JP2012109127A - X線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 X線管の出力を迅速に変更して透視または連続撮影の追従性を向上させることができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】 フィラメント電流変化量演算部61により演算した現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量の絶対値が設定値以上の場合に、現在のパルス出力のX線条件と次のパルス出力のX線条件とに基づいてフィラメント電流演算部62により演算したパルス間フラッシュ制御時のフィラメント電流となるように、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御を実行する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、X線を利用した透視あるいは連続撮影を行うX線検査装置に関する。
診断または治療に使用されるX線検査装置においては、X線管から出射されたX線が被検者を通過した後、I.I(イメージインテンシファイア)やFPD(フラットパネルディテクタ)等のX線検出器に入射してX線画像が検出される。X線透視を行うX線検査装置においては、例えば、7.5〜60fps(Frame Per Second)程度のフレームレートでX線をパルス出力して透視画像を得ている。このようなX線検査装置においては、被検者の体格(体厚)や部位に応じてX線条件を変更して被検者に入射するX線量を調整することで、被検者の体格や部位にかかわらず一定の輝度を保つための自動輝度調整機構と呼称される機能が備えられている。また、一秒間に数フレーム〜数十フレーム程度の連続撮影を行うX線検査装置においても、X線のパルス出力におけるX線条件を被検者の体格や部位に応じて変更する機能が設けられている。
このようなX線条件については、管電圧(kV)、管電流(mA)および透視または撮影パルス幅という3種類のパラメータを変更している。すなわち、例えば手の透視または連続撮影を行う場合のように極めて低線量のX線条件から、例えば胸厚の大きい患者の心臓の斜めからの観察の場合のように、極めて高線量のX線条件まで、広い範囲でX線条件を変更するために、管電圧(kV)および管電流(mA)の2パラメータ、または、これに透視または撮影パルス幅を加えた3パラメータを制御している。
そして、上述したパラメータの制御は、画像の輝度等を適切に調整するためだけではなく、透視あるいは連続撮影中に、X線管およびX線検出器と被検者との相対位置を変更することにより異なる部位に対して連続して検査を行う場合等において、自動的にX線条件を検査条件に追従させるという目的でも使用される。
なお、撮影開始時にX線管のフィラメントを迅速に加熱するため、フィラメント電流を一時的に高くするプリフラッシュと呼称されるフィラメント電流の制御方法も提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−120548号公報
上述した従来のX線検査装置において、低線量で透視または連続撮影が可能な部位から、透視または連続撮影を継続したまま、高線量が必要な部位まで目的とする部位を移動した場合においては、管電圧が既定値を超えてしまったり、管電流が大きくなりすぎるという問題が生じる。
すなわち、一般的にX線管は、ある設定管電圧の時に、それに対応する設定管電流を出力するのに必要なフィラメント電流値を記憶しておき、設定管電圧および設定管電流によってフィラメント電流を変化させることで、X線の出力制御を行っている。そして、上述したフィラメント電流は、管電圧および管電流との関係をテーブルとして記憶している。しかしながら、実際に管電流を制御するためのファクターは、実測不能なフィラメントの温度であることから、フィラメント電流を正しい値に制御しても、そのときのフィラメントの温度が想定値よりも低い場合には、目的とする管電流よりも小さい管電流が出力されることになる。また、これとは逆に、フィラメント電流を正しい値に制御しても、そのときのフィラメントの温度が想定値よりも高い場合には、目的とする管電流よりも大きな管電流が出力されることになる。
従来のX線検査装置において、低線量で透視または連続撮影が可能な部位から、透視または連続撮影を継続したまま、高線量が必要な部位まで目的とする部位を移動した場合や、高線量で透視または連続撮影が必要な部位から、透視または連続撮影を継続したまま、低線量で透視または連続撮影が可能な部位まで目的とする部位を移動した場合には、フィラメントの温度が必要な温度に上昇、または、下降するのに時間がかかり、必要なレスポンスが得られず、撮影部位の移動に必要な追従性が得られないという問題が生ずることになる。このような現象は、対象部位を変更した場合のみならず、初期のX線条件が目標となるX線条件と大きくずれていた場合等にも、同様に生ずる問題である。
