JP2012115112A - 昇圧回路及び昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 昇圧トランス二次側の低耐圧化を図り、また、入力電圧が低下した場合には出力電圧の低下を回避する。
【解決手段】 昇圧回路(9)は、直流電圧を蓄積する蓄積要素(7)の端子電圧を一定の大きさの交流電圧に変換する第1変換手段(14〜17)、前記交流電圧を昇圧する昇圧トランス(18)、前記昇圧トランスの二次側に誘起した交流電圧を直流電圧に変換して出力する第2変換手段(20)、前記端子電圧を検出する検出手段(13)、前記検出手段の検出電圧が所定値を下回ったときに前記昇圧トランスの一次側の巻線数を減じる巻線数低減手段(19、25)を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、昇圧回路及び昇降装置に関し、たとえば、回生エネルギーを蓄積する蓄積要素の蓄積電圧を昇圧して取り出すための昇圧回路及びそれを用いた昇降装置に関する。
回生エネルギーとは、電動機(Electric Motor)が発電機(Electrical Generator)となって動作しているときに発生する電力のことをいう。たとえば、電車や電気自動車等においては、制動時に動力源を発電機として動作させ、その回生エネルギーを熱で消費することにより車両の制動力を得ている。あるいは、物流分野における垂直搬送機等の昇降装置においては、パレット下降時に同様に動力源を発電機として動作させ、その回生エネルギーを熱で消費することによりパレット下降時の制動力を得ている。
このように、回生エネルギーを熱で消費することによって所要の制動力を得られるのであるが、一方で熱による消費は、エネルギーを無駄に捨てることになり、省エネの観点で好ましくないことから、その回生エネルギーを蓄積要素に蓄え、電動機の電力として再利用することが行われている。
回生エネルギーの蓄積要素としては、従来、湿式バッテリや乾式バッテリが用いられていたが、近年、“電気二重層”という物理現象を利用することにより、蓄電効率を著しく向上した電気二重層キャパシタ(Electric double-layer capacitor;以下、EDLCという)が一部で用いられるようになってきた。
EDLCの1セル当たりの蓄積電圧(放電電圧または端子電圧ともいう)は、満充電時でも高々2〜3V程度と低い。このため、高電圧を必要とする場合は多数のEDLCを直列に接続しなければならないが、EDLC1個あたりの価格が高いので、一般的にはコスト削減のために昇圧回路を併用してEDLCの所要数を減らしている。
具体的に説明する。今、回生エネルギーの再利用電圧を直流のaVとする。再利用電圧とは、電動機を駆動するためのインバータ回路(後述の図1におけるインバータ回路5)の入力電圧のこという。このaVの実際の値はシステムの構成によって一概に言えないが、たとえば、商用400V級電源では最高700Vないしはそれを超える場合もある。このaVを昇圧回路を使用せずに得ようとすると、EDLC1個あたりの放電電圧が少ないことから、大量のEDLCを直列接続しなければならないが、EDLC1個あたりの単価が高いため、コストが膨大になって実用に耐えない。
したがって、コストを抑えるためには、EDLCの数を必要最小限にしつつ、その不足分を「昇圧回路」で補うというという仕組みが欠かせない。
昇圧回路は様々な構成のものが知られているが、たとえば、下記の特許文献1に記載されているような昇圧トランスを用いるもの、すなわち、入力された直流(DC)電圧を交流(AC)電圧に変換し、その交流電圧をトランスで昇圧した後、再び直流(DC)電圧に変換して出力する昇圧回路(同文献ではDC−DC昇圧回路1)は、構成が簡単でコストを抑えることができるから好ましい。以下、この技術を従来技術ということにする。
実公平6−6478号公報
しかしながら、従来技術は以下の問題点がある。
(1)昇圧トランス二次側の耐圧問題
たとえば、商用400V級電源の場合、昇圧回路の出力電圧は最高700Vないしはそれを超える場合もある。このことは昇圧トランスの二次側に高電圧が生じることを意味し、したがって、二次側の直流変換要素(たとえば、整流ダイオード等)に高耐電圧タイプのものが求められることになるから、コストアップの要因になる。
(2)出力電圧の低下問題
EDLCの放電電圧は一定でなく、電荷の蓄積量に応じて変動する。このため、時間の経過に伴って昇圧回路の入力電圧が低下し、これに追従して昇圧回路の出力電圧も低下する。
そこで、本発明の目的は、昇圧トランス二次側の低耐圧化を図り、また、入力電圧が低下した場合には出力電圧の低下を回避できる昇圧回路及びそれを用いた昇降装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、直流電圧を蓄積する蓄積要素の端子電圧を一定の大きさの交流電圧に変換する第1変換手段と、前記交流電圧を昇圧する昇圧トランスと、前記昇圧トランスの二次側に誘起した交流電圧を直流電圧に変換して出力する第2変換手段と、前記端子電圧を検出する検出手段と、前記検出手段の検出電圧が所定値を下回ったときに前記昇圧トランスの一次側の巻線数を減じる巻線数低減手段と、を備えたことを特徴とする昇圧回路である。
