操作量に基づき要求制動力を算出し、該算出した要求制動力に基づき、前記制御原点を踏まえて前記電動モータを駆動するための電流を発生させて、前記マスタシリンダが発生する液圧が前記要求制動力になるように前記電動モータを制御するブレーキ制御手段を有するブレーキ制御装置において、
前記制御回路は、
前記制御回路の起動時に、ブレーキ制御手段で用いる制御原点を前記不揮発性メモリから読出す読出し手段と、
前記制御原点を調整する調整する際にブレーキ制御に係る制御原点を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した制御原点を記憶可能なバッファメモリと、
該検出手段により検出した制御原点を前記不揮発性メモリ及前記バッファメモリに書込む書込み手段と、
前記不揮発性メモリと前記バッファメモリとのうちいずれから制御原点を読み出すかを選択するセレクタ手段と、を備え、
さらに、制御原点を調整する調整する際には、前記セレクタ手段の読み出し選択を前記バッファメモリ側に設定し、前記ブレーキ制御手段は、前記バッファメモリの制御原点に基き制御をおこなうことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 前記制御回路は、前記制御原点調整する際に、意図しない操作または作動により制御原点調整が失敗した場合、前記不揮発性メモリ及びバッファメモリに、異常通知が発せられる値が設定されることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
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