JP2012111717A - ジクロロメチル基を含有する化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トリクロロメチル基を含有する化合物を水素雰囲気下で湿式にて貴金属触媒と接触させて、該トリクロロメチル基中の炭素−塩素結合を1つ切断し塩素を脱離させることを含む、ジクロロメチル基を含有する化合物を得る方法。前記貴金属触媒は、炭素粒子と、該炭素粒子に担持され、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属とを含む触媒であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
<貴金属触媒>
本発明で用いる貴金属触媒は、通常、不均一系触媒であり、例えば、貴金属担持触媒が挙げられ、好ましくは、炭素粒子と、該炭素粒子に担持された貴金属触媒とを含む触媒(以下、貴金属担持炭素触媒という場合がある)であり、より好ましくは、炭素粒子と、該炭素粒子に担持され、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属とを含む触媒である。貴金属触媒中の貴金属は、好ましくは白金族金属であり、より好ましくは白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属である。貴金属触媒の具体例としては、白金担持炭素触媒、パラジウム担持炭素触媒、ロジウム担持炭素触媒等が挙げられる。貴金属触媒は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
貴金属担持炭素触媒において、炭素粒子は該触媒の担体である。炭素粒子は活性炭であることが好ましい。
貴金属触媒は公知の方法により調製することができる。貴金属担持炭素触媒の場合、炭素粒子への貴金属の固定は、該炭素粒子に貴金属を含む溶液を接触させることにより行うことができる。
トリクロロメチル基を含有する化合物を水素雰囲気下で湿式にて貴金属触媒と接触させることにより、該トリクロロメチル基中の炭素−塩素結合を1つ切断し塩素を脱離させることができる。これにより前記トリクロロメチル基はジクロロメチル基に変換され、その結果、トリクロロメチル基を含有する化合物からジクロロメチル基を含有する化合物を得ることができる。「湿式にて」とは、通常、「溶媒の存在下で」を意味し、好ましくは「溶媒中で」を意味する。
エチルトリクロロアセテート、3,4−ジクロロベンゾトリクロライド、2,6−ジクロロ−4−(トリクロロメチル)ピリジン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエタノール、N−(2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル−p−トルイジンが挙げられる。トリクロロメチル基を含有する化合物は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素粒子に担持する金属の種類を変えて以下の実験1−1〜1−6を行った。結果を表1に示す。
2−(トリクロロアセチル)ピロール106.2mg(0.5mmol)と、10重量%Pt/C(白金担持炭素触媒、炭素粒子のBET法による比表面積1050 m2/g、炭素粒子のメジアン径:24μm、炭素粒子1g当たりの白金の担持量:白金元素に換算して0.57mmol、エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:10%Pt-C(W)Kタイプ)9.8mg(白金元素として5.0μmol)と、クロロホルム1.0mlとを、試験管に投入し、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、雰囲気を水素に置換した。引き続き水素雰囲気下、室温にて、6時間撹拌して反応を行った。その後、得られた反応液をセライトを用いてろ過し、更にセライトをジエチルエーテル15mlで洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮し、得られた濃縮物を1H−NMRにかけた。得られたスペクトルから、原料である2−(トリクロロアセチル)ピロールの回収率と、目的生成物である2−(ジクロロアセチル)ピロールならびに副生成物である2−(クロロアセチル)ピロールおよび2−アセチルピロールのおのおのの収率とを算出した。なお、本明細書において、原料の回収率とは、反応に使用した原料に対する反応後も未反応のままの残留する原料のモル比をいい、目的生成物の収率とは、反応に使用した原料に対するその目的生成物のモル比をいい、副生成物の収率とは、反応に使用した原料に対するその副生成物のモル比をいう。