請求項2記載の発明は、前記昇圧トランスは、独立した複数の二次巻線を有し、前記第2変換手段は、該複数の二次巻線に誘起した交流電圧を各々直流電圧に変換するとともに、それらの直流電圧を加算して出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路である。
請求項3記載の発明は、前記蓄積要素は、電気二重層キャパシタであることを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路である。
請求項4記載の発明は、前記蓄積要素は、物流分野における垂直搬送機の動力源あるいは電車や電気自動車といった輸送車両の動力源として用いられる電動機で発生した回生エネルギーを蓄積することを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路である。
請求項5記載の発明は、荷積みパレットまたは空荷パレットを上下搬送する昇降装置であって、前記パレットの上昇駆動力を発生する電動機と、前記パレット下降時の制動力を前記電動機の回生エネルギーの熱的消費で発生する回生エネルギー消費手段とを備え、前記回生エネルギー消費手段は、前記制動力に関与しない剰余の回生エネルギーを蓄積する蓄積要素と、前記蓄積要素に蓄積した回生エネルギーから前記電動機の駆動に必要な所要の電圧を発生する駆動電圧発生手段とを含み、当該駆動電圧発生手段に請求項1に記載の昇圧回路を用いたことを特徴とする昇降装置である。
本発明によれば、昇圧トランス二次側の低耐圧化を図り、また、入力電圧が低下した場合には出力電圧の低下を回避できる。
実施形態の昇圧回路を含むシステム系統図である。 放電回路9(昇圧回路)の構成図である。 昇圧トランス18の一次側の波形を示す図である。 交直変換制御の動作フローを示す図である。 一次巻線制御の動作フローを示す図である。 一次巻線制御のタイムラインを示す図である。 実施形態の昇圧回路を適用した昇降装置の構成を示す図である。 昇降装置100の制御盤108の構成図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の昇圧回路を含むシステム系統図である。このシステム1は、たとえば、物流分野における垂直搬送機等の昇降装置あるいは電車や電気自動車等の輸送車両などに適用可能なものを示しており、その構成は、大きく分けて、交流商用電源(ここでは三相交流商用電源)2を直流変換する交直変換回路3と、交直変換回路3の出力電圧を交流変換するとともに、その交流電圧の周波数を加減することにより、三相交流誘導電動機(以下、単に電動機という)4の回転速度等を制御するインバータ回路5と、回生エネルギー蓄積回路6とを含むというものである。
回生エネルギー蓄積回路6は、複数のEDLC7a〜7cを直列に接続して構成されたEDLC群7と、充電回路8及び放電回路9を含む充放電回路10とを備える。充電回路8は、電動機4が発電機として動作しているときにその電動機4で発生する電力(回生エネルギー)をインバータ回路5経由で取り込み、その回生エネルギーでEDLC群7を充電し、また、放電回路9は、EDLC群7の放電電圧を所要の電圧(インバータ回路5の入力電圧であって、具体的には冒頭で説明したaVに相当する電圧)に昇圧して取り出すための「昇圧回路」として動作する。
図示のシステム1において、力行時には、交流商用電源2を交直変換回路3で直流変換し、さらに、インバータ回路5で交流変換して、その交流電力で電動機4を駆動する。このような力行時、垂直搬送機であればパレットが電動機4の力で垂直上方に運び上げられ、あるいは、電車や電気自動車等の輸送車両であれば車両が前進しまたは後退する。一方、回生時、つまり、電動機4が発電機として動作しているときには、電動機4で発生した電力(回生エネルギー)がインバータ回路5を経由して回生エネルギー蓄積回路6に伝えられ、充電回路8によってEDLC群7の充電が行われる。このとき、回生エネルギー蓄積回路6は、回生エネルギーを消費する負荷要素として働き、これにより、垂直搬送機であればパレットの下降に制動がかかり、あるいは、電車や電気自動車等の輸送車両であれば車両にブレーキがかかって速度が低下する。
EDLC群7に蓄えられた回生エネルギーは、電動機4の駆動に再利用される。すなわち、電動機4の力行時、電動機4は交流商用電源2を直流変換する交直変換回路3の出力のみならず、回生エネルギー蓄積回路6の放電回路9(昇圧回路)からの出力も利用して駆動される。なお、EDLC群7の充電容量によっては、瞬時停電のように一時的に交流商用電源2が失われたときに、回生エネルギー蓄積回路6の放電回路9(昇圧回路)からの出力だけで電動機4を駆動することも可能である。
図2は、放電回路9(昇圧回路)の構成図である。この図において、放電回路9は、EDLC群7の両端に接続される正負一対の入力端子(以下、正極入力端子11、負極入力端子12)の端子間電圧(以下、入力電圧Vin)を検出する電圧検出部13と、正極入力端子11と負極入力端子12の間に挿入された4つのスイッチ要素(以下、第1のスイッチ要素14、第2のスイッチ要素15、第3のスイッチ要素16、第4のスイッチ要素17)とを備える。
