JP2012115891A - 粉体圧縮成形体の製造方法 - Google Patents

粉体圧縮成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】割れや欠けの発生を抑制し得る粉体圧縮成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】上杵3の成形面32の周縁部32aと下杵4の成形面42の周縁部42aとの間に所定の間隙Gが生じるように両杵3,4を突き合わせて、原料を圧縮成形する圧縮成形工程を備える粉体圧縮成形体10の製造方法である。上杵3の成形面32の周縁部32aと下杵4の成形面42の周縁部42aとの間の間隙Gに原料を介在させ、該間隙Gに介在させた該原料も圧縮する。上杵3の成形面32及び下杵4の成形面42のうちの少なくとも一方が凹部を有し、その成形面32,42の周縁部32a,42aの少なくとも一部が、1.5mm以下の幅の平面部Pを含んでいる上杵3又は下杵4を使用する。
【選択図】図5

Description

本発明は、粉体を含む原料を圧縮成形し、粉体圧縮成形体を製造する粉体圧縮成形体の製造方法に関する。
粉体圧縮成形体に意匠性を付与して高級感を高める目的で、立体デザイン性に富んだ粉体圧縮成形体が求められている。そのような成形体においては、その表面が平坦ではなく、凹凸の立体形状を有しているので、表面が平坦な成形体を成形する場合に比べて、成形にトラブルが起こりやすい傾向にある。
表面が立体形状を有する成形体を成形する方法として、例えば特許文献1には、表面に凹凸のついた板状弾性体を上杵として用いる方法が記載されている。また特許文献2には、成形面が凹状の曲面になっている上杵を用いるとともに、成形面が凸状の曲面になっている下杵を用いる方法が記載されている。
特開平8−154732号公報 特開2002−51830号公報
しかし、特許文献1に記載の弾性体を用いる方法では表面の微細な凹凸の成形に限定される。
一方、特許文献2に記載の方法は成形体の厚みを均一にすることでプレス圧を均一化するため、粉体圧縮成形体の厚みに大きな差を設けた場合、製品の対衝撃強度が低下する。
そこで、発明者らは立体デザインの自由度を向上させる粉体圧縮成形体の製造方法として上杵及び/又は下杵の成形面に深い凹凸を有し、かつ上杵の周縁部と下杵の周縁部とを略突き合わせ状態で成形する製造方法を検討した。しかし、このような製造方法で粉体圧縮成形体を製造する場合には、成形体に割れや欠けが発生しやすいことが判明した。
また、粉体圧縮成形体に要求される品質を満たすように加圧成形する場合、非常に大きな圧力が必要となり、使用できる装置が高い耐圧性を有する装置に制限されるという問題もあることが判明した。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し、成形体の立体的デザインの自由度を制限することなく、成形体の割れや欠けの発生しにくい粉体圧縮成形体の製造方法を提供することにある。
本発明は、臼体と臼体内に配置された下杵の成形面とによる成形空間に、粉体を含む原料を充填する充填工程と、臼体内に上杵を降下させ、原料を圧縮成形する工程とを備えた粉体圧縮成形体の製造方法であって、
上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間に所定の間隙が生じるように両杵を突き合わせて、前記原料を圧縮成形する圧縮成形工程を備え、
圧縮成形工程において、上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間の前記間隙に前記原料を介在させ、該間隙に介在させた該原料も圧縮し、
上杵の成形面及び下杵の成形面のうちの少なくとも一方が凹部を有し、該成形面の周縁部の少なくとも一部が、1.5mm以下の幅の平面部を含んでいる上杵又は下杵を使用する、粉体圧縮成形体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、臼体内に配置された下杵の成形面に、粉体を含む原料を充填する充填工程と、
臼体内に上杵を降下させ、上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間に所定の間隙が生じるように両杵を突き合わせて、前記原料を圧縮成形する圧縮成形工程とを備え、
