JP2012105600A - 無菌包装食品の製造方法および無菌包装食品 - Google Patents
無菌包装食品の製造方法および無菌包装食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012105600A JP2012105600A JP2010257886A JP2010257886A JP2012105600A JP 2012105600 A JP2012105600 A JP 2012105600A JP 2010257886 A JP2010257886 A JP 2010257886A JP 2010257886 A JP2010257886 A JP 2010257886A JP 2012105600 A JP2012105600 A JP 2012105600A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sterilizer
- container
- steam
- clean environment
- sterilization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Beans For Foods Or Fodder (AREA)
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Cereal-Derived Products (AREA)
Abstract
【解決手段】クリーン環境1に連接または、クリーン環境入口2に配設した、蒸気放出ノズル3および蒸気・空気・凝縮水の排出出口4を備えた耐圧容器からなる殺菌装置5に、固形状食品原料を充填した開口部21を備えた容器22を収容して殺菌し、殺菌後の固形状食品原料が充填された容器23を前記クリーン環境1に少なくとも連接または、クリーン環境出口7に配設された密封装置8で前記開口部21をシールすることで、前記殺菌装置5内の無菌状態および前記クリーン環境1内の無菌状態を維持しつつ無菌包装食品を製造する。
【選択図】図1
Description
特に、米、麦、雑穀などの穀類、その加工品などの固形食品を殺菌し、無菌包装する場合には、密閉された配管の中で殺菌から充填までを連続して行える粘・液体の流体食品と異なり、確実な殺菌と殺菌後の二次汚染の防止に注意が必要であり、殺菌対象物である食品の殺菌はもちろんのこと、殺菌装置内全ての部材を確実に殺菌できること、さらには外部からの菌の流入による二次汚染を確実に防止できることも重要な課題となる。
また、例えば、数分から数十分かけて常温の食品を120℃程度まで加熱して殺菌するような場合には、温度斑を解消する熱伝達時間が十分に確保され、また通常はある程度の安全を見て過剰な殺菌を行うこともあり、実質的には殺菌不良箇所は存在しなくなるが、例えば、数秒から数分の短時間で常温の食品を125〜155℃程度の高温まで加熱して殺菌するような場合には、品質への影響が大きいために過剰な殺菌条件にすることも出来ず、また、熱伝達の時間も十分に確保されないために、温度斑が解消されず、殺菌不良箇所が存在する場合がある。
本発明の第2の目的は、本発明の方法により製造された、高い信頼性および安全性を有する無菌包装食品を提供することである。
(2) 前記蒸気放出ノズルから蒸気を少なくとも前記殺菌装置の底部に向けて噴射しつつ、かつ前記排出出口から装置内の蒸気・空気・凝縮水を排出しつつ、装置内を殺菌温度まで昇温する。
(3) 殺菌温度まで昇温した後も、前記蒸気放出ノズルから蒸気を前記殺菌装置の底部に向けて噴射しつつ、かつ前記排出出口から装置内の蒸気、空気、凝縮水を排出しつつ殺菌温度を維持しながら殺菌する。
(4) 前記クリーン環境に面している前記殺菌装置の面に備えられた容器取り出し用扉から殺菌後の食品が充填されている容器を前記クリーン環境内に取り出す。
(5) 前記クリーン環境内に取り出した殺菌後の固形状食品原料が充填された容器を前記密封装置で前記開口部をシールする。
前記蒸気放出ノズルから蒸気を殺菌装置の底部に向けて噴射することにより、空気や凝縮水が溜まりやすく温度が上がりにくい底部から加熱することができ、また、蒸気を噴射しつつ、蒸気、空気、凝縮水を連続して排出しながら殺菌温度を維持して殺菌するので、空気や凝縮水が一定箇所に滞留することなく、常に熱い蒸気により除去されながら殺菌されるので、殺菌装置内に温度斑が生じず、殺菌不良箇所が発生しない。
