JP2012098134A - 熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、絶縁被膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定用プローブについて、白金細線の金属露出部には、該金属露出部にメルカプト基が脱水素結合しているとともに、ケイ素と酸素を骨格とするシロキサン結合の架橋構造を有する有機薄膜が形成されている。こうした有機薄膜は、白金細線の金属露出部に、メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法等により形成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法に関する。
金属ナノ流体等のナノ構造体が液体中に分散している、いわゆるナノ流体は、伝熱流体としての応用が期待されている。伝熱流体の重要な熱物性値である熱伝導率の高精度測定法として、非定常細線加熱法(非特許文献1参照)が広く用いられている。この方法によるナノ流体の熱伝導率測定が数多く実施されているが、測定者による測定のばらつきが非常に多い。例えば、非特許文献2では、希薄なクエン酸修飾金ナノ粒子や銀ナノ粒子を均一分散させた水ベースナノ流体(体積分率0.00026〜0.001%(金ナノ流体)、0.001%(銀ナノ流体))や、アルカンチオール表面修飾金ナノ粒子を均一分散させたトルエンベースナノ流体(体積分率0.005〜0.011%)の熱伝導率を細線加熱法で測定し、各ベースナノ流体に比べ5〜21%程度の増大が生じることが報告されている。
しかしながら、最近になって、非特許文献3,4において、同種の希薄金ナノ流体の熱伝導率を再測定し、ベースナノ流体とほぼ等しい値となったことが報告されている。金属ナノ流体においては、未被覆白金細線を使うとナノ流体の体積分率が著しく低い場合でも、無視できないほどの被測定溶液への電流リークが発生することで見かけの熱伝導率測定値の増大が生じる可能性がある。しかし、非特許文献3,4においては、スパッタ法で無機絶縁被覆を被覆した白金細線(非特許文献3)や酸化絶縁被覆を施したタンタル細線(非特許文献4)を用いて測定しており、測定値の差異は、白金細線への絶縁被覆の有無によるものであることが推測されている。
長坂雄次、長島昭、日本機械学会論文集(B編)、47巻、p.1323〜1329(1975). Petel H.E., Das S.K., Sundararajan T., Appl. Phys. Let., 83, p.2931-2933(2003). Zhang X., Fujii, M., Proc.1st Int. Sym. on thermal Design and Thermophysical Property for Electonics (e-Therm 2008), Tsukuba, Japan(2008). Shalkevich N., etal., Langmuir, 26, p.663-670(2010). 三橋国直、佐藤正秀、飯村兼一、阿部宜之ら、第47回日本伝熱シンポジウム講演論文集、2010年5月.
しかしながら、上記の方法で用いる無機絶縁被覆を被覆した白金細線(非特許文献3)や酸化絶縁被覆を施したタンタル細線(非特許文献4)を準備するには、スパッタ法で用いる真空チャンバーやターゲット等の高価な機材を必要とすること、細線加熱プローブの露出金属部全体への被膜形成には対応できないこと、さらに、測定現場で金属細線の破断が生じた際などに迅速に対応することが困難であること、等の欠点を持ち、実用的ではない。
こうした問題に対し、本発明者は、非特許文献5で報告しているように、常温で白金細線を膜原料溶液に浸漬させるという極めて簡便な方法で白金表面に有機薄膜を被覆させた。具体的には、アルキルチオールや、メルカプトアルコール/シランカップリング複合膜を白金細線に被覆させ、その絶縁有効性と熱伝導率に与える影響について検討を行った。その結果、熱伝導率測定の初期には絶縁効果があり、良好な熱伝導率測定が行えた。しかしながら、複数回の使用や高い測定温度の場合、絶縁被膜の劣化による測定値のばらつきが発生し、高精度測定の実現には至らなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、絶縁被膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、マイクロ波加熱ポリオール法液相還元法で合成した均一分散銀ナノ流体に対して非定常細線加熱法による熱伝導率測定を行う際、被測定溶液への電流リークを防ぐ目的で、3種類の異なる自己組織化単分子膜(SAM(Self-assembled monolayers)膜ともいう。)を用いた有機絶縁薄膜を被覆した白金細線を作製し、検討した。その結果、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成させた。