圧縮成形工程において、上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間の前記間隙に前記原料を介在させ、該間隙に介在させた該原料も圧縮する粉体圧縮成形体の製造方法であって、
上杵の成形面及び下杵の成形面のうちの少なくとも一方が凹部を有し、その成形面の周縁部の少なくとも一部が、凹部に向けて傾斜した曲面形状となっている曲面部を含んでいる上杵又は下杵を使用する、粉体圧縮成形体の製造方法を提供するものである。
更に本発明は、前記の製造方法で製造された粉体圧縮成形体であって、
前記粉体圧縮成形体が、本体部と、該本体部の側面に形成されかつ圧縮方向と直交する方向に延びる環状突条部とからなり、該環状突条部が前記間隙に介在させた前記原料の圧縮によって形成されており、
前記環状突条部の平均厚みが2〜7mmであり、
前記環状突条部の上面と下面とが平行である領域を備え、該領域の幅が0.3〜2mmであり、
前記環状突条部に連なる部分における前記本体部の曲率が10〜10000であり、かつ該本体部の密度が1.2〜1.5g/cm3である粉体圧縮成形体を提供するものである。
本発明によれば、上杵の周縁部と下杵の周縁部とを略突き合わせ状態で成形を行う場合に発生しやすい割れや欠けを抑制することができる。特に本発明によれば、圧縮方向に沿う側面に、該圧縮方向と平行な面が存在しない形状を有する粉体圧縮成形体を、外観上の欠陥を生じさせることなく製造できるので、成形体の立体的デザインの自由度が高くなる。また、そのような形状を有する粉体圧縮成形体を、成形装置の圧力許容範囲を超えることなく、首尾よく成形することができる。
図1(a)は、本発明の製造方法で得られる粉体圧縮成形体の一例を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す粉体圧縮成形体の側面図である。 図2は、本発明の製造方法を実施するために好適に用いられる粉体圧縮成形装置の概略を示す断面図である。 図3(a)及び(b)は、図2に示す成形装置を用いた粉体圧縮成形体の製造過程を示す模式図である。 図4は、図3(b)の要部を拡大して示す模式図である。 図5は、本製造方法で用いられる上杵及び下杵の一実施形態の要部を拡大して示す断面図である。 図6は、本製造方法で用いられる上杵及び下杵の別の実施形態の要部を拡大して示す断面図である。 図7は、本発明の製造方法で得られる粉体圧縮成形体の要部を拡大して示す縦断面図である。 図8は、本発明の製造方法で得られる別の粉体圧縮成形体の要部を拡大して示す縦断面図である。 図9は、本発明の権利範囲外の粉体圧縮成形法で用いられていた上杵及び下杵の要部を拡大して示す縦断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。しかしながら本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されるものではない。図1(a)及び(b)には、本発明の製造方法に従い好適に製造される粉体圧縮成形体の一例が示されている。同図に示す粉体圧縮成形体10は、紙面の上下方向を圧縮方向にして圧縮成形されたものである。成形体10は、立体デザイン性に富んだ下部11を有している。下部11は底面に向かって断面積が減少する下すぼみの形状を有している方が好ましく、図1(a)及び(b)で示されるようなすり鉢状であることがより好ましい。成形体10は、その製造過程において用いられる上杵及び下杵の成形面の形状に応じて、様々な立体デザインを取ることが可能である。例えば、花や、キャラクター等の形状をイメージして形成することができる。図1(a)及び(b)に示す成形体10は、花をイメージして形成されたものである。成形体10におけるすり鉢状の下部11は、花びらの集合体を底面側からイメージして立体的に形成されたものである。成形体10における上部12も、立体デザイン性に富んだ形状をしており、花びらの集合体を天面側からイメージして立体的に形成されたものである。従来、このような立体性に富んだ成形体を圧縮成形によって製造すると成形体に割れや欠けなどの欠陥が生じやすかったが、本発明の製造方法によればそのような欠陥の発生を効果的に抑制することができる。
