JP2012110631A - 充電機能付きキャリングケース - Google Patents

Abstract

【課題】 従来の充電手段を有するキャリングケースにおいては、収納されるモバイル装置との電気的接続手段の形態が限定的で汎用性が低く、例えば、接続様態の異なる装置を複数同時に充電するといった広範な使い勝手を提供することができなかった。また、電力伝送手段として接触式端子を用いているため、装置の収納方向や収納手順が物理的に制限され、キャリングケースとしての利便性を著しく損なっていた。
【解決手段】 キャリングケースの内部に設置される収納機器の固定部材に充電手段を設置した。充電手段には電磁誘導による電力伝送方式を用いた。
【選択図】 図２

Description

本発明は、充電機能を付加したキャリングケースに関するものである。

デジタルカメラや携帯電話といった所謂モバイル装置は、一般的に装置本体部分とバッテリーパックから構成されている。バッテリーパックは充電可能な二次電池が用いられ、装置本体に着脱可能に装着される。

バッテリーパックの充電には電源アダプターやクレードルといった充電用アクセサリーが用意されており、バッテリーパックもしくはバッテリーパックを装着したモバイル装置を取り付けることで、充電を行うことができる。こうした充電用アクセサリーは、対象となるモバイル装置の形態に特化した専用機器であることが多く、旅行などで長期間モバイル装置を持ち出す場合には、それらアクセサリーも同時に携行する必要があった。

こうした課題を解消する手段として、モバイル装置を運搬する際の保護手段であるカメラケースやキャリングケースに、充電機能を付加した提案がなされている（特許文献１、特許文献２参照）。

特開平9-36409号公報 特開平10-146213号公報

しかしながら、特許文献１や特許文献２においては、収納されるモバイル装置との電気的接続手段の形態が限定的で汎用性が低く、例えば、接続様態の異なる装置を複数同時に充電するといった広範な使い勝手を提供することができなかった。また、電力伝送手段として接触式端子を用いているため、装置の収納方向や収納手順が物理的に制限され、キャリングケースとしての利便性を著しく損なっていた。

上記問題を解決するため、本発明では、キャリングケースの内部に設置される収納機器の固定部材に充電手段を設置した。充電手段には電磁誘導による電力伝送方式を用いた。

上記構成によれば、形態の異なる複数の電子機器の同時充電が可能となる。また、収納空間内における電子機器の収納位置、姿勢に自由度があるので、キャリングケースとしての使い勝手に優れる。

本発明によるキャリングケースの概略構成を示す斜視図である。 本発明によるキャリングケースの概略構成を示す斜視図である。 本発明による充電用シートの概略構成を示す分解斜視図である。 本発明によるキャリングケースの使用状態を示す斜視図である。 本発明によるキャリングケースの電力伝送の様態を示すブロック図である。 本発明によるキャリングケースの概略構成を示す斜視図である。 本発明によるキャリングケースの概略構成を示す斜視図である。 本発明による充電用シートの概略構成を示す断面図である。 本発明によるキャリングケースの使用状態を示す斜視図である。

以下、この発明を実施するための最良の形態を実施例に即して説明する。

［実施例１］
図１乃至図６は、本発明を適用したキャリングケースの第１の実施例を示すものである。

図１及び図２は本発明によるキャリングケースの概略を示したもので、図１はキャリングケースの外観図、図２は説明のためキャリングケースを一部カットした図である。

図１及び図２において、101はケース本体、102はケース蓋、103は仕切り板、104は充電用シート、105は底板、106は収納部、107はプリント基板、108は接続ケーブル、109はＡＣコードである。

ケース本体101およびケース蓋102はアルミニウム等の金属あるいは遮光性をもったプラスチックによって形成されている。ケース蓋102は回転軸102aによってケース本体101に開閉可能に軸支されている。