第1〜第4のスイッチ要素14〜17は、それぞれ並列接続されたダイオードDi(iは1〜4;以下同様)とトランジスタTRiから構成されており、詳細には、第1のスイッチ要素14は、ダイオードD1のカソードとトランジスタTR1のコレクタとを接続するとともに、ダイオードD1のアノードとトランジスタTR1のエミッタを接続し、さらに、トランジスタTR1のコレクタ(及びダイオードD1のカソード)を正極入力端子11に接続して構成されており、第2のスイッチ要素15は、ダイオードD2のカソードとトランジスタTR2のコレクタとを接続するとともに、ダイオードD2のアノードとトランジスタTR2のエミッタを接続し、さらに、トランジスタTR2のコレクタ(及びダイオードD2のカソード)を正極入力端子11に接続して構成されている。
また、第3のスイッチ要素16は、ダイオードD3のカソードとトランジスタTR3のコレクタとを接続するとともに、ダイオードD3のアノードとトランジスタTR3のエミッタを接続し、さらに、トランジスタTR3のエミッタ(及びダイオードD3のアノード)を負極入力端子12に接続して構成されており、第4のスイッチ要素17は、ダイオードD4のカソードとトランジスタTR4のコレクタとを接続するとともに、ダイオードD4のアノードとトランジスタTR4のエミッタを接続し、さらに、トランジスタTR4のエミッタ(及びダイオードD4のアノード)を負極入力端子12に接続して構成されている。
加えて、第1のスイッチ要素14のトランジスタTR1のエミッタ(及びダイオードD1のアノード)と第3のスイッチ要素16のトランジスタTR3のコレクタ(及びダイオードD3のカソード)とを接続(以下、この接続点をノードAという)し、さらに、第2のスイッチ要素15のトランジスタTR2のエミッタ(及びダイオードD2のアノード)と第4のスイッチ要素17のトランジスタTR4のコレクタ(及びダイオードD4のカソード)とを接続(以下、この接続点をノードBという)して構成されている。
また、放電回路9は、昇圧トランス18と、昇圧トランス18の一次側に設けられた切り替え回路19と、昇圧トランス18の二次側に設けられた直交変換回路20と、直交変換回路20の出力電圧を取り出すための正負一対の出力端子(以下、正極出力端子21、負極出力端子22)の端子間電圧(以下、出力電圧Vout)を検出する電圧検出部23と、直交変換回路20の出力電流Ioutを検出する電流検出部24と、制御部25とを備える。
昇圧トランス18は、鉄心等の磁性体に巻回された一次巻線と二次巻線とを有し、一次巻線は一つのコイルの両端及び適宜位置(説明の便宜上、中間位置とする)から引き出された複数(図では3つ)のタップT1〜T3を備え、二次巻線は、互いに電気的に絶縁された複数(図では2つ)の個別巻線(以下、第1の二次巻線26、第2の二次巻線27)を備える。
一次巻線の一方端のタップT3はノードBに常時接続され、他方端のタップT1と中間点のタップT2は切り替え回路19によって択一的にノードAに接続される。すなわち、切り替え回路19は、電磁リレーの接点19aを有しており、その電磁リレーが非励磁(オフ)のときに一次巻線のタップT1をノードAに接続し、励磁(オン)のときに一次巻線のタップT2をノードAに接続する。
直交変換回路20は、第1の二次巻線26に誘起した交流電圧を直流電圧に変換する第1の直交変換部28と、第2の二次巻線27に誘起した交流電圧を直流電圧に変換する第2の直交変換部29とを備え、直交変換回路20は、これら二つの直交変換部(第1の直交変換部28と第2の直交変換部29)の出力電圧を加算した直流電圧を出力する。
すなわち、第1の直交変換部28は、第1の二次巻線26の両端に4つのダイオードD11〜D14からなる全波整流部30を接続するとともに、その全波整流部30の出力端にコイルL11とコンデンサC11からなる平滑部31を接続して構成し、また、第2の直交変換部29は、第2の二次巻線27の両端に同じく4つのダイオードD21〜D24からなる全波整流部32を接続するとともに、その全波整流部32の出力端にコイルL21とコンデンサC21からなる平滑部33を接続して構成し、さらに、第1の直交変換部28のコンデンサC11と第2の直交変換部29のコンデンサC21とを直列に接続し、その直列回路の両端をそれぞれ正極出力端子21と負極出力端子22に接続して構成している。
制御部25は、たとえば、マイクロコンピュータで構成された制御要素であり、入力電圧(Vin)や出力電圧(Vout)及び出力電流(Iout)などの入力情報に基づいて所定の制御を実行する。
所定の制御の一つは第1〜第4のスイッチ要素14〜17の制御(以下、交直変換制御)であり、また、所定の制御の他の一つは切り替え回路19の制御(以下、一次巻線制御)である。図中のS1〜S4は交直変換制御の制御信号を示し、S5は一次巻線制御の制御信号を示している。S1〜S4はそれぞれ第1〜第4のスイッチ要素14〜17のトランジスタTRiの制御電極に加えられ、各々のトランジスタTRiは、対応する制御信号(S1〜S4)がアクティブの時にオンになる。また、S5は切り替え回路19の電磁リレーに加えられ、電磁リレーは制御信号(S5)がアクティブの時にオン(励磁状態)になる。
