JP2012109088A - 金属酸化物半導体粒子分散組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的特性に優れる金属酸化物半導体薄膜を低温でも形成することが可能な金属酸化物半導体粒子分散組成物を提供する。更に、本発明は、該金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いた金属酸化物半導体薄膜、透明導電膜及び薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】金属酸化物半導体粒子と分散媒を含有する金属酸化物半導体粒子分散組成物であって、前記金属酸化物半導体粒子は、平均粒子径が1〜50nmであり、かつ、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3である金属酸化物半導体粒子分散組成物。
【選択図】なし
【解決手段】金属酸化物半導体粒子と分散媒を含有する金属酸化物半導体粒子分散組成物であって、前記金属酸化物半導体粒子は、平均粒子径が1〜50nmであり、かつ、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3である金属酸化物半導体粒子分散組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、電気的特性に優れる金属酸化物半導体薄膜を低温でも形成することが可能な金属酸化物半導体粒子分散組成物に関する。更に、本発明は、該金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いた金属酸化物半導体薄膜、透明導電膜及び薄膜トランジスタに関する。
従来、金属酸化物の微細化技術の進歩とともに各種の金属酸化物が製造され、透明電極、帯電防止剤等の種々の用途に用いられている。例えば、酸化スズにインジウムをドープしたITOは、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル等を製造するための透明電極材料として注目されている。
従来、これらの金属酸化物を用いて金属酸化物半導体薄膜を形成する方法としては、例えば、特許文献1に記載のように、真空蒸着やスパッタリングが用いられていた。より具体的には、透明電極を形成する場合、真空蒸着により金属酸化物を基材表面へ付着させ、光反応性材料を用いて現像したり、マスキングを施したりすることによって、電極パターンを形成する方法が用いられていた。
しかし、真空蒸着等の物理的方法は、真空化に要する時間がかかり、また、装置を厳密に制御する必要があった。また、特殊な加熱装置やイオン発生加速装置等が必要となり、大型の製品を作製する場合には、複雑で大型の製造装置を要していた。従って、大規模な製造施設を要することなく、量産性に優れた生産効率の良い代替方法が望まれていた。
従来、これらの金属酸化物を用いて金属酸化物半導体薄膜を形成する方法としては、例えば、特許文献1に記載のように、真空蒸着やスパッタリングが用いられていた。より具体的には、透明電極を形成する場合、真空蒸着により金属酸化物を基材表面へ付着させ、光反応性材料を用いて現像したり、マスキングを施したりすることによって、電極パターンを形成する方法が用いられていた。
しかし、真空蒸着等の物理的方法は、真空化に要する時間がかかり、また、装置を厳密に制御する必要があった。また、特殊な加熱装置やイオン発生加速装置等が必要となり、大型の製品を作製する場合には、複雑で大型の製造装置を要していた。従って、大規模な製造施設を要することなく、量産性に優れた生産効率の良い代替方法が望まれていた。
そこで、量産性に優れた代替方法として、例えば、特許文献2には、平均粒子径が50nm以下の金属酸化物ナノ粒子を含有するナノ粒子分散液を用いて、半導体薄膜層を形成する方法が開示されている。
この方法では、低コストで簡便に半導体薄膜層を製造することができるとしているが、樹脂基板へ半導体薄膜層を形成する場合等のように250℃程度の低温形成時においては、粒子間の融合が不充分となったり、結晶性が低く電気的特性が悪くなったりするという問題があり、所望の性能を有する半導体薄膜層を安定して製造することは困難であった。
この方法では、低コストで簡便に半導体薄膜層を製造することができるとしているが、樹脂基板へ半導体薄膜層を形成する場合等のように250℃程度の低温形成時においては、粒子間の融合が不充分となったり、結晶性が低く電気的特性が悪くなったりするという問題があり、所望の性能を有する半導体薄膜層を安定して製造することは困難であった。
本発明は、電気的特性に優れる金属酸化物半導体薄膜を低温でも形成することが可能な金属酸化物半導体粒子分散組成物を提供することを目的とする。更に、本発明は、該金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いた金属酸化物半導体薄膜、透明導電膜及び薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明は、金属酸化物半導体粒子と分散媒を含有する金属酸化物半導体粒子分散組成物であって、前記金属酸化物半導体粒子は、平均粒子径が1〜50nmであり、かつ、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3である金属酸化物半導体粒子分散組成物である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、金属酸化物半導体粒子分散組成物に含まれる金属酸化物半導体粒子として、所定の平均粒子径を有し、かつ、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3であるものを用いることで、所望の半導体特性を有する金属酸化物半導体薄膜を低温でも製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物は、金属酸化物半導体粒子を含有する。
