JP2012103041A - 流体流れの可視化装置および可視化方法 - Google Patents

流体流れの可視化装置および可視化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速流体であっても、確実に流れ場の可視化をすることができる流体流れの可視化装置および可視化方法を提供する。
【解決手段】測定対象物の流体の流れを可視化する際、トレーサとして第1流体をノズル孔から第2流体の流れ場内に供給し、前記第1流体が光吸収する波長を備えるレーザ光が前記流れ場内を横切るように、前記レーザ光を照射する。その際、前記レーザ光の照射位置が前記流れ場内をスキャンするように制御される。一方、前記流れ場内を通過したレーザ光を受光し、受光したレーザ光のスキャン強度信号を用いて、前記第1流体がレーザ光を横切る位置を求めることにより、第2流体の流れを可視化する。前記第1流体が前記レーザ光を横切る位置は、前記スキャン強度信号の値が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置に基づいて求められる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、測定対象物の流体の流れを可視化する流体流れの可視化装置および可視化方法に関する。
従来より、測定対象物周りの流体の流れを可視化することにより、空力抵抗に優れた製品を開発することが行われている。
一般に、流体の流れを可視化する場合は、流体内にトレーサを流し、そのトレーサが流体に沿って分散した状態を画像として捕らえて観測することによって、流体の流れは可視化される。トレーサには、例えば蛍光微粒子、油煙、あるいは水素気泡等が用いられる。
しかし、このようなトレーサを用いる方法は、流体が50m/秒等の高速流体ではトレーサが一度にばらばらに分散し、この分散した状態を画像として捉えても、流線として捕らえることは難しい。トレーサの量を多量に増やした場合、流体の流れに与える影響が無視できなくなる場合もある、
また、一旦分散した流体を、測定対象物を通過した流体の下流側で回収する必要もある。
一方、小型風洞を横切る細い線に、昇温により発煙する液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、流線を可視化する流線観測方法及びその装置が知られている(特許文献1)。
当該流線観測方法及びその装置では、風洞を横切る細線に、昇温により発煙する液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、流線を可視化するが、上記細線として、細径管に管軸方向のすり割り細隙、又は微小穴群を設けたものを用い、その細径管内に上記発煙用液を流しつつ管を通電加熱する。
上記細径管に、管軸方向のすり割り細隙又は微小穴群を設けて、管内に発煙用液を流すので、この液はすり割り細隙又は微小穴群に均等に浸透し、通電加熱により一様に発煙する。
特開平5−264397号公報
しかし、上記流線観測方法及びその装置においても、流体が50m/秒等の高速流体での流線の可視化は難しい。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、高速流体であっても、確実に流れ場の可視化をすることができる流体流れの可視化装置および可視化方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、測定対象物の流体の流れを可視化する流体流れの可視化装置である。当該装置は、
トレーサとして第1流体をノズル孔から第2流体の流れ場に供給する流体供給ユニットと、
前記第1流体が光吸収する波長を備えるレーザ光が前記流れ場内を横切るように、前記レーザ光を照射し、かつ、前記レーザ光の照射位置が前記流れ場内をスキャンするように制御されるレーザ光供給ユニットと、
前記流れ場内を横切ったレーザ光を受光する受光ユニットと、
受光したレーザ光のスキャン強度信号を用いて、前記流れ場における前記第2流体の流れを可視化する処理ユニットと、を備える。
前記処理ユニットは、前記スキャン強度信号を用いて前記第1流体がレーザ光を横切る位置を求め、求めた前記位置に基いて、前記流れ場における前記第2流体の流れを可視化する、ことが好ましい。