そのため、殺菌装置内が確実に殺菌され、殺菌装置内の無菌状態およびクリーン環境内の無菌状態を維持しながら高い信頼性および安全性を有する無菌包装食品を製造することができるという顕著な効果を奏する。
殺菌終了後、前記殺菌装置内の圧力が殺菌装置の外部環境の圧力より低くなる前に前記排出出口を閉じるので、殺菌装置内の圧力が、蒸気の凝縮による体積収縮により、殺菌装置の圧力が外部環境の圧力よりも低くなろうとする力が働いても、外部環境より菌が流入し二次汚染の原因となる危険性もない。そのため、より確実に殺菌装置内の無菌状態およびクリーン環境内の無菌状態を維持しながら高い信頼性および安全性を有する無菌包装食品を製造することができるというさらなる顕著な効果を奏する。
前記蒸気放出ノズルが前記耐圧容器内の前記固形状食品原料が充填された前記容器より前記耐圧容器の底側に備えられ、前記蒸気を前記蒸気放出ノズルから前記殺菌装置の底部に直接蒸気を吹き付けて、前記殺菌装置内の殺菌と前記固形状食品原料の殺菌を行うので、装置内の食品への蒸気の当たり方が均一になり、殺菌斑が生ぜず、また、蒸気が直接殺菌対象物に当たり、蒸気の勢いや蒸気中に含まれる凝縮水の力で食品が吹き飛んだり、変形したりすることがなくなるというさらなる顕著な効果を奏する。
殺菌後に、炊き水および/または調味液を添加して蒸気により調理することにより、より最適な条件で食品を殺菌して、殺菌後の調理により食品の食味・食感などを適宜変化させ、殺菌による調理効果を補うことができ、様々な品質の無菌包装食品を製造することが出来るというさらなる顕著な効果を奏する。
特に殺菌中に吹き飛びやすく、また温度斑による殺菌不良の生じやすい、米、麦、雑穀、豆類の単体もしくは2種以上の混合物を含む粒形状食品原料を用いても、殺菌装置内が確実に殺菌され、殺菌装置内の無菌状態およびクリーン環境内の無菌状態を維持しながら、高い信頼性および安全性を有する無菌米飯や炊き込みご飯やその他の具材を入れた無菌米飯などの無菌包装食品を製造することができるというさらなる顕著な効果を奏する。
前記殺菌温度で殺菌することにより、より短時間で確実に殺菌することができ、さらに殺菌の熱による臭いの発生や物性変化などの品質劣化を生じやすく殺菌時間の管理も難しい高温での殺菌においても、温度斑が生じず、殺菌不良箇所が存在しなくなるというさらなる顕著な効果を奏する。
図1(イ)に示したように、本発明で用いる無菌包装食品製造装置Aは、クリーン環境1と、クリーン環境1の入口2に配設した、蒸気放出ノズル3および蒸気・空気・凝縮水の排出出口4を備えた耐圧容器からなる殺菌装置5と、殺菌装置5の後方のクリーン環境1内に設置された調理装置としての無菌包装食品加工用の炊飯装置6と、クリーン環境1の出口7に配設された密封装置8とが順次並んで配設されている。
本発明の第1実施態様においては殺菌装置5がクリーン環境1の入口2に配設された例を示したが、本発明においては殺菌装置5がクリーン環境1の入口2に接した状態で連なっていても外部環境から菌の侵入を防ぐ機構になっていれば良い。殺菌装置5がクリーン環境1の入口2に接した状態で連なっていれば、外部環境からクリーン環境1内に菌が流入することがなく、クリーン環境1内の無菌状態が維持される。
蒸気放出ノズル3は耐圧容器5の底部9側に備えられ、蒸気放出ノズル3から蒸気を殺菌装置5の底部9に向けて噴射しつつ、排出出口4の開閉弁11を開けて排出出口4から耐圧容器5内の蒸気・空気・凝縮水を排出するようになっている。
しかし、固形状食品原料20の種類、容器22の大きさや形状、容器22への充填量、無菌包装食品の種類などによっては、全蒸気放出ノズル3から噴射される蒸気の一部が底部9に向かっていれば良い場合もあり、また凝縮水が溜まりやすい底部9の殺菌をより確実に行うためには、全蒸気放出ノズル3から噴射される蒸気の1/3以上が底部9に向けて噴射されることが好ましい場合もあり、さらにより確実に殺菌を行うためには、全蒸気放出ノズル3から噴射される蒸気の1/2以上が底部9に向けて噴射されることがより好ましい場合もある。
排出出口4から排出されるものは、殺菌工程の経過に伴い変化し得る。殺菌工程初期においては、主に空気と空気を追い出すための蒸気と蒸気の凝縮により生じる凝縮水が混在して排出され、殺菌工程終盤においては、主に凝縮水と凝縮水を押し出すための蒸気が混在して排出される。
工程(1)先ず、開口部21を備えた容器22に固形状食品原料20を充填し、前記のようにクリーン環境1に面していない殺菌装置5の面に備えられた容器導入用扉10から固形状食品原料20を充填した容器22を殺菌装置5内に収容する。
