JP2012114764A - 無線通信装置、無線通信システム、及び無線通信装置における無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、無線通信システム、及び無線通信装置における無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットを向上させるようにした無線通信装置、無線通信システム、及び無線通信装置における無線通信方法を提供すること。
【解決手段】他の無線通信装置と無線通信を行う無線通信装置において、前記他の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、前記他の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する制御部と、前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する送信部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置、無線通信システム、及び無線通信装置における無線通信方法に関する。
現在、携帯電話システムや無線LAN(Local Area Network)などの無線通信システムが広く利用されている。また、無線通信の分野では、通信速度や通信容量を更に向上させるべく、次世代の無線通信技術について継続的に活発な議論が行われている。
このような無線通信技術に関するものとして、例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat request:ハイブリッド自動再送リクエスト)がある。HARQは、例えば、ARQ(Automatic Repeat request:自動再送要求)とFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)とを組み合わせた技術である。
図16は、基地局装置(以下、「基地局」)150と端末装置(以下、「端末」)250とにおいてHARQが適用された場合のシーケンス例を示す図である。
基地局150はデータAと誤り検出符号(例えばCRC:Cyclic Redundancy Check)とを端末250を送信し(S101)、端末250は誤り検出符号を用いてデータAに誤りが有るか無いかを判別する。この結果、端末250は受信したデータAに誤りが有ると判別したとき、誤り有りの検出結果を示す否定応答(例えばNACK信号)を基地局150に送信する(S102)。このとき端末250は誤り有りと判別したデータAを保持する。
基地局150はNACK信号を受信すると、データAを端末250に再送する(S104)。端末250は、再送されたデータAと保持したデータAとを合成し、合成されたデータAに対して誤りの有無を判別する(S105)。その結果、端末250は誤り無しと判別した場合、肯定応答(例えばACK信号)を基地局150に送信する(S106)。端末250は、ここでも誤り有りと判別すると再度NACK信号を送信し、基地局150はデータAの再送を繰り返す。一方、肯定応答を受信した基地局150は、データBを端末250に送信する。
端末250は合成したデータを用いて誤りの有無を判別するため、HARQが適用されない場合と比較して、端末250はNACK信号を送信する回数を減少させることができる。また、基地局150も、HARQが適用されない場合と比較して、データの再送回数を減少させることができる。従って、HARQが適用される無線通信システムでは、通信路の環境が良好でない場合でもスループットを向上させることができる。
HARQが適用される場合において、基地局150は、例えば、1つのバーストデータに1つの誤り検出符号を付加して、端末250に送信する。バーストデータは、例えば、誤り検出符号が付加される1つの単位であり、1無線フレーム内においては2〜6つのバーストデータが存在する。端末250は、この誤り検出符号を用いて、誤りの有無を示す誤り検出結果を基地局150に送信している。
基地局150は、例えば、誤り検出結果に基づいて、最も端末250への送信が成功する変調方式と符号化率の組み合わせ(以下、「MCS」と称する。MCS:Modulation and Coding Scheme)を選択する。この場合、基地局150は、例えば、1ユーザ(又は1端末)に対して1又は複数のバーストデータを割り当て、ユーザ(又は端末)毎に異なるMCSを選択し、バーストデータを送信する。従って、1つの無線フレーム内に複数のユーザに対する無線リソースの割り当てが行われると、基地局150はユーザ毎に異なる複数のMCSによりバーストデータを送信する。
また、基地局150は、誤り検出結果によっては選択及び使用したMCSを変更することもある。この場合、基地局150は、HARQによる再送データを除いて、ユーザ毎にMCSを変更して、バーストデータを送信することになる。
特開2004‐253828号公報 特開2006‐115357号公報 特開2007‐228488号公報
しかし、基地局150はMCSを変更するとき、各ユーザに割り当てた1又は複数のバーストデータの全てを変更するため、MCS変更後のバーストデータにおいて誤りとなる確率は、変更前と比較して高くなる場合もある。
例えば、1ビットの誤り率をBER(Bit Error Rate)、バーストデータの誤り率をPER(Packet Error Rate)とし、1バーストデータにnビット含まれ、各ビットにおいてランダムエラーが発生すると仮定すると、以下の式が成り立つ。
Figure 2012114764
上式から、1バーストデータに含まれるビット数が多いほど、PERは高くなる。よって、MCSを変更するバーストデータのデータ量が多いほど、誤りとなる確率も高くなる。そして、誤りとなる確率が高くなると、再送回数もMCS変更前と比較して増加するため、結果としてスループットはMCS変更前と比較して減少することになる。
一方、誤り率が「0」になるようなMCSの選択が必ずしも効率的なデータ送信になるわけではない。図17は、MCSと1サブキャリアで転送可能な転送ビット量と関係例を示す図である。例えば、変調方式が「QPSK」の場合、1サブキャリアで送信できるビット数は「2」であるが、符号化率が「1/2」のとき、転送ビット量は「1」となる。図17において、「転送ビット量」の項目には、各変調方式において1サブキャリアで送信可能なビット数に符号化率を乗算した値が記載されている。
ここで、例えば、MCSが「64QAM 1/2」で誤り率が「0」のとき、転送ビット量は、3.0×1(=100%)=3.0となる。一方、MCSが「64QAM 2/3」で誤り率が「20%」のとき、転送ビット量は、4.0×0.8=3.2ビットとなる。MCSと誤り率との関係では、後者の方がスループットが向上する。上述した特許文献に記載された技術は、MCSと誤り率との関係については何ら記載されておらず、よって、選択したMCSによってはスループットの向上を図れない場合もある。
そこで、本発明の一目的は、スループットを向上させるようにした無線通信装置、無線通信システム、及び無線通信装置における無線通信方法を提供することにある。
一態様によれば、他の無線通信装置と無線通信を行う無線通信装置において、前記他の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、前記他の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する制御部と、前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する送信部とを備える。
スループットを向上させるようにした無線通信装置、無線通信システム、及び無線通信装置における無線通信方法を提供することができる。
図1は無線通信システムの構成例を示す図である。 図2は無線通信システムの構成例を示す図である。 図3は基地局装置の構成例を示す図である。 図4は端末装置の構成例を示す図である。 図5(A)は無線フレーム、図5(B)はバーストデータの例を夫々示す図である。 図6はバーストサイズ決定処理の動作例を示すフローチャートである。 図7はバーストサイズ決定処理の動作例を示すフローチャートである。 図8(A)〜図8(G)はバーストサイズの例を夫々示す図である。 図9(A)〜図9(E)はバーストサイズの例を夫々示す図である。 図10は内部誤り判定処理の動作例を示すフローチャートである。 図11はバーストサイズ決定処理の動作例を示すフローチャートである。 図12はMCS選択処理の動作例を示すフローチャートである。 図13(A)及び図13(B)は無線通信システムの構成例を示す図である。 図14は基地局装置の他の構成例を示す図である。 図15は端末装置の他の構成例を示す図である。 図16はHARQが適用された場合のシーケンス例を示すである。 図17はMCSと転送ビット数との対応関係例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、第1の無線通信装置100と第2の無線通信装置200とを備える。第1の無線通信装置100と第2の無線通信装置200との間で無線通信が行われる。
第1の無線通信装置100は、制御部170と送信部171とを備える。制御部170は、第2の無線通信装置200から受信した誤り検出結果に基づいて、第2の無線通信装置200に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する。送信部171は、決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、複数の送信データを第2の無線通信装置200に送信する。
第2の無線通信装置200は、送信部270と受信部271とを備える。送信部270は誤り検出結果を第1の無線通信装置100に送信する。また、受信部271は、第1の無線通信装置100から送信された複数の送信データを受信する。
