JPH0518306A - 多気筒エンジンの失火検出装置 - Google Patents

多気筒エンジンの失火検出装置

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JPH0518306A
JPH0518306A JP3197413A JP19741391A JPH0518306A JP H0518306 A JPH0518306 A JP H0518306A JP 3197413 A JP3197413 A JP 3197413A JP 19741391 A JP19741391 A JP 19741391A JP H0518306 A JPH0518306 A JP H0518306A
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勇一 島崎
Masaki Kanehiro
正毅 金広
Takuji Ishioka
卓司 石岡
Shigeru Maruyama
茂 丸山
Yoichi Nishimura
要一 西村
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多気筒エンジンの回転速度信号から失火を判
別する失火検出装置において、失火以外の要因による回
転速度変動や失火後の揺り返しによる回転速度変動が除
去され、失火の発生及びその気筒が正確に判定されるよ
うにする。 【構成】 エンジンとともに回転するリングギヤ5に近
接して配置されるピックアップ6により、エンジンの瞬
時の回転速度を検出し、その検出信号をFVコンバータ
7によって回転速度変動の波形に変換する。そして、そ
の出力波形をハイパスフィルタ8及び第1ローパスフィ
ルタ9に通すことにより、失火以外の要因による回転速
度変動成分を除去する。また、第2ローパスフィルタ1
0に通すことにより1/2位相のずれた信号を形成し、
その信号を第1ローパスフィルタ9の出力信号に加え
る。こうして、失火による回転速度変動のみが顕著な波
形とした後、その信号と基準値とを比較することによっ
て失火を判定する。フィルタ8,9,10を通すことに
より信号に時間遅れが生ずるので、失火気筒の確定はそ
の時間遅れを補正して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジン等の
多気筒エンジンにおいて、ある気筒に点火が正常に行わ
れない失火が発生したとき、その失火を検出する失火検
出装置に関するもので、特に、エンジンの回転速度変動
から失火を判別するようにした多気筒エンジンの失火検
出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、環境問題等から、エ
ンジンの失火を検出することが求められるようになって
きている。その場合、自動車用エンジンは多気筒エンジ
ンであるので、どの気筒が失火したかも検出することが
求められる。そのような多気筒エンジンの失火検出装置
としては、例えば特開平2-112646号公報に開示されてい
るように、エンジンの回転速度変動から失火を検出する
ようにしたものがある。その失火検出装置においては、
エンジンの各気筒の特定位置、例えば上死点近傍におけ
るクランク軸の瞬時の回転速度が検出され、その回転速
度の変動に基づいて失火が判定される。
【0003】一般に、多気筒エンジンの瞬時の回転速度
は、各気筒の上死点付近で最も落ち込み、その間で高く
なるという周期性を有している。すなわち、ある気筒が
圧縮行程において上死点近傍に達し、点火されて爆発行
程に入ると、ガス圧によってクランク軸が加速されるの
で、その回転速度が上昇する。次いで、その回転速度は
負荷の抵抗により徐々に低下する。そして、次の気筒に
点火されることによって再び加速される。したがって、
上述のような周期性を示す。ところが、ある気筒が失火
すると、その気筒によるクランク軸の加速が行われない
ので、その気筒の上死点を超えても回転速度は低下し続
けることになる。したがって、上記公報に示されている
ように各気筒の上死点近傍におけるエンジンの瞬時の回
転速度を検出すれば、その回転速度が変動しないときに
は正常であり、低下したときには失火と判断することが
できる。そして、回転速度の低下が検出されたとき、そ
の一つ前に上死点近傍にあった気筒が失火気筒であると
いうことがわかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな失火検出装置の場合には、各気筒の特定位置におけ
るエンジン回転速度検出信号の時間変化を直接見ている
ので、失火以外の要因による回転速度変動があっても、
失火によるものかどうかを判別することができない。一
方、エンジン回転速度の検出信号上には、例えば4サイ
クル4気筒エンジンであればエンジン回転数の2倍(2
次)の回転速度変動が、また、4サイクル6気筒エンジ
ンであればエンジン回転数の3倍(3次)の回転速度変
動が表れる。更に、自動車用エンジンの場合には、自動
車の通常走行中においてもエンジン回転速度は変動す
る。したがって、エンジン回転速度の検出信号は、その
ような失火以外の要因による回転速度変動をも含むもの
となる。そのために、上述のようにエンジンの回転速度
変動を直接見る失火検出装置では、失火時の回転速度変
動が不明瞭となり、失火検知性が悪く、失火気筒の決定
も困難になるという問題がある。
【0005】本発明者らは、このような問題を解消する
ための検討を行った結果、エンジンの瞬時の回転速度を
連続的に検出して波形信号として出力し、それをフィル
タに通すことによって特定の周波数成分のみを取り出す
ようにすれば、失火以外の要因による回転速度変動をか
なりの程度除去することができるということを見いだし
た。そのようにすれば、失火による回転速度変動が明瞭
となるので、失火検知性を向上させることができる。し
かしながら、エンジンが失火したときには、その失火に
よってエンジンの回転速度が低下した後、揺り返しとい
う現象のために、回転速度が上昇し、再び低下するとい
う振動を繰り返す。その揺り返しの周波数は失火による
回転速度変動の周波数より小さいが、その周波数にかな
り近い。したがって、単にフィルタに通すだけでは、揺
り返しの影響を除去することは難しい。すなわち、揺り
返しの影響を除去するためにはフィルタによって濾波す
る低周波の設定周波数を高くすることが必要となるが、
そのようにすると、失火による回転速度低下の信号自体
が小さくなり、しかも、揺り返しによる振動は相対的に
は小さくならないので、揺り返しによる回転速度低下を
失火と誤検知する可能性が生ずる。
【0006】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、失火以外の要因による回
転速度変動及び失火による回転速度低下後に生ずる揺り
返しの影響が低減されるようにし、それによって失火検
知性を高めるとともに、失火気筒の正確な確定を可能と
した多気筒エンジンの失火検出装置を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、回転速度検出手段により検出された多
気筒エンジンの瞬時の回転速度を回転速度変動の波形に
変え、その出力波形を第1及び第2フィルタに通してそ
の第1フィルタから特定周波数成分を取り出すととも
に、第2フィルタから第1フィルタの出力信号に対して
位相のずれを有する信号を取り出し、それら第1及び第
2フィルタの各出力信号を混合器により合成した後、そ
の混合器の出力値と基準値とを比較することにより失火
を判別するようにしている。
【0008】
【作用】このように、回転速度変動の波形信号を第1フ
ィルタに通し、低周波成分や高周波成分を除去した特定
周波数成分のみを取り出すことにより、自動車の通常走
行中に生じるエンジン回転速度変動やエンジン回転数の
2次あるいは3次の回転速度変動が除去される。そし
て、その第1フィルタの出力信号と、その信号に対して
位相のずれた第2フィルタからの出力信号とを合成する
ことにより、失火後の揺り返しによる回転数変動の影響
が低減される。一方、それらのフィルタからの出力波形
は失火前はほとんど平坦であるので、失火による回転速
度変動の波形は、そのような合成によってもほとんど低
減しない。したがって、それらの信号を合成する混合器
通過後の波形は、失火による回転速度変動が顕著なもの
となる。こうして、失火による回転速度変動が明確な信
号が混合器から出力されるので、その出力値が基準値よ
り低くなったときには失火と判断することができる。
【0009】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明による失火検出装置の第1実施