上記課題を解決するための本発明に係る熱伝導率測定用プローブの製造方法は、非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に用いられるプローブの製造方法であって、白金細線の金属露出部に、(1)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、(2)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、テトラエトキシシラン溶液に浸漬させ、さらに他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、及び、(3)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させ、さらに前記シランカップリング剤溶液とは異なるシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、から選ばれるいずれかの方法で有機薄膜を形成することを特徴とする。
この発明によれば、熱伝導率測定用プローブの金属芯線として用いる白金細線の金属露出部に、先ず、メルカプト基(−SH)を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させ、その後他のシランカップリング剤溶液に浸漬させて有機薄膜を形成した。この方法で得た有機薄膜は、いずれも自己組織化単分子膜(SAM膜)が2重又は3重に架橋した積層構造膜とすることができる。そして、この有機薄膜は、金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に3次元架橋構造を形成した安定で緻密な絶縁性化学吸着膜とすることができる。特に(3)の方法では、積層させた3次元架橋構造とすることができる。その結果、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、有機薄膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブを製造することができる。
なお、シランカップリング剤は1分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持っているシラン化合物であり、一方の官能基としてはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等が挙げられ、他方の官能基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、さらに他の官能基のものも存在する。この発明では、白金細線の金属露出部に対して、先ず、メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液を接触させていることに第1の特徴があり、さらにその後に他のシランカップリング剤溶液に接触させて、金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に架橋構造を形成した安定で緻密な絶縁性化学吸着膜を形成したことに第2の特徴がある。
本発明に係る熱伝導率測定用プローブの製造方法において、前記シランカップリング剤溶液のうち、最後に浸漬させるシランカップリング剤溶液の一方の官能基が、フッ素化物であることが好ましい。この発明によれば、最後に浸漬させたシランカップリング剤溶液の一方の官能基をフッ素化物とすることにより、有機薄膜の最表面にCF等のフッ素化物を存在させることができる。その結果、白金細線の表面自由エネルギーが低下し、電気電導性粒子や各種イオンの白金細線表面への付着を抑制することで、被測定溶液への電流リークを防ぐという作用効果がある。
上記課題を解決するための本発明に係る熱伝導率測定用プローブは、非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に用いられるプローブであって、白金細線の金属露出部には、該金属露出部にメルカプト基が脱水素結合しているとともに、ケイ素と酸素を骨格とするシロキサン結合の架橋構造を有する有機薄膜が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、熱伝導率測定用プローブの金属芯線として用いる白金細線の金属露出部に、メルカプト基(−SH)が脱水素結合しているとともに、ケイ素と酸素を骨格とするシロキサン結合の架橋構造を有する有機薄膜が形成されているので、その有機薄膜が、金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に3次元架橋構造となり、安定で緻密な絶縁性化学吸着膜として作用する。その結果、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、有機薄膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブを提供することができる。なお、こうした有機薄膜は、上記した本発明に係る方法によって好ましく形成できる。