固形状食品原料20を容器22に充填する前あるいは後、殺菌装置5内に収容する前に、予め熱処理したり、下味付け、漬込み、浸漬、洗浄、洗米などの処理を行うことができる。
例えば、精白米を洗米した後、水に浸漬して水を含浸させ、水切り後、その米を計量して容器22に所定量を充填する。
なお、耐圧容器5の内の温度調整は、蒸気放出ノズル3からの蒸気の放出量の調整、もしくは、排出出口4の開閉弁11の開度調整による排出量の調整などにより、殺菌される固形状食品原料の物性や、設定する殺菌温度により適切な条件に適宜調整を行う。
蒸気放出ノズル3の放出口の口径や、排出出口4の口径、放出ノズルの放出圧力なども、殺菌装置5の能力や、殺菌条件の設定などにより、殺菌装置5の設計時や、無菌包装食品を製造する際に、適宜設定し調整を行う。
蒸気放出ノズル3の放出口径と、排出出口4の排出口径とのバランスによって調整することもできる。その場合は、蒸気放出ノズル3の放出口径が、排出出口4の排出口径に対して過小でない限り、調整を容易にできる。また、蒸気放出ノズル3や排出出口4が複数ある場合は、両者の口径から計算される面積を用いて、調整を容易に行なうことができる。
また、容器22の材質や、固形状食品原料への影響を考慮する必要があるが、殺菌温度は高い方が、短時間で殺菌ができるため、生産効率が良くなり好ましいが、155℃以下であるならば、一般的に安価で加工を行いやすい無菌包装食品で使用されるプラスチック材質である、ポリプロピレンの耐熱温度以下となるため好ましい。
すなわち、殺菌終了後に前記殺菌装置5内の圧力が、前記殺菌装置5に連接する、クリーン環境1における圧力ではなく、前記容器導入用扉10の外側の圧力(外部環境の圧力)より低くなる前に、または、前記耐圧容器5に備えられた排出出口4の外側の圧力(外部環境の圧力)より低くなる前に、前記排出出口4を閉じ、その後に前記クリーン環境1に面している前記殺菌装置5の面に備えられた容器取り出し用扉12から殺菌後の食品が充填されている容器22を前記クリーン環境1内に取り出すようにすることが肝要である。
炊飯・調理の対象となる穀類加工品により、所定の温度、所定の圧力下で、所定の時間、適宜選択し、炊飯・調理する。
炊き水は特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、水の他にも調味液やソース類など各種液体を用いることができ、各種味付き穀類加工品を煮炊きすることも可能である。
炊飯・調理の際は、必要に応じて蓋をしてもよい。
穀類は、単体または2種以上混合して使用できる。
例えばヒートシール機で完全にシールして密封包装する。窒素などの不活性ガスで置換したり、脱酸素剤を封入したりしてもよい。
そして、密封包装後は、そのままあるいは所定数ダンボール箱に梱包するなどして適温に維持された貯蔵庫内で貯蔵したり、搬送・輸送に供したりする。
クリーン環境1の出口7は、外部から菌の侵入を防ぐ機構になっている。前記浸入を防ぐ機構は、クリーン環境1の圧力を高くし、外気浸入を防ぐ方法など、様々な方法を用いる事ができる。
また、殺菌後は、殺菌装置5内の圧力が、蒸気の凝縮による体積収縮により、前記殺菌装置5の外部環境の圧力より低くなろうとする力が働き、外部より微生物(菌)が流入する危険性があり、その結果、クリーン環境1内の気圧や空気の流れにもよるが、固形状食品原料20が直接汚染されたり、あるいは容器22、その他、搬送装置に菌が付着してしまい、クリーン環境1内へ少なからず菌の持ち込みが生じ、その結果、クリーン環境1内での密封シールまでに、殺菌された固形状食品原料20が間接的に汚染されたりする可能性が残されていた。
以上のようにして、殺菌装置5内の無菌状態およびクリーン環境1内の無菌状態を維持しつつ無菌包装食品を製造することができる。
固形状食品原料20としては、穀物や穀物由来の原料を含む食品原料が、好ましい。本発明でいう穀物とは、具体的には、例えば、米や、雑穀の米以外のイネ科、例えば、大麦・はと麦・きび・たかきび・トウモロコシ・小麦・稗・粟・ホワイトソルガムなどや、マメ科、例えば、小豆、大豆、そら豆、落花生、ささげ、いんげん豆、えんどう豆、緑豆などや、その他の科の、ごま・そば・アマランサス・キヌアなどの澱粉質を含む作物などを挙げることができる。
これらの穀類は、さらに、事前に洗浄、浸漬、裁断、発芽処理、予備加熱などを行っておいてもよい。
通常特に使用する前記雑穀としては、麦、粟、きび、稗、大豆、小豆、黒豆、緑豆、ごま、アマランサス、トウモロコシなどを挙げることができる。