また、X線管に対して高管電圧低管電流を付与したときの第1のパルス出力と、X線管に対して低管電圧高管電流を付与したときの第2のパルス出力とを、所定の間隔で交互に出力してサブトラクション画像を得ることにより、X線吸収係数が異なる組織を抽出するデュアルエネルギーサブトラクション撮影を実行するX線検査装置においても、第1のパルス出力と第2のパルス出力との間で、フィラメントの温度が必要な温度に上昇、または、下降するのに時間がかかり、デュアルエネルギーサブトラクション撮影に必要な追従性が得られないという問題が生ずる場合がある。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、X線管の出力を迅速に変更して透視または連続撮影の追従性を向上させることができるX線検査装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、X線管からX線を所定の間隔でパルス出力して透視または連続撮影を行うとともに、X線管のフィラメント電流を変化させることにより、パルス出力のX線条件を変更するX線検査装置において、現在のパルス出力のX線条件と次のパルス出力のX線条件とに基づいて、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御を実行する制御部を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、管電流および管電圧により決定される現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを演算するフィラメント電流変化量演算部を備え、前記制御部は、前記フィラメント電流変化量演算部により演算した現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、前記パルス間フラッシュ制御を実行する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記フィラメント電流変化量演算部は、目標画像輝度Xrと、現在の画像輝度Xと、現在のパルス出力の管電圧kV1とから次のパルス出力の管電圧kV2を求め、この管電圧kV2と予め記憶した管電圧と管電流との関係を示すデータから次のパルス出力の管電流I2を求め、現在のパルス出力の管電流I1と、次のパルス出力の管電流I2と、現在のパルス出力の管電圧kV1と、次のパルス出力の管電圧kV2とに基づいて、前記フィラメント電流のパルス出力間の変化量ΔIを求め、この変化量ΔIをパルス出力間隔Δtで除算することにより前記現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを演算する。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記制御部は、前記パルス間フラッシュ制御時のフィラメント電流PIを演算するフィラメント電流演算部を備え、当該フィラメント電流演算部は、フィラメント電流を変化させるときのゲインをG、パルス間フラッシュ制御時のパルス間フラッシュ時間をtp、次のパルス出力時のフィラメント電流をPI2としたときに、下記の式により前記パルス間フラッシュ制御時のフィラメント電流PIを演算する。
PI=G*C/tp+PI2
請求項5に記載の発明は、X線管に対して低管電圧高管電流を付与したときの第1のパルス出力と、前記X線管に対して高管電圧低管電流を付与したときの第2のパルス出力とを、所定の間隔で交互に出力することによりサブトラクション画像を得る、デュアルエネルギーサブトラクション撮影用のX線検査装置において、前記第1のパルス出力時のX線条件と前記第2パルス出力時のX線条件とに基づいて、前記第1のパルス出力後前記第2のパルス出力前において、フィラメント電流を一時的に小さくするとともに、前記第2のパルス出力後前記第1のパルス出力前において、フィラメント電流を一時的に大きくすることによるパルス間フラッシュ制御を実行する制御部を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記制御部は、管電流および管電圧により決定される第1のパルス出力時のフィラメント電流と第2のパルス出力時のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを演算するフィラメント電流変化量演算部を備え、前記制御部は、前記フィラメント電流変化量演算部により演算した第1のパルス出力時のフィラメント電流と第2のパルス出力時のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cが設定値以上の場合に、前記パルス間フラッシュ制御を実行する。
請求項1に記載の発明によれば、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御を実行することにより、フィラメントの温度を制御してX線管の出力を迅速に変更することができ、透視または連続撮影の追従性を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cが設定値以上となって透視または連続撮影に必要な追従性が得られないと予想される場合に、パルス間フラッシュ制御を実行することにより、フィラメントの温度を制御してX線管の出力を迅速に変更することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、目標画像輝度Xrと現在の画像輝度Xとを利用することにより、フィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを容易に演算することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、フィラメント電流演算部によりパルス間フラッシュ制御時のフィラメント電流PIを演算することにより、パルス間フラッシュ制御を正確に実行することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、サブトラクション画像を得るためにX線管のフィラメント電流の大きさを交互に切り換える場合に、パルス間フラッシュ制御を実行することにより、デュアルエネルギーサブトラクション撮影の追従性を向上させることが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、第1のパルス出力時のフィラメント電流と第2のパルス出力時のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cが設定値以上となってデュアルエネルギーサブトラクション撮影に必要な追従性が得られないと予想される場合に、パルス間フラッシュ制御を実行することにより、フィラメントの温度を制御してX線管の出力を迅速に変更することが可能となる。
この発明の第1実施形態に係るX線検査装置の概要図である。 X線管制御部5を、X線管3、制御部6および記憶部7とともに示すブロック図である。 透視時のX線管3に供給する管電流と管電圧の関係を示すグラフである。 X線管3に供給すべき管電流および管電圧とそのときのフィラメント電流値との関係を示すテーブルである。 パルス間フラッシュ制御を説明するための説明図である。 パルス間フラッシュ制御を説明するための説明図である。 この発明の第2実施形態に係るX線検査装置の概要図である。 第2実施形態に係るX線検査装置におけるパルス間フラッシュ制御を説明するための説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係るX線検査装置の概要図である。
このX線検査装置は、被検体である被検者1を載置するテーブル2と、X線管3と、フラットパネルディテクタ4と、X線管3に付与する管電圧や管電流を制御するX線管制御部5と、制御部6と、記憶部7と、液晶表示パネルあるいはCRT等の表示部8とを備える。また、制御部6は、後述するフィラメント電流変化量演算部61およびフィラメント電流演算部62と、自動輝度調整部63とを備える。
このX線検査装置は透視あるいは連続撮影を行うためのものであり、X線管3からテーブル2上の被検者1に向けてX線をパルス出力し、被検者1を通過したX線をフラットパネルディテクタ4により検出するとともに、制御部6において検出されたX線を画像処理し、画像処理されたX線による映像信号を利用して表示部8にX線透視像またはX線連続撮影像を表示するとともに、連続撮影の場合にはその画像情報を記憶部7に保存する構成を有する。
このとき、自動輝度調整部63は、表示部8に表示する画像の輝度を一定とするため、フラットパネルディテクタ4からの画像信号に基づいて、X線管制御部5からX線管3に印加する管電圧および管電流をフィードバック制御する。この自動輝度制御部63としては、例えば、IBS回路やABC回路が使用される。
図2は、上述したX線管制御部5を、X線管3、制御部6および記憶部7とともに示すブロック図である。
このX線管制御部5は、商用の交流電源54と接続された、高電圧供給回路51およびフィラメント電流供給回路52を備える。高電圧供給回路51は、制御部6からの制御信号を受け、X線管3に付与する管電圧を制御する。また、フィラメント電流供給回路52は、制御部6からの制御信号を受け、X線管3のフィラメント31に供給するフィラメント電流を制御する。X線管3においては、フィラメント電流を付与され加熱された陰極のフィラメント31からは、熱電子Aが発生する。この熱電子Aは、陽極32に衝突してX線Bを照射させる。このときの、X線管3がX線を照射するときの管電流値は、管電流検出部53により検出される。
なお、フィラメント31に供給するフィラメント電流の電流値が大きくなった場合には、より多くの熱電子Aが陰極のフィラメント31から陽極32に向かって放出されることになり、管電流値が大きくなってより大きな線量のX線が照射されることになる。但し、同じフィラメント電流が供給された場合であっても、そのときのフィラメント31の温度が想定値よりも低い場合には、目的とする管電流よりも小さい管電流が出力されることになる。また、これとは逆に、フィラメント電流を正しい値に制御しても、そのときのフィラメント31の温度が想定値よりも高い場合には、目的とする管電流よりも大きな管電流が出力されることになる。
上述した記憶部7は、X線撮影時にX線管3に供給すべき管電流と管電圧との撮影条件と、その撮影条件下でX線管3のフィラメント31に供給すべきフィラメント電流を記憶している。
図3は、記憶部7に記憶された、透視時のX線管3に供給する管電流と管電圧の関係を示すグラフである。
この図において太線で示すカーブは、透視時においてX線管3に供給する管電流と管電圧の関係を示している。透視時においては、表示部8に表示される画像の輝度を一定にするために、X線管3に供給される管電圧が調整される。そして、X線管3に供給される管電圧が決定すれば、図3に示すグラフに従って、X線管3に供給される管電流が、一意的に決定される。
