JP2012111382A - 制音具付き空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】制音具の装着安定性及び取付作業性を向上しうる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2のタイヤ内腔面10に装着されかつタイヤ周方向に沿ってのびるリング状のスポンジ材からなる制音具11とを含む制音具付き空気入りタイヤ1である。制音具11は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、タイヤ赤道面CPを跨いでトレッド幅方向にのびる基部12と、該基部12の両側から幅方向外側へのびかつその最大厚さが基部12の最大厚さよりも小さい一対の副部13とを具える。タイヤ内腔面10に装着される前のリング状の自由状態において、基部12の外周面の周長さは、タイヤ赤道位置でのタイヤ内腔面10の周長さの100%よりも大かつ110%以下であり、副部13の外周面の外径は、基部12の外周面の外径よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、制音具の装着安定性及び取付作業性を向上しうる制音具付き空気入りタイヤに関する。
タイヤ騒音の一つとして、約50〜400Hzの周波数域で発生するロードノイズがある。これは、タイヤ内腔内で生じる気柱共鳴(空洞共鳴)が主な原因である。そこで、タイヤ内腔にスポンジ材からなるタイヤの制音具を装着することによって、ロードノイズを低減する制音具付き空気入りタイヤが例えば、下記特許文献1で提案されている。
上記制音具は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、タイヤ赤道面を跨いでトレッド幅方向にのびる基部と、該基部の両側から幅方向外側へのびかつその最大厚さが前記基部の最大厚さよりも小さい一対の副部とを具える。このような制音具は、リムフランジ側の副部の厚さを小さくすることにより、タイヤ交換時にタイヤ内腔に差し込まれるレバーとの接触を抑制でき、制音具の破損を防ぎうる。
特開2006−143021号公報
しかしながら、上記のような制音具付き空気入りタイヤは、制音具をタイヤ内腔に取付けるために、接着剤や両面テープ等を用いる必要があり、取付作業性が低下するという問題があった。
また、制音具の外周面の外径を大きくして、タイヤ内腔面への半径方向の押圧力により制音具を取付けることも考えられる。しかしながら、制音具は、前記基部及び副部の外周面が同一外径であったため、厚さの小さい副部のタイヤ内腔面への押圧力が相対的に小さく、十分な装着安定性を発揮できないという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、基部と該基部の両側から幅方向外側へのびる厚さが小さい一対の副部とを具えた制音具において、副部の外周面の外径を、基部の外周面の外径よりも大きくすることを基本として、制音具の装着安定性及び取付作業性を向上しうる制音具付き空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部を有する空気入りタイヤと、前記トレッド部のタイヤ内腔面に装着されかつタイヤ周方向に沿ってのびるリング状のスポンジ材からなる制音具とを含む制音具付き空気入りタイヤであって、前記制音具は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、タイヤ赤道面を跨いでトレッド幅方向にのびる基部と、該基部の両側から前記幅方向外側へのびかつその最大厚さが前記基部の最大厚さよりも小さい一対の副部とを具え、しかも、前記タイヤ内腔面に装着される前のリング状の自由状態において、前記基部の前記外周面の周長さは、タイヤ赤道位置での前記タイヤ内腔面の周長さの100%よりも大かつ110%以下であり、前記副部の外周面の外径は、前記基部の外周面の外径よりも大きいことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記副部の前記外周面の最外径は、前記基部の前記外周面の最外径の101〜110%である請求項1に記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記制音具の幅は、前記空気入りタイヤのトレッド幅の60〜80%である請求項1又は2に記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記基部の前記外周面は、一定の外径でトレッド幅方向にのびるとともに、前記各副部の前記外周面は、幅方向外側に向かって半径方向外側に傾斜してのびる傾斜部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記基部の前記外周面は、一定の外径でトレッド幅方向にのびるとともに、前記副部の前記外周面は、前記基部の前記外周面との間に、半径方向外側にのびる段差面を介して連なる請求項1乃至4のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また、請求項6記載の発明は、前記基部の前記外周面は、前記制音具の幅方向の中心から両外側に向かって、半径方向外側に傾斜するとともに、前記副部の前記外周面は、前記基部の外周面に連なって半径方向外側に傾斜する傾斜部を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また、請求項7記載の発明は、前記副部は、前記基部から制音具の幅方向の外側に向かってその厚さが大きくなる請求項1乃至6のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また、請求項8記載の発明は、前記副部は、厚さが一定である請求項1乃至6のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
