JP2012098530A - 表示ドライバ及びそれを備えた表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の分散時間にて動作することが可能な表示ドライバ及びそれを備えた表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる表示ドライバは、外部から入力される映像信号を増幅して増幅信号を生成する複数のパネル駆動用アンプと、対応する増幅信号を外部に出力するか否かを、対応する出力制御信号に基づいて制御する複数の出力制御回路と、外部から入力される出力タイミング信号を遅延させて生成した複数の遅延信号を出力し、対応する前記遅延信号に基づいて対応する前記出力制御信号を生成するカスケード接続された複数の遅延ブロックと、を備え、2つ以上の前記遅延回路の遅延値を共通の遅延制御信号によって制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示ドライバ及びそれを備えた表示装置に関する。
液晶テレビ等の平面型表示装置が大型化するに伴って、表示装置には、より高精細に表示されること、より滑らかな動きが表現されること、が要求されている。これらの要求を満足させるには、より広帯域の映像データが必要となるため、表示装置に用いられるクロックの高速化が進んでいる。
また、表示装置の大画面化及び高精細化の要求により、表示パネルを駆動する表示ドライバに備えられたアンプ回路の駆動期間Tsが短くなっている。なお、駆動期間Tsとは、アンプ回路が表示パネルに対して出力する駆動信号の遷移(立ち上がり/立ち下がりの変化)開始から所定の期間経過まで(例えば、アンプ回路の出力段トランジスタのゲートがオンしている期間)をいう。
しかし、高速クロック化及び上記駆動期間Tsの短縮化により、表示パネルに供給される電流のピーク値(ピーク電流)が増大している。このピーク電流の増大により、EMI(Electro Magnetic Interference:電磁波障害)が悪化する可能性がある。なお、たとえ表示パネルが正常に動作した場合でも、EMIの規格を満たさない表示装置では発売できないため、EMI対策は不可欠である。
このような問題に対する解決策が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された液晶ドライバ(表示ドライバ)は、複数の出力端子を有する多出力アンプ回路と、複数のソース線を駆動するタイミングを分散させるための遅延回路と、からなるアンプ回路を備える(特許文献1における図7〜図11参照)。多出力アンプ回路は、出力端子に応じた数のアンプブロックを有する。遅延回路には、インバータやフリップフロップが用いられる。遅延回路は、ライン出力信号を遅延させて、対応するアンプブロックに対して出力する。そして、各アンプブロックは、ライン出力信号又は遅延が付加されたライン出力信号に同期して、対応する出力端子から駆動信号を出力する。このような回路構成により、多出力アンプ回路の各出力端子から出力される駆動信号のタイミングが分散される。それにより、表示パネルに供給される電流のピーク値が低減される。
特開2003−233358号公報
ここで、従来技術の表示ドライバにおいて、多出力アンプ回路の複数の出力端子のうち、最初に駆動信号が出力される出力端子をY1とする。また、多出力アンプ回路の複数の出力端子のうち、最後に駆動信号が出力される出力端子をYn(nは2以上の整数)とする。この場合において、分散時間(ΔT)=「(出力端子Ynから出力される駆動信号の変化タイミング)−(出力端子Y1から出力される駆動信号の変化タイミング)」と定義する。
分散時間(ΔT)が大きい場合、出力端子Y1から出力される駆動信号の駆動期間Ts経過直後において、出力端子Y1及び出力端子Ynの到達電圧に大きな差が生じるため、表示パネルの画質が損なわれてしまう可能性がある。そこで、表示パネルの画質向上を最優先にするため、スルーレートを大きくして、分散時間(ΔT)をできるだけ大きくできる設計をすることが一般的に行われる。しかし、従来技術を用いた設計では、以下のような問題があった。
遅延回路にインバータを用いた場合、環境(温度、電源電圧、閾値電圧)の影響を受けて遅延回路の特性ばらつきが大きくなる。したがって、設計時には、Worst条件を考慮した大きな分散時間(ΔT)が採用されるが、実使用時には、設計時に採用された分散時間よりも分散時間が短くなる可能性がある。それにより、表示パネルに供給される電流のピーク値が十分に低減されず、十分なEMI低減効果が得られない可能性がある。言い換えると、実使用時における分散時間が所望の分散時間と異なるため、ピーク電流が十分に低減されず、十分なEMI対策が行われない可能性がある。
このように、従来技術の表示ドライバは実使用時において所望の分散時間にて動作することができず、ピーク電流の増大が抑制されないために、十分なEMI対策が行われないという問題があった。
本発明にかかる表示ドライバ(1)は、外部から入力される映像信号を増幅して増幅信号を生成する複数の増幅回路(A1〜Ak)と、対応する前記増幅信号を外部に出力するか否かを、対応する出力制御信号(C1〜Ck)に基づいて制御する複数の出力制御回路(O1〜Ok)と、外部から入力される出力タイミング信号(IN)を遅延させて生成した複数の遅延信号を出力し、対応する前記遅延信号に基づいて対応する前記出力制御信号を生成するカスケード接続された複数の遅延回路(D1〜Dk)と、を備え、2つ以上の前記遅延回路の遅延値を共通の遅延制御信号(M1,M2)によって制御することを特徴とする。
上述のような回路構成により、環境の影響を受けにくい遅延回路を得ることができるため、所望の分散時間にて動作することでピーク電流の増大が抑制される。