図3は、昇圧トランス18の一次側の波形を示す図である。この図において、S1〜S4は、S1とS4、S2とS3をペアにして各ペア交互に、所定の制御周期の半周期ごとにアクティブとインアクティブを繰り返す。アクティブは論理1(ハイレベル)、インアクティブは論理0(ローレベル)である。S1とS4のペアは前半周期でアクティブ、後半周期でインアクティブとなり、S2とS3のペアは前半周期でインアクティブ、後半周期でアクティブとなる。ここで、アクティブ期間のパルス幅は、いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御された可変のパルス幅であって、このパルス幅は、入力電圧Vin(つまり、EDLC群7の放電電圧)に応じて増減変化する。すなわち、入力電圧Vinが高ければパルス幅が狭くなり、入力電圧Vinが低ければパルス幅が広くなる。
第1〜第4のスイッチ要素14〜17(のトランジスタTRi)は、対応する制御信号(S1〜S4)がアクティブの時にオンになるので、結局、S1とS4がアクティブになっている期間では、EDLC群7→正極入力端子11→第1のスイッチ要素14→ノードA→切り替え回路19→一次巻線のタップT1→一次巻線のタップT3→ノードB→第4のスイッチ要素17→負極入力端子12→EDLC群7という経路ができ、昇圧トランス18の一次巻線に半サイクル分の正極性波形が現れる。
また、S2とS3がアクティブになっている期間では、EDLC群7→正極入力端子11→第2のスイッチ要素15→ノードB→一次巻線のタップT3→一次巻線のタップT1→切り替え回路19→ノードA→第3のスイッチ要素16→負極入力端子12→EDLC群7という経路ができ、昇圧トランス18の一次巻線に半サイクル分の負極性波形が現れる。
このように、S1とS4及びS2とS3をペアにして各ペアのアクティブ期間のパルス幅を、入力電圧Vin(つまり、EDLC群7の放電電圧)に応じて増減変化させることにより、昇圧トランス18の一次側に、EDLC群7の放電電圧に対応した大きさの正負の擬似的交流波形を生じさせることができる。
ここで、図3の一次波形は入力電圧Vinが高い場合(つまり、パルス幅が狭い場合)の第一の例と、入力電圧Vinが低い場合(つまり、パルス幅が広い場合)の第二の例を示している。第一の例及び第二の例はいずれも同一極性部分の波形面積(ハッチング部分)が同じであり、したがって、これら二つの交流波形(第一の例と第二の例の波形)の平均値は同一であるから、結局、入力電圧Vinの高低にかかわらず、一定の大きさの交流電圧に制御された一次波形を生成することができる。
このように、S1〜S4のアクティブ期間のパルス幅を入力電圧Vinに応じて増減変化させることにより、入力電圧Vinの高低にかかわらず、一定の大きさの交流電圧に制御された一次波形を生成することができるという定電圧作用を得られるのであるが、その作用にも限界がある。S1〜S4のアクティブ期間におけるパルス幅の最大値が制御周期の半周期長で制限されてしまうからである。このため、EDLC群7の放電電圧が低下し、それに伴ってパルス幅が広げらた場合に、ある放電電圧以下では上記の定電圧作用が得られなくなり、結果として、インバータ回路5に必要な入力電圧(冒頭で説明したaVに相当する電圧)が得られなくなるという不都合を来す。
本実施形態では、かかる不都合を解消するために、以下の工夫を行ったものである。
ここで、S5をアクティブにすることにより、切り替え回路19の接点19aの位置を図中破線の位置に変更することができる。この位置に切り替えた場合、上記の経路における「一次巻線のタップT1」は「一次巻線のタップT2」と読み替えられることになる。すなわち、S5をアクティブにすることにより、S1とS4がアクティブになっている期間及びS2とS3がアクティブになっている期間の双方で、一次巻線のタップT3とタップT2の間が利用されることになり、タップT2の取り出し位置は、説明の便宜上、タップT1〜T3の中間位置としてあるので、結局のところ、S5をアクティブにした場合は、一次巻線の巻回数を1/2に減じたことになるから、たとえば、一次巻線のタップT1〜T3の巻回数をN1とすれば、S5をアクティブにしたときの一次巻線の実質的な巻回数はN1の半分、つまりN1/2になる。
昇圧トランス18の昇圧比(変圧比:一次電圧と二次電圧の比)は一次側と二次側の巻回数の比(巻数比または変成比)で決まる。一次側の巻回数はN1またはN1/2であり、一方、二次側の巻回数は第1の二次巻線26および第2の二次巻線27の各々の巻回数であるから、二次側の巻回数を便宜的にN2とすれば、昇圧トランス18の昇圧比は、第1の二次巻線26については「N2/N1」または「N2/(N1/2)」で与えられ、同様に、第2の二次巻線27についても「N2/N1」または「N2/(N1/2)」で与えられる。
したがって、昇圧トランス18の第1の二次巻線26には、一次巻線に現れた交流波形を(N2/N1)倍または(N2/(N1/2))倍に昇圧した交流波形が誘起され、同様に、昇圧トランス18の第2の二次巻線27にも、一次巻線に現れた交流波形を(N2/N1)倍または(N2/(N1/2))倍に昇圧した交流波形が誘起される。
図4は、交直変換制御の動作フローを示す図である。なお、ここでは、S1とS4のペアおよびS2とS3のペアのアクティブ期間の長さを同一(第1の時間)としているが、これは説明を簡単にするための便宜である。実際には、前述したとおり、S1とS4及びS2とS3をペアにして各ペアのアクティブ期間のパルス幅を、入力電圧Vin(つまり、EDLC群7の放電電圧)に応じて増減制御(たとえば、PWM制御)している点に留意されたい。