なお、本明細書では、特に断りがない限り、制音具付き空気入りタイヤの各部の寸法は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態において特定される値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味する。
本発明の制音具付き空気入りタイヤは、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、タイヤ赤道面を跨いでトレッド幅方向にのびる基部と、該基部の両側から幅方向外側へのびかつその最大厚さが基部の最大厚さよりも小さい一対の副部とを有する制音具を具える。この制音具は、タイヤ内腔面に装着される前のリング状の自由状態において、副部の外周面の外径が、前記基部の外周面の外径よりも大きく形成される。
このような制音具は、厚さの小さい副部の外径大きくして、該副部のタイヤ内腔面への押圧力を高めることができる。従って、制音具は、タイヤ軸方向の広範囲に亘ってタイヤ内腔面を大きな力で押圧でき、装着安定性を高めうる。しかも、制音具は、接着剤を使用することなく装着安定性を高めることができるので、取付作業性を向上しうる。
本実施形態の制音具付き空気入りタイヤの断面図である。 図1のタイヤ赤道面に沿った断面図である。 図1の制音具の自由状態の拡大断面図である。 他の実施形態の制音具の自由状態の断面図である。 さらに他の実施形態の制音具を示す自由状態の断面図である。 さらに他の実施形態の制音具を示す自由状態の断面図である。 (a)、(b)は、比較例の制音具を示す自由状態の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の制音具付き空気入りタイヤ1の断面図、図2には、図1のタイヤ赤道面に沿った断面図が示される。本実施形態の制音具付き空気入りタイヤ1は、トレッド部2を有する空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1Aと、トレッド部2のタイヤ内腔面10に装着される制音具11とから構成される。
前記タイヤ1Aは、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、そのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層7とを具え、騒音低減が特に望まれている乗用車用ラジアルタイヤが示される。また、タイヤ1Aは、リムRに装着されることにより、タイヤ内腔面10とリム外表面Roとで囲まれるタイヤ内腔iが区画される。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90度の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aにより構成されている。カーカスコードとしては、例えばポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや必要によりスチールコードが採用される。
また、カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4が適宜補強される。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜40度の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bをベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。ベルトコードは、本例ではスチールコードが採用されているが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。
前記制音具11は、タイヤ周方向に沿ってのびるリングのスポンジ材から形成される。このスポンジ材としては、例えばゴム又は合成樹脂を発泡させた連続及び/又は独立気泡を有するものであれば、種々のものが採用され得る。このようなスポンジ材は、防振性、吸音性が高いため、タイヤ内腔i内で生じた音エネルギーを効果的に吸収してロードノイズを低減し得る。
なお、スポンジ材としては、特に限定されないが、制音性、軽量、発泡の調節容易性及び耐久性などの観点から、エーテル系ポリウレタンスポンジが好ましい。また、スポンジ材の比重は、0.005〜0.060が好ましい。このような低比重のスポンジ材は、タイヤ重量やタイヤバランスの悪化を抑え、かつ空隙率を高めて吸音性をより一層向上しうる。
また、制音具11は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、タイヤ赤道面CPを跨いでトレッド幅方向にのびる基部12と、該基部12の両側から幅方向外側へのびる一対の副部13、13とを具え、略同一の断面形状でタイヤ周方向にのびている。
本実施形態の基部12は、図3に拡大して示されるように、その外周面12oが一定の外径で、トレッド幅方向にのびている。また、基部12の断面形状は、制音具11の幅の中心線CL(この例ではタイヤ赤道Cと一致している。)に関して左右対称であり、しかも前記中心線CLの両側に設けられたタイヤ内腔i(図1に示す)に向かって突出する各一つ(計2つ)の突出部12p、12pを有する。