円筒横型の殺菌装置5は、生じる凝縮水が底辺に集合しやすく、排出しやすいという特徴があり、角型の殺菌装置5は、食品を収容する際の収容効率がよく使用蒸気量を節約できるという特徴がある。
配管の切断面の先端を排出出口4として利用する場合には、前記殺菌装置5の底部9に段差なく設置すれば、底部9に溜る凝縮水を無理なく缶外へ排出することができる。
蒸気放出ノズル3は、殺菌装置5の底部9に蒸気を噴射することが可能であれば、前記殺菌装置5の底部9に溜まり易い凝縮水と共に、前記殺菌装置5内全体の殺菌を行いつつ、容器22内の固形状食品原料20も殺菌を行うことができる。
温度計や圧力計なども適宜設置できる。
飽和蒸気であれば、食品を焦がしたり乾燥させたりすることなく効率よく加熱調理することができる。
過熱蒸気を使用すれば、食品の水分値の上昇を抑えながら加熱したり、水分を蒸発させながら加熱したり、焦がしたりすることもできる。また、クリーン環境内の結露発生を防止でき、結露水が食品に付着してしまうことを防止することもできる。
容器22として、製品として販売可能な包装容器となる耐熱性容器を用いると、容器22から包装容器への移し替えや別途包装容器の殺菌が不要となり、工程が簡略化できるとともに、均一な品質を有する無菌包装食品を、その状態のまま密封包装して製品にできる。
例えば、製品として販売可能な容器となる耐熱性容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれを容器に成形したもの、また、蓋材フィルムとしては、「PET/Kナイロン/ポリエチレン系シーラント」などが使用できる。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料(精白米)20を殺菌、炊飯して無菌包装食品(無菌米飯)を製造する例を示す。
工程(1)先ず、精白米を洗った後、常温の水に1時間浸漬して水を含浸させ、水切り後、その米(水分含量30%)を150g計量して、そのまま製品として使用できる上部が開放した耐熱性プラスチック製容器(容器開口部:18mmφ、容積:400mmリットル、平均肉厚0.3mm、材質:PP/EVOH/PP積層体)透明蒸着PETフィルム12μm/シール材45μm)22に充填した。
無菌包装食品製造装置Aのクリーン環境1に面していない殺菌装置5の面に備えられた容器導入用扉10から固形状食品原料20を充填した容器22を殺菌装置5内に収容した。
そして、密封包装後は、所定数ダンボール箱に梱包して適温に維持された貯蔵庫内で貯蔵した。
検査結果を、殺菌時に(蒸気、空気、凝縮水)を排出出口4から排出したかどうかなどとともに、表1にまとめて示した。
(1)固形状食品原料および製造した食品の殺菌状態については、下記の2方法で確認した。
(1−1)密封包装し1年間常温で保管した試料1000個について、実際に微生物検査を実施して菌の有無(陽性数/1000個)を確認した。
(1−2)固形状食品原料20を充填した容器22の内側底部に温度センサを設置して、固形状食品原料20のF値を求めて確認した。
(2-1)殺菌装置5の底部9および側壁部13に温度センサを設置して、底部9および側壁部13のF値を求めて確認した。
(2-2)殺菌処理後に、殺菌装置5の底部9に凝縮水が溜まっているかどうかを目視で確認した。
なお、F値とは、250F°(121.1℃)における加熱時間での殺菌値を換算した値であり、殺菌値F0のことである。
さらに、無菌状態を維持するためには、殺菌時に殺菌不良が生じやすい凝縮水が、底部9に多く溜まらないことが望ましく、実質的に溜まらないことがより望ましい。
さらに、微生物検査結果からも、安全性の高い無菌包装食品であることが判る。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料(精白米)20を殺菌、炊飯して無菌包装食品(無菌米飯)を製造する例を示す。
図2(ロ)に示したように蒸気放出ノズル3の1つが容器22より下方の耐圧容器5の底9側に設置されて底9に向けて噴射し、他の蒸気放出ノズル3が容器22より上方の耐圧容器5の天井側に設置されて天井に向けて噴射している以外は、実施例1と同様にして殺菌、炊飯し、そして、常温まで冷却した。
さらに、微生物検査結果からも、安全性の高い無菌包装食品であることが判る。