上記金属酸化物半導体粒子は、平均粒子径の下限が1nm、上限が50nmである。上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径が1nm未満であると、凝集を起こしやすく分散安定性が充分に得られないことがある。上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径が50nmを超えると、低温形成時において粒子間の融合が起こりにくくなる。
上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径の好ましい下限は2nm、好ましい上限は25nmである。
上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径の好ましい下限は2nm、好ましい上限は25nmである。
上記金属酸化物半導体粒子は、平均結晶子径の好ましい下限が1nmである。上記金属酸化物半導体粒子の平均結晶子径が1nm未満であると、粒子内での結晶粒界が電荷移動の妨げとなり、電気的特性が悪くなる。
なお、本明細書において、「結晶子径」とは、X線回折法におけるScherrerの方法によって算出される結晶子のサイズを意味する。
また、「平均結晶子径」は、例えば、X線回折装置(リガク社製、RINT1000)を用いて測定することができる。
なお、本明細書において、「結晶子径」とは、X線回折法におけるScherrerの方法によって算出される結晶子のサイズを意味する。
また、「平均結晶子径」は、例えば、X線回折装置(リガク社製、RINT1000)を用いて測定することができる。
上記金属酸化物半導体粒子は、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3である。
上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径/平均結晶子径が3を超えると、粒子内での結晶粒界が電荷移動の妨げとなり、電気的特性が悪くなる。
上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径/平均結晶子径の好ましい上限は2.5である。
上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径/平均結晶子径が3を超えると、粒子内での結晶粒界が電荷移動の妨げとなり、電気的特性が悪くなる。
上記金属酸化物半導体粒子の平均粒子径/平均結晶子径の好ましい上限は2.5である。
本発明において、金属酸化物半導体粒子は、Zn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物であることが好ましい。具体的には例えば、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄及びこれらに他の金属をドープした金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。特に、酸化インジウム−酸化ガリウム−酸化亜鉛(IGZO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛−酸化スズ(ZTO)、酸化亜鉛−酸化アルミニウム(AZO)、酸化亜鉛−酸化ガリウム(GZO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましい。
また、酸化インジウム−酸化スズ−酸化亜鉛(ITZO)、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)等を用いてもよい。
また、酸化インジウム−酸化スズ−酸化亜鉛(ITZO)、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)等を用いてもよい。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物において、上記金属酸化物半導体粒子の添加量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は50重量%である。上記金属酸化物半導体粒子の添加量が1重量%未満であると、得られる金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いて製膜した場合に、均一な金属酸化物半導体薄膜を製造できないことがある。上記金属酸化物半導体粒子の添加量が50重量%を超えると、得られる金属酸化物半導体粒子分散組成物において、上記金属酸化物半導体粒子の分散安定性が充分に得られないことがある。
上記金属酸化物半導体粒子を製造する方法としては、例えば、酸化亜鉛からなる金属酸化物半導体粒子を製造する場合は、有機溶剤に亜鉛金属塩を添加した後、湯浴中で攪拌しながら、アルカリ化合物を添加、撹拌することにより、金属酸化物半導体粒子分散液を得る方法等を用いることができる。
なお、上記方法を用いる場合は、湯浴の温度を変更することにより、平均粒子径/平均結晶子径の範囲を調整することができる。
また、上記金属酸化物半導体粒子を製造する方法として、噴霧火炎熱分解法、CVD法、PVD法、粉砕法等の乾式法や、還元法、マイクロエマルション法、水熱反応法、ゾルゲル法等の湿式法等が適用可能である。
なお、上記方法を用いる場合は、湯浴の温度を変更することにより、平均粒子径/平均結晶子径の範囲を調整することができる。
また、上記金属酸化物半導体粒子を製造する方法として、噴霧火炎熱分解法、CVD法、PVD法、粉砕法等の乾式法や、還元法、マイクロエマルション法、水熱反応法、ゾルゲル法等の湿式法等が適用可能である。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物では、更に、Zn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属塩及び/又はZn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む有機金属化合物を添加してもよい。