前記の下部11は、成形体10における環状突条部10b(これについては後述する)よりも下側に位置する部位である。上部12は、環状突条部10bよりも上側に位置する部位である。「すり鉢状」とは、図1(b)に示すように、成形体10を縦断面視したときに、環状突条部10bを除き、底面に対して垂直な部分が側面に形成されておらず、側面が曲面で形成されている形状のことを言う。
図2には、図1(a)及び(b)に示す粉体圧縮成形体10の製造に好適に用いられる粉体圧縮成形装置全体の概略を示す断面図が示されている。同図に示す粉体圧縮成形装置1は、粉体を含む原料を圧縮成形して、立体デザイン性に富んだ粉体圧縮成形体10を製造する装置である。図2に示すように、粉体圧縮成形装置1は、鉛直方向に延びる貫通口21を有する臼体2と、貫通口21の上方側から下方に向けて挿入される上杵3と、貫通口21の下方側から上方に向けて挿入される下杵4とを備えている。図中のY方向は、粉体圧縮成形装置1の上下方向であり、かつ鉛直方向である。図中のX方向は、Y方向に直交する方向であり、かつ水平な方向である。
粉体圧縮成形装置1は、水平方向に取り付けられた打錠テーブル6を備えている。打錠テーブル6の中央部には貫通孔が設けられており、その貫通孔に臼体2が嵌合されている。臼体2は、金属の剛体からなり、Y方向に延びる円筒状の貫通口21を有する筒状の形状をしている。
上杵3は、貫通口21の上方側から挿入され、貫通口21内を上下動可能になっている。上杵3は金属の剛体からなる。上杵3は、その上方側に配される上杵ホルダー31によって該ホルダー31と一体的に保持されている。上杵ホルダー31は、クランク軸に接続されたコネクティングロッド(図示せず)によって支持されている。上杵3が臼体2の貫通口21内に挿入された状態においては、上杵3と臼体2の壁面との間には僅かなクリアランスが形成される。このクリアランスが形成された状態で上杵3は貫通口21内を上下動可能となっている。上杵3の移動手段は、クランク軸に接続されたコネクティングロッドに限定されず、他に油圧シリンダ、エアシリンダ、電動モータを用いたボールネジプレス等を用いてもよい。
上杵3の底面、つまり下杵4との対向面は成形面32になっている。成形面32は、平坦面又は凹部を有する面(以下、単に凹面という。)とすることができる。成形面32が平坦面である場合には、後述する下杵4の成形面は凹面になっており、成形面32が凹面である場合には、後述する下杵4の成形面は平坦面及び凹面のどちらであってもよい。目的とする粉体圧縮成形体10の上部12にデザイン性を付与する観点からは、上杵3の成形面は凹面であることが好ましい。該成形面は、目的とする粉体圧縮成形体10の上部12の形状と相補形状になっている。前記の「凹面」とは、成形面に凹部のみを有する場合だけでなく、凹部に加えて凸部も有する場合も包含する。
下杵4は、貫通口21の下方側から挿入され、貫通口21内を上下動可能になっている。下杵4は、上述した上杵3と同様に金属の剛体からなる。下杵4は、その下方側に配される下杵ホルダー43によって該ホルダー43と一体的に保持されている。下杵4が臼体2の貫通口21内に挿入された状態においては、下杵4と臼体2の壁面との間には僅かなクリアランスが形成される。このクリアランスが形成された状態で下杵4は貫通口21内を上下動可能となっている。
下杵4の上面、つまり上杵3との対向面は成形面42になっている。成形面42は、平坦面又は凹面とすることができる。成形面42が平坦面である場合には、上杵3の成形面32は凹面になっており、成形面42が凹面である場合には、上杵3の成形面は平坦面、凹面、凹凸面又は凸面の何れかでよい。目的とする粉体圧縮成形体10の下部にデザイン性を付与する観点からは、下杵4の成形面42は凹面であることが好ましい。該成形面42は、目的とする粉体圧縮成形体10の下部11の形状と相補形状になっている。
粉体圧縮成形装置1は、打錠テーブル6の上面に、粉体を含む原料を臼体2の貫通口21に供給するフィードシュー7を備える。フィードシュー7は、上方側に配されるホッパー(図示せず)に接続されている。粉体を含む原料は、ホッパー(図示せず)からフィードシュー7へ連続的に供給されるようになっている。フィードシュー7と打錠テーブル6とは、X方向の前後方向に相対的に移動可能になっている。フィードシュー7が臼体2の貫通口21上に移動すると、フィードシュー7の底面側にある供給口(図示せず)を通して原料が貫通口21内に供給される。移動の際には、フィードシュー7の底面と、打錠テーブル6及び臼体2それぞれの上面とが段差がなく面一となる。貫通口21内に供給された原料は該貫通口21内を満たし、かつフィードシュー7の底面によって擦り切られる。これによって一定量の原料が貫通孔21内に充填される。