実施例1と同様に工程(5)まで行なった後、工程(6)で殺菌後、固形状食品原料20が充填されている容器22に、クリーン環境1内に設置された図示しない添加装置を用いて炊き水を90g添加し、この容器22を矢印の方向からクリーン環境1内に設置された公知の調理装置6に収容して135℃の加熱蒸気を用いて12分間、炊飯した。
工程(7)炊飯後、クリーン環境1内に設置された図示しない他の添加装置を用いて、炊飯後で湯気の出ている炊飯後のごはんの上に、殺菌済みのおかかを所定量添加した。そして、おかかを添加した炊飯後の無菌包装食品が充填された容器22をクリーン環境1の出口7に配設された密封装置8で容器22の開口部21を蓋材として透明フィルム(蒸着PETフィルム/シール材)を用いて冷却前にシールした。
製造面においては、F値が実施例1と同様に、固形状食品原料20も殺菌装置5も高いことから、無菌状態の維持が高く、製造された食品においても、信頼性および安全性の高い無菌包装食品が出来た。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料(精白米)20を殺菌、炊飯して無菌包装食品(リゾット風炊き込みごはん)を製造する例を示す。
無浸漬米を用い、それに野菜具材を適量添加したものを使用し、炊き水の代わりに調理水を用いた以外は実施例1と同様にして殺菌、炊飯し、常温まで冷却し、そして、シールした。
製造面においては、F値が実施例1と同様に、固形状食品原料20も殺菌装置5も高いことから、無菌状態の維持が高く、製造された食品においても、信頼性および安全性の高い無菌包装食品が出来た。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料[ボイル済みのパスタ(生めん)]20を殺菌して無菌包装食品(パスタ)を製造する例を示す。
ボイル済みのパスタ(生めん)を使用した以外は実施例1と同様にして殺菌した後、常温まで冷却し、シールした。
製造面においては、F値が実施例1と同様に、固形状食品原料20も殺菌装置5も高いことから、無菌状態の維持が高く、製造された食品においても、信頼性および安全性の高い無菌包装食品が出来た。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料(大豆)20を殺菌して無菌包装食品(大豆の水煮)を製造する例を示す。
浸漬した大豆を使用し、炊き水の代わりに調理水を用いた以外は実施例1と同様にして殺菌し、調理後冷却を行わず、シールした。
製造面においては、F値が実施例1と同様に、固形状食品原料20も殺菌装置5も高いことから、無菌状態の維持が高く、製造された食品においても、信頼性および安全性の高い無菌包装食品が出来た。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料(精白米)20を殺菌して無菌包装食品(無菌米飯)を製造する例を示す。
図2(ハ)に示したように蒸気放出ノズル3から蒸気を水平方向の殺菌装置5の側壁部13に向けて噴射した以外は、実施例1と同様にして殺菌し、炊き水を添加して炊飯し、常温まで冷却し、そして、シールした。
表1から、比較例1は、固形状食品原料20および殺菌装置5の側壁13のF値は高く、食品の微生物検査では菌は検出されなかったが、殺菌装置5の底部9のF値が低く、芽胞菌の死滅には不十分な可能性があり、安全・信頼性の高い無菌状態が維持されていないことが判る。
図1に示した無菌包装食品製造装置Aを用いて固形状食品原料(精白米)20を殺菌して無菌包装食品(無菌米飯)を製造する例を示す。
図2(ニ)に示したように蒸気放出ノズル3がいずれも耐圧容器5の天井側に設置されて天井に向けて噴射している以外は、実施例1と同様にして殺菌し、炊き水を添加して炊飯し、常温まで冷却し、そして、シールした。
表1から、比較例2は、固形状食品原料20および殺菌装置5の側壁13のF値は高く、食品の微生物検査では菌は検出されなかったが、殺菌装置5の底部9のF値が低く、殺菌装置5の底部9の無菌状態の維持において安全・信頼性の高い無菌状態が維持されていないことが判る。
殺菌装置5の天井部に図示しない空気排出出口が設置され、そして殺菌装置5の底部9には凝縮水排出のための図示しないスチームトラップが設置されている以外は図1に示した無菌包装食品製造装置Aと同じ製造装置Aを用いて固形状食品原料(精白米)20を殺菌して無菌包装食品(無菌米飯)を製造する例を示す。
