JP2012099499A - 燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の劣化を防止することができる燃料電池システムの運転方法を提案することを目的とする。
【解決手段】燃料電池システムを起動する(S11)ときは、燃料電池へ一酸化炭素を多く含む燃料を供給する一酸化炭素供給ステップと燃料電池の通常の発電温度より低い第1の温度から燃料電池の発電を開始する発電開始ステップと(S15)を含む。また、燃料電池システムを停止するときは、一酸化炭素供給ステップと、燃料電池の通常の発電温度より低い第2の温度まで燃料電池を冷却する電池冷却ステップと、電池冷却ステップの後段に設定され、燃料電池の発電を停止する発電停止ステップと、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムの運転方法に関し、具体的には、起動と停止のサイクルによる燃料電池の劣化を防止するための燃料電池システムの運転方法に関する。
ITやバイオなどの新技術が世界規模で展開される時代となったが、そうした状況にあっても、エネルギ産業は最大級の基幹産業であることに変わりはない。最近では、地球温暖化防止をはじめとする環境意識の浸透に伴い、いわゆる新エネルギに対する期待が高まっている。新エネルギは、環境性に加え、電力需要家に近接して分散型で生産できるため、送電損失面と電力供給のセキュリティ面でもメリットがある。また、新エネルギの開発が新たな周辺産業を創出する副次的効果も期待できる。新エネルギに対する取り組みは、約30年前の石油危機を契機として本格化し、現在では、太陽光発電などの再生可能エネルギ、廃棄物発電などのリサイクルエネルギ、燃料電池などの高効率エネルギ、およびクリーンエネルギカーを代表とする新分野エネルギなどのエネルギが、それぞれ実用化に向けた開発の段階にある。
そうした中でも、燃料電池は業界でもっとも注目されるエネルギのひとつである。燃料電池は、天然ガスやメタノールなどと水蒸気を反応させて作った水素と、大気中の酸素を化学反応させて電気と熱を同時に生成するもので、発電による副産物が水だけであり、低出力域でも高効率で、しかも発電が天候に影響されず安定的である。殊に固体高分子形燃料電池は、住居用をはじめとする定置型、車載用あるいは携帯用などの用途において次世代のひとつの標準電源と目されている。
特開2002−093448号公報 特開2005−071778号公報
特許文献1のような停止方法では、燃料電池システムを停止するときに、酸素含有ガスの供給を停止した状態でセルを発電させ、カソード側の酸素を消費する酸素消費処理を行うことにより、燃料電池の耐久性の向上を図っていた。しかし、このような方法では燃料電池を停止保管している間に、アノードから電解質層を水素が拡散したり、また電解質層を拡散してきたプロトンが、冷却水などを介して短絡することで流れる電流(リーク電流)によって還元され、カソードにおいて水素が発生するため、発生した水素と残留した酸素とが反応し、式(1)に示すように過酸化水素が発生したり、式(2)に示すような燃焼反応が発生したりしてしまう虞がある。過酸化水素は電解質を分解する作用があり、また燃焼反応は触媒や電解質を劣化させ、燃料電池の劣化を引き起こす。
Figure 2012099499
Figure 2012099499
また、特許文献1および2のような停止保管方法では、燃料電池システムの停止中に、カソード側に不活性ガスをパージするので、不活性ガスを燃料電池に供給する手段が必要となり、システムが大型化してしまう問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、新たな手段(装置)を追加することなく、燃料電池システムの運転方法を改良することにより、起動と停止のサイクルによる燃料電池の劣化を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある態様は、原燃料から水素を含む燃料へ改質する改質装置と、前記燃料により発電する燃料電池と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、前記燃料電池システムを停止するときに、定常運転時に制御される所定範囲の濃度よりも一酸化炭素を多く含む前記燃料を前記燃料電池へ供給する一酸化炭素供給ステップを含むことを特徴とする。ここで、原燃料とは水素原子を含む炭化水素系の燃料などを指し、具体的には、一般家庭に敷設されているLPGや都市ガス、あるいは、メタノールなどのアルコール類が挙げられる。
上記態様によれば、燃料電池システムを停止するときに、一酸化炭素濃度の高い燃料を燃料電池のアノードに供給するので、アノードの触媒に一酸化炭素が吸着し、燃料電池システムを停止している間に、アノードに酸素が流入しても、酸素は触媒に吸着した一酸化炭素を酸化するのに消費される。したがって、アノードの電位上昇が抑制され、触媒劣化、特にルテニウムの酸化を防止することができる。また、アノード触媒の特に白金に一酸化炭素が吸着して、アノードからのプロトンの生成が阻害され、リーク電流によるカソードでの水素生成、延いては、カソードに酸素が流入したときの水素と酸素との直接反応や過酸化水素生成反応を抑制することができる。これにより、燃料電池の劣化を防止することができる。
また、本発明の別の態様は、原燃料から水素を含む燃料へ改質する改質装置と、前記燃料により発電する燃料電池と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、燃料電池システムを停止するときに、定常運転時に制御される所定範囲の濃度よりも一酸化炭素を多く含む前記燃料を前記燃料電池へ供給する一酸化炭素供給ステップと、前記燃料電池の通常の発電温度より低い第2の温度まで前記燃料電池を冷却する電池冷却ステップと、前記電池冷却ステップの後段に設定され、前記燃料電池の発電を停止する発電停止ステップと、を含むことを特徴とする。ここで、燃料電池とは例えば固体高分子形燃料電池であり、固体高分子形燃料電池の通常の発電温度とは70〜80℃であり、通常の発電温度より低い第2の温度は、少なくとも10℃は低い60℃以下、望ましくは45℃以下を指す。
この態様によっても、燃料電池システムを停止するときに、一酸化炭素濃度の高い燃料を燃料電池のアノードに供給するので、燃料電池システムを停止している間のアノードの電位上昇が抑制され、触媒劣化、特にルテニウムの酸化を防止することができる。また、アノード触媒に一酸化炭素が吸着して、アノードからのプロトンの生成が阻害され、リーク電流によるカソードでの水素生成、延いては、カソードに酸素が流入したときの水素と酸素との直接反応や過酸化水素生成反応を抑制することができる。これにより、燃料電池の劣化を防止することができる。また、燃料電池システムを停止するときに、燃料電池を冷却してから、燃料電池の発電を停止するので、発電を停止した後に電解質、特に燃料電池が固体高分子形燃料電池である場合には固体高分子膜中を水素、酸素が拡散してクロスオーバーすることを抑制できる。これにより、燃料電池の劣化を防止することができる。
上記いずれかの態様において、燃料電池の発電開始時に、燃料電池のアノードの触媒に吸着した一酸化炭素によりアノードの電位を上昇させ、吸着した一酸化炭素を酸化除去してもよい。この態様によれば、アノードの触媒に吸着した一酸化炭素を除去する操作を必要とせず、しかも、過電圧の増加と一酸化炭素の酸化反応により発熱するため、電池昇温速度上昇に寄与することができる。
また、上記いずれかの態様において、燃料電池の発電開始時に、燃料電池に供給する改質ガスに空気を添加してアノードの触媒に吸着した一酸化炭素を酸化除去してもよい。この態様によれば、燃料電池の電圧の安定性を向上させることができる。
また、上記いずれかの態様において、燃料電池の通常の発電温度より低い第1の温度から燃料電池の発電を開始する発電開始ステップを含んでもよい。燃料電池の通常の発電温度とは、例えば、燃料電池が固体高分子形燃料電池であれば70〜80℃であり、通常の発電温度より低い第1の温度は、少なくとも10℃は低い60℃以下、望ましくは45℃以下が適切であると考えられる。
この態様によれば、燃料電池の温度が低いので、燃料が供給されたときの一酸化炭素の触媒被覆率が高くなり触媒活性が低下するため、リーク電流によるカソードでの水素生成が抑制される。また、燃料電池の温度が低いと、水素、酸素の電解質中での拡散速度が低いため、クロスオーバーが抑制される。また、燃料電池温度が低いため過酸化水素生成や燃焼反応の反応速度も低くなる。これにより、請求項1に発明による効果をさらに高めることができる。
本発明によれば、燃料電池の劣化を防止することができる。
燃料電池システムの構成を模式的に示すシステム構成図である。 本発明の実施例1に係る燃料電池システムの運転方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る燃料電池システムの運転方法を示すフローチャートである。
以下、図を用いて本発明の燃料電池システムの運転方法を説明する。まず、図1は、燃料電池システム100の構成を模式的に示すシステム構成図である。
燃料電池システム100は、LPGや都市ガスなどの原燃料(炭化水素系燃料)を改質し、水素(燃料)を約80%含有する改質ガスを生成する改質装置10と、改質装置10から供給される改質ガスと空気中の酸素(酸化剤)とにより発電を行う燃料電池30と、改質装置10や燃料電池30などから発生する熱を、お湯(40℃以上の水)というかたちで熱回収して貯湯する貯湯装置50と、を備えており、発電機能と給湯機能との両方を有するコジェネレーションシステムである。
家庭に敷設されているLPGや都市ガスなどの原燃料は、通常、ガス漏れに対する安全対策として硫化物によって付臭されているが、この硫化物は改質装置10内の触媒を劣化させてしまうので、改質装置10では、はじめに脱硫器12によって原燃料中の硫化物を除去する。脱硫器12によって脱硫された原燃料は、次に水蒸気と混合され、改質器14によって水蒸気改質され、変成器16に導入される。そして、変成器16によって、水素約80%、二酸化炭素約20%、一酸化炭素1%以下の改質ガスが生成されるが、一酸化炭素の影響を受けやすい低温(100℃以下)で運転される燃料電池30へ改質ガスを供給する本燃料電池システム100では、さらに改質ガスと酸素とを混合して、CO除去器18によって一酸化炭素を選択的に酸化する。CO除去器18により、改質ガス中の一酸化炭素濃度を10ppm以下にすることができる。
改質装置10とは、少なくとも改質器14と変成器16とを含み、本燃料電池システム100のように、家庭に敷設されているガスを原燃料とする場合には脱硫器12を、燃料
電池30として固体高分子形燃料電池のような低温タイプの燃料電池30を用いる場合にはCO除去器18を、さらに含むものとする。
水蒸気改質は吸熱反応であるため、改質器14にはバーナ20が設けられる。改質装置10の起動時には、このバーナ20にも原燃料が供給され、改質器14を昇温する。詳細は後述するが、燃料電池システム100が安定的に運転できるようになると、バーナ20への原燃料の供給はストップし、燃料電池30から排出される未反応の燃料をバーナ20に供給することで、改質器14へ熱を供給する。バーナ20により改質器14へ熱を供給した後の排気は、まだ大きな熱量をもっているため、この排気は熱交換器HEX01、HEX02にて貯湯タンク52内の水と熱交換される。そして、この水は燃料電池30のカソード32からの排ガスと熱交換(HEX03)し、さらにアノード34からの排ガスとも熱交換(HEX04)して貯湯タンク52に戻る。この熱交換器HEX01、HEX02、HEX03、HEX04を通る水配管54には、熱交換器HEX04を通った後の水(お湯)の温度によって、カソード側加湿タンク38の昇温または冷却に利用できるように、分岐配管56が設けられている。燃料電池システム100の起動時など、カソード側加湿タンク38の温度が低いときには、水は熱交換器HEX04を通った後、分岐配管56を通って熱交換器HEX05にてカソード側加湿タンク38に熱を供給してから貯湯タンク52に戻る。
このカソード側加湿タンク38は、冷却水タンクとしても機能しており、カソード側加湿タンク38内の水は、燃料電池30を冷却してカソード側加湿タンク38に戻る。上記のように、燃料電池システム100の起動時など、燃料電池30の温度が低いときには、熱交換器HEX05によって温められた冷却水を燃料電池30へ供給することにより、燃料電池30を温めることもできる。また、冷却水が通る冷却水通路40は、アノード側加湿タンク42に設けられる熱交換器HEX06に接続され、冷却水はカソード側加湿タンク38とアノード側加湿タンク42の温度をほぼ同一にする役割も果たしている。
改質装置10からの改質ガスは、このアノード側加湿タンク42にて、加湿(本燃料電池システム100の場合はバブリング)されてアノード34へ供給される。アノード34にて発電に寄与しなかった未反応の燃料は、燃料電池30から排出されてバーナ20へ供給される。この燃料電池30は通常70〜80℃の範囲で発電するように運転しており、燃料電池30から排出された排ガスは80℃程度の熱を持っているため、上記のように熱交換器HEX04にて熱交換した後、さらに熱交換器HEX07にて、カソード側加湿タンク38およびアノード側加湿タンク42へ供給される水を昇温した後に、バーナ20へ供給される。
カソード側加湿タンク38およびアノード側加湿タンク42へ供給される水は、導電率が低く、有機物の混入が少ない清浄な水が望ましいので、上水からの水を水処理装置90にて、逆浸透膜とイオン交換樹脂による水処理を施してから供給される。また、この水処理を施した水は、改質器14の水蒸気改質にも用いられる。上水は貯湯タンク52にも供給されるが、このとき上水は貯湯タンク52の下部から供給される。また、水配管54も貯湯タンク52の下部から温度の低い水を引出し、各熱交換器と熱交換した水を上部へ戻す。
HEX10は全熱交換器である。カソード32にて発電に寄与しなかった未反応の酸素を含む排ガスは80℃程度の熱と反応によって生成された生成水を含んでいるため、全熱交換器HEX10にてカソード32へ供給される空気へ熱と水分を供給する。カソード32へ供給される空気は、さらにカソード側加湿タンク38にて加湿(本燃料電池システム100の場合はバブリング)されてからカソード32へ供給され、一方、全熱交換器HEX10にて熱と水分とを供給した排ガスは、さらに熱交換器HEX03にて水と熱交換し
てから、燃料電池システム100の外部へ排出される。
このような燃料電池システム100を起動するとき、従来は、改質装置10を昇温すると共に燃料電池30を昇温し、CO除去器18から出る改質ガスの一酸化炭素濃度が10ppm以下、燃料電池30の温度が70℃以上の条件が揃った後に、燃料電池30への改質ガス供給を開始し、次いで空気の供給を開始していた。また、停止するときは、燃料電池システム100が停止信号を受けるとすぐに燃料電池30による発電を停止し、次いで、空気、改質ガスの順に供給を停止していた。
従来の起動方法では、燃料電池30が70℃に昇温され、電解質中のガス拡散速度は高く、触媒に一酸化炭素が吸着した場合の被覆率は低く、触媒の活性は高い状態で、まず改質ガスがアノード34へ供給されると、水素がアノードからカソードに拡散するとともに、アノードで水素がプロトンとなってカソード32へ移動する。そこへ冷却水などを通してリーク電流が流れると、カソード32にて水素が生成する。次いで空気がカソード32へ供給されると、カソード32において直接燃焼や過酸化水素の生成が起こるため、カソード32や固体高分子膜33が劣化してしまう問題があった。また、従来の停止方法では、起動するときと同様に、カソード32において直接燃焼や過酸化水素の生成が起きたり、停止している間に、アノード34に外部あるいはカソード32から空気、特に酸素が侵入し、アノード34においても直接燃焼や過酸化水素の生成が起きたりする問題があった。そこで、燃料電池システム100を起動するとき、あるいは、停止している間に、燃料電池30が劣化しないようにする運転方法について、以下に実施例として説明する。
図2は、本燃料電池システム100の運転方法(起動方法)を示すフローチャートである。図2に示すように、燃料電池システム100に運転開始信号が入力される(S11)と、改質装置10および燃料電池30の昇温が始まる(S12R、S12F)。改質装置10の昇温が完了する(S13R)と、改質装置10は改質を開始する(S14R)が、従来であれば、改質装置10から出てくる改質ガス中に含まれる一酸化炭素濃度が、10ppm以下で安定するまで燃料電池30には供給しなかった。しかし、本発明では、改質装置10の昇温が完了(S13R)後、改質を開始し(S14R)、改質ガス中の一酸化炭素濃度が高い状態(例えば100ppm)で燃料電池30への改質ガスの供給を開始する(S15)。
一方、従来であれば、燃料電池30への改質ガスの供給が開始するときには、燃料電池の温度は70℃以上になるように昇温していたが、本発明では、燃料電池30への改質ガスの供給が開始する(S15)ときに、燃料電池30の温度が40±10℃程度に昇温(S13F)されていれば良く、これに合わせて、燃料電池30の昇温を開始する(S12F)タイミングも改質装置10の昇温を開始する(S12R)のと同時にする必要はない。
燃料電池30への改質ガスの供給を開始した(S15)後、燃料電池30への空気の供給を開始し(S16)、開回路電圧を確認して(S17)から燃料電池30による発電を開始する(S18)。即ち、燃料電池30は30〜50℃程度から発電を開始することになる。
以上のようなフローによって燃料電池システム100を起動することで、次のような作用が期待される。(1)改質ガスの供給開始を通常発電している温度より低い温度で行うので、水素、酸素の電解質(固体高分子膜33あるいはカソード32およびアノード34に含まれる電解質)への拡散速度が低いため、クロスオーバーが抑制される。(2)燃料電池30の発電を開始する前に、一酸化炭素濃度が通常の組成より高い改質ガスをアノード34に供給しているので、アノード34の触媒(特に白金)に一酸化炭素が吸着してアノード34でのプロトンの生成が阻害される。したがって、リーク電流によるカソード32での水素生成、延いては、カソード32に空気を供給したときの水素と酸素との直接反応や過酸化水素生成反応を抑制することができる。(3)燃料電池30の発電を開始すると、アノード34の電位が上昇して一酸化炭素は酸化されるため、吸着した一酸化炭素を除去する操作は必要なく、しかも、過電圧の増加と一酸化炭素の酸化反応により発熱するので、電池昇温速度上昇に寄与する。(4)一酸化炭素の影響で電圧が不安定になる場合があるが、その場合は燃料電池30の発電を開始するときに、少量の空気を改質ガスに添加して、アノード34の触媒表面に吸着した一酸化炭素を酸化させれば、安定性を向上させることができる。(5)改質ガス中に含まれる一酸化炭素濃度を高めるには、CO除去器18への空気供給量を減少させる、CO除去器18の温度を下げる、変成器16の温度を上げる、改質器14の温度を下げる、または、改質器14へ供給する原燃料量と水蒸気量の比(S/C)を下げる、うちの少なくとも一つを選択することにより可能であり、あるいは、改質装置10の昇温が完了した後、安定状態になる前は一酸化炭素濃度が高いので、これを利用してもよい。また、このような一酸化炭素濃度を高める手段は、改質装置10の熱バランスがくずれるのを防止するために、周期的に変動させてもよい。(6)燃料電池システム100を起動するときに、改質装置10が完全に(安定して)立ち上がっておらず、一酸化炭素濃度が高い状態から燃料電池30の発電を開始することができるため、本発明の起動方法によれば、燃料電池発電システム100の起動にかかる時間を短縮できる。なお、起動初期の燃料電池温度が40℃未満の場合、燃料電池出力は低下するが起動には支障がないため、必ずしも燃料電池を昇温する必要はない。
図3は、本燃料電池システム100の運転方法(停止方法)を示すフローチャートである。図3に示すように、燃料電池システム100に運転停止信号が入力される(S21)と、燃料電池30の温度を40℃程度まで冷却する(S22)。燃料電池30を冷却することで、電解質中のガス拡散速度は低く、触媒に一酸化炭素が吸着した場合の被覆率は高く、触媒の活性は低い状態となる。同じ量の改質ガスおよび空気を供給しても、燃料電池30の発電量は低下するが、燃料電池30が充分冷却されてから発電を停止する(S23)。そして、燃料電池30の発電を停止した後に、空気(S24)、改質ガスの順に燃料電池30への供給を停止する(S25)。このとき、燃料電池システム100に運転停止信号が入力された後は、一酸化炭素濃度の高い(例えば100ppm以上)改質ガスを燃料電池30へ供給するようにする。なお、カソードの残留酸素量を低減するため、空気供給を停止してから発電を停止し、その後燃料供給を停止してもよい。
以上のようなフローによって燃料電池システム100を停止することで、次のような作用が期待される。(1)改質ガスの供給停止を通常発電している温度より低い温度で行うので、水素、酸素の電解質中での拡散速度が低いため、クロスオーバーが抑制される。(2)燃料電池30の発電を停止する前に、改質ガス中の一酸化炭素濃度を高め、触媒に一酸化炭素を吸着させるので、燃料電池システム100を停止している間に、アノード34に空気が流入しても、空気中の酸素は触媒に吸着した一酸化炭素を酸化するのに消費されるので、アノード34の電位上昇が抑制され、触媒劣化、特にルテニウムの酸化を防止することができる。(3)燃料電池30の発電を停止する前に、通常の組成より一酸化炭素濃度の高い改質ガスをアノード34に供給しているので、アノード34の触媒(特に白金)に一酸化炭素が吸着してアノード34からのプロトンの生成が阻害される。したがって、リーク電流によるカソード32での水素生成、延いては、カソード32に空気(酸素)が流入したときの水素と酸素との直接反応や過酸化水素生成反応を抑制できる。(4)燃料電池30の発電を開始すると、アノード34の電位が上昇して一酸化炭素は酸化されるため、吸着した一酸化炭素を除去する操作は必要なく、また、過電圧の増加と一酸化炭素の酸化反応により発熱するので、電池昇温に寄与する。(5)改質ガス中に含まれる一酸
化炭素濃度を高めるには、CO除去器18への空気供給量を減少させる、CO除去器18の温度を下げる、変成器16の温度を上げる、改質器14の温度を下げる、または、改質器14へ供給する原燃料量と水蒸気量の比(S/C)を下げる、うちの少なくとも一つを選択することにより可能であり、あるいは、改質装置10の昇温が完了した後、安定状態になる前は一酸化炭素濃度が高いので、これを利用してもよい。また、このような一酸化炭素濃度を高める手段は、改質装置10のバランスがくずれるのを防止するために、周期的に変動させてもよい。
本発明は、改質ガスをアノードに供給するタイプの燃料電池において利用可能である。
10 改質装置
12 脱硫器
14 改質器
16 変成器
18 CO除去器
20 バーナ
30 燃料電池
32 カソード
33 固体高分子膜
34 アノード
36 冷却水
38 カソード側加湿タンク
40 冷却水通路
42 アノード側加湿タンク
50 貯湯装置
52 貯湯タンク
54 水配管
56 分岐配管
58 給湯配管
90 水処理装置
100 燃料電池システム
HEX01、HEX02、HEX03、HEX04、HEX05、HEX06、HEX07 熱交換器
HEX10 全熱交換器

Claims (4)

  1. 原燃料から水素を含む燃料へ改質する改質装置と、前記燃料により発電する燃料電池と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムを停止するときに、
    定常運転時に制御される所定範囲の濃度よりも一酸化炭素を多く含む前記燃料を前記燃料電池へ供給する一酸化炭素供給ステップ
    を含むことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  2. 原燃料から水素を含む燃料へ改質する改質装置と、前記燃料により発電する燃料電池と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムを停止するときに、
    定常運転時に制御される所定範囲の濃度よりも一酸化炭素を多く含む前記燃料を前記燃料電池へ供給する一酸化炭素供給ステップと、
    前記燃料電池の通常の発電温度より低い第2の温度まで前記燃料電池を冷却する電池冷却ステップと、
    前記電池冷却ステップの後段に設定され、前記燃料電池の発電を停止する発電停止ステップと、
    を含むことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  3. 前記燃料電池の発電開始時に、前記燃料電池のアノードの触媒に吸着した一酸化炭素によりアノードの電位を上昇させ、前記吸着した一酸化炭素を酸化除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムの運転方法。
  4. 前記燃料電池の発電開始時に、前記燃料電池に供給する改質ガスに空気を添加してアノードの触媒に吸着した一酸化炭素を酸化除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムの運転方法。
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