制御部170は、誤り検出結果に基づいて、複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を個々に決定し送信している。従って、例えば符号化率及び変調方式を変更するなどにより複数の送信データ全て同じ符号化率と変調方式により送信する場合と比較して、本無線通信システム10は第2の無線通信装置200から否定応答が送信される確率は少なくなる。よって、第1の無線通信装置100から再送される送信データの回数は、かかる場合と比較して少なくなり、本無線通信システム10のスループットは向上する。
また、制御部170は複数の送信データ夫々の符号化率等とともにデータ量も決定しているため、複数の送信データ全て同じ符号化率等により送信する場合と比較して、本無線通信システム10は第2の無線通信装置200から否定応答が送信される確率が少なくなる。よって、本無線通信システム10はスループットを向上させることができる。
なお、図1において、例えば、第1の無線通信装置100を無線通信装置、第2の無線通信装置200を他の無線通信装置とすることもできる。
[第2の実施の形態]
<全体構成例>
次に、第2の実施の形態について説明する。図2は本第2の実施の形態における無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、基地局100と端末200‐1〜200‐3を備える。
基地局100は、1又は複数のセルを有し、各セル範囲内において端末200‐1〜200‐3と無線通信により、音声通話や映像配信など種々のサービスを提供する。また、基地局100は複数の端末200‐1〜200‐3と並列に無線通信可能である。一方、端末200‐1〜200‐3は基地局100と接続して無線通信を行う。端末200‐1〜200‐3は、例えば、携帯電話や情報携帯端末などである。なお、端末200‐1〜200‐3は1台でも複数台でもよい。
基地局100と端末200‐1〜200‐3は、双方向に無線通信が可能である。すなわち、基地局100は端末200‐1〜200‐3にデータや信号を送信することができ(下りリンク通信)、端末200‐1〜200‐3は基地局100にデータや信号を送信することができる(上りリンク通信)。基地局100は、下りリンク通信と上りリンク通信についてスケジューリングを行い、無線リソースを割り当てて無線通信を行う。スケジューリングした結果を示すスケジューリング情報は、例えば制御信号として、基地局100から端末200‐1〜200‐3に適宜送信される。
<基地局100と端末200の構成例>
次に第2の実施の形態における基地局100と端末200‐1〜200‐3の各構成例について説明する。図3は基地局100、図4は端末200(以下、端末200‐1〜200‐3についてとくに断らない限り、端末200と称する)の各構成例を示す図である。
基地局100は、インターフェース部101と、送信データ処理部102と、変調符号化部103と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)104と、RF(Radio Frequency)部105と、FFT(Fast Fourier Transform)部106と、復調復号化部107と、受信データ処理部108と、制御部110とを備える。なお、基地局100は基地局制御装置120と接続され、基地局制御装置120とユーザデータ(以下、「データ」)や制御情報の送信又は受信を行う。
なお、第1の実施の形態における制御部170は、例えば、制御部110に対応し、第1の実施の形態における送信部171は、例えば、送信データ処理部102、変調符号化部103、IFFT部104、及びRF部105に対応する。
インターフェース部101は、基地局100と基地局制御装置120との間のインターフェースの役割を果たす。インターフェース部101は、例えば、基地局制御装置120から送信されたデータ(図3において実線)や制御情報(点線)を基地局100で処理可能なフォーマットのデータや制御情報に変換する。インターフェース部101は、変換後のデータを送信データ処理部102、変換後の制御情報を制御部110にそれぞれ出力する。また、インターフェース部101は、基地局100で処理されたデータや制御情報を基地局制御装置120に送信可能なフォーマットのデータや制御情報に変換する。インターフェース部101は、変換後のデータや制御情報を基地局制御装置120に送信する。
なお、基地局制御装置120から送信される制御情報としては、例えば、制御部110に対する初期設定値や、無線送信に関する種々のパラメータ値などがある。また、基地局制御装置120に送信される制御情報として、例えば、制御部110が設定したMCSに関する値やハンドオーバに関するパラメータ値などがある。
送信データ処理部102は、インターフェース部101から出力されたデータに対して、制御部110による制御により、1無線フレーム分のデータを出力する等の処理を行う。そのため、送信データ処理部102は、例えば1無線フレーム分のデータを保持するバッファを備える。送信データ処理部102は、例えば、1無線フレーム分のデータを制御部110に出力する。
変調符号化部103は、制御部110から出力された制御情報に基づいて、送信データ処理部102から出力された送信データに対して、符号化処理を行い、その後変調処理を行う。符号化処理は、例えば、ターボ符号化やBCH符号化などの誤り訂正符号化処理である。なお、符号化率とは、例えば、誤り訂正符号化率とも呼ばれ、情報ビット数に対する誤り訂正符号化処理後のビット数の比である。変調処理は、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)など、原信号に応じて搬送波(キャリア)の周波数や位相、及び振幅を変化させる処理である。変調符号化部103は、例えば、変調後の送信データに対して誤り検出符号(又は冗長符号、或いは誤り検出データ)を付加する。誤り検出符号として、例えば、パリティビットやCRC符号などがある。なお、制御部110から出力される制御情報には、MCSに関する情報が含まれる。
IFFT部104は、変調符号化部103から出力されるデータ等に対して、IFFT変換を行うことにより、周波数軸のデータ等を時間軸のデータ等に変換する。IFFT部104は、変換後のデータ等をRF部105に出力する。
RF部105は、IFFT部104から出力されたデータ等に対して、周波数変換などにより無線信号に変換する。RF部105は、無線信号への変換を行うため、例えば、周波数変換器や帯域通過フィルタなどを備える。RF部105で無線信号に変換されたデータはアンテナ(図示せず)を介して端末200に無線送信される。また、RF部105は、アンテナを介して、端末200から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号に対して周波数変換等を行い、FFT部106に出力する。
FFT部106は、RF部105から出力されたデータや信号に対して、時間軸のデータ等を周波数軸のデータ等に変換する。
復調復号化部107は、制御部110からの制御情報に基づいて、復調処理を行い、その後復号化処理を行う。復調処理は、例えば、搬送波(キャリア)から受信データや受信信号を抽出する処理のことである。また、復号化処理は、例えば、誤り訂正復号化処理であって、ターボ復号の場合、情報ビットが「0」と「1」の確率比を示す尤度比(LLR:Log-likelihood ratio)の計算等を繰り返し行うことで復号する。なお、制御部110から出力される制御情報には、復号化処理と復調処理の方式を示す情報が含まれる。
受信データ処理部108は、例えば、1無線フレーム毎に復調復号化部107から出力されるデータや信号に対して、1無線フレームの構成を解く等の各種データ処理を行う。受信データ処理部108は、受信データをインターフェース部101に出力し、誤り検出結果(ACK信号又はNACK信号)を制御部110に出力する。
制御部110は、送信データ処理部102や受信データ処理部108、更に、変調符号化部103、復調復号化部107、IFFT部104、及びFFT部106に対する制御を行う。そのため、制御部110は、例えば、MCSを含む制御情報を変調符号化部103や復調復号化部107に出力し、周波数設定や出力パワー値などを含む制御情報をIFFT部104、RF部105、FFT部106に出力する。
また、制御部110は、例えば、送信データ処理部102から出力された送信データに基づいて、下り通信リンクや上り通信リンクについて無線リソースの割り当て(又はスケジューリング)を行う。制御部110は、割り当て結果(又はスケジューリング結果)を、例えば制御情報として、変調符号化部103や復調復号化部107に出力することができる。
図5(A)は1無線フレームにおける無線リソースの割り当て例を示す図である。図5(A)において横軸は時間軸、縦軸は周波数軸を示す。図5(A)に示すように、1無線フレームは、例えば、下り通信リンク(DL)用の無線リソースと、上りリンク通信(UL)用の無線リソースに分けられる。図5(A)の例では、制御部110は、下り通信リンクにおいて、2つのバーストデータをあるユーザ(又は端末200)に割り当てている例を示している。バーストデータは、例えば、誤り検出符号が付加される1つの単位である。図5(A)に示す例では、誤り検出符号の例としてCRCが付加されている。なお、1ユーザあたり、1無線フレームにつき、例えば2〜4バーストデータが割り当てられる。
図5(B)は、無線フレーム内における1バーストデータの例を示す図である。1つのバーストデータは複数のスロットを含む。1スロットは、例えば、時間軸方向で1単位時間、周波数軸方向で「48サブキャリア」の矩形により示された無線リソースの1つの単位である。
図3に戻り、制御部110は、例えば、誤り検出結果に基づいて、MCSを決定し、MCSに割り当てるべきバーストデータのサイズ(又はバーストデータのデータ量、以下「バーストサイズ」)を変更して各MCSに含まれるバーストサイズを決定する。制御部110は、例えば、バーストサイズをスロット単位で変更する。詳細は後述する。なお、制御部110は、決定したMCSとバーストサイズとを変調符号化部103に出力する。或いは、制御部110は、決定したバーストサイズを送信データ処理部102、決定したMCSを変調符号化部103に出力することもできる。