図2に示す成形装置1を用いた粉体圧縮成形体の製造方法においては、図3(a)に示すように、臼体2内に配置された下杵4の成形面42に、粉体を含む原料50を充填する充填工程を行う。原料の充填は、先に述べたとおりフィードシュー7を用いて行う。
次に図3(b)に示すように、臼体2内に上杵3を降下させる。そして、上杵3の成形面32の周縁部と下杵4の成形面42の周縁部との間に所定の間隙が生じるように両杵3,4を突き合わせて、原料50を圧縮成形する圧縮成形工程を行う。これによって、目的とする粉体圧縮成形体10を得る。両杵3,4を突き合わせた状態においては、両杵3,4の成形面32,42はそれらの周縁部32a,42aのみが近接し、成形面32,42のうち周縁部32a,42aよりも内側に位置する部位は近接しない。
図4には、図3(b)に示す圧縮成形工程の要部が模式的に示されている。同図4に示す上杵3はその成形面32が、周縁部32aから凹陥した凹面になっている。同様に下杵4はその成形面42が、周縁部42aから凹陥した凹面になっている。このような状態の上杵3及び下杵4を突き合わせて圧縮成形を行うときに、上杵3の成形面32の周縁部32aと、下杵4の成形面42の周縁部42aとの間に所定の間隙Gが形成されるように両杵3,4の突き合わせを行う。間隙Gが形成されないように、すなわち両杵3,4の周縁部32a,42aどうしが当接するように突き合わせを行うことも可能であるが、その場合には、粉体が介在する事によって成形圧が上昇するおそれがあり、その結果、成形圧が成形装置1の圧力許容範囲を超えてしまうおそれがある。また、両杵3,4の周縁部32a,42aの間に介在した粉体から形成された部分の圧縮率が過大となり、該部分に割れや欠けなどの欠陥が生じ易くなる。したがって本製造方法では、両杵3,4の周縁部32a,42a間に間隙Gが生じるように圧縮成形を行う必要がある。その結果、得られた粉体圧縮成形体10は、先に説明した図1(a)及び(b)に示すとおり、本体部10aと該本体部10aの側面に形成された環状突条部10bとから構成されることになる。環状突条部10bは、上述した両杵3,4の周縁部32a,42aどうしの間隙Gと臼体2の側壁との画定される空間に充填された原料50の圧縮によって形成される部位である。環状突条部10bは、成形体10の圧縮方向(図1(b)における上下方向)と直交する方向に延びており、かつ本体部10aの側面に連続して形成されている。また環状突条部10bは、両杵3,4の成形面32,42の形状に応じて形成され、必ずしも本体部10aの高さ方向の中央部に形成されているとは限らない。図1(b)に示す成形体10においては、環状突条部10bは、本体部10aの高さ方向の中央部よりも上面寄りの位置に形成されている。
圧縮成形によって成形体10を製造する過程においては、該成形体10のうち、本体部10aに加わる圧縮力と、環状突条部10bに加わる圧縮力とを比較すると、一般に環状突条部10bに加わる圧縮力の方が高くなる。したがって、成形体10の主要部をなす本体部10aを確実に成形するために要する圧縮力で成形を行うと、環状突条部10bに過度の圧縮力が加わり、該環状突条部10bに割れや欠け等の欠陥が生じやすい傾向にある。そこで本製造方法においては、図5に示すように、成形面が凹面になっている上杵3及び下杵4の該成形面32,42の周縁部32a,42aの少なくとも一部が、1.5mm以下、好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.4mm以下の幅の平面部Pを含むようにしている。周縁部32a,42aの少なくとも一部がこのような平面部Pを有していることによって、圧縮成形時に、該平面部Pにおいて粉体が内側に移動しやすくなり、該粉体が内側に移動しながら圧縮が行われるので、環状突条部10bが過圧縮又は圧縮不足になることが効果的に防止され、環状突条部10bに割れや欠け等の欠陥が生じることが効果的に防止される。
周縁部32a,42aにおける1.5mm以下の幅の平面部Pは、該周縁部32a,42aの全周にわたって形成されていることが最も好ましいが、周縁部32a,42aの周長の好ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上の部位に前記の平面部Pが形成されていることが、環状突条部10bに欠陥が生じることを一層効果的に防止する観点から有利である。
