JP2012115569A - 上肢リハビリテーション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】健常側の上肢の力で麻痺側の上肢に対して開閉、昇降、旋回の運動が可能で、脳の回復、再構築の期待が高く、麻痺側の上肢の可動範囲を超えた上記各運動や誤操作、装置の乱調もなく、施設用および一般家庭用として好適で、装置の低コスト化も図れる上肢リハビリテーション装置を提供する。
【解決手段】椅子の背もたれに上肢回動支持部を設け、アーム用動作伝達手段を介して第1の上肢支持用アームの移動量、移動速度、動作方向が同一の動作を第2の上肢支持用アームへ同時かつメカニカルに伝達する。これにより、障害者が健常側の上肢の力で麻痺側の上肢に開閉、昇降、旋回を行わせることができ、脳の回復、再構築の期待が高くて、麻痺側の上肢の可動範囲を超える上記各運動を強いたり誤操作および装置の乱調もなく、施設用および一般家庭用として好適で、装置の低コスト化も図れる。
【選択図】図1

Description

この発明は上肢リハビリテーション装置、詳しくは一方の腕が健常で他方の腕が麻痺している片麻痺の障害者の上肢の開閉、昇降、旋回、屈伸が可能なリハビリテーションを支援する上肢リハビリテーション装置に関する。
例えば、脳卒中により片麻痺となった上肢の曲げ伸ばしを支援する上肢リハビリテーション装置として、従来、特許文献1の「上肢リハビリアシスト装置」が知られている。これは、移動可能な基台に多関節多リンク機構が装着された電動式の駆動装置と、駆動装置を制御する制御装置とを備えた装置である。この装置の使用時には、障害者から離れた場所で待機する理学療法士が、ネットワーク経由により制御装置へ遠隔操作用の位置信号や力信号を送信し、各信号に基づき、駆動装置の多関節多リンク機構を操作することで、障害者の上肢を強制的に遠隔操作する。
特開2004−8744号公報
しかしながら、特許文献1に記載された上肢リハビリアシスト装置は、このように多関節多リンク機構を有した電動式の駆動装置を、ネット経由で送られてくる理学療法士からの遠隔操作指令に基づき操作していた。そのため、動作範囲と力との兼ね合いを含めて患者の意志で麻痺側の上肢を動かさないものとなり、脳の回復や再構築の期待が小さかった。
また、このように電動式の駆動装置を有しているため、麻痺側の上肢の可動範囲を超えた運動を強いる可能性があり、かつ誤操作や装置の乱調をきたす場合もあった。
さらに、このように多関節多リンク機構を有した駆動装置や制御装置、遠隔操作用の各種機器およびパソコンなどを備えていたため、「上肢リハビリアシスト装置」が高額化していた。
また、今日では、脳卒中の発症後半月から1カ月の間の急性期、発症後3カ月から5カ月の間の回復期、それ以降の継続期を通じて使用することが可能な下肢屈伸リハビリテーション装置の開発が望まれているものの、それに応えたものが少ないのが実情である。
この発明は、障害者が健常側の上肢の力で麻痺側の上肢に左右への開閉、昇降、旋回を行わせることができ、これにより従来の電動式のものに比べて脳の回復、再構築の期待が大きく、かつ麻痺側の上肢の可動範囲を超える屈伸運動を強いたり誤操作および装置の乱調もなく、施設用および一般家庭用として好適で、装置の低コスト化も図れる上肢リハビリテーション装置を提供することを目的としている。
脳卒中などで片麻痺となった上肢のリハビリテーションでは、障害者の脳の損傷部分の回復および再構築、上肢の麻痺の解消を経て、障害者が自立できるように訓練プログラムが組まれる。
人間が日常生活を行うために必要な上肢の動作には、上肢の開閉(肩関節の内転および外転、水平内転および水平外転)、上肢の昇降(肩関節の屈曲および伸展)、上肢の屈伸(肘関節の屈曲および伸展)、肘のひねり(前上肢部の回内および回外)、手首の上下方向への曲げ(手関節の掌屈および背屈)、手首の左右方向への曲げ(手関節の撓屈および尺屈)などがある。この発明は、このうちの上肢の開閉、昇降、旋回、屈伸のリハビリテーションを支援するものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、一方の上肢が健常で他方の上肢が麻痺している片麻痺の障害者の上肢のリハビリテーションを支援し、前記障害者が着座する背もたれ付きの椅子と、前記背もたれに取り付けられ、前記障害者の両上肢を開閉自在、昇降自在および旋回自在に支持する上肢回動支持部とを備えた上肢リハビリテーション装置であって、前記上肢回動支持部は、前記背もたれの幅方向に長さ方向を向けた水平軸を中心にして、前記背もたれに回動自在に設けられ、かつ該背もたれの幅方向に長い支持基材と、該支持基材の長さ方向の一端部の正面側に、前記水平軸に直交したアーム開閉軸を中心にして回動自在に連結され、かつ健常側の上肢を支持する第1の上肢支持用アームと、前記支持基材の長さ方向の他端部の正面側に、前記水平軸に直交したアーム開閉軸を中心にして回動自在に連結され、かつ麻痺側の上肢を支持する第2の上肢支持用アームと、前記第1の上肢支持用アームと前記第2の上肢支持用アームとを連結するアーム用力伝達部材を有し、該アーム用力伝達部材を介して、前記第1の上肢支持用アームの移動量、該第1の上肢支持用アームの移動