実験1−1において、10重量%Pt/Cに代えて、10重量%Pd/C(パラジウム担持炭素触媒、炭素粒子のBET法による比表面積1050m2/g、炭素粒子のメジアン径:24μm、炭素粒子1g当たりのパラジウムの担持量:パラジウム元素に換算して1.04mmol、エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:10%Pd-C(W)Kタイプ)5.3mg(パラジウム元素として5.0μmol)を用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、10重量%Pt/Cに代えて、10重量%Rh/C(ロジウム担持炭素触媒、炭素粒子のBET法による比表面積1050m2/g、炭素粒子のメジアン径:24μm、炭素粒子1g当たりのロジウムの担持量:ロジウム元素に換算して1.08mmol、エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:10%Rh-C(W)Kタイプ)5.1mg(ロジウム元素として5.0μmol)を用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、10重量%Pt/Cに代えて、10重量%Ir/C(イリジウム担持炭素触媒、炭素粒子のBET法による比表面積1050 m2/g、炭素粒子のメジアン径:24μm、炭素粒子1g当たりのイリジウムの担持量:イリジウム元素に換算して0.58mmol、エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:10%Ir-C(W)Kタイプ)9.6mg(イリジウム元素として5.0μmol)を用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、10重量%Pt/Cに代えて、10重量%Ru/C(ルテニウム担持炭素触媒、炭素粒子のBET法による比表面積1050 m2/g、炭素粒子のメジアン径:24μm、炭素粒子1g当たりのルテニウムの担持量:ルテニウム元素に換算して1.10mmol、エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:10%Ru-C(W)Kタイプ)5.1mg(ルテニウム元素として5.0μmol)を用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、10重量%Pt/Cに代えて、10重量%Au/C(金担持炭素触媒、エヌ・イー ケムキャット(株)製)9.9mg(金元素として5.0μmol)を用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
反応に用いる溶媒の種類を変えて以下の実験2−1〜2−9を行った。結果を表2に示す。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、N,N−ジメチルアセトアミドを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、アセトニトリルを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、水を用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、アセトンを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、ジメチルスルホキシドを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、テトラヒドロフランを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、酢酸エチルを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験1−1において、反応溶媒としてクロロホルムに代えて、シクロヘキサンを用いた以外は、実験1−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
反応時間を変えて以下の実験3−1および3−2を行った。結果を表3に示す。
実験2−1において、反応時間を6時間から1時間に短縮した以外は、実験2−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験2−3において、反応時間を6時間から1時間に短縮した以外は、実験2−3と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
反応に用いる触媒量を変えて以下の実験4−1および4−2を行った。結果を表4に示す。表4には実験3−1の結果も合わせて示す。
実験3−1において、10重量%Pt/Cの量を9.8mg(白金元素として5.0μmol、原料に対して1.0モル%)から4.9mg(白金元素として2.5μmol、原料に対して0.5モル%)に変更した以外は、実験3−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
実験3−1において、10重量%Pt/Cの量を9.8mg(白金元素として5.0μmol、原料に対して1.0モル%)から14.7mg(白金元素として7.5μmol、原料に対して1.5モル%)に変更した以外は、実験3−1と同様に反応・後処理を行い、原料の回収率、目的生成物の収率および副生成物の収率を算出した。
反応の基質として用いられる原料の種類を変えて以下の実験5−1〜5−3を行った。結果を表5に示す。なお、表5中のR-CCl3、R-CHCl2、R-CH2ClおよびR-CH3はそれぞれ、原料、目的生成物、原料中のトリクロロメチル基の塩素原子2個が水素原子2個に置き換わって生成した副生成物および原料中のトリクロロメチル基の塩素原子3個が水素原子3個に置き換わって生成した副生成物に対応する。