本発明に係る熱伝導率測定用プローブにおいて、前記有機薄膜は、自己組織化単分子膜(SAM膜)であって、前記架橋構造が2重又は3重となっている積層構造膜である。この発明によれば、架橋構造が2重又は3重になっているので、より一層安定で緻密な絶縁性化学吸着膜とすることができ、その結果、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、有機薄膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブを提供することができる。
本発明に係る熱伝導率測定用プローブの製造方法において、前記有機薄膜の最表面にフッ素化物が存在することが好ましい。この発明によれば、有機薄膜の最表面にCF等のフッ素化物が存在することにより、白金細線の表面自由エネルギーが低下し、電気電導性粒子や各種イオンの白金細線表面への付着を抑制することで、被測定溶液への電流リークを防ぐという作用効果がある。
本発明に係る熱伝導率測定用プローブの製造方法によれば、白金細線の金属露出部に形成された有機薄膜は、いずれも自己組織化単分子膜が2重又は3重に架橋した積層構造膜とすることができるので、金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に3次元架橋構造を形成した安定で緻密な絶縁性化学吸着膜とすることができる。その結果、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、有機薄膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブを製造することができる。
本発明に係る熱伝導率測定用プローブによれば、白金細線の金属露出部に形成された有機薄膜は、金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に3次元架橋構造を有するので、安定で緻密な絶縁性化学吸着膜として作用する。その結果、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、有機薄膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブを提供することができる。
実験例1の熱伝導率測定用プローブにおいて、白金細線の金属露出部に形成された有機薄膜の構造を示す模式断面図である。 実験例2の熱伝導率測定用プローブにおいて、白金細線の金属露出部に形成された有機薄膜の構造を示す模式断面図である。 実験例3の熱伝導率測定用プローブにおいて、白金細線の金属露出部に形成された有機薄膜の構造を示す模式断面図である。 非定常細線加熱法による熱伝導率測定システムを示す模式図である。 図4の熱伝導率測定システムで用いる測定セル内の構造を示す模式図である。 白金細線の金属露出部への有機薄膜の被覆の有無が熱伝導率測定に及ぼす影響を示す実験結果である。(A)は有機薄膜を設けないものであり、(B)は有機薄膜を設けたものである。 30℃におけるPVP−40k被覆粒子状銀ナノ流体(A)及びPVP−1300k被覆ナノワイヤ状銀ナノ流体(B)に対し、3つの実験例の有機薄膜被覆白金細線を用いた熱伝導率の測定結果を示すグラフである。 40℃におけるPVP−40k被覆粒子状銀ナノ流体(A)及びPVP−1300k被覆ナノワイヤ状銀ナノ流体(B)に対し、3つの実験例の有機薄膜被覆白金細線を用いた熱伝導率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法について図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実験例に限定されるものではない。
[熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法]
本発明に係る熱伝導率測定用プローブの製造方法は、非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に用いられるプローブの製造方法である。そして、本発明の特徴は、白金細線の金属露出部に、(1)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、(2)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、テトラエトキシシラン溶液に浸漬させ、さらに他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、及び、(3)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させ、さらに前記シランカップリング剤溶液とは異なるシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、から選ばれるいずれかの方法で有機薄膜を形成することにある。
また、本発明に係る熱伝導率測定用プローブは、非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に用いられるプローブであり、その特徴は、白金細線の金属露出部には、該金属露出部にメルカプト基が脱水素結合しているとともに、ケイ素と酸素を骨格とするシロキサン結合の架橋構造を有する有機薄膜が形成されていることにある。