速度、前記第1の上肢支持用アームの動作方向がそれぞれ同一な動作を、前記第2の上肢支持用アームへ同時かつメカニカルに伝達するアーム用動作伝達手段と、前記支持基材の長さ方向の一端部の背面側に固定された第1のウエイト取り付けアームと、該第1のウエイト取り付けアームのうち、前記水平軸より背面側の部分に取り付けられた第1のカウンタウエイトと、前記支持基材の長さ方向の他端部の背面側に、長さ方向が前記アーム開閉軸の長さ方向と平行なアーム軸を中心にして回動自在に連結された第2のウエイト取り付けアームと、該第2のウエイト取り付けアームのうち、前記水平軸より背面側の部分に取り付けられ、かつ前記上肢回動支持部の重心を前記水平軸の延長線上に配置し、前記上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスを、前記第1のカウンタウエイトとともに維持する第2のカウンタウエイトと、前記第1の上肢支持用アームおよび前記第2の上肢支持アームの左右方向への回動に伴って変動する前記上肢回動支持部の正面側の部分のモーメントと、該上肢回動支持部の背面側の部分のモーメントとを、前記アーム軸を中心にして前記第2のウエイト取り付けアームを回動させることでメカニカルにバランス状態に維持するバランス維持手段とを備えた上肢リハビリテーション装置である。
請求項1に記載の発明によれば、障害者が椅子に着座し、この状態で第1の上肢支持アームにより健常側の上肢を支持し、第2の上肢支持アームにより麻痺側の上肢を支持する。その後、健常側の上肢の力で、麻痺側の上肢に対して左右への開閉運動(肩関節の水平内転および水平外転)と、昇降運動(肩関節の屈曲および伸展)と、これらの運動を組み合わせた旋回運動とを任意に行う。すなわち、健常側の上肢を動かせば、アーム用動作伝達手段のアーム用力伝達部材を介して、第1の上肢支持用アームの移動量、第1の上肢支持用アームの移動速度、第1の上肢支持用アームの動作方向がそれぞれ同一となる動作が、第2の上肢支持用アームへ同時かつメカニカルに伝達される。
その結果、障害者が健常側の上肢の力で麻痺側の上肢に左右への開閉運動、昇降運動および旋回運動を任意に行わせることができるので、従来装置に比べて脳の回復、再構築の期待が大きい。また、この構成としたことで、リハビリテーションの介助者(医師、理学療法士など)は、監視程度を行う1人のみでもよい。したがって、医療施設などでの使用時には、1人の介助者で複数人の障害者のリハビリテーションを介助することが可能となり、今日の医師、理学療法士の不足解消に寄与することができる。
さらに、障害者は、健常側の上肢と麻痺側の上肢とが同時に同一方向へ動いている様子を視認することができる。そのため、ミラーセラピーの理論により、上肢リハビリテーションの効果を高めることができる。「ミラーセラピー」とは、脳卒中などにより片麻痺となった患者の健常側(非麻痺側)の動作を鏡によって麻痺側に映しながら麻痺側の上肢は介助者が動かすことで、麻痺側の上肢があたかも動いているかのような錯覚を与えて実施される訓練法である。また、脳卒中および脳外傷による手足の麻痺は、一般的に発症後3〜6ヶ月で拘縮すると言われている。しかしながら、近年では、脳科学やリハビリテーション医学の飛躍的な進歩により、脳卒中などを患ってから6ヶ月以上を経過しても、麻痺の回復が見込まれるようになった。
さらにまた、本発明をこのように構成したことで、麻痺側の上肢の可動範囲を超える屈伸運動を強いたり誤操作および装置の乱調もないので安全性が高く、施設用および一般家庭用として好適である。
また、従来装置のような多関節多リンク機構を有した駆動装置や制御装置、遠隔操作用の各種機器およびパソコンなどを有する複雑な装置構成を採用していないので、装置の低コスト化も図ることができる。
ここでいう上肢リハビリテーション装置とは、上肢が片麻痺した障害者に対して、麻痺側の上肢の左右への開閉運動、昇降運動およびこれらの運動を組み合わせた旋回運動のリハビリテーションを支援する装置である。上肢リハビリテーション装置は、障害者が椅子に着座した状態で使用する。
「上肢が片麻痺」とは、健常側の上肢が右上肢で麻痺側の上肢が左上肢の場合でも、反対に健常側の上肢が左上肢で麻痺側の上肢が右上肢の場合の何れでもよい。「上肢が片麻痺」する原因としては、例えば脳卒中、脳外傷などが挙げられる。
背もたれを含む椅子の素材としては、例えば、各種の金属(鉄、ステンレス、アルミニウム合金など)、各種のプラスチック(ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維強化プラスチックなど)、各種の木材(スギ、ヒノキ、マツなど)を採用することができる。
背もたれにおける上肢回動支持部の取り付け位置は任意である。
上肢回動支持部の構造は、支持基材と、第1の上肢支持用アームと、第2の上肢支持用アームと、アーム用動作伝達手段と、第1のウエイト取り付けアームと、第1のカウンタウエイトと、第2のウエイト取り付けアームと、第2のカウンタウエイトと、バランス維持手段とを備えたもので、かつ障害者の両上肢を左右への開閉自在、昇降自在および旋回自在に支持可能なものであれば任意である。