上記金属塩及び/又は有機金属化合物を用いることで、成膜後の粒子間の空隙において熱分解の後に金属酸化物として析出することにより、金属酸化物半導体薄膜が緻密化し、特性の向上が可能となる。
上記金属塩及び/又は有機金属化合物を用いることで、成膜後の粒子間の空隙において熱分解の後に金属酸化物として析出することにより、金属酸化物半導体薄膜が緻密化し、特性の向上が可能となる。
上記金属塩としては、例えば、Zn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属の塩化物、オキシ塩化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、水酸化物、過酸化物等が挙げられる。また、上記金属塩の水和物も含まれる。
具体的には、例えば、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、塩化ガリウム、硝酸ガリウム八水和物、塩化インジウム、硝酸インジウム三水和物、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化スズ、硝酸スズ、塩化アンチモン、硝酸アンチモン、塩化カドミウム、硝酸カドミウム四水和物、塩化鉄、硝酸鉄六水和物、硝酸鉄九水和物等が挙げられる。
具体的には、例えば、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、塩化ガリウム、硝酸ガリウム八水和物、塩化インジウム、硝酸インジウム三水和物、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化スズ、硝酸スズ、塩化アンチモン、硝酸アンチモン、塩化カドミウム、硝酸カドミウム四水和物、塩化鉄、硝酸鉄六水和物、硝酸鉄九水和物等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、例えば、Zn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属のカルボン酸、ジカルボン酸、オリゴカルボン酸、ポリカルボン酸の塩化合物が挙げられる。より具体的には、上述した金属の酢酸、ギ酸、プロピオン酸、オクチル酸、ステアリン酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸等の塩化合物等が挙げられる。また、メチル基、エチル基等の置換基を有するアルキル金属、アセチルアセトネート、テトラメチルアセトアセトネート、エチレンジアミン、ビピリジン等が配位結合した金属錯体等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、具体的には例えば、酢酸亜鉛二水和物、亜鉛アセチルアセトン塩、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ガリウムアセチルアセトン塩、オクチル酸ガリウム、ステアリン酸ガリウム、酢酸ガリウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトン塩、オクチル酸インジウム、ステアリン酸インジウム、スズアセチルアセトン塩、酢酸スズ、アルミニウムアセチルアセトン塩、酢酸アルミニウム、酢酸アンチモン、酢酸カドミウム、酢酸鉄等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、具体的には例えば、酢酸亜鉛二水和物、亜鉛アセチルアセトン塩、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ガリウムアセチルアセトン塩、オクチル酸ガリウム、ステアリン酸ガリウム、酢酸ガリウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトン塩、オクチル酸インジウム、ステアリン酸インジウム、スズアセチルアセトン塩、酢酸スズ、アルミニウムアセチルアセトン塩、酢酸アルミニウム、酢酸アンチモン、酢酸カドミウム、酢酸鉄等が挙げられる。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物において、上記金属塩及び/又は有機金属化合物の添加量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は25重量%である。上記金属塩及び/又は有機金属化合物の添加量が1重量%未満であると、得られる金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いて製膜した場合に、均一な金属酸化物半導体薄膜を製造できないことがある。上記金属塩及び/又は有機金属化合物の添加量が25重量%を超えると、得られる金属酸化物半導体粒子分散組成物において、上記金属酸化物半導体粒子の分散安定性が充分に得られないことがある。
また、本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物には、更に、Zn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd、Ag、Au及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属からなる粒子を添加してもよい。これにより、粒子界面の抵抗を低減する等により、特性の向上が可能となる。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物では、分散媒を用いる。
上記分散媒は水であってもよく、有機溶剤であってもよいが、有機溶剤が好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、エチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン等の環状アルカン等が挙げられる。
上記分散媒は水であってもよく、有機溶剤であってもよいが、有機溶剤が好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、エチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン等の環状アルカン等が挙げられる。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物は、更にバインダー樹脂を適量添加してもよい。上記バインダー樹脂を添加することにより、グラビア印刷等に更に適したものとすることができる。
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、例えば、セルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。なかでも、セルロース樹脂が特に好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、例えば、セルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。なかでも、セルロース樹脂が特に好ましい。
上記セルロース樹脂は特に限定されないが、例えば、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースが好ましい。
上記ポリエーテル樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記ポリアセタール樹脂は特に限定されないが、上記ポリエーテル樹脂と同様にエチレン、プロピレン、テトラメチレン等のユニットを有するポリアセタール樹脂が好ましい。
上記ポリエーテル樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記ポリアセタール樹脂は特に限定されないが、上記ポリエーテル樹脂と同様にエチレン、プロピレン、テトラメチレン等のユニットを有するポリアセタール樹脂が好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルモノマーの単独重合体、及び、これらの(メタ)アクリルモノマーとポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリルモノマーとの共重合体が挙げられる。上記ポリオキシアルキレン構造として、例えば、ポリプロピレンオキシド、ポリメチルエチレンオキシド、ポリエチルエチレンオキシド、ポリトリメチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシドが挙げられる。なお、本明細書中、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アルデヒドによりポリビニルアルコールをアセタール化することで得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステルの重合体をケン化することで得られるポリビニルアルコールであることが好ましい。上記ビニルエステルは、経済的にみると、酢酸ビニルであることがより好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステルの重合体をケン化することで得られるポリビニルアルコールであることが好ましい。上記ビニルエステルは、経済的にみると、酢酸ビニルであることがより好ましい。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物において、上記バインダー樹脂の添加量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は25重量%である。上記バインダー樹脂の添加量が1重量%未満であると、バインダー樹脂の添加による増粘効果が充分に得られないことがある。上記バインダー樹脂の添加量が25重量%を超えると、成膜後の性能が低下することがある。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物には、分散剤を添加してもよい。
上記分散剤としては、例えば、高級脂肪酸、櫛型ポリカルボン酸等が挙げられるが、成膜時の温度において熱分解し残渣が残らないものが好ましい。
上記分散剤としては、例えば、高級脂肪酸、櫛型ポリカルボン酸等が挙げられるが、成膜時の温度において熱分解し残渣が残らないものが好ましい。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、金属酸化物半導体粒子、分散媒に、必要に応じて、バインダー樹脂及び種々の添加剤を添加し、超音波照射や3本ロールミル等を用いて分散処理を行う方法が挙げられる。また、上記金属酸化物半導体粒子、分散媒を、ビーズミル、ボールミル、ブレンダーミル、3本ロールミル等の混合機を用いて混合した後、更に上記バインダー樹脂を添加して上記分散処理により混合してもよい。
更に、上記金属塩及び/又は有機金属化合物は、直接添加してもよく、溶液とした後に添加してもよい。
更に、上記金属塩及び/又は有機金属化合物は、直接添加してもよく、溶液とした後に添加してもよい。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物を所定の印刷工程を用いて印刷した後、乾燥又は焼結等の工程を行うことで、金属酸化物半導体薄膜を形成することができる。このような金属酸化物半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタもまた本発明の1つである。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物の用途としては特に限定されないが、例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル、太陽電池等の透明導電膜として形成される金属酸化物半導体薄膜を製造するための材料として用いることができる。