本発明により、所望の分散時間にて動作することができるようになるため、十分なEMI対策を行うことが可能な表示ドライバ及びそれを備えた表示装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1にかかる表示ドライバを示す図である。 バンドギャップリファレンス回路の一例を示す図である。 変換回路の一例を示す図である。 調整回路の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる表示ドライバの動作を示すタイミングチャートである。 分散時間とピーク電流の関係を示す図である。 分散時間と出力電圧との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる表示ドライバを示す図である。 変換回路の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる表示ドライバの動作を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる表示ドライバの動作を示すタイミングチャートである。 分散時間とピーク電流との関係を示す図である。 分散時間と出力電圧との関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1にかかる表示ドライバのブロック図を示す。本実施の形態にかかる表示ドライバは、実使用時において分散時間を調整することができることを特徴とする。なお、分散時間(ΔT)=「(最初に出力される出力信号(S1)の変化タイミング)−(最後に出力される出力信号(Sk)の変化タイミング)」と定義する。以下、詳細に説明する。
図1に示す表示ドライバ1は、k(kは2以上の整数)個のパネル駆動用アンプ(増幅回路)A1〜Akと、k個の出力制御回路O1〜Okと、k個の遅延ブロック(遅延回路)D1〜Dkと、バンドギャップリファレンス回路(以下、単にBGR回路と称す)10と、バイアス回路20と、変換回路30と、遅延量制御回路40と、調整回路50と、を備える。変換回路30と、遅延量制御回路40と、調整回路50と、により制御部が構成される。なお、表示ドライバ1は、液晶パネル等の表示パネルを駆動する装置として用いられる。
(BGR回路10)
BGR回路10は、変動の少ない安定した電圧(バンドギャップリファレンス電圧)VGを生成する回路である。BGR回路10は、電圧VGをバイアス回路20及び変換回路30に対して出力する。それにより、後述するバイアス回路20は、変動の少ない安定した電流をBIASラインに流すことができる。それにより、後述するパネル駆動用アンプA1〜Akは、変動の少ない安定したスルーレートの増幅信号を出力することができる。
図2は、BGR回路10の回路構成の例である。図2に示すBGR回路10は、アンプ101,102と、トランジスタ103〜106と、抵抗107〜110と、ダイオード111,112と、を有する。本実施の形態では、トランジスタ103,104,106がPチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタ105がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
トランジスタ103のソースは、高電位側電源端子に接続される。トランジスタ103のドレインは、抵抗107の一端と、抵抗108の一端と、アンプ102の非反転入力端子と、に接続される。抵抗107の他端は、アンプ101の反転入力端子と、ダイオード111のアノードと、に接続される。ダイオード111のカソードは、低電位側電源端子に接続される。抵抗108の他端は、アンプ101の非反転入力端子と、抵抗109の一端と、に接続される。抵抗109の他端は、ダイオード112のアノードに接続される。ダイオード112のカソードは、低電位側電源端子に接続される。アンプ101の出力端子は、トランジスタ103のゲートに接続される。
アンプ102の反転入力端子は、トランジスタ105のソースと、抵抗110の一端と、に接続される。抵抗110の他端は、低電位側電源端子に接続される。アンプ102の出力端子は、トランジスタ105のゲートに接続される。トランジスタ105のドレインは、トランジスタ104のドレイン及びゲートと、トランジスタ106のゲートと、に接続される。トランジスタ104のソース及びトランジスタ106のソースは、高電位側電源端子に接続される。トランジスタ106のドレイン電圧は、電圧VGとして外部に出力される。
(バイアス回路20)
バイアス回路20は、電圧VGによって駆動され、バイアス電圧VSBLを生成する回路である。バイアス回路20は、BIASラインを介して、パネル駆動用アンプA1〜Akに対してバイアス電圧VSBLを供給する。なお、バイアス回路20では、外部からの切替信号BSELに基づいてBIASラインに流れる電流が制御される。本実施の形態では、切替信号BSELがLレベルの場合、BIASラインには所定の小さな電流が流れ、切替信号BSELがHレベルの場合、BIASラインには所定の大きな電流が流れる。言い換えると、切替信号BSELがLレベルの場合、バイアス電圧VSBLは第1の電圧レベルを示し、切替信号BSELがHレベルの場合、バイアス電圧VSBLは第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを示す。
(パネル駆動用アンプA1〜Ak)
パネル駆動用アンプA1〜Akは、バイアス電圧VSBLによって駆動され、表示データとしての入力信号を増幅して増幅信号を出力する回路である。具体的には、パネル駆動用アンプA1〜Akでは、それぞれ、表示データとしての入力信号が非反転入力端子に入力され、出力端子からのフィードバック信号(増幅信号)が反転入力端子に入力され、出力端子から増幅信号が出力される。ここで、切替信号BSELの論理値によって、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートが制御される。例えば、切替信号BSELがHレベルの場合、つまり、バイアス電圧VSBLが第2の電圧レベルを示す場合、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートは大きくなる(信号変化の傾きは大きくなる)。切替信号BSELがLレベルの場合、つまり、バイアス電圧VSBLが第1の電圧レベルを示す場合、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートは小さくなる(信号変化の傾きは小さくなる)。
(出力制御回路O1〜Ok)
出力制御回路O1〜Okは、それぞれ、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号を、表示パネル(不図示)に対して出力するか否かを制御する回路である。具体的には、出力制御回路O1〜Okでは、それぞれ、パネル駆動用アンプA1〜Akからの増幅信号が入力端子に入力され、遅延ブロックD1〜Dkからの出力制御信号C1〜Ckが制御端子に入力され、出力端子から外部出力端子T1〜Tkを介して表示パネルに向けて出力信号S1〜Skが出力される。出力制御回路O1〜Okは、それぞれ、出力制御信号C1〜CkがHレベルの場合、パネル駆動用アンプA1〜Akからの増幅信号を出力信号S1〜Skとしてそのまま出力し、出力制御信号C1〜CkがLレベルの場合、出力端子をHiZにする。
(遅延ブロックD1〜Dk)
遅延ブロックD1〜Dkは、それぞれ、入力信号に遅延を付加して遅延信号ND1〜NDkを出力する回路である。遅延ブロックD1は、インバータ601〜603と、トランジスタ604〜611と、を有する。本実施の形態では、トランジスタ604,605,608,609がPチャネルMOSトランジスタ、トランジスタ606,607,610,611がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
遅延ブロックD1の入力端子は、インバータ601の入力端子に接続される。インバータ601の出力端子は、インバータ602の入力端子及びトランジスタ605,606のゲートに接続される。インバータ602の出力端子は、遅延ブロックD1の一方の出力端子に接続される。
トランジスタ604〜607は、高電位側電源端子と低電位側電源端子との間に直列に接続される。トランジスタ604,607のゲートには、それぞれ、後述する遅延量制御回路40の遅延制御信号M1,M2が供給される。トランジスタ605のドレインとトランジスタ606のドレインとを接続する信号線上のノードは、トランジスタ609,610のゲートに接続される。つまり、トランジスタ604〜607では、トランジスタ605,606によりインバータが構成されるとともに、電流制御用トランジスタであるトランジスタ604によって高電位側電源端子からトランジスタ605に供給される電流が制御され、電流制御用トランジスタであるトランジスタ607によってトランジスタ606から低電位側電源端子に流れる電流が制御される。
トランジスタ608〜611は、高電位側電源端子と低電位側電源端子との間に直列に接続される。トランジスタ608,611のゲートには、それぞれ、後述する遅延量制御回路40の遅延制御信号M1,M2が供給される。トランジスタ609のドレインとトランジスタ610のドレインとを接続する信号線上のノードは、インバータ603の入力端子に接続される。インバータ603の出力端子は、遅延ブロックD1の他方の出力端子に接続される。つまり、トランジスタ608〜611では、トランジスタ609,610によりインバータが構成されるとともに、電流制御用トランジスタであるトランジスタ608によって高電位側電源端子からトランジスタ609に供給される電流が制御され、電流制御用トランジスタであるトランジスタ610によってトランジスタ611から低電位側電源端子に流れる電流が制御される。遅延ブロックD2〜Dkの回路構成は、遅延ブロックD1の回路構成と同様であるため、その説明を省略する。
遅延ブロックD1は、出力タイミング信号INが入力端子に入力され、出力制御信号C1が一方の出力端子から出力され、入力信号(出力タイミング信号IN)に遅延を付加した遅延信号ND1が他方の出力端子から出力される。遅延ブロックD2は、遅延ブロックD1から出力された遅延信号ND1が入力端子に入力され、出力制御信号C2が一方の出力端子から出力され、入力信号(遅延信号ND1)に遅延を付加した遅延信号ND2が他方の出力端子から出力される。このように、遅延ブロックD2〜Dkは、前段の遅延ブロックD1〜D(k−1)から出力された遅延信号ND1〜ND(k−1)が入力端子に入力され、出力制御信号C2〜Ckが一方の出力端子から出力され、入力信号に遅延を付加した遅延信号ND2〜NDkが他方の出力端子から出力される。そのため、出力制御回路O1〜Okに入力される出力制御信号C1〜Ckの変化タイミングは、それぞれ異なる。
(変換回路30、調整回路50)
変換回路30は、BGR回路10から出力された電圧VGを、後段の遅延量制御回路40に用いるのに適した電圧NG,PGに変換して出力する回路である。なお、変換回路30は、調整回路50からの調整信号に基づいて電圧NG,PGを制御する。調整回路50は、例えば、外部からの制御信号(不図示)に応じた調整信号を生成し、変換回路30に対して出力する。
図3は、変換回路30の回路構成の例である。図3に示す変換回路30は、トランジスタ301〜308と、スイッチ309,310と、を有する。本実施の形態では、トランジスタ301,302がPチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタ303〜308がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
電圧VGが供給される入力端子Inは、トランジスタ303のドレイン及びゲートと、トランジスタ304のゲートと、スイッチ309の一端と、スイッチ310の一端と、に接続される。トランジスタ303のソース及びトランジスタ304のソースは、低電位側電源端子に接続される。トランジスタ304のドレインは、ノードN2に接続される。ノードN2は、さらに、トランジスタ301のドレイン及びゲートと、トランジスタ302のゲートと、トランジスタ305のドレインと、トランジスタ306のドレインと、に接続される。なお、ノードN2の電圧は、電圧PGとして外部に出力される。
トランジスタ301のソース及びトランジスタ302のソースは、高電位側電源端子に接続される。トランジスタ305のソース及びトランジスタ306のソースは、低電位側電源端子に接続される。トランジスタ305のゲートは、スイッチ309の他端に接続される。トランジスタ306のゲートは、スイッチ310の他端に接続される。スイッチ309の制御端子は、調整回路50からの調整信号が供給される入力端子ON0に接続される。スイッチ310の制御端子は、調整回路50からの調整信号が供給される入力端子ON1に接続される。
トランジスタ302のドレインは、トランジスタ307のドレイン及びゲートと、トランジスタ308のゲートと、に接続される。トランジスタ307のソース及びトランジスタ308のソースは、低電位側電源端子に接続される。トランジスタ308のドレイン電圧は、電圧NGとして外部に出力される。
図4は、調整回路50の回路構成の例である。図4に示す調整回路50は、インバータ501〜504を有する。インバータ501,502は、外部からの制御信号が供給される入力端子SEL0と、出力端子ON0と、の間に直列に接続される。インバータ503,504は、外部からの制御信号が供給される入力端子SEL1と、出力端子ON1と、の間に直列に接続される。調整回路50の出力端子ON0は、変換回路30の入力端子ON0に接続される。調整回路50の出力端子ON1は、変換回路30の入力端子ON1に接続される。
(遅延量制御回路40)
遅延量制御回路40は、電圧NG,PGに応じた遅延制御信号M1,M2を出力する回路である。遅延量制御回路40は、トランジスタ401〜404を有する。本実施の形態では、トランジスタ401,403がPチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタ402,404がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
トランジスタ401,402は、高電位側電源端子と低電位側電源端子との間に直列に接続される。より具体的には、トランジスタ401では、ソースが高電位側電源端子に接続され、ドレイン及びゲートがトランジスタ402のドレインに接続され、ゲート電圧が遅延制御信号M1として出力される。トランジスタ402では、ソースが低電位側電源端子に接続され、ゲートに電圧NGが供給される。
トランジスタ403,404は、高電位側電源端子と低電位側電源端子との間に直列に接続される。より具体的には、トランジスタ404では、ソースが低電位側電源端子に接続され、ドレイン及びゲートがトランジスタ403のドレインに接続され、ゲート電圧が遅延制御信号M2として出力される。トランジスタ403では、ソースが高電位側電源端子に接続され、ゲートに電圧PGが供給される。
電圧NGによってトランジスタ402のドレイン電流が制御されると、それに応答して、トランジスタ401のドレイン電流も制御される。ここで、トランジスタ401と、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ604,608とは、マルチ出力のカレントミラー回路を構成する。したがって、トランジスタ401のドレイン電流の変化に応じて、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ604,608のドレイン電流も変化する。例えば、電圧NGが上昇した場合、トランジスタ402のドレイン電流が大きくなり、それに応答して、トランジスタ401のドレイン電流も大きくなるため、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ604,608のドレイン電流も大きくなる。電圧NGが下降した場合、トランジスタ402のドレイン電流が小さくなり、それに応答して、トランジスタ401のドレイン電流も小さくなるため、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ604,608のドレイン電流も小さくなる。
電圧PGによってトランジスタ403のドレイン電流が制御されると、それに応答して、トランジスタ404のドレイン電流も制御される。ここで、トランジスタ404と、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ607,611とは、マルチ出力のカレントミラー回路を構成する。したがって、トランジスタ404のドレイン電流の変化に応じて、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ607,611のドレイン電流も変化する。例えば、電圧PGが下降した場合、トランジスタ403のドレイン電流が大きくなり、それに応答して、トランジスタ404のドレイン電流も大きくなるため、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ607,611のドレイン電流も大きくなる。電圧PGが上昇した場合、トランジスタ403のドレイン電流が小さくなり、それに応答して、トランジスタ404のドレイン電流も小さくなるため、遅延ブロックD1〜Dkにそれぞれ備えられたトランジスタ607,611のドレイン電流も小さくなる。
遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれにおいて、トランジスタ605,606からなるインバータは、電流制御用トランジスタであるトランジスタ604,607によって駆動電流が制御される。同様に、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれにおいて、トランジスタ609,610からなるインバータは、電流制御用トランジスタであるトランジスタ608,611によって駆動電流が制御される。このように、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれにおいて、電流制御用トランジスタによって駆動電流が制御されることにより、入力信号に対して付加される遅延量が制御される。
例えば、電圧NGが上昇し、PGが下降した場合、カレントミラー回路の入力段であるトランジスタ401,404のドレイン電流が大きくなるため、カレントミラー回路の出力段である各遅延ブロックのトランジスタ604,608及びトランジスタ607,611のドレイン電流も大きくなる。それにより、トランジスタ605,606からなるインバータと、トランジスタ609,610からなるインバータと、によってそれぞれ入力信号に付加される遅延量は小さくなる。
一方、電圧NGが下降し、PGが上昇した場合、カレントミラー回路の入力段であるトランジスタ401,404のドレイン電流が小さくなるため、カレントミラー回路の出力段である各遅延ブロックのトランジスタ604,608及びトランジスタ607,611のドレイン電流も小さくなる。それにより、トランジスタ605,606からなるインバータと、トランジスタ609,610からなるインバータと、によってそれぞれ入力信号に付加される遅延量は大きくなる。
(タイミングチャート)
図1に示す表示ドライバ1の動作について、図5〜図7を用いて説明する。図5は、図1に示す表示ドライバ1の動作を示すタイミングチャートである。図6は、分散時間とピーク電流の関係を示す図である。図7は、分散時間と出力電圧との関係を示す図である。まず、遅延ブロックD1〜Dkの遅延信号の基準となる出力タイミング信号INが立ち下がる(時刻t1)と、遅延ブロックD1は、出力制御信号C1を立ち下げる(時刻t2)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND1を立ち下げる。なお、出力制御信号C1がLレベルの期間(時刻t2〜t6)では、出力制御回路O1の出力信号S1はHiZを示す。
遅延ブロックD1から出力される遅延信号ND1が立ち下がると、遅延ブロックD2は、出力制御信号C2を立ち下げる(時刻t3)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND2を立ち下げる。なお、出力制御信号C2がLレベルの期間(時刻t3〜t7)では、出力制御回路O2の出力信号S2はHiZを示す。遅延ブロックD2から出力される遅延信号ND2が立ち下がると、遅延ブロックD3は、出力制御信号C3を立ち下げる(時刻t4)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND3を立ち下げる。なお、出力制御信号C3がLレベルの期間(時刻t4〜t8)では、出力制御回路O3の出力信号S3はHiZを示す。
同様にして、遅延ブロックD(k−2)から出力される遅延信号ND(k−2)が立ち下がると、遅延ブロックD(k−1)は、出力制御信号C(k−1)を立ち下げる(時刻t9)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND(k−1)を立ち下げる。なお、出力制御信号C(k−1)がLレベルの期間(時刻t9〜t11)では、出力制御回路O(k−1)の出力信号S(k−1)はHiZを示す。遅延ブロックD(k−1)から出力される遅延信号ND(k−1)が立ち下がると、遅延ブロックDkは、出力制御信号Ckを立ち下げる(時刻t10)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号NDkを立ち下げる。なお、出力制御信号CkがLレベルの期間(時刻t10〜t12)では、出力制御回路Okの出力信号SkはHiZを示す。
次に、出力タイミング信号INが立ち上がる(時刻t5)と、遅延ブロックD1は、出力制御信号C1を立ち上げる(時刻t6)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND1を立ち上げる。出力制御信号C1が立ち上がることにより、出力制御回路O1は、パネル駆動用アンプA1の増幅信号を出力信号S1としてそのまま出力する。
遅延ブロックD1から出力される遅延信号ND1が立ち上がると、遅延ブロックD2は、出力制御信号C2を立ち上げる(時刻t7)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND2を立ち上げる。出力制御信号C2が立ち上がることにより、出力制御回路O2は、パネル駆動用アンプA2の増幅信号を出力信号S2としてそのまま出力する。遅延ブロックD2から出力される遅延信号ND2が立ち上がると、遅延ブロックD3は、出力制御信号C3を立ち上げる(時刻t8)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND3を立ち上げる。出力制御信号C3が立ち上がることにより、出力制御回路O3は、パネル駆動用アンプA3の増幅信号を出力信号S3としてそのまま出力する。
同様にして、遅延ブロックD(k−2)から出力される遅延信号ND(k−2)が立ち上がると、遅延ブロックD(k−1)は、出力制御信号C(k−1)を立ち上げる(時刻t11)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号ND(k−1)を立ち上げる。出力制御信号C(k−1)が立ち上がることにより、出力制御回路O(k−1)は、パネル駆動用アンプA(k−1)の増幅信号を出力信号S(k−1)としてそのまま出力する。遅延ブロックD(k−1)から出力される遅延信号ND(k−1)が立ち上がると、遅延ブロックDkは、出力制御信号Ckを立ち上げる(時刻t12)とともに、所定の遅延時間経過後に遅延信号NDkを立ち上げる。出力制御信号Ckが立ち上がることにより、出力制御回路Okは、パネル駆動用アンプAkの増幅信号を出力信号Skとしてそのまま出力する。
このように、出力制御回路O1〜Okに供給される出力制御信号C1〜Ckの変化タイミングはそれぞれ異なる。なお、出力制御信号C1〜Ckの変化タイミングは、遅延ブロックD1〜Dkにおいて入力信号に付加される遅延に応じて変動する。
例えば、調整値(調整信号に含まれる情報)が小さい場合、変換回路30は電圧NGを小さくし、電圧PGを大きくする。それにより、遅延量制御回路40において、トランジスタ401のドレイン電流及びトランジスタ404のドレイン電流は小さくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれにおいて、トランジスタ604,608のドレイン電流及びトランジスタ607,611のドレイン電流は小さくなる。したがって、遅延ブロックD1〜Dkにて入力信号に付加される遅延量は大きくなる。その結果、図6に示すように、分散時間(ΔT)は大きくなり、表示パネルに供給される電流のピーク値が低下する。
一方、調整値が大きい場合、変換回路30は電圧NGを大きくし,電圧PGを小さくする。それにより、遅延量制御回路40において、トランジスタ401のドレイン電流及びトランジスタ404のドレイン電流は大きくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれにおいて、トランジスタ604,608のドレイン電流及びトランジスタ607,611のドレイン電流は大きくなる。したがって、遅延ブロックD1〜Dkにて入力信号に付加される遅延量は小さくなる。その結果、図6に示すように、分散時間(ΔT)は小さくなり、表示パネルに供給される電流のピーク値が上昇する。
図7に示すように、スルーレートが一定である場合において、調整値が小さい場合には、調整値が大きい場合よりも、分散時間(ΔT)が大きくなる。この場合、出力信号S1の駆動期間Ts経過直後において、出力信号S1及び出力信号Skの到達電圧に大きな電圧差ΔVが生じる可能性がある。したがって、調整値は、表示パネルの画質が損なわれない程度の大きさに設定される必要がある。
このように、本実施の形態にかかる表示ドライバは、各遅延ブロックの遅延量を調整することにより、出力信号S1〜Skの出力タイミングを調整することができる。言い換えると、本実施の形態にかかる表示ドライバは、各遅延ブロックの遅延量を調整することにより、分散時間(ΔT)を調整することができる。したがって、本実施の形態にかかる表示ドライバは、実使用時においても所望の分散時間(ΔT)にて動作することができる。それにより、ピーク電流の増大が抑制され、十分なEMI対策が可能となる。
さらに、本実施の形態にかかる表示ドライバでは、変換回路30、遅延量制御回路40、及び、調整回路50をさらに備えることによるレイアウト上のインパクトは無視できるほどに小さい。つまり、本実施の形態にかかる表示ドライバは、従来技術と比較して、回路規模を増大させることなく、課題を解決することができる。
さらに、本実施の形態にかかる表示ドライバは、BGR回路10を備えることにより、各機能ブロックに対して変動の少ない安定した電圧VGを供給する。したがって、環境(温度、電源電圧、閾値電圧)の影響による分散時間(ΔT)の変動は、従来技術と比較して小さい。つまり、設計時におけるWorst条件を考慮した大きな分散時間と、実使用時における分散時間と、の差は小さい。それにより、ピーク電流が想定通りに低減され、より十分なEMI対策が可能となる。
なお、本実施の形態にかかる表示ドライバは、調整回路50からの調整信号に基づいて各遅延ブロックの遅延量を調整することにより、分散時間(ΔT)を調整している。ここで、調整回路50の入力端子SEL0,SEL1に入力される制御信号は、表示ドライバの内部からの信号であっても、表示ドライバの外部(専用端子)からの信号であってもよい。このような回路構成により、本実施の形態にかかる表示ドライバは、液晶パネル等の表示パネルと接続した状態でも、制御信号によって、容易に分散時間(ΔT)を調整することができる。
なお、従来技術では、遅延回路として、アンプブロック数に応じた数のインバータ又はフリップフロップが備えられている。ここで、従来技術では、分散時間(ΔT)を調整するためには、設計時においてインバータ又はフリップフロップの数を調整することにより遅延量が制御される必要がある。したがって、従来技術では、分散時間(ΔT)を調整することによるレイアウト上のインパクトが大きい。一方、本実施の形態では、遅延ブロックD1〜Dkの駆動電流を制御することにより遅延量が制御される。そのため、本実施の形態では、分散時間(ΔT)を調整することによるレイアウト上のインパクトは小さく、回路構成も簡易である。
実施の形態2
図8に、本発明の実施の形態2にかかる表示ドライバのブロック図を示す。図8に示す表示ドライバ2は、図1に示す表示ドライバ1と比較して、調整回路50を有さず、変換回路30に代えて変換回路30aを備える。変換回路30aには、BGR回路10からの電圧VGに代えて、バイアス回路20からのバイアス電圧VSBLが供給される。なお、変換回路30aと、遅延量制御回路40と、により制御部が構成される。表示ドライバ2のその他の回路構成は、表示ドライバ1と同様であるため、説明を省略する。
(変換回路30a)
変換回路30aは、バイアス回路20からのバイアス電圧VSBLを、後段の遅延量制御回路40に用いるのに適した電圧NG,PGに変換して出力する回路である。なお、変換回路30aは、バイアス回路20からBIASライン及び変換回路30aに流れる電流(バイアス電流)と、遅延量制御回路40を構成する各トランジスタに流れる電流と、が逆特性を有するように電圧NG,PGを出力する。つまり、変換回路30aは、バイアス回路20からBIASライン及び変換回路30aに流れる電流と、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれに備えられた各電流制限トランジスタに流れる電流(駆動電流)と、が逆特性を有するように電圧NG,PGを出力する。言い換えると、変換回路30aと遅延量制御回路40とにより構成される制御部は、バイアス回路20からBIASライン及び変換回路30aに流れる電流と、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれに備えられた各電流制限トランジスタに流れる電流と、が逆特性を有するように遅延制御信号M1,M2を出力する。
例えば、バイアス回路20からBIASライン及び変換回路30aに流れる電流が大きい場合、遅延量制御回路40を構成する各トランジスタに流れる電流は小さくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれに備えられた各電流制限トランジスタに流れる電流は小さくなる。バイアス回路20からBIASライン及び変換回路30aに流れる電流が小さい場合、遅延量制御回路40を構成する各トランジスタに流れる電流は大きくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれに備えられた各電流制限トランジスタに流れる電流は大きくなる。