ここで、上肢の開閉とは、解剖学(運動学的)での肩関節の水平外転(左上肢の左方向への回動、右上肢の右方向への回動)および肩関節の水平内転(左上肢の右方向への回動、右上肢の左方向への回動)をいう。また、上肢の昇降とは、解剖学的(運動学的)での肩関節の屈曲(左右上肢の上方向への回動)および肩関節の伸展(左右上肢の下方向への回動)をいう。さらに、上肢の旋回とは、上肢を上昇または下降させながら上肢を左右へ開閉させることで、肩関節を中心にして円を描くような運動をいう。
ここでの上肢の運動は、身体を左右に分ける矢状面と、身体を上下に分ける水平面とにそれぞれ平行となるように前方へ伸ばした状態を基準とする。これを踏まえ、上肢の開閉角度(左右方向への回動角度)は、この状態から左右方向へそれぞれ80°である。また、上肢の昇降角度は、基準位置を中心として上下方向へそれぞれ90°である。したがって、本発明の上肢回動支持部を用いて、昇降運動の任意の角度位置で上肢の昇降を停止し、その状態で上肢の開閉運動を行うことができ、さらに上肢を昇降させながら左右へ開閉させることで、障害者の肩関節を中心とした上肢の旋回運動を行うことができる。
支持基材の素材としては、例えば、各種の金属、各種のプラスチック、各種の木材を採用することができる。支持基材の形状としては、例えば円柱形状、角柱形状などを採用することができる。
第1の上肢支持用アームおよび第2の上肢支持用アームの素材としては、例えば各種の金属、各種のプラスチック、各種の木材を採用することができる。
第1の上肢支持用アームおよび第2の上肢支持用アームの原材料としては、例えば板材、丸棒や角棒などの棒材などを採用することができる。両上肢支持用アームの長さは、障害者の上肢の長さと略同じまたはそれより長い方が好ましい。また、両上肢支持用アームは同一長さとした方が、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスをとり易いために好ましい。
アーム開閉軸が「水平軸に直交」するとは、対応する第1の上肢支持用アームまたは第2の上肢支持用アームを水平面と平行に回動させる際、アーム開閉軸が垂直方向へ向くように、水平軸に対して直角に交差している状態をいう。両上肢支持用アームは、水平軸を中心にして支持基材とともに回動することから、水平軸に直交する方向は垂直方向のみではなく、無限に存在する。また、水平軸とアーム開閉軸との離間距離は短い方が、両上肢支持用アームの昇降角度を大きくできるので好ましい。
アーム用力伝達部材としては、例えばワイヤ、ロープ、紐、ベルト、チェーンなどを採用することができる。
アーム開閉用の動作伝達手段としては、例えばワイヤまたはロープなどが一対のプーリに襷掛けされたプーリ方式の倣い機構などを採用することができる。
「第1の上肢支持用アームの動作を第2の上肢支持用アームへメカニカルに伝達する」とは、化学的な方法または電気的な方法でなく、部材(アーム用力伝達部材)を介した機械的な動力伝達方法によって、第1の上肢支持用アームの動きを第2の上肢支持用アームへ伝えることをいう。
両上肢支持用アームの動作は、同時でなければならない。
第1のウエイト取り付けアームおよび第2のウエイト取り付けアームとしては、例えば各種の棒材、各種の板材などを採用することができる。
第1のカウンタウエイトおよび第2のカウンタウエイトとしては、任意形状の錘を採用することができる。それぞれの重さは、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスがとれるように適宜選択される。
第1のカウンタウエイトは、第1のウエイト取り付けアームのうち、水平軸より背面側の部分に取り付けられる必要がある。仮に、第1のカウンタウエイトを水平軸より正面側に取り付けた場合には、第1のカウンタウエイトにより、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスがとれない。
第2のウエイト取り付けアームは、第1の上肢支持用アームおよび第2の上肢支持用アームの開閉動作に合わせて回動するように、第2のウエイト取り付けアームのアーム軸が、両支持用アームのアーム開閉軸と平行に取り付けられている。
「上肢回動支持部の重心を水平軸の延長線上に配置し、」とは、上肢回動支持部の重心が水平軸を含むその延長線上に存在することをいう。
「上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスを、第1のカウンタウエイトと第2のカウンタウエイトとによって調整する」とは、両カウンタウエイトが協働し、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスをとることをいい、第2のカウンタウエイトは上肢支持アームに対応するウエイトである。
バランス維持手段とは、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスをメカニカルに維持するものである。第2のウエイト取り付けアームが固定の場合、第1の上肢支持用アームおよび第2の上肢支持アームが左右方向へ回動すれば、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスが崩れる。そこで、第2のウエイト取り付けアームをそのアーム軸を中心として、所定の方向へ回動させることで、このモーメントバランスを維持する。