次に端末200の構成例を説明する。端末200は、RF部201と、FFT部202と、復調復号化部203と、受信データ処理部204と、インターフェース部205と、送信データ処理部206と、変調符号化部207と、IFFT部208、及び制御部210とを備える。なお、端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」)220と有線で接続される。
なお、第1の実施の形態における送信部270は、例えば、復調復号化部203、受信データ処理部204、制御部210、送信データ処理部206、変調符号化部207、IFFT部208、及びRF部201に対応する。また、第1の実施の形態における受信部271は、例えば、RF部201、FFT部202、復調復号化部203、受信データ処理部204、及び制御部210に対応する。
RF部201は、アンテナ(図示せず)を介して基地局100から送信された無線信号を受信し、周波数変換等を行いFFT部202に出力する。また、RF部201は、IFFT部208から出力されたデータや信号に対して周波数変換等を行うことで無線信号に変換し、アンテナを介して基地局100に送信する。RF部201は、周波数変換等を行うため、周波数変換器や帯域通過フィルタなどを備える。
FFT部202は、RF部201から出力されたデータや信号に対して、FFT変換を行うことで、時間軸のデータ等を周波数軸のデータ等に変換する。
復調復号化部203は、FFT部202から出力されたデータや信号に対して復調処理を行い、その後復号化処理を行う。復調復号化部203における復号化処理と復調処理の方式は、基地局100から送信された制御信号に含まれ、当該制御信号は復調復号化部203から制御部210に出力され、制御部210において制御情報として復調復号化部203に出力される。復調復号化部203は、制御情報に基づいて復調処理と復号化処理を行うことになる。
また、復調復号化部203は、基地局100から送信される参照信号やデータなどに付加された誤り検出符号に基づいて、誤り検出の演算を行い、誤りの有無を示す誤り検出結果を出力する。誤り検出符号がパリティビットの場合、例えば、データビットの「1」や「0」の偶数や奇数の数とパリティビットに示される値とが一致するか否かにより行われる。また、誤り検出符号がCRC符号の場合、特性多項式を用いた計算により行われる。いずれの計算方法においても、例えば、再送されたデータを比較する場合、再送前に受信した誤り有りのデータと再送データとを合成したものが用いられる。復調復号化部203は、例えば、データを保持するためのバッファを備える。
受信データ処理部204は、例えば、復調復号化部203から1無線フレーム単位で出力されたデータに対して、一定の連続したデータとなるように出力する等、各種処理を行う。そのため、受信データ処理部204は、例えばバッファを備える。また、受信データ処理部204は、復調復号化部203から出力された誤り検出結果を制御部210に出力し、受信データをインターフェース部205に出力する。
インターフェース部205は、端末200とPC220とのインターフェースの役割を果たす。インターフェース部205は、例えば、受信データ処理部204や制御部210から出力された受信データや制御情報をPC220に出力できるフォーマットに変換してPC220に送信する。また、インターフェース部205は、例えば、PC220から出力されたデータや制御情報を端末200内部で処理できるフォーマットに変換し、制御部210や送信データ処理部206に出力する。PC220から制御部210に出力される制御情報としては、例えば、制御部210に対する初期設定値などの各種設定値、また、制御部210からPC220に出力される制御情報として、制御部210が設定した各種設定値やMCSなどがある。
送信データ処理部206は、インターフェース部205から出力されたデータに対して、1無線フレーム分のデータとして出力する処理など、各種データに対する処理を行う。そのため、送信データ処理部206は、例えばバッファを備える。
変調符号化部207は、送信データ処理部206から出力されたデータに対して、符号化処理を行い、その後変調処理を行う。変調処理や符号化処理は、制御部210から出力される制御情報に含まれるMCSに基づいて行われるが、かかるMCSは制御信号として基地局100で作成及び送信されたものである。
IFFT部208は、変調及び符号化処理後のデータや信号に対して、IFFT変換を行うことにより、周波数軸のデータ等から時間軸のデータ等に変換する。IFFT部208は、変換後のデータ等をRF部201に出力する。
制御部210は、RF部201、FFT部202、IFFT部208に対して、周波数や出力パワーなどを含む制御情報を出力することで、周波数変換等の各種処理を行わせる。また、制御部210は、復調復号化部203や変調符号化部207に対して、MCSを含む制御情報を出力することで、復調処理等の各種処理を行わせる。更に、制御部210は、復調復号化部203で算出された誤り検出結果について受信データ処理部204を介して入力すると、当該誤り検出結果を基地局100に送信するよう送信データ処理部206に指示する。例えば、制御部210は、誤り無しを示す誤り検出結果を得たとき、肯定応答としてACK信号を送信するよう送信データ処理部206に指示し、誤り有りの検出結果を得たとき、否定応答としてNACK信号を送信するよう送信データ処理部206に指示する。これにより、誤り検出結果(例えばACK信号又はNACK信号)が送信データ処理部206で生成されて、変調符号化部207において変調処理等が施され、IFFT部208にて時間軸の信号に変換され、RF部201を介して基地局100に送信される。
<動作例>
次に本第2の実施の形態における動作例について説明する。図6及び図7は基地局100における動作例を示すフローチャートである。図6及び図7に示すフローチャートは、例えば、MCSバーストサイズ決定処理の動作例を示し、2つのMCSに割り当てるバーストサイズをスロット単位で変化させることで、MCSの割り当てを変更する例を示すものである。なお、1スロットのデータ量は固定で(例えば、1単位時間×48サブキャリア)、1無線フレーム内において1ユーザ(又は1端末)に割り当てられた2つのバーストデータが選択されるものとし、選択された2つのバーストサイズの合計はN(Nは2以上の整数で、本実施例ではスロット数)として説明する。
まず、基地局100は処理を開始すると(S10)、1無線フレーム内に含まれる2つのバーストデータを選択し(例えば図5(A))、各々に対してMCSを初期選択する。そして、基地局100は、2つのMCSに割り当てるべきバーストサイズを夫々N/2とする(S11)。
例えば、制御部110は、送信データ処理部102から出力された1無線フレーム分のデータに対して無線リソースの割り当て(又はスケジューリング)を行い、1ユーザ(又は1端末)に割り当てた2つのバーストデータを選択する。そして、制御部110は、例えば、参照信号に対するSNR(Signal to Noise Ratio)に基づいて2つのMCSを初期選択する。初期選択される2つのMCSは、例えば、転送ビット量の差が最も小さい2つのMCSであり、図17に示す例では、「QPSK 3/4」と「16QAM 1/2」などである。
なお、2つのMCSのうち、転送ビット量が多い方のMCSを上位側MCS、少ない方のMCSを下位側MCSとし、上位側MCSのバーストサイズをMCS[H]、下位側MCSのバーストサイズをMCS[L]とする。S11の処理において制御部110は、例えば、MCS[H]=N/2,MCS[L]=N/2(各MCSに割り当てるバーストサイズを同じサイズ(同じスロット数))としている。
ここで、参照信号は基地局100から送信され、例えば、端末200の復調復号化部203または制御部210において、参照信号に対するSNRを測定し、測定したSNRが基地局100に送信されるものとする。例えば、SNR以外でも受信電力値でもよい。初期選択されるMCSは、例えば、参照信号に対するSNRに基づいている。
図8(A)及び図8(B)は、このように選択された各MCSに割り当てられたバーストサイズの例を示す図である。図8(A)はMCS[L]、図8(B)はMCS[H]の例をそれぞれ示す。初期選択により、1ユーザに割り当てられる2つのMCSのバーストサイズMCS[L],MCS[H]は、最初は同じサイズとなっている。
そして、基地局100は、このように選択した2つのMCSと、各MCSに割り当てたバーストサイズとに基づいて、符号化処理と変調処理とを行い、データを端末200に送信する。一方、端末200はデータを受信し、例えば、復調復号化部203においてデータに付加された誤り検出符号に基づいて誤り検出を行い誤りの有無を示す誤り検出結果を生成する。端末200は、例えば、2つのMCSに割り当てられた各バーストデータに対して誤り検出を行うため、2つの誤り検出結果を送信する。
基地局100は、端末200から送信される誤り検出結果の受信を待ち(S12)、当該結果を受信すると内部誤り判定処理を行う(S13)。例えば、誤り検出結果は、RF部105等を介して、FFT部106で周波数軸の信号に変換され、復調復号化部107において復調及び復号化処理が施され、受信データ処理部108を介して制御部110に出力される。制御部110は、誤り検出結果を入力すると、内部誤り判定処理を行う。
図10は内部誤り判定処理の例を示すフローチャートである。内部誤り判定処理は、例えば、誤り検出結果(S12)に基づいて、更なる誤りの有無を判定する処理である。
まず、基地局100は、内部誤り判定処理に移行すると、バーストデータの正解率P[H],P[L]を更新する(S131)。正解率P[H]は、例えば、上位側のMCSに対応するバーストデータの正解率であり、