図9は、変換回路30aの回路構成の例である。図9に示す変換回路30aは、トランジスタ351〜358を有する。本実施の形態では、トランジスタ351〜353がPチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタ354〜358がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
バイアス回路20からのバイアス電圧VSBLが供給される入力端子In_Pは、トランジスタ351のゲートに接続される。バイアス回路20からのバイアス電圧VSBLが供給される入力端子In_Nは、トランジスタ354のゲートに接続される。トランジスタ351のソースは、高電位側電源端子に接続される。トランジスタ351のドレインは、トランジスタ354のドレインと、トランジスタ355のドレイン及びゲートと、トランジスタ356のゲートと、に接続される。トランジスタ354のソースと、トランジスタ355のソースと、トランジスタ356のソースと、は低電位側電源端子に接続される。
トランジスタ356のドレインは、トランジスタ352のドレイン及びゲートと、トランジスタ353のゲートと、に接続される。トランジスタ356のドレイン電圧は、電圧PGとして外部に出力される。
トランジスタ352のソース及びトランジスタ353のソースは、高電位側電源端子に接続される。トランジスタ353のドレインは、トランジスタ357のドレイン及びゲートと、トランジスタ358のゲートと、に接続される。トランジスタ357のソース及びトランジスタ358のソースは、低電位側電源端子に接続される。トランジスタ358のドレイン電圧は、電圧NGとして外部に出力される。
(タイミングチャート)
図8に示す表示ドライバ2の動作について、図10〜図13を用いて説明する。図10及び図11は、図8に示す表示ドライバ2の動作を示すタイミングチャートである。図12は、分散時間とピーク電流の関係を示す図である。図13は、分散時間と出力電圧との関係を示す図である。
なお、図10と図11とでは、バイアス電圧VSBLが異なる。図10では、切替信号BSELがLレベルであるため、バイアス電圧VSBLは第1の電圧レベルを示す。そのため、図10では、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートが小さくなる(信号傾きが小さくなる)。一方、図11では、切替信号BSELがHレベルであるため、バイアス電圧VSBLは第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを示す。そのため、図11では、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートが大きくなる(信号傾きが大きくなる)。
ここで、上述のように、変換回路30aは、バイアス回路20からBIASライン及び変換回路30aに流れる電流(バイアス電流)と、遅延量制御回路40を構成する各トランジスタに流れる電流と、が逆特性を有するように電圧NG,PGを出力する。したがって、図10では、BIASラインに流れる電流が小さいため、遅延量制御回路40を構成する各トランジスタに流れる電流は大きくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれに備えられた各電流制限トランジスタに流れる電流(駆動電流)は大きくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkがそれぞれ入力信号に対して付加する遅延量は小さくなる。その結果、分散時間(ΔT)は小さくなる。
一方、図11では、BIASラインに流れる電流が大きいため、遅延量制御回路40を構成する各トランジスタに流れる電流は小さくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkのそれぞれに備えられた各電流制限トランジスタに流れる電流(駆動電流)は小さくなる。それにより、遅延ブロックD1〜Dkがそれぞれ入力信号に対して付加する遅延量は大きくなる。その結果、分散時間(ΔT)は大きくなる。図10及び図11に示すタイミングチャートの上記以外の説明は、図5に示すタイミングチャートと同様であるため省略する。
つまり、図10に示すように、切替信号BSELがLレベルの場合、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートが小さくなる(信号変化の傾きが小さくなる)とともに、分散時間(ΔT)が小さくなる。一方、図11に示すように、切替信号BSELがHレベルの場合、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力される増幅信号のスルーレートが大きくなる(信号変化の傾きが大きくなる)とともに、分散時間(ΔT)が大きくなる。このような回路構成により、出力信号S1の駆動期間Ts経過直後における出力信号S1及び出力信号Skの電圧差ΔVと、ピーク電流値と、が最適な値を示すように調整することが可能である(図12及び図13参照)。
なお、スルーレートと分散時間(ΔT)との関係は、設計時において予め決定される。したがって、切替信号BSELの論理値が切り替わった場合でも、出力信号S1の駆動期間Ts経過直後における出力信号S1及び出力信号Skの電圧差ΔVと、ピーク電流値と、がほとんど変化しないように、スルーレートと分散時間(ΔT)との関係を予め決定しておくことも可能である。それにより、切替信号BSELの論理値が切り替わった場合でも、常に一定のEMI対策が可能となる。
このように、本実施の形態にかかる表示ドライバは、各遅延ブロックの遅延量を調整することにより、出力信号S1〜Skの出力タイミングを調整することができる。言い換えると、本実施の形態にかかる表示ドライバは、各遅延ブロックの遅延量を調整することにより、分散時間(ΔT)を調整することができる。したがって、本実施の形態にかかる表示ドライバは、実使用時においても所望の分散時間(ΔT)にて動作することができる。それにより、ピーク電流の増大が抑制され、十分なEMI対策が可能となる。