バランス維持手段としては、例えば、一方の上肢支持用アームのアーム開閉軸に固定されたプーリと、ウエイト取り付けアームのアーム軸に固定された別のプーリとに、動力伝達部材としてのワイヤやロープ、タイミングベルトなどを襷掛けしたものを採用することができる。その他、スプロケット間にチェーンが襷掛けされたものなどでもよい。
「第1の上肢支持用アームおよび第2の上肢支持アームの左右方向への回動に伴って上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスが崩れる」とは、両上肢支持用アームが左右方向へ回動したとき、両上肢支持用アームの重心から水平軸までの距離が短くなり、上肢回動支持部の重心が水平軸より背面側へ移動することをいう。
「アーム軸を中心にして第2のウエイト取り付けアームを回動させることで、上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスをメカニカルに維持する」とは、アーム軸を中心にして第2のウエイト取り付けアームを、その先端が水平軸に近づくように回動させることで、モーメントのバランスをとる(上肢回動支持部の重心を水平軸上に維持する)ことをいう。
また、請求項2に記載の発明は、前記第1の上肢支持用アームおよび前記第2の上肢支持用アームには、前記第1の上肢支持用アームの長さ方向および前記第2の上肢支持用アームの長さ方向に長いガイドレールがそれぞれ設けられ、前記第1の上肢支持用アームのガイドレールには、前記障害者の健常側の手で握る第1のグリップを有した第1のスライダがスライド自在に取り付けられ、前記第2の上肢支持用アームのガイドレールには、前記障害者の麻痺側の手で握る第2のグリップを有した第2のスライダがスライド自在に取り付けられ、前記第1のスライダと前記第2のスライダとを連結するスライダ用力伝達部材を有し、該スライダ用力伝達部材を介して、前記第1のスライダの移動量、該第1のスライダの移動速度、前記第1のスライダの動作方向がそれぞれ同一となる動作を、前記第2のスライダに同時かつメカニカルに伝達するスライダ用動作伝達手段を備えた請求項1に記載の上肢リハビリテーション装置である。
請求項2に記載の発明によれば、まず障害者が健常側の手で第1のグリップを握り、麻痺側の手で第2のグリップを握る。この状態を維持して、第1のスライダを第1の上肢支持用アームのガイドレールに沿って移動させる。その力は、スライダ用動作伝達手段のスライダ用力伝達部材を介して第1のスライダから第2のスライダへと伝達される。これにより、第1のスライダの移動量、第1のスライダの移動速度、第1のスライダの動作方向がそれぞれ同一となる動作が、第1のスライダから第2のスライダに同時かつメカニカルに伝達される。その結果、両スライダおよびスライダ用力伝達部材により、麻痺側の上肢に対して開閉運動、昇降運動および旋回運動に加えて、上肢の屈伸運動(肘関節の屈曲および伸展)も行うことができる。
両上肢支持用アームに形成されるガイドレールの使用本数は1本でも2本以上でもよい。
第1のグリップおよび第2のグリップの形状は任意である。また、両グリップの大きさは、成人男性が握れる大きさである。
第1のスライダおよび第2のスライダの構造は、対応するガイドレールに沿って移動することができれば任意である。
スライダ用力伝達部材としては、例えばワイヤ、ロープ、紐、ベルト、チェーンなどを採用することができる。
スライダ用動作伝達手段としては、例えばワイヤまたはロープなどが2組のプーリに襷掛けされたプーリ方式の倣い機構などを採用することができる。
請求項1に記載の発明によれば、椅子に着座した障害者が、健常側の上肢で、麻痺側の上肢に対して開閉運動、昇降運動および旋回運動を任意に行う。すなわち、健常側の上肢を動かすことで、アーム用動作伝達手段のアーム用力伝達部材により、第1の上肢支持用アームの移動量、第1の上肢支持用アームの移動速度、第1の上肢支持用アームの動作方向がそれぞれ同一となる動作が、第2の上肢支持用アームへ同時かつメカニカルに伝達される。
その結果、障害者が健常側の上肢の力で麻痺側の上肢に開閉運動、昇降運動および旋回運動を行わせることができ、これにより従来装置に比べて脳の回復、再構築の期待が大きい。また、この構成としたことで、リハビリテーションの介助者は、監視程度を行う1人のみでもよい。したがって、医療施設などでの使用時には、1人の介助者で複数人の障害者のリハビリテーションを介助することが可能となり、今日の医師、理学療法士の不足解消に寄与することができる。
さらに、障害者は、健常側の上肢と麻痺側の上肢とが同時に同一方向へ動いている様子を視認することができ、ミラーセラピーの理論により、上肢リハビリテーションの効果を高めることができる。
また、上肢リハビリテーション装置を上述の構成としたため、麻痺側の上肢の可動範囲を超える屈伸運動を強いたり誤操作および装置の乱調などもないので安全性が高く、施設用および一般家庭用として好適である。