このような透明導電膜もまた本発明の1つである。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物の用途としては特に限定されないが、例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル、太陽電池等の透明導電膜として形成される金属酸化物半導体薄膜を製造するための材料として用いることができる。
このような透明導電膜もまた本発明の1つである。
本発明の金属酸化物半導体粒子分散組成物を印刷(塗工)する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法、スクリーン印刷法、コンタクトプリント法、スリットコート法、インクジェット法(インクジェット印刷法)等が挙げられる。上記印刷は、所望の膜厚を得ることができれば、一度塗りでもよく、重ね塗りでもよい。
上記乾燥又は焼結する方法としては、例えば、赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波加熱など既知の活性光線やエネルギー線による処理が挙げられる。また、必要に応じて、不活性雰囲気で上記処理を行ってもよい。
本発明によれば、電気的特性に優れる金属酸化物半導体薄膜を低温でも形成することが可能な金属酸化物半導体粒子分散組成物を提供することができる。更に、本発明は、該金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いた金属酸化物半導体薄膜、透明導電膜及び薄膜トランジスタを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(金属酸化物半導体粒子の製造)
酢酸亜鉛二水和物1重量部をメタノール35重量部に溶解し、60℃の湯浴中にて攪拌しながら、水酸化カリウム0.5重量部をメタノール15重量部に溶解した液を滴下し、滴下終了後5時間加熱攪拌を続けることにより、酸化亜鉛ナノ粒子分散液を得た。
次いで、酸化亜鉛ナノ粒子分散液を遠心分離及び上澄み除去し、沈殿物を回収することによって酸化亜鉛ナノ粒子(金属酸化物半導体粒子)を得た。
(金属酸化物半導体粒子の製造)
酢酸亜鉛二水和物1重量部をメタノール35重量部に溶解し、60℃の湯浴中にて攪拌しながら、水酸化カリウム0.5重量部をメタノール15重量部に溶解した液を滴下し、滴下終了後5時間加熱攪拌を続けることにより、酸化亜鉛ナノ粒子分散液を得た。
次いで、酸化亜鉛ナノ粒子分散液を遠心分離及び上澄み除去し、沈殿物を回収することによって酸化亜鉛ナノ粒子(金属酸化物半導体粒子)を得た。
(金属酸化物半導体粒子分散組成物の製造)
得られた酸化亜鉛ナノ粒子1.00重量部を、1−メトキシ−2−プロパノール2.50重量部、クロロホルム6.18重量部及びメタノール0.32重量部からなる混合溶媒に添加し撹拌することにより、金属酸化物半導体粒子分散組成物を作製した。
得られた酸化亜鉛ナノ粒子1.00重量部を、1−メトキシ−2−プロパノール2.50重量部、クロロホルム6.18重量部及びメタノール0.32重量部からなる混合溶媒に添加し撹拌することにより、金属酸化物半導体粒子分散組成物を作製した。
(透明導電膜の作製)
得られた金属酸化物半導体粒子分散組成物を無アルカリガラス基板上にスピンコート法により100nmの厚みで塗工し、250℃で30分間焼成させることによって金属酸化物半導体薄膜を形成した。
得られた金属酸化物半導体粒子分散組成物を無アルカリガラス基板上にスピンコート法により100nmの厚みで塗工し、250℃で30分間焼成させることによって金属酸化物半導体薄膜を形成した。
(薄膜トランジスタの作製)
ゲート電極としてn型ドープのシリコンウエハ、その表面にゲート絶縁膜として熱酸化膜を100nmに形成した評価用基板を作製した。
次いで、得られた金属酸化物半導体粒子分散組成物を熱酸化膜上にスピンコート法により100nmの厚みで塗工し、250℃で30分間焼成させることによって金属酸化物半導体薄膜を形成した。
更に、形成した金属酸化物半導体薄膜上に、ソース電極及びドレイン電極として、金層を100nmの厚みで2本線状に真空蒸着を用いて形成し、薄膜トランジスタを得た。
ゲート電極としてn型ドープのシリコンウエハ、その表面にゲート絶縁膜として熱酸化膜を100nmに形成した評価用基板を作製した。
次いで、得られた金属酸化物半導体粒子分散組成物を熱酸化膜上にスピンコート法により100nmの厚みで塗工し、250℃で30分間焼成させることによって金属酸化物半導体薄膜を形成した。
更に、形成した金属酸化物半導体薄膜上に、ソース電極及びドレイン電極として、金層を100nmの厚みで2本線状に真空蒸着を用いて形成し、薄膜トランジスタを得た。
(実施例2)
湯浴の温度を80℃とし、反応容器にメタノール蒸発用の冷却管を取り付けたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
湯浴の温度を80℃とし、反応容器にメタノール蒸発用の冷却管を取り付けたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
(実施例3)
湯浴の温度を45℃としたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
湯浴の温度を45℃としたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
(比較例1)
湯浴の温度を35℃としたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
