JP2012097603A - 失火検知方法及び失火検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関において失火が発生したことを、より高精度で検知する失火検知方法及び失火検知システムを提供すること。
【解決手段】内燃機関(ガスエンジン10)の排気温度を測定する測定工程(温度センサ15)と、測定工程によって測定された排気温度の対象波形と予め定められた参照波形とを相互相関が高くなるように同期させる同期工程(ステップS12)と、該同期後の対象波形を同期後の参照波形に対して動的時間伸縮法に基づいてアライメントし(ステップS13:DTW工程)、該アライメント後の対象波形と参照波形との差異に基づいて失火の有無を判定する判定工程(ステップS14、S15)とを有すること。
【選択図】図2

Description

本発明は、失火検知方法及び失火検知システムに関し、特に内燃機関の排気温度を測定することによって失火の検知を行う失火検知方法及び失火検知システムに関する。
従来、内燃機関における失火検知方法及び失火検知システムとして、例えば特許文献1に示されるように、温度センサによって内燃機関の排気温度を測定し、制御手段によって、この排気温度の波形パターンと既知の波形パターンとの相関性を求め、相関性の値が所定の閾値以上である場合に失火であると判定するものが知られている。
確かに、このような失火検知方法及び失火検知システムによれば、失火の際に測定される排気温度の波形パターンが既知の波形パターンと類似する場合に失火であるとの判断が可能であると考えられる。
特開2006−214333号公報(請求項1、段落0027、0037)
しかしながら、特許文献1に記載された失火検知方法及び失火検知システムは、既知の波形パターンとして、例えば平均化された参考波形を用いるため、相関性の値に対する閾値の最適化が難しかった。失火の際に測定される排気温度の波形パターンは、所定の傾向がみられるものの必ずしも一定ではなく、平均化された参考波形に対する相関性にばらつきが生じるものである。そのため、参考波形に対する相関性があまり高くない波形パターンを正しく失火であると判定しようとすると、閾値を低く設定せざるを得ず、これと同等の相関性を示す、例えば部分負荷制御による排気温度のゆらぎのような、失火でない状態(正常な状態)をも失火であるとして誤判定してしまう虞があった。また、反対にこのような誤判定を回避するために閾値が高く設定されると、失火の状態を正常であるとして誤判定する虞があった。
そこで、本発明は、上記のような課題を一例として、より高精度で失火を検知することができる失火検知方法及び失火検知システムを提供することを目的とする。
このような課題を解決するため、本発明による失火検知方法は、内燃機関の排気温度を測定する測定工程と、該測定工程によって測定された排気温度の対象波形と予め定められた参照波形とを相互相関が高くなるように同期させる同期工程と、該同期後の対象波形を前記同期後の参照波形に対して動的時間伸縮法を用いてアライメントし、該アライメント後の対象波形と参照波形との差異に基づいて失火の有無を判定する判定工程とを有することを特徴とする。
また、本発明による失火検知システムは、内燃機関の排気温度を測定する測定部と、該測定部によって測定された排気温度の対象波形を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された対象波形と前記記憶部に予め記憶されている参照波形とを相互相関が高くなるように同期させ、該同期後の対象波形を前記同期後の参照波形に対して動的時間伸縮法を用いてアライメントし、該アライメント後の対象波形と参照波形との差異に基づいて失火の有無を判定する制御部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関において失火が発生したことを、より高精度で検知する失火検知方法及び失火検知システムを提供することができる。
本発明の一実施の形態による失火検知システムを示す模式図である。 本発明の一実施の形態による失火検知システムの制御を示すフローチャートである。 (a)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(参照波形)。(b)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(対象波形)。(c)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程)。(d)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(同期工程)。(e)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程、同期工程後にDTW工程)。