また周縁部32a,42aにおける1.5mm以下の幅の平面部Pは、該幅がすべて同じであることを要しない。例えば幅が1.5mmである平面部Pと、幅が1.0mmである平面部Pとが混在していてもよい。更に周縁部32a,42aに、1.5mm超の広幅の平面部が存在していることは妨げられない。しかし、そのような広幅の平面部は、周縁部32a,42aの周長の好ましくは50%以下、更に好ましくは20%以下にとどめることが、環状突条部10bに欠陥が生じることを一層効果的に防止する観点から有利である。
各杵3,4の周縁部32a,42aにおける平面部Pは一般に、圧縮成形時における圧縮方向と直交する方向を向いているが、圧縮方向と直交する方向に対して若干傾斜していてもよい。例えば成形面の中央に向けて若干傾斜していてもよい。また、各杵3,4の周縁部32a,42aにおける平面部Pと、成形面32,42とは、曲面(特に凸の曲面)によって滑らかに連なっている。
本製造方法においては、上述した図5に示す平面部Pを有する周縁部32a,42aを備えた上杵3及び下杵4を用いることに代えて、図6に示すように、成形面が凹面になっている上杵3及び下杵4の該成形面32,42の周縁部32a,42aの少なくとも一部が、凹部に向けて傾斜した曲面形状となっている曲面部を含んでいるものを用いてもよい。図6に示す形態の周縁部32a,42aを有する上杵3及び下杵4を用いることによっても、圧縮成形時に環状突条部10bが過圧縮又は圧縮不足になることが効果的に防止され、環状突条部10bに割れや欠け等の欠陥が生じることが効果的に防止される。
図6に示す周縁部32a,42aにおいて、その最外縁から凹部に向けて傾斜した曲面部の曲率は、単位を1/mとした時に500〜3300、特に1000〜2000であることが、環状突条部10bに欠陥が生じることを一層効果的に防止する観点から好ましい。
図6に示す周縁部32a,42aは、該周縁部32a,42aの全周にわたって前記の曲面形状が形成されていることが最も好ましいが、それ以外に例えば図5に示す周縁部に形成されていた幅1.5mm以下の平面部Pを一部に有していてもよい。あるいは平面部を全く有していなくてもよい。更に周縁部32a,42aに、1.5mm超の広幅の平面部が存在していることは妨げられない。しかしそのような広幅の平面部は、周縁部32a,42aの周長の好ましくは50%以下、更に好ましくは20%以下にとどめることが、環状突条部10bに欠陥が生じることを一層効果的に防止する観点から有利である。
本製造方法における圧縮成形の条件は、製造する粉体圧縮成形体10の形状や原料等に応じて適宜変更することができる。粉体圧縮成形体10が例えば浴用剤のタブレットである場合には、成形圧は5〜26MPa、特に7〜23MPaであることが好ましい。加圧時間は、成形圧がこの範囲であることを条件として0.1〜10秒、特に0.5〜5秒であることが好ましい。また、成形時において、成形圧の最大荷重点で上杵の動作を一旦停止することが好ましい。上杵の動作を停止して成形体10に保圧をかけることによって、成形体10の成形性が良好になるという利点がある。更に、本製造方法によれば、所望の密度の成形体10を得るために必要な成形圧を、従来(例えば図9に示す上杵及び下杵を用いた場合)よりも低くできるという利点がある。この利点は、装置的な制約を受けにくいという点において有利である。
本製造方法は、圧縮方向に沿う側面に、該圧縮方向と平行な面(ただし環状突条部10aを除く。)が存在しない形状を有する粉体圧縮成形体10を成形する場合にその利点が一層顕著なものとなる。また本製造方法は、圧縮方向と直交する方向の断面における最幅広部での直径W(図1(b)参照)が2〜10cmである粉体圧縮成形体10を成形する場合にもその利点が一層顕著なものとなる。更に本製造方法は、図7及び図8に示すように、環状突条部10bの厚みtが好ましくは2〜7mm、更に好ましくは3〜4mmである成形体10を成形する場合にその利点が一層顕著なものとなる。図7は図5に示す上杵3及び下杵4を用いて製造した成形体10の要部拡大断面図である。図8は図6に示す上杵3及び下杵4を用いて製造した成形体10の要部拡大断面図である。環状突条部10bは上面と下面とが平行である領域の幅Lは好ましくは0.3〜2mm、更に好ましくは0.5〜1mmである。なお、この長さLは、上杵3及び/又は下杵4の周縁部32a,42aの平面部の幅と一致しない場合があることに留意すべきである。長さLには上杵3及び/又は下杵4と臼体2の壁面とのクリアランスが含まれているからであり、かつ成形体10がスプリングバックによって膨張するからである。