さらに、従来装置のような多関節多リンク機構を有した駆動装置や制御装置、遠隔操作用の各種機器およびパソコンなどを有する複雑な装置構成を採用していないので、装置の低コスト化も図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、まず障害者が健常側の手で第1のグリップを握り、麻痺側の手で第2のグリップを握ったまま、第1のスライダを第1の上肢支持用アームのガイドレールに沿って移動させる。その力は、スライダ用動作伝達手段のスライダ用力伝達部材を介して第1のスライダから第2のスライダへと伝達される。これにより、第1のスライダの移動量、第1のスライダの移動速度、第1のスライダの動作方向がそれぞれ同一となる動作が、第1のスライダから第2のスライダに同時かつメカニカルに伝達される。その結果、両スライダおよびスライダ用力伝達部材により、麻痺側の上肢に対して無理なく開閉運動、昇降運動および旋回運動に加えて、上肢の曲げ伸ばし運動も行うことができる。
この発明の実施例1に係る上肢リハビリテーション装置の使用状態の斜視図である。 この発明の実施例1に係る上肢リハビリテーション装置が有したスライダ用動作伝達手段のイメージ図である。 この発明の実施例1に係る上肢リハビリテーション装置の上肢支持アームの連結部廻りの拡大斜視図である。 この発明の実施例1に係る上肢リハビリテーション装置のアーム用動作伝達手段およびバランス維持手段の平面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。図面の説明の都合上、上肢リハビリテーション装置は、障害者が着座する椅子を基準として、各装置方向の呼び方を決めておくものとする。例えば、椅子の前面を装置の正面、椅子の後面を装置の背面とする。なお、回動自在な第1の上肢支持用アームおよび第2の上肢支持用アームを有する上肢回動支持部については、図1に示す状態を基準として上下方向、左右(内外)方向と呼ぶものとする。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る上肢リハビリテーション装置で、一方の上肢が健常で他方の上肢が麻痺している片麻痺の障害者の上肢のリハビリテーションを支援する。
上肢リハビリテーション装置10は、障害者が着座する背もたれ12付きの椅子11と、背もたれ12に取り付けられ、障害者の両上肢を左右方向へ回動(肩関節の水平外転および水平内転)自在および上下方向へ回動(肩関節の屈曲および伸展)自在に支持する上肢回動支持部13とを備えている。
以下、図1〜図4を参照して、これらの構成体を具体的に説明する。
図1に示すように、椅子11は、着座部14と2本の短尺な角材からなる前脚15と、背もたれ12を兼用した2本の長尺な角材からなる後脚16とを有している。両後脚16は、着座部14より上方へ延出した部分が背もたれ12となる。両後脚16の上部の背面には、長さ方向へ所定ピッチで5つのねじ孔12aが形成されている。両後脚16の上端部間には、最上段および1つ下段のねじ孔12aに挿通された4組のボルトナット17を介して、水平方向へ長いベース板18が着脱自在に固定されている。
上肢回動支持部13は、本体となる支持基材20と、支持基材20の長さ方向の両端部の正面側に回動自在に配設された第1の上肢支持用アーム21および第2の上肢支持用アーム22と、第1の上肢支持用アーム21の動きを第1のワイヤ(アーム用力伝達部材)w1を介して、第2の上肢支持用アーム22に伝えるアーム用動作伝達手段24と、支持基材20の一端部の背面側に設けられた第1のウエイト取り付けアーム25と、第1のウエイト取り付けアーム25に装着された第1のカウンタウエイト26と、支持基材20の他端部の背面側に設けられた第2のウエイト取り付けアーム27と、第2のウエイト取り付けアーム27に装着された第2のカウンタウエイト28と、両カウンタウエイト26,28による上肢回動支持部13のモーメントバランスを維持するバランス維持手段29とを備えている。以下、これらの構成体を詳細に説明する。
支持基材20は、背もたれ12の幅方向へ長い厚肉な板材である。支持基材20の背面側が、ベース板18の長さ方向の両端部の前面に、回転軸を水平にした一対のヒンジ30を介して連結されている(図4)。
支持基材20の正面側には、一対の離間したスペーサ板32を介して、平面視して鈍角なV字形状に屈曲して障害者の背中に当てがわれる背中当て板33が固定されている。また、背中当て板33は、ワイヤw2、w3が障害者に接触するのを防ぐカバーとなっている。
第1の上肢支持用アーム21は、支持基材20の長さ方向の一端部の正面側に、前記ヒンジ30の水平な回転軸に直交した両上肢支持アーム21,22のアーム開閉軸34を中心にして回動自在に連結され、かつ健常側の上肢を支持する板材である。第1の上肢支持用アーム21の長さは約1mで、その幅方向の両縁部には、アーム長さ方向の略全長にわたって一対のガイドレール35が配設されている。
