JP2012098152A - 印刷色予測装置、印刷色予測方法及びプログラム - Google Patents

印刷色予測装置、印刷色予測方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】保護膜付印刷物の色再現精度を低下させることなく、カラーチャートの印刷、保護膜の被覆及び測色の作業工数を大幅に低減可能な印刷色予測装置、印刷色予測方法及びプログラムを提供する。
【解決処理】印刷物38の分光反射率(第1の分光データ112)を取得し、ラミネートフイルム40の光学物性値(第2の分光データ410、412、414)を印刷物38の分光反射率Rgに応じて複数組推定する。そして、第1の分光データ112と、第2の分光データ410、412、414とを用いて保護膜付印刷物42の分光反射率(第4の分光データ118)を予測する。
【選択図】図15

Description

本発明は、印刷物に保護膜を被覆させた保護膜付印刷物の色再現を予測する印刷色予測装置、印刷色予測方法及びプログラムに関する。
近年のインクジェット技術の飛躍的進歩に伴い、インクジェット方式の印刷機による高速・高画質を両立したカラー大判印刷が可能になりつつある。この印刷機は、個人的・家庭的用途だけでなく、最近では、特に商業用途において幅広い分野で用いられている。この印刷機を用いることにより、例えば、店頭POP(Point of Purchase)や壁面ポスターのみならず、屋外広告・看板等の大サイズメディア、ロールメディア、厚手の硬質メディアに対しても印刷が可能である。
このような多様な商業的需要に応えるため、印刷に用いられる印刷媒体(以下「メディア」という場合がある。)も多種多彩である。例えば、合成紙・厚紙・アルミ蒸着紙等の紙類、塩化ビニル・PET等の樹脂、繊維織物の両面に合成樹脂フイルムを貼り合わせたターポリン等が用いられる。
広告印刷には需要者の視覚を通じてその購買意欲を喚起させる効果が期待されることから、印刷物(印刷された印刷媒体)の色の仕上がりは特に重要である。従来から、印刷物の色管理処理として、ICC(International Color Consortium)プロファイルの作成方法や、指定色の調整方法等の様々なカラーマッチング技術が多数開示されている。
ところで、この印刷物が掲示される場所も多種多彩であり、屋外のみならず、室内や、スポットライト照明に晒される展示場に掲示される場合もある。一般的には、印刷物の掲示場所の差異に応じて、観察光源としての環境光が有する分光特性(分光エネルギー分布)が変化する。このため、同一の印刷物であっても観察光源が異なる場合は、人間の眼の網膜に最終的に到達する光の分光特性が変化するので、程度の多少はあるが、観察者にとっての印刷物の見え(色の印象)が変動し得る。よって、印刷物形成下の観察環境(つまり、印刷機の設置場所)と掲示場所の観察環境とが著しく相違する場合は、所望の色を有する印刷物が得られないという問題が起こり得る。
この問題を解決する方法の一つとして、特許文献1には、印刷物の分光データ及び複数の光源分光データを独立に記憶しておき、観察光源を設定する都度その光源に適切なプロファイルを作成する方法及び装置が開示されている。このように構成すれば、少ない測色作業工数の中で各観察光源に対応するプロファイルを作成可能であり、観察光源に応じた適切な印刷物の色管理を行うことができる旨が記載されている。
ところで、インクジェット方式の印刷機により得られる印刷物は、画像の耐久性の観点から、特に擦過性・堅牢性の性能が脆弱となるため、厳しい環境下でその使用に堪えない場合がある。
例えば、光強度の強い放射光に常時晒されている掲示場所においては、インクに配合される色素は化学反応により徐々に分解されるため、カラー画像が徐々に褪色する傾向がみられる。また、室内の床に貼り付ける掲示態様においては、通行人の歩行によって印刷物の表面が擦れるため、カラー画像が傷付けられるおそれがある。
そこで、この印刷物の画像形成面上に、紫外線吸収材の添加やエンボス加工等の機能的処理が施されたラミネートフイルム等の保護膜を被覆することにより、その画像の耐久性を向上させている。
例えば、特許文献2には、印刷物の画像形成面上に保護膜を設けた保護膜付印刷物が開示されている。これにより、耐浸透性のほか、耐スクラッチ性、耐アルコール性等の機能をもたせ、印刷面の品質を向上することができる旨が記載されている。
特開2007−81586号公報 特開平6−246881号公報
しかしながら、本願発明者の調査・研究結果によれば、ラミネートフイルムは高い透過率を有するものの、可視光波長範囲内では分光透過率が必ずしも平坦ではないため、ラミネートフイルムの有無によりカラー画像の見えが無視できない程度に変化することが見出された。また、市販されているラミネートフイルムの種類も多岐にわたり、それぞれの分光透過率が異なることも見出された。
この場合は、特許文献2に開示された保護膜付印刷物に対して、特許文献1に開示された方法及び装置を適用したとしても、保護膜付印刷物のプロファイルを得るためには、各種印刷物の画像形成面上に各種ラミネートフイルムを被覆した状態、すなわち保護膜付印刷物その物の測色を行わなければならない。ラミネートフイルム及び印刷物のすべての組み合わせに対して厳密な色再現を行おうとすると試料作成及びその測色の作業の煩に堪えないし、ラミネートフイルムの特性を無視すると被覆したラミネートフイルムの種類に応じてカラー画像の見えが変化するという不都合が生じる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、保護膜付印刷物の色再現精度を低下させることなく、カラーチャートの印刷、保護膜の被覆及び測色の作業工数を大幅に低減可能な印刷色予測装置、印刷色予測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る印刷色予測装置は、印刷物の分光反射率を取得するデータ取得部と、前記印刷物への被覆下における保護膜の光学物性値を該印刷物の分光反射率に応じて複数組推定する光学物性値推定部と、前記データ取得部により取得された前記印刷物の分光反射率と、前記光学物性値推定部により推定された複数組の前記保護膜の光学物性値とを用いて保護膜付印刷物の分光反射率を予測する分光反射率予測部とを有することを特徴とする。
このように構成しているので、保護膜付印刷物の色再現精度を低下させることなく、且つ、プロファイルの生成に要する作業工数、具体的には、カラーチャートの印刷、保護膜の被覆及び測色の作業工数を大幅に低減できる。また、保護膜の光学物性値を複数組用いるので、保護膜付印刷物の分光反射率の予測精度が一層向上する。所定の印刷物との組合せにおいて、該印刷物の分光反射率に依存して保護膜の光学物性値が変化する場合、特に効果的である。
また、少なくとも3種類の標本印刷物の第1分光反射率と、前記少なくとも3種類の標本印刷物上に前記保護膜をそれぞれ配した状態での第2分光反射率とを取得する標本データ取得部をさらに有し、前記光学物性値推定部は、前記少なくとも3種類の標本印刷物のうち複数種類からなる標本印刷物の組合せを複数組選択し、該標本印刷物の組合せ毎に、前記標本データ取得部により取得された各前記第1及び各前記第2分光反射率を用いて所定の数理モデルに基づく関係から前記保護膜の光学物性値を推定することが好ましい。
さらに、前記光学物性値推定部は、各前記第1分光反射率と、複数組の前記標本印刷物の組合せ毎に推定された前記保護膜の光学物性値とを用いた所定の演算方法に基づいて、前記印刷物の分光反射率に応じた前記保護膜の光学物性値を推定することが好ましい。
さらに、前記光学物性値推定部は、前記所定の演算方法として内挿法及び外挿法を用いることが好ましい。
さらに、前記光学物性値推定部は、前記所定の演算方法として少なくとも3次の多項式による近似法を用いることが好ましい。
さらに、前記前記少なくとも3種類の標本印刷物には黒色の標本印刷物が含まれ、前記標本データ取得部は、前記黒色の標本印刷物の第1分光反射率と、該黒色の標本印刷物上に前記保護膜をそれぞれ配した状態での第2分光反射率とをさらに取得することが好ましい。
さらに、前記光学物性値推定部は、前記黒色の標本印刷物を含む少なくとも2種類からなる前記標本印刷物の組合せを複数組選択することが好ましい。
さらに、前記標本データ取得部は、前記印刷物を形成するメディアの種類に応じて色又は種類数の少なくとも一方を変更させた、前記少なくとも3種類の標本印刷物の前記第1及び前記第2分光反射率を取得することが好ましい。
さらに、前記標本データ取得部は、前記印刷物を形成する印刷機の種類に応じて色又は種類数の少なくとも一方を変更させた、前記少なくとも3種類の標本印刷物の前記第1及び第2分光反射率を取得することが好ましい。
さらに、前記所定の数理モデルに基づく関係は連立方程式であり、前記光学物性値推定部は、前記連立方程式を解くことで前記保護膜の光学物性値を推定する
ことが好ましい。
さらに、前記所定の数理モデルは、前記標本印刷物の種類毎に構築されることが好ましい。
さらに、前記分光反射率予測部により予測された前記保護膜付印刷物の分光反射率を用いて該保護膜付印刷物の測色値を算出する測色値算出部をさらに有することが好ましい。
さらに、前記データ取得部は、観察光源の分光分布をさらに取得し、前記測色値算出部は、前記データ取得部により取得された前記観察光源の分光分布をさらに用いて前記保護膜付印刷物の測色値を算出することが好ましい。
さらに、前記データ取得部は、前記印刷物の分光反射率又は前記観察光源の分光分布のうち少なくとも1種類をデータベースから取得することが好ましい。
さらに、前記保護膜の光学物性値は、該保護膜の光波長毎の固有反射率、散乱係数及び吸収係数のうちの独立な2つの光学物性値であることが好ましい。