この動作フローでは、まず、S1とS4をアクティブにしたまま(STP1)第1の時間待機し(STP2)、第1の時間が経過すると、S1とS4をインアクティブにする(STP3)とともに、S2とS3をアクティブにし(STP4)、その状態(S2とS3のアクティブ)を保ったまま第1の時間待機し(STP5)、第1の時間が経過すると、S1とS4をインアクティブにしてから(STP6)、再び最初の処理(STP1)に戻るという動作を繰り返す。
このように、S1とS4及びS2とS3をペアにして各ペア交互に、所定の時間(第1の時間)の間隔でアクティブとインアクティブを繰り返す(正確には、S1とS4及びS2とS3をペアにして各ペアのアクティブ期間のパルス幅を、入力電圧Vinに応じて増減変化させる)ことにより、昇圧トランス18の一次側にEDLC群7の放電電圧に対応した大きさの正負の擬似的交流波形を生じさせることができる。
図5は、一次巻線制御の動作フローを示す図である。この動作フローでは、まず、入力電圧Vinが所定の閾値SLを下回っているか否かを判定する(STP11)。ここで、入力電圧Vinは、正負一対の入力端子(正極入力端子11と負極入力端子12)の端子間電圧であって、この正負一対の入力端子にはEDLC群7の両端が接続されているのであるから、要するに入力電圧Vinは、EDLC群7の放電電圧そのものを表している。したがって、STP11における判定条件(Vin<SL)は、「EDLC群7の放電電圧が所定の閾値SLを下回っているか否か」を判定することを意味している。
さて、〔発明が解決しようとする課題〕の欄で述べたとおり、EDLCの放電電圧は一定ではなく、電荷の蓄積量に応じて変動する。このため、時間の経過に伴って昇圧回路の入力電圧(Vin)が低下し、これに追従して昇圧回路の出力電圧(Vout)も低下するという問題点がある。
出力電圧(Vout)の低下は、放電回路9(昇圧回路)の定電圧作用によって一応阻止できるが、その定電圧作用にも限界がある。S1〜S4のアクティブ期間におけるパルス幅の最大値が制御周期の半周期長で制限されてしまうからである。このため、EDLC群7の放電電圧が低下し、それに伴ってパルス幅が広げらた場合に、ある放電電圧以下では上記の定電圧作用が得られなくなり、結果として、インバータ回路5に必要な入力電圧(冒頭で説明したaVに相当する電圧)が得られなくなるという不都合を来す。
図示のフローでは、「Vin<SL」でないとき、つまり、EDLC群7の放電電圧が所定の閾値SLを下回っていないときには、制御信号S5をインアクティブにし(STP13)、一方、「Vin<SL」であるとき、つまり、EDLC群7の放電電圧が所定の閾値SLを下回っているときには、制御信号S5をアクティブにする(STP12)という作用が得られる。
S5がインアクティブになっているとき、切り替え回路19の接点19aは図示の実線位置にある。この場合、一次巻線のタップT1とタップT3の間が利用されることになるが、S5がアクティブになっているときには、切り替え回路19の接点19aが図示の破線位置になり、この場合、一次巻線のタップT2とタップT3の間が利用されることになる。
図6は、一次巻線制御のタイムラインを示す図である。この図に示すように、VinがSLを上回っている間はS5がインアクティブになって一次巻き線のタップT1〜T3の間が利用されるが、VinがSLを下回ると、S5がアクティブになって一次巻き線のタップT2〜T3の間が利用される。一次巻線のタップT1とタップT3の間の巻回数はN1、一次巻線のタップT2とタップT3の間の巻回数はN1/2である。もちろん、この巻回数(N1、N1/2)は説明上の便宜例に過ぎないが、この便宜例に従えば、S5をインアクティブからアクティブに変化させることにより、昇圧トランス18の一次巻線の巻回数を1/2に減じることができ、二次側に誘起する電圧を2倍にすることができる。
したがって、この便宜例(N1、N1/2)の場合は、閾値SLの値を、EDLC群7の放電電圧の定格値のほぼ50%程度相当にしておけば、EDLC群7の放電電圧が定格値のほぼ半分程度に低下したときに、昇圧トランス18の二次側に誘起する電圧を2倍に高めて、その低下分を補うことができるから、前記の不都合を解消し、入力電圧の低下に伴う出力電圧の低下を回避できるという効果を得ることができる。
なお、以上の説明では、昇圧トランス18の一次側に三つのタップT1〜T3を設け、これらのタップを切り替え回路19で適宜に切り替えることにより、一次側の巻数比を「N1:N1/2」、すなわち、「1:0.5」に変化させているが、この巻数比は、EDLC群7の放電電圧が定格値のほぼ50%程度に低下した場合(入力電圧Vinが50%程度に低下した場合)を想定したベストモードに過ぎない。要は、目標とする入力電圧Vinの低下度合いに適合した巻数比に設定し、且つ、その低下度合いに相当する閾値SLを設定すればよい。
なお、昇圧トランス18の一次側のタップを2段以上の多段(より多くのタップ切り替え方式)としてもよい。多段にするほど、昇圧トランス18の一次側の巻回数を入力電圧Vinに応じてきめ細かく変更でき、出力電圧の変動をより抑制できるから好ましい。多段にした場合、各段の巻回数は規則的(たとえば、1/2、1/3、1/3などの等比級数的)に変化するものであってもよく、あるいは、不規則に変化するものであってもよい。ちなみに、2段以上の多段にした場合は、各タップごとに適切な閾値(SL)を用いなければならないことはいうまでもない。
