JP2012108797A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃費の悪化を抑制することが可能な車両制御装置を提供する。
【解決手段】車両制御装置10のECU20は、隊列内の車両それぞれについて、先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果に基づいて、隊列内の車両それぞれの惰性走行時の走行状態の差を減少させるように隊列内の車両の順序を編成する。このため、隊列で各車両が惰性走行を行なう期間において、各車両の減速の態様が同様となり、各車両同士の車間距離の変動が小さくなるため、加減速による車間距離の保持が行なわれることを抑制でき、燃費の悪化を抑制することが可能となる。
【選択図】図7
【解決手段】車両制御装置10のECU20は、隊列内の車両それぞれについて、先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果に基づいて、隊列内の車両それぞれの惰性走行時の走行状態の差を減少させるように隊列内の車両の順序を編成する。このため、隊列で各車両が惰性走行を行なう期間において、各車両の減速の態様が同様となり、各車両同士の車間距離の変動が小さくなるため、加減速による車間距離の保持が行なわれることを抑制でき、燃費の悪化を抑制することが可能となる。
【選択図】図7
Description
本発明は、車両制御装置に関し、特に隊列内の車両の順序を編成する車両制御装置に関する。
複数の車両同士で隊列を組んで走行することにより、燃費の向上等を図る技術が提案されている。例えば、特許文献1には、自車情報を取得する自車情報取得処理手段と、周辺車両についての周辺車両情報を取得する周辺車両情報取得処理手段と、自車情報及び周辺車両情報に基づいて、隊列走行に移行するかどうかを判断する隊列走行判定処理手段と、隊列走行に移行する場合に、自車情報及び周辺車両情報に基づいて、隊列の全体の消費エネルギーが小さくなるように隊列を編成する隊列編成処理手段と、編成された隊列で隊列走行を行う隊列走行処理手段と、隊列走行が開始された後に、隊列の全体の効率に基づいて隊列の編成を判定し、現在の編成を維持するべきかどうかを判断する編成判定処理手段とを有する装置が開示されている。この装置では、この装置では、隊列の全体の効率に基づいて隊列の編成が判定され、隊列全体で評価した消費エネルギーが最小となるように隊列の編成を制御する。このため、隊列の全体の消費エネルギーを小さくすることができる。
ところで、隊列内の車両それぞれが一緒に加速走行と惰性走行とを交互に繰り返す波状走行を行なうことにより、隊列内の車両全体で燃費を向上させる技術が知られている。しかしながら、上記のような技術では、隊列走行中に各車両が惰性走行を行なう場合に、各車両の減速の態様にばらつきが生じるため、目標とする車間距離を維持するために加減速が必要となり、燃費を向上させる効果が抑制される可能性がある。
本発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、その目的は、燃費の悪化を抑制することが可能な車両制御装置を提供することにある。
本発明は、隊列内の車両それぞれについて、先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果に基づいて、隊列内の車両それぞれの惰性走行時の走行状態の差を減少させるように隊列内の車両の順序を編成する隊列編成手段を備えた車両制御装置である。
この構成によれば、隊列編成手段は、隊列内の車両それぞれについて、先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果に基づいて、隊列内の車両それぞれの惰性走行時の走行状態の差を減少させるように隊列内の車両の順序を編成する。このため、隊列で各車両が惰性走行を行なう期間において、各車両の減速の態様等の走行状態が同様となり、各車両同士の車間距離の変動が小さくなるため、加減速による車間距離の保持が行なわれることを抑制でき、燃費の悪化を抑制することが可能となる。
この場合、隊列編成手段は、隊列内の第1の車両及び第2の車両について、第1の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第2の車両が第1の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が、第2の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第1の車両が第2の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差よりも小さいときは、第1の車両に第2の車両が後続するように隊列内の車両の順序を編成し、第1の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第2の車両が第1の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が、第2の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第1の車両が第2の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差よりも大きいときは、第2の車両に第1の車両が後続するように隊列内の車両の順序を編成することが好適である。
