JP2012107161A - 連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低圧縮歪性及びシール性に優れた連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、及び架橋剤を含有する発泡体原料を反応させてなり、引張強さ(N/mm)と平均セル数(個/25mm)との積として得られる第1の値が4.5以上であるポリオレフィン系樹脂発泡体に対し、異方向へ回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を行う。圧縮処理を複数回繰り返し行う圧縮工程において、ロールの周速比と圧縮率(%)との積を圧縮処理毎に算出し、それを総和した値を第2の値としたとき、第2の値を第1の値で除した値として得られる第3の値が100〜290の範囲となるように周速比、圧縮率及び処理回数を設定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、低圧縮歪性及びシール性に優れた連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するための製造方法に関する。
連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法として、独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に対して、異方向に回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を行うことにより、気泡膜を破裂させて気泡を連通化させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の製造方法では、独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体として、発泡倍率が15〜70倍であり、平均気泡径のゲル分率に対する比が10〜300の関係あるポリオレフィン系樹脂発泡体を用いている。そして、圧縮処理における発泡体の圧縮率を87.5〜96%とし、ロールの周速比を1.0〜1.4としている。このように構成することで、発泡倍率及び連続気泡率が高く、表面が平滑な連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
特開2001−040128号公報
ところで、連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をシール材として用いる場合には、高いシール性に加えて低圧縮歪性が求められるが、特許文献1の製造方法では低圧縮歪性及び高いシール性を有する連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることは困難であった。特許文献1の製造方法を用いて、シール性の高い(気泡の細かい)連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ようとした場合、気泡径に合わせてゲル分率を下げる必要があるが、ゲル分率を下げると樹脂強度が低下してしまい低圧縮歪性を得ることができなくなる。また、低圧縮歪性を求めてゲル分率を高めた場合、ゲル分率に合わせて気泡径が大きくなってしまうことから、高いシール性を得ることができなくなる。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低圧縮歪性及びシール性に優れた連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するための製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に対し、異方向へ回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を行うことにより気泡を連通させて連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法であって、ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、及び架橋剤を含有する発泡体原料を反応及び発泡させてなり、JIS K6767に規定される引張強さと、JIS K6767に規定される25mmあたりの平均セル数との積として得られる第1の値が4.5以上である独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を用い、前記圧縮処理を複数回繰り返し行う圧縮工程を有し、該圧縮工程において、前記ロールの周速比と圧縮率との積を圧縮処理毎に算出し、それを総和した値を第2の値としたとき、前記第2の値を前記第1の値で除した値として得られる第3の値が100〜290の範囲であることを特徴とする。
請求項2に記載の連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記第3の値が105〜280の範囲であることを特徴とする。
請求項3に記載の連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1の値が4.5〜21.0の範囲であり、前記第2の値が620〜4800の範囲であることを特徴とする。
本発明の連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法によれば、低圧縮歪性及びシール性に優れた連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の製造方法は、特定の独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に対して、特定の条件による圧縮処理を複数回行う圧縮工程を施すことにより、発泡体内の気泡を連通化させて連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するものである。以下では、本実施形態の製造方法に用いる独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、及び圧縮工程について具体的に説明する。
[独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体]
本実施形態の製造方法に用いられる独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、独立気泡発泡体と記載する。)としては、JIS K6767(1999附属書1の2)に規定される引張強さ(N/mm)と、JIS K6767(1999附属書A)に規定される、長さ25mmあたりの平均セル数(個/25mm)との積として得られる第1の値が4.5以上、好ましくは4.5〜21.0の範囲である発泡体が用いられる。上記第1の値が4.5未満である場合、最終的に得られる連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、連続気泡発泡体と記載する)のシール性が著しく低下するおそれがある。
