JP2012100593A - GAPDHmRNAの測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GAPDH mRNA中の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、相補的な配列を有する第二のプライマーを用い、逆転写酵素により、プロモーター配列を含む2本鎖DNAを生成し、該2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼによりRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記逆転写酵素によるDNA合成の鋳型となって前記2本鎖DNAを生成する工程からなるRNA増幅工程において、増幅されたRNA産物量を、増幅されたRNAと相補的2本鎖を形成するとシグナル特性が変化するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブで経時的に測定することによる、GAPDH mRNAの測定方法により前記課題を解決する。
【選択図】なし
Description
マーカー遺伝子の発現量の変動を調べるには、常に一定量発現している遺伝子の発現量をリファレンスとして同時に測定し、リファレンスの発現量で補正する必要がある。これによって試料(検体)の採取やサンプル調製における差異といったことに影響されることなく、正確にマーカー遺伝子の発現量を測定することが可能となる。
リファレンスとする遺伝子としては、細胞機能を維持するために不可欠なタンパク質、例えば、GAPDH、PBGD(porphobilinogen deaminase)、HPRT(hypoxanthin phosphoribosyl transferase)、β2M(β−2−microglobulin)、G6PDH(glucose−6−phosphate dehydrogenase)、ALAS(5−aminolevulinate synthase)、βアクチン(beta actin)等をコードする、いわゆるハウスキーピング遺伝子や、18SrRNA等が考えられる。中でもGAPDHをコードする遺伝子は、組織や細胞内の発現量が高く、組織間での発現量の差が小さい(非特許文献1)ことから、そのmRNA(以下、GAPDH遺伝子のmRNAをGAPDH mRNAと称することがある)はRT−PCR(Reverse Transcription−Polymerase Chain Reaction)法によるマーカー遺伝子の発現量の定量においてリファレンス遺伝子としてよく用いられている(非特許文献2から6)。
(1)RNAを鋳型とする、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素によるRNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)1本鎖DNAを鋳型とする、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、特定塩基配列又は特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素による前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生成する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)前記RNA転写産物量を測定する工程。
また本発明は、GAPDH mRNAを特異的に増幅し又は測定するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9から配列番号11、配列番号20から配列番号23、配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする。更に本発明は、かかるオリゴヌクレオチドを少なくとも一つ含むことを特徴とする、GAPDH mRNAの測定試薬である。
そして本発明は、ヒトのGAPDH mRNAを特異的に増幅し又は測定するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9、配列番号20、配列番号21及び配列番号34に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする。
(i)第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、又は、
(ii)前記第一のプライマーが配列番号11で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
(i)前記第一のプライマーが配列番号12から配列番号16で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号24から配列番号29で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、又は、
(ii)前記第一のプライマーが配列番号17から配列番号19で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号30から配列番号33で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
(i)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1から配列番号5に示されたいずれかの配列に対して相同的な配列からなるオリゴヌクレオチド、第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有し、かつ特定核酸配列中の当該プライマーとの相同領域の5’末端部位は配列番号1から5に記載の配列の相補領域と重複する)、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基のオリゴヌクレオチド、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号34に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブ、又は、
(ii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号6から配列番号8に示されたいずれかの配列に対して相同的な配列からなるオリゴヌクレオチド、第一のプライマーが配列番号11に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有し、かつ特定核酸配列中の当該プライマーとの相同領域の5’末端部位は配列番号6から配列番号8に示されたいずれかの配列の相補領域と重複する)、第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基のオリゴヌクレオチド、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブ、を例示することができる。なお、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの相補配列と、第一のプライマーの相同配列及び第二のプライマーの相補配列とは重複しないように設計する。
(i)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号12に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(ii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号2に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号13に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(iii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号3に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号14に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(iv)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号4に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号15に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(v)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号5に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号16に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(vi)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号6に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号17に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号30又は配列番号33に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(vii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号7に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号18に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号30から配列番号33に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、又は、
(viii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号8に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号19に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号30から配列番号33に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
本発明におけるGAPDH mRNA測定の中でも、ヒトのGAPDH mRNAを特異的に測定するためのより好適な切断用オリゴヌクレオチド、第一のプライマー、第二のプライマー及びインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの好適な組み合わせとしては、切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1又は配列番号2に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号12又は配列番号13に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
なお、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブは、前記RNA増幅反応を阻害しないため、その存在下で前記特定塩基配列の増幅を実施して、特定塩基配列の増幅の様子をモニタリングすることが可能である。なお、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ共存下で特定塩基配列の増幅を行なう場合には、そのプローブ部分が伸長反応のプライマーとして機能しないよう、3’末端の水酸基からの伸長を防止する目的で該3’末端グリコール酸やビオチンを付加するなどの適当な修飾をしておくことが好ましい。そして増幅反応中にこのインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが特定塩基配列と結合して発する蛍光信号を蛍光検出器によって測定し、そのプロファイルから得られる情報(例えば蛍光色素が発する蛍光の強度が一定の強度に達するまでに要した反応時間等)を既知量の標準RNAに関するプロファイルから得られる情報と比較することにより、特定塩基配列の存在の有無の確認、又は増幅された特定塩基配列の量(RNAコピー数)から試料中に存在した特定核酸配列の量(対象となったRNAコピー数)を推定することができる。
GAPDH RNA(以降、標準RNAと称する)は、(1)から(2)に示す方法で調製した。
(1)GenBankに登録されているGAPDHの塩基配列(GenBank Accession No.NM_002046、1310塩基)のうち、26から1310番目の塩基(1285塩基)の2本鎖DNAをクローニングした。
(2)(1)で調製した2本鎖DNAを鋳型として、インビトロ転写を実施した。引き続きDNase I処理によりその2本鎖DNAを完全消化した後、RNAを精製して調製した。当該RNAは、260nmにおける吸光度を測定して定量した。
インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを、非特許文献7を参照して作製した。配列番号35に記載の配列の5’末端から14番目のA、配列番号36に記載の配列の5’末端から15番目のA、配列番号37に記載の配列の5’末端から11番目のA、配列番号38に記載の配列の5’末端から11番目のCの位置にLabel−ON Reagents(Clontech社製)を用いてアミノ基を導入し、さらに3’末端をビオチンで修飾した。前記アミノ基にインターカレーター性蛍光色素であるオキサゾールイエローを標識し、オキサゾールイエロー標識オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号35から配列番号38)を調製した。
表1に示す本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち[1]から[65]に示す、切断用オリゴヌクレオチド、第一のプライマー、第二のプライマー、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ(以後、INAFプローブと称する)を用いて、(1)から(4)に示す方法で、標準RNAの測定を行なった。なお表1のうち、配列番号12から配列番号13は配列番号9の部分配列、配列番号14から配列番号16は配列番号10の部分配列、配列番号17から配列番号19は配列番号11の部分配列、配列番号24から配列番号25は配列番号20の部分配列、配列番号26から配列番号29は配列番号21の部分配列、配列番号30から配列番号31は配列番号22の部分配列、配列番号32から配列番号33は配列番号23の部分配列、配列番号35から36は配列番号34の部分配列である。
(2)以下の組成の反応液20.0μLを0.5mL容PCR用チューブ(Individual PCR tube with dome cap、SSI製)に分注し、これに前記RNA試料5μLを添加した。
60.0mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.6)
18.0mM 塩化マグネシウム
100mM 塩化カリウム
1.0mM DTT
各0.25mM dATP,dCTP,dGTP,dTTP
各3.0mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.6mM ITP
1.0μM 第一のプライマー(当該プライマーには、各配列番号記載の塩基配列の5’末端にT7プロモーター配列(配列番号39)が付加されている。)
1.0μM 第二のプライマー
0.16μM 切断用オリゴヌクレオチド(当該オリゴヌクレオチドの3’末端の
水酸基はアミノ化されている。)
20.0nM INAFプローブ
6.0U リボヌクレアーゼ インヒビター(タカラバイオ社製)
13.0% DMSO
容量調整用蒸留水
(3)上記の反応液を、43℃で5分間保温後、以下の組成で、予め43℃で2分間保温した酵素液5.0μLを添加した。
2.0% ソルビトール
6.4U AMV逆転写酵素(ライフサイエンス社製)
142U T7 RNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)
3.6μg 牛血清アルブミン(タカラバイオ社製)
容量調整用蒸留水
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、43℃で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長510nm)を経時的に20分間測定した。酵素添加時の時刻を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、その時の時間を検出時間とした。表2には、その検出時間ならびに反応時間20分後の反応液の蛍光強度比を示した。
この結果から、(i)第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ、又は、(ii)第一のプライマーが配列番号11に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ、のいずれかを用いてRNA増幅反応を行なうことにより、従来技術で最も汎用されるRT−PCR法によるGAPDH mRNAの検出方法(通常2時間以上)と比較してGAPDH RNAを迅速に検出することが示された。
本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、様々な濃度の標準RNAを測定し、検出時間と初期標準RNAとの関係を、オリゴヌクレオチドの組み合わせ、RNA試料を下記内容に変更した他は、実施例3と同様の方法で測定した。
オリゴヌクレオチドの組み合わせとしては、表1に示す組み合わせのうち、表2に示す実施例3の結果より検出時間が9分未満で且つ蛍光強度比が2.0以上であった組み合わせの中から、[2]、[18]、[28]、[31]、[39]、及び[47]を使用した。
RNA試料としては、実施例1で調製した標準RNAを、実施例3(1)で使用したRNA希釈液を用い、それぞれ2.5×104コピー/5μL、2.5×105コピー/5μL、2.5×106コピー/5μL及び2.5×107コピー/5μLに希釈したものを使用した。
酵素添加時の時刻を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした結果を表3に、表3の結果を基に検量線を作成した結果を図2に示す。また、2.5×105コピー/5μLのRNA試料を測定したときの反応開始後20分後における蛍光強度比も合わせて表3に記載した。
本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、ヒトの肺からの全RNA抽出物(Ambion社から購入)中のGAPDH mRNAの測定を、オリゴヌクレオチドの組み合わせ、RNA試料を下記内容に変更した他は、実施例3を同様の方法で測定した。
RNA試料としては、前記したRNA抽出試料を、実施例3(1)で使用のRNA希釈液を用い、500ng/5μL、50ng/5μL、5ng/5μLに希釈したものを使用した。
本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、ヒト以外の動物(ブタ、ウシ、ニワトリの肝臓からの全RNA抽出物、ZYAGEN社から購入)及び大腸菌からの全RNA抽出物(大腸菌HB101の培養液から、RNeasy Mini kit (QIAGEN社製)を用いて調製)中のGAPDH mRNAの測定を、オリゴヌクレオチドの組み合わせ、RNA試料を下記内容に変更し、測定時間を30分にした他は、実施例3を同様の方法で測定した。
オリゴヌクレオチドの組み合わせとしては、実施例5で検討した組み合わせのうち、[2]及び[28]を使用した。
すなわち、切断用オリゴヌクレオチドならびに第一のプライマーを5’UTR内にハイブリダイズするように選択することで、他の動物由来のGAPDH mRNAを検出することなく、ヒトのGAPDH mRNAのみを特異的に増幅検出することが可能であることが示された。
Claims (11)
- 試料中のGAPDH mRNAの測定方法において、GAPDH mRNA内の特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー及び特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーを用いた、下記の工程からなる測定方法であり、ここで第一又は第二のプライマーのいずれか一方はその5'末端にRNAポリメラーゼのプロモーター配列が付加されたプライマーであり、また(i)前記第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであるか、又は、(ii)前記第一のプライマーが配列番号11で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、測定方法。
(1)RNAを鋳型とする、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素によるRNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)1本鎖DNAを鋳型とする、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、特定塩基配列又は特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素による前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生成する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)前記RNA転写産物量を測定する工程、
かつ、前記第一及び第二のプライマーが、以下のいずれかであることを特徴とする、前記測定方法: - 前記第一及び第二のプライマーが、以下のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のGAPDH mRNAの測定方法:
(i)前記第一のプライマーが配列番号12から配列番号16で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号24から配列番号29で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、又は、
(ii)前記第一のプライマーが配列番号17から配列番号19で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号30から配列番号33で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである。 - 前記(6)の工程(RNA転写産物量を測定する工程)が、標的RNAと相補的な2本鎖を形成すると蛍光特性が変化するように設計された蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ共存下で前記蛍光特性の変化を測定することによってなされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の測定方法。
- 前記蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが、インターカレーター性蛍光色素をリンカーを介して結合させたインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブであることを特徴とする、請求項3に記載の測定方法。
- 前記インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中の、又は当該相補配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項4に記載の測定方法。
- 前記インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35から配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中の、又は当該相補配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項4に記載の測定方法。
- 前記(1)の工程(RNAを鋳型とする、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素によって特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程)の前に、GAPDH mRNA中の特定塩基配列を鋳型とし、(i)前記特定塩基配列中の、第一のプライマーとの相同領域の5’末端部位と重複した領域、及び当該部位から5’側に隣接する領域に対し相補的な配列を有する、切断用オリゴヌクレオチド、及び、(ii)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素、を用いて、前記特定塩基配列の5’末端部位で前記RNAを切断する工程を行なうことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のGAPDH mRNAの測定方法。
- 前記切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1から配列番号8で示されたいずれかの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項7に記載の測定方法。
- GAPDH mRNAを特異的に増幅し又は測定するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9から配列番号11、配列番号20から配列番号23、配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする、前記オリゴヌクレオチド。
- 請求項9に記載のオリゴヌクレオチドを少なくとも一つ含むことを特徴とする、GAPDH mRNAの測定試薬。
- ヒトのGAPDH mRNAを特異的に増幅又は検出するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9、配列番号20、配列番号21及び配列番号34に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする、GAPDH mRNAの測定試薬。
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