この構成によれば、隊列編成手段は、隊列内の第1の車両及び第2の車両について、第1の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第2の車両が第1の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が、第2の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第1の車両が第2の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差よりも小さいときは、第1の車両に第2の車両が後続するように隊列内の車両の順序を編成し、第1の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第2の車両が第1の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が、第2の車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第1の車両が第2の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差よりも大きいときは、第2の車両に第1の車両が後続するように隊列内の車両の順序を編成する。このため、単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が小さい車両ほど他の車両に先行する車両となり、単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が大きい車両ほど他の車両に後続する車両となる。このため、単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が大きい車両ほど、隊列内で先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果を利用できることになり、各車両の惰性走行時の走行状態の差を減少させることができる。
この場合、隊列編成手段は、隊列内から選択可能な第1の車両及び第2の車両について隊列内の車両の順序を順次編成し、隊列内の車両の順序の変更の必要がなくなるまで車両の順序の編成を続行することが好適である。
この構成によれば、隊列編成手段は、隊列内から選択可能な第1の車両及び第2の車両について隊列内の車両の順序を順次編成し、隊列内の車両の順序の変更の必要がなくなるまで車両の順序の編成を続行する。このため、車両の順序の編成が終了したときには、隊列内の車両は、単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が小さい車両から大きい車両の順に走行することになり、各車両の惰性走行時の走行状態の差を最も減少させることができる。
また、隊列内の車両それぞれが一緒に加速走行と惰性走行とを交互に繰り返すように、隊列内の車両それぞれの速度パターンを生成する速度パターン生成手段をさらに備えることが好適である。
この構成によれば、速度パターン生成手段が、隊列内の車両それぞれが一緒に加速走行と惰性走行とを交互に繰り返すように、隊列内の車両それぞれの速度パターンを生成する。このため、当該速度パターンに従うことにより、惰性走行時の減速度等の走行状態の相違が小さくされた隊列内の各車両が、加減速による車間距離の保持が行なわれることを抑制しつつ、波状走行を行なうことになり、隊列内の各車両において燃費を向上させることができる。
この場合、速度パターン生成手段は、隊列内において先行する車両と後続する車両との車間距離が所定の安全車間距離よりも小さくなる場合及び所定の安全車間距離よりも小さくなることが予測される場合のいずれかの場合は、隊列内において先行する車両が加速走行を行なう時期をより早めた速度パターンを生成することが好適である。
波状走行では、短時間の加速及び惰性による緩やかな減速を繰り返すことにより、単位時間当りの燃料消費量を抑制する。しかし、従来は個々の車両が単独で波状走行を行なう場合には、燃費の向上の効果が十分に見込める速度パターンを設定することができるが、隊列内の車両それぞれが個々に波状走行を行なうと前後の車両の車間距離が接近し過ぎる状態も発生する。これは、隊列内の各車両が独立して加減速を行なうことにより、車間が詰まったり離れたりするからである。ここで、個々の車両が加減速の位相を積極的に行なった場合、道路勾配等で必ずしも効率的な波状走行とならない場合がある。しかし、この構成によれば、速度パターン生成手段は、隊列内において先行する車両と後続する車両との車間距離が所定の安全車間距離よりも小さくなる場合及び所定の安全車間距離よりも小さくなることが予測される場合のいずれかの場合は、隊列内において先行する車両が加速走行を行なう時期をより早めた速度パターンを生成する。このため、隊列内において、先行する車両と後続する車両の車間距離が安全車間距離を割り込む場合や割りそうな場合は、先行する車両が加速走行を行なう時期を早めて波状走行を行なうため、燃費の悪化を抑えつつ、車間距離を安全車間距離より大きく保つことができる。
本発明の車両制御装置によれば、燃費の悪化を抑制することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両制御装置を説明する。本実施形態の車両制御装置は、車両に搭載され、隊列内の車両について隊列の編成を行い、隊列内の車両で波状走行を行なうことにより燃費の向上を図るための装置である。図1に示すように、本実施形態の車両制御装置10は、車車間通信機12、路車間通信機14、ナビゲーションシステム16、ECU(Electronic Control Unit)20及びACC(Adaptive Cruise Control)30を備えている。
車車間通信機12は、車車間通信により本実施形態の車両制御装置を搭載した車両同士で後述する各車両の静的特性及び動的状態に関する情報等を相互に送受信するためのものである。また、車車間通信機12は、隊列内の車両同士の車間距離の維持、隊列の順序の変更及び波状走行の速度パターン等に関する指令を相互に送受信するためのものである。
路車間通信機14は、光ビーコン通信機等の路側施設から道路の形状や勾配等の情報を受信するためのものである。本実施形態においては、路車間通信機14は必ずしも必須の構成ではない。
ナビゲーションシステム16は、複数のGPS(Global Positioning System)衛生からの信号をGPS受信機で受信し、各々の信号の相違から自車両の位置を測位するGPSと、自車両内の地図情報を記憶させた地図情報DB(Data Base)とから構成されている。
ECU20は、ECU(electronic Control Unit)20は、後述するように車両制御装置10全体の制御を行うためのものである。ECU20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び各種のデータベースを格納するハードディスク等の装置から構成される。ECUは、ナビゲーションシステム16及びACC30から入力された情報に基づいて、ACC30に対し、目標車速、加減速G及び目標車間距離といった走行制御指令値を出力する。
ACC30は、自車両周辺の他車両の相対位置(車間距離)と相対速度とを検出するレーダ32を有する。また、ACC30は、自車の車速等の動的状態を不図示の車速センサにより検出する。また、ACC30は、ECU20からの走行制御指令値に基づいて、自車両が目標車速、加減速G及び目標車間距離となるように走行制御を行なう。
以下、本実施形態の車両制御装置10の動作について説明する。以下、図1に示すような車両制御装置10を搭載した2台以上の車両が一列に隊列を組んで走行している状況を想定する。以下に説明する情報処理は、隊列内の各車両に搭載された車両制御装置10それぞれが行なう。後述するように、基本的に算出に用いる情報は車車間通信機12による通信で共有しているため、各車両の車両制御装置10の演算結果は一致する。もし、各車両の車両制御装置10の演算結果に不一致が生じたときは、隊列内で代表として設定された車両の車両制御装置10が算出した演算結果に従うものとする。
まず、隊列内の車両同士の車間距離の維持及び波状走行の速度パターンの生成に関する情報処理について説明する。波状走行を隊列にて実施する場合、隊列走行としては安全車間の範囲で極力車間を詰めることが望ましい。しかし、波状走行では加速時は各車両が速度を制御可能であるが、惰性走行では車両ごとに走行抵抗が異なり、ばらつきが予想される。そこで、本実施形態では、隊列走行時の最低安全車間を以下のように定め、最低安全車間を割り込む場合や、最低安全車間を割り込む可能性がある場合は、先行車が加速して最低安全車間の割り込みを防止する。
図2に示すように、隊列内の各車両に搭載された車両制御装置10のECU20それぞれは、隊列内の各車両が一緒に加速走行と惰性走行とを交互に繰り返す波状走行を行なうように隊列内の各車両の速度パターンを生成する。隊列内の各車両は、車車間通信機12により指令を送受信することにより、波状走行を実施する(S11)。
ECU20は、隊列内の各車両同士の車間距離が必要車間距離(最低安全車間、安全車間距離)以上であるか否か、あるいは隊列内の各車両同士の車間距離が所定時間経過後も必要車間距離であるか否かを判定する(S12)。図3に示すように、ECU20内のデータベースには、自車速度と必要車間距離との関係を設定したマップが記憶されている。図3に示すように、自車速度VMの大きさに比例して、図中細線で示す基準の必要車間距離は大きくなる。先行車速度VPが自車速度VMよりも大きいときは、相対速度α(VP−VM)に比例して、図中太線で示す自車速度VMに対する必要車間距離は基準の必要車間距離よりも小さくなる(αは所定の係数)。自車速度VMが先行車速度VPよりも大きいときは、相対速度α(VM−VP)に比例して、図中太線で示す自車速度VMに対する必要車間距離は基準の必要車間距離よりも大きくなる。このように自車速度VMに応じた基準の必要車間距離に対して、自車と先行車との相対速度に応じてヒステリシスが設けられている。
図2に戻り、各車両同士の車間距離が、安全車間距離を割り込んでいるとき、あるいは割り込む可能性があるときは(S12)、ECU20は、安全車間距離を割り込んでいる車両同士の内、先行車の加速タイミングを早める速度パターンを生成する。当該先行車は、搭載している車両制御装置10のECU20からの指令や、他の車両から車車間通信機12により受信した指令により波状走行の速度パターン(位相)における加速の時期を早める(S13)。
図4に示すように、先行車及び自車は、それぞれ加速と惰性走行とを繰り返す波状走行を行なう。しかし、図4の中段のグラフに斜線で示すように、先行車速度VP<自車速度VMとなる時間では車間距離が詰まる。その結果、車間距離が安全車間を割り込む場合がある。そこで、本実施形態では、図中破線で示すように、先行車の側で加速する時期を早める。これにより、隊列を組んだ車両同士において最低限の損失で効率良く安全車間距離を保ちつつ波状走行を行なうことができる。
以下、本実施形態の隊列の編成に関する情報処理について説明する。本実施形態では、隊列内の各車両について惰性走行時の減速特性を合わせる目的で、各車両の空気抵抗及び隊列による空気抵抗低減効果を考慮し、隊列の順序を決定する。図5に示すように、走行抵抗が比較的小さい車両aと、走行抵抗が比較的大きい車両bとについて考える。走行抵抗は、〔走行抵抗=空気抵抗係数X×速度V2+転がり抵抗等の係数Y〕により算出される。図5に示すように、走行抵抗の小さい車両aに比べて走行抵抗の大きい車両bの惰性走行時の減速度は大きい。
一方、図6に示すように、隊列内において車両bが車両aに後続して車両aを風除けとすることで、後続する車両bの空気抵抗係数が等価的に減少し、走行抵抗も減少し、車両a及び車両bの減速特性を近づけることが可能となる。ここで、後続する車両の空気抵抗Ra、先行車の前面投影面積S、空気抵抗低減係数ε及び先行車との車間距離Lとすると、先行車がいる場合の後続車の空気抵抗Ra’は、空気抵抗Ra’=Ra×(ε×S1/2/L)となる。すなわち、後続する車両の空気抵抗低減率(ε×S1/2/L)は、車間距離Lに反比例し、先行車の前面投影面積Sの平方根に比例する。そこで、本実施形態では、隊列内の2台の車両について、一方の車両に後続して走行した場合の空気抵抗と、単独で走行した場合の空気抵抗とを計算し、その値を用いて走行抵抗による減速度を計算し、隊列の順序の編成を行なう。
以下の説明では、車両aが自車であるものとして説明する。図7に示すように、隊列の順序の編成時には、自車の車両制御装置10のECU20は、自車の静的特性に関する情報と動的状態に関する情報とをECU20内のデータベースやACC30のレーダ32等により取得する(S21)。ここで、静的特性に関する情報とは、車両の工場出荷時等に設定される情報で、自車の前面投影面積S、車両総重量(回転部分相当の重量を含む)W、ころがり抵抗Rr及び空気抵抗低減係数εを少なくとも含む。また、動的状態に関する情報とは、ACC30の車速センサやレーダ32等により常時計測または計算される値であり、車速V、空気抵抗Ra、単独走行時における走行抵抗による減速度{(Ra+Rr)/W}及び車間距離Lを少なくとも含む。
ECU20は、車車間通信機12により自車の静的特性に関する情報と動的状態に関する情報とを送信するとともに、隊列内の他車の静的特性に関する情報と動的状態に関する情報とを受信する(S22)。ECU20は、上記の手法により、自車の単独走行時の速度(単位時間ごとの減速度)を計算する(S23)。ECU20は、上記の手法により、他車への追従走行時の速度を計算する(S24)。ECU20は、同様にして他車の単独走行時の速度を計算する(S25)。ECU20は、同様にして他車が自車に追従走行する時の速度を計算する(S26)。このようにして、図8に示すように、車両aの単独走行時の速度Vas、車両aの追従走行時の速度Vaf、車両bの単独走行時の速度Vbs、車両bの追従走行時の速度Vbfが算出される。
ECU20は、|Vas−Vbf|>|Vaf−Vbs|か否か、すなわち車両aに車両bが後続したときの速度差が、車両bに車両aが後続したときの速度差よりも大きいか否かについて判定する(S27)。車両aに車両bが後続したときの速度差が、車両bに車両aが後続したときの速度差よりも大きくないときは(S27)、ECU20は自車である車両aを先行車とし、車両bを後続させる隊列を編成する(S28)。車両aに車両bが後続したときの速度差が、車両bに車両aが後続したときの速度差よりも大きいときは(S27)、ECU20は車両bを先行車とし、自車である車両aを後続させる隊列を編成する(S29)。これにより、他車単独と自車追従との組み合わせ、自車単独と他車追従との組み合わせが比較され、減速度の近い組み合わせが選択される。各車両の車両制御装置10は隊列の編成結果について、互いに車車間通信機12により送受信し、隊列の入れ替えを行なう。隊列が3台以上の車両を含む場合も隊列内の2台の車両同士について、前後の車両の入れ替わりの必要がなくなるまで、隊列内の各車両の車両制御装置10は上記S21〜S29の工程を繰り返して実行する。なお、ECU20は、速度の代わりに車両a,bの単独走行時又は追従走行時における減速度を求め、惰性走行時における各車両の減速度の差分が減少するように隊列を編成する構成としても良い。
本実施形態によれば、車両制御装置10のECU20は、隊列内の車両それぞれについて、先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果に基づいて、隊列内の車両それぞれの惰性走行時の減速度等の走行状態の差を減少させるように隊列内の車両の順序を編成する。このため、隊列で各車両が惰性走行を行なう期間において、各車両の減速の態様が同様となり、各車両同士の車間距離の変動が小さくなるため、加減速による車間距離の保持が行なわれることを抑制でき、燃費の悪化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、車両制御装置10のECU20は、隊列内の車両a及び車両bについて、車両aが単独で惰性走行を行なった場合の減速度と車両bが車両aに後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差が、車両bが単独で惰性走行を行なった場合の減速度と車両aが車両bに後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差よりも小さいときは、車両aに車両bが後続するように隊列内の車両の順序を編成し、車両aが単独で惰性走行を行なった場合の減速度と車両bが車両aに後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差が、車両bが単独で惰性走行を行なった場合の減速度と車両aが車両bに後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差よりも大きいときは、車両bに車両aが後続するように隊列内の車両の順序を編成する。このため、単独で惰性走行を行なった場合の減速度と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差が小さい車両ほど他の車両に先行する車両となり、単独で惰性走行を行なった場合の減速度と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差が大きい車両ほど他の車両に後続する車両となる。このため、単独で惰性走行を行なった場合の減速度と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差が大きい車両ほど、隊列内で先行する車両が後続の車両の空気抵抗を低減する効果を利用できることになり、各車両の惰性走行時の減速度の差を減少させることができる。
また、本実施形態によれば、車両制御装置10のECU20は、隊列内から選択可能な2台の車両について隊列内の車両の順序を順次編成し、隊列内の車両の順序の変更の必要がなくなるまで車両の順序の編成を続行する。このため、車両の順序の編成が終了したときには、隊列内の車両は、単独で惰性走行を行なった場合の減速度と他の車両に後続して惰性走行を行なった場合の減速度との差が小さい車両から大きい車両の順に走行することになり、各車両の惰性走行時の減速度の差を最も減少させることができる。
また、本実施形態によれば、車両制御装置10のECU20は、隊列内の車両それぞれが一緒に加速走行と惰性走行とを交互に繰り返すように、隊列内の車両それぞれの速度パターンを生成する。このため、当該速度パターンに従うことにより、惰性走行時の減速度の相違が小さくされた隊列内の各車両が、加減速による車間距離の保持が行なわれることを抑制しつつ、波状走行を行なうことになり、隊列内の各車両において燃費を向上させることができる。
波状走行では、短時間の加速及び惰性による緩やかな減速を繰り返すことにより、単位時間当りの燃料消費量を抑制する。しかし、従来は個々の車両が単独で波状走行を行なう場合には、燃費の向上の効果が十分に見込める速度パターンを設定することができるが、隊列内の車両それぞれが個々に波状走行を行なうと前後の車両の車間距離が接近し過ぎる状態も発生する。これは、隊列内の各車両が独立して加減速を行なうことにより、車間が詰まったり離れたりするからである。ここで、個々の車両が加減速の位相を積極的に行なった場合、道路勾配等で必ずしも効率的な波状走行とならない場合がある。しかし、本実施形態によれば、車両制御装置10のECU20は、隊列内において先行する車両と後続する車両との車間距離が所定の安全車間距離よりも小さくなる場合及び所定の安全車間距離よりも小さくなることが予測される場合のいずれかの場合は、隊列内において先行する車両が加速走行を行なう時期をより早めた速度パターンを生成する。このため、隊列内において、先行する車両と後続する車両の車間距離が安全車間距離を割り込む場合や割りそうな場合は、先行する車両が加速走行を行なう時期を早めて波状走行を行なうため、燃費の悪化を抑えつつ、車間距離を安全車間距離より大きく保つことができる。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、隊列内の各車両に搭載された車両制御装置10により、隊列内の車両同士の車間距離の維持、隊列の順序の変更及び波状走行のための加減速に関する演算を行なったが、これらを路側の情報処理センターに設置された車両制御装置により行い、静的特性及び動的状態に関する情報を送信してきた隊列内の各車両に対して情報処理センターから指令を送信するようにしても良い。
10…車両制御装置、12…車車間通信機、14…路車間通信機、16…ナビゲーションシステム、20…ECU、30…ACC、32…レーダ。
Claims (5)
- 隊列内の車両それぞれについて、先行する前記車両が後続の前記車両の空気抵抗を低減する効果に基づいて、前記隊列内の前記車両それぞれの惰性走行時の走行状態の差を減少させるように前記隊列内の前記車両の順序を編成する隊列編成手段を備えた車両制御装置。
- 前記隊列編成手段は、
前記隊列内の第1の前記車両及び第2の前記車両について、
第1の前記車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第2の前記車両が第1の前記車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が、第2の前記車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第1の前記車両が第2の前記車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差よりも小さいときは、第1の前記車両に第2の前記車両が後続するように前記隊列内の前記車両の順序を編成し、
第1の前記車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第2の前記車両が第1の前記車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差が、第2の前記車両が単独で惰性走行を行なった場合の走行状態と第1の前記車両が第2の前記車両に後続して惰性走行を行なった場合の走行状態との差よりも大きいときは、第2の前記車両に第1の前記車両が後続するように前記隊列内の前記車両の順序を編成する、請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記隊列編成手段は、前記隊列内から選択可能な第1の前記車両及び第2の前記車両について前記隊列内の前記車両の順序を順次編成し、前記隊列内の前記車両の順序の変更の必要がなくなるまで前記車両の順序の編成を続行する、請求項2に記載の車両制御装置。
- 前記隊列内の前記車両それぞれが一緒に加速走行と惰性走行とを交互に繰り返すように、前記隊列内の前記車両それぞれの速度パターンを生成する速度パターン生成手段をさらに備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両制御装置。
- 前記速度パターン生成手段は、前記隊列内において先行する前記車両と後続する前記車両との車間距離が所定の安全車間距離よりも小さくなる場合及び所定の安全車間距離よりも小さくなることが予測される場合のいずれかの場合は、前記隊列内において先行する前記車両が加速走行を行なう時期をより早めた前記速度パターンを生成する、請求項4に記載の車両制御装置。
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