さらに、図示のタップを切り替え回路19は機械的なもの(電磁リレーを用いたもの)としているが、これに限定されない。たとえば、トランジスタ等の電子スイッチを使用してもよい。
加えて、実施形態の昇圧トランス18は、その二次側巻線を互いに電気的に絶縁された複数(図では2つ)の個別巻線(以下、第1の二次巻線26、第2の二次巻線27)で構成し、それらの個別巻線の各々に第1の直交変換部28と第2の直交変換部29とを設け、且つ、それら二つの直交変換部(第1の直交変換部28と第2の直交変換部29)の出力電圧を加算した直流電圧(出力電圧Vout)を出力するという仕組みを採用しているため、二次側の耐圧を下げることができるという効果も得られる。
すなわち、出力電圧Voutの値を便宜的に700Vと仮定すると、第1の直交変換部28と第2の直交変換部29とからなる直交変換回路20は、「二つの直交変換部(第1の直交変換部28と第2の直交変換部29)の出力電圧を加算した直流電圧(出力電圧Vout)を出力」するのであるから、第1の直交変換部28と第2の直交変換部29は、Voutの半分の電圧(350V)をそれぞれ分担すればよいことになり、その結果、第1の直交変換部28の構成要素(ダイオードD11〜D14、コイルL11、コンデンサC11)や第2の直交変換部29の構成要素(ダイオードD21〜D24、コイルL21、コンデンサC21)の耐圧を少なくとも350V相当に低減でき、したがって、冒頭で説明した「昇圧トランス二次側の耐圧問題」も解消することができる。
なお、以上の説明では、昇圧トランス18の二次側を二つの個別巻線(以下、第1の二次巻線26、第2の二次巻線27)で構成しているが、これも説明上の一例に過ぎない。三つ以上のN個の個別巻線で構成してもよい。各々の二次側巻線の耐圧を1/Nに低減することができるからであり、要は、昇圧トランス18の二次側をN分割するとともに、N個の個別巻き線ごとに交直変換部(図2の第1の直交変換部28と第2の直交変換部29を参照)を設け、且つ、それらN個の交直変換部の出力電圧を足し合わせてインバータ回路5に加える構成にすればよい。
以上のとおりであるから、本実施形態の昇圧回路(放電回路9)にあっては以下の効果を得ることができる。
(1)昇圧トランス二次側の耐圧問題回避
昇圧トランス18の二次側をN分割するとともに、N個の個別巻き線ごとに交直変換部(図2の第1の直交変換部28と第2の直交変換部29を参照)を設け、且つ、それらN個の交直変換部の出力電圧を足し合わせてインバータ回路5に加える構成としたので、たとえば、インバータ回路5の入力電圧に700Vが必要な場合は、昇圧トランス18の二次側のN個の交直変換部はそれぞれ700Vの1/Nずつを分担すればよくなり、その結果、昇圧トランス二次側の耐圧を1/Nに低下できるという効果が得られる。
(2)出力電圧の低下問題回避
入力電圧Vinが所定の閾値SLを下回ったときに、昇圧トランス18の一次側の巻線数を減じるような構成としたので、二次側に誘起する電圧を高めて出力電圧の低下問題を回避することができる。たとえば、閾値SLを入力電圧Vinの50%相当とし、かつ、昇圧トランス18の一次側の巻線数を1/2に減じるようにすれば、Vin<SLのときに、二次側に誘起する電圧を2倍に高めることができる。
図7は、実施形態の昇圧回路を適用した昇降装置の構成を示す図である。この図において、昇降装置100は、たとえば、工場や倉庫あるいは店舗、工事現場等において、荷役の昇降作業に用いられる常設または仮設の装置である。
この昇降装置100は、一のフロア(ここでは1F)から二のフロア(ここでは2F)に延びる昇降タワー101と、昇降タワー101の内壁面に上下方向に取り付けられた案内レール102に沿って昇降タワー101の内部を上下に移動可能なホイストレール103と、このホイストレール103の中央上部付近に取り付けられた自由回転プーリ104と、昇降タワー101の最上部の機械室105に設けられた電動機4(図1の電動機4と同じもの)と、電動機4の回転軸4aに取り付けられた巻き上げプーリー106と、両プーリ(自由回転プーリ104と巻き上げプーリ106)の間に掛け渡されたベルト107と、図1の各部(すなわち、交直変換回路3やインバータ回路5及び回生エネルギー蓄積回路6)を含む制御盤108と、昇降タワー101の1F開口部109及び2F開口部110の近くに設けられた1F操作盤111及び2F操作盤112(各々、UPスイッチ113とDOWNスイッチ114を有する)とを備え、さらに、1Fと2Fの各々に同一構成の荷物移動装置115を備える。
荷物移動装置115は、キャスタ116を備えた台車117の上に横方向のレール118を取り付け、そのレール118に沿って滑動可能な滑車119にチェーン120を介して、荷物121を乗せるためのパレット122を吊り下げた構成を有している。なお、ここでは、手動の滑車119としているが、電動にしてもかまわない。
図8は、昇降装置100の制御盤108の構成図である。制御盤108は、図1のシステム1と同様の構成要素、すなわち、交流商用電源2を直流変換する交直変換回路3と、交直変換回路3の出力電圧を交流変換するとともに、1F操作盤111や2F操作盤112からの操作信号に応答して、その交流電圧の周波数を加減することにより、電動機4の回転速度等を制御するインバータ回路5と、回生エネルギー蓄積回路6とを含む。