図4は、記憶部7に記憶された、X線管3に供給すべき管電流および管電圧とそのときのフィラメント電流値との関係を示すテーブルである。なお、このテーブルにおける数字に付すべき単位はA(アンペア)である。
この図に示すように、所定の管電圧と管電流とによりX線撮影を実行するためのフィラメント電流値が、X線管3に供給すべき管電流および管電圧との関係において、テーブルとして記憶部7に記憶されている。すなわち、フィラメント電流Iは、下記の式(1)に示すように、管電圧kVと管電流mAの関数として求められる。
I=f(kV,mA)(1)
なお、これらのフィラメント電流値は、予め実験的に求められたものである。管電圧および管電流として、このテーブルに表示されていない値を採用するときには、このテーブルを用いて補間された値を使用する。
次に、上述した第1実施形態に係るX線検査装置によりX線検査としての透視を行う場合の動作について説明する。
X線を所定の間隔でパルス出力するに当たり、目標画像輝度Xrと現在の画像輝度Xとから、次のパルス出力時の管電圧を決定する。この場合には、目標画像輝度Xrと現在の画像輝度Xとの差による管電圧の変化量をΔkVとし、画像輝度と管電圧の関係を示すレスポンスのパラメータをDとした場合、下記の式(2)が成立する。
ΔkV=(Xr−X)*D (2)
この場合には、現在のパルス出力の管電圧kV1と次のパルス出力の管電圧kV2との関係は、下記の式(3)で表される。
kV2=kV1+ΔkV (3)
現在のパルス出力時のフィラメント電流I1と次のパルス出力時のフィラメント電流I2とは、下記の式(4)および式(5)に示すように、現在のパルス出力時の管電圧kV1および管電流mA1と、次のパルス出力時の管電圧kV2および管電流mA2の関数として求められる。
I1=f(kV1,mA1) (4)
I2=f(kV2,mA2) (5)
そして、現在のパルス出力から次のパルス出力までの間のフィラメント電流の変化量ΔIは、下記の式(6)で表される。
ΔI=I2−I1 (6)
下記の式(7)に示すように、このフィラメント電流の変化量ΔIを、パルス出力の間隔Δtで除算することにより、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cが求められる。なお、パルス出力の間隔Δtは、透視のフレームレートが30fps(Frame Per Second)の場合には33msとなり、2fpsの場合には500msとなる。
C=ΔI/Δt (7)
この一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cは、図1に示すフィラメント電流変化量演算部61により演算される。
そして、この一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御を実行する。
すなわち、フィラメント電流の変化量が比較的大きい場合であっても、透視のフレームレートが小さくX線のパルス出力間隔が大きな場合には、フィラメント31の温度を制御して透視の追従性を得ることは可能となる。一方、フィラメント電流の変化量が比較的小さな場合であっても、透視のフレームレートが大きくX線のパルス出力間隔が小さな場合には、フィラメント31の温度を制御して透視の追従性を得ることは困難となる。このため、この実施形態に係るX線検査装置においては、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、パルス間フラッシュ制御を実行するようにしている。
図5および図6は、パルス間フラッシュ制御を説明するための説明図である。なお、図5はX線量が徐々に増加する場合を示し、図6はX線量が徐々に減少する場合を示している。
このパルス間フラッシュ制御は、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくする制御方法である。図5に示すようにX線量が徐々に増加する場合においては、従来、図5(a)に示すように、X線のパルス出力時のX線量(管電流の大きさ)に対応させて、フィラメント電流を上昇させていた。しかしながら、X線量を増加させる割合が大きく、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cが一定以上となった場合には、フィラメント31の温度が必要な温度に上昇するのに時間がかかり、X線量の変化において必要なレスポンスが得られず、撮影部位の移動等に必要な追従性が得られないという問題が生じている。このため、X線量が徐々に増加する場合においては、図5(b)に示すように、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくすることによって、フィラメント31の温度を素早く上昇させ、X線量を迅速に増加させて透視の追従性を向上させている。
なお、この明細書においては、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御において、一時的にフィラメント電流を変化させる動作をパルス間フラッシュと呼称する。そして、この場合において、パルス間フラッシュ時間(フィラメント電流を一時的に変化させる時間)をtp、パルス間フラッシュ電流(変化させたフィラメント電流)をPI、次のパルス出力時のフィラメント電流をPI2とした場合、下記の式(8)が成立する。
PI=Gu*C/tp+PI2 (8)
ここで、Guは、フィラメント電流を大きくする方向で変化させるときのゲインである。すなわち、Guは、フィラメント温度を上昇させるときに、上述したフィラメント電流の変化量C(C=ΔI/Δt)とパルス間フラッシュ時間tpとに基づいてパルス間フラッシュ電流PIを決定するための係数である。
一方、図6に示すようにX線量が徐々に増加する場合においては、従来、図6(a)に示すように、X線のパルス出力時のX線量(管電流の大きさ)に対応させて、フィラメント電流を下降させていた。しかしながら、X線量を減少させる割合が大きく、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cの絶対値が一定以上となった場合には、フィラメント31の温度が必要な温度まで下降するのに時間がかかり、X線量の変化において必要なレスポンスが得られず、撮影部位の移動等に必要な追従性が得られないという問題が生じている。このため、X線量が徐々に減少する場合においては、図6(b)に示すように、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に小さくすることによって、フィラメント31の温度を素早く下降させ、X線量を迅速に減少させて透視の追従性を向上させている。
この場合には、Gdを、フィラメント電流を小さくする方向で変化させるときのゲイン、すなわち、Gdを、フィラメント温度を下降させるときに、上述したフィラメント電流の変化量C(C=ΔI/Δt)とパルス間フラッシュ時間tpとに基づいてパルス間フラッシュ電流PIを決定するための係数とした場合、下記の式(9)が成立する。
PI=Gd*C/tp+PI2 (9)
なお、フィラメント電流を大きくする方向で変化させるときのゲインGuとフィラメント電流を小さくする方向で変化させるときのゲインGdとが同一である場合には、式(8)または式(9)のいずれか一方を利用すればよい。ここで、上述したパルス間フラッシュ電流PIは、図1に示すフィラメント電流演算部62により演算される。
以上のように、この発明の第1実施形態に係るX線検査装置においては、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御を実行することから、フィラメントの温度を制御してX線管の出力を迅速に変更することができ、透視または連続撮影の追従性を向上させることが可能となる。
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図7は、この発明の第2実施形態に係るX線検査装置の概要図である。なお、図1に示す第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この第2実施形態に係るX線検査装置は、X線吸収係数が異なる組織を抽出する目的で、X線管3に対して低管電圧高管電流を付与したときの第1のパルス出力と、X線管3に対して高管電圧低管電流を付与したときの第2のパルス出力とを、所定の間隔で交互に出力することによりサブトラクション画像を得る、デュアルエネルギーサブトラクション撮影用のものである。この第2実施形態に係るX線検査装置の制御部6は、第1実施形態と同様のフィラメント電流変化量演算部61およびフィラメント電流演算部62と、サブトラクション処理を実行するためのサブトラクション処理部64とを備える。
図8は、この第2実施形態に係るX線検査装置におけるパルス間フラッシュ制御を説明するための説明図である。
デュアルエネルギーサブトラクション撮影時にサブトラクション処理を実行するためには、図8に示すように、X線管3に対して低管電圧高管電流を付与して高X線量のX線を出力する第1のパルス出力P1と、X線管3に対して高管電圧低管電流を付与して低X線量のX線を出力する第2のパルス出力P2とを、所定の間隔で交互に出力する。従来は、図8(a)に示すように、X線のパルス出力時のX線量(管電流の大きさ)に対応させて、フィラメント電流を昇降させていた。
しかしながら、第1のパルス出力P1と第2のパルス出力P2との間でX線量の変化が大きく、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cが一定以上となった場合には、フィラメント31の温度が必要な温度に上昇または下降するのに時間がかかり、X線量の変化において必要なレスポンスが得られず、サブトラクション処理に必要な追従性が得られないという問題が生じている。このため、この実施形態においては、第1のパルス出力P1後第2のパルス出力P2前において、フィラメント電流を一時的に小さくするとともに、第2のパルス出力P2後第1のパルス出力P1前において、フィラメント電流を一時的に大きくすることによるパルス間フラッシュ制御を実行している。
この実施形態に係るX線検査装置において、パルス間フラッシュ制御が必要か否かは、第1のパルス出力P1の時のフィラメント電流と第2のパルス出力の時のフィラメント電流との差から、上述した式(6)によりフィラメント電流の変化量ΔIを求めるとともに、上述した式(7)により一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cを求め、この一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、パルス間フラッシュ制御を実行する。