蒸気放出ノズル3から蒸気を殺菌装置5の底部9に向けて噴射しつつ、排出出口4および図示しない前記空気排出出口から殺菌装置5内の蒸気・空気・凝縮水を排出しつつ、殺菌装置5内を殺菌温度まで昇温したが、殺菌時においては殺菌装置5内の蒸気、空気、凝縮水を排出出口4および前記空気排出出口から常に連続的に排出せず、前記図示しないスチームトラップにより間欠的に凝縮水を排出した以外は、実施例1と同様にして殺菌し、炊き水を添加して炊飯し、常温まで冷却し、そして、シールした。
表1の通り、比較例3は、固形状食品原料20および殺菌装置5の側壁13のF値は高いが、殺菌装置5の底部9のF値が1で、凝縮水の溜まりも多く、殺菌が不十分であることが判る。また、食品の微生物検査でも菌が1個検出され、殺菌装置5の底部9の無菌状態が維持されていないことが判り、安全性の高い包装食品の提供ができないことが判る。
1 クリーン環境
2 入口
3 蒸気放出ノズル
4 排出出口
5 殺菌装置
6 調理装置
7 出口
8 密封装置
9 底部
10 容器導入用扉
11 開閉弁
12 容器取り出し用扉
13 側壁部
20 固形状食品原料
21 開口部
22 容器
Claims (7)
- クリーン環境に連接または、クリーン環境入口に配設した、蒸気放出ノズルおよび蒸気・空気・凝縮水の排出出口を備えた耐圧容器からなる殺菌装置に、固形状食品原料を充填した開口部を備えた容器を収容して、下記の工程(1)〜(5)を含む工程で殺菌し、殺菌後の固形状食品原料が充填された容器を前記クリーン環境に少なくとも連接または、クリーン環境出口に配設された密封装置で前記開口部をシールすることで、前記殺菌装置内の無菌状態および前記クリーン環境内の無菌状態を維持しつつ無菌包装食品を製造することを特徴とする無菌包装食品の製造法。
(1)前記開口部を備えた容器に固形状食品原料を充填し、前記クリーン環境に面していない前記殺菌装置の面に備えられた容器導入用扉から前記容器を殺菌装置内に収容する。
(2)前記蒸気放出ノズルから蒸気を少なくとも前記殺菌装置の底部に向けて噴射しつつ、かつ前記排出出口から装置内の蒸気・空気・凝縮水を排出しつつ、装置内を殺菌温度まで昇温する。
(3)殺菌温度まで昇温した後も、前記蒸気放出ノズルから蒸気を前記殺菌装置の底部に向けて噴射しつつ、かつ前記排出出口から装置内の蒸気、空気、凝縮水を排出しつつ殺菌温度を維持しながら殺菌する。
(4)前記クリーン環境に面している前記殺菌装置の面に備えられた容器取り出し用扉から殺菌後の食品が充填されている容器を前記クリーン環境内に取り出す。
(5)前記クリーン環境内に取り出した殺菌後の固形状食品原料が充填された容器を前記密封装置で前記開口部をシールする。 - 殺菌終了後に前記殺菌装置内の圧力が殺菌装置の外部環境の圧力より低くなる前に前記排出出口を閉じ、その後に前記クリーン環境に面している前記殺菌装置の面に備えられた容器取り出し用扉から殺菌後の食品が充填されている容器を前記クリーン環境内に取り出すことを特徴とする請求項1記載の無菌包装食品の製造法。
- 前記蒸気放出ノズルが前記耐圧容器内の前記固形状食品原料が充填された前記容器より前記耐圧容器の底側に備えられ、前記蒸気を前記蒸気放出ノズルから前記殺菌装置の底部に直接蒸気を吹き付けて、前記殺菌装置内の殺菌と前記固形状食品原料の殺菌を行うことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の無菌包装食品の製造法。
- 加圧殺菌後、前記クリーン環境内で殺菌後の固形状食品原料が充填された容器に炊き水および/または調味液を添加し、この容器を前記クリーン環境内に設置された調理装置に収容して蒸気を用いて炊飯・調理し、炊飯・調理した後、無菌包装食品が充填された容器を前記密封装置で前記開口部をシールすることで、前記殺菌装置内の無菌状態および前記クリーン環境内の無菌状態を維持しつつ無菌包装食品を製造することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無菌包装食品の製造法。
- 前記固形状食品原料が、米、麦、雑穀、豆類の単体もしくは2種以上の混合物を含む粒形状食品原料であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無菌包装食品の製造法。
