JP2012099706A - 窒化物半導体装置 - Google Patents

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聡之 田村
Yoshiharu Anda
義治 按田
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昌宏 石田
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Abstract

【課題】窒化物半導体装置において、高温且つ高電圧下のスイッチング時においても電流コラプスによるオン抵抗の増大が生じないようにする。
【解決手段】基板1上には、バッファ層2、GaNからなるチャネル層3及びアンドープAlGaNからなるバリア層4が順次形成されている。チャネル層3は、該チャネル層3の下部にp型不純物層3aを有し、その上にアンドープ層3bを有している。バリア層4及びチャネル層3の端部が除去されており、露出したバリア層4及びチャネル層3の側面と接するように、それぞれソース電極5及びドレイン電極6が設けられている。バリア層4上におけるソース電極5とドレイン電極6との間の領域にはゲート電極7が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体材料を用いた窒化物半導体装置に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表されるIII族窒化物半導体は、シリコン(Si)及びヒ化ガリウム(GaAs)を凌ぐ高い絶縁破壊電界並びに高い飽和速度を有している。このため、GaN系材料を用いた電界効果トランジスタ(Field Effect transistor:FET)又はダイオードは、次世代のハイパワーデバイスとして非常に期待されており、研究及び開発が盛んに行われている。
図9に、従来の一般的なGaN系FETの断面構造を示す。図9に示すように、基板101の上には、バッファ層102、GaN系半導体からなるチャネル層103及びバリア層104が順次形成されている。バリア層104の上には、ソース電極105及びドレイン電極106が互いに間隔をおいて形成され、ソース電極105及びドレイン電極106の間の領域には、ゲート電極107が形成されている。ここで、バリア層104には、チャネル層103よりも格子定数が小さい半導体が用いられる。これにより、チャネル層103におけるバリア層104との界面領域に2次元電子ガス(2DEG)層が形成される。この2次元電子ガス層は、FET動作時の電流経路となる。一般に、チャネル層はGaNから構成され、バリア層はAlGaNから構成される。
しかしながら、GaN系FET又はGaN系ダイオードには、電流コラプスと呼ばれるGaN系材料に特有の課題が存在する。電流コラプスとは、スイッチングのオフ状態からオン状態に切り替えた直後に過渡的にオン抵抗が増大し、ドレイン電流が減少するという現象である。この電流コラプスは、一般には、窒化物半導体層の表面に形成される電子トラップ準位が関係していると考えられている。
電流コラプスを抑制する方法として、以下に記す解決策が知られている。例えば、下記の特許文献1においては、図10に示すように、基板201の上に、GaN系半導体からなるチャネル層202及びバリア層203が順次形成されており、バリア層203の上には、GaN系半導体からなるGaN系保護層204が設けられている。GaN系保護層204の上面のうち、ソース電極205、ドレイン電極206及びゲート電極207が形成されている領域を除く領域は、窒化シリコン(SiN)からなる保護膜208により被覆されている。これにより、窒化物半導体層の表面の電子トラップ準位を低減することができるので、電流コラプスを抑制することができる。
また、特許文献2には、窒化物半導体層の上面をSiNにより被覆すると共に、ゲート電極からドレイン電極側にひさし状に張り出したフィールドプレート電極を形成する構成が記載されている。
特開2002−359256号公報 特開2004−200248号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された方法では、電流コラプスを抑制する効果は若干あるものの、高温且つ高電圧下のスイッチングを行う際には、その効果は全く不十分であり、電流コラプスによるオン抵抗の増大が顕著に現れる。このため、実際にデバイスを用いて機器を動作させる場合には、消費電力が非常に大きくなるという問題がある。
本発明は、前記の問題に鑑み、窒化物半導体装置において、高温且つ高電圧下のスイッチング時においても電流コラプスによるオン抵抗の増大が生じないようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、窒化物半導体装置を、チャネル層における少なくともバリア層と反対側の領域にp型不純物層を形成する構成とする。
本願発明者らは、窒化物半導体装置が高温且つ高電圧下のスイッチング時においても電流コラプスによるオン抵抗の増大が生じないようにすべく、種々検討を重ねた結果、高電圧スイッチング動作を行う際には、電流コラプスが窒化物半導体層の表面の電子トラップ準位だけでなく、チャネル層中の電子トラップ準位にも大きく影響されるという知見を得ている。
本発明は、上記の知見に基づいて成されたものであり、具体的には以下の構成を採る。
本発明に係る窒化物半導体装置は、基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層の上に形成され、第1の窒化物半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層とを備え、第1の窒化物半導体層は、該第1の窒化物半導体層の少なくとも一部にp型不純物層を有している。
本発明の窒化物半導体装置によると、チャネル層として機能する第1の窒化物半導体層は、該第1の窒化物半導体層の少なくとも一部にp型不純物層を有しているため、第1の窒化物半導体層中の電子トラップ準位に捕獲される電子の量(割合)が低減される。これにより、高電圧スイッチング時の電流コラプスを大きく低減することができる。
本発明の窒化物半導体装置において、p型不純物層は、第1の窒化物半導体層における第2の窒化物半導体層との界面から1μm以内の領域に形成されていることが好ましい。
この場合に、p型不純物層は、第1の窒化物半導体層における第2の窒化物半導体層との界面から0.2μm以上離れた領域に形成されていることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体装置において、第1の窒化物半導体層は、p型不純物層の上側部分に形成され、組成にインジウムを含む領域を有していてもよい。
この場合に、インジウムの組成は、6%以上であってもよい。
本発明の窒化物半導体装置は、インジウムを含む領域を有している場合に、第1の窒化物半導体層が、インジウムを含む領域の上で、且つ第2の窒化物半導体層との間の領域に形成されたアンドープ層を有していてもよい。
本発明の窒化物半導体装置は、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層のうち少なくとも第1の窒化物半導体層と接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、第2の窒化物半導体層の上におけるソース電極及びドレイン電極との間の領域に設けられたゲート電極とをさらに備え、電界効果トランジスタとして機能することが好ましい。
この場合に、本発明の窒化物半導体装置は、ゲート電極と第2の窒化物半導体層との間に形成されたp型の第3の窒化物半導体層をさらに備えていてもよい。
また、この場合に、本発明の窒化物半導体装置は、ゲート電極と第2の窒化物半導体層との間に形成された絶縁膜をさらに備えていてもよい。
本発明の窒化物半導体装置は、ゲート電極を備えている場合に、第2の窒化物半導体層には、ゲート電極の下側の領域に凹部が形成され、ゲート電極の下部は、凹部に形成されていてもよい。
また、本発明の窒化物半導体装置は、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層のうち少なくとも第1の窒化物半導体層と接するように設けられたカソード電極及びアノード電極とをさらに備え、ダイオードとして機能することが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体装置によると、窒化物半導体からなるチャネル層中の電子トラップ準位に捕獲される電子の量(割合)を大幅に低減することができる。このため、高温且つ高電圧下のスイッチング時にも電流コラプスによるオン抵抗の増大がほとんど生じず、その結果、消費電力が小さい機器を実現することができる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。 図2(a)〜図2(c)は比較用であって、従来例に係る窒化物半導体装置(FET)におけるバンド構造を示す図である。 図3(a)〜図3(c)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置(FET)におけるバンド構造を示す図である。 図4は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。 図5は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。 図6は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。 図7は本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。 図8は本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体装置(ダイオード)を示す模式的な断面図である。 図9は従来例に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。 図10は他の従来例に係る窒化物半導体装置(FET)を示す模式的な断面図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置であるFETについて図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係るFETは、例えば、シリコン(Si)からなる基板1の上に順次形成された、窒化アルミニウム(AlN)又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるバッファ層2、GaNからなるチャネル層3、及びアンドープAlGaNからなり、チャネル層3よりもバンドギャップが大きいバリア層4を有している。
チャネル層3は、基板1側に形成され、マグネシウム(Mg)等のp型不純物が導入されてなるp型不純物層3aと、該p型不純物層3aの上に形成されたアンドープ層3bとから構成される。なお、本願明細書において、アンドープとは、不純物が半導体層に意図的に導入されていないことを意味する。また、本実施形態においては、窒化物半導体層の成長用の基板1として、シリコン(Si)を用いているが、Siには限られず、例えば、サファイア(単結晶Al)又は炭化シリコン(SiC)等を用いてもよい。また、p型不純物にはMgを用いているが、窒化物半導体中においてp型の導電性を示す不純物であれば、Mgに限られない。
バリア層4の両端部及びチャネル層3の両端部の一部が除去されており、露出したバリア層4及びチャネル層3の各側面と接するように、それぞれソース電極5及びドレイン電極6が形成されている。ソース電極5及びドレイン電極6の構成材料には、オーミック接合を得られる、例えばチタン(Ti)及びアルミニウム(Al)からなる多層膜を用いることができる。なお、ソース電極5及びドレイン電極6は、バリア層4の上に形成してもよいが、本実施形態のように、ソース電極5及びドレイン電極6を少なくともチャネル層3におけるアンドープ層3bの側面の一部と接触するように形成すると、ソース電極5及びドレイン電極6がチャネル層3に生成される2次元電子層と直接に接することから、両電極5、6の接触抵抗を小さくすることができる。
バリア層4の上におけるソース電極5とドレイン電極6との間の領域には、ゲート電極7が形成されている。ゲート電極7の構成材料には、バリア層4とショットキー接合する材料が選択され、例えばパラジウム(Pd)及びニッケル(Ni)を含む多層膜を用いることができる。また、バリア層4の上におけるゲート電極7を除く領域には、シリコン窒化(SiN)膜8が形成されている。
以下、前記のように構成された、本実施形態に係るFETが、高電圧スイッチング時の電流コラプスによるオン抵抗の増大を抑制できる理由を詳細に説明する。
まず、図2(a)〜図2(c)に比較用として、図9に示した従来例に係るFETの破線Aにおける電子のバンド構造を示す。従来例のチャネル層103には、p型不純物層が形成されていない。さらに、従来例のチャネル層103中には、導電帯に比較的に近い準位に電子トラップ準位が存在する。
図2(a)は、スイッチングのオン状態のバンド構造を示している。この場合は、電子が電子トラップ準位にほとんど捕獲されていない。なお、チャネル層103及びバリア層104の界面には2次元電子ガス層が形成されており、該2次元電子ガス層が電流経路となる。
図2(b)は、スイッチングのオフ状態のバンド構造を示している。オフ状態の場合には、ゲート電極107とドレイン電極106との間に高電圧が印加されるため、窒化物半導体層中におけるゲート電極107とドレイン電極106との間の領域に高電界領域が生じる。この生じた高電界により電子が加速されて、チャネル層103中の電子トラップ準位に捕獲される。チャネル層103中の電子トラップ準位に電子が捕獲されたことにより、導電帯Ecがオン状態と比べて高エネルギー側に持ち上がり、2次元電子ガス層が狭窄されて、電子が流れにくい状態となる。
図2(c)は、スイッチングのオフ状態からオン状態に切り替えた直後のバンド構造を示している。オン状態に切り替えることにより、電子トラップ準位に捕獲された電子は徐々に放出され始める。但し、捕獲された電子が完全に放出されるまでの一定時間中は、2次元電子ガス層が狭窄された状態が続くため、結果的にオン抵抗が高くなる。
以上説明した原理により、従来例に係る高電圧スイッチング時のオン直後には過渡的にオン抵抗が高くなる。
次に、図3(a)〜図3(c)に、図1に示した、第1の実施形態に係るFETの破線Aにおける電子のバンド構造を示す。
図3(a)に、スイッチングのオン状態のバンド構造を示す。従来の図2(a)と比較すると、チャネル層3のうちp型不純物層3aには、p型不純物がドーピングされているため、図3(a)に示すように、エネルギーが上昇して、アンドープ層3bとp型不純物層3aとの間に、電子に対する電位障壁が形成されている点が異なる。
図3(b)に、スイッチングのオフ状態のバンド構造を示す。従来構造と同様に、スイッチングのオフ時に生じる窒化物半導体層中の高電界により電子が加速されて、チャネル層3のうちアンドープ層3bにおいて電子トラップ準位への電子の捕獲が生じる。しかしながら、アンドープ層3bとp型不純物層3aとの間には電位障壁が形成されるため、電子がその電位障壁を越えてp型不純物層3a中の電子トラップ準位に捕獲される量(割合)は極めて少なくなる。このため、従来構造と比較して電子が捕獲される量(割合)は大幅に低減されるので、2次元電子ガス層の狭窄も従来構造よりも大幅に抑制される。
図3(c)に、スイッチングのオフ状態からオン状態に切り替えた直後のバンド構造を示す。本実施形態に係るFETにおいては、オフ状態での2次元電子ガス層の狭窄がほとんどなく、このため、スイッチングのオン直後の過渡的なオン抵抗の増大も極めて小さくなる。
以上説明した原理により、第1の実施形態に係るFETは、チャネル層3の一部、すなわちチャネル層3の下部にp型不純物層3aを設けることにより、電流コラプスによるオン抵抗の増大を抑制することができる。
なお、チャネル層3に形成されるアンドープ層3bの厚さは、1.0μm以下が望ましい。すなわち、チャネル層3のバリア層4との界面からp型不純物層3aまでの厚さは1.0μm以下が望ましい。なぜなら、チャネル層3のバリア層4との界面からp型不純物層3aまでの厚さが大きいと、電流コラプスを低減するという効果は得られず、1.0μm以下とすることにより、電流コラプスを低減する効果が得られるからである。
さらに望ましくは、チャネル層3のバリア層4との界面からp型不純物層3aまでの厚さは0.2μm以上で、できる限り小さい値とする。結晶成長中のp型不純物層3aに、p型不純物であるMgをドーピングした場合に、意図的なドーピングを停止してから、約0.2μmはメモリ効果によって結晶中にMgが多く混入することを確認している。2次元電子ガス層を形成するチャネル層3とバリア層4との界面にMgが取り込まれると、キャリア密度が減少して、オン抵抗が高くなるという問題が生じる。そこで、チャネル層3のバリア層4との界面からp型不純物層3aまでの厚さは0.2μm以上であることが望ましい。但し、電流コラプスの観点からは、チャネル層3のバリア層4との界面からp型不純物層3aまでの厚さができる限り小さい方が望ましく、その結果、高電圧下のスイッチング時の電流コラプスによるオン抵抗の増大を抑制することができる。
以下に、第1の実施形態の種々の変形例を示す。なお、各変形例において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
(第1の実施形態の第1変形例)
図1に示す第1の実施形態においては、ゲート電極7をバリア層4の上に直接に形成する構成としている。
これに対し、図4に示すように、第1変形例においては、バリア層4とゲート電極7との間に、p型AlGaNからなるp型半導体層9を形成してもよい。
なお、p型半導体層9の厚さは、ドープされるp型不純物の濃度にもよるが、例えば 0.1μm程度が好ましい。
(第1の実施形態の第2変形例)
また、図5の第2変形例に示すように、バリア層4とゲート電極7との間に絶縁膜10を形成して、本発明に係るFETをMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造としてもよい。
なお、絶縁膜10は、窒化シリコン(SiN)又はアルミナ(Al)等が好ましく、その膜厚は、例えば50nm程度が好ましい。
このとき、絶縁膜10にSiNを用いる場合には、バリア層4の露出面上に形成されているSiN膜8をパターニングせずに、そのまま絶縁膜10として用いてもよい。
(第1の実施形態の第3変形例)
また、図6の第3変形例に示すように、バリア層4におけるゲート電極形成領域に凹部4aを設け、設けた凹部4aにゲート電極7の下部が埋まるような構成としてもよい。
以上の第1変形例から第3変形例により、FETに印加する駆動電圧を大きくすることができ、その結果、ノイズによる機器の誤動作を防止することができる。
(第1の実施形態の第4変形例)
図7は本発明の第1の実施形態の第4変形例を示している。
第4変形例に係る、バッファ層2とバリア層4との間に形成されるチャネル層11は、基板1側から順に、p型不純物がドープされたp型GaNからなるp型不純物層11a、厚さが10nmのアンドープのInGaN層11b、及び厚さが20nmのアンドープのGaN層11cを含む少なくとも3層から構成されている。
上述したように、p型不純物であるMgは、意図的なドーピングを停止した後も、メモリ効果によって結晶中に取り込まれやすい。本願発明者らは、チャネル層11にInGaN層11bを導入することにより、メモリ効果による結晶中へのMgの混入を抑制できることを見出している。
具体的には、p型不純物層11aに意図的なMgドーピングを行い、その後、InGaN層11bを形成する。これにより、MgはInGaN層11b中に取り込まれるが、そこではメモリ効果が抑制されるため、該InGaN層11bの上に形成されるGaN層11cには、Mgがほとんど取り込まれなくなる。
なお、チャネル層11には、その最上層にアンドープのGaN層11cを設けなくても、Mgの2次元電子ガス層への混入は抑制可能である。但し、InGaN層は、一般にAlGaN層及びGaN層と比べて低温下で成長させる。このため、アンドープのGaN層11cを設けなければ、InGaN層11bを成長した後に、成長条件を変更するために結晶成長を一時的に中断し、その後、バリア層4を成長しなければならなくなる。従って、InGaN層11bとバリア層4との間に良好な接合界面が得られにくくなって、オン抵抗が増大してしまうおそれがある。そこで、InGaN層11bとAlGaNからなるバリア層4との間に、バリア層4と同様に高温下で成長するGaN層11cを導入する方がより望ましい。
ここで、p型不純物であるMgのメモリ効果による2次元電子ガス層への混入を確実に抑制するには、InGaN層11bのIn濃度を6%以上且つ10%以下程度とすることが望ましい。
このようにすると、チャネル層11のバリア層4との界面からp型不純物層11aまでの厚さを十分に小さくできるため、電流コラプスによるオン抵抗の増大を劇的に抑制することができる。また、2次元電子ガス層へのMgの混入によるオン抵抗の増大もなくなるので、結果として極めて良好なデバイス特性を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体装置であるダイオードについて図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、第2の実施形態に係るダイオードは、ショットキーバリアダイオードであり、例えば、Siからなる基板21の上に順次形成された、AlN又はAlGaNからなるバッファ層22、GaNからなるチャネル層23、及びアンドープAlGaNからなり、チャネル層23よりもバンドギャップが大きいバリア層24を有している。
チャネル層23は、第1の実施形態と同様に、基板21側に形成され、Mg等のp型不純物が導入されてなるp型不純物層23aと、該p型不純物層23aの上に形成されたアンドープ層23bとから構成される。
バリア層24の両端部及びチャネル層23の両端部の一部が除去されており、露出したバリア層24及びチャネル層23の各側面と接するように、それぞれアノード電極25及びカソード電極26が形成されている。
ショットキー電極であるアノード電極25の構成材料には、バリア層24及びチャネル層3とショットキー接合する、例えばPd及びNiを含む多層膜を用いることができる。
カソード電極26の構成材料には、オーミック接合が得られる、例えばTi及びAlからなる多層膜を用いることができる。
また、バリア層24の露出部分にはSiN膜27が形成されている。
第2の実施形態に係るダイオードにおいても、第1の実施形態と同様に、チャネル層23とバリア層24の界面に形成される2次元電子ガス層が電流経路となる。
このような構成により、第1の実施形態と同様の原理によって、電流コラプスによるオン抵抗の増大を抑制することができる。
また、第2の実施形態に係るチャネル層23を、第1の実施形態の第4変形例に係るチャネル層11と同様の積層構造とすることにより、電流コラプスをさらに抑制することが可能となる。
本発明に係る窒化物半導体装置は、高温且つ高電圧下のスイッチング時にも電流コラプスによるオン抵抗の増大がほとんど生じず、その結果、損失が小さい機器を実現することができ、高温且つ高電圧下でスイッチング動作を行う窒化物半導体からなるFET又はダイオード等に有用である。
1 基板
2 バッファ層
3 チャネル層(第1の窒化物半導体層)
3a p型不純物層
3b アンドープ層
4 バリア層(第2の窒化物半導体層)
4a 凹部
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 ゲート電極
8 シリコン窒化(SiN)膜
9 p型半導体層(第3の窒化物半導体層)
10 絶縁膜
11 チャネル層
11a p型不純物層
11b InGaN層
11c GaN層
21 基板
22 バッファ層
23 チャネル層
23a p型不純物層
23b アンドープ層
24 バリア層
25 ショットキー電極
26 オーミック電極
27 SiN膜

Claims (11)

  1. 基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層の上に形成され、前記第1の窒化物半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層とを備え、
    前記第1の窒化物半導体層は、該第1の窒化物半導体層の少なくとも一部にp型不純物層を有していることを特徴とする窒化物半導体装置。
  2. 前記p型不純物層は、前記第1の窒化物半導体層における前記第2の窒化物半導体層との界面から1μm以内の領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記p型不純物層は、前記第1の窒化物半導体層における前記第2の窒化物半導体層との界面から0.2μm以上離れた領域に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記第1の窒化物半導体層は、前記p型不純物層の上側部分に形成され、組成にインジウムを含む領域を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記インジウムの組成は、6%以上であることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体装置。
  6. 前記第1の窒化物半導体層は、前記インジウムを含む領域の上で、且つ前記第2の窒化物半導体層との間の領域に形成されたアンドープ層を有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の窒化物半導体装置。
  7. 前記第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層のうち少なくとも前記第1の窒化物半導体層と接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、
    前記第2の窒化物半導体層の上における前記ソース電極及びドレイン電極との間の領域に設けられたゲート電極とをさらに備え、
    電界効果トランジスタとして機能することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
  8. 前記ゲート電極と前記第2の窒化物半導体層との間に形成されたp型の第3の窒化物半導体層をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体装置。
  9. 前記ゲート電極と前記第2の窒化物半導体層との間に形成された絶縁膜をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体装置。
  10. 前記第2の窒化物半導体層には、前記ゲート電極の下側の領域に凹部が形成され、
    前記ゲート電極の下部は、前記凹部に形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
  11. 前記第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層のうち少なくとも前記第1の窒化物半導体層と接するように設けられたカソード電極及びアノード電極とをさらに備え、
    ダイオードとして機能することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
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