JP2012112740A - インジケータ - Google Patents

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Aya Igarashi
彩 五十嵐
Koji Tsujita
公二 辻田
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Abstract

【課題】作成が容易で、また導通の有無での測定ができるインジケータを提供する。
【解決手段】熱酸発生剤13の酸発生温度に達すると、熱酸発生剤13から酸が発生し、上記の酸により導電性膜12が徐々に溶け、酸は基材11に浸透する。更に時間が経過して導電性膜12の酸による融解が進行して特定の時間経過すると、導電性膜12が断線する。この導電性膜12の「導通有り」、「導通無し」の信号を読み取ることで時間温度を測定することができる。基材11に酸によって着色する発色剤を塗布しておくことで、酸が基材11に浸透した浸透長を目視において確認することで酸発生温度に到達したかどうかが確認できる。更に、導電性膜12の抵抗値、電流値あるいは電圧値の変化により経過時間を測定することができる。このインジケータは、複雑な電極パターニングは必要なく、また、単純構成であり極めて低コストで製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明はインジケータに係り、特に所定の温度と時間で変色するように設計された熱時間積算型インジケータに関する。
食品には、消費期限が記載されているが、これらは特定の製品の予測される保存状態(温度、湿度、日当たりなど)に基づいていなければならない。そのため、推奨される保存状態も明記されている。しかしながら、実際の保存状態は予測制御できないため、時間−温度積算型のインジケータが必要とされる。
また、医療機器の高圧蒸気滅菌には滅菌が可能な温度と時間が滅菌対象物に加わったかどうかを目視で確認するためのケミカルインジケータ(CI)が日常使用されている。CIは一般的に、滅菌可能な温度と時間(例えば121℃が20分加わった時点)で変色するように設計された色素が台紙に塗布されたものである。ある温度になると変色する、いわゆるサーモラベルはこういった時間加算はできない。
インジケータとは、広義の意味では、表示器、指示器、指示計、標識、表示、指針、指標であり、測定対象も幅広いが、ここでは時間計測に使用し、作業者が目視によって簡易的に必要条件を満たしたかどうかが変色などによって確認できる時間インジケータの種類について説明する。
時間インジケータは、2種類に大別される。一つは、時間のみでなく対象物に加わった累積熱露出を考慮したものである。これはインジケータの変化速度をある関数で温度とともに増加させることで達成される。このようなインジケータには、温度の変化に継続的に反応するものと、ある温度以下では変色しないというように閾値温度に到達することが必要とされるものとがある。例えば、滅菌業務に使用されているインジケータの場合、滅菌可能な温度以上での累積時間を加味する必要がある。これらは、一般的に「時間−温度インジケータ」や「熱時間積算型インジケータ」(Time-Temperature Indicator:TTI)と呼ばれる。もう一つは、感熱性がなく、経過時間の視覚的表示を与えるものであり、一般的に「タイマー」と呼ばれる。
TTIは、腐敗が懸念される品目、例えば、食品、食品添加物、生物材料、薬品、化粧品などの期限モニタリングや、食品や医療現場における殺菌、滅菌など、ある温度以上が一定時間加わったことを作業者が目視で確認する際に大変有用である。一方、タイマーは腐敗が生じない品目、例えば、ある品目の交換、完了または更新する必要のある注意喚起として有用である。ただし、以上は応用例であってこれらに限るものではない。
TTIやタイマーは、化学反応機構、拡散機構、毛管現象機構を用いて実現されている。時間インジケータは変色などによって目視で確認できるため、利用者が一目で不良を判断できる点は評価できる。しかし、変色度合いによって評価する場合、定量評価でないため、判定結果に個人差が出る可能性がある。したがって、色度計で定量化が行われている場合もあるが、色度計は高価であり、また、対象物が大量であると作業者の大きな負担となる。そこで、変色でなく、例えば毛管現象を利用し、細長い紙に液体が徐々に染み込んだ領域の長さによって、ある領域まで達した時点でアクセプトとするようなインジケータもある(住友スリーエム株式会社)。この方式であれば定量的な評価が可能である。
また、近年、食品や医療の安全確保のため、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態であることを指すトレーサビリティが重要視されていることから、インジケータの情報をパーソナルコンピュータ(以下、PC)に取り込みたいといったニーズが高まっている。そのような場合にはインジケータの評価結果を作業者がPCに入力していることが多いのが現状であり、PCへの入力作業の省力化・無人化のため無線タグ(Radio Frequency Identification:RFID)が利用され始めている。