最初に、熱伝導率測定用プローブの製造方法について詳しく説明しつつ、得られた熱伝導率測定用プローブの構成について併せて説明する。
(白金細線)
プローブの金属芯線としては、化学的安定性の観点から、白金細線が一般的に用いられている。したがって、本発明でも白金細線を用いる。白金細線は、通常、純白金を用いるが、製造上含まれる不可避不純物を含有する白金であってもよいし、非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に悪影響を及ぼさない他の金属(例えば、Rh、Re、Mo、Pd、W)等を含有する白金合金であってもよい。
白金細線の線径は、熱伝導率測定用プローブに用いられる線径であれば特に限定されないが、通常は、直径10μm〜100μm程度の白金細線が用いられる。
(有機薄膜)
有機薄膜は、白金細線の金属露出部に、(1)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、(2)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、テトラエトキシシラン溶液に浸漬させ、さらに他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、及び、(3)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させ、さらに前記シランカップリング剤溶液とは異なるシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、から選ばれるいずれかの方法で形成する。
一般的なシランカップリング剤は1分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持っているシラン化合物であり、一方の官能基としてはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等が挙げられ、他方の官能基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。なお、前記一方の官能基又は前記他方の官能基は、さらに他の官能基であってもよい。本発明では、白金細線の金属露出部に対して、先ず、メルカプト基(−SH)を有するシランカップリング剤溶液を接触処理していることに第1の特徴がある。そして、その処理後に、他のシランカップリング剤溶液を接触処理していることに第2の特徴がある。こうした処理によって、白金細線の金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に架橋構造を形成した安定で緻密な絶縁性化学吸着膜を形成している。
上記処理によって、図1及び図3に示すように、白金細線の金属露出部には、その金属露出部に一方の官能基であるメルカプト基が脱水素結合する。そして、シランカップリング剤のシラノールが2分子間で脱水縮合して、ケイ素と酸素を骨格とするシロキサン結合となり、架橋構造を有する有機薄膜が形成される。
しかしながら、後述の実験例3及び図3に示すように、メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液を一回接触処理しただけでは十分に安定した特性は得られなかった。そこで、本発明では、上記(1)〜(3)に示すように、2回又は3回又は必要に応じてそれ以上の処理を行う。具体的には、上記(1)では、メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる。また、上記(2)では、メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、テトラエトキシシラン溶液に浸漬させ、さらに他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる。また、上記(3)では、メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させ、さらに前記シランカップリング剤溶液とは異なるシランカップリング剤溶液に浸漬させる。本発明では、こうした処理により、図1に示すように、白金細線の金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に架橋構造を形成した安定で緻密な絶縁性化学吸着膜を形成している。
ここで、上記(1)〜(3)でいう「メルカプト基を有するシランカップリング剤」は、一方の官能基がメルカプト基であれば、他の官能基は特に限定されず、メトキシ基やエトキシ基等が挙げられる。また、上記(1)〜(3)でいう「他のシランカップリング剤」は、一方の官能基はビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等のいずれであってもよく、また、他方の官能基もメトキシ基やエトキシ基等、特に限定されない。また、上記(3)でいう「異なるシランカップリング剤」は、2回目の処理で用いた「他のシランカップリング剤」とは異なる官能基を有するシランカップリング剤のことを意味している。