さらに、本実施の形態にかかる表示ドライバは、切替信号BSELを切り替えることにより、パネル駆動用アンプA1〜Akから出力されるスルーレートと、それに連動する分散時間(ΔT)と、を調整することができる。そのため、本実施の形態にかかる表示ドライバは、出力信号S1の駆動期間経過直後における出力信号S1及び出力信号Skの電圧差ΔVと、ピーク電流値と、が最適な値を示すように調整することができる。それにより、表示パネルを高画質に維持するとともに、十分なEMI対策が可能となる。
さらに、本実施の形態にかかる表示ドライバは、実施の形態1の場合と比較して、調整回路50及び外部から調整回路50に供給される制御信号用の端子を備えない。したがって、本実施の形態にかかる表示ドライバは、実施の形態1の場合よりも、回路規模の増大を抑制することができる。
さらに、本実施の形態にかかる表示ドライバは、BGR回路10を備えることにより、各機能ブロックに対して変動の少ない安定した電圧VGを供給する。したがって、環境(温度、電源電圧、閾値電圧)の影響による分散時間(ΔT)の変動は、従来技術と比較して小さい。つまり、設計時におけるWorst条件を考慮した大きな分散時間と、実使用時における分散時間と、の差は小さい。それにより、ピーク電流が想定通りに低減され、より十分なEMI対策が可能となる。
なお、従来技術では、遅延回路として、アンプブロック数に応じた数のインバータ又はフリップフロップが備えられている。ここで、従来技術では、分散時間(ΔT)を調整するためには、設計時においてインバータ又はフリップフロップの数を調整することにより遅延量が制御される必要がある。したがって、従来技術では、分散時間(ΔT)を調整することによるレイアウト上のインパクトが大きい。一方、本実施の形態では、遅延ブロックD1〜Dkの駆動電流を制御することにより遅延量が制御される。そのため、本実施の形態では、分散時間(ΔT)を調整することによるレイアウト上のインパクトは小さく、回路構成も簡易である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記実施の形態では、切替信号BSELとして2値(Hレベル又はLレベル)が用いられる場合を例に説明したが、これに限られない。切替信号BSELとしてアナログ電圧が用いられる回路構成にも適宜変更可能である。この場合、バイアス回路20は、切替信号BSELとして供給されるアナログ電圧に応じたバイアス電圧VSBLを生成する。これにより、上記実施の形態にかかる表示ドライバは、スルーレート及び分散時間(ΔT)を理論上無限通りに調整することが可能である。言い換えると、上記実施の形態にかかる表示ドライバは、スルーレート及び分散時間(ΔT)をより高精度に調整することが可能である。
また、遅延ブロックD1〜Dkは、遅延制御信号によってドレイン電流が制御される電流制御用トランジスタを有し、当該ドレイン電流に応じた遅延を入力信号に付加して遅延信号を出力する回路構成であれば、適宜変更可能である。また、例えば、遅延ブロックD1〜Dkは、インバータ等を介さずに、入力信号を直接出力制御信号C1〜Ckとして出力する回路構成にも適宜変更可能である。
1 表示ドライバ
2 表示ドライバ
A1〜Ak パネル駆動用アンプ
O1〜Ok 出力制御回路
D1〜Dk 遅延ブロック
10 BGR回路
20 バイアス回路
30 変換回路
40 遅延量制御回路
50 調整回路

Claims (8)

  1. 外部から入力される映像信号を増幅して増幅信号を生成する複数の増幅回路と、
    対応する前記増幅信号を外部に出力するか否かを、対応する出力制御信号に基づいて制御する複数の出力制御回路と、
    外部から入力される出力タイミング信号を遅延させて生成した複数の遅延信号を出力し、対応する前記遅延信号に基づいて対応する前記出力制御信号を生成するカスケード接続された複数の遅延回路と、を備え、
    2つ以上の前記遅延回路の遅延値を共通の遅延制御信号によって制御することを特徴とする表示ドライバ。
  2. 前記遅延回路は、
    前記遅延制御信号によって電源電流の最大値を制限することにより遅延値を制御することを特徴とする請求項1の表示ドライバ。
  3. 前記遅延回路は、
    入力信号を遅延させて出力する信号伝達部と、
    電源と前記信号伝達部との間にソース・ドレインを接続するMOSトランジスタと、を具備し、
    前記遅延制御信号を前記MOSトランジスタのゲートに入力して前記信号伝達部の電源電流の最大値を制限することを特徴とする請求項2の表示ドライバ。
  4. 前記信号伝達部は第1のインバータと第2のインバータとのカスケード接続で構成され、
    前記第1のインバータの高電位電源側に第1PチャネルMOSトランジスタのソース・ドレインを接続し、
    前記第2のインバータの高電位電源側に第2PチャネルMOSトランジスタのソース・ドレインを接続し、
    前記第1のインバータの低電位電源側に第1NチャネルMOSトランジスタのソース・ドレインを接続し、
    前記第2のインバータの低電位電源側に第2NチャネルMOSトランジスタのソース・ドレインを接続し、
    前記第1PチャネルMOSトランジスタと前記第2PチャネルMOSトランジスタのゲートに共通に第1の前記遅延制御信号を入力し、
    前記第1NチャネルMOSトランジスタと前記第2NチャネルMOSトランジスタのゲートに共通に第2の前記遅延制御信号を入力することを特徴とする請求項3の表示ドライバ。
  5. バンドギャップリファレンス電圧によって駆動され、外部からの調整信号に応じた前記遅延制御信号を生成する制御部をさらに備えた請求項4に記載の表示ドライバ。
  6. 前記複数の増幅回路に供給するバイアス電圧に応じた前記遅延制御信号を生成する制御部をさらに備えた請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示ドライバ。
  7. 前記制御部は、
    前記バイアス回路から前記複数の増幅回路に流れるバイアス電流と、前記電流制限トランジスタに流れるドレイン電流と、が逆特性を有するように前記遅延制御信号を生成することを特徴とする請求項6に記載の表示ドライバ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の表示ドライバを備えた表示装置。
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