また、基部12は、タイヤ内腔i側で、突出部12p、12pの間をタイヤ周方向にのびる1本の凹溝12dと、突出部12p、12pの両側に、その厚さが漸減しながら副部13に連続するテーパ部12tとが設けられる。
このような基部12は、タイヤ内腔iに面する制音具11の表面積を増加させ、より多くの共鳴エネルギーを吸収できる。この表面積の増加は、制音具11の放熱性をも向上させ、自らの熱破壊等を防止するのにも役立つ。なお、基部12の断面形状は、このような形態だけでなく、ロードノイズ低減効果等の観点から適宜定められ、凹溝12Dが省略されて、例えば単純な矩形状、台形状、三角形状、又は半円形状など種々のものが採用することができる。
また、本実施形態の基部12は、前記タイヤ内腔面10に装着される前のリング状の自由状態において、その外周面12oの周長さが、空気を充填していないタイヤ1Aのタイヤ赤道C位置でのタイヤ内腔面10の周長さよりも大きく設定される。これにより、基部12は、タイヤ内腔面10に圧縮された状態で装着され、その復元力によりタイヤ内腔面10を強く押圧して、装着安定性が向上する。
上記作用を効果的に発揮させるために、前記基部12の外周面12oの周長さは、タイヤ赤道C位置でのタイヤ内腔面10の周長さの100%よりも大とするが、さらに好ましくは103%以上が望ましい。前記基部12の周長さが小さすぎると、基部12がタイヤ内腔面10を押す力が小さくなり、装着安定性及び耐ノイズ性能が低下するおそれがある。逆に、前記基部12の周長さが大きすぎると、制音具11に折れ曲がり部が生じるなど、取付作業性が低下するおそれがある。このような観点より、基部12の前記周長さは、タイヤ内腔面10の前記周長さの、好ましくは110%以下、さらに好ましくは108%以下が望ましい。
前記副部13は、前記基部12の最大厚さW1mよりも小さい最大厚さW2mで、幅方向外側へのびる。本実施形態の副部13は、その厚さW2が一定に形成される。このような副部13は、タイヤ内腔面10に装着された際に、リムRのリムフランジ側の厚さが小さく設定されるので、タイヤ交換時にタイヤ内腔i(図1に示す)に差し込まれるタイヤレバーとの接触を抑制し、制音具11の損傷を防ぐのに役立つ。
また、本実施形態の副部13は、前記自由状態において、基部12から制音具11の幅方向の外側に向かって、半径方向外側に傾斜してのびる傾斜部13Aを含み、副部13の外周面13oの外径D2が、基部12の外周面12oの外径D1よりも大きく、本実施形態では、幅方向外側に向かって漸増している。
このような副部13は、基部12よりも大きく半径方向内側に圧縮された状態でタイヤ内腔面10に装着される。このような制音具11は、最大厚さW2mが小さい副部13のタイヤ内腔面10へ向く半径方向の押圧力を大幅に高めることができる。従って、制音具11は、例えば接着剤を使用することなくタイヤ内腔面10に安定して装着できる。また、接着剤を使用することなく制音具11を装着したときには、取付作業性が向上する。
さらに、本実施形態の制音具11は、副部13の厚さW2が一定に形成される。これにより、副部13は、タイヤ内腔面10への装着時における圧縮変形により、基部12との間で大きな歪や皺が発生するのを抑制でき、耐久性を向上しうる。なお、副部13は、その厚さW2が一定の場合、幅方向外側へ向かうほど該副部13の剛性が小さくなるが、上述のように、副部13の外周面13oの外径D2を幅方向外側に向かって漸増させることにより、外周面13oの外端13to側でも十分に大きな押圧力を発揮させることができる。
上記作用を効果的に発揮させるために、前記自由状態において、副部13の最外径D2mは、基部12の最外径D1mの好ましくは101%以上、さらに好ましくは102%以上が望ましい。前記副部13の最外径D2mが小さすぎると、制音具11のタイヤ内腔面10への装着安定性が低下するおそれがある。逆に、副部13の最外径D2mが大きすぎると、圧縮時に大きな皺や歪が生じ、取付作業性が低下するおそれがある。このような観点より、副部13の最外径D2mは、基部12の最外径D1mの好ましくは110%以下、さらに好ましくは108%以下が望ましい。
同様の観点より、前記自由状態において、前記副部13の外周面13oの軸方向に対する角度α1は、好ましくは5度以上、さらに好ましくは10度以上が望ましく、また、好ましくは50度以下、さらに好ましくは40度以下が望ましい。
また、副部13は、前記自由状態において、前記最大厚さW2mが、基部12の最大厚さW1mの、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上が望ましい。前記副部13の最大厚さW2mが小さすぎると、タイヤ内腔面10への押圧力を十分に発揮できないおそれがある。逆に、前記副部13の最大厚さW2mが大きすぎると、タイヤレバーと接触して取付作業性が低下するおそれがある。このような観点より、副部13の最大厚さW2mは、前記基部12の最大厚さW1mの、好ましくは70%以下、さらに好ましくは50%以下が望ましい。
また、副部13は、タイヤ内腔面に装着された状態において、外周面13oの内端13tiから外端13toまでの長さL2が、制音具11の幅L1(図1に示す)の、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上が望ましい。副部13のL2が小さすぎると、タイヤ内腔面10を十分に押圧できないおそれがある。逆に、前記副部13の長さL2が大きすぎると、基部12の割合が過度に小さくなり、耐ノイズ性能が低下するおそれがある。このような観点より、副部13の長さL2は、制音具11の幅L1の、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下が望ましい。