なお、シランカップリング剤溶液のうち、最後に浸漬させるシランカップリング剤溶液の一方の官能基がフッ素化物であることが好ましい。最後に浸漬させたシランカップリング剤溶液の一方の官能基をフッ素化物とすることにより、有機薄膜の最表面にCF等のフッ素化物が存在するので、白金細線の表面自由エネルギーが低下し、電気電導性粒子や各種イオンの白金細線表面への付着を抑制することで、被測定溶液への電流リークを防ぐという作用効果がある。
上記(1)〜(3)の処理で形成された有機薄膜の厚さは特に限定されないが、通常、1〜500nm程度である。こうした薄い膜厚であるので、測定値への影響を無視することができ、安定した測定を行う上で有利である。
形成された有機薄膜は、いずれも自己組織化単分子膜(SAM膜)が2重又は3重に架橋した積層構造膜であり、金属露出面に対して水平(平行)方向と垂直(法線)方向に3次元架橋構造を形成した安定で緻密な絶縁性化学吸着膜になっている。その結果、複数回の使用や高い測定温度の場合であっても、有機薄膜の劣化による測定値のばらつきが生じない高精度測定可能な熱伝導率測定用プローブを提供することができる。
なお、こうした有機薄膜の構造は、ESCA、AES、AFM等の手段によって測定でき、本発明に係る熱伝導率測定用プローブを構成する有機薄膜の構造及び組成を特定できる。
以下の実験によって本発明をさらに詳しく説明する。以下の実験では、マイクロ波加熱ポリオール法液相還元法で合成した均一分散銀ナノ流体に対して、非定常細線加熱法による熱伝導率測定を行った。そして、測定前後の銀ナノ流体の安定性、銀ナノ粒子の大きさや形状が熱伝導率に及ぼす影響についても併せて検討を行った。
[銀ナノ流体の合成]
銀ナノ流体の合成は、第46回日本伝熱シンポジウム講演論文集(鈴木 他、F−1311,京都、2009年)に示す方法と同様の方法で行った。具体的には、簡易型マイクロ波加熱装置による急速昇温により、銀ナノ粒子表面保護剤であるポリビニルピロリドン(PVP)共存下で、エチレングリコール中に銀ナノ粒子を還元合成し、それを超純水にて体積分率=0.00026%となるよう希釈して得た。合成銀ナノ粒子として、低平均分子量PVP−40K(平均分子量:4万)のものと、高平均分子量PVP−1300K(平均分子量:130万)を得た。低平均分子量PVP−40Kのものは、主に球状ナノ粒子(平均粒子径80nm)であり、高平均分子量PVP−1300Kのものは、フレーク状(平均粒子径200nm)とナノワイヤ(径100nm、長さ1〜10μm)を同程度含むものであった。
[有機薄膜付き白金細線(プローブ)の作製]
金細線からの被測定溶液への電流リークを防ぎ、銀ナノ流体の熱伝導率測定値の精度を向上させることができるか否かを検討するため、図1(実験例1)、図2(実験例2)及び図3(実験例3)に示す3種類の有機薄膜付き白金細線を作製した。
図1に示す実験例1の有機薄膜は、直径20μmの白金細線全体をMPS(3−Mercaptopropyltriethoxysilane)/hexane溶液に浸漬した後、さらにPFDTS(1H、1H、2H、2H−perfluorodecyltriethoxysilane)/hexane溶液に浸漬させて得たものであり、架橋構造の有機超薄膜を形成するMPSに、PFDTSを脱水縮合させたもの(MPS−PFDTS重合膜)である。この膜厚は90nmであった。
図2に示す実験例2の有機薄膜は、直径20μmの白金細線全体をPFDT(1H、1H、2H、2H−perfluorodecanethiol)/ethanol溶液に浸漬させて得たものであり、PFDT化学吸着膜(PFDT膜)である。この膜厚は1.7nmであった。
図3に示す実験例3の有機薄膜は、直径20μmの白金細線全体をMHO(6−mercaptohexanol)/ethanol溶液に浸漬した後、さらにPFDTS/hexane溶液に浸漬させて得たものであり、PFDTSを脱水縮合させて一重架橋構造としたもの(MHO−PFDTS重合膜)である。この膜厚は20nmであった。
[装置及び測定方法]
図4は、非定常細線加熱法による熱伝導率測定システムを示す模式図であり、図5は、図4の熱伝導率測定システムで用いる測定セル内の構造を示す模式図である。上記の方法で得られたプローブ(有機薄膜付き白金細線)を、図5に示すように、得られたプローブをセットした測定セルに被測定溶液を入れ、そのセルを恒温槽に入れた。常用標準白金抵抗温度計を用い、恒温槽温度が約30分間±0.1℃以内に安定するまでに静置した後、プローブの抵抗がほぼ一定に推移するまで測定した。その後、定電流電源を用いてプローブに電流を流し、プローブに流れる電流と電圧を0.1秒間隔で約20秒間測定した。この測定から求めた温度の経時変化から、λ=(q/4π)(dΔT/dlnt)、により熱伝導率λを決定した。ここで、qは、白金細線の単位長さ当たりの発熱量である。
[実験及びその結果]
表1に、PFDT膜被覆白金細線で測定した超純水の熱伝導率測定結果を示す。この結果を既報の文献値「Revised Release on the IAPS Formulation 1985 for the Thermal Conductivity Ordinary Water Substance, The International Association for the Properties of Water and Steam(2008)に記載の値」と比較すると、標準偏差が±5%以内に収まっており、測定系の測定精度は良好であることがわかった。
Figure 2012098134
次に、白金細線への有機薄膜による被覆の有無が熱伝導率測定に与える影響について調べた。その結果を図6(A)(B)に示す。図6(A)に示すように、有機薄膜を被覆していない白金細線を用いて測定した場合、電圧値と電流値の変動が激しく、dDT/dlntプロットの傾きから熱伝導率値を決定することが困難であった。一方、有機薄膜として実験例1(図1)〜実験例3(図3)の何れものPFDT SAM膜を被覆した白金細線であっても、電圧値と電流値の変動はほとんどなく、安定に熱伝導率を決定することが可能であった。
次に、実験例1(図1)〜実験例3(図3)の各プローブ(有機薄膜付き白金細線)を用いて銀ナノ流体の測定を行った。図7(A)(B)は、30℃におけるPVP−40k被覆粒子状銀ナノ流体及びPVP−1300k被覆ナノワイヤ状銀ナノ流体における3種類のプローブを用いた熱伝導率の測定結果を示す。その結果、実験例2(図2)のPFDT膜被覆白金細線では、測定回数が増えるに従い測定値にばらつきが生じた。一方、より膜が厚い実験例3のMHO/PFDTS重合膜被覆白金細線(膜厚:20nm)やMPS/PFDTS重合膜被覆白金細線(膜厚:90nm)では、複数回の測定でも測定値に大きな差異が見られなかった。
次に、温度を40℃とし、MHO/PFDTS重合膜被覆白金細線と、MPS/PFDTS重合膜被覆白金細線を用いて同様の熱伝導率測定を行った。その結果を図8(A)(B)にそれぞれ示す。実験例3(図3)のMHO/PFDTS重合膜被覆白金細線では、測定回数により測定値のばらつきが見られた。しかし、実験例1(図1)のMPS/PFDTS重合膜被覆白金細線では、この温度でも安定に銀ナノ流体の熱伝導率を測定することができた。これは、MPS/PFDTS重合膜が、2重架橋構造により膜密度がもっとも大きくなっているためである。
次に、6倍濃縮した銀ナノ流体の30℃における熱伝導率の測定を行った。白金細線の被覆にはもっとも耐久性が高いと考えられる実験例1のMPS/PFDTS重合膜被覆白金細線を用いた。その結果、表2に示すように、PVP−40k球状銀ナノ流体では1.4%の熱伝導率の向上が見られ、PVP−1300kナノワイヤ銀ナノ流体では6.4%の熱伝導率向上が見られた。
Figure 2012098134
以上説明したように、マイクロ波加熱ポリオール法液相還元法で合成した均一分散銀ナノ流体の非定常細線加熱法による熱伝導率測定について検討した結果、導電性液体と考えられる銀ナノ流体の熱伝導率を測定する場合には、原料溶液に室温下で浸漬させることで白金細線に絶縁性SAM膜を被覆させることができた。また、膜厚や膜密度が大きいSAM膜を用いることで安定な熱伝導率測定が可能であった。高濃度銀ナノ流体の熱伝導率測定では、球状ナノ粒子を含むPVP−40k銀ナノ流体に比べ、ナノワイヤを含むPVP−1300k銀ナノ流体のほうが熱伝導率の向上が見られた。

Claims (5)

  1. 非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に用いられるプローブの製造方法であって、
    白金細線の金属露出部に、(1)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、(2)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、テトラエトキシシラン溶液に浸漬させ、さらに他のシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、及び、(3)メルカプト基を有するシランカップリング剤溶液に浸漬させた後、他のシランカップリング剤溶液に浸漬させ、さらに前記シランカップリング剤溶液とは異なるシランカップリング剤溶液に浸漬させる方法、から選ばれるいずれかの方法で有機薄膜を形成することを特徴とする熱伝導率測定用プローブの製造方法。
  2. 前記シランカップリング剤溶液のうち、最後に浸漬させるシランカップリング剤溶液の一方の官能基が、フッ素化物である、請求項1に記載の熱伝導率測定用プローブの製造方法。
  3. 非定常白金細線加熱法による電気伝導性粒子分散液体の熱伝導率測定に用いられるプローブであって、
    白金細線の金属露出部には、該金属露出部にメルカプト基が脱水素結合しているとともに、ケイ素と酸素を骨格とするシロキサン結合の架橋構造を有する有機薄膜が形成されていることを特徴とする熱伝導率測定用プローブ。
  4. 前記有機薄膜は、自己組織化単分子膜(SAM膜)であって、前記架橋構造が2重又は3重となっている積層構造膜である、請求項3に記載の熱伝導率測定用プローブ。
  5. 前記有機薄膜の最表面にフッ素化物が存在する、請求項3又は4に記載の熱伝導率測定用プローブ。
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