P[H]=1.0−上位側MCSによるバーストデータの誤り率 ・・・(2)
により得ることができる。「上位側MCSによるバーストデータの誤り率」は、例えば、上位側MCSにより送信されたバーストデータに対して、所定期間におけるNACK信号の受信回数を当該所定期間における応答結果(ACK信号及びNACK信号)の全受信回数で除算した値とすることができる。例えば、制御部110は当該NACK信号の受信回数を所定期間カウントし、カウント値を応答結果の全受信回数で除算することで誤り率を得、式(2)に代入することで、正解率P[H]を得ることができる。或いは、制御部110は、ACK信号を所定期間カウントして、カウント値を応答結果の全受信回数で除算することで正解率P[H]を得ることもできる。
なお、「上位側MCSによるバーストデータの誤り率」は、例えば、所定数分(NACK+ACK)のNACK信号をカウントして平均が演算されるため、上位側MCSによる平均的なNACK信号の受信確率(又は平均誤り率)と考えることもできる。正解率P[H]も、例えば、上位側MCSに対する平均的なACK信号の受信確率(又は正解率)と考えることもできる。
一方、正解率P[L]は、例えば、下位側MCSによるバーストデータの誤り率であり、
P[L]=1.0−下位側MCSによるバーストデータの誤り率 ・・・(3)
により得ることができる。正解率P[H]と同様に、例えば、制御部110は下位側MCSによるバーストデータに対するNACK信号の受信回数を所定期間カウントし、当該カウント値を当該処理期間内の応答結果の全受信回数で除算して誤り率を演算する。そして、制御部110は、これを式(3)に代入することで、正解率P[L]を得ることができる。或いは、例えば、制御部110はACK信号の受信回数をカウントすることで正解率P[L]を得ることもできる。例えば、制御部110は、演算した正解率P[H],P[L]をメモリ(図示せず)に記憶し、すでにメモリに正解率P[H],P[L]が記憶されていればこれを更新する。
この場合も、「下位側MCSによるバーストデータの誤り率」は、所定数個分のNACK信号を考慮しているため、下位側MCSに対する平均的なNACK信号の受信確率(又は平均誤り率)と考えることもできる。また、正解率P[L]も、下位側MCSに対する平均的なACK信号の受信確率(又は平均正解率)と考えることもできる。
次いで、基地局100は、2つのバーストデータの両方について誤り有りの検出結果(例えばNACK信号)を受信したか否かを判別する(S132)。例えば、制御部110は、初期選択したMCS(S11)で送信した2つのバーストデータに対する誤り検出結果が全てNACK信号か否かにより判別する。S131では、例えば、所定期間の誤り検出結果を取得して処理が行われるため、本処理においても当該所定期間において取得した誤り検出結果に基づいて処理が行われる。
そして、基地局100は、2つのバーストデータに対する誤り検出結果が2つとも誤り有りのとき(S132で「有り」)、誤り=「有り」とする誤り判定結果を得る(S133)。例えば、制御部110は、基地局100が受信した(受信データ処理部108から出力された)、2つのバーストデータに対する検出結果が所定期間ともにNACK信号のとき、誤り=「有り」とする判定結果を得る。
このとき、制御部110は、例えば、変更量aとして「a’」を用いる。変更量「a’」は、例えば「5スロット」などと予め決めておき、メモリ(図示せず)に保持しておき、制御部110が本誤り判定結果を得たときにメモリから読み出して変更量aを「5」などとする。この変更量aは、例えば、バーストサイズを変更するときの変更量となる。変更量aについては後述する。
一方、基地局100は、2つのバーストデータに対する誤り検出結果が双方とも誤り有りではないとき(S132で「無し」)、更に、判定アルゴリズムにより誤り判定を行う(S134)。例えば、制御部110は、2つの誤り検出結果のうち少なくとも一方がACK信号のとき、又は2つともACK信号のとき、判定アルゴリズムを行うことになる。
判定アルゴリズムは、例えば、上位側のMCSに対する転送ビット量をC[H]、下位側のMCSに対する転送ビット量をC[L]とすると、
(C[L]×P[L]<C[H]×P[H])、かつ
(C[L−1]×1.0<C[L]×P[L]) ・・・(4)
を満たすか否かにより誤り判定を行う。この式(2)を満たすとき(S134で「YES」)、誤り判定結果は、誤り=「無し」とし(S136)、式(2)を満たさないとき(S134で「NO」)、誤り判定結果は、誤り=「有り」とする(S135)。
式(4)について説明すると、転送ビット量(C)と正解率(P)とが乗算されることで、実際に転送されたビット量(以下、「平均転送ビット量」と称する)が演算される。C[L]×P[L]により下位側のMCSで送信されたバーストデータに対する平均転送ビット量が演算され、C[H]×P[H]により上位側のMCSで送信されたバーストデータに対する平均転送ビット量が演算される。式(4)の前者により、例えば、上位側MCSの方が下位側MCSよりも多くのデータを実際に送信できたことを示しており、MCS選択については上位側MCSの方が下位側MCSよりも有効又は妥当であることを示す。
また、式(4)の後者においてC[L−1]が用いられており、これは下位側MCSよりも更に下位側のMCSの転送ビット量(例えば図17)が用いられていることを示している。例えば、下位側MCSが「QPSK 3/4」のとき、C[L−1]=1.0(MCSが「QPSK 1/2」の転送ビット量)となる。なお、更に下位側のMCSがない場合、例えば、C[L−1]=0とする。
式(4)の後者においては、例えば、更に下位側MCSの正解率は100%とし、更に下位側MCSの平均転送ビット量(C[L−1]×1.0)よりも、下位側MCSの平均転送ビット量(C[L]×P[L])の方が多くなることを示している。すなわち、式(4)の後者により、例えば、MCS選択については下位側MCSの方が更に下位側MCSよりも有効であり、下位側MCSの選択が妥当であることを示している。
よって、例えば、基地局100が現在下位側のMCSを選択してデータを送信しているときに式(4)を満たすとき(S134でYES)、現在のMCSを継続してもよい、あるいは上位側MCSに変更してもよいという判断を行うこともできる。基地局100は、内部誤り判定処理(S13)において式(4)を満たすとき(S134でYES)、誤り判定結果として誤り=「無し」としている(S136)。
尚、この場合、基地局100は変更量を「b」とする。この場合の変更量「b」についても予め決めておき、例えば、制御部110が本処理を行うときにメモリ(図示せず)から読み出すなどにより変更量を決定できる。変更量「b」については後述する。
一方、式(4)を満たさないとき(S134でNO)、下位側のMCSの方が上位側MCSよりMCS選択については有効であることを示しており、基地局100は下位側のMCSの方に変更してもよいという判断を行うこともできる。基地局100は内部誤り判定処理(S13)において、式(4)を満たさないとき(S134でNO)、誤り判定結果として誤り=「有り」としている(S135)。
尚、この場合、基地局100は、変更量を「a」とする。この変更量「a」についても、例えば、「1スロット」などと予め決めておき、制御部110が本処理の際にメモリ(図示せず)から読み出すことにより変更量を決定できる。
内部誤り判定処理の結果、誤り=「有り」のとき図6のS14に移行し、誤り=「無し」のときS17に移行する。例えば、制御部110は、メモリ(図示せず)などに式(4)を保持しておき、S134の処理の際に式(4)を読み出して、平均ビット量を演算して式(4)に代入するなどにより、式(4)の演算、及び内部誤り判定処理を行うことができる。
図6に戻り、内部誤り判定処理の結果、誤り=「有り」の場合、基地局100はMCS[H]≦aか否かを判別する(S14)。内部誤り判定処理により誤り=「有り」と判定したとき、前述したように、下位側MCSの方が有効であるため、基地局100はMCSを下位側の方に変更する。変更は、後述するように、基地局100が下位側MCSに割り当てているバーストサイズに対して、変更量a(=スロット)分上乗せし、上位側MCSに割り当てるバーストサイズを変更量a分少なくすることで行う(後述するS15)。
ただし、各MCSのバーストサイズを変更するにしても、上位側MCSに割り当てられているバーストサイズよりも減少分のバーストサイズ(変更量「a」)の方が大きいと、MCS[H]から変更量「a」分減少させることができなくなる。そこで、S14により、減少分のバーストサイズがあるか否かを判別するようにしている。S14の処理は、例えば、制御部110がS11で生成したMCS[H](又は後述するS20で生成したMCS[H])と、S133又はS135で生成した変更量「a」とを比較することで判別する。
基地局100は、MCS[H]≦aを満たさないとき(S14でNO)、上位側及び下位側MCSに割り当てるべきバーストサイズを変更する(S15)。この場合(S14でNO)は、例えば減少分のバーストサイズがある場合を示している。変更は、前述したように、MCSのバーストサイズについて下位側の方に変更するように行う。すなわち、変更前のMCS[H]=m、MCS[L]=n(ただし、m+n=N)とすると、基地局100は、
MCS[L]=m+a ・・・(5)
MCS[H]=n−a ・・・(6)
と変更する。
図8(C)及び図8(D)は変更後における各MCSのバーストサイズの例を示す図である。このように内部誤り判定処理において誤り=「有り」の判定結果を得たときであって、MCSのバーストサイズについて下位側に変更するだけの変更量があれば、基地局100は変更量分だけ下位側のMCSに多くのバーストデータを割り当てるようにする。基地局100は、変更後の下位側MCSに割り当てるバーストサイズを変更前より大きくすることで、MCSの選択が下位側に移行するようにして、端末200からACK信号が送信される確率を変更前と比較して高くさせることができる。