図1に示されるように、前記制音具11の幅L1は、トレッド幅TWの、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上が望ましい。前記幅L1が小さすぎると、制音具11がタイヤ内腔面10を十分に押圧できず、装着安定性が低下するおそれがある。逆に、幅L1が大きすぎると、副部13の外端13toが、タイヤ内腔面10が大きく湾曲するバッドレス部14近傍までのび、取付作業性が低下するおそれがある。このような観点より、前記幅L1は、トレッド幅TWの、好ましくは80%以下、さらに好ましくは75%以下が望ましい。
前記トレッド幅TWは、前記正規リムにリム組みし、かつ前記正規内圧を充填した状態で、キャンバー角0度で正規荷重を負荷して接地させたときのトレッド接地端2t、2t間のタイヤ軸方向の距離である。
前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
図4には、他の実施形態の前記自由状態の制音具11が示される。
この制音具11は、副部13が、前記自由状態において、前記基部12から制音具11の幅方向の両側に向かってその厚さW2が大きくなっている。このような副部13は、幅方向外側ほどタイヤ内腔面10に圧縮された状態で装着されるので、装着安定性を向上しうる。
この場合、前記副部13の外周面13oの外端13toでの厚さW2oは、内端13tiでの厚さW2iの、好ましくは105%以上、さらに好ましくは110%以上が望ましい。前記外端13toでの厚さW2oが小さすぎると、上述の効果が十分に期待できない。逆に、前記外端13toでの厚さW2oが大きすぎると、副部13に大きな皺や歪が生じ、取付作業性が低下するおそれがある。このような観点より、外端13toでの厚さW2oは、前記内端13tiでの厚さW2iの、好ましくは200%以下、さらに好ましくは150%以下が望ましい。
図5には、さらに他の実施形態の自由状態における制音具11が示される。
この制音具11は、基部12の外周面12oが、一定の外径D1でトレッド幅方向にのびるとともに、副部13の外周面13oが、基部12の外周面12oとの間で、半径方向外側にのびる段差面15を介して連なっている。このような段差面15は、副部13の押圧力を、幅方向に亘って高めることができ、装着安定性を向上しうる。本実施形態の段差面15は、緩やかな弧状状に形成されるので、タイヤ内腔面10への装着時に歪が生じるのを抑制しうる。
前記自由状態において、前記段差面15の半径方向の長さL3は、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上が望ましい。段差面15の前記長さL3が小さすぎると、上述の効果が十分に期待できないおそれがある。逆に、前記段差面15の前記長さL3が大きすぎると、副部13の圧縮変形が過度に大きくなるおそれがある。このような観点より、前記段差面15の長さL3は、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下が望ましい。
本実施形態の副部13は、前記自由状態において、同一の厚さW2、かつ同一の外径D2でのびている。これにより、副部13は、タイヤ内腔面10への押圧力を、幅方向に亘って略均一にでき、装着安定性をさらに向上しうる。なお、仮想線で示すように、段差面15と副部13の外周面13oとの間を面取りすることも好ましい。これにより、タイヤ内腔面10への装着時において、基部12と副部13との境界部の歪を緩和し、耐久性を向上しうる。
図6には、さらに他の実施形態の前記自由状態における制音具11が示される。
この制音具11は、基部12の外周面12oが、前記自由状態において、制音具11の幅方向の中心から両外側に向かって半径方向外側に夫々傾斜するとともに、副部13の外周面13oが、基部12の外周面12oに連なって半径方向外側に傾斜する傾斜部13Aを有する。
このような制音具11は、幅方向両側に向かってタイヤ内腔面10への押圧力を徐々に高めることができるので、装着安定性をさらに向上しうる。さらに、本実施形態の副部13は、基部12から幅方向両側に向かって、その厚さW2が大きくなっている。これにより、副部13は、外周面13oの傾斜部13Aとの相乗効果により、幅方向両側のタイヤ内腔面10への押圧力を効果的に高めることができ、装着安定性をさらに向上しうる。
前記自由状態において、基部12の外周面12o及び副部13の外周面13oの軸方向に対する角度α2は、好ましくは3度以上、さらに好ましくは5度以上が望ましい。前記角度α2が小さすぎると、上述の効果が十分に期待できないおそれがある。逆に、角度α2が大きすぎると、制音具11の圧縮変形が過度に大きくなるおそれがある。このような観点より、角度α2は、好ましくは15度以下、さらに好ましくは10度以下が望ましい。
なお、本実施形態において、前記副部13の外周面13oの内端13tiは、基部12のテーパ部12tの延長線と副部13の内周面13iの延長線との交点P1から、外周面13oにのびる法線16と該外周面13oとの交点としている。