(f)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程後にDTW工程)。 (a)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(参照波形)。(b)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(対象波形)。(c)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程)。(d)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(同期工程)。(e)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程、同期工程後にDTW工程)。(f)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程後にDTW工程)。 (a)失火時の排気温度の変化を示すグラフである(参照波形)。(b)正常時の排気温度の変化を示すグラフである(対象波形)。(c)正常時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程)。(d)正常時の排気温度の変化を示すグラフである(同期工程)。(e)正常時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程、同期工程後にDTW工程)。(f)正常時の排気温度の変化を示すグラフである(正規化工程後にDTW工程)。 動的時間伸縮法の概念を説明するための参考図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。なお、本発明は、内燃機関の排気温度を測定することによって失火の検知を行う失火検知方法及び失火検知システムに広く適用可能であるが、ここでは本発明を発電用のガスエンジンにおける間歇失火の検知システムに適用した場合の一例について説明する。
図1に示されるように、本実施例における失火検知システム1の検知対象である内燃機関は、例えば3気筒を備えたガスエンジン10であり、各気筒10a,10b,10cには吸気管11a,11b,11c及び排気管13a、13b、13cがそれぞれ設けられている。失火検知システム1は、ガスエンジン10の排気管13a、13b、13cに設けられることでガスエンジン10の排気温度を各温度センサ15a,15b,15c(例えば熱電対)により測定する測定部と、該温度センサ15a,15b,15cによって測定された測定値が入力されて失火の判定を行う検知部20と、該検知部20よる判定結果が出力される提示部としてのディスプレイ30とによって構成される。なお、ガスエンジン10の出力側には、発電機17と該発電機17における発電有効電力を測定するための電力センサ19とが設けられており、この電力センサ19による測定値は検知部20に入力されている。
検知部20は、各温度センサ15a,15b,15c(総称するときは「温度センサ15」とする)によって測定された測定値及び電力センサ19によって測定された測定値が入力される入力部21と、少なくとも温度センサ15によって測定された測定値が記憶される記憶部23と、ガスエンジン10が失火した場合における排気温度の標準的な変化を表す参照波形が格納されたデータベース部25と、記憶部23に記憶された排気温度の情報をデータベース部25に格納されている参照波形と比較することで失火の有無を判定する制御部27と、制御部27による判定結果をディスプレイ30に出力する出力部29とから構成されている。なお、記憶部23に対して予め参照波形を格納しておくことにより、記憶部23がデータベース部25を兼ねることもできる。
入力部21は、各温度センサ15a,15b,15cによって測定された測定値及び電力センサ19によって測定された測定値が入力され、これを演算可能なデジタル信号に変換して制御部27等に出力するインターフェースである。なお、各温度センサ15a,15b,15c及び電力センサ19自体に予めA/Dコンバータ等を設けられていても構わない。
記憶部23は、温度センサ15によって測定された排気温度の測定値が所定の時間間隔(測定間隔)で経時的に記憶されるものであり、実施例における測定間隔は1sec間隔となっている。なお、記憶部23は、排気温度の測定値だけでなく、これに加えて電力センサ19によって測定された測定値を記憶する構成としても構わない。
データベース部25に格納されている参照波形(例えば図3(a)参照)は、失火の際に特徴的に現れる排気温度の標準的な波形パターンであり、本実施例では対象となるガスエンジン10の過去の失火時における排気温度の測定データを平均化したものある。なお、この参照波形は、シミュレーションによって理論的に再現されたものであっても構わない。