仕切り板103は、両側端部の固定部103aにマジックテープ(登録商標)103bが縫着されており、ケース本体101内壁の任意の位置に着脱可能に設置されている。

仕切り板103内部には、充電用シート104が備えられている。充電用シート104には、後述するように、電磁誘導を用いた非接触送電手段が設けられており、同じく電磁誘導による受電手段を有する電子機器を近接収納することで、該電子機器に対して充電を行うことができる。

底板105はケース本体101の内奥部に固定されており、ケース101の内壁とともに収納部106を形成している。底板105の一部には、仕切り板103を移動する際の接続ケーブル108の動線を確保するため、長孔105aが形成されている。

プリント基板107は、収納部106の下方に固設されており、充電信号を生成するためのインバーター回路や制御回路が実装されている。

接続ケーブル108は、プリント基板107と充電シート104を電気接続し、インバーター回路により生成された送電信号を充電シート104に供給する。

ＡＣコード109は、プリント基板107に接続されており、外部のＡＣ電源からの電力を供給する。

次に、充電用シート104について説明する。図３は仕切り板103及び充電用シート104の構成を示した図である。

充電用シート104は２枚のシートが積層されて成る。それぞれのシートには、電力を伝送する送電コイル104a、受電側コイルの位置を検出する位置検出コイル104bが複数個設けられており、各々が１対ずつの組み合わせでマトリクス状に配置されている。

受電側電子機器が充電用シート104に近接すると、該電子機器に設けられた受電コイルによって位置検出コイル104bのインピーダンスが変化する。これをコイルごとに検出して相手側受電コイルの位置を特定し、対となる送電コイル104aに電力を供給する。受電側コイルに対して最適な位置関係にある送電コイルに選択的に電力を供給することにより、効率の高い電力伝送を行うことができる。

図４は、上記構成のキャリングケースに、電磁誘導による非接触受電手段を有する受電側電子機器を収納した様態を示した図である。説明のためキャリングケースを一部カットしている。図４において、110はカメラ、111はバッテリーパックである。

カメラ110には、充電シート104からの送電を受ける受電コイル110a、受電コイル110aからの電力を蓄電する２次電池110bが備えられている。同様に、バッテリーパック111にも、受電コイル111a、２次電池111bが備えられている。

カメラ110およびバッテリーパック111は、仕切り板103によって分割された収納部105のそれぞれのスペースに個別に収納される。仕切り板103は任意の位置で設置可能であるため、収納されるカメラ或いはバッテリーパックを、各々の形態に合わせた最適な位置、姿勢で保持することができる。

図５は本実施例の送電コイル104a及び受電コイル110a、111aによる、電力伝送の様態を示すブロック図である。112は制御回路、113はトランジスタ、114は送電スイッチ、115は外部ＡＣ電源、116はインバーター回路、117は充電制御回路である。他の符号は上述の説明と同一であるため、省略する。

位置検出コイル104bのインピーダンス変化はトランジスタ113で検出される。制御回路112は、トランジスタ113からの信号に基づいて相手受電コイル110a或いは111aの位置を特定し、近接する送電コイル104aに接続された送電スイッチ114を動作させる。

同時に、外部ＡＣ電源115からの交流電圧によってインバーター回路116が駆動され、所定の周波数の送電信号が送電コイル104aに供給される。送電コイル104aに流れる電流で生ずる磁束或は磁力線によって受電コイル110a、111aに電流が誘起され、電流又は電圧によって２次電池110b、111bが充電制御回路117を介して充電される。

本実施例では、受電側電子機器の例としてカメラ及びバッテリーパックを用いて説明したが、電磁誘導による電力伝送手段を備える機器であれば、如何なる機能、形態を有する機器であっても受電側機器として適用可能であることは言うまでもない。

尚、本実施例で示した充電用シート104は、仕切り板103内に設置されることから、ある程度の薄さと柔軟性が要求されるが、有機トランジスタとＭＥＭＳスイッチの集積化により、こうした特性を満足した電力伝送シートが提案されている。（T. Sekitani, M. Takamiya, Y. Noguchi, S. Nakano, Y. Kato, K. Hizu, H. Kawaguchi, T. Sakurai, and T. Someya, "A Large-Area Flexible Wireless Power Transmission Sheet Using Printed Plastic MEMS Switches and Organic Field-Effect Transistors ," IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), San Francisco, USA, pp. 287 - 290, Dec. 2006.）
［実施例２］
図６乃至図９は本発明を適用したキャリングケースの第２の実施例を示すものである。

