JP2012105147A - 携帯端末装置、振動音抑制方法、及び振動音抑制プログラム - Google Patents

携帯端末装置、振動音抑制方法、及び振動音抑制プログラム Download PDF

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Abstract


【課題】バイブレータの振動により着信等の通知を行う場合に、振動を停止させることなく、より静粛な状態で通知を行うことが可能な携帯端末装置を提供する。
【解決手段】振動を発生させるバイブレータと、バイブレータの振動に起因する音である振動音23を打消す打消し音25を、バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して発生させる主制御部11及び再生部19と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯端末装置、振動音抑制方法、及び振動音抑制プログラムに関し、特に着信時等のタイミングで発生する振動音を抑制するための技術に関する。
携帯電話端末を使用する場合に、公共の場所で着信があると、着信に伴って発生する呼び出し音が、この携帯電話端末の所有者以外の周囲の人に騒音として聞こえることで、他人に不快感を与えてしまうことがある。
このような状況を防止するための技術が、例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1においては、着信に伴う呼び出し音が発生した時に、外部から与えられる振動を検出すると、呼び出し音を小さくするか又は無音に制御する携帯電話機が提案されている。特許文献1の技術によれば、携帯電話端末がカバンの中に収容されている時に着信の呼び出し音が鳴動した時には、携帯電話端末の所有者がカバンを叩いて振動を与えるだけで、呼び出し音を小さくすることができる。
また、特許文献2においては、スピーカから発生する打消し音により騒音を相殺するアクティブ消音装置が提案されている。特許文献2の技術によれば、騒音を検出するマイクを、打消し音を発生するスピーカの後方に配置するなど位置関係を工夫することで、簡単な制御でも効果的な騒音の低減を可能にしている。
また、特許文献3においては、周囲の音をマイクで集音し、この音を分析した結果に応じて、着信があったときの着信音の音色またはメロディを自動的に変更可能にする携帯電話装置が提案されている。特許文献3の技術によれば、周囲の環境に適した着信メロディや音色を選択可能になり、不快感を軽減できる。
さらに、近年の携帯電話端末においては、着信時に着信音を出力する代わりに、バイブレータを振動させることによって着信を所有者に通知することが可能な機能が搭載されている場合が多い。但し、バイブレータの振動だけで着信を通知する場合であっても、騒音が全く発生しないとは限らない。例えば、机など堅い物の上に携帯電話端末を置いた状態でバイブレータが振動すると、携帯電話端末の筐体と机との衝突が振動によって繰り返されるので、比較的大きな音が着信時に発生する。
このようなバイブレータの鳴動に起因する不快音または異常な振動音の発生を防止するための技術が、例えば特許文献4に開示されている。特許文献4においては、バイブレータの鳴動時と停止時における周囲の音圧レベルをマイクにより測定し、音圧レベルの差と予め設定されている閾値とを比較し、音圧レベルの差が閾値よりも大きい場合には、バイブレータの鳴動を停止し、または弱めることが提案されている。
特開2001−36609号公報 特開平8−123433号公報 特開2001−223767号公報 特開2004−56623号公報
バイブレータの振動によって着信などの通知を行う場合には、机のような堅い物の上に携帯電話端末を置いている場合に限らず、ポケットやカバン等に携帯電話端末を入れている様な一般的な使用状態においても、音量は小さいがバイブレータの振動によって振動音が発生する。すなわち、バイブレータの駆動によりバイブレータを含む携帯電話端末自身が振動するので、これが音源となって周囲の空気が振動し、振動音として出力される。このようなバイブレータの駆動に伴って発生する振動音は、音量レベルは小さいが、周波数が低いので携帯電話端末から比較的遠い離れた場所にいる人にも聞こえる状態になる。従って、例えば映画館の中のように、非常に静かな場所で携帯電話端末を使用する場合には、着信音を出力しないマナーモードで使用しているにもかかわらず、騒音に似た不快な音、あるいは気になる音が周囲の人に聞こえてしまうことがある。
特許文献4の技術を利用すれば、バイブレータの鳴動に伴って比較的大きい音が発生する場合に、自動的にバイブレータの振動を抑制させたり、停止させたりすることができる。しかし、着信の直後にバイブレータの振動を抑制等すると、携帯電話端末の所有者自身が着信に気が付かない可能性がある。
また、特許文献2の技術を利用すれば、バイブレータの振動によって発生する振動音を打ち消すことも理論的には可能である。しかしながら、発生した振動音が周囲の人に聞こえないようにこれをうまく打ち消すためにはマイクの設置位置が重要で、携帯電話端末などの小型機器では効果的な位置にマイクを設置できない可能性がある。
すなわち、使用環境により変動する振動音を消音する場合には実際の音をマイクで検出し、この音の信号をデジタル信号に変換し、周波数や音圧レベルなどの解析を含む高度な分析処理を行い、その結果として音の打消しに必要な疑似音響信号をリアルタイムに生成し、これをスピーカで音に変換して出力することになる。そのため、バイブレータの振動により音が発生したのを検知して上記の処理を開始しても、音の打消し効果が発揮されるまでには遅延時間が発生するため、周囲の人には不快な音が聞こえてしまう。従ってバイブレータがON/OFFを短い周期で繰り返され、短時間だけON出力される着信時の振動音を打ち消すためには利用できないのが実情である。また、このような処理を行うためには、高性能で高価なプロセッサを利用しなければならない。
本発明は、バイブレータの振動により着信等の通知を行う場合に、振動を停止させることなく、より静粛な状態で通知を行うことが可能な携帯端末装置、振動音抑制方法、及び振動音抑制プログラムを提供することを目的とする。
本発明の携帯端末装置は、振動を発生させるバイブレータと、前記バイブレータの振動に起因する音である振動音を打消す打消し音を、前記バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して発生させる打消し音発生部と、を備える。