- 前記殺菌温度が125℃〜155℃の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無菌包装食品の製造法。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の無菌包装食品の製造法により製造されたことを特徴とする無菌包装食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010257886A JP5792454B2 (ja) | 2010-11-18 | 2010-11-18 | 無菌包装食品の製造方法および無菌包装食品の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010257886A JP5792454B2 (ja) | 2010-11-18 | 2010-11-18 | 無菌包装食品の製造方法および無菌包装食品の製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012105600A true JP2012105600A (ja) | 2012-06-07 |
JP5792454B2 JP5792454B2 (ja) | 2015-10-14 |
Family
ID=46491975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010257886A Expired - Fee Related JP5792454B2 (ja) | 2010-11-18 | 2010-11-18 | 無菌包装食品の製造方法および無菌包装食品の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5792454B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014117164A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Nisshin Seifun Group Inc | 連続蒸気殺菌装置 |
WO2016052585A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 株式会社ケーユー | 長期保存米飯の製造方法および長期保存おにぎりの製造方法 |
JP2018079945A (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | 東洋アルミニウム株式会社 | 紙容器及び紙容器入り食品の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09172992A (ja) * | 1995-10-25 | 1997-07-08 | Shinwa Kikai:Kk | 無菌パック米飯の製造方法 |
JP2000238728A (ja) * | 1999-02-25 | 2000-09-05 | House Foods Corp | 食品加工装置 |
JP3104137U (ja) * | 2004-03-22 | 2004-09-02 | 株式会社シンワ機械 | パック米飯製造装置 |
-
2010
- 2010-11-18 JP JP2010257886A patent/JP5792454B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09172992A (ja) * | 1995-10-25 | 1997-07-08 | Shinwa Kikai:Kk | 無菌パック米飯の製造方法 |
JP2000238728A (ja) * | 1999-02-25 | 2000-09-05 | House Foods Corp | 食品加工装置 |
JP3104137U (ja) * | 2004-03-22 | 2004-09-02 | 株式会社シンワ機械 | パック米飯製造装置 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014117164A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Nisshin Seifun Group Inc | 連続蒸気殺菌装置 |
WO2016052585A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 株式会社ケーユー | 長期保存米飯の製造方法および長期保存おにぎりの製造方法 |
CN106793814A (zh) * | 2014-09-30 | 2017-05-31 | 株式会社Ku | 长期保存米饭的制造方法以及长期保存饭团的制造方法 |