また、本実施形態では、基部12の外周面12oの傾斜と、副部13の外周面13oの傾斜部13Aとの角度が同一のものが示されたが、それおぞれ異ならせてもよい。また、副部13の外周面13oには、傾斜部13Aのほかに、例えば、同一の外径D2でのびる同径部が設けられてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
表1に示す制音具を有する制音具付き空気入りタイヤが製造され、それらの性能が評価された。また、比較として、制音具のない空気入りタイヤ(比較例1)、図7(a)に示される従来の制音具を接着剤を用いて装着した制音具付き空気入りタイヤ(比較例2)、図7(b)に示される副部の外周面の外径と基部の外周面の外径とが等しい制音具を有する制音具付き空気入りタイヤ(比較例3)についても、同様にテストされた。なお、共通仕様は以下のとおりである。
タイヤサイズ:215/45R17
リムサイズ:17×7JJ
トレッド幅TW:177mm
タイヤ内腔面の周長さ:1912mm
制音具:
材料:エーテル系ポリウレタンスポンジ(丸鈴(株)製「E16」)
比重:0.016
タイヤへの装着方法:圧入とし、タイヤ内腔面には接着していない。
テスト方法は次の通りである。
<耐ノイズ性能>
各制音具付空気入りタイヤを上記リムにリム組み後し、国産2000ccのFF車の全輪に装着し、ロードノイズ計測路(アスファルト粗面路)を速度60km/hで走行させたときの車内騒音を運転席窓側耳許位置に設置したマイクロホンで採取し、狭帯域230Hz付近の気柱共鳴音のピーク値の音圧レベルが測定された。評価は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が小さい程良好である。
<取付作業性>
各供試制音具を空気入りタイヤのタイヤ内腔面に取り付ける際に生じるコストを、比較例2を100とする指数で表示した。数値が小さいほど良好である。
<装着安定性(耐久性)>
各制音具付き空気入りタイヤを、上記リムにリム組みし、下記の条件でドラム試験機上を走行させ、走行距離1000kmごとに、各制音具の位置ズレや損傷等の不具合の有無を肉眼で確認し、不具合が発生するまでの距離を測定した。評価は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
荷重:4.0kN
走行速度:100km/h
ドラム直径:1.7m
テストの結果を表1に示す。
Figure 2012111382
Figure 2012111382
テストの結果、実施例のタイヤは、制音具の装着安定性及び取付作業性を向上しうることが確認できた。
1 制音具付き空気入りタイヤ
1A 空気入りタイヤ
2 トレッド部
10 タイヤ内腔面
11 制音具
12 基部
13 副部

Claims (8)

  1. トレッド部を有する空気入りタイヤと、前記トレッド部のタイヤ内腔面に装着されかつタイヤ周方向に沿ってのびるリング状のスポンジ材からなる制音具とを含む制音具付き空気入りタイヤであって、
    前記制音具は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、タイヤ赤道面を跨いでトレッド幅方向にのびる基部と、該基部の両側から前記幅方向外側へのびかつその最大厚さが前記基部の最大厚さよりも小さい一対の副部とを具え、
    しかも、前記タイヤ内腔面に装着される前のリング状の自由状態において、前記基部の前記外周面の周長さは、タイヤ赤道位置での前記タイヤ内腔面の周長さの100%よりも大かつ110%以下であり、
    前記副部の外周面の外径は、前記基部の外周面の外径よりも大きいことを特徴とする制音具付き空気入りタイヤ。
  2. 前記副部の前記外周面の最外径は、前記基部の前記外周面の最外径の101〜110%である請求項1に記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  3. 前記制音具の幅は、前記空気入りタイヤのトレッド幅の60〜80%である請求項1又は2に記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  4. 前記基部の前記外周面は、一定の外径でトレッド幅方向にのびるとともに、
    前記各副部の前記外周面は、幅方向外側に向かって半径方向外側に傾斜してのびる傾斜部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  5. 前記基部の前記外周面は、一定の外径でトレッド幅方向にのびるとともに、
    前記副部の前記外周面は、前記基部の前記外周面との間に、半径方向外側にのびる段差面を介して連なる請求項1乃至4のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  6. 前記基部の前記外周面は、前記制音具の幅方向の中心から両外側に向かって、半径方向外側に傾斜するとともに、
    前記副部の前記外周面は、前記基部の外周面に連なって半径方向外側に傾斜する傾斜部を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  7. 前記副部は、前記基部から制音具の幅方向の外側に向かってその厚さが大きくなる請求項1乃至6のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  8. 前記副部は、厚さが一定である請求項1乃至6のいずれかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
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