この携帯端末装置によれば、バイブレータの駆動期間に同期して振動音で打消すことができるので、バイブレータの駆動を停止することなく、不快な振動音を打ち消すことができる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記振動音の位相と前記打消し音の位相とが逆位相になるよう、前記打消し音の位相を制御する位相制御部を備える。
この携帯端末装置によれば、位相を逆位相に調整することで、振動音と打消し音の音圧レベルが同一のときには、周囲の人が無音状態と感じるので、より静粛な状態で着信等の通知を行うことができる。
また、本発明の携帯端末装置は、予め録音された前記振動音のデータを保持する振動音データ保持部を備え、前記打消し音発生部が、前記振動音データ保持部に保持されている前記振動音のデータに基づいて、前記打消し音を発生させる。
この携帯端末装置によれば、例えば打消し音の周波数特性の情報のみを保持しておくことで、より少ない情報量で必要な打消し音を容易に生成でき、効果的な振動音の打消しが可能になる。
また、本発明の携帯端末装置は、マイクロホンと、前記マイクロホンの集音により得られた振動音のデータを保持する振動音データ保持部と、を備え、前記打消し音発生部が、前記振動音データ保持部に保持されている振動音のデータに基づいて、前記打消し音を発生させる携帯端末装置。
この携帯端末装置によれば、実際の振動音のデータを利用できるので、同様の環境で携帯端末装置を使用する場合には、効果的な振動音の打消しができる可能性が極めて高くなる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記バイブレータの駆動期間に、前記マイクロホンにより集音された音を駆動時音響データとして記録する合成音記録部を備え、前記打消し音発生部が、前記バイブレータの非駆動期間に、前記合成音記録部に保持された前記駆動時音響データに基づいて、前記打消し音を補正する。
この携帯端末装置によれば、環境の変化等に伴って振動音の周波数成分や音圧レベルが変化する場合であっても、環境に対応して打消し後の音量が小さくなるように補正することができ、効果的な振動音の打消しが可能になる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記打消し音発生部が、前記振動音の位相と前記打消し音の位相との位相差に基づいて、前記打消し音の出力を開始するタイミングを制御する。
この携帯端末装置によれば、バイブレータの振動開始後における振動音と打消し音との位相差(遅延時間)を低減でき、効果的な振動音の打消しが可能になる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記打消し音発生部が、前記駆動時音響データに基づいて、振動音の位相と打消し音の位相との位相差が小さくなるよう、前記打消し音の再生速度を制御する携帯端末装置。
この携帯端末装置によれば、振動音と打消し音との位相差が低減し、効果的な振動音の打消しが可能になる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記合成音記録部により記録された前記駆動時音響データに対して、前記バイブレータの駆動周波数近傍の周波数帯の音響データを通過させるフィルタリング処理を行うフィルタリング処理部を備え、前記合成音記録部が、前記バイブレータの非駆動期間に前記マイクロホンにより集音された音を非駆動時音響データとして記録し、前記打消し音発生部が、前記フィルタリング処理により通過した音響データから前記非駆動時音響データを除外した結果に基づいて、前記打消し音を補正する。
この携帯端末装置によれば、駆動時の音響データからフィルタリング処理によりバイブレータの駆動周波数近傍の周波数帯の音響データ(振動音及び振動音の周波数帯近傍の環境音)を抽出し、この音響データから非駆動時の音響データ(環境音)を除外するので、ほぼ振動音が抽出されることになる。この結果を考慮して打消し音を補正するので、振動音だけを打ち消すことができ、バイブレータの駆動期間及び非駆動期間の切り替わりに伴って、環境音が不自然に変動することを避けることができる。
また、本発明の振動音抑制方法は、振動を発生させるバイブレータの振動に起因する音である振動音を打消す打消し音を、前記バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して、打消し音発生部により発生させるステップを有する。
この振動音抑制方法によれば、バイブレータの駆動期間に同期して振動音で打消すことができるので、バイブレータの駆動を停止することなく、不快な振動音を打ち消すことができる。
また、本発明の振動音抑制プログラムは、コンピュータに、振動を発生させるバイブレータの振動に起因する音である振動音を打消す打消し音を、前記バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して、打消し音発生部により発生させるステップを実行させるためのプログラムである。
このプログラムによれば、バイブレータの駆動期間に同期して振動音で打消すことができるので、バイブレータの駆動を停止することなく、不快な振動音を打ち消すことができる。
本発明によれば、バイブレータの振動により着信等の通知を行う場合に、振動を停止することなく、より静粛な状態で通知を行うことが可能である。
本発明の実施形態の携帯端末装置における主要部の構成例を示すブロック図 図1に示した携帯端末装置の主要な動作例を示すタイムチャート 図2の内容と対応する携帯端末装置の動作例を示すフローチャート 図1に示した携帯端末装置の動作に関する変形例1を示すタイムチャート 図4の内容と対応する携帯端末装置の動作例を示すフローチャート 図1に示した携帯端末装置の動作に関する変形例2を示すタイムチャート 図1に示した携帯端末装置の動作に関する変形例3を示すタイムチャート 図7の内容と対応する携帯端末装置の動作例を示すフローチャート 図1に示した携帯端末装置の動作に関する変形例4を示すタイムチャート 図9の内容と対応する携帯端末装置の動作例を示すフローチャート
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
本実施形態の携帯端末装置としては、例えば携帯電話端末、デジタルカメラ装置など、あらかじめ周波数の予測が可能な振動ノイズが発生する装置が考えられる。ここでは、主に携帯電話端末を想定している。
図1は、本発明の実施形態の携帯端末装置における主要部の構成例を示すブロック図である。図1に示す携帯端末装置100は、他局(他の携帯端末装置)からの音声通話の呼び出しや電子メールの着信などが発生した場合には、着信の通知を行う。着信があった場合には、予め定めた着信音や着信メロディなどの音がスピーカ21から出力されたり、携帯端末装置100に内蔵されたバイブレータの駆動(駆動による振動)によって着信が通知されたりする。
なお、着信音や着信メロディなどの音の出力を禁止して、バイブレータの振動だけで着信を通知する場合であっても、実際にはバイブレータの振動に伴って比較的小さい音が発生する。すなわち、携帯端末装置100自身が振動するので、携帯端末装置100の周囲の空気が振動し、これが音響(図1中の振動音23)として周囲の人間に聞こえることになる。
図1に示す携帯端末装置100は、振動音23が周囲の人間に聞こえにくくなるように、振動音23を打消すための打消し音25を発生する機能を搭載している。例えば、発生する振動音23の波形と同等で逆位相の波形で示される打消し音25を発生させることにより、振動音23と打消し音25とが互いに相殺され、理論的には振動音23が聞こえにくくなる。振動音23の波形と同等とは、振動音23の周波数と同等の周波数で、振動音23の音圧レベル(振幅)と同等の音圧レベルであることを指す。これによって、より静粛なマナーモードが実現する。
図1に示すように、携帯端末装置100は、主制御部11、バイブレータ12、マイク13、振動センサ14、第1録音部15、消音データ保持部16、第2録音部17、再生音選択スイッチ18、打消し音再生部19、送出音選択スイッチ20、スピーカ21、通話信号処理部22、及び音響解析部26を備えている。なお、図1に示した様々な構成要素の一部を省略しても、本発明を実施できる。
主制御部11は、マイクロコンピュータを含む電子回路により構成されており、携帯端末装置100の全体の制御を行う。主制御部11が実行する制御には、着信を通知するための制御や、着信時に振動音23を打ち消すための制御も含まれている。具体的な制御の内容については後述する。
バイブレータ12は、一定の速度で駆動されることにより、バイブレータ12を含む携帯端末装置100自体が一定の振動周波数で振動する。バイブレータ12の駆動は、主制御部11により制御される。
マイク13は、バイブレータ12の駆動時に発生する振動音23や、スピーカ21から出力される打消し音25や、周囲からの反響音24を集音して電気信号に変換する。
振動センサ14は、携帯端末装置100の筐体27に固定されており、バイブレータ12の駆動時に発生する振動を検出する。振動センサ14は、実際の振動のタイミング、周波数、振幅レベルなどを検出するために利用される。つまり、振動センサ14により振動波形が検出できる。
第1録音部15は、振動音23が出力される時にスピーカ21から出力される打消し音25の元になる音響データを所定時間(例えば2秒間)に渡って記録し、必要なタイミングで出力することができる記憶装置(RAM(Random Access Memory)等の書き換え可能なメモリ)である。なお、この音響データは、PCM(Pulse Code Modulation)データ等の複雑な変調等が不要なデータであるので、再生時の処理負荷を低くできる。
消音データ保持部16は、打消し音25の元になる1つ以上の音響データを保持する記憶装置(ROM(Read Only Memory)等のメモリ)である。消音データ保持部16が保持するデータは、振動音23を打消すための基準となる音響データであり、予め用意された固定データ(例えば、バイブレータ12の駆動周波数と同一周波数の音響データ)、又は基準状態においてマイク13により集音された振動音23に基づいて決定されるデータである。また、振動音23の周波数が一定であり正弦波のように単一の周波数成分だけを含んでいる場合には、例えばsin関数の計算により求められる正弦波の波形で示されるデータが消音データ保持部16上に保持されるようにしても良い。第1録音部15が記録する音響データは、消音データ保持部16が保持している音響データを基準として音響解析部26により生成される。例えば、消音データ保持部16が振動音23と同等のデータを保持しており、第1録音部15がこのデータと逆位相のデータを保持することが考えられる。
第2録音部17は、音響データを所定時間(例えば2秒間)に渡って記録し、必要なタイミングで出力することができる記憶装置(RAM等の書き換えな可能なメモリ)である。第2録音部17は、例えばマイク13で集音された音のデータを一時的に記録するために利用される。なお、この音響データは、PCM(Pulse Code Modulation)データ等の複雑な変調等が不要なデータであるので、再生時の処理負荷を低くできる。
音響解析部26は、主制御部11の指示に従って、音響解析を含む様々なデジタルデータの処理を行う。例えば、消音データ保持部16が保持している音響データに基づいて第1録音部15が保持する音響データを生成する。また、マイク13で集音された音のデータを第2録音部17から入力して、その周波数成分や音圧レベルなどを解析し、その結果に基づいて第1録音部15上の音響データを補正する。
打消し音再生部19は、第1録音部15又は第2録音部17が出力する音響データを音響として再生するために、アナログ電気信号に変換して出力する。
再生音選択スイッチ18は、主制御部11の指示に従って、第1録音部15の出力信号又は第2録音部17の出力信号のいずれかを選択する。スピーカ21は、送出音選択スイッチ20により選択された打消し音再生部19の出力信号又は通話信号処理部22の出力信号のいずれかを、音響に変換して出力する。
なお、主制御部11及び打消し音再生部19は、打消し音25を、バイブレータ12のオン期間(駆動期間)及びオフ期間(非駆動期間)に同期して発生させる打消し音発生部としての機能を有する。
図1に示した携帯端末装置100の基本的な動作例が図2及び図3に示されている。図2及び図3に示す動作について以下に説明する。図2は、携帯端末装置100の主要な動作例を示すタイムチャートであり、図3は、図2の内容と対応する携帯端末装置100の動作例を示すフローチャートである。
図2に示すバイブ制御信号(SG1)の波形のように、この動作例においては、バイブレータ12を駆動してバイブレータ12の振動を発生させる時には、予め定めた動作パターンに従ってオン状態「ON」とオフ状態「OFF」とを周期的に交互に繰り返す。例えば、図2中の時刻t1〜t2の「ON−1」期間中はバイブレータ12を駆動し、時刻t2〜t3の「OFF−1」期間中はバイブレータ12を停止し、時刻t3〜t4の「ON−2」期間中はバイブレータ12を駆動し、時刻t4〜t5の「OFF−2」期間中はバイブレータ12を停止する。このような動作を繰り返す。「ON−1」期間、「OFF−1」期間、「ON−2」期間、「OFF−2」期間の長さは適当な長さ(例えば1秒間)に予め定められるが、同じ長さでなくてもよい。このように、間欠的な振動の発生を繰り返し、着信等の通知を携帯端末装置100の所有者に容易に認識させることができる。
図2に示す波形W1は、バイブレータ12の駆動により生じる振動に伴って発生する振動音23(図1参照)を示すものである。バイブレータ12の駆動速度が一定であれば、振動音23の振動周波数も一定になる。
この振動音23の影響を打ち消すために、図2に示す波形W2で示される打消し音25(図1参照)を携帯端末装置100がスピーカ21から出力する。図2に示すように、出力される打消し音25の波形W2は、振動音23の波形W1と相似形であり、位相が逆相、つまり半周期ずれたタイミングで現れている。このように、波形W1で示される振動音23と波形W2で示される打消し音25との周波数及び振幅が同一で位相が完全に逆相な理想的な状態であれば、振動音23と打消し音25とを加算することにより、振動音23と打消し音25とは互いに相殺されるので、これらの合成出力は0となり、完全な無音状態になる。すなわち、携帯端末装置100は、振動音23と打消し音25を同時に発生するが、周囲の人には音が聞こえない状態になる。
次に、図3に示す動作について説明する。この動作は、主に主制御部11の処理によって実現される。
まず、ステップS11では、主制御部11は、打消し音25を出力するために必要な基準音響データを準備する。この基準音響データについては、予め用意して定数データとして消音データ保持部16上に保持させておくことができる。例えば、振動音23が単一の周波数成分だけを含む理想的な条件であれば、正弦波の波形としてsin関数により算出できる値の集合からなるデータを生成し、これを消音データ保持部16上に保持させる。
また、複数の周波数により構成される消音データの場合は、実際に測定して得られる値を消音データ保持部16上に保持してもよい。すなわち、スピーカ21からの音響出力を停止した状態で、かつ周囲の雑音(環境音)がない状態で、バイブレータ12を駆動し、マイク13により集音して録音して逆位相に変化後、基準音響データとして消音データ保持部16に書き込んでおく。
また、振動センサ14が検出した振動の情報や、バイブレータ12を駆動するタイミングの情報を、マイク13で集音される音響データと同時に取り込んで消音データ保持部16に記録させてもよい。これにより、振動センサ14で検出される振動とマイク13で検出される振動音23とのタイミングのずれを把握することが可能になり、振動音23と逆相の打消し音25を生成するために必要なタイミングを正確に認識できる。
携帯端末装置100が着信状態になり、マナーモードがオンの状態になっている時には、図3のステップS12、S13を通ってステップS14の処理に進み、バイブレータ12の制御を開始する。すなわち、予め定めた動作パターンに従って、バイブレータ12の駆動状態(図2中の「ON−1」、「ON−2」)と非駆動状態(図2中の「OFF−1」、「OFF−2」)とを周期的に交互に繰り返すよう制御する。
後続する「バイブレータ消音処理」PR1の処理が、振動音23を打ち消すための処理である。
ステップS15では、音響解析部26は、消音データ保持部16に保持されている上記の基準音響データに基づいて、打消し用逆相音響データを生成し、第1録音部15上に記録させる。すなわち、音響解析部26は、バイブレータ12の駆動を開始するタイミング(時刻t1,t3,・・・)から始まり、波形W1の逆位相になる波形W2で示される打消し用逆相音響データを、消音データ保持部16上の基準音響データに基づいて生成する。また、音響解析部26は、生成される波形W2で示される打消し音25の振幅を、波形W1で示される振動音23の振幅と一致するように定める。
ステップS16では、主制御部11は、バイブレータ12をオンオフ制御するタイミングを監視し、バイブレータ12のオン期間(駆動期間)開始タイミング(時刻t1,t3,・・・)と一致するか否かを判定する。一致する時にはステップS17に進み、一致しない時にはステップS18に進む。
ステップS18では、主制御部11は、バイブレータ12をオンオフ制御するタイミングを監視し、バイブレータ12のオン期間終了タイミング(時刻t2,t4,・・・)と一致するか否かを判定する。一致する時にはステップS19に進み、一致しない時にはステップS20に進む。
ステップS17では、主制御部11は、第1録音部15が保持している打消し音25としての打消し用逆相音響データを、再生音選択スイッチ18を介して打消し音再生部19に与え、バイブレータ12の振動に同期して打消し音25の再生を開始させる。
ステップS19では、打消し音25の再生を開始した後、バイブレータ12のオン期間終了タイミング(時刻t2,t4,・・・)になると、主制御部11は、打消し音25の再生を終了させる。つまり、バイブレータ12の駆動期間(図2の「ON−1」、「ON−2」)のみ、第1録音部15から打消し音25が出力される。そして、バイブレータ12の停止期間つまり非駆動期間(図2の「OFF−1」、「OFF−2」)には、振動音23が発生しないので、打消し音25の出力も一時停止される。
着信の呼び出し中はステップS16〜S19の処理が繰り返される。そして、例えば携帯端末装置100のオフフックの状態の検出により着信の呼び出しが終了すると、ステップS20からS21に進み、主制御部11は、バイブレータ12の駆動を終了させる。
従って、図2に示すバイブレータ12の駆動期間(時刻t1〜t2、t3〜t4、・・・)に、振動音23の波形W1の位相とは逆位相の波形W2で示される打消し音25がスピーカ21から出力され、振動音23が打ち消される。
このように、予め消音データ保持部16上に用意された基準音響データを利用して打消し音25を生成するので、簡単な処理だけで打消し音25を出力できる。また、バイブレータ12のオンオフ制御のタイミング(時刻t1,t2,t3,t4)に同期して打消し音25を出力することにより、静粛な状態でのマナーモードを実現することができる。また、バイブレータ12の振動レベルや回転数を低下させることなく、振動ノイズを低減させることが可能であるため、携帯端末装置100の所有者は着信等の通知に確実に気づくことができる。
(変形例1)
図1に示した携帯端末装置100の動作に関する変形例1の内容が、図4および図5に示されている。図4は、携帯端末装置100の動作に関する変形例1を示すタイムチャートであり、図5は、図4の内容と対応する携帯端末装置100の動作例を示すフローチャートである。
図4において、波形W11は振動音23の波形を表し、波形W12a、W12bは打消し音25の波形を表し、波形W13は振動音23と打消し音25との合成音(加算の結果)の波形を表している。
図4の時刻t11〜t12の間では、振動音23の波形W11の振幅と、打消し音25の波形W12aの振幅とが一致していない。そのため、合成音の波形W13が完全には0とならずに、振動に伴って波形W13で示される合成音が周囲の人に聞こえてしまう。振幅が一致していない場合に限られず、振動音23の周波数成分と打消し音25の周波数成分との相違する場合にも、合成音の波形W13が完全には0とならずに、振動に伴って波形W13で示される合成音が周囲の人に聞こえてしまう。
このような場合であっても、携帯端末装置100は、図3に示したバイブレータ消音処理PR1の代わりに、図5に示したバイブレータ消音処理PR2を実行することにより、周囲の人に聞こえる合成音を抑制することができる。
図5のステップS31では、前述のステップS15と同様に、音響解析部26は、消音データ保持部16に保持されている基準音響データに基づいて、打消し用逆相音響データを生成し、第1録音部15上に記録させる。
バイブレータ12のオン期間開始タイミング(時刻t11,t13,・・・)と一致する時には、ステップS32からS33に進み、主制御部11は、第1録音部15上の打消し用逆相音響データを利用して、打消し音25の再生を開始させる。また、主制御部11は、続くステップS34では、主制御部11は、マイク13により集音させ、その音響データ(駆動時音響データ)の第2録音部17への記録を開始させる。
すなわち、主制御部11は、例えば図4に示す時刻t11〜t12の期間に、波形W11で示される振動音23と波形W12aで示される打消し音25との合成音(波形W13で示される音)をマイク13で収集し、第2録音部17上にその音響データを記録する。
バイブレータ12のオン期間終了タイミング(時刻t12,t14,・・・)になると、ステップS35からS36に進み、主制御部11は、打消し音25の再生を終了させる。また、続くステップS37では、音響解析部26は、ステップS34で開始した集音及び音響データの記録を終了させる。
そして、続くステップS38では、音響解析部26は、前のオン期間(時刻t11〜t12の期間)に記録された音響データ(波形W13で示される音のデータ)を第2録音部17から取り出して分析し、その分析結果に基づいて、第1録音部15上の打消し用逆相音響データを補正する。例えば、音響解析部26は、図4に示す時刻t11〜t12の期間のように、振動音23の波形W11の振幅に比べて打消し音25の波形W12aの振幅が小さい時には、波形W12aの振幅を増大させ、打消し音25の波形の振幅が振動音23の波形W11の振幅と一致するように、第1録音部15上の打消し用逆相音響データを補正する。この場合、現在の打消し用逆相音響データに代えて、振動音23と逆位相で振幅レベルが同じデータを生成し、新たな打消し用逆相音響データとするよう、補正すればよい。
ステップS38の処理は、例えば図4に示す時刻t12で開始され、時刻t13までに終了する。つまり、バイブレータ12のオフ期間に上記処理が実行される。従って、時刻t13以降にバイブレータ12を駆動する時には、打消し音25として利用される第1録音部15上の音響データの波形は、図4に示す波形W12bのように、振動音23の波形W11と逆位相の波形となる。そのため、周囲の人に聞こえる波形W3で示される合成音が現れるのは、時刻t11〜t12の期間のみになる。
ステップS39では、主制御部11は、着信の呼び出しが終了したか否かを判定する。着信の呼び出しが終了していない場合には、ステップS32に戻る。
このような図5の処理によれば、携帯端末装置100を所有者がポケットに収容したり、クレードルに装着したりして、周辺環境が変化した場合であっても、周囲の人に聞こえる合成音が現れる可能性があるが、その場合でも、一定時間が経過すると第1録音部15の音響データが補正されるので、振動音23を打ち消すことができる。
また、第2録音部17に記録された波形W13で示される音響データを分析したり、第1録音部15上の音響データを補正したりする処理については、フレーム単位、つまりバイブレータ12のオフ期間の1期間(例えば時刻t12〜t13)に行うのでリアルタイム処理は必要なくなり、処理能力の低いプロセッサであっても十分に処理可能である。また、出力時間の短い振動音であっても効果的に打消しできる。
携帯端末装置100は、例えば把持された場合、机上に載置された場合、上向きに載置された場合、下向きに載置された場合、等により、振動音23の大きさ、周波数が大きく変化すると考えられる。従って、1パターンの打消し用逆相音響データでは十分に振動音23を低減させることができない可能性がある。このような場合であっても、変形例1の携帯端末装置100によれば、予め用意した基準音響データのみに基づいて打消し音25を生成するよりも、実際の携帯端末装置100の振動音23の特性を考慮して打消し音25を補正することができるので、振動音23と打消し音25との間に生じる誤差を最小限に抑制することができる。
また、バイブレータ12のオン期間にマイク13により集音し、オフ期間に打消し音25を生成するので、全ての処理をバイブレータ12のオン期間に集中して行うものではなく、オン/オフ特性を活かして、再生時(オン期間)の処理負荷を軽減することができる。
(変形例2)
図1に示した携帯端末装置100の動作に関する変形例2の内容が図6に示されている。図6は、携帯端末装置100の動作に関する変形例2を示すタイムチャートである。
振動音23は、全く同じ波形の繰り返しで構成されない、つまり単一の音圧レベルかつ単一周波数のみで構成されない場合もある。例えば、図6に示す振動音23の波形W21のように、時刻t1〜t2の間で時間の経過に伴って振幅(音圧レベル)が変動する場合がある。図6の波形W21の例では、起動時の振幅が大きく、徐々に振幅が小さくなっている。このような状況は、例えばバイブレータ12の物理的な固有の特性や駆動制御の特性によって生じる可能性がある。つまり、バイブレータ12の駆動開始時の振動の立ち上がり特性と定常状態への収束との関係により、波形W21のような時系列の変化が生じることがある。この波形W21で示される振動音23は、あらかじめ用意される打消し用逆相音響データとは異なるものである。
このような場合であっても、携帯端末装置100は、図3に示したバイブレータ消音処理PR1の代わりに、先に説明した図5に示したバイブレータ消音処理PR2を実行することにより、周囲の人に聞こえる合成音を抑制することができる。
図5に示した処理を行うことで、図6に示す波形W21のように、時刻t21からの経過時間に応じて振幅が変化する振動音23が発生した場合であっても、合成音の波形W23の時系列の振幅変動に基づいて、第1録音部15上の音響データが補正され、図6に示す波形W22bのように、時系列で振幅が変化する1フレーム分(ここでは、時刻t23〜t24の期間)の打消し用逆相音響データが記録される。
その結果、次にバイブレータ12を駆動する時には、図6に示す時刻t23〜t24の期間中の波形W22bのように、その駆動開始時(時刻t23)からの経過時間に応じて振幅が変化する波形で示される打消し音25が出力される。図6に示す時刻t23〜t24の期間においては、波形W22bが波形W21と同等の振幅であり、かつ逆位相なので、これらが互いに相殺される。つまり、波形W3で示される合成音はほぼ消滅し、周囲の人には振動音が聞こえなくなる。
従って、図6に示す波形W21のような時系列で振幅が変化する振動音23であっても、打消し用逆相音源データが補正された後にバイブレータ12が駆動するオン期間からは、波形W21で示される振動音23と波形W22bで示される打消し音25との合成音はほぼ振幅が0であり、消音を確実に行うことができる。また、本実施形態では基準音を予め録音できるので、波形W21が機器特有の波形の場合にはW22bが予め保存されることとなり、消音開始時点でW22bを逆相音として再生できるために補正誤差を最小限とすることが可能となる。
(変形例3)
図1に示した携帯端末装置100の動作に関する変形例3の内容が図7および図8に示されている。図7は、携帯端末装置100の動作に関する変形例3を示すタイムチャートであり、図8は、図7の内容と対応する携帯端末装置100の動作例を示すフローチャートである。
前述の図2に示した動作においては、振動音23の波形W1の位相と打消し音25の波形W2の位相とが、完全に逆位相であることを想定している。しかし、実際には位相ずれが発生する場合もある。また、位相ずれが発生すると、打消し音25によって位相ずれが発生する前よりも騒音が増大する場合もある。
例えば、図7に示す動作例において、時刻t31〜t32の期間で、振動音23の波形W31と打消し音25の波形W32との間に時間(t)の位相ずれが生じている。その結果として、これらの合成音の波形W33の振幅は、波形W31の振幅及び波形W32の振幅よりも大きくなっている。つまり振動音23は打消し状態にはならず、騒音が増大してしまっている。
このような場合であっても、図3に示したバイブレータ消音処理PR1の代わりに、図8に示したバイブレータ消音処理PR3を実行することにより、図7に示す時刻t31〜t32の期間に現れるような位相ずれを修正し、波形W33で示されるような周囲の人に聞こえる合成音が発生することを防止できる。
図8のステップS41では、前述のステップS15と同様に、音響解析部26は、消音データ保持部16に保持されている基準音響データに基づいて、打消し用逆相音響データを生成し、第1録音部15上に記録する。
続いて、ステップS42では、主制御部11は、現時点がバイブレータ12のオン期間開始タイミング(時刻t31,t33,・・・)と一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS43に進み、主制御部11は、第1録音部15上の打消し用逆相音響データを利用して、打消し音25の再生を開始させる。また、続くステップS44では、主制御部11は、マイク13による集音およびその音響データの第2録音部17への記録を開始させる。
すなわち、図7に示す時刻t31〜t32の期間に、波形W31で示される振動音23と波形W32で示される打消し音25との合成音(波形W33で示される音)をマイク13で集音し、第2録音部17上にその音響データを記録する。
続くステップS45では、音響解析部26等は、集音し記録された音響データをリアルタイムで分析する。すなわち、音響解析部26は、バイブレータ12のオン期間(時刻t31〜t32の期間等)に、マイク13で集音された音響データを逐次取り込んで解析を行い、振動音23の位相と打消し音25の位相との位相差(位相ずれ)を検出する。そして、主制御部11は、検出された位相差に基づいて、この位相差が完全な逆位相になるように、打消し音再生部19における音の再生速度(ビットレート)を制御する。このように、主制御部11が再生速度を制御するPLL(Phase Locked Loop)制御を行い、打消し音25の位相を進めたり遅らせたりすることで、位相ずれを小さくすることができる。
続くステップS46では、主制御部11は、バイブレータ12のオン期間終了タイミング(時刻t32,t34,・・・)であるか否かを判定する。バイブレータ12のオン期間終了タイミングである場合には、ステップS47では、主制御部11は、打消し音25の再生を終了させる。また、続くステップS48では、主制御部11は、ステップS44で開始した録音動作を終了させる。
そして、ステップS49では、音響解析部26は、前のバイブレータ12のオン期間(例えばt31〜t32の期間)に記録された音(波形W33で示される合成音)を第2録音部17から取り出して分析し、その結果に基づいて、遅延時間(図7中の時間(t))を算出する。このとき、音響解析部26は、振動音23の振動開始時刻t31と、第1録音部15上の打消し用逆相音響データの波形W2の先頭が現れる時刻と、の差を検出する。つまり、振動音23の位相と打消し用逆相音響データの位相との位相差を検出する。
ステップS50では、主制御部11は、ステップS49で求めた遅延時間に基づいて、打消し音25の再生を開始させるタイミングを決定する。具体的には、図7に示すように、バイブレータ12の駆動を開始させるタイミングと打消し音25の再生させるタイミングとの間に、遅延時間(t)に相当する時間差を持たせるよう制御する。また、打消し音25を再生させるタイミングを変更せずに、音響解析部26が、第1録音部15上の打消し用逆相音響データの位相を補正しても良い。これにより、図7に示す時刻t33以降のタイミングでは、振動音23の位相と打消し音25の位相とが逆位相になり、波形W33で示されるような周囲の人に聞こえる合成音W33は、ほぼ消滅させることができる。
ステップS51では、主制御部11は、着信の呼び出しが終了したか否かを判定する。着信の呼び出しが終了していない場合には、ステップS42に戻る。
ステップS49、S50の処理については、バイブレータ12がオフの期間(時刻t32〜t33の期間)に余裕を持って行うことができるので、高性能なプロセッサを利用しなくても処理できる。また、ステップS45の処理については、リアルタイムで行う必要があるが、あまり複雑な処理を行わなくても実現可能であり、高性能なプロセッサは不要である。
なお、図7では、ステップS45で打消し音25の再生速度の制御、及び、ステップS50で打消し音25の再生タイミングの制御又は打消し音25の位相制御、を両方行うことを説明したが、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。つまり、ステップS45又はステップS49〜S50のいずれかを省略してもよい。
(変形例4)
図1に示した携帯端末装置100の動作に関する変形例4の内容が図9および図10に示されている。図9は、携帯端末装置100の動作に関する変形例4を示すタイムチャートであり、図10は、図9の内容と対応する携帯端末装置100の動作例を示すフローチャートである。
携帯端末装置100は様々な環境で使用されるので、前述の振動音23以外にその周囲で発生した環境音(一般的なノイズ)もマイク13に入力されることがある。従って、例えば前述の図5に示した制御を実施する場合には、振動音23と共に環境音を打ち消すような制御が同時に実施される。しかし、バイブレータ12の駆動を間欠的に繰り返し行う場合には、バイブレータ12のオン期間(例えば時刻t43〜t44)では環境音が打ち消され、バイブレータ12のオフ期間(例えば時刻t42〜t43)では打ち消されない状態になる。つまり、環境音の大きさに不自然な変動が周期的に現れ、周囲の人が違和感を持つ可能性がある。
このような場合であっても、図3に示したバイブレータ消音処理PR1の代わりに、図10に示したバイブレータ消音処理PR4を実行することにより、人に聞こえる環境音の不自然な変動を防止することができる。
図10のステップS61では、前述のステップS15と同様に、音響解析部26は、消音データ保持部16に保持されている基準音響データに基づいて、打消し用逆相音響データを生成し、第1録音部15上に記録させる。
続いて、ステップS62では、主制御部11は、現時点がバイブレータ12のオン期間開始タイミング(時刻t41,t43,・・・)と一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS63に進み、主制御部11は、第1録音部15上の打消し用逆相音響データを利用して、打消し音25の再生を開始させる。また、続くステップS64では、主制御部11は、マイク13による集音およびその音響データの第2録音部17への記録を開始させる。
図9に示す動作例においては、波形W41で示される振動音23、波形W42で示される打消し音25の他に、波形W44で示される環境音が現れている。また、波形W41で示される振動音23、波形W42で示される打消し音25、及び波形W44で示される環境音、の合成音(波形W43で示される音)が図9中に示されている。図9における時刻t41〜t42の期間には、主制御部11は、波形W41で示される振動音23と波形W42aで示される打消し音25と波形W44で示される環境音との合成音(波形W43で示される音)を、マイク13により集音し、第2録音部17上に記録させる。
ステップS65では、主制御部11は、バイブレータ12のオン期間終了タイミング(時刻t42,t44,・・・)であるか否かを判定する。バイブレータ12のオン期間終了タイミングである場合には、ステップS66では、主制御部11は、打消し音25の再生を終了させる。また、続くステップS67では、主制御部11は、ステップS64で開始した録音動作(駆動時音響データの集音、記録)を終了させる。
ステップS68では、音響解析部26は、ステップS64でマイク13により集音された振動音23、打消し音25、及び環境音を含む合成音に対して、バイブレータ12の駆動周波数近傍の周波数帯の音のみを通過させるよう、フィルタリングを行う。このフィルタリングは、時刻t42〜t43の期間に行われ、打消し用逆相音源データの録音時又は補正時に行われるものである。フィルタリングにより、バイブレータ12の駆動周波数近傍の周波数帯の音のみが抽出される。
例えば、バイブレータ12の駆動周波数をfa、第1録音部15に保持された打消し音25の周波数をfb、環境音の周波数をfcとする。すると、マイク13により時刻t41〜t42の期間に集音される合成音には、fa、fb、fcの周波数成分が含まれる。バイブレータ12の駆動周波数faの情報は、例えば消音データ保持部16にあらかじめ保持されている。音響解析部26は、バイブレータ12の駆動周波数faの近傍の周波数帯fa−α〜fa+αの音のみを通過させるよう、フィルタリングを行う。αの値は、音響解析部26があらかじめ保持してもよいし、バイブレータ12の駆動周波数fa、打消し音25の周波数fb、環境音の周波数fc、等に基づいて音響解析部26が決定してもよい。これにより、バイブレータ12の駆動に伴う振動音23と振動音23の近傍周波数帯の環境音とが抽出される。なお、フィルタリングで通過させる周波数帯に一定の幅を持たせるのは、携帯端末装置100の置き方等により、振動音23の周波数が微妙に変化することを考慮したためである。
ステップS69では、主制御部11は、環境音のみを収集するために、マイク13による集音及びその音響データ(非駆動時音響データ)の記録を開始させる。この音響データは、第2録音部17に記録される。つまり、バイブレータ12のオン期間からオフ期間になっても、引き続きマイク13による集音および音響データの記録は継続されるが、音響データが利用される目的が異なる。非駆動時音響データの集音、記録は、時刻t42〜43の期間に行われる。