さらに、前記測色値算出部により算出された前記保護膜付印刷物の測色値に基づいてプロファイルを生成するプロファイル生成部をさらに有することが好ましい。
さらに、前記印刷物を形成するメディアの種類、前記保護膜の種類又は前記観察光源の種類のうち少なくとも1つを選択するデータ選択部をさらに有し、前記プロファイル生成部は、前記データ選択部により選択された前記メディアの種類に応じた分光反射率、前記保護膜の種類に応じた光学物性値、又は前記観察光源の種類に応じた分光分布のうち少なくとも1種類を用いて前記プロファイルを生成することが好ましい。
本発明に係る印刷色予測方法は、印刷物の分光反射率を取得する取得処理と、前記印刷物への被覆下における保護膜の光学物性値を該印刷物の分光反射率に応じて複数組推定する推定処理と、取得された前記印刷物の分光反射率及び推定された前記保護膜の光学物性値を用いて保護膜付印刷物の分光反射率を予測する予測処理とを備えることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、印刷物の分光反射率を取得するデータ取得部、前記印刷物への被覆下における保護膜の光学物性値を該印刷物の分光反射率に応じて複数組推定する光学物性値推定部、前記データ取得部により取得された前記印刷物の分光反射率及び前記光学物性値推定部により推定された前記保護膜の光学物性値を用いて保護膜付印刷物の分光反射率を予測する分光反射率予測部として機能させることを特徴とする。
本発明に係る印刷色予測装置、印刷色予測方法及びプログラムによれば、印刷物の分光反射率を取得し、前記印刷物の分光反射率に応じた保護膜の光学物性値を複数組推定し、取得された前記印刷物の分光反射率と推定された複数組の前記保護膜の光学物性値とを用いて、保護膜付印刷物の分光反射率を予測するようにしたので、保護膜付印刷物の色再現精度を低下させることなく、且つ、プロファイルの生成に要する作業工数、具体的には、カラーチャートの印刷、保護膜の被覆及び測色の作業工数を大幅に低減できる。また、保護膜の光学物性値を複数組用いるので、保護膜付印刷物の分光反射率の予測精度が一層向上する。所定の印刷物との組合せにおいて、該印刷物の分光反射率に依存して保護膜の光学物性値が変化する場合、特に効果的である。
本実施の形態に係る印刷色予測装置が組み込まれた印刷システムの斜視説明図である。 図1に示すカラーチャートの概略正面図である。 図1に示す印刷色予測装置の機能ブロック図である。 図3に示す印刷プロファイル生成部の機能ブロック図である。 図4に示す測色値算出部の機能ブロック図である。 図6A〜図6Dは、プロファイル生成条件の設定画面の一例を示す図である。 図1に示す印刷システムを用いて適切な色の保護膜付印刷物を得るためのフローチャートである。 本実施の形態に係るプロファイルの生成方法に関するフローチャートである。 図9A及び図9Bは、保護膜の光学物性値を推定するために作製された測定試料の概略断面図である。 図10A及び図10Bは、本実施の形態で示した推定方法を用いて、保護膜の光学物性値を推定した結果を示すグラフである。 図10Bに示す各光学物性値の推定値に基づいて得られた保護膜付印刷物の測色値(予測値)と、その現物の実測値との比較を表す説明図である。 図12A及び図12Bは、保護膜の被覆前後にわたる印刷物の分光反射率の変化量を示すグラフである。 本実施の形態に係る測定試料のさらなる一例を示す概略正面図である。 図14A及び図14Bは、図13の測定試料の色の設計値の一例を示す表である。 印刷物(標本印刷物)の分光反射率に対する固有反射率の推定例を表すグラフである。 印刷物(標本印刷物)の分光反射率に対する固有反射率の推定例を表すグラフである。 図4に示す第2の分光データの別の構成例を表す概略説明図である。
以下、本発明に係る印刷色予測方法についてそれを実施する印刷色予測装置並びに印刷システムとの関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る印刷色予測装置としての画像処理装置16が組み込まれた印刷システム10の斜視説明図である。
印刷システム10は、ネットワーク12と、編集装置14と、印刷色予測装置としての画像処理装置16と、印刷機18と、ラミネート処理装置20と、第1取得部としての測色計22とを基本的に備える。
ネットワーク12は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に基づいて構築されている情報通信網である。編集装置14と、画像処理装置16と、データベースDBとは、前記ネットワーク12を介して有線又は無線により相互に接続されている。
編集装置14は、文字、図形、絵柄や写真等から構成されるカラー画像の配置をページ毎に編集が自在であり、ページ記述言語(以下、PDLという。)による電子原稿、例えば、4色(CMYK)や3色(RGB)のカラーチャンネルからなる8ビット画像データを生成する。
ここで、PDLとは、印刷や表示等の出力単位である「ページ」内で文字、図形等の書式情報、位置情報、色情報(光学濃度情報を含む)等の画像情報を記述する言語である。例えば、PDF(Portable Document Formatの略で、ISO32000−1:2008に規定)、AdobeSystems社のPostScript(登録商標)やXPS(XML Paper Specification)等が知られている。
また、編集装置14には図示しないカラースキャナが接続されており、該カラースキャナは、所定の位置にセットされたカラー原稿を光学的に読み取ることで、前記電子原稿の構成要素となるカラー画像データを取得可能である。
画像処理装置16は、後述のように、PDLによる電子原稿をラスタ形式(例えばビットマップ)に展開し、所望の画像処理、例えば、色変換処理、画像拡縮処理や配置処理等を行い、印刷機18の印刷方式に適した印刷制御信号に変換し、前記印刷機18に前記印刷制御信号を送信する各機能を有している。
また、画像処理装置16は、CPU・メモリ等を有する本体24と、カラー画像を表示する表示装置26と、入力部としての入力装置28(キーボード30及びマウス32)を備えている。さらに、画像処理装置16には、電子データの記録・消去が自在な可搬型メモリ34や測色計22が接続されている。
印刷機18は、C、M、Y、Kの各色(プロセスカラー)からなる標準インクと、LC、LM等の淡色やW(白色)等のオプションインクとを組み合わせてカラー画像を形成するインクジェット方式の印刷装置である。この印刷機18は、外部(例えば、画像処理装置16)から受信した印刷制御信号に基づいて各色のインクの射出制御を行うことにより、印刷媒体としてのメディア36(図1では、ロール状の未印刷のメディア36)上にカラー画像を印刷し、印刷物38(印刷物38の一種であるカラーチャート38cが含まれる。)を形成する。
ラミネート処理装置20は、印刷物38の画像形成面上に、必要に応じて更にその裏面に、保護膜としてのラミネートフイルム40を貼付させた状態で、図示しない加熱ローラを用いて加熱・加圧処理を施すことにより、印刷物38の画像形成面が保護された保護膜付印刷物42を形成する。
メディア36の基材には、合成紙・厚紙・アルミ蒸着紙等の紙類、塩化ビニル・PET等の樹脂やターポリン等を用いることができる。保護膜には、ラミネートフイルム40に限られず、液体、ニス、透明インク、クリアトナー、並びにアクリル板等の保護板等を用いることができる。
測色計22は、所定の測色操作に応じて、測定対象物から測色値を取得する。ここで測色値とは、三刺激値XYZ、均等色空間の座標値L等のみならず、光波長に対する光学物性値の分布(以下、「分光データ」という。)、例えば、分光放射分布(分光分布)、分光感度分布、分光反射率又は分光透過率が含まれる。
データベースDBは、電子原稿のジョブチケット{例えば、JDF(Job Difinition Format)ファイル}、色見本データ、ターゲットプロファイル又は各メディア36に適したプロファイル等のデータ管理を行うデータベースサーバである。
このようにして得られた保護膜付印刷物42は、観察光源としての光源DSの下で、所定の場所に掲示される。
図2は、図1に示すカラーチャート38cの概略正面図である。
カラーチャート38cは、メディア36上に印刷された、色の異なる100個の略同形状のカラーパッチ44と、該カラーパッチ44の行方向及び列方向の配列位置を特定する数字列46及びアルファベット文字列48と、前記カラーチャート38cの印刷条件を識別する情報からなる印刷情報50とから構成される。
各カラーパッチ44は、縦方向には10個のカラーパッチ44が隙間なく配置され、横方向には10個のカラーパッチ44が所定間隔の隙間を設けながら配置されている。各カラーパッチ44の色は、CMYK値の各信号レベルの範囲(百分率では0%〜100%、8ビット階調である場合は0〜255)の所定の値が設定されている。
数字列46は、上から順に(01)〜(10)の文字列として、各カラーパッチ44の左方部にその位置に対応するように設けられている。一方、アルファベット文字列48は、左から順番に(A)〜(J)の文字列として、各カラーパッチ44の上方部にその位置に対応するように設けられている。
印刷情報50には、印刷機18の機種、シリアル番号若しくは登録名、後述する印刷モード、メディア36の種類、印刷日時等が印刷されている。
図3は、本実施の形態に係る画像処理装置16の機能ブロック図である。なお、電子原稿は白抜実線矢印の方向に、カラーチャート38c用の画像データは白抜破線矢印の方向に、その他の各種データは実線矢印の方向にそれぞれ供給されることを表す。