そして、この実施形態に係るX線検査装置においても、上述した式(8)または式(9)により、パルス間フラッシュ電流PIを演算する。このとき、第1のパルス出力P1と第2のパルス出力P2のX線条件が常に一定の場合には、パルス間フラッシュ電流PIの演算は、最初に一度実行するだけでよい。
この発明の第2実施形態に係るX線検査装置においても、一定時間当たりのフィラメント電流の変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、パルス出力間においてフィラメント電流を交互に変化させるパルス間フラッシュ制御を実行することから、フィラメントの温度を制御してX線管の出力を迅速に変更することができ、サブトラクション処理の追従性を向上させることが可能となる。
1 被検者
2 テーブル
3 X線管
4 フラットパネルディテクタ
5 X線管制御部
6 制御部
7 記憶部
8 表示部
31 フィラメント
32 陽極
51 高電圧供給回路
52 フィラメント電流供給回路
61 フィラメント電流変化量演算部
62 フィラメント電流演算部
63 自動輝度調整部
64 サブトラクション処理部

Claims (6)

  1. X線管からX線を所定の間隔でパルス出力して透視または連続撮影を行うとともに、X線管のフィラメント電流を変化させることにより、パルス出力のX線条件を変更するX線検査装置において、
    現在のパルス出力のX線条件と次のパルス出力のX線条件とに基づいて、パルス出力間においてフィラメント電流を一時的に大きくし、あるいは、一時的に小さくするパルス間フラッシュ制御を実行する制御部を備えたことを特徴とするX線検査装置。
  2. 請求項1に記載のX線検査装置において、
    前記制御部は、管電流および管電圧により決定される現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを演算するフィラメント電流変化量演算部を備え、
    前記制御部は、前記フィラメント電流変化量演算部により演算した現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cの絶対値が設定値以上の場合に、前記パルス間フラッシュ制御を実行するX線検査装置。
  3. 請求項2に記載のX線検査装置において、
    前記フィラメント電流変化量演算部は、目標画像輝度Xrと、現在の画像輝度Xと、現在のパルス出力の管電圧kV1とから次のパルス出力の管電圧kV2を求め、この管電圧kV2と予め記憶した管電圧と管電流との関係を示すデータから次のパルス出力の管電流I2を求め、現在のパルス出力の管電流I1と、次のパルス出力の管電流I2と、現在のパルス出力の管電圧kV1と、次のパルス出力の管電圧kV2とに基づいて、前記フィラメント電流のパルス出力間の変化量ΔIを求め、この変化量ΔIをパルス出力間隔Δtで除算することにより前記現在のパルス出力のフィラメント電流と次のパルス出力のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを演算するX線検査装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のX線検査装置において、
    前記制御部は、前記パルス間フラッシュ制御時のフィラメント電流PIを演算するフィラメント電流演算部を備え、
    当該フィラメント電流演算部は、フィラメント電流を変化させるときのゲインをG、パルス間フラッシュ制御時のパルス間フラッシュ時間をtp、次のパルス出力時のフィラメント電流をPI2としたときに、下記の式により前記パルス間フラッシュ制御時のフィラメント電流PIを演算するX線検査装置。
    PI=G*C/tp+PI2
  5. X線管に対して低管電圧高管電流を付与したときの第1のパルス出力と、前記X線管に対して高管電圧低管電流を付与したときの第2のパルス出力とを、所定の間隔で交互に出力することによりサブトラクション画像を得る、デュアルエネルギーサブトラクション撮影用のX線検査装置において、
    前記第1のパルス出力時のX線条件と前記第2のパルス出力時のX線条件とに基づいて、前記第1のパルス出力後前記第2のパルス出力前において、フィラメント電流を一時的に小さくするとともに、前記第2のパルス出力後前記第1のパルス出力前において、フィラメント電流を一時的に大きくすることによるパルス間フラッシュ制御を実行する制御部を備えたことを特徴とするX線検査装置。
  6. 請求項5に記載のX線検査装置において、
    前記制御部は、管電流および管電圧により決定される第1のパルス出力時のフィラメント電流と第2のパルス出力時のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cを演算するフィラメント電流変化量演算部を備え、
    前記制御部は、前記フィラメント電流変化量演算部により演算した第1のパルス出力時のフィラメント電流と第2のパルス出力時のフィラメント電流との単位時間当たりの変化量Cが設定値以上の場合に、前記パルス間フラッシュ制御を実行するX線検査装置。
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