第1の上肢支持用アーム21に設けられた一対のガイドレール35には、障害者の健常側の手で握る第1のグリップ36を有した第1のスライダ37がスライド自在に取り付けられている。第1のスライダ37は、第1の上肢支持用アーム21の内側面(第2の上肢支持用アーム22との対峙側の面)に離間して配置されたアーム長さ方向へ長い平板38aと、平板38aの幅方向の両端部の背面側に接合される一対の側板38bとをコの字形状に接合したスライダ本体38と、両側板38bの長さ方向の両端部(先端部と元部)に配設され、対応するガイドレール35上を転動する2対のガイドローラRと、平板38aの先端部の幅方向の両縁に一対の支持側板39を介して固定された前記第1のグリップ36と、下側に配置された側板38bの下面に元部が固定され、上側に配置された側板38bの長さ方向の中間部の上面に固定された小片台40に、面ファスナ41を介して着脱自在に掛止可能な第1の手首固定ベルト42とを有している。
第2の上肢支持用アーム22は、障害者の麻痺側の上肢を支持するアームで、左右対称に配置され、第1の上肢支持用アーム21と同一構造、同一長さを有している。第2の上肢支持用アーム22にスライド自在に設けられ、障害者の麻痺側の手で握る第2のグリップ43を有した第2のスライダ44も、第2の手首固定ベルト42Aを有するなど第1のスライダ37と同じ構造からなっている。第1のスライダ37を含む第1の上肢支持用アーム21と、第2のスライダ44を含む第2の上肢支持用アーム22との重さは同一である。麻痺側の手首は、第2の手首固定ベルト42Aにより、第2のスライダ44に手が抜けないように固定されている。
第1のスライダ37と第2のスライダ44とを連結する第2のワイヤw2と第3のワイヤw3とを介して、第1のスライダ37の移動量、第1のスライダ37の移動速度、第1のスライダ37の動作方向がそれぞれ同一となる動作を、第1のスライダ37から第2のスライダ44に同時かつメカニカルに伝達するものとして、スライダ用動作伝達手段45が上肢回動支持部13に設けられている。
次に、図1〜図3を参照して、スライダ用動作伝達手段45を具体的に説明する。
図1〜図3に示すように、スライダ用動作伝達手段45は、それぞれ小径な第1〜第6のプーリ(滑車)P1〜P6と、長尺で同一長さの第2のワイヤw2および第3のワイヤw3とを有している。第1のプーリP1は、第1の上肢支持用アーム21の先端部に切欠されたプーリ収納用の窓21aに収納されている。第2のプーリP2は支持基材20の他端部の下側に取り付けられる一方、第3のプーリP3は支持基材20の一端部の上側に取り付けられている。また、第4のプーリP4は、第2の上肢支持用アーム22の先端部に切欠されたプーリ収納用の窓22aに収納されている。第5のプーリP5は支持基材20の一端部の下側に取り付けられるとともに、第6のプーリP6は支持基材20の他端部の上側に取り付けられている。
図2に示すように、第2のワイヤw2は、その一端部が第1のスライダ37の平板38aの先端部に固定され、この状態で、第2のワイヤw2は第1〜第3のプーリP1〜P3へと順次引き回され、その他端部が第2のスライダ44の平板38aの元部に固定されている。また、第3のワイヤw3は、その一端部が第2のスライダ44の平板38aの先端部に固定され、この状態で、第3のワイヤw3は第4〜第6のプーリP4〜P6へと順次引き回され、その他端部が第1のスライダ37の平板38aの元部に固定されている。
次に、図1および図4を参照して、前記アーム用動作伝達手段24を具体的に説明する。
図1および図4に示すように、アーム用動作伝達手段24は、第1の上肢支持用アーム21の上に、アーム開閉軸34の軸心に合致させて第1の同期プーリ46を、第2の上肢支持用アーム22の上に、アーム開閉軸34の軸心に合致させて第2の同期プーリ46を配設し、かつ第1の同期プーリ46と同一直径の第2の同期プーリ47と、両同期プーリ46,47に襷掛けされ、かつ両端部が第1の同期プーリ46に固定され、略中央部が第2の同期プーリ47に固定された前記第1のワイヤw1とを有している。
アーム用動作伝達手段24は、第1のワイヤw1を介して、第1の上肢支持用アーム21の移動量、第1の上肢支持用アーム21の移動速度、第1の上肢支持用アーム21の動作方向がそれぞれ同一となる動作を、第2の上肢支持用アーム22へ同時かつメカニカルに伝達するものである。
第1のウエイト取り付けアーム25は、支持基材20の長さ方向の一端部の背面側に元部が固定され、椅子11の後方へ延びた長さ27cmの板材である。
第1のカウンタウエイト26は、第1のウエイト取り付けアーム25のうち、ヒンジ30の回転軸より背面側の部分、具体的には第1のウエイト取り付けアーム25の先部に取り付けられた錘である。
第2のウエイト取り付けアーム27は、支持基材20の長さ方向の他端部に、連結板48を介して、長さ方向が両アーム開閉軸34の長さ方向と平行なアーム軸49を中心にして回動自在に連結された部材である。第2のウエイト取り付けアーム27の長さは、第1のウエイト取り付けアーム25より長い45cmである。連結板48は、支持基材20の長さ方向に対して直交する方向へ長さ方向を向けた短尺な板材で、その椅子11の背面方向の端部に前記アーム軸49が軸支されている。
第2のカウンタウエイト28は、第2のウエイト取り付けアーム27のうち、ヒンジ30の回転軸より背面側の部分に取り付けられ、上肢回動支持部13の重心Cをヒンジ30の回転軸の延長線上に配置し、上肢回動支持部13の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスを、第1のカウンタウエイト26とともに調整する錘である。