しかも、変更量aを「1スロット」などとすることで、下位側と上位側MCSのバーストサイズの変更量が「100スロット」などとする場合と比較して変更量が小さくなり、急激なMCSの比率の変更を避ける。従って、変更量aは「1」や「2」など、「100」などと比較して小さい値がよい。
この変更量「a」については、内部誤り判定処理において2つのバーストデータの双方に誤り有りとするときの変更量はa(=a’)とした(S132で「有り」,S133)。また、2つのバーストデータ双方に誤りはないものの判定アルゴリズムを満たさないときの変更量はaであるとした(S132で「無し」,S134でNO)。この2つの変更量a,a’について、例えば、a’>aの関係を満たすようにしてもよい。このようにすることで、変更後における各MCSのバーストサイズの変更量はa’の方がaよりも多くなる。
すなわち、内部誤り判定処理(S13)で、2つのバーストデータの双方に誤りがあるとき(S132で「有り」)、双方に対するMCSの選択は妥当とは言えない。そこで、変更量a’を変更量aよりも多くすることで、基地局100は下位側のMCSに割り当てるバーストサイズを変更量aの場合よりも大きくし、双方とも誤り有り(S132で「有り」)とならないようにする確率を変更量aの場合よりも高くすることができる。
一方、基地局100は、MCS[H]≦aを満たすとき(S14でYES)、各MCSに割り当てるバーストサイズを、MCS[H]=m,MCS[L]=nから、以下のように変更する(S16)。
MCS[L−1]=a ・・・(7)
MCS[L]=N−a ・・・(8)
MCS[M]=0 ・・・(9)
図8(E)〜図8(G)は、変更後の各MCSにおけるバーストサイズの例を示す図である。この場合、上位側MCSのバーストサイズMCS[H](=m)については変更量a以下(MCS[H]=m≦a)のため、例えば、減少させるだけのバーストサイズがない。このような場合、基地局100はMCS[H]を「0」にし(例えば図8(G))、下位側MCSのバーストサイズMCS[L]を、2つのバーストサイズの合計Nから変更量aだけ少なくしている(例えば図8(F))。更に、基地局100は変更量a分を更に下位側MCSのバーストサイズMCS[L−1]に割り当てている(例えば図8(E))。かかる場合、MCS[L−1]にバーストデータを割り当てているため、変更後の下位側のMCSに割り当てるバーストサイズ(MCS[L]とMCS[L−1])は変更前よりも多くなる。
内部誤り判定で誤り=「有り」の場合では下位側のMCSを選択した方が有効であり、S16による変更により変更後における下位側のMCSのバーストサイズは変更前より多くなるため、端末200からACK信号が送信される確率が変更前よりも高くすることができる。
また、下位側MCSのバーストサイズMCS[L]の変更量は「a−n」、更に下位のバーストサイズMCS[L−1]の変更量は「a」である。変更量「a」を「1スロット」や「2スロット」など、「100スロット」などとする場合と比較して小さくとることで、変更量「a−n」,「a」もかかる場合と比較して小さくなる。よって、変更後のバーストサイズMCS[L],MCS[L−1]のバーストエラーPERが発生する確率も変更量を「100スロット」などとする場合と比較して小さくすることができる。MCS[H]から減少させる分の「m」も変更量「a」より小さいため、変更後のMCS[H]のバーストエラーが発生する確率もMCS[L−1]の場合よりも低くなる。よって、かかるようにMCSを下位側に変更しても、端末200からACK信号を受信する確率は変更量「a」を「100スロット」とする場合よりも高くすることができる。従って、スループットを向上させることができる。
なお、S15及びS16の処理は、例えば制御部110が行う。制御部110は、例えば、MCS[L−1]〜MCS[H]をメモリ(図示せず)に保持し、S133やS135で得た変更量「a」分だけ変更する(式(6)〜式(9))ことで処理することできる。
基地局100は、S15及びS16の処理を終了すると、変更後における2つのMCSのバーストサイズのうち、低い方をMCS[L]=m、高い方をMCS[H]=nに更新する(図7のS20)。例えば、式(5)及び式(6)については、制御部110がメモリ(図示せず)に記憶されたMCS[L−1]〜MCS[H]について、MCS[L]=n+aがnとなるように、また、MCS[H]=m−aがmとなるように更新する。また、式(7)〜式(9)については、制御部110がMCS[L]=a(式(7)ではMCS[L−1])=n、MCS[H]=N−a(式(8)ではMCS[L])=mとなるように更新する。
そして、一連の処理を終了する(S21)。ただし、再びS12に移行して、複数回バーストサイズを変更する処理を繰り返すこともできる。
一方、基地局100は、内部誤り判定処理(S13)において、誤り=「無し」の判定結果を得たとき(S13で誤り=無しのとき)、MCS[L]≦bを満たすか否かを判別する(S17)。内部誤り判定処理において誤り=「無し」の判定結果は、前述したように、上位側のMCSへ変更(又は現状維持)できることを示す。この場合、変更後の下位側MCSのバーストサイズMCS[L]を変更前より変更量「b」分少なくするようにし、変更量「b」分を上位側MCSのバーストサイズMCS[H]に上乗せする。
ただし、MCSのバーストサイズを変更するにしても、下位側MCSに割り当てられているバーストサイズMCS[L]よりも、変更量「b」の方が大きいと、MCS[L]から変更量「b」分、減少させることができなくなる。そこで、S17により減少分のバーストサイズがあるか否かを判別するようにしている。本処理は、例えば、制御部110がS11で生成したMCS[H](又はS20で生成したMCS[H])と、S136で生成した変更量「b」とを比較することで判別する。
基地局100は、MCS[L]≦bを満たさないとき(S17でNO)、下位側MCSのバーストサイズMCS[L]には「b」分減少できるだけのサイズがあるため、前述したようにMCS[L]から変更量「b」減少させ、MCS[H]に変更量「b」を上乗せする(S18)。すなわち、基地局100は、変更前のバーストサイズMCS[L]=n,MCS[H]=mを、
MCS[L]=n−b ・・・(10)
MCS[H]=m+b ・・・(11)
に夫々変更する。
図9(A)〜図9(B)は変更後の各MCSにおけるバーストサイズの例を夫々示す図である。この場合、内部誤り判定処理(S13)において誤り=「無し」として判定されたもので、判定アルゴリズム(S134)において式(4)を満たす場合である。すなわち、上位側MCSを選択した方が、下位側のMCSを選択するよりも正解率が高くなる場合でもある。よって、変更後のMCS[H]を変更前より多くすることで、端末200から上位側のMCSでのバーストサイズは変更前より大きくなり、スループットが向上する。
また、上位側のMCSに割り当てるバーストサイズMCS[L],MCS[H]の変更量「b」は「1スロット」などとすることで、「100スロット」などとした場合と比較して変更量を小さくすることができる。かかる場合、変更量が小さいために、バーストエラーPERが発生する確率が変更量「100」の場合よりも小さくなる。よって、MCSを上位側に変更しても、端末200からACK信号を受信する確率は、変更量「100スロット」の場合よりも高くすることができ、スループットを向上させることができる。変更量「b」は、例えば、「1スロット」や「2スロット」などできるだけ小さい値の方が良い。
一方、基地局100は、MCS[L]≦bを満たすとき(S17でYES)、下位側MCSのバーストサイズMCS[L]から変更量「b」分少なくさせることができない。この場合、基地局100は、各MCSのバーストサイズMCS[L]=n,MCS[H]=mを、
MCS[L]=0 ・・・(12)
MCS[H]=N−b ・・・(13)
MCS[H+1]=b ・・・(14)
に夫々変更する(S19)。
図9(C)〜図9(E)は変更後における各MCSのバーストサイズの例を夫々示す図である。この場合でも、S19の場合と同様に、変更後のMCS[H]とMCS[H+1]を、変更前より多くすることで、端末200から上位側のMCSでのバーストサイズが変更前と比較して大きくなり、スループットが向上する。
また、上位側MCSのバーストサイズMCS[H]の変更量は「N−b」、更に上位のバーストサイズMCS[H+1]の変更量も「b」である。変更量「b」を「1スロット」や「2スロット」など「100スロット」などの場合と比較して小さくとることで、変更量「N−b」,「b」もかかる場合と比較して小さくなる。よって、変更後のMCS[H]のバーストエラーPERが発生する確率も変更量を「100スロット」などとする場合と比較して小さくすることができ、MCSを上位側に変更しても、端末200からACK信号を受信する確率はかかる場合とほぼ同等とすることができる。従って、スループットを向上させることができる。
S18とS19の処理は、例えば、制御部110により行う。例えば、制御部110は、MCS[L]〜MCS[H+1]や式(10)〜式(14)をメモリ(図示せず)に保持し、S126で得た変更量「b」に基づいて式(10)〜式(14)を演算することで、MCS[L]〜MCS[H+1]を演算する。
基地局100は、S18及びS19の処理を行った後、変更後における2つのMCSのバーストサイズのうち低い方をMCS[L]=m、高い方をMCS[H]=nに更新する(図7のS20)。例えば、制御部110は、メモリ(図示せず)に記憶されたMCS[L]〜MCS[H+1]について、MCS[L]=n−bがn、また、MCS[H]=m+bがmとなるように更新し、或いは、MCS[L]=N−bがn、また、MCS[H]=bがmとなるように更新する。
そして、基地局100は一連の処理を終了(S21)、或いは、S12へ移行して上述の処理を繰り返す。
<他の動作例1>
次に他の動作例について説明する。上述した動作例は、2つのMCSに割り当てるバーストサイズの合計Nは一定として説明した。例えば、無線フレーム内の2つのバーストデータを選択したとき、合計サイズはNでも、他の2つのバーストサイズを選択するとN以外の場合もある。このようにバーストサイズの合計Nが可変となる場合の例について以下説明する。