電力センサ19によって測定される発電有効電力は、トルクに比例するものであり、間歇失火が発生した際に瞬間的な変動(ゆらぎ)を生じることが経験的に知られている。この変動は、発電有効電力の増加又は減少として測定されるものである。
制御部27による失火判定の具体例について図2のフローチャート及び図3乃至5のグラフを参照しながら説明する。制御部27は、検知部20に入力される発電有効電力の変動を監視する発電有効電力監視手段を備えている。この発電有効電力監視手段により発電有効電力の変動が所定の閾値以上であると判定さると、計測トリガがオンになり、制御部27によって失火検知の診断の対象となる対象波形が決定される(ステップS11)。なお、失火における発電有効電力の変動は増加又は減少として測定されるため、変動の絶対値に対して閾値の比較がされる。発電有効電力監視手段による判定において、失火したにもかかわらず失火でないとの誤判定が行われることを回避するために、この閾値は低く設定されるものである。
診断の対象となる対象波形は、例えば、発電有効電力の変動が測定された時間(計測トリガがオンとなった時間)を基準時として、その前後の所定時間における排気温度の測定値が記憶部23から呼び出されるものである。実施例における対象波形の区間は200secであり、基準時を70secとしてあるため、少なくとも基準時の前70sec、後130secの合計200secが記憶部23から呼び出される。
次に、この呼び出された対象波形と、データベース部25に予め記憶されている参照波形との比較が行われる。まず、参照波形に対して対象波形の時間軸を所定範囲内で1secずつずらしながら相互相関を算出し、この相互相関が最も高くなる時間軸の位置を求め、この位置に対象波形をずらすことで参照波形と対象波形とを同期させる(ステップS12:同期工程)。このように時間軸をずらしながら相互相関を算出するため、記憶部23から呼び出される対象波形は、その前後に対して、所定時間分だけのデータを付加的に有している。
なお、この同期工程において、参照波形及び対象波形は、相互相関の算出を容易にするために、また、対象区間の端(0sec側及び200sec側)の情報の重みを減じ、特徴的波形が現れる中央付近に注目するために、測定された排気温度から200secの区間における排気温度の平均値が減算され(偏差に変換)、さらにハニング窓関数が乗じられたうえで標準偏差が1となるように正規化されている(正規化工程)。すなわち、同期工程及び正規化工程は、(1)対象波形の時間軸の移動、(2)偏差への変換、(3)ハニング窓関数の実行、(4)標準偏差を1に正規化、(5)相互相関の算出、の5つのステップが時間軸の所定範囲内で繰り返されて行われるものである。
次に、この相互相関の最も高い位置で同期した参照波形と対象波形とについて、対象波形が参照波形に最も一致するように動的時間伸縮法(Dynamic Time Warping:DTW)を用いて調整する。ここで、実施例に用いられる動的時間伸縮法について説明する。
動的時間伸縮法は、2つの波形(時系列データ)において、一方の波形の各データを他方の波形の各データに対応付けて、所定の許容範囲内で時間軸を非線形に伸縮することによって2つの波形の距離を最小化することができるものである。
例えば、図6に示すようなt点からなる波形T及びr点からなる波形Rについて、これらの距離を動的時間伸縮法によって最小化することを考えてみる。これは、2つの波形T及び波形Rのどの点とどの点とが互いに対応するとみなすのかを示すt×rのグリッド上の軌跡をc(k)=[i(k),j(k)](k=1、・・・、K、max(t、r)<K<t+r)とした場合に、このc(k)の経路の最小値を求める手続に置き換えることができる。
ここで、波形Tと波形Rとの距離Dを、式(1)のように定義する。
Figure 2012097603
w(k)は局所距離d[i(k),j(k)]に対する重みであり、実施例では一定となっている。d[i(k),j(k)]は例えば、式(2)のように定義される。
Figure 2012097603
動的時間伸縮法の計算は、式(1)の距離Dを最小化するようにc(k)を決定するものであるが、c(k)を完全に任意な軌跡から選べるようにしてしまうと、2つの波形T及び波形Rが過剰な変形をしてしまうことになる。すなわち、本来であれば対応関係にないはずの点を対応する点であるとみなすことが可能となってしまうものである。
そこで、このような過剰な変形による波形の一致を防ぐために、一般にc(k)の傾きを制限するLocal continuity constraint(LCC)と、c(k)の存在できる範囲を制限するGlobal constraint(GC)とを設定し、これに従って計算が行われる。