前記処理ユニットは、前記スキャン強度信号が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置を求め、この位置に基いて前記第1流体が前記レーザ光を横切る位置を特定することが好ましい。
また、前記レーザ光供給ユニットは、例えば、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射したレーザ光を反射するガルバノミラーと、前記ガルバノミラーで反射されたレーザ光が前記流れ場内で一定の方向に向くように、前記レーザ光を反射する放物面ミラーと、を含む。
また、前記処理ユニットは、前記レーザ光のスキャン強度信号の値が前記閾値より小さくなる時間軸上の位置を求め、この位置に対応する前記ガルバノミラーの向きに基づいて前記レーザ光のスキャン位置を特定する、ことが好ましい。
また、前記流体供給ノズルは、前記ノズル孔を、前記第2流体を供給する複数のノズル孔とともに配列したノズル列を備え、前記ノズル列は、前記レーザ光が前記流れ場内を横切る方向と直交するように設けられる、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、測定対象物の流体の流れを可視化する流体流れの可視化方法である。
当該方法は、
トレーサとして第1流体をノズル孔から第2流体の流れ場内に供給するステップと、
前記第1流体が光吸収する波長を備えるレーザ光が前記流れ場内を横切るように、前記レーザ光を照射し、かつ、前記レーザ光の照射位置が前記流れ場内をスキャンするように制御されるステップと、
前記流れ場内を通過したレーザ光を受光するステップと、
受光したレーザ光のスキャン強度信号を用いて、第2流体の流れを可視化するステップと、を備える。
前記第2流体の流れを可視化するとき、前記スキャン強度信号を用いて前記第1流体がレーザ光を横切る位置を求め、求めた前記位置に基いて、前記第2流体の流れを可視化する、ことが好ましい。
前記第1流体が前記レーザ光を横切る位置は、前記スキャン強度信号の値が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置に基づいて求められる、ことが好ましい。
上記流体流れの可視化装置および可視化方法によれば、高速流体であっても、確実に流場の可視化をすることができる。
本実施形態の流体流れの可視化装置を用いる風洞システムを示す図である。 本実施形態の流体流れの可視化装置の概略図である。 二酸化炭素ガスの濃度とレーザ光の強度信号の相対レベルとの関係を示す図である。 (a)は、二酸化炭素ガスの流れをレーザ光が横切るときのスキャン強度信号の実測例であり、(b)は、本実施形態の流体流れの可視化装置で得られるスキャン強度信号の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の流体流れの可視化装置および可視化方法を、本実施形態に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、風洞内において二酸化炭素ガスをトレーサとして用いるが、これ以外のガス、例えば水蒸気を用いることもできる。また、本実施形態における流れ場は、風洞内の空気等の気体の流れ場であるが、気体の流れ場に代えて液体の流れ場等を用いることもできる。この場合、トレーサとして用いる流体は、液体が用いられる。
図1は、本実施形態の、測定対象物の流体の流れを可視化する流体流れの可視化装置を用いる風洞システム10を示す図である。
風洞システム10は、一定の気体が流れる流体の流れ場内に測定対象物として物体を置き、物体周りの流れを可視化する。
具体的には、風洞システム10では、空気が一定速度で流れる空気の流れ場12中に物体14が置かれる。
図2は、可視化装置の概略の構成を示す図である。可視化装置10は、流体供給ユニット16と、レーザ光供給ユニット20と、受光ユニット22と、制御処理ユニット24と、を有する。
流体供給ユニット16は、トレーサとして二酸化炭素ガスを複数のノズル孔18から流体の流れ場12に供給する。図1に示すように、ノズル孔18を供給点とし、後述するスキャンされるレーザ光Lに対して直交する方向で、空気の流れに沿って二酸化炭素ガスは供給される。二酸化炭素ガスの供給速度は、空気の流れる速度と同じになるように調整される。ノズル孔18は、二酸化炭素ガスの図示されないタンクに接続される。タンクに接続される途中、二酸化炭素ガスが所定の供給速度になるように調整する調整機構が設けられている。したがって、二酸化炭素ガスは、ノズル孔18を供給点として流れ場12内に供給されて流れ場12に沿って流れる。
レーザ光供給ユニット20は、レーザ光源23と、ガルバノミラー25と、放物面ミラー26と、ガルバノミラードライバ28と、を有する。
レーザ光源23は、二酸化炭素を光吸収する波長を備えるレーザ光Lを出射する。図2に示すように、量子カスケードレーザ(Quantum Cascade Laser:QCL)がレーザ光源23として用いられる。QCLは、例えば、4.3μmの波長のレーザ光Lを出射する。この4.3μmのレーザ光Lは、二酸化炭素が光吸収する波長である。
ガルバノミラー25は、レーザ光源23から出射したレーザ光Lの反射角度を変更しながら放物面ミラー26に向けるミラーである。ガルバノミラー25の反射面の向きが、ガルバノミラードライバ28から送られる制御信号によって制御されてレーザ光Lの反射角度が変更される。ガルバノミラー25のレーザ光Lの反射面は、後述するように、レーザ光Lが配列されたノズル孔18の配列方向に対して直交する方向に照射し、かつ流れ場12内を平面状にスキャンするように、駆動される。
放物面ミラー26は、ガルバノミラー25で反射されたレーザ光Lを流れ場12内で一定の方向に向くように向きを変える反射面を有する。放物面ミラー26に入射するレーザ光Lの位置は、ガルバノミラー25の反射角度の変更により、変更される。放物面ミラー26は、その焦点がガルバノミラー25におけるレーザ光Lの反射位置と一致するように設けられている。したがって、放物面ミラー26で反射したレーザ光Lは、ガルバノミラー25の反射角度が変わることによって、流れ場12内を平行に移動する。したがって、ガルバノミラードライバ28によってガルバノミラー25の反射面の向きを制御することによって、流れ場12内のレーザ光Lを、レーザ光Lの照射方向を維持しつつ、ノズル孔18の配列方向にスキャンさせることができる。
ガルバノミラードライバ28は、後述する制御処理ユニット24による指示に応じて、制御信号を生成し、ガルバノミラー25に制御信号を送る。
受光ユニット22は、放物面ミラー32と、受光部34と、を有する。
放物面ミラー32は、受光部34の受光面の一点を焦点とし、流れ場12内を横切ったレーザ光Lを受光部34の受光面の一点に収束させるように設けられている。したがって、流れ場12をスキャンしたレーザ光Lは受光部34で受光される。
受光部34は、レーザ光Lを受光する。受光部34は、例えば、レーザ光Lが赤外領域の波長を有する場合、受光デバイスは、InSb(インジウムアンチモン)の材料が用いられる。したがって、受光部34は、受光したレーザ光Lの強度に応じて、スキャン強度信号を出力する。
制御処理ユニット24は、コンピュータ36と、D/Aコンバータ38と、A/Dコンバータ40と、を有する。
コンピュータ36は、ガルバノミラー25の反射面の向きを制御するようにガルバノミラードライバ28に指示する他、受光部34から出力されたスキャン強度信号のデジタル信号を用いて、以降に示す処理を行って、複数のノズル孔18から供給された二酸化炭素ガスがレーザ光Lを横切る空間上の位置を求める。これにより、コンピュータ36は、流れ場12における空気の流れを可視化する。
コンピュータ36の上記指示及び処理は、コンピュータ36内の図示されないメモリに記憶されたプログラムを呼び出して実行することにより行われる。すなわち、上記指示および処理は、ソフトウェアにより行われる。
D/Aコンバータ38は、コンピュータ36の指示信号をアナログ信号に変換してガルバノミラードライバ28に送られる。これにより、ガルバノミラードライバ28は、ガルバノミラー25の反射面を制御するための制御信号を作成する。
A/Dコンバータ40は、受光部34から出力されたスキャン強度信号をデジタル信号に変換する。さらに、A/Dコンバータ40は、レーザ光源23でレーザ光Lの駆動電流をモニタリングのために、さらに、後述する処理のトリガー信号として取り込んでデジタル信号に変換する。
コンピュータ36は、A/Dコンバータ40から出力されたスキャン強度信号に基いて、二酸化炭素ガスが流れ場12内で横切る位置を特定する。これによって、ノズル孔18から供給された二酸化炭素ガスの通過する位置を知ることができる。図3は、二酸化炭素ガスの濃度とQCLの強度信号の相対レベル(二酸化炭素ガスの濃度0.3%のレベルを1.0とする)との関係を示している。図3に示されるように、二酸化炭素濃度が上昇するほど、強度信号の相対レベルは低下することがわかる。したがって、ノズル孔18から供給された二酸化炭素ガスが流れ場12に沿って流れ、一部分が拡散することによって流れ場12に沿った二酸化炭素ガスの濃度が低下することを考慮して、供給された二酸化炭素ガスの濃度に応じて、強度信号の閾値が設定される。コンピュータ36は、この閾値より小さくなる強度信号の時間軸上の位置を抽出し、抽出した位置に基いて二酸化炭素ガスがレーザ光Lを横切る空間上の位置を特定する。
図4(a)は、二酸化炭素ガスの流れをレーザ光が横切るときのスキャン強度信号の実測例であり、図4(b)は、レーザ光Lをスキャンすることによって得られたスキャン強度信号の一例を模式的に示す図である。なお、図4(a)では、横軸はレーザ光がスキャンする空間上の位置を示し、縦軸は二酸化炭素ガスを流さないときの強度信号のレベルを基準とした相対的なスキャン強度信号を示し、酸化炭素ガスの有無による差異が示されている。上記空間上の位置は、ガルバノミラー25の反射面の向きから変換した値である。
コンピュータ36はスキャン強度信号から、二酸化炭素ガスの濃度0.3%の強度信号のレベルを基準とする相対的なスキャン強度信号を求め、このスキャン強度信号のレベルと設定された上記閾値とのレベルを比較し、スキャン強度信号の値が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置を抽出する。
図4(b)に示す例では、時間軸上の時間tA,tB及びtCの位置が抽出される。この3つの位置は、図1に示すように一列に並んだノズル孔18のうち、3つのノズル孔18から供給された二酸化炭素ガスがレーザ光Lを横切る空間上の位置に対応する。一般に流れ場内では、流れは分岐しないし合流しないので、スキャンによって得られた時間tA,tB及びtCに対応する空間上の位置が、ノズル列の各ノズル孔18からトレーサとして供給された二酸化炭素ガスの通過する位置となる。
一方、コンピュータ36は、ガルバノミラー25の反射面の向きを制御するので、ガルバノミラー25の反射面の向きに基いて、流れ場12においてレーザ光Lが横切る位置を特定することができる。すなわち、ガルバノミラー25の反射面の角度とレーザ光Lの流れ場12を横切る位置を関連付けることができる。つまり、コンピュータ36は、抽出した上記時間tA,tB及びtCに対応したガルバノミラー25の反射面の向きに基いて、レーザ光Lの流れ場12内の照射位置を求めることができる。したがって、コンピュータ36は、一列に並んだノズル孔18から供給された二酸化炭素ガスの、レーザ光Lを横切る空間上の位置を特定することができる。
このような流れ場12においてレーザ光Lの平面状にスキャンする位置を、流れ場12の上流側、あるいは下流側の方向に移動させることにより、流れ場12の流れの可視化、すなわち、流線を求めることができる。本実施形態のレーザ光供給ユニット20と受光ユニット22とは、流れ場12の上流側、あるいは下流側の方向に移動させる機構を備える。
本実施形態では、1つのレーザ光Lを用いて流れ場12の流れの可視化を行うが、複数のレーザ光Lを、流れ場12中の上流側、下流側の種々の位置においてスキャンすることにより得られる複数のスキャン強度信号を用いて流れ場12の可視化、さらには、流線を求めてもよい。
このような風洞システム10では、まず、流体供給ユニット16は、トレーサとして二酸化炭素ガスをノズル孔18から空気の流れ場12内に供給する。
次に、レーザ光供給ユニット20は、二酸化炭素ガスが光吸収する波長を備えるレーザ光Lが流れ場12内を横切るように、レーザ光Lを照射する。その際、ガルバノミラー25の反射面の制御により、レーザ光Lの照射位置が流れ場12内をスキャンするように制御される。
一方、流れ場12の、レーザ光供給ユニット20と反対側の位置に設けられた受光ユニット22は、流れ場12内をスキャンしたレーザ光Lを受光する。
受光したレーザ光Lのスキャン強度信号は、A/Dコンバータ40において、デジタル信号とされ、コンピュータ36に取り込まれる。A/Dコンバータ40に出力されたレーザ光源23のドライブ電流もデジタル化され、このドライブ電流も、レーザ光Lの強度のモニタリングのためにコンピュータ36に取り込まれる。
図4(b)に示されるように、コンピュータ36に取り込まれたスキャン強度信号の値が、予め設定された閾値と比較され、スキャン強度信号の値が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置を抽出し、抽出した位置から二酸化炭素ガスがレーザ光Lを横切る位置を特定する。このようにレーザ光Lが平面状にスキャンする平面の位置を、流れ場12内の上流側あるいは下流側に変えて、レーザ光Lのスキャンをすることにより、流れ場12内の上流側から下流側における二酸化炭素ガスの流れる位置を求めることができる。したがって、流れ場12内の流線を得ることができる。
本実施形態では、予め設定された閾値を用いて、二酸化炭素ガスの空間上の位置を特定するが、必ずしも、二酸化炭素ガスの空間上の位置を特定せず、流れ場12内の上流側から下流側にかけての空間上の各位置における二酸化炭素ガスのスキャン強度信号を得て、この位置に対応するスキャン強度信号の値を、スキャン位置に対応させて空間上に割り当て、さらに、スキャン強度信号の値に応じて色分けすることにより、複数のノズル孔18から供給され、流れ場12に沿って流れた二酸化炭素ガスの濃度分布を知ることができる。したがって、この濃度分布を流れ場12の可視化画像として用いることもできる。
以上のように、本実施形態では、トレーサとしてノズル孔から供給される二酸化炭素ガスを用い、二酸化炭素ガスが光吸収する波長を備えるレーザ光Lを、流れ場12内をスキャンするように照射するので、二酸化炭素ガスがレーザ光Lを横切る位置を特定することにより、流れ場12を可視化することができる。特に、二酸化炭素ガスの光吸収によって低下するレーザ光Lの強度を精度高く求めることができるので、高速流体であっても、確実に流れ場12の可視化をすることができる。しかも、二酸化炭素ガスを用いるので、トレーサとして使用した二酸化炭素ガスは、大気に流すことができるので、従来のように回収する必要がない。
コンピュータ36において、レーザ光Lのスキャン強度信号の値が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置を抽出し、抽出した位置から二酸化炭素ガスがレーザ光Lを横切る空間上の位置を特定することにより、二酸化炭素ガスの位置を簡単に抽出することができる。
本実施形態では、レーザ光源23と、レーザ光源23から出射したレーザ光Lを反射するガルバノミラー25と、ガルバノミラー25で反射されたレーザ光Lが流れ場12内で一定の方向に向くように、レーザ光Lを反射する放物面ミラーと、を含むレーザ光供給ユニット20を用いるので、二酸化炭素ガスの空間上の位置を知るために行うレーザ光Lのスキャンを簡単に行うことができる。
コンピュータ36は、レーザ光Lのスキャン強度信号の値が閾値より小さくなる時間軸上の位置を求め、この位置に対応するガルバノミラー25の向きに基づいてレーザ光Lのスキャン位置を特定するので、スキャン位置とスキャン強度信号の時間軸上の位置との対応を予め定めておくことにより、比較的簡単に二酸化炭素ガスの空間上の位置を特定することができる。
本実施形態では、一列に並んだ複数のノズル18のノズル列によって二酸化炭素ガスが供給され、この前記ノズル列は、レーザ光Lが前記流れ場内を横切る方向と直交するように設けられるので、レーザ光Lのスキャンにより、二酸化炭素がレーザ光Lを横切る複数の位置を同時に得ることができ、流れ場12の流れを可視化するのに効率がよい。
本実施形態では、レーザ光供給ユニット20において、ガルバノミラー25および放物面ミラー26を用いてレーザ光Lをスキャンさせるが、ガルバノミラー25および放物面ミラー26の代わりに、複数の微小ミラーが平面上に配置されたマイクロミラーデバイスをレーザ光Lのスキャン用デバイスとして用いてもよい。
以上、本発明の流体流れの可視化装置および可視化方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 風洞システム
12 流れ場
14 物体
16 流体供給ユニット
18 ノズル孔
20 レーザ光供給ユニット
22 受光ユニット
23 レーザ光源
24 制御処理ユニット
25 ガルバノミラー
26,32 放物面ミラー
28 ガルバノミラードライバ
34 受光部
36 コンピュータ
38 D/Aコンバータ
40 A/Dコンバータ

Claims (9)

  1. 測定対象物の流体の流れを可視化する流体流れの可視化装置であって、
    トレーサとして第1流体をノズル孔から第2流体の流れ場に供給する流体供給ユニットと、
    前記第1流体が光吸収する波長を備えるレーザ光が前記流れ場内を横切るように、前記レーザ光を照射し、かつ、前記レーザ光の照射位置が前記流れ場内をスキャンするように制御されるレーザ光供給ユニットと、
    前記流れ場内を横切ったレーザ光を受光する受光ユニットと、
    受光したレーザ光のスキャン強度信号を用いて、前記流れ場における前記第2流体の流れを可視化する処理ユニットと、を備えることを特徴とする流体流れの可視化装置。
  2. 前記処理ユニットは、前記スキャン強度信号を用いて前記第1流体がレーザ光を横切る位置を求め、求めた前記位置に基いて、前記流れ場における前記第2流体の流れを可視化する、請求項1に記載の流体流れの可視化装置。
  3. 前記処理ユニットは、前記スキャン強度信号が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置を求め、この位置に基いて前記第1流体が前記レーザ光を横切る位置を特定する、請求項2に記載の流体流れの可視化装置。
  4. 前記レーザ光供給ユニットは、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射したレーザ光を反射するガルバノミラーと、前記ガルバノミラーで反射されたレーザ光が前記流れ場内で一定の方向に向くように、前記レーザ光を反射する放物面ミラーと、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体流れの可視化装置。
  5. 前記処理ユニットは、前記レーザ光のスキャン強度信号の値が前記閾値より小さくなる時間軸上の位置を求め、この位置に対応する前記ガルバノミラーの向きに基づいて前記レーザ光のスキャン位置を特定する、請求項4に記載の流体流れの可視化装置。
  6. 前記流体供給ユニットは、前記ノズル孔を、前記第2流体を供給する複数のノズル孔とともに配列したノズル列を備え、
    前記ノズル列は、前記レーザ光が前記流れ場内を横切る方向と直交するように設けられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体流れの可視化装置。
  7. 測定対象物の流体の流れを可視化する流体流れの可視化方法であって、
    トレーサとして第1流体をノズル孔から第2流体の流れ場内に供給するステップと、
    前記第1流体が光吸収する波長を備えるレーザ光が前記流れ場内を横切るように、前記レーザ光を照射し、かつ、前記レーザ光が前記流れ場内をスキャンするように制御されるステップと、
    前記流れ場内を通過したレーザ光を受光するステップと、
    受光したレーザ光のスキャン強度信号を用いて、第2流体の流れを可視化するステップと、を備えることを特徴とする流体流れの可視化方法。
  8. 前記第2流体の流れを可視化するとき、前記スキャン強度信号を用いて前記第1流体がレーザ光を横切る位置を求め、求めた前記位置に基いて、前記第2流体の流れを可視化する、請求項7に記載の流体流れの可視化方法。
  9. 前記第1流体が前記レーザ光を横切る位置は、前記スキャン強度信号の値が設定された閾値より小さくなる時間軸上の位置に基づいて求められる、請求項8に記載の流体流れの可視化方法。
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