次に、図1および図4を参照して、バランス維持手段29を具体的に説明する。
図1および図4に示すように、バランス維持手段29は、アーム軸49を中心にして第2のウエイト取り付けアーム27を回動させることで、第1の上肢支持用アーム21および第2の上肢支持用アーム22の左右方向への回動に伴って変動する上肢回動支持部13の正面側の部分と、背面側の部分とのモーメントバランスを、メカニカルに維持するものである。
具体的には、第2のウエイト取り付けアーム27の上に、アーム軸49の軸芯に合致させて固定された、第1の同期プーリ46より大径なバランスプーリ50と、これらのプーリ46,50に襷掛けされた第4のワイヤw4とを有している。第1の同期プーリ46とバランスプーリ50とのプーリ(直径)比は、1:1.3である。なお、平面視して支持基材20の正面から両ヒンジ30の回転軸までの長さは8.5cmと短い。
次に、図1〜図4を参照して、この実施例1に係る上肢リハビリテーション装置10を用いて行う片麻痺の上肢のリハビリテーションを説明する。
図1に示すように、まず障害者は椅子11に着座し、第1の上肢支持用アーム21により健常側の上肢を支持するとともに、第2の上肢支持用アーム22により麻痺側の上肢を支持する。
その後、障害者は、この着座状態で、健常側の上肢により、麻痺側の上肢に対して左右への開閉運動(肩関節の水平外転および水平内転)、昇降運動(肩関節の屈曲および伸展)および開閉運動と昇降運動とを組み合わせた旋回運動を行う。すなわち、健常側の上肢を開閉、昇降および旋回させれば、両同期プーリ46,47に襷掛けされた第1のワイヤw1を介して、第1の上肢支持用アーム21の移動量、第1の上肢支持用アーム21の移動速度、第1の上肢支持用アーム21の動作方向がそれぞれ同一となる動作が、第2の上肢支持用アーム22へ同時かつメカニカルに伝達される。
その結果、障害者が健常側の上肢の力で麻痺側の上肢に開閉運動、昇降運動および旋回運動を行わせることができ、これにより従来装置に比べて脳の回復、再構築の期待が大きい。なお、旋回運動のリハビリテーションの場合には、健常側の上肢の昇降および開閉を同時に行う。これにより、健常側の上肢がその肩関節を中心にして旋回し、第1のワイヤw1を介して、麻痺側の上肢にもその動作が伝達される。
また、この構成としたことで、リハビリテーションの介助者は、監視程度を行う1人のみでもよい。したがって、医療施設などでの使用時には、1人の介助者で複数人の障害者のリハビリテーションを介助することが可能となり、今日の医師、理学療法士の不足解消に寄与することができる。
さらに、障害者の麻痺側の上肢が健常側の上肢と同一に動いている様子を視認することができ、ミラーセラピーの理論により、上肢リハビリテーションの効果を高めることができる。
さらにまた、上肢リハビリテーション装置10を上述の構成としたため、麻痺側の上肢の可動範囲を超える屈伸運動を強いたり誤操作および装置の乱調もないので安全性が高く、施設用および一般家庭用として好適である。
さらに、従来装置のような多関節多リンク機構を有した駆動装置や制御装置、遠隔操作用の各種機器およびパソコンなどを有する複雑な装置構成を採用していないので、装置の低コスト化も図ることができる。
また、麻痺側の上肢の曲げ伸ばし運動を行う場合には、健常側の手で第1のグリップ36を押し引きする。このとき、スライダ用動作伝達手段45により、第1のスライダ37の移動量、第1のスライダ37の移動速度、第1のスライダ37の動作方向がそれぞれ同一の動作が、第1のスライダ37から第2のスライダ44に同時かつメカニカルに伝達される。具体的には、第1のスライダ37が第1の上肢支持用アーム21のガイドレール35に沿って移動し、その力が、第1〜第6のプーリP1〜P6に架け渡された第2のワイヤw2および第3のワイヤw3を介して、第1のスライダ37から第2のスライダ44へと伝達される。その結果、麻痺側上肢の屈曲(肘関節の屈曲および伸展)運動を無理なく行うことができる。
なお、両上肢支持用アーム21,22の開閉に伴うモーメントバランスの維持は、第2のウエイト取り付けアーム27を、第1の上肢支持用アーム21の回動方向と逆の方向へ回動させることにより行う。その結果、訓練者は常に両上肢支持アーム21,22の重量を支えることなくリハビリテーションすることができる。
これについて、図4を参照しながら具体的に説明する。なお、ここでは両上肢支持用アーム21,22が長さ方向を正面方向へ向けた状態(解剖学的肢位における矢状面と平行な状態)を基準とし、このときの平面視してヒンジ30の(回転軸の)軸線から両上肢支持用アーム21,22の重心c1までの距離をL、両上肢支持用アーム21,22の重量をそれぞれW3、平面視してヒンジ30の軸線から第2のカウンタウエイト28までの距離をYとする。また、第1のカウンタウエイト26の重量をW1、第2のカウンタウエイト28の重量をW2とする。さらに、平面視してヒンジ30の軸線から第1のカウンタウエイト26までの距離をdとする。