回生エネルギー蓄積回路6は、複数のEDLC7a〜7cを直列に接続して構成されたEDLC群7と、充電回路8及び放電回路9を含む充放電回路10とを備える。充電回路8は、電動機4が発電機として動作しているときにその電動機4で発生する電力(回生エネルギー)をインバータ回路5経由で取り込み、その回生エネルギーでEDLC群7を充電し、また、放電回路9は、EDLC群7の放電電圧を所要の電圧(インバータ回路5の入力電圧であって、具体的には冒頭で説明したaVに相当する電圧)に昇圧して取り出すための「昇圧回路」として動作する。
回生エネルギー蓄積回路6は、パレット122の下降時の制動力を、電動機4の回生エネルギーの熱的消費で発生する回生エネルギー消費手段として機能し、さらに、この回生エネルギー蓄積回路6は、パレット122の下降時の制動力に関与しない剰余の回生エネルギーを蓄積する蓄積要素(EDLC群7)を含むとともに、加えて、この蓄積要素(EDLC群7)に蓄積した回生エネルギーから電動機4の駆動に必要な所要の電圧を発生する駆動電圧発生手段として機能する放電回路9(昇圧回路)を含む。この放電回路9(昇圧回路)は、図1のシステム1における放電回路9(昇圧回路)と同一の構成で且つ同一の作用を奏する。
このような構成を有する昇降装置100の動作は、以下のとおりである。
<1Fから2Fへの荷上げまたは空荷パレット上げ>
1F荷物移動装置115のパレット122に荷物121を乗せたまま、あるいは、空荷の場合はそのまま、1F開口部109に1F荷物移動装置115を寄せ、その状態で、昇降タワー101の内部のホイストレール103が1Fに下りているか確認し、下りていなければ、1F操作盤111のDOWNスイッチ114を操作してホイストレール103を下ろす。次いで、1F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うように、1F操作盤111のUPスイッチ113とDOWNスイッチ114を操作して、ホイストレール103の高さを微調整する。
1F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うと、次に、1F荷物移動装置115の滑車119を動かし、この滑車119と一緒に、荷物121を乗せた状態のパレット122または空荷のパレット122を、1F荷物移動装置115から昇降タワー101のホイストレール103に移動させる。
次いで、1F操作盤111または2F操作盤112のUPスイッチ113を操作し、2F開口部110に達するまでホイストレール103を引き上げる。
次に、2F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うように、2F操作盤112のUPスイッチ113とDOWNスイッチ114を操作して、ホイストレール103の高さを微調整する。
2F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うと、次に、昇降タワー101のホイストレール103から2F荷物移動装置115のレール118に、荷物121を乗せた状態のパレット122または空荷のパレット122を移動させる。以上の動作により、1Fから2Fへの荷上げまたは空荷パレット上げを行うことができる。
<2Fから1Fへの荷下ろしまたは空荷パレット下げ>
2F荷物移動装置115のパレット122に荷物121を乗せたまま、あるいは、空荷の場合はそのまま、2F開口部109に2F荷物移動装置115を寄せ、その状態で、昇降タワー101の内部のホイストレール103が2Fに上がっているか確認し、上がっていなければ、2F操作盤112のUPスイッチ113を操作してホイストレール103を上げる。次いで、2F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うように、2F操作盤112のUPスイッチ113とDOWNスイッチ114を操作して、ホイストレール103の高さを微調整する。
2F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うと、次に、2F荷物移動装置115の滑車119を動かし、この滑車119と一緒に、荷物121を乗せた状態のパレット122または空荷のパレット122を、2F荷物移動装置115から昇降タワー101のホイストレール103に移動させる。
次いで、1F操作盤111または2F操作盤112のDOWNスイッチ114を操作し、1F開口部109に達するまでホイストレール103を下げる。
次に、1F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うように、1F操作盤111のUPスイッチ113とDOWNスイッチ114を操作して、ホイストレール103の高さを微調整する。
1F荷物移動装置115のレール118の先端とホイストレール103の先端の高さが揃うと、次に、昇降タワー101のホイストレール103から1F荷物移動装置115のレール118に、荷物121を乗せた状態のパレット122または空荷のパレット122を移動させる。以上の動作により、2Fから1Fへの荷下ろしまたは空荷パレット下げを行うことができる。