JP2018079945A (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | 東洋アルミニウム株式会社 | 紙容器及び紙容器入り食品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5792454B2 (ja) | 2015-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3494724A (en) | Method and apparatus for controlling microorganisms and enzymes | |
US20190373923A1 (en) | Packaged food products | |
US9289010B2 (en) | System and method for packaging | |
JP5174263B1 (ja) | レトルト殺菌装置、加熱装置、加熱殺菌方法および加熱処理方法 | |
KR101753390B1 (ko) | 식품 살균 장치 | |
JP5792454B2 (ja) | 無菌包装食品の製造方法および無菌包装食品の製造装置 | |
TWI666147B (zh) | 無菌罐裝的製程方法 | |
JP2912876B2 (ja) | 無菌パック米飯の製造方法 | |
US20110003043A1 (en) | Spaghetti Noodle Packed in Retort Pouch and Method for Preparing the Same | |
CN113428438A (zh) | 一种即食食品的杀菌保鲜方法及其应用 | |
KR20160082916A (ko) | 포장조리식품의 제조방법 | |
EP2898781B1 (en) | Packaged frozen noodle for microwave cooking | |
CN109043300A (zh) | 破壁灵芝孢子粉的灭菌方法 | |
GB2449726A (en) | Stabilized packaged food product | |
Neetoo et al. | Emerging methods for post-packaging microbial decontamination of food | |
JP4194534B2 (ja) | 容器詰め食品の製造方法 | |
JP5792467B2 (ja) | 食品製造および貯蔵用容器、食品の製造法 | |
RU2680585C1 (ru) | Способ консервации готовых продуктов и/или полуфабрикатов в упаковке из многослойных пленок с барьерным слоем с возможностью дальнейшего разогрева | |
CN100473289C (zh) | 包装米饭制造装置 | |
JP2013165670A (ja) | 包装米飯の製造方法 | |
RU2307512C1 (ru) | Способ обработки и приготовления мясосодержащего продукта в упаковке | |
JP3524812B2 (ja) | 加熱殺菌済み固形食品の製造方法 | |
CA2666088A1 (en) | Method for heat treatment and processing of biological materials | |
Albahr | EVALUATING THERMAL AND STORAGE STABILITY OF SELECTED FOOD PRODUCTS PROCESSED USING MICROWAVE AND HIGH PRESSURE ASSISTED THERMAL PROCESSES | |
TWM609206U (zh) | 封裝容器後殺系統 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150728 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150806 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5792454 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |