JP2012103631A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次転写部に二次転写時とは逆向きの電界が形成されている状態から二次転写が可能な状態とする際の、二次転写部に形成する電界の向きの切り換えに要する時間を短縮することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】二次転写手段30と、二次転写手段30と対向する中間転写体の支持部材13とに、それぞれ同一極性の電圧を印加する第1、第2の電圧印加手段205、206を有し、二次転写を行う第1の期間には、第1の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値が第2の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値より大きく、第1の期間より前で第1の期間に連続する第2の期間には、前記第1の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値が前記第2の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値より小さくなるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、中間転写方式の画像形成装置に関するものである。
従来、複数色またはフルカラーの画像を形成することのできる電子写真方式の画像形成装置として、中間転写方式の画像形成装置がある。中間転写方式の画像形成装置では、電子写真感光体(感光体)に形成されたトナー像は、中間転写体に転写(一次転写)された後に、中間転写体から記録用紙などの転写材に転写(二次転写)される。また、このような中間転写方式の画像形成装置として、タンデム型の画像形成装置がある。タンデム型の画像形成装置では、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が形成される感光体が、中間転写体のトナー像を担持する面の移動方向に沿って1列に配置される。そして、各感光体上に形成された各色のトナー像が、中間転写体に順次重ね合わせて転写(一次転写)された後に、中間転写体から転写材に転写(二次転写)される。
中間転写体に形成されたトナー像を転写材に転写する二次転写手段としては、接触式の二次転写手段である二次転写ローラが用いられることが多い。二次転写ローラを中間転写体に接触させて、二次転写ローラに電圧を印加することにより、中間転写体上のトナー像を静電的に転写材に転写させることができる。このような接触式の二次転写手段が多く用いられているのは、例えば次のようなメリットがあるためであると考えられる。即ち、接触式の二次転写手段は、コロナ放電を利用した非接触式の二次転写手段に比べて、必要な印加電圧が低電圧であるため、電源を小型することができる。また、接触式の二次転写手段は、オゾンの発生量が比較的少ない。
二次転写手段として、例えば上記接触式の二次転写手段である二次転写ローラを用いる場合、二次転写ローラは中間転写体に接触しているため、二次転写ローラがトナーで汚れる場合がある。例えば、中間転写体上に極微量に付着したトナー(「カブリ」と呼ばれる非画像領域に付着した本来付着すべきでないトナーなど)が二次転写ローラに転移し蓄積する場合である。或いは、画像形成装置の使用者が、誤って画像形成領域よりも小さな転写材を使用した時に、転写材からはみ出した部分のトナー像が転移する場合である。このような二次転写ローラのトナーによる汚れが進むと、蓄積したトナーが転写材の裏面に付着し、転写材を汚すことがある。
二次転写ローラのトナーによる汚れに対処するために、二次転写ローラに二次転写中とは逆極性の電圧を印加して、二次転写ローラ上のトナーを中間転写体に戻してクリーニングする方法がある(特許文献1)。二次転写ローラのクリーニングは、画像形成装置の電源投入時や、ジヤム処理(画像形成装置の内部でつまった転写材を取り除くなどの処理)後の画像形成装置の準備動作時などに行われる。
例えば、上述のような二次転写ローラのクリーニングを行うなどのために、二次転写ローラに電圧を印加する電源(以下「二次転写電源」ともいう。)として正負両極性の電圧を二次転写ローラに印加できる電源を用いることがある。
特開平05−119646号号公報
しかしながら、二次転写電源として正負両極性の電圧を出力する電源を用いる場合、次のような現象が発生する場合がある。即ち、正極性から負極性へと、または負極性から正極性へと切り替えながら、連続して電圧を出力した場合に、出力値が制御値よりも一定時間超えて出力されてしまうオーバーシュート現象が発生する場合がある。そして、電流検知回路で検出した電流値を用いて二次転写電源の出力レベルの制御を行う場合、オーバーシュート現象が発生すると、異常な電流値を検出して、出力レベルの制御が不可能となる場合がある。
オーバーシュート現象は、例えば、正極性の電圧を発生する回路と負極性の電圧を発生する回路とを切り換えるときに、制御回路などのコンデンサに放電されずに残った残電荷の影響などにより発生することがある。そのため、オーバーシュート現象は、一方の極性の電圧の出力を停止してから他方の極性の電圧を出力するまでの間に、上記コンデンサに蓄積された電荷が十分減衰する時間(以下「切り替え時間」ともいう。)を設けることで防止できることがある。
このように、二次転写電源として正負両極性の電圧を出力する電源を用いて、二次転写ローラに印加する電圧の極性を切り換える場合、上述のような切り換え時間が必要となる。そのため、このような電源を用いると、二次転写電源がトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を出力している状態から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を出力することで二次転写が可能な状態となるまでの時間が長くなってしまうことがある。
したがって、本発明の目的は、二次転写部に二次転写時とは逆向きの電界が形成されている状態から二次転写が可能な状態とする際の、二次転写部に形成する電界の向きの切り換えに要する時間を短縮することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナーを担持する像担持体と、前記像担持体からトナーが転写される回動可能な中間転写体と、前記像担持体から前記中間転写体にトナー像を転写させる一次転写手段と、前記中間転写体から転写材にトナー像を転写させる二次転写手段と、前記中間転写体を挟んで前記二次転写手段に対向する位置に配置され前記中間転写体を支持する支持部材と、前記二次転写手段に電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記支持部材に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、を有し、前記二次転写手段と前記支持部材との間に正規の帯電極性に帯電したトナーを前記中間転写体から前記二次転写手段に向けて移動させる方向である第1の方向の電界を形成して前記中間転写体から前記転写材にトナーを転写させる第1の期間と、前記二次転写手段と前記支持部材との間に前記第1の方向とは逆向きである第2の方向の電界を形成する期間であって前記第1の期間より前で前記第1の期間と連続する第2の期間と、を備える動作を実行可能であり、前記第2の電圧印加手段が印加する電圧は、前記第1の電圧印加手段が印加する電圧と同極性であり、前記第1の期間では前記第1の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値が前記第2の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値より大きく、前記第2の期間では前記第1の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値が前記第2の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値より小さいことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、二次転写部に二次転写時とは逆向きの電界が形成されている状態から二次転写が可能な状態とする際の、二次転写部に形成する電界の向きの切り換えに要する時間を短縮することが可能となる。
本発明の一実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置の二次転写部の断面図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置の二次転写電源の概略回路図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置における二次転写部における電界形成制御の一例を説明するためのタイミングチャート図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置における二次転写部における電界形成制御の一例を説明するためのタイミングチャート図である。 本発明の他の実施例に係る画像形成装置における二次転写部における電界形成制御の一例を説明するためのタイミングチャート図である。 正負両極性の電圧を出力する二次転写電源の一例の回路図である。 正負両極性の電圧を出力する二次転写電源において出力電圧の極性を負極性から正極性へ切り替える場合の切り替え動作を説明するためのタイミングチャート図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置の全体構成および動作
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置の概略断面を示す。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することが可能な中間転写方式を採用したタンデム型のレーザビームプリンタである。また、本実施例の画像形成装置100のプロセススピードは100mm/sである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部としての第1、第2、第3、第4の画像形成部20Y、20M、20C、20Kを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部20Y、20M、20C、20Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する。なお、本実施例では、第1、第2、第3、第4の画像形成部20Y、20M、20C、20Kの構成および動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて、共通する部分が多い。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部に関する要素であることを表すために図中符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成部20は、矢印R1方向(反時計回り)に回転可能な像担持体としてのドラム型の感光体(感光ドラム)21を有する。感光体21の周囲には、感光体21の回転方向に沿って、次の各手段が設けられている。先ず、一次帯電手段としての帯電器22である。次に、露光手段としてのレーザスキャナ装置23である。次に、現像手段としての現像器24である。次に、一次転写手段としての一次転写部材である一次転写ローラ25である。次に、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーナ26である。
また、各画像形成部20の各感光体21と対向するように、回動可能な無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)10が配置されている。中間転写体10は、支持部材としての、従動ローラ11、テンションローラ12および二次転写対向ローラ(以下、単に「対向ローラ」ともいう。)13に適当な張力をもって掛け回されている。中間転写体10は、矢印R2方向(時計回り)に回転(周回移動)する。中間転写体10の内周面側には、各画像形成部20の各感光体21と対向する位置に、上記各一次転写ローラ25が配置されている。各一次転写ローラ25は、中間転写体10を介して各感光体21に向けて押圧され、各感光体21と中間転写体10とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)N1を形成する。また、中間転写体10の外周面側には、対向ローラ13と対向する位置に、二次転写手段としての二次転写部材である二次転写ローラ30が配置されている。二次転写ローラ30は、中間転写体10を介して対向ローラ13に押圧され、二次転写ローラ30と中間転写体10とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)N2を形成する。また、中間転写体10の外周面側には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーナ14が配置されている。
さらに、画像形成装置100は、転写材Sを収容するカセット51、トナー像とタイミングをとって転写材Sを二次転写部N2に搬送するレジストローラ52、転写材Sの給送タイミングを検知するセンサフラグ53、定着手段としての定着器40などを有する。
例えば、フルカラー画像を形成する場合、各画像形成部20において、感光体21の表面が帯電器22によって一様に帯電させられる。帯電した感光体21の表面は、レーザスキャナ装置23により、画像情報に応じて点灯するレーザ光で走査露光される。これにより、感光体21上に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。この静電潜像は、現像器24により、現像剤としてのトナーでトナー像として現像される。
各感光体21上に形成された単色のトナー像は、一次転写ローラ25の作用により、中間転写体10上に順次重ね合わせて転写(一次転写)される。これにより、中間転写体10上に多色トナー像が形成される。そして、中間転写体10上に形成された多色のトナー像は、二次転写ローラ30の作用により、転写材S上に転写(二次転写)される。
トナー像が転写された転写材Sは、定着器40へと搬送される。定着器40によって、転写材S上の多色のトナー像は加熱および加圧されて転写材S上に定着される。トナー像が定着された後の転写材Sは、図示しない排出ローラによって図示しないトレイに排出される。これにより、1枚の転写材Sに対する一連の画像形成動作を終了する。
なお、一次転写後の感光体21上に残留したトナーは、ドラムクリーナ26によって感光体21上から除去され回収される。また、二次転写後に中間転写体10上に残留したトナーは、ベルトクリーナ14によって中間転写体10上から除去されて回収される。
各部の構成について更に説明すると、感光体21は、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成される。感光体21は、図示しない駆動モータ(メインモータ)の駆動力が伝達されて回転する。駆動モータは、感光体21を画像形成動作に応じて矢印R1方向(反時計周り)に回転させる。
帯電器22は、外径14mmのローラ(帯電ローラ)で構成される。帯電ローラ22は、感光体21に接触して、感光体21の表面を一様に帯電させる。帯電ローラ22には、図示しない一次帯電電圧印加手段としての一次帯電電源が接続されている。そして、感光体21を帯電させる時に、帯電ローラ22には、一次帯電電源から、所定の一次帯電電圧(一次帯電バイアス)が印加される。
レーザスキャナ装置23から送られるレーザ光は、感光体21の表面を選択的に露光する。これにより、感光体21上に静電潜像が形成される。
現像器24には、現像剤担持体としての回転する現像スリーブが設けられている。また、各現像器24は、画像形成装置100の本体に対して脱着可能に取り付けられている。本実施例では、現像器24は、一様に帯電処理された感光体21の表面の、露光により電荷が減衰した露光部に、感光体21の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させることで、静電潜像を現像する(反転現像)。本実施例では、現像剤としてのトナーの正規の帯電極性は負極性である。
一次転写ローラ25には、図示しない一次転写電圧印加手段としての一次転写電源(一次転写高圧電源)が接続されている。そして、一次転写時に、一次転写ローラ25には、一次転写電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。
ドラムクリーナ26は、感光体21上に残ったトナーを感光体21の表面から掻き取るクリーニング部材としてのクリーニングブレードと、回収したトナーを収容する容器とを有する。
中間転写体10は、各感光体21に接触して矢印R2方向(時計周り)に回転する。中間転写体10と二次転写ローラ30とにより転写材Sを狭持して搬送する過程で、転写材S上に中間転写体10上のトナー像が転写(二次転写)される。
二次転写ローラ30には、二次転写電圧印加手段(第1の電圧印加手段)としての二次転写電源(二次転写高圧電源)205(図2)が接続されている。そして、二次転写時に、二次転写ローラ30には、二次転写電源205から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
二次転写ローラ30と対向する位置における中間転写体10の内周面側には、支持部材としての対向ローラ13が配置されている。本実施例では、対向ローラ13は、中間転写体10を回転駆動する駆動ローラを兼ねる。中間転写体10は、対向ローラ13に図示しない駆動モータ(メインモータ)から駆動力が伝達されることで、矢印R2方向に回転する。対向ローラ13には、支持部材電圧印加手段(第2の電圧印加手段)としての支持部材電源(支持部材高圧電源)206が接続されている(図2)。そして、対向ローラ13には、支持部材電源206から、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加されようになっている。
定着器40は、転写材Sを搬送しながら、転写材S上に転写されたトナー像を転写材S上に溶融定着させる。定着器40は、転写材Sを加熱する定着ローラ41と、転写材Sを定着ローラ41に圧接させるための加圧ローラ42とを備えている。定着ローラ41と加圧ローラ42は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ43、44が内蔵されている。トナー像を保持した転写材Sは、定着ローラ41と加圧ローラ42により搬送されるとともに、熱および圧力を加えられ、トナーがその表面に定着される。
ベルトクリーナ14は、中間転写体10上に残ったトナーを中間転写体10の表面から掻き取るクリーニング部材としてのクリーニングブレードと、回収したトナーを収容する容器とを有する。
2.二次転写部
次に、図2を参照して、二次転写部N2の構成について更に詳しく説明する。
対向ローラ13は、芯金上に導電性ゴムローラ[硬度30度(JIS A)、抵抗値1×106Ω]を100μmの厚みで被覆したローラである。対向ローラ13は、中間転写体10を、支持しながら回転駆動する。対向ローラ13の芯金には、支持部材電源206が接続されている。そして、詳しくは後述するように、対向ローラ13には、中間転写体10の回転動作に合わせて、支持部材電源206から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の一定の電圧(本実施例では+1kV)が印加される。
中間転写体10は、体積抵抗率が1×108〜1×1012Ω・cm程度のものが好ましい。また、中間転写体10の材料としては、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリイミド樹脂や、シリコーンゴムやヒドリンゴムなどの弾性材料、またはこれらにカーボンや導電性粉体を分散させて抵抗調整を行ったものなどを用いることができる。本実施例では、中間転写体10として、ポリイミドにカーボンを分散させて体積抵抗率を1×109Ω・cmに調整した、厚さが0.1mmの単層のベルトを用いた。
二次転写ローラ30は、中抵抗(体積抵抗率:1×106〜1×1010Ω・cm)のEPDM、NBR、ヒドリンゴムなどの発砲層で芯金を被覆した構成を有している。この二次転写ローラ30が中間転写体10を介して対向ローラ13に常時当接され、二次転写部N2が形成される。二次転写ローラ30の芯金には、二次転写電源205が接続されている。そして、二次転写ローラ30には、二次転写時に、二次転写電源205から、二次転写ローラ30に所定の電流が流れるように制御された、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の電圧が印加される。
中間転写体10上のトナー像が二次転写部N2に到達すると、そのタイミングを合わせてレジストローラ52などによって転写材Sが二次転写部N2に供給される。それと略同時に、二次転写ローラ30に二次転写電源205からトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧が印加されて、トナー像が中間転写体10から転写材Sに転写される。転写材Sの搬送方向において二次転写部N2の上流側に、転写材Sの通過タイミングを検知するセンサフラグ53が設けられている。
トナー像が転写された転写材Sは、支持ローラ13の曲率によって中間転写体10から分離される。その後、転写材Sは、トナー像をのせたまま定着器40へ搬送される。
3.巻き付き防止シーケンス
ここで、前述のように、二次転写電源として従来の正負両極性の電圧を出力する電源を用いる場合、次のような課題がある。即ち、二次転写電源がトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を出力している状態から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を出力することで二次転写が可能な状態となるまでの時間が長くなってしまうことがある。
このように二次転写電源の出力電圧の極性を切り替えることが有効な場合としては、次のような場合が挙げられる。例えば、前述のように、二次転写ローラにトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を印加して二次転写ローラのクリーニングをしている状態から、二次転写ローラにトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加して二次転写が可能な状態とする場合である。この場合、二次転写ローラのクリーニングをしている状態から、二次転写が可能な状態とするまでに時間がかかり、電源投入時やジャム処理後に画像を出力するまで時間がかかってしまうことがある。
また、上述のように二次転写電源の出力電圧の極性を切り替えることが有効な場合としては、次のような場合が挙げられる。即ち、転写材の先端が中間転写体へ巻き付くことを防止するために、転写材が二次転写部に到達するタイミングに合わせて、二次転写ローラに印加する電圧の極性を反転させる制御(ここでは、「巻き付き防止シーケンス」という。)を行う場合である。巻き付き防止シーケンスでは、転写材が二次転写部に到達するタイミングに合わせて、二次転写ローラに印加する電圧の極性を、それまで印加していたトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧へ反転させる。
すなわち、巻き付き防止シーケンスでは、転写材の先端部のみ二次転写時とは逆極性の電圧を印加する。換言すると、巻き付き防止シーケンスでは、転写材の先端部が二次転写部に到達するタイミングに合わせて、二次転写部に二次転写時とは逆向きの電界を形成する。そして、その後、二次転写部に二次転写時の電界を形成して、二次転写が可能な状態とする。これにより、転写材と中間転写体との間で発生する吸着力を、転写材の先端部のみ弱める作用がある。
しかしながら、出力電圧の極性を切り換える二次転写電源を用いて巻き付き防止シーケンスを行う場合、次のような課題がある。すなわち、転写材の先端部の中間転写体からの分離性を満足するように電圧の極性の切り換えタイミングを設定すると、二次転写に必要な電圧が目標とする電圧まで立ち上がらないことがある。そのために、転写材の先端部においてトナー像が飛び散る画像不良が発生してしまうことがある。つまり、出力電圧の極性を切り換える二次転写電源を用いる場合、転写材の中間転写体からの分離性と転写材の先端部におけるトナー像の飛び散りがトレードオフの関係となっていた。
なお、巻き付き防止シーケンスとして、転写材の先端部が二次転写部に到達する前の一定時間、二次転写部に二次転写時とは逆向きの電界が形成された状態とすることによって、上述の二次転写ローラのクリーニングの効果も得ることができる。換言すれば、二次転写ローラのクリーニングのために二次転写部に二次転写時とは逆向きの電界を形成することを、転写材の先端部が二次転写部に到達するタイミングまで継続することで、転写材の中間転写体への巻き付き防止の効果を得ることができる。
詳しくは後述するように、本実施例では、巻き付き防止シーケンスを、本発明に従う二次転写部における電界形成制御により実施することで、上述の課題を解決する。
4.比較例の二次転写電源
次に、本発明の理解を容易とするために、本実施例に対する比較例として、出力電圧の極性を切り換える二次転写電源の一例について説明する。なお、本比較例の二次転写電源は、該二次転写電源を除いて本実施例の画像形成装置100と実質的に同一の構成の画像形成装置の二次転写電源として適用されるものとする。便宜上、本実施例のものと同一または相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して説明する。ただし、本比較例では、対向ローラ13は接地されている。
図7は、二次転写ローラ30に二次転写時とは逆極性の電圧を印加可能な二次転写電源(転写高圧電源回路)208の一例の回路図である。
二次転写電源208は、正極性の電圧を生成する正極性電圧生成回路202、負極性の電圧を生成する負極性電圧生成回路203、電流検知回路204、および供給電圧制御回路201を有する。電流検知回路204は、二次転写ローラ30に流れる電流を検出する。供給電圧制御回路201は、トランスへの供給電圧を制御する。なお、二次転写電源208には、画像形成装置100を制御する中央演算処理装置(CPU)を含む制御手段210が接続されている。
正極性電圧生成回路202には、正極性の電圧を生成するトランス219が設けられている。トランス219は、制御手段210から出力されるクロックであるCLK1信号で駆動するFET222によってドライブされる。トランス219は、2次側にダイオード224、抵抗226、およびコンデンサ225で形成された整流回路が接続されており、この整流回路で整流平滑された正極性の直流電圧が生成される。
一方、負極性電圧生成回路203には、負極性の電圧を生成するトランス232が設けられている。トランス232は、制御手段210から出力されるクロックであるCLK2信号で駆動するFET230によってドライブされる。トランス232は、2次側にダイオード233、抵抗235、およびコンデンサ234で形成された整流回路が接続されており、この整流回路によって整流平滑された負極性の直流電圧が生成される。
供給電圧制御回路201において、トランス219、232の供給電圧は、抵抗214、212で分圧され、オペアンプ213の負入力に接続されている。一方、オペアンプ213の正入力には、制御手段210のアナログ出力ポートより出力される出力レベル制御信号であるCNTが接続されている。オペアンプ213の出力は、トランジスタ218に接続されており、トランジスタ218がトランス219、232への供給電圧を制限し、トランス219、232の出力電圧を制御する。このような構成とすることで、出力レベル制御信号であるCNTのレベルに応じて、所定のレベルの電圧を出力端子部227に出力することができる。
また、電流検知回路204は、オペアンプ246、抵抗236、237、238、240、241、242、243、244、コンデンサ239、245で構成される。電流検知回路204は、正極性電圧生成回路202の出力する正極性の電圧が二次転写ローラ30に印加された際の二次転写ローラ30に流れる電流値を検出し、この電流値を示す信号であるTRFVSを制御手段210に送出する。制御手段210はADポートで電流値を示す信号であるTRFVSを検出し、所定の電流値になるように出力レベルを制御する。
トランス219を有する正極性電圧生成回路202と、トランス232を有する負極性電圧生成回路203は直列に接続されており、正極性電圧と負極性電圧との両方の極性の電圧を、出力端子227に出力可能な構成になっている。画像形成動作時において、正極性電圧を二次転写ローラ30に印加する場合は、負極性電圧生成回路203の出力を停止し、正極性電圧生成回路202を駆動して所定の出力レベルに制御する。
一方、巻き付き防止シーケンスなどにおいて負極性電圧を二次転写ローラ30に印加する場合は、正極性電圧生成回路202の出力を停止し、負極性電圧生成回路203を駆動して所定の出力レベルに制御する。
前述のように、上記比較例の二次転写電源のように正負両極性の電圧を出力する二次転写電源を用いる場合、オーバーシュート現象が発生する場合がある。
このオーバーシュート現象は、正極性電圧発生回路202と負極性電圧発生回路203との間で電圧を出力する回路を切り換えるとき、供給電圧制御回路201内の電圧安定用のコンデンサ200に放電されずに残った残電荷の影響により発生することがある。
このオーバーシュート現象が発生しないようにするために、次のような方法がある。即ち、一方の極性の電圧を停止してから他方の極性の電圧を出力するまでの間に、CLK信号をONにし、コンデンサ200に蓄積された電荷を早期に減衰させ、電荷が十分減衰した後に他方の極性の電圧の出力をONにする方法である。図8は、この方法を採用した場合の、負極性の電圧から正極性の電圧へ切り換えるタイミングにおける、CNT信号、CLK1信号、CLK2信号と、トランスへの供給電圧の時間変化とを示す。
図8からわかるように、上述のようなコンデンサ200に蓄積された電荷を早期に減衰させる方法を採用した場合でも、負極性の電圧の出力を停止してから電荷が十分に減衰するまでには、100ms程度の時間t1(切り換え時間)を要する。また、正極性の電圧の出力をONに切り換えた後も、すぐに目標とする電圧に達する訳ではなく、出力端子227に接続される負荷による100ms〜200ms程度の時間t2(以下「立ち上げ時間」ともいう。)が必要となる。
5.本実施例の二次転写部における電界形成制御
次に、本実施例における二次転写部N2における電界形成制御について説明する。
図3は、本実施例の二次転写電源205の概略回路図である。本実施例の二次転写電源205は、正極性の電圧を生成する正極性電圧発生回路202、電流検知回路204、および供給電圧制御回路201を有する。電流検知回路204は、二次転写ローラ30に流れる電流を検出する。供給電圧制御回路201は、トランスへの供給電圧を制御する。なお、二次転写電源205には、画像形成装置100を制御する中央演算処理装置(CPU)を含む制御手段210が接続されている。
本実施例の二次転写電源205の正極性電圧発生回路202、電流検知回路204、および供給電圧制御回路201の各々の構成と動作は、前述した比較例の二次転写電源208(図7)のものと実質的に同じである。したがって、これらの詳細な説明は省略する。ただし、本実施例の二次転写電源205では、トランス219は、制御手段210から出力されるクロックであるCLK0信号で駆動するFET222によってドライブされる。
出力端子部227には抵抗30a(二次転写ローラ30の実測抵抗値R0[MΩ])とコンデンサ13a(二次転写ローラ30と対向ローラ13の芯金との間の静電容量実測値C0[nF])が接続されている。
また、上述のように、対向ローラ13には、支持部材電源206が接続されている。
概して、二次転写時には、二次転写部N2における電界形成制御は、次のようにして行われる。まず、転写材Sは、中間転写体10上に形成されたトナー像の移動方向の先端が二次転写部N2に移動するタイミングに合わせて、レジストローラ52により二次転写部N2に搬送される。そして、このタイミングに合わせて、二次転写部N2では、対向ローラ13と二次転写ローラ30に印加された電圧によって、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に第1の方向の電界が形成される。第1の方向の電界は、正規の帯電極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを中間転写体10から二次転写ローラ30側に移動させる方向の電界である。これにより、中間転写体30上のトナー像が転写材Sに転写される。
6.巻き付き防止シーケンス
本実施例の画像形成装置100は、使用者が画像形成装置100の図示しないコントロールパネルなどにおいて適宜選択可能な「薄紙モード」を備えている。そして、この薄紙モードが選択されると、画像形成装置100が備える制御手段210(図3)により、巻き付き防止シーケンスが実行される。ただし、本実施例における巻き付き防止シーケンスは、第1の電圧印加手段としての二次転写電源205と、第2の電圧印加手段としての支持部材電源206とを用いた、前述の比較例とは異なる二次転写部N2における電界形成制御によって行われる。
図4は、薄紙モードが選択された場合に実行される巻き付き防止シーケンスのタイミングチャートであって、画像形成動作を開始してから1枚の転写材Sが画像形成装置100の外部に排出されるまでの時間を示す。最上段から最下段まで順に、中間転写体10の駆動を行うメインモータの駆動のON/OFF、センサフラグ53のON/OFF信号、対向ローラ13に印加される電圧、二次転写ローラ30に印加される電圧の時間変化を表している。なお、メインモータは、中間転写体10と同時に各感光体21の駆動も行う。
画像形成動作が開始されると、メインモータが駆動され、同時に対向ローラ13には支持部材電源206により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である+1kVの一定の電圧が印加される。また、中間転写体10の回転動作に合わせて、二次転写ローラ30には、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に一定の電流が流れるように、二次転写電源205により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の定電流制御された電圧が印加される。本実施例では、このときの電圧は略+1.4kVであった。このとき、二次転写部N2では、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に、第1の方向の電界が形成される。ここでは、中間転写体10の回転動作開始から転写材Sへのトナー像の転写が行われるまでの区間を「前回転」と呼ぶ。
なお、このように、前回転中に、二次転写部N2において二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に第1の方向の電界(トナーを中間転写体10から二次転写ローラ30側に移動させる電界)を形成するのは、次の目的のためである。すなわち、転写材Sが二次転写部N2にない状態で、予め二次転写ローラ30と中間転写体10を含んだインピーダンスを検知し、検知結果に基づいて二次転写の初期に印加する電圧値を決定するためである。
この前回転時における二次転写電源205の出力電圧の定電流制御は、次のようにして行われる。まず、制御手段210により正極性電圧発生回路202から二次転写ローラ30に電圧が印加されるときに流れる電流を電流検知回路204によって検知する。そして、制御手段210は、電流検知回路204から入力された検知信号に基づいて、この検知信号が所定値になるように正極性電圧発生回路202の出力電圧を制御することで、目標とする転写電流(目標電流)が流れるようにする。本実施例では、目標電流を5μAとしている。次に、制御手段210は、この目標電流が流れる出力電圧に基づいて、二次転写の初期電圧を決定する。その後、二次転写中に所定の電流が流れるように出力電圧の制御を行う。二次転写中に流す電流値は、画像形成装置100を使用する環境や、転写材の種類に応じて適宜変更することで、常に良好な転写画像を得ることができる。
次に、センサフラグ53によって転写材Sの搬送方向の先端が検知されると、二次転写電源205の出力電圧の定電流制御を停止し、二次転写ローラ30に印加する電圧を0Vに制御する。その結果、二次転写部N2において、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に形成される電界の向きは逆転する。すなわち、このとき二次転写部N2では、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に、第2の方向の電界が形成される。第2の方向の電界は、正規の帯電極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを二次転写ローラ30から中間転写体10側に移動させる方向の電界である。これにより、二次転写ローラ30に付着したトナーは中間転写体10へ戻される。同時に、転写材Sが二次転写部N2へ到達しても、二次転写ローラ30から電荷が付与されないため、転写材Sが中間転写体10へ巻き付くことを防止することができる。この期間が、本発明における第2の期間である。
その後、転写材Sの搬送方向の先端が、転写材Sの搬送方向における二次転写部N2の中心に到達するタイミングに合わせて、再び二次転写電源205の出力電圧の定電流制御が開始される。このとき、二次転写部N2には転写材Sが挟持されているため、前回転中よりも高い略+2.0kVの電圧が二次転写ローラ30に印加される。これにより、二次転写部N2において、中間転写体10上のトナー像が転写材Sに適切に転写される。この期間が、本発明における第1の期間である。転写材Sの搬送方向の後端が二次転写部N2を通過し終えると、二次転写電源205の出力電圧の定電流制御を停止し、二次転写ローラ30に印加する電圧を0Vとする。
メインモータは、転写材Sが画像形成装置100の外部に排出されるまで駆動されており、この間に対向ローラ13には+1.0kVの一定の電圧が印加される。このとき、二次転写部N2では、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に第2の方向の電界が形成される。したがって、このときにも、二次転写ローラ30のクリーニング効果が得られる。ここでは、二次転写が終了してから転写材Sが画像形成装置100の外部に排出されるまでの区間を「後回転」と呼ぶ。
図5は、図4におけるAの区間(前回転時から二次転写時への移行区間)を、さらに詳細に示した図である。最上段から最下段まで順に、CNT信号、トランスへの供給電圧、CLK0信号、二次転写ローラ30に印加される電圧の時間変化(常温常湿環境(23℃/60%Rh)における電圧波形)である。
実線Cは、本実施例における二次転写ローラ30に印加される電圧の時間変化である。
破線Dは、比較の目的で、正負両極性の電圧を出力する比較例の二次転写電源208(図7)を用いた場合の二次転写ローラ30に印加される電圧の時間変化を示している。
ここで、破線Dは負極性(−1kV)から正極性(+1kV)へ電圧を変化させた場合の波形であり、負極性の電圧の出力を停止させたタイミングを、本実施例における二次転写のための再度の二次転写電源の電圧出力開始タイミングと重ね合わせて示している。
また、電圧波形の上に、転写材Sと転写材S上のトナー像を形成可能な画像形成領域(本実施例では、記録材Sの搬送方向の先端から後端側に5mmの領域は余白部)の関係を示している。
図5に示すように、制御手段210からのCNT信号のレベルを変更しても、二次転写ローラ30に印加される電圧はすぐに応答する訳ではなく、所定の時定数をもった指数関数カーブを描く。
本実施例の実線Cの電圧変化の波形における立ち上げ時間t3は、主に二次転写電源205に接続された負荷に依存する。
一方、破線Dの電圧変化の波形では、前述したように、負極性の電圧の立ち下げ時間と電圧の極性を切り換える時間である切り換え時間t1と、正極性の電圧の立ち上げ時間t2と、を足し合わせた時間が必要である。
正極性の電圧の立ち上げ時間は、電源に接続された負荷が同じであれば、正負両極性の電圧を出力する比較例の二次転写電源208と本実施例の二次転写電源205とでほぼ等しい(すなわち、図5においてt2=t3)。
このように、図5における実線Cの波形と破線Dの波形の差(すなわち、図5におけるΔt)は、比較例における切り換え時間t1の違いであることがわかる。
この切り換え時間t1は、トランスへの供給電圧制御回路201内のコンデンサ容量やCLK信号によるトランス駆動状態により変化するため一概に決まらないが、比較例の二次転写電源208の場合は、100ms程度必要であった。
したがって、本実施例によれば、プロセススピード(中間転写体10の表面の移動速度に相当)が100mm/sの場合、比較例よりも、長さ(記録材Sの搬送距離)に換算して、約10mm速く目標とする電圧に達することが可能となる。
実際に、常温常湿環境(23℃/60%RH)で、薄紙(坪量60g/m2)を通紙した場合、次のような結果が得られた。
比較例の二次転写電源208を用いた上述の二次転写部N2における電界形成制御では、薄紙の分離不良を防止することのできる電圧の切り替えタイミング設定とした場合、トナー像の飛び散りが発生した。このトナーの飛び散りは、記録材Sの搬送方向における画像の先端から後端側に3mmの範囲(転写材Sの先端から後端側に8mmの範囲)に発生した。
一方、本実施例の二次転写電源205を用いた上述の二次転写部N2における電界形成制御では、薄紙の分離不良を防止することのできる電圧の切り替えタイミング設定とした場合でも、画像の先端部におけるトナー像の飛び散りは見られなかった。
このように、本実施例の画像形成装置100は、次のような第1の期間と第2の期間とを備える動作を実行可能である。すなわち、第1の期間は、中間転写体10から転写材Sにトナーを転写(二次転写)させる期間である。この第1の期間においては、二次転写のために、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写体10から二次転写ローラ30に向けて移動させる方向である第1の方向の電界を形成する。また、第2の期間は、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に第1の方向とは逆向きである第2の方向の電界を形成する期間であって第1の期間より前で第1の期間と連続する期間である。また、本実施例の画像形成装置100では、対向ローラ13に対して支持部材電源206が印加する電圧は、二次転写ローラ30に対して二次転写電源205が印加する電圧と同極性である。そして、上記第1の期間では二次転写電源205が印加する電圧の絶対値が支持部材電源206が印加する電圧の絶対値より大きく、上記第2の期間では二次転写電源205が印加する電圧の絶対値が支持部材電源206が印加する電圧の絶対値より小さい。
なお、対向ローラ13と二次転写ローラ30に印加する電圧の値は、本実施例の値に限定されるものではない。二次転写ローラ30にクリーニングまたは巻き付き防止に必要な電流値が流れるように、対向ローラ13と二次転写ローラ30に印加する電圧の値を設定すればよい。例えば、本実施例では、第2の期間では、二次転写電源205は二次転写ローラ30に電圧を印加しない。しかし、二次転写ローラ30のクリーニング、巻き付き防止が可能であれば、第2の期間において、二次転写電源205が支持部材電源206よりも小さい電圧を二次転写ローラ30に印加してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、二次転写ローラ30のクリーニングや転写材Sの中間転写体10への巻き付きを防止する際に、二次転写部N2に形成する電界の向きの切り換えに要する時間を短縮できる。その結果、巻き付き防止シーケンスにおいて、二次転写ローラ30のクリーニングを良好に行い、そして転写材Sの中間転写体10からの分離性を確保しながら、転写材Sの先端部に生じる画像不良を軽減することが可能になる。
なお、本実施例では、使用者が薄紙モードを選択した場合に、特に転写材Sの中間転写体10への巻き付きが発生し易いとして、巻き付き防止シーケンスを実施することとした。そして、この巻き付き防止シーケンスにおいて、前回転時に二次転写部N2に二次転写時とは逆向きの電界を形成することで、巻き付きの防止効果とともに二次転写ローラ30のクリーニング効果も得られるものとした。しかし、二次転写ローラ30のクリーニングの観点からは、本実施例における巻き付き防止シーケンスと同様の動作は、薄紙モードに限定せずに実施することが有効である。したがって、本実施例における巻き付き防止シーケンスと同様の動作を、使用者が薄紙モードを選択した場合以外、例えば転写材Sの種類に限らず、1枚目の転写材Sへの画像形成時には常に実施するなどとしてもよい。
また、本実施例では、薄紙モードは、使用者が選択するものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置100に転写材Sの厚さや表面性から転写材Sの種類を判別するセンサなどの転写材種類判別手段を設け、制御手段210が転写材Sの種類の判別結果に応じて、薄紙モードを実施するようにしてもよい。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成および動作は実施例1のものと同じである。したがって、実施例1の画像形成装置のものと同一またはそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、巻き付き防止シーケンスにおいて、転写材Sへのトナー像の転写を行うタイミングで、対向ローラ13に印加する電圧を+1kVからほぼ0Vへ変更する。これにより、二次転写時に二次転写ローラ30に印加する電圧値を実施例1よりも小さくできる。
図6は、本実施例における、薄紙モードが選択された場合に実行される巻き付き防止シーケンスのタイミングチャートであって、画像形成動作を開始してから1枚の転写材Sが画像形成装置100の外部に排出されるまでの時間を示す。最上段から最下段まで順に、中間転写体10の駆動を行うメインモータの駆動のON/OFF、センサフラグ53のON/OFF信号、対向ローラ13に印加される電圧、二次転写ローラ30に印加される電圧の時間変化を表している。なお、メインモータは、中間転写体10と同時に各感光体21の駆動も行う。
画像形成動作が開始されると、実施例1と同様に、前回転中に、対向ローラ13には支持部材電源206により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である+1kVの一定の電圧が印加される。また、二次転写ローラ30には、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に一定の電流が流れるように、二次転写電源205により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の定電流制御された電圧が印加される。このときの電圧は略+1.4kVであった。このとき、二次転写部N2では、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に、第1の方向の電界が形成される。
前回転中に二次転写電源205の出力電圧の定電流制御を行った後、センサフラグ53によって転写材Sの搬送方向の先端が検知されると、二次転写電源205の出力電圧の定電流制御を停止し、二次転写ローラ30に印加する電圧を0Vに制御する。その結果、二次転写部N2において、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に形成される電界の向きは逆転する。すなわち、このとき二次転写部N2では、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に、第2の方向の電界が形成される。これにより、二次転写ローラ30に付着したトナーは中間転写体10へ戻される。同時に、転写材Sが二次転写部N2へ到達しても、二次転写ローラ30から電荷が付与されないため、転写材Sが中間転写体10へ巻き付くことを防止することができる。
その後、転写材Sの搬送方向の先端が、転写材Sの搬送方向における二次転写部N2の中心に到達するタイミングに合わせて、対向ローラ13に印加する電圧を0Vに設定する。また、同時に、二次転写ローラ30に印加する二次転写電源205の出力電圧の定電流制御が、再び開始される。これにより、二次転写部N2において、中間転写体10上のトナー像が転写材S上へ適切に転写される。本実施例では、この時点で対向ローラ13には電圧が印加されていないため、二次転写ローラ30に印加される電圧は、前回転時よりも低い略+1.0kVである。このように、本実施例では、二次転写時に二次転写ローラ30に印加する電圧は、実施例1における略+2.0kVよりも小さい値でよい。転写材Sの搬送方向の後端が二次転写部N2を通過し終えると、二次転写電源205の出力電圧の定電流制御を停止し、二次転写ローラ30に印加する電圧を0Vとする。
したがって、本実施例では、二次転写電源205の容量を実施例1より小さくすることができる。また、本実施例では、前回転中に二次転写ローラ30に印加する電圧と、二次転写中に二次転写ローラ30に印加する電圧とのコントラスト差が小さいため、電圧の切り換えに要する時間(立ち上げ時間)も、実施例1より少なくすることができる。このように、二次転写部N2において二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に第2の方向の電界を形成するために、対向ローラ13に印加する電圧を0Vとすることができる。
なお、対向ローラ13と二次転写ローラ30に印加する電圧の値は、本実施例の値に限定されるものではない。例えば、本実施例では、第1の期間では、支持部材電源206は対向ローラ13に電圧を印加しない。しかし、二次転写時に二次転写ローラ30に印加する電圧の低減する所望の効果が得られれば、第1の期間において、支持部材電源206が二次転写電源205よりも小さい電圧を対向ローラ13に印加してもよい。この場合、典型的には、第1の期間で支持部材電源206が対向ローラ13に印加する電圧は、第2の期間で支持部材電源206が対向ローラ13に印加する電圧よりも小さい。
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成および動作は実施例1のものと同じである。したがって、実施例1の画像形成装置のものと同一またはそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1、2では、主に画像形成動作の前回転中に対向ローラ13に電圧を印加して、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に形成される電界を反転させる例について説明した。しかし、連続画像形成中の転写材Sと転写材Sとの間(紙間)や後回転中に、二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に形成される電界の向きを反転させるようにしてもよい。
例えば、従来の出力電圧の極性を反転させる二次転写電源を用いる場合、次のような課題がある。即ち、比較的プロセススピードが速い画像形成装置においては、連続画像形成中の紙間の時間が短いため、前述の切り替え時間および立ち上げ時間分を差し引くと、二次転写ローラのクリーニングに有効な時間を確保できないことがある。このような場合に、本発明に従う制御を採用することは有効である。
そこで、本実施例では、紙間中に本発明に従って二次転写ローラ30のクリーニングを実施する例を説明する。
すなわち、本実施例では、実施例1と同様に、二次転写中は、対向ローラ13と二次転写ローラ30に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では負極性)である同一極性の電圧を印加する。そして、紙間中は、二次転写ローラ30に印加する電圧を停止する(0Vとする)一方、対向ローラ13にはトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加する。これにより、二次転写中と紙間中で二次転写部N2において二次転写ローラ30と対向ローラ13との間に形成される電界を反転させる。
更に説明すると、従来、比較的プロセススピードが速い画像形成装置では、連続画像形成中の紙間の時間に対し、二次転写ローラ30のクリーニングを行う時間を確保することが難しかった。例えば、プロセススピードが100mm/sであり、紙間の距離が65mmである画像形成装置の場合、紙間の時間は650msである。
ここで、常温常湿環境(23℃/60%RH)における二次転写ローラ30の実測抵抗値R0が150[MΩ]であり、二次転写ローラ30と対向ローラ13の芯金との間の静電容量実測値C0が0.3[nF]である場合を考える。この場合、図3の等価回路から、二次転写ローラ30に印加される電圧の波形は、下記式(1)のような指数関数になる。
Figure 2012103631
いま、出力を開始してから電圧が目標とする電圧の90%まで立ち上がるまでの時間を立ち上げ時間と定義する。この場合、上記式(1)から、
Figure 2012103631
よって、上記二次転写ローラ30の実測抵抗値R0と、二次転写ローラ30と対向ローラ13の芯金との間の静電容量実測値C0から、立ち上げ時間tは150msと求まる。
実施例1で説明したように、出力電圧の極性を切り換える二次転写電源を用いる方式(比較例)では、正極性(+1kV)から負極性(−1kV)へ電圧を切り換えるために、次のような時間が必要となる。まず、切り換え時間100msが必要である。また、負極性の電圧の立ち上げのために、上述のように立ち上げ時間約150msが必要である。したがって、これらを合わせた250ms程度の時間が必要となる。また、負極性(−1kV)から正極性(+1kV)へ電圧を切り換えるためにも、同様に約250ms程度の時間が必要となる。そのため、実質的に二次転写ローラ30のクリーニングに有効な時間は(650ms−250ms×2=)150msと、短い時間しか設けることができない。したがって、出力電圧の極性を反転させる二次転写電源を用いる方式では、二次転写ローラ30のクリーニングのためにスループットを大幅に低下させる(連続画像形成中の紙間を広げる)必要があった。
これに対して、本実施例では、電界の向きを反転させるのに必要な時間は150msと短いため、実質的な二次転写ローラ30のクリーニングに有効な時間は(650ms−150ms×2=)350msとすることができる。これにより、従来よりもスループットの低下を低減させることができる。
なお、紙間における二次転写電界の形成方法は、本実施例の方法に限定されるものではない。例えば、実施例2と同様に、二次転写中は、二次転写ローラ30にはトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加する一方、対向ローラ13に印加する電圧を停止する(0Vにする)ことができる。そして、紙間中は、二次転写ローラ30に印加する電圧を停止する(0Vとする)一方、対向ローラ13にはトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加することができる。或いは、二次転写中と紙間中のどちらとも、対向ローラ13と二次転写ローラ30に同一極性の電圧を印加してもよい。ただし、この場合、対向ローラ13と二次転写ローラ30に印加する電圧値を変更することで、二次転写中と紙間中とで形成される電界の向きを反転させるように制御する。
以上説明したように、本実施例によれば、連続画像形成の紙間において、二次転写ローラ30のクリーニングを実行する場合に、スループットを大幅に低下させる必要がなくなる。
10 中間転写体
13 対向ローラ(支持部材)
30 二次転写ローラ(二次転写手段)
205 二次転写電源(第1の電圧印加手段)
206 支持部材電源(第2の電圧印加手段)
210 制御手段

Claims (3)

  1. トナーを担持する像担持体と、前記像担持体からトナーが転写される回動可能な中間転写体と、前記像担持体から前記中間転写体にトナー像を転写させる一次転写手段と、前記中間転写体から転写材にトナー像を転写させる二次転写手段と、前記中間転写体を挟んで前記二次転写手段に対向する位置に配置され前記中間転写体を支持する支持部材と、前記二次転写手段に電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記支持部材に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、を有し、
    前記二次転写手段と前記支持部材との間に正規の帯電極性に帯電したトナーを前記中間転写体から前記二次転写手段に向けて移動させる方向である第1の方向の電界を形成して前記中間転写体から前記転写材にトナーを転写させる第1の期間と、前記二次転写手段と前記支持部材との間に前記第1の方向とは逆向きである第2の方向の電界を形成する期間であって前記第1の期間より前で前記第1の期間と連続する第2の期間と、を備える動作を実行可能であり、
    前記第2の電圧印加手段が印加する電圧は、前記第1の電圧印加手段が印加する電圧と同極性であり、前記第1の期間では前記第1の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値が前記第2の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値より大きく、前記第2の期間では前記第1の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値が前記第2の電圧印加手段が印加する電圧の絶対値より小さいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2の期間では、前記第1の電圧印加手段は前記二次転写手段に電圧を印加しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の期間では、前記第2の電圧印加手段は前記支持部材に電圧を印加しないことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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