画像処理装置16の本体24は、編集装置14側から供給される電子原稿を入力するI/F52と、該I/F52を介して供給された電子原稿のPDL形式をラスタ形式に展開するRIP54(ラスタイメージングプロセッサ)と、該RIP54により展開された電子原稿のCMYK値(あるいはRGB値)に対して所定の色変換処理を施して新たなCMYK値の画像データを得る色変換処理部56と、該色変換処理部56により色変換されて得られた新たなCMYK値の画像データを印刷機18に適した印刷制御信号(インク射出制御データ)に変換する印刷機ドライバ58と、該印刷機ドライバ58により変換された印刷制御信号を印刷機18側に出力するI/F60とを備える。
また、本体24は、印刷機18毎にプロファイルを管理する色管理部62と、カラーチャート38cを印刷するための画像データを生成する画像データ生成部64と、メディア36、ラミネートフイルム40又は光源DSの分光データを外部装置から取得するデータ取得部65と、所定の数理モデルに基づく関係からラミネートフイルム40の光学物性値を推定する光学物性値推定部66と、各種変数に基づいてラミネートフイルム40の光学物性値を試算するシミュレーション部67と、表示装置26との接続を可能とするI/F68と、入力装置28(マウス30及びキーボード32)との接続を可能とするI/F70と、測色計22との接続を可能とするI/F72と、可搬型メモリ34との接続を可能とするI/F74とを備える。
なお、測色計22は、少なくとも3種類の標本印刷物(詳細は後述する。)等の分光反射率を取得する標本データ取得部75として機能する。
さらに、本体24は、その内部の各構成要素から供給される各種データを記憶し、あるいは記憶している各種データを各構成要素に供給する記憶部76を備えている。該記憶部76は、RIP54と、色変換処理部56と、色管理部62と、画像データ生成部64と、データ取得部65と、光学物性値推定部66と、シミュレーション部67と、I/F68と、I/F70と、I/F72と、I/F74とにそれぞれ接続されている。
なお、色変換処理部56は、デバイス依存データからデバイス非依存データに変換する目標プロファイル処理部78と、デバイス非依存データからデバイス依存データに変換する印刷プロファイル処理部80とを備える。ここで、デバイス依存データとは、各種デバイスを適切に駆動するためのCMYK値、RGB値等で定義されるデータである。また、デバイス非依存データとは、HSV(Hue−Saturation−Value)、HLS(Hue−Lightness−Saturation)、CIELAB、CIELUV、XYZ等の表色系で定義されるデータである。
なお、色管理部62は、印刷機18毎に目標プロファイルを生成する目標プロファイル生成部82と、印刷機18毎に印刷プロファイルを生成する印刷プロファイル生成部84とを備える。
また、RIP54は、電子原稿のラスタ形式化の際に、印刷機18の解像度等に対応した画像拡縮処理や、印刷フォーマットに対応した回転・反転処理等の種々の画像処理を行うことができる。
さらに、印刷機ドライバ58は、CMYK値からインク各色(CMYK、LC、LM、又はW)に対応するインク射出制御用データを作成する。このインク射出制御用データは、印刷機18のインク射出動作(ON・OFFやインクドット径の大小等)を適切に制御するためのデータである。その際、8ビット多階調画像から2値画像等の低階調画像への変換を要するが、ディザマトリクス法や誤差拡散法等の公知のアルゴリズムを用いることができる。
さらに、目標プロファイル処理部78又は印刷プロファイル処理部80は、印刷機18の印刷モードに応じてプロファイルを補正することができる。ここで、印刷モードとは、印刷ヘッドのノズル数、印刷ヘッドの走査時におけるインク射出タイミング(片方向/双方向)、パス数、搭載インク色数及びその種類、インク射出制御用データ作成のアルゴリズム等の、印刷に関する各種設定をいう。
さらに、CPU等で構成される図示しない制御部は、この画像処理に関するすべての制御を行う。すなわち、本体24内部の各構成要素の制御(例えば、記憶部76のデータ読出し・書込み)のみならず、I/F68を介して表示装置26に表示制御信号を送信する制御や、I/F72を介して測色計22から測色データを取得する制御等も含まれる。
本実施の形態に係る画像処理装置16は以上のように構成され、上述した各画像処理機能は、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)上で動作する、例えば記憶部76に記憶された応用ソフトウェア(プログラム)を用いて実現することができる。
なお、上記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、図1の可搬型メモリ34)に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。
図4は、図3に示す印刷プロファイル生成部84の機能ブロック図である。
印刷プロファイル生成部84は、データ選択部86と、測色値推定部88と、LUT生成部90(プロファイル生成部)とから基本的に構成される。
データ選択部86は、記憶部76から読み出された、設定データ100とメディアの分光データ群102とに基づいて、プロファイル生成条件におけるメディアの分光データ(以下、第1の分光データ112という。)を選択する。データ選択部86は、記憶部76から読み出された、設定データ100とラミネートフイルムの分光データ群104とに基づいて、プロファイル生成条件におけるラミネートフイルムの分光データ(以下、第2の分光データ114という。)を選択する。データ選択部86は、記憶部76から読み出された、設定データ100と観察光源の分光データ群106とに基づいて、プロファイル生成条件における観察光源の分光データ(以下、第3の分光データ116という。)を選択する。ここで、設定データ100は、作業者により設定されるメディア36、ラミネートフイルム40及び光源DSの種類であり、プロファイル生成条件に関する設定データである。
測色値推定部88は、データ選択部86により選択された第1、第2及び第3の分光データ112、114及び116に基づいて、プロファイル生成条件における測色値データ120を推定する。
LUT生成部90は、測色値推定部88により推定された測色値データ120と、各カラーパッチ44(図2参照)に対応するCMYK値データ122とに基づいて、プロファイル生成条件におけるLUT124を生成する。
本実施の形態では、100個のカラーパッチ44(パッチ番号は0〜99)に対するそれぞれの分光データが設けられており、光波長はλ〜λ41である41点のデータを有している。例えば、λ=400nm、……、λ41=800nmの10nm間隔とすることができる。
図5は、図4に示す測色値推定部88の機能ブロック図である。
測色値推定部88は、分光反射率予測部88aと、Lab演算部88b(測色値算出部)とから基本的に構成される。
分光反射率予測部88aは、データ選択部86から供給された第1及び第2の分光データ112、114に基づいて、後述するクベルカ・ムンク(以下、「Kubelka−Munk」という。)モデルを適用して保護膜付印刷物42の分光反射率(以下、第4の分光データ118という。)を予測する。
ここで、第1の分光データ112はメディア36の分光反射率であり、第2の分光データ114は、ラミネートフイルム40の各光波長に対する固有反射率、散乱係数、吸収係数(光学物性値)である。
Lab演算部88bは、データ選択部86から供給された第3の分光データ116と、分光反射率予測部88aにより予測された第4の分光データ118と、図示しない等色関数(標準的な観測者の視覚特性を考慮した分光データ)とに基づいて、プロファイル生成条件における測色値データ120を算出する。
図6A〜図6Dは、プロファイル生成条件の設定画面の一例を示す図である。
設定画面130には、上から順番に、3個のプルダウンメニュー132、134、136と、テキストボックス138と、[生成]、[中止]と表示されたボタン140、142とを備える。
プルダウンメニュー132の左方には、「メディア」なる文字列が表示されている。マウス32の所定の操作により、図6Bに示すように、プルダウンメニュー132の下方部に選択欄144が併せて表示され、その右側にスクロールバー146が設けられている。
プルダウンメニュー134の左方には、「ラミネート」なる文字列が表示されている。マウス32の所定の操作により、図6Cに示すように、プルダウンメニュー134の下方部に選択欄148が併せて表示され、その右側にスクロールバー150が設けられている。
プルダウンメニュー136の左方には、「光源」なる文字列が表示されている。マウス32の所定の操作により、図6Dに示すように、プルダウンメニュー136の下方部に選択欄152が併せて表示され、その右側にスクロールバー154が設けられている。
テキストボックス138の左方には、「プロファイル名」なる文字列が表示されている。キーボード30の所定の操作により、文字情報の入力が自在である。
本実施の形態に係る印刷システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
図7は、図1に示す印刷システム10を用いて適切な色の保護膜付印刷物42を得るためのフローチャートである。図1及び図7を参照しながら説明する。
先ず、作業者は、形成しようとする保護膜付印刷物42に関する印刷条件やその観察態様を調査する(ステップS1)。ここで、印刷条件には、印刷に使用する印刷機18の種類、メディア36の種類、ラミネートフイルム40の種類や前述した印刷モード等が含まれる。また、観察態様には、観察光源としての光源DSの属性(種類、分光データ)のみならず、観察しようとする保護膜付印刷物42の画像種別も含まれる。この画像種別として、反射画像(反射光源を主光源とする画像)、透過画像(透過光源を主光源とする画像)、又は、混合画像(反射光源及び透過光源を主光源とする画像)が挙げられる。