本実施例は、収納機器の保持部材を柔軟性を持つバンド状としている点で上述した第一の実施例との差異があるが、他の構成は同様である。以下、第一の実施例と異なる部分のみ説明する。

図６及び図７は本発明によるキャリングケースの概略を示したもので、図６はキャリングケースの外観図、図７は図６に示した面ＡにおけるＳ方向の断面図である。

図６及び図７において、201はケース本体、202はケース蓋、203は固定バンド、204は底板、205はプリント基板、206は接続ケーブル、207はＡＣコードである。

固定バンド203は、布或いはビニールといった柔軟性を有する素材から成り、底板204に複数個設置されている。表裏にはマジックテープ(登録商標)が縫着されており、収納機器に巻付してケース本体201内に固定することができる。

固定バンド203内には電磁誘導を用いた非接触送電手段が設けられており、同じく電磁誘導による受電手段を有する電子機器と近接することで、該電子機器に対して充電を行うことができる。固定バンド203は、接続ケーブル206によってプリント基板205と個別に電気接続され、プリント基板205に実装されたインバーター回路から送電信号が供給される。

図８は固定バンド203の内部構成を示した断面図である。

固定バンド203内には２枚のシートが積層されている。それぞれのシートには、電力を伝送する送電コイル203a、受電側コイルの位置を検出する位置検出コイル203bが複数個設けられており、各々が１対ずつの組み合わせでマトリクス状に配置されている。各々のコイルを含めた回路構成およびコイル検出、充電動作については第一の実施例と同様である。

図９は、上記構成のキャリングケースに、電磁誘導による非接触受電手段を有する受電側電子機器を収納した様態を示した図である。図９において、208はカメラ、209はバッテリーパックである。図９は説明のためキャリングケースを一部カットしている。

カメラ208には、送電コイル203aからの送電を受ける受電コイル208a、受電コイル208aからの電力を蓄電する２次電池208bが備えられている。同様に、バッテリーパック210にも、受電コイル209a、２次電池209bが備えられている。

カメラ208およびバッテリーパック209は、固定バンド203によって個別に固定される。固定バンド203は柔軟性を有し、かつ内部に充電手段を設けているので、収納されるカメラ208或いはバッテリーパック209を各々の形態に合わせた最適な位置、姿勢で密着保持するとともに、送電コイル203a及び受電コイル充電208a、209aを介して充電することができる。

尚、本実施例においても、電磁誘導による電力伝送手段を備える機器であれば、如何なる機能、形態を有する機器であっても受電側機器として適用可能であることは、第一の実施例と同様である。

102a 回転軸
103a 固定部
103b マジックテープ(登録商標)
104a 送電コイル
104b 位置検出コイル
105a 長孔
110a 受電コイル
110b ２次電池
111a 受電コイル
111b ２次電池
203a 送電コイル
203b 位置検出コイル
208a 受電コイル
208b ２次電池
209a 受電コイル
209b ２次電池

Claims (5)

1. 充電可能な収納物を収納する収納部と、
   前記収納部に設置され、前記収納物の位置若しくは姿勢を保持する保持部材を備えたキャリングケースであって、
   前記保持部材に前記収納物の充電手段を設けたことを特徴とするキャリングケース。
2. 前記充電手段は、電磁誘導による電力伝送手段であることを特徴とする請求項１に記載のキャリングケース。
3. 前記保持部材は、前記収納部を複数の空間に分割する仕切り部材であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のキャリングケース。
4. 前記仕切り部材は、前記収納部内を移動可能に設置されることを特徴とする請求項３に記載のキャリングケース。
5. 前記保持部材は、前記収納部に前記収納物を固定する支持バンドであることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のキャリングケース。