実験2−1において、基質として2−(トリクロロアセチル)ピロールに代えて、3−(トリクロロアセチル)インドール131.3mg(0.5mmol)を用いた以外は、実験2−1と同様に反応・後処理を行い、得られた濃縮物を1H−NMRにかけた。得られたスペクトルから、原料である3−(トリクロロアセチル)インドールの回収率と、目的生成物である3−(ジクロロアセチル)インドールならびに副生成物である3−(クロロアセチル)インドールおよび3−アセチルインドールのおのおのの収率とを算出した。
実験2−1において、基質として2−(トリクロロアセチル)ピロールに代えて、α−(トリクロロメチル)ベンジルアセテート125.8mg(0.5mmol)を用い、反応温度を室温から50℃に変更し、反応時間を6時間から27時間に変更した以外は、実験2−1と同様に反応・後処理を行い、得られた濃縮物を1H−NMRにかけた。得られたスペクトルから、原料であるα−(トリクロロメチル)ベンジルアセテートの回収率と、目的生成物であるα−(ジクロロメチル)ベンジルアセテートならびに副生成物であるα−(クロロメチル)ベンジルアセテートおよびα−メチルベンジルアセテートのおのおのの収率とを算出した。
実験2−1において、基質として2−(トリクロロアセチル)ピロールに代えて、α,α,α−トリクロロアセトアニリド119.3mg(0.5mmol)を用い、反応時間を6時間から12時間に変更した以外は、実験2−1と同様に反応・後処理を行い、得られた濃縮物を1H−NMRにかけた。得られたスペクトルから、原料であるα,α,α−トリクロロアセトアニリドの回収率と、目的生成物であるα,α−ジクロロアセトアニリドならびに副生成物であるα−クロロアセトアニリドおよびアセトアニリドのおのおのの収率とを算出した。
ラジカル的水素源の存在下で以下の実験6−1を行い、ラジカル的水素源の非存在下で以下の実験6−2を行った。結果を表6に示す。なお、表6中のR-CCl3、R-CHCl2、R-CH2ClおよびR-CH3は表5について説明したのと同じ意味を表す。
メトキシクロル172.8mg(0.5mmol)と、10重量%Pt/C9.8mg(白金元素として5.0μmol)と、N,N−ジメチルアセトアミド1.0mlと、水素化トリブチルスズ157.3μl(0.6mmol)とを、試験管に投入し、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、雰囲気を水素に置換した。引き続き水素雰囲気下、室温にて、7時間撹拌して反応を行った。得られた反応液に飽和フッ化カリウム水溶液を加え、室温にて24時間撹拌した。その後、該反応液をセライトろ過し、更にセライトをジエチルエーテル15mlで洗浄した。得られたろ液に水10mlと飽和フッ化カリウム水溶液10mlを加え洗浄し、エーテル層と水層を回収した。水層をジエチルエーテル10mlで抽出し、エーテル層を回収し、先ほどのエーテル層と混合した。得られた混合物を減圧濃縮し、得られた濃縮物をヘキサン:酢酸エチル=20:1(容量比)を展開溶媒としてプレパラティヴ・TLCで精製した。さらに、得られた物質をジエチルエーテル(5 ml)に溶かし、スズ除去フィルター(VARIAN製、商品名:PL3514−CM89;予めジクロロメタン1ml、続いてジエチルエーテル2mlを流しておいたもの)に通し、さらに2mlのジエチルエーテルで洗浄した。得られた溶出液を減圧濃縮し、得られた濃縮物を1H−NMRにかけ分析したところ、目的生成物である1,1‐ジクロロ‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)エタン(メトキシクロルにおいて塩素原子1個が水素原子1個に置き換わって生成した物質)のみが検出され、副生成物は検出されず、目的生成物111.3mgが単離収率72%で得られた。
メトキシクロル172.8mg(0.5mmol)と、10重量%Pt/C9.8mg(白金元素として5.0μmol)と、N,N−ジメチルアセトアミド1.0mlとを、試験管に投入し、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、雰囲気を水素に置換した。引き続き水素雰囲気下、室温にて、24時間撹拌して反応を行った。その後、得られた反応液をセライトを用いてろ過し、更にセライトをジエチルエーテル15mlで洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮し、得られた濃縮物を上記1H−NMRにかけた。得られたスペクトルから、目的生成物である1,1‐ジクロロ‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)エタンの収率を算出した結果、45%(70.0mg相当)であった。なお、原料であるメトキシクロルの転化率は50%であった。