次いで、作業者は、印刷機18に適切なプロファイルを選定する(ステップS2)。通常、目標プロファイル又は印刷プロファイルは、本体24の記憶部76に記憶されている。印刷機18に適切なプロファイルが登録(記憶部76に記憶)されていない場合は、印刷プロファイルを別途生成することができる。
次いで、印刷機18を用いて電子原稿を印刷して印刷物38を得た後(ステップS3)、この印刷物38にラミネート処理を施す(ステップS4)。
具体的には、印刷物38の画像形成面上に(必要に応じて更にその裏面に)ラミネートフイルム40を貼付させた状態で、ラミネート処理装置20が備える図示しない加熱ローラを用いて加熱・加圧処理を施すことにより保護膜付印刷物42を得る。これにより、画像の擦過性・堅牢性を向上させることができる。
次いで、保護膜付印刷物42のカラー画像の色を評価し(ステップS5)、画像の色が適切か否かを判断する(ステップS6)。所望の色合いが得られたか否かについての評価方法としては、画像の全体的外観又は部分的外観に着目し、作業者等の目視により良否を判断する方法、あるいは、測色計22を用いて保護膜付印刷物42の所定の箇所を測色し、その値が所望の範囲内に収まるか否かで判断する方法等が使用される。
この画像評価の結果、保護膜付印刷物42の画像の色が適切でないと判断された場合は、プロファイルの変更を行うことにより色の微調整を行う(ステップS7)。この具体的方法としては、プロファイルの再設定・再生成、プロファイルの微調整(現在設定されているプロファイルの補正)、又は電子原稿の印刷データの補正が挙げられる。
以下、印刷と評価を繰り返すことにより(ステップS3〜S7)、所望の色の保護膜付印刷物42が得られる。
ここで、電子原稿の印刷(ステップS3)の際の、画像処理装置16による画像処理の流れについて、図3を参照しながら詳細に説明する。
編集装置14から供給された電子原稿(PDL形式)が、ネットワーク12及びI/F52を介して画像処理装置16に入力されると、前記電子原稿は、RIP54によりそれぞれ8ビットのCMYKラスタ形式(デバイス依存の画像データ)に展開され、目標プロファイル処理部78によりL(デバイス非依存の画像データ)に変換され、印刷プロファイル処理部80によりCMYK値(デバイス依存の画像データ)に変換され、印刷機ドライバ58により印刷制御信号(すなわち、インク射出制御データ)に変換され、I/F60を介して印刷機18に供給される。その後、印刷機18により所望の印刷物38が印刷される。
なお、複数の設定条件に対応する目標プロファイル及び印刷プロファイルが記憶部76に予め記憶されている。そして、予め設定された各種条件に応じて、一の目標プロファイル及び一の印刷プロファイルが目標プロファイル処理部78及び印刷プロファイル処理部80に選択的に供給される。ここで、各プロファイルに対して印刷機18の印字モード等を加味した補正を適宜行うように構成すれば、さらに適切な色変換処理を行うことができる。
以上、本実施の形態に係る印刷システム10を用いて適切な保護膜付印刷物42を得るためのワークフローの概略を説明した。次いで、プロファイルの生成方法(ステップS2)について、図8に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
先ず、作業者は、印刷に用いられるメディア36の種類が登録されているか否かを確認する(ステップS21)。
もし、登録されていなければ、そのメディア36の分光データを取得する(ステップS22)。一例として、作業者は、分光データが格納された可搬型メモリ34を準備し、画像処理装置16の本体24に接続する。そうすると、自動又は手動により分光データが新たに記憶部76に記憶される。また、データベースDB(図1参照)に分光データを管理させておき、必要に応じて該データベースDBから所望の分光データを取得できる構成であってもよい。例えば、所望の分光データは、データベースDBから読み出され、ネットワーク12及びI/F52を介して、データ取得部65により取得され、記憶部76により一時的に記憶される。
さらに、本体24に接続された測色計22を用いて、メディア36の分光データを直接取得することができる。この取得方法について、主に図3を参照しながら説明する。
作業者は、表示装置26に表示された図示しない設定画面上からカラーチャート38cの印刷の要求を行う。すると、本体24の画像データ生成部64によりカラーチャート38cを印刷するための画像データ(CMYK値)が生成され、印刷機ドライバ58に供給され、電子原稿の印刷と同様の動作により印刷機18側に供給される。このように、カラーチャート38c(図2参照)が印刷される。
なお、各カラーパッチ44の画素値に対応するCMYK値データ122(図4参照)は、予め記憶部76に記憶されており、画像データの生成の際に前記記憶部76から読み出される。
作業者は、ラミネート処理装置20によるラミネート処理を行わずに、画像処理装置16に接続された測色計22を用いて、カラーチャート38c(図2参照)の各カラーパッチ44の分光データを測定する。例えば、図2のように、数字列46及びアルファベット文字列48で示される(A)列の(01)〜(10)、(B)列の(01)〜(10)のように、各カラーパッチ44を測色する順番を予め決定しておくことが好ましい。作業者による測色完了の通知に基づいて、各カラーパッチ44に対応する分光データが、I/F72を介して、メディア36の種類と関連付けて記憶部76に記憶される(図3参照)。
この分光データを保存した後、図6Bに示すプルダウンメニュー132の選択欄144から新たなメディア36の種類として選択できるようになる。なお、本図では、[PVC(A)](ここで、「PVC」は、ポリ塩化ビニル(PolyVinyl Chloride)を意味する。)が設定されている。
このようにして、メディア36の種類が設定される(ステップS23)。
次いで、作業者は、印刷物38に設ける予定のラミネートフイルム40の種類が登録されているか否かを確認する(ステップS24)。登録されていなければ、そのラミネートフイルム40の分光データを取得する(ステップS25)。上述のように、分光データが格納された可搬型メモリ34又はデータベースDBから取得することができる。また、光学物性値推定部66(図3参照)により推定されたラミネートフイルム40の分光データを取得することもできる。
この分光データを保存した後、図6Cに示すプルダウンメニュー134の選択欄148から新たなラミネートフイルム40の種類として選択できるようになる。なお、本図では、[マットB](ここで、「マット」(MATT)は無光沢フイルムを意味する。)が設定されている。
このようにして、ラミネートフイルム40の種類が設定される(ステップS26)。
次いで、作業者は、観察下の光源DSの種類が登録されているか否かを確認する(ステップS27)。登録されていなければ、その光源DSの分光データを取得する(ステップS28)。上述のように、分光データが格納された可搬型メモリ34又はデータベースDBから取得することができる。
この分光データを保存した後、図6Dに示すプルダウンメニュー136の選択欄152から新たな光源DSの種類として選択できるようになる。なお、本図では、[A](光源)が設定されている。
このようにして、観察下の光源DSの種類が設定される(ステップS29)。
最後に、ステップS23で設定されたメディア36の種類と、ステップS26で設定されたラミネートフイルム40の種類と、ステップS29で設定された光源DSの種類とからなる各々のプロファイル生成条件を保存する(ステップS30)。
作業者は、図6Aにおいて、生成・登録しようとするプロファイル名をテキストボックス138に入力した後、[生成]ボタン140を押下する。そうすると、それぞれの設定データ100は、本体24側に入力され、記憶部76に自動的に記憶される。
その後、図4に示すように、記憶部76から供給された設定データ100、メディアの分光データ群102、ラミネートフイルムの分光データ群104及び観察光源の分光データ群106の中から、設定データ100と対応付けられた第1、第2及び第3の分光データ112、114、及び116がデータ選択部86により選択される。
さらに、図5に示すように、測色値推定部88の一部を構成する分光反射率予測部88aにより、第1及び第2の分光データ112、114に基づいて、Kubelka−Munkモデルを適用して第4の分光データ118(すなわち、保護膜付印刷物42の分光反射率)が予測される。
具体的には、以下の(1)式に基づいて、保護膜付印刷物42の分光反射率Rが予測される。なお、各変数とも光波長毎の関数であるが、説明の便宜のため省略する。
R=[(R−R)/R−R(R−1/R)exp{Sx(1/R−R)}]/[(R−R)−(R−1/R)exp{Sx(1/R−R)}] …(1)
ここで、[R]は印刷物38単体の分光反射率(第1の分光データ112)、[R]はラミネートフイルム40の分光固有反射率、[S]はラミネートフイルム40の単位厚さ当たりの散乱係数、[x]はラミネートフイルム40の厚さを表す(“New Contribution to the Optics of Intensely Light−Scattering Materials.Part I”,JOURNAL OF THE OPTICAL SOCIETY OF AMERICA,VOLUME38、NUMBER5,PP,448−457,MAY,1948 参照)。
Lab演算部88bにより、第3の分光データ116及び第4の分光データ118に基づいて、プロファイル生成条件における測色値データ120が算出される。ここで、プロファイル生成条件における測色値データ120は、実測データに基づいて推定された、光源DSの下で保護膜付印刷物42を観察する場合におけるLである。