更に環状突条部10bに連なる部分における本体部10aの曲率R(図8参照)は単位を1/mとした時に好ましくは10〜10000であり、更に好ましくは100〜2000である。この曲率は、先に述べた図6に示す曲面部の曲率の値と一致していないが、この理由は、成形体10がスプリングバック等によって変形するからである。環状突条部10bの密度は、使用する原料の種類にもよるが、好ましくは1.2〜1.6g/cm3、更に好ましくは1.3〜1.5g/cm3である。この密度は、本体部10aの密度の100〜125%、特に100〜115%であることが好ましい。本体部10aの密度それ自体は、1.2〜1.5g/cm3であることが好ましい。環状突条部10b及び本体部10aの密度は、例えば環状突条部10b及び本体部10aの質量と体積を測定し、その測定結果から計算できる。具体的には次の手順で行う。すなわち、1.環状突条部10bの一部、なるべく直線部分をカッターで本体部10aから切り離す。2.厚み、幅、長さを測定し、体積を計算する。3.重量を測定する。4.体積/重量から、密度を算出する。
粉体圧縮成形体10の厚みt1(図1(b)参照)は、15〜35mmであることが好ましい。成形体10における下部11の厚みt2(図1(b)参照)は、t1が前記の範囲内であることを条件として、デザイン性の観点から、1.5mm以上、特に5mm以上であることが好ましい。
粉体圧縮成形体10の原料は、例えば各種の粉末及び必要に応じて配合される油性成分等の各種成分を含み、これらの成分が混合されたものからなる。粉体圧縮成形体10が例えば入浴剤のタブレットである場合には、原料として例えば重層、炭酸ナトリウム、コハク酸、フマル酸、デキストリン、香料及び色素等を含む粉末原料を用いることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば図2ないし図6に示す実施形態においては、上杵3及び下杵4の双方において、周縁部32a,42aに連なる成形面32,42が凹面になっていたが、本発明においては上杵3及び下杵4のいずれか一方において、周縁部32a,42aに連なる成形面が凹面になっていれば、所期の目的は達成される。その場合、他方の杵としてはその成形面が平坦面のものを使用することができる。
また、上杵3及び下杵4の周縁部32a,42aに連なる成形面32,42のいずれもが凹面になっている場合、上杵3として図5に示す実施形態のものを用い、下杵4として図6に示す実施形態のものを用いてもよい。あるいはその逆の使い方をしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図2及び図3に示す粉体圧縮成形装置1を用い、図1(a)及び(b)に示す形状の粉体圧縮成形体10を製造した。成形体10における各寸法t1,t2,W(図1(b)参照)は、t1=2.8cm、t2=2.0cm、W=7.0cmに設定した。成形体10の原料は、以下の表1に示すとおりとした。
Figure 2012115891
成形装置1における上杵3として図6に示すものを用いた。下杵4としては図5に示すものを用いた。図6に示す上杵3においては、周縁部32aの全周にわたって曲面部が形成されていた。この曲面部の曲率は単位を1/mとした時に1000であった。図5に示す下杵4においては、周縁部42aの全周にわたって幅0.3mmの平面部が形成されていた。成形圧を15.3MPaに設定し、この圧力で2秒間圧縮成形を行った。このようにして得られた成形体10における諸元を、以下の表2に示す。また、成形体10における環状突条部10bの状態を目視観察した。その結果も表2に示す。
〔実施例2〕
成形装置1における上杵3として図5に示すものを用いた。この上杵3においては、成形面32aの全周にわたって幅dが0.3mmの平面部が形成されていた。それ以外は実施例1と同様にして成形体10を圧縮成形した。そして、得られた成形体10について実施例1と同様の評価を行った。その結果を以下の表2に示す。
〔比較例1〕