実験6−1において、基質としてメトキシクロルに代えて、(トリクロロメチル)ベンゼン70.8μl(0.5mmol)を用いた以外は、実験6−1と同様に水素化トリブチルスズ存在下にて反応を行い、2種のエーテル層を混合するまでの後処理を行った(プレパラティヴ・TLCによる精製は行わなかった)。得られた混合物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、GC(ガスクロマトグラフィー)分析にて収率を算出した。目的生成物である(ジクロロメチル)ベンゼンの収率は53%であり、副生成物の(モノクロロメチル)ベンゼンが収率1.5%で副生した。(もう一種の副生成物であるトルエンは定量できなかった。)
実験6−1において、基質としてメトキシクロルに代えて、2,6−ジクロロ−4−(トリクロロメチル)ピリジン132.7mg(0.5mmol)を用い、反応時間を7時間から24時間に変更した以外は、実験6−1と同様に水素化トリブチルスズ存在下での反応とプレパラティヴ・TLCによる精製を含む後処理とを行った。スズ除去フィルターによる処理で得られた溶出液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をGC分析したところ、目的生成物である2,6−ジクロロ−4−(ジクロロメチル)ピリジン(2,6−ジクロロ−4−(トリクロロメチル)ピリジンにおいて塩素原子1個が水素原子1個に置き換わって生成した物質)のみが検出され、副生成物は検出されず、目的生成物86.1mgが単離収率75%で得られた。
実験6−1において、基質としてメトキシクロルに代えて、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエタノール112.8mg(0.5mmol)を用い、反応時間を7時間から1時間に変更し、展開溶媒の容量比を20:1から10:1に変更した以外は、実験6−1と同様に水素化トリブチルスズ存在下での反応とプレパラティヴ・TLCによる精製を含む後処理とを行った。スズ除去フィルターによる処理で得られた溶出液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をGC分析したところ、目的生成物である2,2−ジクロロ−1−フェニルエタノール(2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエタノールにおいて塩素原子1個が水素原子1個に置き換わって生成した物質)のみが検出され、副生成物は検出されず、目的生成物50.2mgが単離収率53%で得られた。
実験6−1において、基質としてメトキシクロルに代えて、α−(トリクロロメチル)ベンジルアセテート133.8mg(0.5mmol)を用い、反応時間を7時間から1時間に変更し、展開溶媒の容量比を20:1から10:1に変更した以外は、実験6−1と同様に水素化トリブチルスズ存在下での反応とプレパラティヴ・TLCによる精製を含む後処理とを行った。スズ除去フィルターによる処理で得られた溶出液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をGC分析したところ、目的生成物であるα−(ジクロロメチル)ベンジルアセテート(α−(トリクロロメチル)ベンジルアセテートにおいて塩素原子1個が水素原子1個に置き換わって生成した物質)以外には副生成物がわずかに検出されたのみで(おのおの収率0.1%未満)、目的生成物40.1mgが単離収率34%で得られた。
実験6−1において、基質としてメトキシクロルに代えて、N−(2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル−p−トルイジン141.3mg(0.5mmol)を用い、反応時間を7時間から5時間に変更し、展開溶媒の容量比を20:1から10:1に変更した以外は、実験6−1と同様に水素化トリブチルスズ存在下での反応とプレパラティヴ・TLCによる精製を含む後処理とを行った。スズ除去フィルターによる処理で得られた溶出液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をGC分析したところ、目的生成物であるN−(2,2−ジクロロエトキシ)カルボニル−p−トルイジン(N−(2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル−p−トルイジンにおいて塩素原子1個が水素原子1個に置き換わって生成した物質)のみが検出され、副生成物は検出されず、目的生成物90.6mgが単離収率73%で得られた。
Claims (5)
- トリクロロメチル基を含有する化合物を水素雰囲気下で湿式にて貴金属触媒と接触させて、該トリクロロメチル基中の炭素−塩素結合を1つ切断し塩素を脱離させることを含む、ジクロロメチル基を含有する化合物を得る方法。
- 上記貴金属触媒が、炭素粒子と、該炭素粒子に担持され、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属とを含む触媒である請求項1に係る方法。
- 上記接触がジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルまたはこれらの2種以上の混合物中で行われる請求項1または2に係る方法。
- 上記接触がラジカル的水素源の存在下で行われる請求項1〜3のいずれか1項に係る方法。
- 上記ラジカル的水素源が水素化トリブチルスズである請求項4に係る方法。
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