具体的には、各カラーパッチ44の三刺激値XYZは、光源DSの分光放射分布と、保護膜付印刷物42の分光反射率と、等色関数とを乗算し、可視光波長の範囲内で積分した値に相当する。この三刺激値XYZと所定の演算式に基づいて、測色値データ120としての各カラーパッチ44のLが算出される。本実施の形態では、100個のカラーパッチ44をそれぞれ測定したので、100組のLが得られる。
そして、図4に示すLUT生成部90により、100組の測色値データ(L)120及び100組のCMYK値データ122との対応関係に基づいて3次元データ(L)を4次元データ(CMYK)に変換するLUT124が生成される。
つまり、LUT生成部90により、比較的少数(100色)の保護膜付印刷物42の分光反射率に基づいて、色変換テーブルの各格子点に対応する各分光反射率が決定される。なお、各格子点とは、例えば、色差の間隔がΔe=5として、L空間上にメッシュ状に形成された多数の測色値列である。その後、LUT生成部90により、該各分光反射率に基づいて保護膜付印刷物42のプロファイル(LUT124をデータとして含む。)が生成される。
このように構成しているので、メディア36、ラミネートフイルム40及び光源DSの単体の分光データを一度取得すれば、保護膜付印刷物42その物を形成することなく印刷プロファイルを推定できる。これにより、プロファイル生成のための一連の作業の回数を低減することができる。この一連の作業とは、印刷機18によるカラーチャート38cの印刷作業(待ち時間を含む。)、ラミネート処理装置20によるラミネート処理作業、測色計22による測色作業である。
例えば、メディア36の種類がN通り、ラミネートフイルム40の種類がN通り、光源DSの種類がN通りの組み合わせが存在する場合、従来のプロファイル生成方法では(N×N)回の印刷及びラミネート処理と(N×N×N)回の測色を要するのに対し、本発明に係るプロファイル生成方法ではラミネート処理が一切不要であり、且つ、N回の印刷及び測色で済む。特に、N、N及びNの組み合わせの総数が多いほど、より顕著な効果が得られる。
なお、各プロファイル生成条件に対応する印刷プロファイルを予め記憶部76に記憶しておき、電子原稿の印刷要求の際に、設定条件に応じて印刷プロファイルを選択的に読み出す構成を採っている。そうすれば、一度生成した印刷プロファイルを再度生成する必要がなくなるので、画像処理に要する演算時間を短縮できる。
一方、電子原稿の印刷要求の都度、印刷の設定条件に対応する印刷プロファイルを生成し、該印刷プロファイルを色変換処理部56に供給する構成を採ってもよい。そうすれば、記憶部76に記憶するデータ量を低減することができる。
以上、本実施の形態に係るプロファイルの生成方法(図7及び図8のステップS2)のフローチャートの概略を説明した。次いで、ラミネートフイルム40の光学物性値の推定方法について、図9〜図11を参照しながら詳細に説明する。
ラミネートフイルム40の光学物性値であって、且つ、未知の変数であるR(固有反射率)及びSx(散乱係数)を実験的に推定する方法を具体的に説明する。
図9Aは、ラミネートフイルム40の光学物性値を推定するために作製された測定試料300の概略断面図である。
測定試料300は、白色の不透明体からなる分光反射率Rg(第1分光反射率)の基材302と、黒色材304と、測定対象としてのラミネートフイルム40とから構成される。ここで、基材302として未印字のメディア36を用いるとともに、黒色材304として印刷機18の色材(例えば、インク)を用いる。そうすると、印刷色を予測しようとする印刷物38(及び保護膜付印刷物42)を模擬した測定試料300を作製できる。以下、測定試料300のうち、光学濃度(以下、単に濃度という。)が略均一である各部位をそれぞれ標本印刷物という。
作業者は、標本データ取得部75としての測色計22を用いて、測定試料300の各部位の分光反射率を測定する。その結果、基材302上にラミネートフイルム40を被覆したときの分光反射率をR(第2分光反射率)、前記基材302上に黒色材304を設けたときの分光反射率をRg(第1分光反射率)、前記基材302上に前記黒色材304を介してラミネートフイルム40を被覆したときの分光反射率をR(R>R;第2分光反射率)とする測定値が得られたとする。
この測定値は、図3に示す画像処理装置16(本体24)が備えるI/F72を介して、記憶部76に一旦記憶される。その後、光学物性値推定部66に供給され、以下に示す数式にしたがってのような演算処理が行われる。
ラミネートフイルム40の固有反射率Rは、数学的解析により、
={C−√(C−4)}/2 …(2)
C={(R+Rg)(R・Rg−1)−(R+Rg)(R・Rg−1)}/(R・Rg−R・Rg) …(3)
として算出される(紙の特集:「たかが紙、されど紙、やはり紙」、“紙の特性と評価方法及び規格の動向” (2004、日本画像学会誌150) 参照)。なお、R<Rの場合は(3)式の添字1及び2を逆にする。
ここで、固有反射率Rは、測定試料300が無限の厚みを有すると仮定した場合の反射率である。したがって、同一種類のラミネートフイルム40を多数枚重ねることが可能である場合、十分な厚みを有する測定試料300を形成することで、固有反射率Rを直接測定して求めてもよい。
次いで、実測値R(n=1又は2)と、実測値Rg(n=1又は2)と、(2)式で算出したRとを用いて、ラミネートフイルム40の散乱係数S及び厚さxは、
S・x=ln[{(R−Rg)(1/R−R)}/{(R−R)(1/R−Rg)}]/(1/R−R) …(4)
として算出できる(「色彩再現の基礎と応用技術」88ページ(21)式(トリケップス)参照)。
ここで、Sは単位厚さ当たりの散乱係数であり、xはラミネートフイルム40の厚さである。散乱係数の定義に関して、説明の便宜上、Sx(=S・x)を膜厚xでの散乱係数(つまり、1つの変数)として定義するが、S、Sxのいずれを用いてもよい。また、吸収係数Kも同様である。
なお、測定試料300は、図9Bのように、白色材306wと黒色材306bとを並べて配置しておき、白色材306w及び黒色材306bを跨ぐようにラミネートフイルム40を積層する構成でもよい。そうすれば、ラミネート処理装置20(図1参照)を用いることなく測定試料300を容易に作製できる。
一方、ラミネート処理装置20を用いてラミネート処理を施して測定試料300を作製すると、保護膜付印刷物42の実際の構成に近くなることから、ラミネートフイルム40の光学物性値の推定精度が向上する。
このように、濃度が異なる2種類の標本印刷物(例えば、白色材306w、黒色材306b)とラミネートフイルム40とを組み合わせた測定試料300を用いて、ラミネートフイルム40の光学物性値(固有反射率R及び散乱係数Sx)を推定することができる。
しかし、上記した2種類の標本印刷物(図9A及び図9B参照)とは異なる濃度を有する標本印刷物を用いた場合、表面物性等の差異の影響により、この光学物性値がそのまま適用できない可能性がある。すなわち、ラミネートフイルム40と標本印刷物の濃度との組み合わせ如何によっては、光学物性値に差異が生じ、ひいては色再現精度が保証できないおそれがある。
そこで、この推定に最低限必要である2種類ではなく、n(n>2)種類の標本印刷物とラミネートフイルム40とを組み合わせた測定試料300を用いて、ラミネートフイルム40の光学物性値(固有反射率R及び散乱係数Sx)を推定することがさらに好ましい。
具体的には、分光反射率Rgの異なるn種類の標本印刷物に対して、同一種類のラミネートフイルム40を被覆することで図示しない測定試料を作製する。
ラミネートフイルム40被覆前の分光反射率Rg(第1分光反射率)及びラミネートフイルム40被覆後の分光反射率R(第2分光反射率)を得た後、(1)式に基づいて、固有反射率R及び散乱係数Sxを2個の未知数とする非線形方程式を立てる。ここで、標本印刷物の種類毎に関係式(所定の数理モデル)を構築してもよい。すると、n種類の標本印刷物に関して合計n個の連立方程式が立てられる。
連立方程式の数(n個)に対して未知数は2個であることから冗長である。ここで、各方程式の関係を最も満たすような未知数を推定することができる。ここで、上述の場合のように連立方程式の解が一意に定まる場合のみならず、所定の評価関数に基づいて最適な未知数を推定することも「連立方程式を解く」ことに含まれる。
例えば、(1)式の右辺をKM(Rg,R,Sx)とするとき、
Err=Σ{R−KM(Rg,R,Sx)} …(5)
を評価関数として設け、(5)式のErrの値を最小にする(R,Sx)を推定値とすることができる。なお、Σは、i=1,……,nでの総和を表す。
(R,Sx)の推定値を求めるためには、公知の非線形最適化手法、例えば、最急降下法、ニュートン法、準ニュートン法、シンプレックス法を用いることができる。
このように、系の自由度(未知数の個数)よりも大きい整数値であるn種類の標本印刷物を用いれば、各標本印刷物の表面物性等の差異の影響による固有反射率R及び散乱係数Sxの推定ばらつき(推定誤差)を低減することができる。
なお、Saundersonの補正式等を用いて、実測された分光反射率Rを補正した上で、Kubelka−Munkモデルを適用してもよい(“Calculation of the color of pigmented plastics”,JOURNAL OF THE OPTICAL SOCIETY OF AMERICA,VOLUME32,PP,727−736,1942 参照)。
具体的には、以下の(6)式及び(7)式に示すように、実測された分光反射率R’の代わりに、ラミネートフイルム40と外部との界面で生じる光反射の影響を除外した分光反射率Rを用いることができる。ここで、rは外部からラミネートフイルム40への入射光の、ラミネートフイルム40との界面における分光反射率であり、rはラミネートフイルム40から外部への出射光の、ラミネートフイルム40との界面における分光反射率である。