続くステップS70では、主制御部11は、所定時間(バイブレータ12のオフ期間よりも短い)に渡る環境音の収集が完了したか否かを判定する。つまり、バイブレータ12のオフ期間の開始から所定時間が経過したか否かを判定する。完了した場合には、ステップS71に進み、主制御部11は、ステップS69で開始したマイク13による環境音の集音、記録を終了させる。これにより、振動音23及び打消し音25が含まれない環境音のみが集音される。
続くステップS71では、音響解析部26は、ステップS68でフィルタリングされた結果から、ステップS69で記録されたオフ期間の環境音を除外する演算を行う。これにより、バイブレータ12の駆動に伴う振動音23のみが抽出される。音響解析部26は、この演算結果の音と逆相の音を打消し用逆相音響データとするように、第1録音部15上の打消し用逆相音響データを補正する。これにより、振動音23のみを打消すことができ、バイブレータ12のオン期間であっても、環境音が打消されることがない。従って、環境音の変動がなくなり、ユーザの違和感も低減させることができる。また、ステップS71の演算は、ステップS68及びステップS69の処理が終了した後であって、時刻t42〜t43の期間、もしくは後続のオフ期間(時刻t44以降)に行われる。
ステップS72では、主制御部11は、着信の呼び出しが終了したか否かを判定する。着信の呼び出しが終了していない場合には、ステップS62に戻る。
従って、打消し用逆相音響データを補正した後のバイブレータ12のオン期間(例えば時刻t43〜t44の期間)においては、波形W44で示される環境音の影響を受けることなく、補正された打消し用逆相音響データを利用して、波形W42bで示される打消し音25を生成することができる。そのため、波形W44で示される環境音は、例えば時刻t42以降は打ち消されることがなく、不自然な変動が生じないことになる。さらに、音響解析部26による演算(ステップS68、S71の処理)は、バイブレータ12のオフ期間に行われるので、処理性能の低いシステムであっても実現可能である。
また、バイブレータを最初にオンする際、オン開始(時刻t41)を半サイクル遅延させて最初にオフ状態で環境音を録音後、ステップS61で逆相音を生成する際に最初に録音した環境音をステップS71と同様の処理により打ち消し用逆騒音データを生成することにより、バイブレータのオン開始直後における消音精度を向上されることも可能である。
本発明は、バイブレータの振動により着信等の通知を行う場合に、振動を停止することなく、より静粛な状態で通知を行うことが可能な携帯端末装置等に有用である。
11 主制御部
12 バイブレータ
13 マイク
14 振動センサ
15 第1録音部
16 消音データ保持部
17 第2録音部
18 再生音選択スイッチ
19 打消し音再生部
20 送出音選択スイッチ
21 スピーカ
22 通話信号処理部
23 振動音
24 反響音
25 打消し音
26 音響解析部
100 携帯端末装置

Claims (10)

  1. 振動を発生させるバイブレータと、
    前記バイブレータの振動に起因する音である振動音を打消す打消し音を、前記バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して発生させる打消し音発生部と、
    を備える携帯端末装置。
  2. 請求項1に記載の携帯端末装置であって、更に、
    前記振動音の位相と前記打消し音の位相とが逆位相になるよう、前記打消し音の位相を制御する位相制御部を備える携帯端末装置。
  3. 請求項1または2に記載の携帯端末装置であって、更に、
    予め録音された前記振動音のデータを保持する振動音データ保持部を備え、
    前記打消し音発生部は、前記振動音データ保持部に保持されている前記振動音のデータに基づいて、前記打消し音を発生させる携帯端末装置。
  4. 請求項1または2に記載の携帯端末装置であって、更に、
    マイクロホンと、
    前記マイクロホンの集音により得られた振動音のデータを保持する振動音データ保持部と、
    を備え、
    前記打消し音発生部は、前記振動音データ保持部に保持されている振動音のデータに基づいて、前記打消し音を発生させる携帯端末装置。
  5. 請求項4に記載の携帯端末装置であって、更に、
    前記バイブレータの駆動期間に、前記マイクロホンにより集音された音を駆動時音響データとして記録する合成音記録部を備え、
    前記打消し音発生部は、前記バイブレータの非駆動期間に、前記合成音記録部に保持された前記駆動時音響データに基づいて、前記打消し音を補正する携帯端末装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯端末装置であって、
    前記打消し音発生部は、前記振動音の位相と前記打消し音の位相との位相ずれに基づいて、前記打消し音の出力を開始するタイミングを制御する携帯端末装置。
  7. 請求項5に記載の携帯端末装置であって、
    前記打消し音発生部は、前記駆動時音響データに基づいて、前記振動音の位相と前記打消し音の位相との位相差を低減するよう、前記打消し音の再生速度を制御する携帯端末装置。
  8. 請求項5に記載の携帯端末装置であって、更に、
    前記合成音記録部により記録された前記駆動時音響データに対して、前記バイブレータの駆動周波数近傍の周波数帯の音響データを通過させるフィルタリング処理を行うフィルタリング処理部を備え、
    前記合成音記録部は、前記バイブレータの非駆動期間に前記マイクロホンにより集音された音を非駆動時音響データとして記録し、
    前記打消し音発生部は、前記フィルタリング処理により通過した音響データから前記非駆動時音響データを除外した結果に基づいて、前記打消し音を補正する携帯端末装置。
  9. 振動を発生させるバイブレータの振動に起因する音である振動音を打消す打消し音を、前記バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して、打消し音発生部により発生させるステップを有する振動音抑制方法。
  10. コンピュータに、
    振動を発生させるバイブレータの振動に起因する音である振動音を打消す打消し音を、前記バイブレータの駆動期間及び非駆動期間に同期して、打消し音発生部により発生させるステップ
    を実行させるための振動音抑制プログラム。
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