RFIDは、タグやラベル状に加工されたアンテナ付ICチップを人や物に付与し、そこに記憶された情報をリーダ/ライタと呼ばれる装置で読み取る認証(認識)技術で、物体認識や個人認証などを行う際に有用である。RFIDを利用する利点としては、一つは認識対象物に接触することなく非接触で認証が行えるという点であり、もう一つは、そのような非接触認証を複数の対象に対して同時に行える複数同時認証という点である。なお、RFIDは、バーコード等と同じ、自動認識・データキャリアの一種であるが、バーコードでは2次元コードが光学的に読み取りを行うのに対して、RFIDは電波を使用する。RFIDは、バーコードと比較して、ダンボール箱などの遮蔽物があっても非接触で読み取り可能、同時に複数の認識対象物を読み取ることができ、一般に数百ビットのデータ書き込み/読み取りが可能などといった利点がある。
RFIDはこれらの利点により、現在人の手により行われている多くの業務オペレーションを自動化、あるいは簡素化することができるため、莫大なコストを削減が可能であり、さらに、人為的なミスの防止やシステムのリアルタイム性が向上することにより、情報の質が向上し、企業リソースの正確な把握や、迅速な意思決定を支援するものとしても期待されている。
ところで、従来から食品などの温度履歴を記録する機器として「温度ロガー」と呼ばれる機器が存在し、食品メーカにおいて製造工程や物流段階の温度管理に用いられてきた。しかし、温度ロガーはケーブルでPCなどに接続しないとデータの吸い上げができない。また、本体が大きく日常的に多頻度でデータ収集を行うには障害となっていた。
一方、温度センサ付きRFIDは非接触で温度採集の起動/停止/データの吸い上げができるという大きな利便性があり、ワンチップ化(1つのシリコンチップ上にRFID回路/温度センサを搭載)により小型化されると共に、部品点数の削減から低コスト化にも期待が持たれている。
また、特許文献1には、非導電性部分を含む導電性高分子膜の非導電性部分の上に、ドーピング剤が封入された微小カプセルが置かれた構造のインジケータが開示されている。この特許文献1に記載のインジケータでは、ある温度になると、微小カプセルからドーピング剤(酸又は塩基)が放出されて非導電性部分の導電率が上昇するため、非導電性部分に電流が流れるようになる。そして、非導電性部分の両端部に設けられた測定ポイント間が導通する。また、この従来のインジケータでは、ドーピング度合いによって導電性高分子膜の色が変化するので、視覚的にも非導電性部分の導電率上昇を把握することができる。
特表2009−500532号公報
しかしながら、温度センサ付きRFIDは、タグ自体を目視することによる確認はできず、読み取り機を持っていない作業者が直接確認することはできないため、迅速な処理が行えず、取り違えや誤認識の可能性もある。望ましくは、変色などのバロメータが作業者の目視によっても確認でき、かつ、電気信号として取り出せるRFIDである。
ここで、目視用のTTIと、電気信号取り出し用の温度センサ付きRFIDの併用も考えられるが、二重のコストがかかること、両者の表示の対応が取れていないと判断基準が難しくなり誤判断に繋がるため、好ましくない。よって、TTIの情報がそのままRFIDの出力として取り出せる、RFID内蔵型TTIが最も望ましい形態といえる。また、食品や滅菌対象物一つ一つに使用することを想定すると低コストで作製できる材料、作製工程が求められる。
一方、特許文献1記載のインジケータは、初期状態として導電性部分と非導電性部分とを作成しておく必要があるため、作成が容易ではなく、また、高抵抗(=微小電流)の測定が必要で、導通の有無での確認ができない。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、作成が容易で、また導通の有無での測定ができるインジケータを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、簡単な構成により低コストなRFID内蔵型のインジケータを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のインジケータは、基材と、基材上に形成された導電性膜と、導電性膜に少なくとも一部が接するように配置され、導電性膜を融解する材料にて形成された熱酸発生剤とを備え、熱酸発生剤は、所定の温度に達すると酸を発生させる材料を用いて形成され、導電性膜は酸により融解する材料により形成されることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明のインジケータは、基材と、基材上に形成された導電性膜と、導電性膜に少なくとも一部が接するように配置され、酸性物質を内包した所定の温度で融解あるいは破裂するマイクロカプセルとを備え、マイクロカプセルから放出される酸により導電性膜を融解させることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明のインジケータは、導電性膜の融解の進行度合いを、電気的変量の変化として読み取る読取手段を備えるようにしてもよい。
本発明によれば、作成が容易で、また導通の有無で熱を加えられた時間が判断できるインジケータを提供できる。また、簡単な構成により低コストなRFID内蔵型のインジケータを提供できる。
本発明のインジケータの一実施の形態を、導電性膜の溶解の進行に応じて示す断面図及び上面図である。 本発明のインジケータの実施例1の実験結果を示す図である。 本発明のインジケータの実施例2の断面図である。 本発明のインジケータの実施例3の構成図とRFIDタグ回路の一例のブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明になるインジケータの一実施形態の断面図及び上面図を、導電性膜の溶解の進行に応じて示す。図1(a−1)及び(a−2)は、本実施の形態のインジケータの初期状態(熱等が印加されていない状態)の断面図及び上面図を示す。同図(a−1)及び(a−2)に示すように、本実施の形態のインジケータ10は、基材11と、基材11上に設けられた導電性膜12と、導電性膜12に接している熱酸発生剤13とで構成された熱時間積算型インジケータである。また、基材11、導電性膜12及び熱酸発生剤13の一部又は全てがカバー14で覆われている。カバー14は任意であり、設けなくてもよい。また、図1に示した構成は一例であり、導電性膜12の形状や熱酸発生剤13の位置などは任意である。
本実施の形態のインジケータ10は、熱酸発生剤13から発生した酸と接するように導電性膜12が設けられている。周囲温度が上昇して熱酸発生剤13の酸発生温度に達すると、図1(b−1)及び(b−2)の断面図及び上面図に示すように熱酸発生剤13から酸15が発生する。発生した酸15により導電性膜12が徐々に溶け、発生した酸15は浸透領域16aで示すように基材11に浸透する。
導電性膜12の酸15による融解が進行して特定の時間経過すると、図1(c−1)及び(c−2)の断面図及び上面図に示すように、導電性膜12が発生した酸15により断線される。発生した酸15が基材11に浸透した浸透領域16bは、図1(b−2)に示す浸透領域16aより広い。この導電性膜12の「導通有り」、「導通無し」の信号を読み取ることで所定の温度以上が加わった加算時間を測定することができる。導電性膜12の融解の進行速度は、導線の太さや、導線周辺のコーティング、導線の材質などにより制御することができる。
基材11に酸によって着色する発色剤を塗布しておくことで、浸透領域16aや浸透領域16bに示すように発生した酸15が基材11に浸透した領域の基材11の長辺方向の長さ(基材11の着色エリア)を目視において確認することで酸発生温度に到達したかどうかが確認できる。また、導電性膜12の抵抗値、電流値あるいは電圧値の変化により経過時間を測定することができる。
本実施形態のインジケータ10は、熱酸発生剤13の融解温度以上では熱酸発生剤13が基材11へある速度で浸透し、途中で温度が下がると熱酸発生剤13が固化し浸透が進行しなくなるため、予め浸透速度を測定しておくことで必要な温度以上が加わった時間のみ基材11への浸透が進行し時間加算される。
基材11としては、多孔性材料、ウィック材料、および吸収材料が例示される。この基材11は特定の温度で融解した熱酸発生剤13が、所望の時間をかけて吸収、拡散または浸透する基材であればよい。基材11の長さ、幅によって動作時間の制御が可能である。基材11への熱酸発生剤13が溶解した酸の浸透は毛管現象による浸透であり、重力の影響を無視できるため、インジケータ10の設置状態に影響されない。
基材11上の導電性膜12は、導電性のあるシートであればよく、アルミ箔などの金属箔、金属箔と積層一体となった樹脂や紙などのシート、その他酸と反応して導電性や誘電率が変化する材料であれば電気的に読み取ることができる機能を果たすと考えられる。また、導電性膜12上の熱酸発生剤13が融解したときに基材11と接しやすいよう、導電性膜12に孔が設けられていることが望ましい。また、導電性膜12はシート状でなくとも、導線や、導線で構成される網目状のグリッドでもよい。
熱酸発生剤13としては、熱により酸を発生する物質であればよく、例示すれば、特開昭59−180543号公報、特開昭59−148784号公報、特開昭60−138539号公報、特公昭60−27673号公報、特公昭49−21601号公報、特開昭63−58440号公報、特公昭57−1819号公報、特開昭53−133428号公報、特開昭55−32070号公報等に記載された有機ハロゲン化合物や、特公昭54−14277号公報、特公昭54−14278号公報、特開昭51−56885号公報、米国特許第3708296号明細書、同第3835002号明細書等に記載されたジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩を用いることができる。好ましくは、熱酸発生剤13としては、熱の作用で酸を発生し実質的に光の作用で酸を発生しない化合物が使用される。そのような化合物としては熱の作用により脱ハロゲン反応によりハロゲンラジカルを発生させる化合物が好ましく、更に具体的にはN−ハロゲン化窒素含有有機化合物又は活性メチレンのジハライド有機化合物が好ましい。また、所望の融解温度を有する材料を選択すればよい。
また、基材11に塗布する酸によって着色する発色剤としては、電子供与性呈色化合物であるフルオラン系化合物、スピロピラン系化合物、フタリド系化合物、ラクタム系化合物、トリフェニルメタン系色素、フェノチアジン系色素、ベンゾジキサンテンエンドペルオキシド系色素などを挙げることができる。これらの電子供与性呈色化合物は、単独で存在するときは可視域の波長に吸収はなく、電子供与性呈色化合物のその近傍に電子受容性顕色剤が存在すると、相互作用により可視域の波長で吸収が生じ発色する化合物である。
具体的な電子供与性呈色化合物として例えばスピロピラン類としては,以下のものが挙げられる。
6−ブロモ−1’,3’−ジヒドロ−1’,3’,3’−トリメチル−8−ニトロスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)−インドール]、5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[9,10−b][1,4]オキサジン]、6,8−ジブロモ−1’,3’−ジヒドロ−1’,3’,3’−トリメチルスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)−インドール]、1’,3’−ジヒドロ−1’,3’,3’−トリメチル−6−ニトロスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)−インドール]、1’,3’−ジヒドロ−5’−メトキシ−1’,3’,3’−トリメチル−6−ニトロスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)−インドール]、1’,3’−ジヒドロ−8−メトキシ−1’,3’,3’−トリメチル−6−ニトロスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)−インドール]、1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]フェナンスロ[9,10−b][1,4]オキサジン]、1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[2,1−b]ピラン]、1,3−ジヒドロ−5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[2,1−b]ピラン]。
また、フタリド化合物としては具体例としては、下記のものが挙げられる。
3,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)フタリド 、3−(4−ジエチルアミノ)−3−[4−(N−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ)フェニル]フタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ピロリジノフェニル)−4−アザフタリド 、3−[4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−[4−(N−メチル−p−トルイジノ)フェニル]−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)フタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)フタリド 、3,3−ビス[4−(N−エチルアニリノ)−2−エトキシフェニル]フタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−7−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−n−ペントキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−フェノキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−プロピルアミノ−2−n−プロポキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ピロリジノ−2−メトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス[4−(N−エチルアニリノ)−2−エトキシフェニル]−4−アザフタリド 、3−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル−2−エトキシフェニル)−3−[4−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド 、3−[4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3−[4−(N−エチルアニリノ)−2−エトキシフェニル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)フタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジ−n−ブチル−2−エトキシフェニル)フタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−プロピルアミノ−2−エチルフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ピペラジノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−[4−(N−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジ−n−ブチル−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)フタリド 、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)フタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルチオフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)−3−(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ピロリジノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[4(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル]−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−(4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−3−[4−(N−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ)フェニル]−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[4−(N−エチルアニリノ)−2−エトキシフェニル]−3−(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−[N−エチル−p−トルイジノ]−4,7−ジアザフタリド 、3−[4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ピロリジノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[4−(N−エチルアニリノ)フェニル]−3−(4−ジ−n−プロピル−2−メチルチオフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,7−ジアザフタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)フタリド 、3−[4−(N−エチルアニリノ)−2−エトキシフェニル]−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジ−n−プロピルアミノ−n−プロポキシフェニル)−3−(1−n−ペンチル−2−メチルイドール−3−イル)−4−アザフタリド 、3−[4−(N−エチルアニリノ)−2−エトキシフェニル]−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(1−エチル−3−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フタリド 、3−(4−ピロリジノ−2−エチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド 、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド 、3−(4−ピロリジノ−2−エチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−3−[4−(N−エチルアニリノ−2−エトキシフェニル]−4,7−ジアザフタリド 、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−[4−(N−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ)−2−エチルフェニル]−4,7−ジアザフタリド 、3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エチルチオフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)フタリド 、3−[1,1−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ピロリジノフェニル)フタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−[4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル]フタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−[4−(N−エチルアニリノ)フェニル]フタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)フタリド
3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド3−[1,1−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ピロリジノフェニル)−4−アザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−[4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−[4−(N−エチルアニリノ)フェニル]−4−アザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−[4−(N−メチル−p−トルイジノフェニル]−4,7−ジアザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジ−n−プロピルアミノ−2−n−プロポキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド 、3−[1,1−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド。
カバー14は、可撓性、半剛性または剛性であってよい。カバー14は、インジケータ10の動作および熱酸発生剤13から発生した酸が基材11への浸透を妨げないようなものを選択するのが好ましい。カバー14は、好ましくは、熱酸発生剤13が発生した酸をインジケータ10から漏れるのを防ぐものを選択すべきである。カバー14は、これに限られるものではないが、プラスチックをはじめとする様々な材料から作製することができる。
なお、カバー14は、一体構造または、いくつかのピースを結合することにより形成された構造であってもよい。また、カバー14は例えば熱酸発生剤13から発生した酸が基材11へ浸透する進行度合いが見える透明な窓を備えた不透明材料で作製してもよい。カバー14は、例えば、テープバッキングがカバーとなるような感圧接着テープの基材へのラミネーションをはじめとする様々なやり方でインジケータ10に接合される。
このように、本実施の形態のインジケータ10によれば、所定の温度で酸を発生させる熱酸発生剤13を導電性膜12の一部に接触させておき、熱酸発生剤13から酸が発生する温度になり所定の時間が経過すると酸によって導電性膜12が融解し断線するため、所定の温度が一定時間加わった時点で「導通有り」「導通なし」という電気信号を得ることができ、また、酸によって変色する発色剤が塗布された基材11を用いることで、所定の温度が一定時間加わったことが目視でも確認することができる。
従って、本実施の形態のインジケータ10によれば、複雑な電極パターニングは必要なく、また、単純構成であり極めて低コストで製造することができる。また、本実施の形態のインジケータ10によれば、導電性膜12の抵抗値、電流値あるいは電圧値の変化での測定ができる。
次に、本発明の実施例1について説明する。本発明のインジケータの動作原理確認のために試作した実施例1のインジケータの構成の詳細と、その実験結果を以下に示す。実施例1にて使用したインジケータは実施の形態と同様の構成である。
実施例1のインジケータ作製方法は、まずロイコ染料(保土ヶ谷化学工業株式会社 RED-DCF)2gを乳鉢で粉砕後、ビーカーに移し、ステアリン酸アミド2g、5%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液10g、純水6gを加えよく攪拌し、発色剤の分散液を作製する。なおPVAには低溶融温度110℃の特殊ポバール(日本酢ビ・ポバ−ル株式会社 JMR-10L)を使用した。これを基材11(アドバンテック東洋株式会社 定性ろ紙「No.131」)に刷毛で塗布し自然乾燥させた後、約3cm×6cmにカットする。続いて基材11上に導電性膜12であるアルミ箔(住軽アルミ箔株式会社の業務用アルミ箔)約2mm×6cmを両面テープ(日東電工株式会社 LA-150)で接着し、さらに分解温度、すなわち酸発生温度が118.8℃である熱酸発生剤13(三新化学工業株式会社 (CF3SO2)2N−をアニオン種とする化合物No.2-1)を導電性膜12上に図1(a−1)、(a−2)に示したように0.1g載せる。なお、本実施例ではカバー14は形成しなかった。また、導電性膜12の両端はテスタ(日置電機株式会社 ディジタルハイテスタ 3801-50)に繋げられており抵抗を観察できるようにした。
オーブン内では、実施例1のインジケータの動作の一部始終を観察することが難しいため、PID温度制御可能なホットプレートを用いて実験を行った。まず、熱発生温度(118.8℃)に達すると、以降は熱発生温度を維持するようなホットプレートの温度制御とし、その間のインジケータの抵抗変化をテスタで測定した。結果を図2(a)に示す。図2の横軸は経過時間(分)、左縦軸はホットプレートの表示温度(℃)、右縦軸は抵抗値(Ω)を表している。温度の時間変化を実線で、抵抗Rの時間変化を破線(図中○)で示す。図2(a)より、ホットプレートを加熱し始めてから約5分後に熱発生温度に達し、熱発生温度に達してからおよそ15分後に抵抗Rが約0.5Ωから∞となったことが分かる。このことから、所定の温度(ここでは118.8℃)が加えられてから約15分で導電性膜12が断線したと判断できる。また、抵抗は徐々には変化せず断線までほぼ0.5Ωを維持し、断線の瞬間にデジタル的に変化した。このとき、基材11の色は熱発生温度になると熱酸発生剤13の近傍より徐々にマゼンタ色に着色し、断線した時点には熱酸発生剤13を中心に同心円状に半径約1.7cmの領域が着色された状態となった。
次に、熱発生温度に達した後、熱発生温度を5分間維持し、その後一旦80℃まで温度を下げ、80℃に達した後再び熱発生温度まで温度を上昇させるような温度制御とし、抵抗測定と基材11の変色の目視観察を行った。結果を図2(b)に示す。図2(b)より、熱発生温度から80℃まで下げ、再び熱発生温度に達するまでに約6分を要した。この6分間、温度は熱発生温度を下回っている。抵抗Rが0.5Ωより∞となるまでは最初に熱発生温度に達した時間(5分)から約21分を要した。図2(a)に示した結果と比較すると、熱発生温度を下回る温度であった時間分(6分)だけ断線までの時間が長くなっている。また、断線時の基材11の着色はやはり熱酸発生剤13を中心に同心円状に広がり半径約1.7cmの領域が着色された状態であった(図1(c−1)、(c−2)参照)。これより、本実施例1により熱時間の積算が達成できることが確認できた。
このように、酸発生温度が一定時間印加されるとそれまで導通があることを示す抵抗値Rが、導通がないことを示す抵抗値Rへ変化するため、抵抗値Rによりインジケータが必要処理時間を経たか否かが判断できる。また、熱酸発生剤13の基材11への浸透によって着色された領域が目視で観察できるため、着色された領域の広さによってインジケータが必要処理時間を経たかどうかが判断できる。この様子を外部から確認できるように外装のカバー14には窓を設けておき、さらに、予め必要到達エリアにしるしをつけておくことで、到達しているか否かを簡単に判断できる。必要到達エリアへの到達時間と導電性膜12が断線する時間とが同じになるように設計することが望ましい。
また、本実験では熱酸発生剤13は粉末のまま使用したが、実用上は固定化のためバインダーポリマーに混合されて使用されることが望ましい。本発明に用いることができるバインダーポリマーは、熱酸発生剤13の酸発生温度と同程度の融点を持つ材料であれば従来公知のものを制限なく使用できる。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。より詳細には特開2005−306000号公報を参照されたい。
熱酸発生剤13の基材11に対する浸透速度によって、加算される時間の調節が可能である。浸透速度は、例えば、熱酸発生剤の粘度、バインダーポリマーの粘度、基材の材質・形状・密度、などによって調節できる。
なお、ここでは導電性膜12としてアルミ箔を用いたが、より高抵抗な導電性膜を用いることで酸による融解とともに電極断面積が小さくなり抵抗が徐々に変化する様子が観察できるようになり、経時変化も測定することが可能になると考えられる。
本発明の実施形態のインジケータをオーブンやオートクレーブ内で使用する場合、ホットプレートと異なりインジケータ周辺全体に温度が加わるため、今回と数値が異なる可能性があるが、前述したように基材11の種類や形状、熱酸発生剤13の粘度、バインダーポリマーの粘度、基材11と熱酸発生剤13やバインダーポリマーとの親和性などにより所望の時間特性を得ることが可能であると考えられる。
次に、本発明のインジケータの実施例2について図3を用いて説明する。図3は、本発明になるインジケータの実施例2の断面図を示す。本実施例のインジケータ20は、基材11と、基材11上の導電性膜12と、導電性膜12上に形成された酸発生剤21とから構成される。酸発生剤21は、バインダーポリマー24内に酸性物質23を内包するマイクロカプセル22を有する構成である。
本実施例は実施例1の熱酸発生剤13を酸発生剤21に変更した変形例である。マイクロカプセル22に内包された酸性物質23は、熱が加わらなくとも常温で酸性の物質(液体または気体または固体。固体の場合は昇華性。)であり、マイクロカプセル22が融解または破裂する温度になると、酸性物質23が放出されて導電性膜12の融解が開始される。同時に酸性物質23が発色剤を含む基材11へ浸透すると、顕色剤として作用するため発色剤と反応した部分が着色されていく。
ここで、酸性物質23は、例えば電子受容性顕色剤が用いられる。電子受容性顕色剤としてはフェノール系、ビスフェーノール系顕色剤などが挙げられ、例えば具体例としては、次のものが挙げられる。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン。
また、マイクロカプセル22の製造方法としては、例えば米国特許第2800457号明細書、米国特許第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、特公昭38−19574号公報、特公昭42−446号公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号明細書、米国特許第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書にみられるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書にみられるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、米国特許第4087376号明細書、米国特許第4089802号明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、特公昭51−9079号公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号明細書、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号明細書、英国特許第967074号明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
また、図3ではマイクロカプセル22はバインダーポリマー24に含有されているが、マイクロカプセル22の融点とバインダーポリマー24の融点がほぼ等しいものを選択するのが好ましい。
次に、本発明のインジケータの実施例3について図4を用いて説明する。図4(a)は、本発明になるインジケータの実施例3の構成図、図4(b)はRFIDタグ回路の一例のブロック図を示す。図4(a)に示す実施例3は、図1に示す実施の形態の熱時間積算型のインジケータ10とRFIDとを組み合わせた構成であるが、実施例2のインジケータ20とRFIDとを組み合わせることも可能である。なお、図4(b)に示すRFIDの構成は、ここでは特開2007-111137号公報記載の「バッテリーレス型RFIDタグを用いた温度管理機能付き棚札システム」を参考にしている。
本発明のインジケータは、導電性膜の抵抗値、電流値あるいは電圧値の変化や導電性の有無が電気信号として読み取ることが可能であるため、RFIDと組み合わせることで物品管理をスムーズに行うことができる。本発明のインジケータと組み合わせるRFIDは低コストで実現可能なパッシブタグであることが望ましい。パッシブタグはタグ側に電源を持たず、リーダ/ライタから照射された電波を利用して電力とする。
図4(a)において、本実施形態の熱時間積算型インジケータ10は、RFIDチップ31に接続されている。RFIDチップ31は、リーダ/ライタとの交信のためのアンテナ32を含むRFIDタグ33で構成されている。ここでRFIDチップ31は図4(b)のブロック図で示される。
図4(b)において、アンテナ32はリーダ/ライタと電磁波による無線通信を行うため、同調回路34に接続され、キャリア周波数に同調させて共振回路を構成する。同調回路34の後段には、リーダ/ライタのアンテナから送信された電磁波がRFIDタグのアンテナ32を通過した時に発生する誘導起電力の電圧波形を検波し、その誘導起電力を半波又は全波整流して直流電圧を取り出すための整流回路35に接続される。
次に、整流回路35の後段には、検波したキャリアを分周してシステム用のクロックを生成するためのクロック生成回路36と、信号受信時においてキャリアから信号を取り出す復調動作や、信号送信時においてスイッチング素子(図示せず)により変調動作のための変復調回路37が接続される。また、変復調回路37の後段には、変復調回路37の制御や、不揮発性メモリであるFRAM(Ferroelectric RAM:米国Ramtron社の登録商標)39に対するRFIDチップ31の固有ID情報及びインジケータ10にて検出した容量、抵抗、電圧、電流のいずれかの信号のデータの書込み又は読出し制御を行うためのロジック回路38を接続する。また、インジケータ10から出力される容量、抵抗、電圧、電流のいずれかの信号をA/D変換して適正なデジタル値に変換するA/Dコンバータ(図示せず)と、インジケータ10と接続するためのインターフェース回路40が、ロジック回路38とFRAM39に接続されている。なお、FRAM39は強誘電体型の不揮発性メモリであり、回路電源がオフになってもRFIDチップ31の固有ID情報等のデータは消失することはない。使用する周波数は、通信距離や用途によって様々であり、それに見合った周波数帯を使用すればよい。
従来のTTIは視覚的な化学的インジケータであり、変色によるインジケータは精度が低かった。また、その代替は電子機器であり表示のための電子ディスプレイを必要とし、高価で、大きく、電源を必要とした。
これに対し、本発明のインジケータは電子機器に比べ極めて低コストで作製可能である。さらに、本発明の一実施形態であるインジケータ10あるいは、インジケータ20をRFIDと組み合わせた実施例3の構成とすることにより、対象物に所定の温度で所定の時間加わったかを変色により直接目視にて確認できるだけでなく、その変色の情報がそのままRFIDの出力として取り出せるため、遠隔でも確認することができ、また、インジケータの導電性膜の抵抗値、電流値あるいは電圧値の変化をメモリに記録すれば温度履歴を読み取ることが可能となる。
本発明の実施形態のインジケータは、所定の温度で酸を発生させる熱酸発生剤を導線または導電性膜の一部に接触させておき、酸が発生する温度になり所定の時間が経過すると酸によって導電性膜が融解し断線するため、「導通有り」「導通なし」という電気信号を得ることができる。導電性膜の融解の進行速度は、導線の太さや、導線周辺のコーティング、導線の材質などにより制御することができる。また、酸によって変色する発色剤を含むかまたは塗布された基材を用いることで、所定の温度が一定時間加わったことが目視でも確認できる。更に複雑な電極形成は必要なくより簡単な構成でかつ低コストにて実現することができる。
10、20 インジケータ
11 基材
12 導電性膜
13 熱酸発生剤
14 カバー
21 酸発生剤
22 マイクロカプセル
23 酸性物質
24 バインダーポリマー
31 RFIDチップ
32 アンテナ
34 同調回路
35 整流回路
36 クロック生成回路
37 変復調回路
38 ロジック回路
39 FRAM(Ferroelectric RAM)
40 インターフェース回路

Claims (3)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成された導電性膜と、
    前記導電性膜に少なくとも一部が接するように配置され、前記導電性膜を融解する材料にて形成された熱酸発生剤とを備え、
    前記熱酸発生剤は、所定の温度に達すると酸を発生させる材料を用いて形成され、
    前記導電性膜は前記酸により融解する材料により形成される
    ことを特徴とするインジケータ。
  2. 基材と、
    前記基材上に形成された導電性膜と、
    前記導電性膜に少なくとも一部が接するように配置され、酸性物質を内包した所定の温度で融解あるいは破裂するマイクロカプセルとを備え、
    前記マイクロカプセルから放出される酸により前記導電性膜を融解させる
    ことを特徴とするインジケータ。
  3. 前記導電性膜の融解の進行度合いを、電気的変量の変化として読み取る読取手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のインジケータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017115026A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 コニカミノルタ株式会社 温度時間積算型インジケータ、及び温度時間積算量の測定方法

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