’=r+(1−r)(1−r)R/(1−r)=SD(R,r,r) …(6)
=(R’−r)/{(1−r)(1−r)+r’−r}=invSD(R’,r,r) …(7)
このとき、評価関数Err’は、(5)式と同様に、以下の(8)式で与えられる。
Err’=Σ{invSD(R’,r,r)−KM(Rg’,R,Sx)} …(8)
分光反射率r及びrが既知数であれば、(8)式に直接代入して用いることができる。また、分光反射率r及びrが未知数であれば、他の未知数(R,Sx)と同様に推定することができる。すなわち、(8)式のErr’の値を最小にする(R,Sx,r,r)を推定することができる。
この補正により、ラミネートフイルム40と外部との界面における光反射がさらに考慮されるので、保護膜付印刷物42の分光反射率をさらに高精度に予測できる。
さらに、固有反射率R、散乱係数S及び吸収係数Kの間には、
K/S=(1−R/2R …(9)
の関係があることから、固有反射率Rや散乱係数S(又はSx)ではなく、吸収係数K(又はKx)を用いてもよい。これら3つの光学物性値のうちいずれか2つの値が決定されると、もう1つの値が一意に定まるからである。
図10A及び図10Bは、本実施の形態で示した推定方法を用いて、ラミネートフイルム40の光学物性値を推定した結果を示すグラフである。なお、測定試料300は図9Aに示す構成を採っており、ラミネートフイルム40にはマット性(無光沢性)の素材を使用した。
図10Aは、横軸が光波長(単位:nm)であり、縦軸が反射率(0〜1)の実測値であるグラフを表す。反射率が高い方から順に、Rg、R、R及びRgがプロットされている。
図10Bは、図10Aの実測結果に基づいて、(1)〜(5)式を用いて推定された光学物性値である。この図は、横軸が光波長(単位:nm)であり、縦軸が各光学物性値の推定値であるグラフを表す。光波長が500nmの付近で値が高い方から順に、固有反射率R、吸収係数Kx及び反射係数Sxがプロットされている。
図11は、図10Bに示す各光学物性値の推定値に基づいて得られた保護膜付印刷物42の測色値(予測値)と、その現物の実測値との比較を表す説明図である。図11のグラフは、L空間におけるa平面(すなわち、横軸はa、縦軸はbである二次元座標系)を表す。
第1のサンプルは、CMYK値をC=0%、M=70%、Y=70%、K=0%と設定し、印刷機18により形成されたべた画像である。具体的には、MY(1)は印刷物38の実測値、MY(2)は保護膜付印刷物42の実測値、MY(3)は保護膜付印刷物42の予測値をそれぞれプロットしたものである。いずれもa平面の第1象限に位置する。
第2のサンプルは、CMYK値をC=70%、M=0%、Y=70%、K=0%と設定し、印刷機18により形成されたべた画像である。具体的には、CY(1)は印刷物38の実測値、CY(2)は保護膜付印刷物42の実測値、CY(3)は保護膜付印刷物42の予測値をそれぞれプロットしたものである。いずれもa平面の第2象限に位置する。
第3のサンプルは、CMYK値をC=70%、M=70%、Y=0%、K=0%と設定し、印刷機18により形成されたべた画像である。具体的には、CM(1)は印刷物38の実測値、CM(2)は保護膜付印刷物42の実測値、CM(3)は保護膜付印刷物42の予測値をそれぞれプロットしたものである。いずれもa平面の第4象限に位置する。
比較の結果、保護膜付印刷物42の予測値と実測値との色差は、1.3〜1.6の範囲であった。この予測誤差は、ラミネートフイルム40の有無によって生じる色差の変動(5.5〜7.1の範囲)と比べて相対的に小さいといえる。
シミュレーション部67(図3参照)を介して、高輝度・高精細モニタである表示装置26に予測色を表示させてもよい。これにより、作業者は、実際に印刷をすることなく見え方の予測・評価等をすることができる。
このように、本実施の形態の推定方法を用いることにより、簡便に且つ高精度に保護膜付印刷物42の印刷色を予測することができる。
なお、ラミネートフイルム40の光学物性値は、種々の数理モデルに基づく関係から推定することができる。例えば、線形モデルでも非線形モデルでもよく、LUT等のデータ構造で関連付けられるものであってもよい。
また、前記光学物性値の推定方法は、上記した連立方程式を解く手法に限定されることなく、モンテカルロ法、ニューラルネットワーク、ブースティングアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム等を適用してもよい。
ところで、例えば(1)〜(5)式に示すように、Kubelka−Munkモデルにおいて、固有反射率R、散乱係数Sx等の光学物性値は、印刷物38の分光反射率Rgによらず一定の値であることが前提となる。
図12Aは、ラミネートフイルム40の被覆前後にわたる印刷物38の分光反射率Rgの変化量ΔRg(=R−Rg)を示す典型的なグラフである。本グラフの横軸は、ラミネートフイルム40の被覆前における印刷物38の分光反射率Rgである。本グラフの縦軸は、ラミネートフイルム40の被覆前後にわたる印刷物38の分光反射率の変化量ΔRgである。
図12Aに示すグラフの各プロットは、図2のカラーチャート38c上の各カラーパッチ44の分光反射率Rgを測定した結果を表している。変化量ΔRgは、分光反射率Rgに略比例して減少している。この傾向は、数値計算を用いて理論的に得られるプロットの傾向に合致する。
多くの種類のメディア36では、光波長λに関わらず、図12Aに示す傾向に合致する測定結果が得られる。しかし、メディア36の種類、ラミネートフイルム40及び光波長λの組合せによっては、図12Aと異なる傾向を示す場合がある。すなわち、ラミネートフイルム40の光学物性値は、理想的には印刷物38の印刷濃度に依存しない数値であるが、印刷物38への被覆下において前記光学物性値が変化する場合があるといえる。以下、その一例を示す。
図12Bは、図12Aと同様に定義されるグラフである。図12Bに示すように、分光反射率Rgの増加に伴って、変化量ΔRgは、図12Aと比べて急激に低下する。そして、変化量ΔRgの極小値Rg=0.6付近を境界として、変化量ΔRgは、分光反射率Rgの増加に伴って増加する特性を有する。この測定に用いたメディア36及びラミネートフイルム40の組合せ例において、λ=400nm付近で図12Bに示す傾向が得られた。なお、その他の光波長λ(可視光)の範囲では、図12Aに近い傾向が得られた。
この場合、分光反射率Rg=0.6付近(図12B参照)では、数値計算により得られる変化量ΔRgの理論値(破線)と、実際の印刷物38での変化量ΔRgの実測値(実線)とが乖離している。その誤差により、分光反射率Rg=0.6付近に相当する印刷色の予測精度が低下するという懸念がある。
そこで、印刷物38の分光反射率Rgに応じたラミネートフイルム40の光学物性値(複数組)を用いて、Kubelka−Munkモデルを適用することで、保護膜付印刷物42の分光反射率(ひいては印刷色)の予測精度を一層向上できる。
ここで、本発明に係る改良されたKubelka−Munkモデルにおいて、保護膜付印刷物42の分光反射率Rは、印刷物38の分光反射率Rg、ラミネートフイルム40の固有反射率R及び散乱係数Sxを用いて、以下の(10)式で表される。
R=KM{Rg,R(Rg),Sx(Rg)} …(10)
この改良モデルでは、固有反射率R及び散乱係数Sxはそれぞれ、分光反射率Rgの関数であるとして取り扱う点が、上記した(1)式と異なっている。なお、本式は、(1)式の場合と同様に、光波長λ毎に構築されることは言うまでもない。
図13は、本実施の形態に係る測定試料400のさらなる一例を示す概略正面図である。測定試料400は、印刷で色再現しようとする印刷機18を用いて印刷された印刷物38上の一部に、ラミネートフイルム40が被覆されている。
測定試料400には、所定の印刷により4種類の標本印刷物が形成されている。すなわち、メディア36上には、矩形状の無印字領域402(標本印刷物)と、無印字領域402と略同サイズの第1領域404(標本印刷物)、第2領域406(標本印刷物)及び第3領域408(標本印刷物、黒色の標本印刷物)とが設けられている。第1領域404、第2領域406及び第3領域408は、いずれも所定の色で均一に塗り潰されている。無印字領域402、第1領域404、第2領域406及び第3領域408の順に、濃度が高い色で着色されている。特に、第3領域408は、印刷機18及びメディア36の組合せにおいて印刷可能な最高濃度(最低明度)か、その近傍の無彩色(例えば、L<10)で着色されている。
そして、無印字領域402、第1領域404、第2領域406及び第3領域408の下側領域を跨ぐように、1枚のラミネートフイルム40がメディア36上に貼付されている。
図14Aは、図13の測定試料400の色の設計値の一例を示す表である。表中の各数字は、印刷での網点面積率(0〜100%)を表す。
図14A例では、K色のインクのみを用いた印刷により、第1領域404、第2領域406及び第3領域408、すなわちグレー系統の複数種類の標本印刷物が形成される。このように、各領域の彩度を一定(略0である。)にしつつ、各領域の明度Lが適切な間隔(例えば、等間隔)になるように設計してもよい。
また、印刷機18の種類に応じて色(図14Aの網点面積率の値)又は種類数(図14Aの表の行数)の少なくとも一方を変更させてもよい。
図14Bは、図13の測定試料400の色の設計値における別の一例である。C色、M色及びY色のインクをそれぞれ同量用いた印刷により、第1領域404及び第2領域406が形成される。さらに、C色及びK色のインクをそれぞれ100%相当量(最大射出量)だけ用いた印刷により、濃度が最も高い(分光反射率Rgが最も低い)第3領域408が形成される。
ここで、第1領域404及び第2領域406の場合と同様に、C色、M色及びY色のインクをそれぞれ100%相当量(総量は300%に相当)だけ用いると、メディア36はインクを十分に吸収できず、インクの溢れが生じるおそれがある。その結果、所望の標本印刷物(第3領域408)を形成できないため、分光反射率Rが低い領域における、ラミネートフイルム40の光学物性値の推定精度を損ねるおそれがある。
そこで、図14B例に示すように、インクの総量が200%以内に収まるように色を選択することで、ラミネートフイルム40の光学物性値の推定精度の低下を防止できる。印刷方式を問わず、印刷機18の種類に応じて適切な色を選択してもよいことは言うまでもない。
図13に戻って、このように形成された測定試料400の測定箇所M10〜M13は、無印字領域402、第1領域404、第2領域406及び第3領域408の上側領域(すなわち、ラミネートフイルム40を被覆しない領域)である。この測定箇所M10〜M13での分光反射率Rgは、Rg0〜Rg3(第1分光反射率)にそれぞれ対応する。
一方、測定箇所M20〜M23は、無印字領域402、第1領域404、第2領域406及び第3領域408の下側領域(すなわち、ラミネートフイルム40を被覆した領域)である。この測定箇所M20〜M23での分光反射率Rは、R0〜R3(第2分光反射率)にそれぞれ対応する。
次いで、作業者は、分光反射率Rgの異なる4種類の標本印刷物(無印字領域402、第1領域404、第2領域406及び第3領域408)のうち複数種類の標本印刷物を抽出することで、Kubelka−Munkモデルでの推定に用いる標本印刷物の組合せ(以下、「標本組合せ」という。)を複数組選択する。本実施の形態では、標本組合せは2種類からなり、採り得る総数6組の中から、前記推定に用いる3組の標本組合せを選択する。この標本組合せは、記憶部76に予め記憶された組合せであってもよい。
なお、測定試料400に少なくとも3種類の標本印刷物が設けられていれば、複数組の標本組合せが選択可能である。また、標本組合せを構成する標本印刷物の種類数は2種類に限られず、3種類以上であってもよい。
第1例では、標本組合せを構成する2種類の標本印刷物のうち、分光反射率Rgが最も低い標本印刷物(図13例では第3領域408)が必ず含まれるように、すなわち、第3領域408と、他の3種類の標本印刷物との組合せがそれぞれ選択されている。具体的には、[A組]無印字領域402及び第3領域408、[B組]第1領域404及び第3領域408、並びに[C組]第2領域406及び第3領域408の組合せが選択されている。
第2例では、分光反射率Rgが近接する標本印刷物同士が選択されている。具体的には、[A組]無印字領域402及び第1領域404、[B組]第1領域404及び第2領域406、並びに[C組]第2領域406及び第3領域408の組合せが選択されている。
そして、選択された標本組合せ毎に、上記したKubelka−Munkモデル{(1)〜(5)式参照}に基づいて、ラミネートフイルム40の光学物性値(固有反射率R、散乱係数Sx)を推定する。
その結果、[A組]の標本組合せを用いて、推定された固有反射率及び散乱係数をそれぞれR0、Sx0とする。また、[B組]の標本組合せを用いて、推定された固有反射率及び散乱係数をそれぞれR1、Sx1とする。さらに、[C組]の標本組合せを用いて、推定された固有反射率及び散乱係数をそれぞれR2、Sx2とする。
以下、推定されたラミネートフイルム40の光学物性値(3組の離散値)から、任意の分光反射率Rgに応じたラミネートフイルム40の光学物性値を推定する方法について、図15及び図16を参照しながら説明する。
図15は、印刷物38(標本印刷物)の分光反射率Rgに対する固有反射率Rの推定例を表すグラフである。このグラフは、上記した第1例(第3領域408が必ず選択される方式)に適した推定方法に対応する。
本グラフ中のプロット(点P0〜P3)は、Kubelka−Munkモデルに基づいて推定された各データを表す。具体的には、点P0は、測定箇所M10(図13参照)での分光反射率Rg0と、測定箇所M20での分光反射率R0と、測定箇所M13での分光反射率Rg3と、測定箇所M23での分光反射率R3とを用いて推定されたプロット(Rg0、R0)である。
点P1は、測定箇所M11での分光反射率Rg1と、測定箇所M21での分光反射率R1と、分光反射率Rg3と、分光反射率R3とを用いて推定されたプロット(Rg1、R1)である。
点P2は、測定箇所M12での分光反射率Rg2と、測定箇所M22での分光反射率R2と、分光反射率Rg3と、分光反射率R3とを用いて推定されたプロット(Rg2、R2)である。
図15に示すように、点P0と点P1との間、及び点P1と点P2との間では、直線補間演算により、印刷物38の分光反射率Rgに応じた固有反射率R(Rgの関数)が推定される。また、点P0〜P3の範囲外では、各端点P0(P3)と等値になるようにそれぞれ外挿される。すなわち、Rg≧Rg0を満たす場合はR=R0として推定され、Rg≦Rg2を満たす場合は、R=R2として推定される。
図16は、印刷物38(標本印刷物)の分光反射率Rgに対する固有反射率Rの推定例を表すグラフである。このグラフは、上記した第2例(近接する標本印刷物同士が選択される方式)に適した推定方法に対応する。
本グラフ中の点P0〜P3は、Kubelka−Munkモデルに基づいて推定された各データを表す。具体的には、点P0は、測定箇所M10(図13参照)での分光反射率Rg0と、測定箇所M20での分光反射率R0と、測定箇所M11での分光反射率Rg1と、測定箇所M21での分光反射率R1とを用いて推定されたプロット(Rg0、R0)である。
点P1は、分光反射率Rg1と、分光反射率R1と、測定箇所M12での分光反射率Rg2と、測定箇所M22での分光反射率R2とを用いて推定されたプロット(Rg1、R1)である。
点P2は、分光反射率Rg2と、分光反射率R2と、測定箇所M13での分光反射率Rg3と、測定箇所M23での分光反射率R3とを用いて推定されたプロット(Rg2、R2)である。
図16に示すように、点Q1は、点P0と点P1との中点である。点Q2は、点P1と点P2との中点である。そして、点Q1と点Q2との間では、直線補間演算により、印刷物38の分光反射率Rgに応じた固有反射率R(Rgの関数)が推定される。また、点Q1〜Q2の範囲外では、各端点Q1(Q2)と等値になるようにそれぞれ外挿される。すなわち、Rg≧(Rg0+Rg1)/2を満たす場合は、Rは一定値(=R0)として外挿され、Rg≦(Rg1+Rg2)/2を満たす場合は、Rは一定値(=R2)として外挿される。
なお、少なくとも3組の離散値を用いた内挿(補間)及び外挿(補外)方法は、図15及び図16に例示した方法(1次補間)に限ることなく、3次補間等の多次元補間等、公知の手法を種々採り得る。また、補間演算に限らず、B−スプライン又はベジエ曲線等の近似曲線、あるいは最小2乗法を含む多変数解析を用いた回帰曲線を用いてもよい。特に、少なくとも3次の多項式で近似することが精度上好ましい。
また、分光反射率Rgに対する固有反射率Rの特性曲線を実測により予め求めておき、前記特性曲線の各変曲点に相当する位置に点P0〜P3をそれぞれ配置することが好ましい。そこで、メディア36の種類に応じて、図13の測定箇所M10〜M13の色(図14に示す網点面積率の値)又は測定箇所の数(図14Aに示す表の行数)の少なくとも一方を変更させてもよい。換言すれば、メディア36の種類に応じて、標本印刷物の色又は種類数の少なくとも一方を変更させた測定試料400を用いてもよい。これにより、前記特性曲線の変曲点付近であっても固有反射率Rの推定精度を維持できる。
すなわち、測定試料400上に異なる3種類以上の標本印刷物があれば本推定方法が適用でき、メディア36の種類、測定試料400の測定精度、測定工数、固有反射率Rの推定精度等を総合的に考慮して、標本印刷物の色及び種類数を選択してもよい。
以上のようにして、光学物性値推定部66(図3参照)により、ラミネートフイルム40の光学物性値は、光波長λ毎(図4例では、λ〜λ41)に推定される。例えば、図12Aのように、前記光学物性値の理論値と実測値とが略一致する光波長λの範囲では、固有反射率R0〜R2はすべて同じ値である。一方、図12Bのように、前記光学物性値の理論値と実測値とが乖離する光波長λの範囲では、固有反射率R0〜R2はそれぞれ異なる値である。
なお、図15及び図16では主に固有反射率Rの推定方法について説明したが、その他の光学物性値{例えば、散乱係数Sx(S)、吸収係数Kx(K)}についても上記した推定方法を適用できる。この場合、光学物性値の種類毎に同一の推定方法を採用してもよいし、光学物性値の種類毎に最適な推定方法をそれぞれ採用してもよい。
そして、印刷プロファイル生成部84(図4参照)において印刷プロファイルを生成する際、ラミネートフイルムの分光データ群104(第2の分光データ114)に代替して、図17に示すラミネートフイルムの分光データ群104A(第2の分光データ114A)を用いればよい。
図17に示すように、第2の分光データ114Aは、印刷物38の分光反射率Rg1に応じた固有反射率R1、散乱係数Sx1及び吸収係数K1の各値が光波長毎に格納された第2の分光データ410と、印刷物38の分光反射率Rg2に応じた固有反射率R2、散乱係数Sx2及び吸収係数K2の各値が光波長毎に格納された第2の分光データ412と、印刷物38の分光反射率Rg3に応じた固有反射率R3、散乱係数Sx3及び吸収係数K3の各値が光波長毎に格納された第2の分光データ414とを有する。これにより、分光反射率予測部88a(図5参照)は、分光反射率Rg1〜Rg3に応じた第2の分光データ114Aを用いて、保護膜付印刷物42の分光反射率を精度良く推定できる。
