JP2012101201A - 浄化促進材料及び浄化促進方法 - Google Patents

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【課題】
微生物を用いて有害化学物質を浄化する技術分野において、浄化に関わる有用徹生物の活動を選別的に促進させる環境を形成することにより、浄化効率を高めて浄化期間を短縮することが可能な浄化促進材料及び浄化促進方法を提供すること。
【解決手段】
抗菌材料であるホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料である浄化促進材料が、浄化水中に添加されて、浄化にかかわりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物の活動を速やかに促進させて浄化促進する浄化促進方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、微生物を用いて有害化学物質を浄化する有害化学物質浄化技術において、浄化対象とする廃水、汚染土壌、汚染地下水等に対して供給する浄化促進材料及び微生物による浄化促進方法に関するものである。
微生物を用いる浄化技術は、排水処理における活性汚泥法や嫌気処理法などに広く利用されている。
また、近年では、有害化学物質で汚染された土壌および地下水を微生物により浄化する技術(バイオレメディエーション)も、環境負荷および浄化コストの小さい浄化方法として着目されている。
このような微生物を用いる浄化技術は、二次的汚染が生じにくく、使用エネルギー量が少ないなどの長所が有る一方で、物理・化学的な浄化方法と比較すると、浄化に適した状態を維持・管理する方法に不確定要素が多くある点に問題がある。
例えば、上記活性汚泥法によるバルキングは、曝気槽中に糸状菌が大量発生することにより活性汚泥の沈降性が阻害される現象であるが、このように処理効率の低下や阻害が生じる要因として、処理環境中の微生物群衆構造が影響していることが示されている。
すなわち、処理環境中には、有用な微生物だけでなく、浄化を阻害する微生物も同時に増殖して、影響を与えるとしている(非特許文献1)。
ところが、廃水処理やバイオレメディエーションの分野において存在する微生物種は、多岐にわたると同時に、その微生物群衆構造は処理を行っている場所、時間によって絶えず変化しているものである。
このため、浄化環境を適切な微生物群衆構造にリアルタイムでコントロールすることは極めて難しいと考えられている。
このような背景から、有用微生物を浄化対象とする場所に導入する方法が、微生物群衆構造を安定させて浄化効率を高めたり、特定の有害化学物質を浄化したりする方法として用いられている(非特許文献2.3)。
しかしながら、有用微生物は複雑な微生物群衆構造内で長期的に効果を発揮することが難しく、導入した微生物が十分に効果を発揮できない場合もある(非特許文献4)。また、微生物の導入は、培養等に多大なコストが必要であるため、浄化コストが大きくなることも課題となっている。
加藤史子、飯泉太郎、中村寛治:食品工場排水処理施設における活性汚泥の細菌群構造と汚泥沈降性の関連性、日本水環境学会誌,vo1.30,N0.7,pp377-385,2007. H. Van Limbergen, E.M.Top and W. Verstraete, Bioaugmentation in activated sludge: current features and future perspectives, Appl. Microbiol. and Biotechnol.,50:16-23,1998. T. M. Vogel, Bioaugmentation as a soil bioremediation approach,Current Opinion in Biotechnology,7:311-316,1996. T. Bouchez,D. Patureau, P. Dabert,S.Juretschko,J. Dore, P. Delgenes, R.Moletta and M. Wagner, Ecological study of a bioaugmentation failure,Environmental Microbiology, 2:179-190, 2000.
本発明は、微生物を用いて有害化学物質を浄化する技術分野において、浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制することにより浄化に関わる有用徹生物の活動を速やかに促進させる環境を形成することにより、浄化効率を高めて浄化期間を短縮することが可能な浄化促進材料及び浄化促進方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、微生物を用いて有害化学物質を浄化するに際し、廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象に対して供給する浄化促進材料において、該材料が、浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させるものから構成されている浄化促進材料とした。
請求項2に係る発明は、微生物を用いて有害化学物質を浄化するに際し、廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象に対して供給する浄化促進材料おいて、該材料が、ホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料である浄化促進材料とした。
請求項3に係る発明は、有害化学物質で汚染された廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象を微生物を用いて浄化するに際し、前記浄化対象に対して浄化促進材料を添加して微生物による浄化を促進する浄化促進方法において、前記浄化促進材料として、浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させるもの、あるいはホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料を添加する浄化促進方法とした。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載された浄化促進方法において利用する微生物が、デハロコッコイデス属細菌であることを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項3に記載された浄化促進方法において利用する微生物が、vcrA遺伝子を有する細菌であることを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項3に記載された浄化促進方法において浄化する有害化学物質が、揮発性有機塩素化合物であることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、微生物を用いて有害化学物質を浄化するに際し、廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象に対して供給する浄化促進材料において、該材料を浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させるものとしたので、浄化を阻害する微生物の増殖を抑制してその影響を極力低減し、有害化学物質を短時間に浄化して浄化効率を高めて、浄化期間を短縮して浄化コストを下げることができる。
また、浄化に必要な有機資材等の微生物活性資材の投入量を低減できることから、この面でも浄化コストを低減可能な浄化促進材料を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、微生物を用いて有害化学物質を浄化するに際し、廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象に対して供給する浄化促進材料おいて、該材料をホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料としたので、請求項1に記載された発明の効果に加えて、原料が入手しやすく浄化促進材料の取り扱いが容易である。
請求項3に係る発明によれば、汚染土壌や汚染地下水中に浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させるもの、あるいはホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料を添加するのみで、請求項1、2に記載された発明の効果に加えて、浄化環境を長期間に亘って適切な微生物群衆構造に制御することができ、また、有用微生物を導入することなく浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させることができるから、培養等に多大なコストを要することもない。
請求項4乃至請求項6に係る発明よれば、デハロコッコイデス属細菌あるいはvcrA遺伝子を有する細菌は、ホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料の存在下においても増殖が抑制されることなく、その活動が速やかに促進されて有用な脱塩素化作用を呈し、有害な揮発性有機塩素化合物を塩素が存在しない無害な化合物まで変換することができる。
図1は、人工地下水中のトリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレンおよび塩化ビニルモノマーの経時変化を示す図である。 図2は、43日目のガラスバイアル瓶中の気相中のエチレン濃度を示す図である。 図3は、43日目の脱塩素化細菌の遺伝子数及び脱塩素化に関わる機能遺伝子数を示す図である。 図4は、43日目の人工地下水中の有機物消費率を示す図である。 図5は、43日目の人工地下水中のATP活性を示す図である。
本発明は、抗菌材料であるホップ、又はホップの抽出成分を浄化環境に導入することにより、浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制して環境中の有用微生物が従来方法に比較して短時間で優占化され、その有用微生物の活動を促進させて、浄化期間を短縮するものであり、この点に特徴がある。
本発明では、微生物を用いて浄化する場合に、ホップ、ホップ抽出液、または、ホップ成分を含む材料からなる浄化促進材料を浄化対象とする水、土壌、地下水に導入するものである。
以下、塩素化エチレン汚染地下水を嫌気微生物により浄化(脱塩素化)する方法について、上記した浄化促進材料を用いた場合と用いない場合の浄化促進効果を比較した実施例について説明する。
一般的に、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンは還元的環境下で、微生物の働きによりエチレン、エタンにまで脱塩素化される。
この浄化方法では、汚染地下水中の有用な脱塩素化菌が、トリクロロエチレンをシス-1,2-ジクロロエチレンに、シス-1,2-ジクロロエチレンを塩化ビニルモノマーに、塩化ビニルモノマーをエチレンに順次脱塩素していく。脱塩素化菌の活動により、最終的には全ての塩素化エチレンが無害なエチレンまで変換される。
還元的環境下でテトラクロロエチレンやトリクロロエチレンを脱塩素化する微生物種のうち、エチレン、エタンまでの還元脱塩素化の反応に関与する微生物種として、いくつかのデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌が特定されている(参考文献1〜2)。
本試験では、トリクロロエチレンおよびシス-1,2-ジクロロエチレンで汚染された人工地下水を作成し、ホップ抽出成分を添加して、ホップ抽出成分が微生物浄化に与える影響を把握することを目的とした室内培養試験を実施した。人工地下水の組成を表1に示す。
120mLのガラスバイアル瓶に上記人工地下水を90mL、トリクロロエチレンを10μmol/L、シス-1,2-ジクロロエチレンを30μmol/L、乳酸ナトリウムを400mg/L(有機物濃度で150mg/L)、塩素化エチレン汚染地下水から採取した土壌1gと蒸留水10gを混合後に得られた土壌上澄み液を1mL、をそれぞれ添加してテフロンコーティング処理済みのブチルゴム栓とアルミシール栓を用いて密栓した。
次に、乾燥ホップ(粉末)を1%(w/v)で蒸留水に混合して作成したホップ成分抽出水を、個々のガラスバイアル瓶に、O%(v/v)(コントロール)、3%(v/v)、1%(v/v)、0.1%(v/v)添加して、20℃の恒温室内で82日間振とう培養した。
人工地下水中のトリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、および塩化ビニルモノマーの培養期間中の経時変化を図1に、43日目におけるガラスバイアル瓶中の気相中のエチレン濃度を図2に、それぞれ示す。
この結果、全ての培養条件で浄化(脱塩素化)の傾向が確認されたが、培養開始から約1ヶ月後(36日目、43日目)では、浄化傾向に大きな差があることが確認できた。
培養開始から43日目の時点では、ホップ成分抽出水を添加していない条件と0.1%添加した条件ではシス-1,2-ジクロロエチレンの脱塩素化は確認されず、最終生成物であるエチレンの気相への生成も確認されなかった。
一方、ホップ成分抽出水を3%、および1%添加した条件では、脱塩素化傾向と最終生成物であるエチレンの気相への生成が確認され、ホップ成分抽出水の添加量の多い条件で脱塩素化が速く進行することが示された。
浄化に関わる細菌の増加傾向を把握するため、デハロコッコイデス属(Dehalococcoides属、参考文献1〜2)の16S rRNA遺伝子コピー数、およびシス-1,2-ジクロロエチレン以降の脱塩素化に関わる公知の機能遺伝子(参考文献3〜6)であるvcrA遺伝子コピー数をリアルタイムPCR法により求めた。
培養試料からのゲノムDNAの取得方法、およびデハロコッコイデス属の16S rRNA遺伝子数のリアルタイムPCRによる決定方法については、次に示すとおりである。
ゲノムDNAを取得するため、培養試料5mlを濾過したポリカーボネート製メンブレンフィルター(孔径0.2 mm)を20mg/ml-プロテナーゼK(3μL)、10%-Sodium dodecyl sulfate(30μL)、TEバッファー(567μL)を含む溶液内において50℃で1時間静置して、続いて5M-NaCl(100μL)、CATB/NaCl溶液(80μL)を加えて、65℃で10分間静置培養した。
次に、クロロホルム/イソアミルアルコール(800μL)を加えて混合後、15000rpm、5分間の遠心分離後に上清液600μLを回収し、フェノール(300μL)、クロロホルム/イソアミルアルコール(24:1,300μL)を加えて、15000rpm、5分間の遠心分離後、上清550μLを回収した。そこに、3M-酢酸ナトリウム(55μL)、イソプロピルアルコール(550μL)を加え、15000rpm、10分間の遠心分離後に上精液を捨て、70%エタノール(1mL)を加え、15000rpm、10分間の遠心分離後に上精液を捨て、DNAを回収した。
続いて、リアルタイムPCR法により、デハロコッコイデス属16S rRNA遺伝子コピー数を以下の方法で定量した。リアルタイムPCR法により増幅させる遺伝子領域は、デハロコッコイデス属細菌に共通する配列となる16S rDNA上の特異的領域を増幅させるプライマーとして「5’-CAGCAGGAGAAAACGGAATT-3’」と「5’-GACAGCTTTGGGGATTAGC-3’」を用い、リアルタイムPCRでの遺伝子断片検出法はSYBR Green Iを使用したインターカレーター方式とした。
以下に1検体当たりのPCR反応組成を示す。上記方法で抽出したゲノムDNAは50μlのTEバッファーに溶解して使用した。なお、本試験ではブランクを設け、PCRの反応液にはDNA抽出物の代わりに滅菌蒸留水を混合した。
2×SYBR Premix(タカラバイオ社製) 12.5μl
100μM 624-Fw 0.1μl
100μM 1232-Rv 0.1μl
50×ROX Dye(タカラバイオ社製) 0.5μl
DNA 抽出物 1.0μl
滅菌超純水 10.8μl
計 25.0μl
リアルタイムPCR反応は、初期変性(95℃、30秒)の後、変性(95℃、5秒)・アニーリング(54℃、30秒)・伸長反応(72℃、45秒)を40回繰り返し、最後に60℃から95℃まで段階的に温度を上昇させる条件とした。地下水中のデハロコッコイデス属細菌のコピー数を定量するために、既知のデハロコッコイデス属細菌の16S rDNA領域をpGEM T-Easyベクター(Promega社製)にクローニングしたプラスミドDNAをスタンダードとして使用し、102〜108copiesの検出値について検量線を作成した。
<参考文献>
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[参考文献2]D.E.Fennell,I.Nijenhuis,S.F.Wilson,S.H.Zinder,and M.M.Haggblom,Environ.Sci.Technol.,38:2075-2081,2004.
[参考文献3]J.He,K.M.Ritalahti,M.R.Aiello,and F.E.Loffler,Appl.Environ.Microbiol.,69:996-1003,2003.
[参考文献4]M.Duhamel,K.Mo,and E.A.Edwards,Appl.Environ.Microbiol.,70:5538-5545,2004.
[参考文献5]J.A.Muller,B.M.Rosner,G.von Abendroth,G.Meshulam-Simon,P.L.McCarty,and A.M.Spormann.,Appl.Environ.Microbiol.,70:4880-4888,2004.
[参考文献6]K.M.Ritalahti,B.K.Amos,Y.Sung,Q.Wu,S.S.Koenigsberg,and F.E.Loffler,Appl.Environ.Microbiol.72:2765-2774,2006.
vcrA遺伝子コピー数は、ゲノムDNAの採取後にリアルタイムPCR法により以下の方法で定量した。リアルタイムPCR法により機能遺伝子vcrAの特異的領域を増幅させるプライマーとして「5’-CGGGCGGATGCACTATTTT-3’」、および「5’-GAATAGTCCGTGCCCTTCCTC-3’」を用い、5’末端を蛍光物質(FAM)で、3’末端をクエンチャー物質(TAMRA)で修飾したオリゴヌクレオチド「5’-CGCAGTAACTCAACCATTTCCTGGTAGTGG-3’」をプローブとして用いた。
リアルタイムPCR法での遺伝子断片検出方法は、蛍光プローブ法とした。
以下に1検体辺りのPCR反応組成を示す。上記方法で抽出したDNAは50μlのTEバッファーに溶解して使用した。なお、本試験ではブランクを設け、PCRの反応液にはDNA抽出物の代わりに滅菌蒸留水を混合した。
2×Premix EX Tag(タカラバイオ社製) 12.5μl
100μM 1022-Fw 0.1μl
100μM 1093-Rv 0.1μl
100μM1042-Probe 0.1μl
50×ROX Dye(2)(タカラバイオ社製) 0.5μl
DNA 抽出物 1.0μl
滅菌超純水 10.7μl
計 25.0μl
リアルタイムPCR反応は、初期変性(95℃、10秒)の後、変性(95℃、15秒)、アニーリング(58℃、1分)を40サイクル行い、特定遺伝子のコピー数を求めた。地下水中の機能遺伝子を保有する微生物種を定量するために、完全脱塩素化の培養系から既知のvcrA遺伝子領域をpGEM T-Easyベクター(Promega社製)にクローニングしたプラスミドDNAをスタンダードとして使用し、102〜108 copiesの検出値について検量線を作成した。
本方法により、培養開始から43日目におけるデハロコッコイデス属細菌の16S rRNA遺伝子コピー数、およびvcrA遺伝子コピー数を定量した結果、両遺伝子数は図3に示されるように同様の傾向を示した。
デハロコッコイデス属細菌の16S rRNA遺伝子コピー数、およびvcrA遺伝子コピー数は、いずれも脱塩素化がみられたホップ成分抽出水を3%、および1%添加した条件で顕著に増加していることが確認できた。
一方、培養開始から43日目における添加した有機物(乳酸)量に対して培養後に消費された有機物の割合を示す消費率は、図4に示されるように、ホップ成分抽出水の添加量が多いほど小さかった。
さらに、培養開始から43日目における人工地下水中に存在する微生物全体の増殖活性を示す指標となるATPは、図5に示されるように、ホップ成分抽出水を添加すると低くなり、特に添加量が多くなるほどATP活性が低くなった。
以上の試験結果から、以下の4点が明らかとなった。
(1)ホップ成分抽出水の添加量の多い条件で脱塩素化が速く進行すること。
(2)脱塩素化菌数の指標となる遺伝子コピー数は、ホップ成分抽出水を所定量以上添加した条件で顕著に増加すること。
(3)有機物の消費率は、ホップ成分抽出水の添加量が多いほど小さいこと。
(4)人工地下水中に存在する微生物全体の増殖活性を示す指標となるATPは、ホップ成分抽出水の添加量が多くなるほど活性が低くなること。
上記(1)と(2)から、ホップ成分抽出水の添加が、脱塩素化に関わる有用細菌数を増加させ、脱塩素化を速く進行させることが明らかである。
逆に上記(2)(3)及び(4)からは、ホップ成分抽出水の添加が、浄化に関係しない細菌の増殖は抑制されることを窺い知ることができる。
以上の結果を総合すると、ホップ抽出成分を存在させることにより、浄化に無関係な細菌の増殖は抑制され、脱塩素化に関わる有用細菌数を増加させて脱塩素化を促進させる作用効果があることが明らかとなった。
本発明は、浄化促進材料はホップ抽出成分を添加した上記実施例に限られず、ホップまたは乾燥ホップそのものを添加してもよい。
要するに、浄化対象に対しホップ中に含有される成分を添加できる材料であれば浄化促進材料とすることができる。
また、浄化に必要な有用微生物はデハロコッコイデス属細菌あるいはvcrA遺伝子をもつ細菌に限定されず、ホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料を添加することにより、活性化する微生物であればなんでもよい。

Claims (6)

  1. 微生物を用いて有害化学物質を浄化するに際し、廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象に対して供給する浄化促進材料において、
    該材料が、浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させるものであることを特徴とする浄化促進材料。
  2. 微生物を用いて有害化学物質を浄化するに際し、廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象に対して供給する浄化促進材料おいて、
    該材料が、ホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料であることを特徴とする浄化促進材料。
  3. 有害化学物質で汚染された廃水、汚染土壌、汚染地下水等の浄化対象を微生物を用いて浄化するに際し、前記浄化対象に対して浄化促進材料を添加して微生物による浄化を促進する浄化促進方法において、
    前記浄化促進材料として、浄化に関わりの無い微生物の活動を抑制し、浄化に必要な有用微生物を優占化して活動を促進させるもの、あるいはホップ、ホップ抽出成分、又はホップを含む材料を添加することを特徴とする浄化促進方法。
  4. 前記微生物が、デハロコッコイデス属細菌であることを特徴とする請求項3に記載された浄化促進方法。
  5. 前記微生物が、vcrA遺伝子を有する細菌であることを特徴とする請求項3に記載された浄化促進方法。
  6. 前記有害化学物質が、揮発性有機塩素化合物であることを特徴とする請求項3記載された浄化促進方法。
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