湯浴の温度を35℃としたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
(比較例2)
湯浴を用いず、室温(25℃)で反応させたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
湯浴を用いず、室温(25℃)で反応させたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた金属酸化物半導体粒子、透明導電膜及び薄膜トランジスタについて、以下の評価を行った。結果を表に示す。
実施例及び比較例で得られた金属酸化物半導体粒子、透明導電膜及び薄膜トランジスタについて、以下の評価を行った。結果を表に示す。
(1)金属酸化物半導体粒子の評価
得られた酸化亜鉛ナノ粒子をメタノール中に分散させ、その分散液について、動的光散乱解析装置(PSS−NICOMP社製、380DLS)を用いることにより平均粒子径を測定した。
また、得られた酸化亜鉛ナノ粒子をX線回折装置(リガク社製:RINT1000)にて測定し、得られたピークから機器依存の値を取り除いた半値幅を算出し、下記のScherrerの式を用いて平均結晶子径を算出した。
D=Kλ/βcosθ
D:結晶子径
λ:測定X線の波長
β(rad):結晶子の大きさによる回折線の広がり(半値幅)
θ(rad):測定されるピークの角度
K:Scherrer定数
得られた酸化亜鉛ナノ粒子をメタノール中に分散させ、その分散液について、動的光散乱解析装置(PSS−NICOMP社製、380DLS)を用いることにより平均粒子径を測定した。
また、得られた酸化亜鉛ナノ粒子をX線回折装置(リガク社製:RINT1000)にて測定し、得られたピークから機器依存の値を取り除いた半値幅を算出し、下記のScherrerの式を用いて平均結晶子径を算出した。
D=Kλ/βcosθ
D:結晶子径
λ:測定X線の波長
β(rad):結晶子の大きさによる回折線の広がり(半値幅)
θ(rad):測定されるピークの角度
K:Scherrer定数
(2)透明導電膜の評価
得られた透明導電膜について、抵抗率計(三菱化学社製:ロレスタ−GP)を用いて、体積抵抗率を測定した。
得られた透明導電膜について、抵抗率計(三菱化学社製:ロレスタ−GP)を用いて、体積抵抗率を測定した。
(3)薄膜トランジスタの評価
得られた薄膜トランジスタについて、半導体パラメーターアナライザー(ケースレー社製)を用いて、移動度を測定した。
得られた薄膜トランジスタについて、半導体パラメーターアナライザー(ケースレー社製)を用いて、移動度を測定した。
本発明によれば、電気的特性に優れる金属酸化物半導体薄膜を低温でも形成することが可能な金属酸化物半導体粒子分散組成物を提供することができる。更に、本発明は、該金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いた金属酸化物半導体薄膜、透明導電膜及び薄膜トランジスタを提供することができる。
Claims (6)
- 金属酸化物半導体粒子と分散媒を含有する金属酸化物半導体粒子分散組成物であって、
前記金属酸化物半導体粒子は、平均粒子径が1〜50nmであり、かつ、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3であることを特徴とする金属酸化物半導体粒子分散組成物。 - 金属酸化物は、Zn、Ga、In、Sn、Al、Sb、Cd及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物であることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物半導体粒子分散組成物。
- 更に、バインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の金属酸化物半導体粒子分散組成物。
- 請求項1、2又は3記載の金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いて得られることを特徴とする金属酸化物半導体薄膜。
- 請求項1、2又は3記載の金属酸化物半導体粒子分散組成物を用いて得られることを特徴とする透明導電膜。
- 請求項4記載の金属酸化物半導体薄膜を有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5063832B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2012-10-31 | パナソニック株式会社 | 電界効果トランジスタおよびその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000186237A (ja) * | 1998-10-14 | 2000-07-04 | Nippon Shokubai Co Ltd | 成膜用組成物およびこれから得られた塗装体 |
WO2010004912A1 (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-14 | 国立大学法人 東北大学 | Ito粒子の製造方法、およびito粉末、透明導電材用塗料並びに透明導電膜 |
JP2010093165A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Konica Minolta Holdings Inc | 電極の製造方法、これを用いた薄膜トランジスタ素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子 |
-
2010
- 2010-11-16 JP JP2010256178A patent/JP2012109088A/ja active Pending
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