このように、印刷物38の分光反射率(第1の分光データ112)を取得し、印刷物38の被覆下におけるラミネートフイルム40の光学物性値(第2の分光データ410、412、414)を印刷物38の分光反射率Rgに応じて複数組推定し、第1の分光データ112と第2の分光データ410、412、414とを用いて保護膜付印刷物42の第4の分光データ118(分光反射率)を予測するようにしたので、保護膜付印刷物42の色再現精度を低下させることなく、且つ、プロファイルの生成に要する作業工数、具体的には、カラーチャート38cの印刷、ラミネートフイルム40の被覆及び測色の作業工数を大幅に低減できる。また、ラミネートフイルム40の光学物性値を複数組用いるので、保護膜付印刷物42の分光反射率Rgの予測精度が一層向上する。所定の印刷物38との組合せにおいて、該印刷物38の分光反射率Rgに依存してラミネートフイルム40の光学物性値が変化する場合、特に効果的である。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、本実施の形態では、カラーチャート38cが有するカラーパッチ44の個数を100個、分光データの数を41点、光波長の間隔を10nmとしているが、色再現精度、画像処理時間等を総合的に勘案し、これらを自由に変更できるように構成してもよい。
また、本実施の形態では、保護膜付印刷物42の測色値の予測式としてKubelka−Munkモデルを用いているが、その変形式、あるいは他の数理モデルも適用できることはいうまでもない。
さらに、本実施の形態では、印刷機18がインクジェット方式である構成を採っているがこれに限定されることなく、電子写真、感熱方式等であっても本発明の作用効果を得ることができる。
10…印刷システム 14…編集装置
16…画像処理装置 18…印刷機
20…ラミネート処理装置 22…測色計
24…本体 26…表示装置
36…メディア 38…印刷物
38c…カラーチャート 40…ラミネートフイルム
42…保護膜付印刷物 44…カラーパッチ
56…色変換処理部 65…データ取得部
66…光学物性値推定部 67…シミュレーション部
75…標本データ取得部 76…記憶部
78…目標プロファイル処理部 80…印刷プロファイル処理部
84…印刷プロファイル生成部 86…データ選択部
88…測色値推定部 88a…分光反射率予測部
88b…Lab算出部 90…LUT生成部
100…設定データ 102…メディアの分光データ群
104、104A…ラミネートフイルムの分光データ群
106…観察光源の分光データ群 112…第1の分光データ
114、114A、410、412、414…第2の分光データ
116…第3の分光データ 118…第4の分光データ
120…測色値データ 122…CMYK値データ
124…LUT 130、200…設定画面
300、400…測定試料 302…基材
304、306b…黒色材 306w…白色材
402…無印字領域 404…第1領域
406…第2領域 408…第3領域

Claims (19)

  1. 印刷物の分光反射率を取得するデータ取得部と、
    前記印刷物への被覆下における保護膜の光学物性値を該印刷物の分光反射率に応じて複数組推定する光学物性値推定部と、
    前記データ取得部により取得された前記印刷物の分光反射率と、前記光学物性値推定部により推定された複数組の前記保護膜の光学物性値とを用いて保護膜付印刷物の分光反射率を予測する分光反射率予測部と
    を有することを特徴とする印刷色予測装置。
  2. 請求項1記載の印刷色予測装置において、
    少なくとも3種類の標本印刷物の第1分光反射率と、前記少なくとも3種類の標本印刷物上に前記保護膜をそれぞれ配した状態での第2分光反射率とを取得する標本データ取得部をさらに有し、
    前記光学物性値推定部は、前記少なくとも3種類の標本印刷物のうち複数種類からなる標本印刷物の組合せを複数組選択し、該標本印刷物の組合せ毎に、前記標本データ取得部により取得された各前記第1及び各前記第2分光反射率を用いて所定の数理モデルに基づく関係から前記保護膜の光学物性値を推定する
    ことを特徴とする印刷色予測装置。
  3. 請求項2記載の印刷色予測装置において、
    前記光学物性値推定部は、各前記第1分光反射率と、複数組の前記標本印刷物の組合せ毎に推定された前記保護膜の光学物性値とを用いた所定の演算方法に基づいて、前記印刷物の分光反射率に応じた前記保護膜の光学物性値を推定することを特徴とする印刷色予測装置。
  4. 請求項3記載の印刷物予測装置において、
    前記光学物性値推定部は、前記所定の演算方法として内挿法及び外挿法を用いることを特徴とする印刷色予測装置。
  5. 請求項3記載の印刷色予測装置において、
    前記光学物性値推定部は、前記所定の演算方法として少なくとも3次の多項式による近似法を用いることを特徴とする印刷色予測装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記前記少なくとも3種類の標本印刷物には黒色の標本印刷物が含まれ、
    前記標本データ取得部は、前記黒色の標本印刷物の第1分光反射率と、該黒色の標本印刷物上に前記保護膜をそれぞれ配した状態での第2分光反射率とをさらに取得することを特徴とする印刷色予測装置。
  7. 請求項6記載の印刷色予測装置において、
    前記光学物性値推定部は、前記黒色の標本印刷物を含む少なくとも2種類からなる前記標本印刷物の組合せを複数組選択することを特徴とする印刷色予測装置。
  8. 請求項2〜7のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記標本データ取得部は、前記印刷物を形成するメディアの種類に応じて色又は種類数の少なくとも一方を変更させた、前記少なくとも3種類の標本印刷物の前記第1及び前記第2分光反射率を取得することを特徴とする印刷色予測装置。
  9. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記標本データ取得部は、前記印刷物を形成する印刷機の種類に応じて色又は種類数の少なくとも一方を変更させた、前記少なくとも3種類の標本印刷物の前記第1及び第2分光反射率を取得することを特徴とする印刷色予測装置。
  10. 請求項2〜9のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記所定の数理モデルに基づく関係は連立方程式であり、
    前記光学物性値推定部は、前記連立方程式を解くことで前記保護膜の光学物性値を推定する
    ことを特徴とする印刷色予測装置。
  11. 請求項2〜10のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記所定の数理モデルは、前記標本印刷物の種類毎に構築されることを特徴とする印刷色予測装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記分光反射率予測部により予測された前記保護膜付印刷物の分光反射率を用いて該保護膜付印刷物の測色値を算出する測色値算出部をさらに有することを特徴とする印刷色予測装置。
  13. 請求項12記載の印刷色予測装置において、
    前記データ取得部は、観察光源の分光分布をさらに取得し、
    前記測色値算出部は、前記データ取得部により取得された前記観察光源の分光分布をさらに用いて前記保護膜付印刷物の測色値を算出する
    ことを特徴とする印刷色予測装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記データ取得部は、前記印刷物の分光反射率又は前記観察光源の分光分布のうち少なくとも1種類をデータベースから取得することを特徴とする印刷色予測装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記保護膜の光学物性値は、該保護膜の光波長毎の固有反射率、散乱係数及び吸収係数のうちの独立な2つの光学物性値である
    ことを特徴とする印刷色予測装置。
  16. 請求項12〜15のいずれか1項に記載の印刷色予測装置において、
    前記測色値算出部により算出された前記保護膜付印刷物の測色値に基づいてプロファイルを生成するプロファイル生成部をさらに有することを特徴とする印刷色予測装置。
  17. 請求項16記載の印刷色予測装置において、
    前記印刷物を形成するメディアの種類、前記保護膜の種類又は前記観察光源の種類のうち少なくとも1つを選択するデータ選択部をさらに有し、
    前記プロファイル生成部は、前記データ選択部により選択された前記メディアの種類に応じた分光反射率、前記保護膜の種類に応じた光学物性値、又は前記観察光源の種類に応じた分光分布のうち少なくとも1種類を用いて前記プロファイルを生成する
    ことを特徴とする印刷色予測装置。
  18. 印刷物の分光反射率を取得する取得処理と、
    前記印刷物への被覆下における保護膜の光学物性値を該印刷物の分光反射率に応じて複数組推定する推定処理と、
    取得された前記印刷物の分光反射率及び推定された前記保護膜の光学物性値を用いて保護膜付印刷物の分光反射率を予測する予測処理と
    を備えることを特徴とする印刷色予測方法。
  19. コンピュータを、
    印刷物の分光反射率を取得するデータ取得部、
    前記印刷物への被覆下における保護膜の光学物性値を該印刷物の分光反射率に応じて複数組推定する光学物性値推定部、
    前記データ取得部により取得された前記印刷物の分光反射率及び前記光学物性値推定部により推定された前記保護膜の光学物性値を用いて保護膜付印刷物の分光反射率を予測する分光反射率予測部
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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