この状態を基準として、例えば両上肢支持用アーム21,22が外方向へ80°回動したとき、平面視してヒンジ30の軸線から両上肢支持用アーム21,22の重心c1までの距離はL1まで短くなる。このとき、第4のワイヤw4を介して、第2のウエイト取り付けアーム27がアーム軸49を中心にして、前記水平軸芯の延長線に近づく方向へ40°回動する。これにより、平面視してヒンジ30の軸線から第2のカウンタウエイト28までの距離がY1まで短くなり、前記モーメントのバランスが維持される。このことを支持基材20の重量、両ウエイト取り付けアーム21,22の重量などを無視して簡単に数式で説明すれば、
上肢閉時(肩関節の水平内転時); L×2W3=(d×W1)+(Y×W2)
上肢開時(肩関節の水平外転時); L1×2W3=(d×W1)+(Y1×W2)となる。
この発明は、脳卒中、脳外傷などにより片麻痺となった上肢のリハビリテーションを支援する装置として有用である。
10 上肢リハビリテーション装置、
11 椅子、
12 背もたれ、
13 上肢回動支持部、
20 支持基材、
21 第1の上肢支持用アーム、
22 第2の上肢支持用アーム、
24 アーム用動作伝達手段、
25 第1のウエイト取り付けアーム、
26 第1のカウンタウエイト、
27 第2のウエイト取り付けアーム、
28 第2のカウンタウエイト、
29 バランス維持手段、
30 水平ローラ(水平軸)、
34 アーム開閉軸、
35 ガイドレール、
36 第1のグリップ、
37 第1のスライダ、
43 第2のグリップ、
44 第2のスライダ、
45 スライダ用動作伝達手段、
49 アーム軸、
C 重心、
w1 第1のワイヤ(アーム用力伝達部材)、
w2 第2のワイヤ(スライダ用力伝達部材)、
w3 第3のワイヤ(スライダ用力伝達部材)。

Claims (2)

  1. 一方の上肢が健常で他方の上肢が麻痺している片麻痺の障害者の上肢のリハビリテーションを支援し、前記障害者が着座する背もたれ付きの椅子と、前記背もたれに取り付けられ、前記障害者の両上肢を開閉自在、昇降自在および旋回自在に支持する上肢回動支持部とを備えた上肢リハビリテーション装置であって、
    前記上肢回動支持部は、
    前記背もたれの幅方向に長さ方向を向けた水平軸を中心にして、前記背もたれに回動自在に設けられ、かつ該背もたれの幅方向に長い支持基材と、
    該支持基材の長さ方向の一端部の正面側に、前記水平軸に直交したアーム開閉軸を中心にして回動自在に連結され、かつ健常側の上肢を支持する第1の上肢支持用アームと、
    前記支持基材の長さ方向の他端部の正面側に、前記水平軸に直交したアーム開閉軸を中心にして回動自在に連結され、かつ麻痺側の上肢を支持する第2の上肢支持用アームと、
    前記第1の上肢支持用アームと前記第2の上肢支持用アームとを連結するアーム用力伝達部材を有し、該アーム用力伝達部材を介して、前記第1の上肢支持用アームの移動量、該第1の上肢支持用アームの移動速度、前記第1の上肢支持用アームの動作方向がそれぞれ同一な動作を、前記第2の上肢支持用アームへ同時かつメカニカルに伝達するアーム用動作伝達手段と、
    前記支持基材の長さ方向の一端部の背面側に固定された第1のウエイト取り付けアームと、
    該第1のウエイト取り付けアームのうち、前記水平軸より背面側の部分に取り付けられた第1のカウンタウエイトと、
    前記支持基材の長さ方向の他端部の背面側に、長さ方向が前記アーム開閉軸の長さ方向と平行なアーム軸を中心にして回動自在に連結された第2のウエイト取り付けアームと、
    該第2のウエイト取り付けアームのうち、前記水平軸より背面側の部分に取り付けられ、かつ前記上肢回動支持部の重心を前記水平軸の延長線上に配置し、前記上肢回動支持部の正面側の部分と背面側の部分とのモーメントバランスを、前記第1のカウンタウエイトとともに維持する第2のカウンタウエイトと、
    前記第1の上肢支持用アームおよび前記第2の上肢支持アームの左右方向への回動に伴って変動する前記上肢回動支持部の正面側の部分のモーメントと、該上肢回動支持部の背面側の部分のモーメントとを、前記アーム軸を中心にして前記第2のウエイト取り付けアームを回動させることでメカニカルにバランス状態に維持するバランス維持手段とを備えた上肢リハビリテーション装置。
  2. 前記第1の上肢支持用アームおよび前記第2の上肢支持用アームには、前記第1の上肢支持用アームの長さ方向および前記第2の上肢支持用アームの長さ方向に長いガイドレールがそれぞれ設けられ、
    前記第1の上肢支持用アームのガイドレールには、前記障害者の健常側の手で握る第1のグリップを有した第1のスライダがスライド自在に取り付けられ、
    前記第2の上肢支持用アームのガイドレールには、前記障害者の麻痺側の手で握る第2のグリップを有した第2のスライダがスライド自在に取り付けられ、
    前記第1のスライダと前記第2のスライダとを連結するスライダ用力伝達部材を有し、該スライダ用力伝達部材を介して、前記第1のスライダの移動量、該第1のスライダの移動速度、前記第1のスライダの動作方向がそれぞれ同一となる動作を、前記第2のスライダに同時かつメカニカルに伝達するスライダ用動作伝達手段を備えた請求項1に記載の上肢リハビリテーション装置。
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