実施例では、LCCとして、P(i,j)に遷移できる点をP1(i−1,j)、P2(i−1,j−1)及びP3(i,j−1)の3点のみとする制限を設けた(いわゆるSakoe−chiba制約の一種)。これにより、c(k)の軌跡は、水平移動、傾きが1の移動及び垂直移動の3種類によって描画されることになる。また、GCとしてc(k)が始点と終点とを結ぶ直線から±Mの幅に収まることとする制限が設けられている(いわゆるSakoe−chiba Band制約)。実施例におけるMは、例えばM=5のような比較的小さな値となっている。これは、実施例における参照波形及び対象波形がいずれも比較的単純な形状であるため、Mの値を大きくしてしまうと、あまり類似しない波形同士であっても距離が小さくなるように変形できてしまうからである。なお「M」は、時系列データの数を表すものであり、本実施例のように1sec間隔で測定を行う場合において、M=5のときには、5個の測定値ということであり、5secに相当するものである。また、さらに上記の制限に加え、さらに波形の端点につても制限を設けた。実施例では、2つの波形の最終点を一致させるFixed−endpoint制約を設けた。
このような定義のもとで、距離Dが最小となるc(k)を決定するために、動的計画法(Dynamic programming)が用いられる。まず(i,j)に至るまでの最小累計距離をDAとして、式(3)に示される再帰式を各(i,j)について解き、その後、最終点から遡ることで距離Dが最小となるc(k)を決定することができる。
Figure 2012097603
このような動的時間伸縮法に基づいて、同期工程において同期された参照波形と対象波形について、特定されたc(k)の経路の内容に応じて対象波形の時間軸を伸縮させてアライメントする(ステップS13:DTW工程)。これにより、参照波形に対して対象波形が同様の特徴をもっている場合には、両波形がより一致するようになる。
次に、このDTW工程後の参照波形と対象波形との差異を算出する(ステップS14)。差異は、例えば200secの各点における参照波形と対象波形との差異(例えば単純な差分や、ユークリッド距離など)の累積が利用できるほか、上記の距離Dの値をそのまま利用しても良く、2つの波形の差異が一義的に決定できるものであれば構わない。そして、この差異の値が予め設定されている所定の閾値と比較され(ステップS15)、閾値より小さければ、参照波形に類似するということであるから、失火であるとして判定される(ステップS16)。また、閾値より大きければ、参照波形に類似しないということであり、正常運転として判定される(ステップS17)。これらの判定は、失火である場合にディスプレイに出力される。なお、判定結果が正常運転の場合にも、判定(診断)が行われたことをディスプレイに表示するようにしても構わないし、表示しないまでも判定が行われたことが制御部等に保存されるようにしても構わない。
図3乃至5は、実施例の失火検知システム1における各工程後の波形を示すグラフである。図3及び4が失火の診断事例であり、図5が正常な運転状態における診断事例である。なお、図3乃至5における排気温度は、温度センサ15a乃至15cの測定値のうち特定の1つを示すものであり(事例1及び2においては失火のあったもの)、残りの2つの測定値は省略されている。各図ともに横軸は時間であり、200secの区間となっている。また、縦軸は、排気温度の測定値をそのまま表示するものではなく、相対値となっており、図示例では200secの区間における排気温度の平均値が減算された値(偏差)を所定の定数で割ったものとなっている。
図3乃至5において(a)はいずれもデータベース部25に格納された参照波形であり、(b)はそれぞれの事例における対象波形となっている。(c)は正規化工程を経た参照波形と対象波形とを重ね合わせたものであり、(d)はさらに同期工程を経たものである。そして、(e)は、さらにDTW工程を経たものであり、対象波形をアライメントすることで、参照波形に対してより一致させたものである。なお、対比のために、(c)に対してDTW工程を行ったものを(f)に示す。
事例1:失火
図3に示されるのは、典型的な間歇失火における排気温度の波形である。そのため、同期工程後の(d)の段階で、すでに対象波形と参照波形とがかなり一致しているようにみえる。しかしながら、まだ波形の一致が足りず、この段階で両波形の差異を測定すると閾値の設定値によっては失火として判定されない場合がある。これに対して、(e)に示されるDTW工程後の対象波形と参照波形とは、かなりの部分で一致しており、精度の高い判定結果を得ることができる。なお、DTW工程におけるGCとしてMの値を比較的小さくしているため、(c)に対してDTW工程を行った(f)は、(c)とほとんど変わることがない。
事例2:失火