実施例2において、上杵3及び下杵4として、周縁部の平面部の幅が2.0mmであるものを用いた(図9参照)。それ以外は実施例1と同様にして成形体10を圧縮成形した。そして、得られた成形体10について実施例1と同様の評価を行った。その結果を以下の表2に示す。
Figure 2012115891
表2に示す結果から明らかなように、各実施例で得られた成形体は、環状突条部に欠陥が観察されず、良好な外観を呈することが判る。これに対して比較例1で得られた成形体は、環状突条部に欠けが生じたことが判る。また、各実施例においては、所望の密度の成形体を得るために必要な成形圧力を、比較例1よりも低くできることが判る。
比較例1において成形体の環状突条部に欠けが生じた理由の詳細は不明であるが、比較例1の場合は図9に示すように、上杵103の周縁部132aと下杵104の周縁部142aと臼体102の壁面とで画定される部位Aにおいては、他の部位に比べて高圧縮率で圧縮が行われるものと推測される。このため、該周縁部132a,142aの幅Dが広い比較例1の場合、該部位Aに対応する成形体の部位、すなわち環状突条部に割れや欠けが発生しやすい結果になったものと考えられる。
1 粉体圧縮成形装置
2 臼体
3 上杵
4 下杵
6 打錠テーブル
7 フィードシュー
10 粉体圧縮成形体
10a 本体部
10b 環状突条部
11 粉体圧縮成形体の下部
12 粉体圧縮成形体の上部
13 粉体圧縮成形体のリブ
21 貫通口
32 成形面
32a 成形面の周縁部
42 成形面
42a 成形面の周縁部

Claims (5)

  1. 臼体と臼体内に配置された下杵の成形面とによる成形空間に、粉体を含む原料を充填する充填工程と、臼体内に上杵を降下させ、原料を圧縮成形する工程とを備えた粉体圧縮成形体の製造方法であって、
    上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間に所定の間隙が生じるように両杵を突き合わせて、前記原料を圧縮成形する圧縮成形工程を備え、
    圧縮成形工程において、上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間の前記間隙に前記原料を介在させ、該間隙に介在させた該原料も圧縮し、
    上杵の成形面及び下杵の成形面のうちの少なくとも一方が凹部を有し、該成形面の周縁部の少なくとも一部が、1.5mm以下の幅の平面部を含んでいる上杵又は下杵を使用する、粉体圧縮成形体の製造方法。
  2. 臼体内に配置された下杵の成形面に、粉体を含む原料を充填する充填工程と、
    臼体内に上杵を降下させ、上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間に所定の間隙が生じるように両杵を突き合わせて、前記原料を圧縮成形する圧縮成形工程とを備え、
    圧縮成形工程において、上杵の成形面の周縁部と下杵の成形面の周縁部との間の前記間隙に前記原料を介在させ、該間隙に介在させた該原料も圧縮する粉体圧縮成形体の製造方法であって、
    上杵の成形面及び下杵の成形面のうちの少なくとも一方が凹部を有し、該成形面の周縁部の少なくとも一部が、凹部に向けて傾斜した曲面形状となっている曲面部を含んでいる上杵又は下杵を使用する、粉体圧縮成形体の製造方法。
  3. 成形圧が5〜26MPaである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 圧縮方向と直交する方向の断面における最大直径が2〜10cmである粉体圧縮成形体を成形する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の製造方法で製造された粉体圧縮成形体であって、
    前記粉体圧縮成形体が、本体部と、該本体部の側面に形成されかつ圧縮方向と直交する方向に延びる環状突条部とからなり、該環状突条部が前記間隙に介在させた前記原料の圧縮によって形成されており、
    前記環状突条部の平均厚みが2〜7mmであり、
    前記環状突条部の上面と下面とが平行である領域を備え、該領域の幅が0.3〜2mmであり、
    前記環状突条部に連なる部分における前記本体部の曲率が10〜10000であり、かつ該本体部の密度が1.2〜1.5g/cm3である粉体圧縮成形体。
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