次に、この昇降装置100における前記実施形態の昇圧回路(放電回路9)の動作について説明する。昇降装置100は、昇降タワー101の内部に設けられたホイストレール103を上下させることによって、荷物121の上げ下げや空荷パレット122の上げ下げを行うものである。ホイストレール103の上昇は電動機4の駆動によって行われるが、ホイストレール103の下降は、もっぱら荷物121やパレット122の自重による落下と、その落下の際に発生する電動機4の回生ブレーキとによって行われる。
回生ブレーキ、すなわち、電動機4が発電機として動作しているときに発生する電力(回生エネルギー)を熱等で消費させることによって得られる制動力は、機械式ブレーキの代替または補完として有用であるものの、全ての回生エネルギーを熱で消費するのは無駄であることから、制動力に関与しない余剰の回生エネルギーを蓄積しておき、電動機4を駆動(力行)させる際に再利用することが行われており、そして、その回生エネルギーの蓄積要素に、蓄電効率に優れた電気二重層キャパシタ(EDLC)を使用する試みがなされている。
しかしながら、EDLCの蓄積エネルギーを電動機4を駆動に必要な電圧まで高めるためには直列接続した多くのEDLCを必要とするものの、EDLCは高価であることから、単純な直列接続は好ましくなく、一般的に昇圧回路を併用することによってEDLCの所要数を減らす工夫がなされている。
最も単純な、したがって、低コストな昇圧回路は、昇圧トランスを用いたものである。この昇圧トランスの一次側と二次側の巻線比に応じた高い電圧を取り出すことができ、少ないEDLCで所要の高電圧を得ることができる。加えて、EDLCの放電電圧は時間の経過に伴って徐々に低くなるが、一次側を定電圧化することにより、EDLCの放電電圧低下にも一応対応することができる。
しかし、一次側の定電圧化範囲には自ずと限界があり、EDLCの放電電圧が所定値(定電圧の下限値)以下になった際に、所要の高電圧が得られなくなるという不都合がある。そこで、前記実施形態の昇圧回路としての放電回路9(昇降装置100の制御盤108に組み込まれたもの)は、昇圧トランスの巻線比を切り替え可能にし、EDLCの放電電圧が所定値(定電圧の下限値)以下になりそうになった場合には、巻線比を切り替えて所定の電圧を得られるようにしたものであり、これによって、上記の不都合、すなわち、EDLCの放電電圧が所定値(定電圧の下限値)以下になった際に、所要の高電圧が得られなくなるという不都合を解消したものである。
このようにすれば、EDLCの能力を十分引き出して、回生エネルギーの蓄積と、その再利用とを図ることができるから、たとえば、昇降装置100の分野に適用して好適な技術とすることができる。
4 三相交流誘導電動機(電動機)
6 回生エネルギー蓄積回路(回生エネルギー消費手段)
7 EDLC群(蓄積要素)
9 放電回路(昇圧回路、駆動電圧発生手段)
13 電圧検出部(検出手段)
14 第1のスイッチ要素(第1変換手段)
15 第2のスイッチ要素(第1変換手段)
16 第3のスイッチ要素(第1変換手段)
17 第4のスイッチ要素(第1変換手段)
18 昇圧トランス
19 切り替え回路(巻線数低減手段)
20 直交変換回路(第2変換手段)
25 制御部(巻線数低減手段)
26 第1の二次巻線(二次巻線)
27 第2の二次巻線(二次巻線)
100 昇降装置

Claims (5)

  1. 直流電圧を蓄積する蓄積要素の端子電圧を一定の大きさの交流電圧に変換する第1変換手段と、
    前記交流電圧を昇圧する昇圧トランスと、
    前記昇圧トランスの二次側に誘起した交流電圧を直流電圧に変換して出力する第2変換手段と、
    前記端子電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出電圧が所定値を下回ったときに前記昇圧トランスの一次側の巻線数を減じる巻線数低減手段と、
    を備えたことを特徴とする昇圧回路。
  2. 前記昇圧トランスは、独立した複数の二次巻線を有し、
    前記第2変換手段は、該複数の二次巻線に誘起した交流電圧を各々直流電圧に変換するとともに、それらの直流電圧を加算して出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
  3. 前記蓄積要素は、電気二重層キャパシタであることを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
  4. 前記蓄積要素は、物流分野における垂直搬送機の動力源あるいは電車や電気自動車といった輸送車両の動力源として用いられる電動機で発生した回生エネルギーを蓄積することを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
  5. 荷積みパレットまたは空荷パレットを上下搬送する昇降装置であって、
    前記パレットの上昇駆動力を発生する電動機と、前記パレット下降時の制動力を前記電動機の回生エネルギーの熱的消費で発生する回生エネルギー消費手段とを備え、
    前記回生エネルギー消費手段は、
    前記制動力に関与しない剰余の回生エネルギーを蓄積する蓄積要素と、
    前記蓄積要素に蓄積した回生エネルギーから前記電動機の駆動に必要な所要の電圧を発生する駆動電圧発生手段とを含み、
    当該駆動電圧発生手段に請求項1に記載の昇圧回路を用いたことを特徴とする昇降装置。
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