図4に示されるのは、変則的な間歇失火における排気温度の波形である。図3(b)の波形と比較してみると、図4(b)の波形は、温度の下がり始めや復帰の際の傾き(変化率)が緩慢である。そのため、図4(d)のように正規化工程後に同期工程を経ても、波形同士がそれほど一致することはなく、このままでは失火として判定されない場合がある。これに対して、(e)に示されるDTW工程後の対象波形と参照波形とは、温度の下がり始めや復帰点ではズレがみられるものの、かなりの部分で一致しており、精度の高い判定結果を得ることができる。なお、DTW工程におけるGCとしてMの値を比較的小さくしているため、(c)に対してDTW工程を行った(f)は、(c)とほとんど変わることがない。
事例3:正常
図5に示されるのは、ガスエンジンの部分負荷制御による排気温度のゆらぎである。これは、失火ではないが、正規化工程及び同期工程を経た(d)における参照波形と対象波形との一致度は、失火の際の波形を示す図4の(d)とそれほど変わることがない。すなわち、図4(d)を失火と判定する閾値であれば、図5(d)もまた失火として判定してしまう可能性がある。しかしながら、(d)にさらにDTW工程を経た(e)では、図5よりも図4のほうが格段に一致しており、差異が明確となるものである。このようにDTW工程を経ることにより、事例2では正しく失火と判定でき、事例3では正しく正常であると判定できる。なお、この図5の例では(c)と(d)の差異が小さいため、(e)と(f)の差異も小さいものとなっている。
なお、過去に記録された間歇失火の可能性のある波形パターンを2011個抽出し、これらに対して、エキスパートによる判断を行ったところ、679個が失火であり、1332個は失火ではないと分類された。これらの2011個の波形パターンについて、実施例の方法によって失火の有無について診断(判定)を行った。
この際、実施例の通りの方法で判定を行う場合と、実施例の方法からDTW工程のみを省略して判定を行う場合とで比較を行った。結果は、実施例の方法からDTW工程を省略して判定を行う場合では、正常な波形を失火として判定した数が2個、失火の波形を正常な波形であるとして判定した数が6個であり、誤判定が8個であった。これに対し、実施例の通りの方法で判定を行う場合では、正常な波形を失火として判定した数が2個と同じであったが、失火の波形を正常な波形であるとして判定した数が3個であり、誤判定が5個と減少した。これにより、DTW工程がより高精度な失火判定に有効であることが確認された。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、検知部の構成は一例であり、それぞれの機能を充足するものであれば異なる構成であっても構わない。
また、計測トリガとして電力センサにおける発電有効電力の変動を用いた例を示したが、これに限定されない。例えば、温度センサによって測定される排気温度に所定の割合以上の急激な変化が生じたときに診断を開始するようにしても構わない。この場合、電力センサを省略することができる。また、診断を開始するための計測トリガを設けず、1secごとに対象波形をずらすことで連続して診断し続ける構成としても構わない。
また、同期工程として参照波形と対象波形との相互相関が最も高くなるように時間軸をずらす例を示したがこれに限定されない。例えば、時間軸をずらすという操作によって結果として相互相関が高くなるものであれば良く、参照波形における最も温度の低い時間に対して対象波形における最も温度の低い時間を一致させるようにしても構わない。
また、参照波形が一種類のみである例を示したがこれに限定されない。例えば、過去の失火時における波形パターンの全て(または、そのうち複数)を参照波形としてデータベース部に登録するものでも構わない。また、シミュレーションによって理論的に波形を再現する場合には、シミュレーションのパラメータを変更することで、複数の波形を持つようにしても構わない。
1 失火検知システム
10 ガスエンジン
20 検知部
23 記憶部
25 データベース部
27 制御部

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気温度を測定する測定工程と、
    該測定工程によって測定された排気温度の対象波形と予め定められた参照波形とを相互相関が高くなるように同期させる同期工程と、
    該同期後の対象波形を前記同期後の参照波形に対して動的時間伸縮法に基づいてアライメントし、該アライメント後の対象波形と参照波形との差異に基づいて失火の有無を判定する判定工程とを有することを特徴とする失火検知方法。
  2. 内燃機関の排気温度を測定する測定部と、
    該測定部によって測定された排気温度の対象波形を記憶する記憶部と、
    該記憶部に記憶された対象波形と前記記憶部に予め記憶されている参照波形とを相互相関が高くなるように同期させ、該同期後の対象波形を前記同期後の参照波形に対して動的時間伸縮法を用いてアライメントし、該アライメント後の対象波形と参照波形との差異に基づいて失火の有無を判定する制御部とを有することを特徴とする失火検知システム。
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