図11はかかる場合の動作例を示すフローチャートである。例えば、合計サイズNを最大割り当てサイズとし、この最大割り当てサイズNを用いて計算後、2つのバーストデータの合計サイズが変更されて合計サイズがX(≧2)となった場合の例で説明する。2つのバーストデータの合計サイズがXとなった場合における2つのバーストデータのサイズ(本実施例でも例えばスロット数)MCS[L],MCS[H]をそれぞれn’,m’とする。
最大割り当てサイズNを用いて2つのバーストデータのサイズMCS[L],MCS[H]は計算されているため(S20)、これらを変更することで、変更後の割り当てサイズXに対応したバーストサイズMCS[L],MCS[H]を得ることができる。
すなわち、基地局100は、最大割り当てサイズNに対応する2つのバーストサイズMCS[L],MCS[H]を夫々、n,mとした後(S20)、
MCS[L]=n’=Floor(n×X/N) ・・・(15)
MCS[H]=m’=X−n’ ・・・(16)
を演算する(S23)。
式(15)により、例えば、最大割り当てサイズNに対する下位側MCSのバーストサイズnに対して、割り当てサイズXに対する比率(X/N)を乗算することで、最大割り当てサイズNに対応する下位側MCSのバーストサイズn’が演算される。式(15)においては端数を考慮して、n’=0のときn’=1、n’=Xのときn’=X−1とする。以降において、処理を繰り返す場合、nをn’、mをm’としてS12〜S20の処理を行うことで、割り当てサイズXに対応する2つのバーストサイズを変更及び決定することができる。
逆に、割り当てサイズXが最大割り当てサイズNに変更された場合は、基地局100は、S23において式(15)及び式(16)の逆演算を行うことでn、m(=N−n)を計算することもでき、以後はこのn、mを用いて処理(S12〜S20)を行えばよい。逆演算以外にも、例えば、一度計算したn,mをメモリ(図示せず)などに保持しておき、これを再度用いるようにしてもよい。
このように2つのバーストサイズの合計Nが可変の場合でも、上述した例と同様に処理を行うことができるため、上位側MCS又は下位側MCSへの変更により、スループットを向上させることができる。また、MCSのバーストサイズを変更しても、変更量a,bを「1スロット」などとすることで、変更量を「100スロット」などとした場合と比較してPERを低くできる。よって、端末200からACK信号が送信される確率が変更量「100スロット」などの場合と比較して高くなり、無線通信システム10はスループットを向上させることができる。
<他の動作例2>
次に、他の動作例2について説明する。上述した動作例及び他の動作例1において、更に上位のMCSが選択され(S19のMCS[H+1]への割り当て)、又は、更に下位のMCSが選択される(S16のMCS[L−1]への割り当て)場合がある。このとき、転送ビット量が同じ2つのMCSが存在する場合がある。例えば、「16QAM 3/4」又は「64QAM 1/2」などである。このような場合、上述した動作例及び他の動作例1では、いずれか一方を選択(例えば、「16QAM 3/4」)するようにした。
一般的に無線区間がノイズだけの環境の場合、例えば、「16QAM 3/4」のMCSの方が、「64QAM 1/2」のMCSより良好な特性が得られる。一方、移動などによるフェージングを考慮すると、例えば、「64QAM 1/2」の方が「16QAM 3/4」よりも、ノイズが少ない環境であれば良好な特性が得られる。どちらのMCSが最適かは環境に依存する。本動作例では、このように転送ビット量が同じ複数のMCSが存在する場合、環境に応じて一つのMCSを選択する処理についての動作例である。
図12はMCS選択処理の動作例を示すフローチャートである。例えば、MCSバーストサイズ決定処理(図6及び図7)において、更に下位のMCSや更に上位のMCSにバーストデータを割り当てるとき(S16又はS19)に、転送ビット量が同じ2つのMCSが選択される場合に開始される。例えば、本MCS選択処理が開始された後は、MCSバーストサイズ決定処理と並列に処理が行われても良い。
基地局100は、処理を開始すると(S30)、カウント数(Count)を「0」にする(S31)。このカウント数は期間をカウントするための値であって、例えば、制御部110がカウントする。
次いで、基地局100は、選択されたMCSによりバーストデータを送信する(S32)。この処理は、後述する処理においていずれかのMCSが選択されるため(S42又はS43、或いはS40)、これらの処理により選択されたMCSを用いてバーストデータが送信される。例えば、制御部110がMCSを選択し、制御情報として変調符号化部103に出力することでバーストデータが送信される。
次いで、基地局100は、送信したバーストデータに対する誤り検出結果の受信を待ち(S33)、誤り検出結果を受信すると、使用MCSの正解率を更新する(S34)。例えば、制御部110は、誤り検出結果を受信すると、誤り検出結果の全受信回数に対するNACK信号の受信回数を除算して誤り率Pを演算し、(1−P)を演算することで使用MCSの正解率を演算することができる。制御部110は、例えば、各MCSの正解率をメモリ(図示せず)に保持し、それまで正解率を保持していた場合はこれを更新する。例えば、誤り率Pは、使用MCSに対するNACK信号の平均的な受信確率でもあり、正解率は、使用MCSに対するACK信号の平均的な受信確率でもある。
次いで、基地局100は、カウント数がT2以上か否かを判別する(S35)。このT2は、後述する処理においてMCSを交互に選択するが(S42及びS43)、例えば、交互に選択するための試用期間を示す。例えば、制御部110は、メモリ(図示せず)に保持したカウント数とT2とを比較することで判別する。
基地局100は、カウント数がT2より小さいとき(S35でNO)、カウント数を「1」加算し(S36)、カウント数がT2以上のとき(S35でYES)、カウント数を「0」にリセットする(S36)。カウント数がT2より小さいときは、例えば、試用期間内であるとしてカウント数を1ずつ加算し、カウント数がT2を超えるとカウント数を「0」にリセットして、再度試用期間内となるようにしている。
S36及びS37の処理が終了すると、基地局100はカウント数がT1以上か否かを判別し(S38)、カウント数がT1以上のとき(S38でYES)、正解率の高いMCSを選択及び使用する(S40)。一方、基地局100は、カウント数がT1未満のとき(S38でNO)、S41の処理に移行する。ここでは、カウント数がT1以上になると(S38でYES)、交互にMCSを選択して使用すること(S42及びS43)を止めて、更新したMCSの正解率に基づいて、正解率のよいMCSを選択及び使用するようにしている(S40)。例えば、制御部110がメモリ(図示せず)に保持したカウント数とT1とを比較することで判別し、メモリに保持した各MCSの正解率に基づいて正解率のよいMCSを選択し、制御情報として変調符号化部103に出力する。
S41の処理において、基地局100はカウント数を「2」で除算し、その剰余が「0」か否かを判別する(S41)。そして、基地局100は、剰余が「0」のとき(S41でYES)、0側のMCS(2つのMCSのうち、一方のMCS)を選択及び使用し(S42)、剰余が「0」でないとき(S41でNO)、1側のMCS(2つのMCSのうち、他方のMCS)を選択及び使用する(S43)。ここでは、例えば、現在のカウント数により交互にMCSを選択及び使用する処理を行っている。例えば、制御部110は、カウント数を「2」で除算し、その剰余に基づいていずれか一方のMCSを選択し、選択したMCSを制御情報として変調符号化部103に出力することで本処理が行われる。
このMCS選択処理全体について説明すると、カウント数がT2未満のとき(S35)、基地局100はカウント数を順次「1」ずつ加算していき、カウント数がT1になるまで交互にMCSを選択及び使用する(S42,S43)。基地局100は、カウント数がT1になると(S38でYES)、正解率のよいMCSを選択及び使用する(S40)。そして、正解率のよいMCSをカウント数がT2になるまで基地局100は当該MCSを使用し続け(S35でNO)、T2になると再度試用期間としてカウント数をリセットする(S35でYES,S37)。その後、基地局100は、再び交互にMCSを選択及び使用する(S42,S43)。
このように実際にMCSを使用した場合の正解率を考慮してMCSが選択されるため、例えば、基地局100と端末200の無線区間における実際の環境を考慮したMCSの選択を行うことができる。
[他の実施の形態]
次に、他の実施の形態について説明する。上述した第1及び第2の実施の形態では、基地局100と端末200との無線通信システム10について説明した。例えば、無線LANなど、基地局100を介さずに端末200どうしが相互に無線通信を行う無線通信システム10においても実施できる。
図13(A)及び図13(B)はかかる場合の無線通信システム10の構成例を示す図である。この無線通信システム10では、端末200‐1,200‐2が互いに直接無線通信を行う。かかる無線通信システム10では、データを送信する側の端末200‐1,200‐2にMCS選択の決定権がある。
従って、端末200‐1がデータを送信する場合、端末200‐2から送信されたACK信号(又はNACK信号)に基づいて、端末200‐1が、MCSバーストサイズ決定処理(例えば、図6及び図7,又は図11)や内部誤り判定処理(例えば、図10)、MCS選択処理(例えば図12)を行う。
端末200‐1は、PC220‐1と送受信部230‐1とを備える。PC220‐1は、第2の実施の形態におけるPC220と同一であり、送受信部230‐1は端末200の各部201〜210(例えば図4)を備える。例えば、送受信部230‐1内の制御部210が、第2の実施の形態における基地局100の制御部110と同様に、MCSバーストサイズ決定処理や内部誤り判定処理、MCS選択処理を行う。