上記独立気泡発泡体は、平均セル数が15〜60個/25mmであることが好ましい。平均セル数が15個/25mm未満である場合、上記第1の値が4.5以上にすることが困難になり、結果として最終的に得られる連続気泡発泡体のシール性が低下しやすい。一方、平均セル数が60個/25mmを超える場合、後の圧縮工程において気泡を連通させることが困難になる。
また、上記独立気泡発泡体は、発泡倍率が15〜50倍であることが好ましい。発泡倍率が15倍未満である場合、発泡体が硬くなりすぎて後の圧縮工程において気泡を連通させることが困難になる。一方、発泡倍率が50倍を超える場合、発泡体が柔軟化されすぎて後の圧縮工程において形状を保持することが困難になる。
上記独立気泡発泡体は、ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、及び架橋剤を含有する発泡体原料を反応させることにより製造することができる。具体的には、発泡体原料を混合するとともに押出機等によりシート状に形成し、同シートを加熱することによって含有される発泡剤及び架橋剤を分解させて、架橋構造を形成するとともに発泡させることによって製造することができる。
発泡体原料に含有されるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、及びポリオレフィン共重合樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。ポリオレフィン共重合樹脂は、オレフィン及びオレフィンと共重合可能な単量体の共重合体であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−ブテン共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル(メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等)共重合樹脂、又はそれらの塩素化物、或いはポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレン又はアタクチックポリプロピレン)との混合物が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
発泡剤は分解により窒素ガス等のガスを発生し、ポリオレフィン系樹脂を発泡させるものである。発泡体原料に含有される発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジニトロソペンタンメチレンテトラミン(DPT)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)を用いることができる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。また、発泡体原料における発泡剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して12〜26質量部であることが好ましい。
架橋剤は独立気泡発泡体に架橋構造を形成して所定の硬さや強度を付与する。発泡体原料に含有される架橋剤としては、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生してポリオレフィン系樹脂に架橋結合を生じさせる有機過酸化物が用いられる。こうした有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)−n−ブチルバレエート、α,α´−ジ(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス−t−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼンが挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
発泡体原料における架橋剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.5〜1.4質量部であることが好ましい。上記架橋剤の含有量が0.5質量部未満である場合、最終的に得られる連続気泡発泡体のシール性が低下するおそれがある。また、上記架橋剤の含有量が1.4質量部を超える場合、独立気泡発泡体の発泡時に裂けが生じる等、成形性に悪影響を与えるおそれがある。
また、発泡体原料には上記各成分に加えて、例えば、発泡助剤、架橋促進剤、無機充填剤、整泡剤、難燃剤、安定剤、可塑剤、着色剤等の他の成分を適宜、配合することができる。上記他の成分のうち、発泡助剤及び架橋促進剤について説明する。
発泡助剤は上記発泡剤による発泡作用を調整する。発泡助剤としては、例えば、尿素等の尿素系助剤、金属酸化物、及び脂肪酸金属塩を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、酸化鉛、二塩基性亜リン酸鉛、及び三塩基性硫酸鉛が挙げられる。脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸カルシウムが挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。また、発泡体原料における発泡助剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.01〜0.08質量部であることが好ましい。
架橋促進剤は上記架橋剤による架橋作用を促進する。架橋促進剤としては、例えば、トリアリルトリメリテート、トリアリルメリテート、ジアリルメリテート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、及び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを用いることができる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。また、発泡体原料における架橋促進剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1〜1.0質量部であることが好ましい。上記架橋促進剤の含有量が1.0質量部を超える場合、独立気泡発泡体の発泡時に裂けが生じる等、成形性に悪影響を与えるおそれがある。
[圧縮工程]
圧縮工程は、異方向へ回転する2本のロールの間に上記独立気泡発泡体を通過させる圧縮処理を複数回、繰り返して行うことにより、気泡膜を破裂させて独立気泡発泡体の気泡を連通化させる工程である。ここで、各圧縮処理時における圧縮条件(圧縮率、ロールの周速比)及び処理回数を、次の要件を満たすように設定する。まず、予定するロールの周速比と圧縮率との積を圧縮処理毎に算出し、それを総和した値を第2の値とする。そして、この第2の値を(圧縮工程に供する独立気泡発泡体の)第1の値で除した値を第3の値としたとき、この第3の値が100〜290の範囲、好ましくは105〜280の範囲となるように設定する。なお、圧縮工程においては複数回の圧縮処理を繰り返し行うが、各圧縮処理の圧縮条件は全て同じであってもよいし、圧縮処理毎に変更してもよい。
ここで、上記圧縮率は、圧縮工程における独立気泡発泡体の圧縮度合を表す数値であって、下記一般式(1)により算出することができる。
「圧縮率(%)」=(「独立気泡発泡体の厚み」−「ロール間距離」)/「独立気泡発泡体の厚み」×100・・・(1)
また、上記周速比は、圧縮工程における2本のロールの回転速度の比を表す数値であって、下記一般式(2)により算出することができる。
「周速比」=「回転の速いロールの回転速度」/「回転の遅いロールの回転速度」・・・(2)
上記第3の値が100未満である場合、高いシール性が得られなくなる、又は気泡を十分に連通させることができなくなるおそれがある。一方、上記第3の値が290を超える場合、低圧縮歪性に優れた連続気泡発泡体を得ることができなくなる。なお、上記圧縮率は独立気泡発泡体の気泡の連通効率を高めるという観点から、90%以上であることが好ましい。また、2本のロールの回転速度が同じ、つまり周速比が「1」であってもよいが、独立気泡発泡体の気泡の連通効率を高めるという観点から、2本のロールの回転速度を異ならせる、つまり周速比が「1」を超える値となるようにロールの回転速度を設定することが好ましい。
一例として、第1の値が「7.5」である独立気泡発泡体に対して、条件1(圧縮率95%、周速比1.35)の圧縮処理を6回、条件2(圧縮率95%、周速比1.3)の圧縮処理を3回行った場合における第2の値及び第3の値の算出例を以下に記載する。なお、同例は後述する実施例の試験例2に関するものである。
「第2の値」=(95×1.35)×6+(95×1.3)×3=1140
「第3の値」=1140÷7.5=152
次に本実施形態における作用効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の連続気泡発泡体の製造方法では、独立気泡発泡体に対し、異方向へ回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を複数回繰り返し行う圧縮工程を有する。そして、独立気泡発泡体として、ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、及び架橋剤を含有する発泡体原料を反応させてなり、引張強さと平均セル数との積として得られる第1の値が4.5以上である独立気泡発泡体を用いる。また、圧縮工程では、ロールの周速比と圧縮率との積を圧縮処理毎に算出し、それを総和した値を第2の値としたとき、第2の値を第1の値で除した値として得られる第3の値が100〜290の範囲となるように周速比、圧縮率及び処理回数を設定する。
上記構成によれば、得られる連続気泡発泡体は、低圧縮歪性で、かつシール性に優れた発泡体となる。したがって、水シールやエアシール等のシール材、及び緩衝材等に適した連続気泡樹脂発泡体を製造することができる。
また、上記構成によれば、圧縮工程前の独立気泡発泡体について、引張強さ及び平均セル数の2つの物性値さえ把握すればよく、他の物性値を把握する必要がない。そのため、圧縮工程前の独立気泡発泡体について、発泡倍率、平均気泡径及びゲル分率の3つの物性値を把握する必要のある特許文献1に記載された発明と比較して、効率よく連続気泡発泡体を製造することができる。
(2)好ましくは、発泡体原料における架橋剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.5〜1.4質量部である。この場合、独立気泡発泡体の成形性、及び最終的に得られる連続気泡発泡体のシール性を好適に確保することができる。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記発泡体原料における前記架橋剤の含有量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.5〜1.4質量部であることを特徴とする連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(ロ)前記発泡体原料は架橋促進剤を含有し、前記発泡体原料における前記架橋促進剤の含有量は、0.1〜1.0質量部であることを特徴とする連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(ハ)圧縮永久歪が8%以下であり、エア漏れ量が1.0L/min以下である連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(ニ)シール材として用いられる連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
次に、各試験例を挙げて上記実施形態を更に具体的に説明する。
まず、各試験例に使用した、独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、独立気泡発泡体と記載する。)に用いた発泡体原料の成分を以下に示す。
ポリオレフィン系樹脂1:エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、630)
ポリオレフィン系樹脂2:低密度ポリエチレン(旭化成社製、F2225.4)
発泡剤:アゾジカルボンアミド(永和化成社製、AC#1L)
発泡助剤:尿素系助剤(永和化成社製、セルペースト101)
架橋剤:ジクミルパーオキサイド(化薬アクゾ社製、BC−FF)
架橋促進剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート(日本ユピカ社製、TMPT)
上記各成分を下記表1〜5に示す配合割合で調整した各発泡体原料を押出機にて混練するとともにシート状に押出してシートを形成した。そして、このシートをオーブン中に運搬しながら、120〜250℃にて5〜20分間加熱して発泡させることにより独立気泡型発泡体を得た。なお、表1〜5中の各成分の数値は質量部を表す。
得られた独立気泡型発泡体について、下記に示す方法により引張強さ及び平均セル数を測定するとともに、その測定結果に基づいて引張強さと平均セル数との積として得られる第1の値を算出した。その結果を表1〜5に示す。
引張強さの測定:JIS K6767(1999附属書1の2)に準拠して引張強さの測定を行った。
平均セル数の測定:JIS K6767(1999附属書A)に準拠して平均セル数の測定を行った。
次に、得られた独立気泡型発泡体のシートを厚さ10mmにスライスするとともに、スライスしたシートに対して、異方向へ回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を複数回、繰り返し行った(圧縮工程)。圧縮処理の圧縮条件(圧縮率、周速比)、及び処理回数は表1〜5に示すとおりである。なお、2本のロールの径はともに200mmであり、ロールの回転速度(フォーム送り速度)は4〜6m/minの範囲で設定した。
また、途中、圧縮条件を変更したものについては、表中において条件1及び条件2として2段で表している。例えば、試験例2では、条件1(圧縮率95%、周速比1.35)における圧縮処理を6回行った後に、条件2(圧縮率95%、周速比1.3)における圧縮処理を3回行っている。ここで、ロールの圧縮率と周速比との積を圧縮処理毎に算出し、それを総和した値として得られる第2の値を算出した。また、第2の値を第1の値で除した値として得られる第3の値を算出した。その結果を表1〜5に示す。
次に、上記圧縮工程を経て製造された連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、連続気泡型発泡体と記載する。)について、下記に示す方法により、低圧縮歪性及びシール性の評価を行った。その結果を表1〜5に示す。
低圧縮歪性の評価:JIS K6767(1999附属書1の4)に準拠して圧縮永久歪の測定を行った。なお、圧縮永久歪が8%以下であるか否かをもって、低圧縮歪性の良否を判断した。
シール性の評価:得られた連続気泡型発泡体から外径80mm、内径60mm、厚さ8mmの円環板状の供試体を作成した。この供試体の一方側の側面に、供試体よりも外径の大きい円板状の第1ホルダを重ねるとともに、同他方側の側面に、第1ホルダと同じ外径かつ内径が60mmの貫通孔を中央に有する円環板状の第2ホルダを重ね、第1及び第2ホルダ間に供試体を挟持させた。そして、第1及び第2ホルダにて厚みが60%となるように供試体を圧縮させた状態で固定した。なお、第2部材及び供試体はそれぞれの貫通孔の位置が重なるように位置合わせされている。次に、第2ホルダの貫通孔に送風ファンを接続し、内部の空気圧力が390Paとなるように、第2ホルダの貫通孔を介して送風ファンにて加圧した。そして、供試体部分を通じて外部に漏れる空気量(エア漏れ量)を流量計にて測定した。なお、1分間あたりのエア漏れ量が1.0L以下であるか否かをもって、シール性の良否を判断した。
Figure 2012107161
表1に示す試験例1〜4では発泡体原料におけるポリオレフィン系樹脂の配合割合を変更している。第3の値が100〜290の範囲内である試験例1〜3は、圧縮永久歪が低く抑えられている。また、エア漏れ量が1.0(L/min)以下であり、シール性についても優れている。一方、第3の値が290を超えている試験例4では、圧縮永久歪が顕著に大きくなっている。
Figure 2012107161
表2に示す試験例2、5〜9では発泡体原料における架橋剤量を変更している。第3の値が100〜290の範囲内である試験例2、6〜8は、圧縮永久歪が低く抑えられ、かつシール性に優れている。また、発泡体原料中に含有される架橋剤量が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であり、第1の値が4.5未満であった試験例5は、エア漏れ量が1.2(L/min)であり、シール性に問題がある。上記架橋剤量が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1.5質量部であった試験例9は、発泡時に部分的に裂けが生じてしまい、正常に成形することができなかった。そのため、試験例9については圧縮工程を行わなかった。
Figure 2012107161
表3に示す試験例2、10〜14では発泡体原料における発泡剤量を変更している。第3の値が100〜290の範囲内である試験例2、11、13、14は、圧縮永久歪が低く抑えられ、かつシール性に優れている。一方、第3の値が290を超えている試験例10、12では、圧縮永久歪が顕著に大きくなっている。
Figure 2012107161
表4に示す試験例2、15〜18では発泡体原料における架橋促進剤量を変更している。第3の値が100〜290の範囲内である試験例2、15〜17は、圧縮永久歪が低く抑えられ、かつシール性に優れている。また、発泡体原料中に含有される架橋促進剤量が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1.1質量部であった試験例18は、発泡時に部分的に裂けが生じてしまい、正常に成形することができなかった。そのため、試験例18については圧縮工程を行わなかった。
Figure 2012107161
表5に示す試験例2、19〜23では発泡体原料における発泡助剤量を変更している。第3の値が100〜290の範囲内である試験例2、19〜22は、圧縮永久歪が低く抑えられ、かつシール性に優れている。また、発泡体原料中に含有される発泡助剤量がポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部であった試験例23は、発泡時にガスが抜けてしまい、正常に成形することができなかった。

Claims (3)

  1. 独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に対し、異方向へ回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を行うことにより気泡を連通させて連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法であって、
    ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、及び架橋剤を含有する発泡体原料を反応及び発泡させてなり、JIS K6767に規定される引張強さと、JIS K6767に規定される25mmあたりの平均セル数との積として得られる第1の値が4.5以上である独立気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を用い、
    前記圧縮処理を複数回繰り返し行う圧縮工程を有し、
    該圧縮工程において、前記ロールの周速比と圧縮率との積を圧縮処理毎に算出し、それを総和した値を第2の値としたとき、前記第2の値を前記第1の値で除した値として得られる第3の値が100〜290の範囲であることを特徴とする連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 前記第3の値が105〜280の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 前記第1の値が4.5〜21.0の範囲であり、前記第2の値が620〜4800の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連続気泡架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
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