また、端末200‐2がデータを送信する場合、端末200‐1から送信されたACK信号(又はNACK信号)に基づいて、端末200‐2がMCSバーストサイズ決定処理などを行う。端末200‐2についても、PC220‐2と送受信部230‐2とを備え、送受信部230‐2は、端末200の各部201〜210を備える。例えば、制御部210が、第2の実施の形態における基地局100の制御部110と同様に、MCSバーストサイズ決定処理や内部誤り判定処理、又はMCS選択処理を行う。
尚、図13(A)及び図13(B)の端末200‐1,200‐2自体がPCであってもよい。この場合、内部にあるPC220‐1,220‐2はなくてもよい。
このように、本実施の形態における無線通信システム10においても、データを送信する側の端末200‐1,200‐2において、バーストサイズ決定処理などの各種処理を実施できる。従って、データを送信する側の端末200‐1,200‐2において誤り検出結果に基づいてMCSに割り当てるバーストサイズを変更するため、スループットを向上させることができる。また、各MCSのバーストサイズを変更する場合でも、「1スロット」などの単位で変更することで、バーストエラーの発生確率を抑えることになり、スループットも向上することができる。
また、上述した実施の形態においては、各MCSのバーストサイズに対する変更量の単位は、スロットとして説明した。例えば、スロット以外にも、ビットや、サブキャリア、シンボル、サブフレームなどでもよい。
更に、上述した実施の形態において、基地局100は1ユーザに割り当てたバーストデータのうち2つのバーストデータを選択し、また、2つのバーストデータに対応する2つのMCSを選択する例について説明した。例えば、基地局100は、3つ以上のバーストデータを選択し、また、これらのバーストデータに対応する3つ以上のMCSを選択して処理を行うようにしてもよい。例えば、3つのMCSについては、各バーストサイズをMCS[H],MCS[M],MCS[L]などとして、各サイズについて変更量分の増減を行うことで処理(S10〜S20)することができる。また、更に下位のMCSや上位のMCSについてのバーストサイズMCS[H+1],MCS[L−1]に対して適宜バーストデータの割り当てを行うようにすることもできる(S16,S19など)。
更に、上述した実施の形態において、基地局100と端末200については他の構成例でも実施できる。図14、図15は基地局100と端末200の他の構成例を夫々示す図である。
基地局100は、更に、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112、及びRAM(Random Access Memory)113を備える。例えば、CPU111は、ROM112に記憶されたプログラムを読み出して実行し、実行途中又は実行後の値やデータなどをRAM113に適宜記憶させたり、記憶した値などをRAM113から読み出したりすることができる。このように、CPU111とROM112、及びRAM113の協調動作により、例えば、第2の実施の形態における、送信データ処理部102、変調符号化部103、IFFT部104、FFT部106、復調復号化部107、及び受信データ処理部108の各機能を実現できる。この場合、CPU111は、例えば、制御部110に対応する。更に、例えば、CPU111は第1の実施の形態における制御部170に対応し、CPU111とROM112、及びRAM113の協調動作により、送信部171の機能を実現できる。
また、端末200は、更に、CPU211と、ROM212、及びRAM213を備える。この場合も、例えば、CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムを読み出して実行し、実行途中又は実行後の値やデータなどRAM213に適宜記憶させたり、記憶した値などをRAM213から読み出したりすることができる。このように、CPU211とROM212、及びRAM213の協調動作により、例えば、第2の実施の形態における、FFT部202、復調復号化部203、受信データ処理部204、送信データ処理部206、変調符号化部207、及びIFFT部208の各機能を実現できる。この場合、CPU211は、例えば、制御部210に対応する。更に、例えば、CPU211とROM212、RAM213の協調動作により、第1の実施の形態における送信部270と受信部271の各機能を実現できる。
以上まとめると付記のようになる。
(付記1)
他の無線通信装置と無線通信を行う無線通信装置において、
前記他の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、前記他の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する制御部と、
前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する送信部と
を備えることを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
前記制御部は、前記複数の送信データ夫々に対するデータ量を変化させることで前記複数の送信データ夫々に対するデータ量を決定することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記3)
前記複数の送信データ夫々に対するデータ量の合計は可変であることを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記4)
前記制御部は、誤り有りを示す前記誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均誤り率、又は誤り無しを示す前記誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均正解率に基づいて、前記符号化率及び変調方式を決定することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記5)
前記制御部は、1サブキャリアあたりの転送ビット量が同一である2つの符号化率及び変調方式夫々に対して、誤りを示す前記誤り誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均誤り率、又は誤り無しを示す前記誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均正解率に基づいて、いずれか一方の前記符号化率及び変調方式を選択することで、前記符号化率と変調方式を決定することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記6)
前記制御部は、1単位時間と複数サブキャリアとから構成される無線リソース単位で、前記データ量を変化させることを特徴とする付記2記載の無線通信装置。
(付記7)
前記無線リソース単位はスロット単位であることを特徴とする付記6記載の無線通信装置。
(付記8)
前記送信部は前記複数の送信データの夫々に1つの誤り検出符号を付加して送信することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記9)
前記制御部は、前記平均誤り率又は前記平均正解率に基づいて、前記複数の符号化率及び変調方式の夫々に対する前記送信データのデータ量を割り当てることで、前記複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定することを特徴とする付記4記載の無線通信装置。
(付記10)
前記制御部は、前記複数の符号化率及び変調方式のうち、第1及び第2の符号化率及び変調方式により送信された各送信データの全てが誤り有りの前記検出結果を得たとき、又は、少なくとも一方は誤り無しの前記検出結果を得たときであって、1サブキャリアあたりの転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式より多い前記第1の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均誤り率又は前記平均正解率を考慮した平均転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均転送ビット量より多くないとき、前記第1の符号化率及び変調方式に割り当てた前記データ量のうち変更量分だけ少なくし、前記第2の符号化率及び変調方式に割り当てた前記データ量に前記変更量分だけ増加させることを特徴とする付記9記載の無線通信装置。
(付記11)
前記第1及び第2の符号化率及び変調方式により送信された各送信データの全てが誤り有りの検出結果を得たときの変更量である第1の変更量は、前記第1の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均転送ビット量が前記第1の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均転送ビット量が多くないときの変更量である第2の変更量より多いことを特徴とする付記10記載の無線通信装置。
(付記12)
前記制御部は、前記変更量が前記第1の符号化率及び変調方式に対して割り当てた前記データ量以上のとき、前記転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式より低い第3の符号化率及び変調方式に対して前記変更量を前記データ量として割り当て、前記第2の符号化率及び変調方式に対して全データ量から前記変更量を減算した量の前記データ量を割り当てることを特徴とする付記10記載の無線通信装置。
(付記13)
前記制御部は、前記複数の符号化率及び変調方式のうち第1及び第2の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データのうち少なくとも一方は誤り無しの前記検出結果を得たときであって、1サブキャリアあたりの転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式より多い第1の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均誤り率又は前記平均正解率を考慮した平均転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均転送ビット量より多いとき、前記第2の符号化率及び変調方式に割り当てる前記データ量のうち変更量分だけ少なくし、前記第1の符号化率及び変調方式に割り当てる前記データ量に前記変更量分だけ増加させることを特徴とする付記9記載の無線通信装置。
(付記14)
前記制御部は、前記変更量が前記第2の符号化率及び変調方式に対して割り当てた前記データ量以上のとき、前記転送ビット量が前記第1の符号化率及び変調方式より高い第4の符号化率及び変調方式に対して前記変更量を前記データ量として割り当て、前記第1の符号化率及び変調方式に対しては前記データ量から前記変更量を減算した量の前記データ量を割り当てることを特徴とする付記13記載の無線通信装置。
(付記15)
前記第1の無線通信装置は基地局装置、前記第2の無線通信装置は端末装置、又は前記第1及び第2の無線通信装置は端末装置であることを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記16)
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の無線通信装置は、
前記第2の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、前記第2の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する制御部と、
前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する送信部とを備え、
前記第2の無線通信装置は、
前記誤り検出結果を送信する送信部と、
前記複数の送信データを受信する受信部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
(付記17)
他の無線通信装置と無線通信を行う無線通信装置における無線通信方法であって、
前記他の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、制御部により、前記他の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定し、
前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、送信部により、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する
ことを特徴とする無線通信方法。
10:無線通信システム 100:基地局装置(基地局)
102:送信データ処理部 103:変調符号化部
104:IFFT部 105:RF部
106:FFT部 107:復調復号化部
108:受信データ処理部 110:制御部
111:CPU 112:ROM
113:RAM 120:基地局制御装置
200(200‐1〜200‐3):端末装置(端末)
201:RF部 202:FFT部
203:復調復号化部 204:受信データ処理部
206:送信データ処理部 207:変調符号化部
208:IFFT部 210:制御部
211:CPU 212:ROM
213:RAM

Claims (11)

  1. 他の無線通信装置と無線通信を行う無線通信装置において、
    前記他の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、前記他の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する制御部と、
    前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する送信部と
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記制御部は、前記複数の送信データ夫々に対するデータ量を変化させることで前記複数の送信データ夫々に対するデータ量を決定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記複数の送信データ夫々に対するデータ量の合計は可変であることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 前記制御部は、誤り有りを示す前記誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均誤り率、又は誤り無しを示す前記誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均正解率に基づいて、前記符号化率及び変調方式を決定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  5. 前記制御部は、1サブキャリアあたりの転送ビット量が同一である2つの符号化率及び変調方式夫々に対して、誤りを示す前記誤り誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均誤り率、又は誤り無しを示す前記誤り検出結果の平均的な受信確率を示す平均正解率に基づいて、いずれか一方の前記符号化率及び変調方式を選択することで、前記符号化率と変調方式を決定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  6. 前記送信部は前記複数の送信データの夫々に1つの誤り検出符号を付加して送信することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  7. 前記制御部は、前記平均誤り率又は前記平均正解率に基づいて、前記複数の符号化率及び変調方式の夫々に対する前記送信データのデータ量を割り当てることで、前記複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定することを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の符号化率及び変調方式のうち、第1及び第2の符号化率及び変調方式により送信された各送信データの全てが誤り有りの前記検出結果を得たとき、又は、少なくとも一方は誤り無しの前記検出結果を得たときであって、1サブキャリアあたりの転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式より多い前記第1の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均誤り率又は前記平均正解率を考慮した平均転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均転送ビット量より多くないとき、前記第1の符号化率及び変調方式に割り当てた前記データ量のうち変更量分だけ少なくし、前記第2の符号化率及び変調方式に割り当てた前記データ量に前記変更量分だけ増加させることを特徴とする請求項7記載の無線通信装置。
  9. 前記制御部は、前記複数の符号化率及び変調方式のうち第1及び第2の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データのうち少なくとも一方は誤り無しの前記検出結果を得たときであって、1サブキャリアあたりの転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式より多い第1の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均誤り率又は前記平均正解率を考慮した平均転送ビット量が前記第2の符号化率及び変調方式により送信された前記送信データの前記平均転送ビット量より多いとき、前記第2の符号化率及び変調方式に割り当てる前記データ量のうち変更量分だけ少なくし、前記第1の符号化率及び変調方式に割り当てる前記データ量に前記変更量分だけ増加させることを特徴とする請求項7記載の無線通信装置。
  10. 第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記第1の無線通信装置は、
    前記第2の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、前記第2の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定する制御部と、
    前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する送信部とを備え、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記誤り検出結果を送信する送信部と、
    前記複数の送信データを受信する受信部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
  11. 他の無線通信装置と無線通信を行う無線通信装置における無線通信方法であって、
    前記他の無線通信装置から受信した誤り検出結果に基づいて、制御部により、前記他の無線通信装置に送信する複数の送信データ夫々に対する符号化率と変調方式、及びデータ量を決定し、
    前記決定した符号化率と変調方式、及びデータ量に基づいて、送信部により、前記複数の送信データを前記他の無線通信装置に夫々送信する
    ことを特徴とする無線通信方法。
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