例を示すブロック図である。この図から明らかなよう
に、この失火検出装置は、エンジンの回転速度を検出す
る回転速度検出手段1と、その回転速度検出手段1の出
力信号が導かれるフィルタ回路2と、そのフィルタ回路
2の出力信号から失火を判別する失火判別手段3とを備
えている。
【0010】回転速度検出手段1は、クランク軸によっ
て回転されるフライホイール4に取り付けられたリング
ギヤ5と、そのリングギヤ5に近接して配設されるピッ
クアップ6と、そのピックアップ6の出力信号を電圧に
変換するFVコンバータ7とによって構成されている。
ピックアップ6は、磁石のまわりにコイルを巻き付けた
もので、そのピックアップ6に対してリングギヤ5の歯
が通過するたびに生ずる磁束変化によりコイルに電圧が
誘起される。したがって、そのピックアップ6からはパ
ルスが出力される。そして、そのパルスの幅がそのとき
のエンジンの瞬時の回転速度となる。リングギヤ5には
120個の歯が設けられている。したがって、そのピッ
クアップ6により、エンジン1回転につき120回の瞬
時の回転速度が検出される。そのピックアップ6の出力
パルスは、FVコンバータ7によって電圧波形に変換さ
れる。こうして、回転速度検出手段1から、エンジンの
瞬時の回転速度をつないだ回転速度変動の波形が出力さ
れるようになっている。
【0011】フィルタ回路2は、設定周波数より低い周
波数の信号を濾波するハイパスフィルタ8と、設定周波
数より高い周波数の信号を濾波する第1及び第2ローパ
スフィルタ9,10とを備えている。第2ローパスフィ
ルタ10にはその出力信号のゲインを制御する増幅器1
1が接続されており、それら第2ローパスフィルタ10
及び増幅器11が第1ローパスフィルタ9に対して並列
に接続されている。そして、第1ローパスフィルタ9の
出力信号と増幅器11の出力信号とが混合器12におい
て合成されるようになっている。ハイパスフィルタ8は
自動車の通常走行時に生じるエンジン回転速度変動を除
去するもので、その設定周波数は、その回転速度変動の
周波数より高くされるが、失火時の回転速度変動の波形
を鈍らせないようにするために、例えば3Hz程度とされ
る。第1ローパスフィルタ9はエンジン回転数の2次
(4気筒エンジンの場合)あるいは3次(6気筒エンジ
ンの場合)の周波数の回転速度変動を除去するもので、
その設定周波数はエンジン回転数の2次あるいは3次の
周波数より低くされる。そのために、そのローパスフィ
ルタ9には周波数変更手段13が設けられ、エンジン回
転数に応じてその設定周波数が直線的あるいは多段的に
変化するようにされている。第2ローパスフィルタ10
の設定周波数は、エンジンの失火後に第1ローパスフィ
ルタ9から出力される揺り返しの振動波形に対して位相
が1/2遅れた信号を出力するように決定される。した
がって、その設定周波数は第1ローパスフィルタ9より
も低くなる。そして、揺り返しの周波数は、トランスミ
ッションのギヤ比によって変化する。そこで、その第2
ローパスフィルタ10にも周波数変更手段14が設けら
れ、シフト位置信号発生器15から送られるトランスミ
ッションギヤのシフト位置信号によって、その設定周波
数が変更されるようになっている。混合器12は、これ
ら第1ローパスフィルタ9の出力信号と第2ローパスフ
ィルタ10の出力信号とを重ね合わせる演算器で、この
とき、第2ローパスフィルタ10の出力信号には増幅器
11によって所定の倍率が掛けられる。こうして、フィ
ルタ回路2からは、ハイパスフィルタ8の設定周波数と
第1ローパスフィルタ9の設定周波数との間の特定周波
数成分の信号のみが、第2ローパスフィルタ10の出力
信号と重ね合わされた上で出力されるようになってい
る。
【0012】失火判別手段3は、フィルタ回路2の出力
値と基準値設定器16から導かれる基準値とを比較する
比較器17を備えている。そして、その基準値よりフィ
ルタ回路2の出力値の方が小さいときに、その比較器1
7から失火信号が出力されるようになっている。その失
火信号は、失火気筒確定手段18において、気筒判別信
号発生器19から導かれる気筒判別信号と比べられ、ハ
イパスフィルタ8及び第1ローパスフィルタ9による信
号の時間遅れを補正した上で、失火気筒が確定されるよ
うになっている。
【0013】次に、このように構成された失火検出装置
の作用について説明する。4サイクル4気筒エンジンの
場合には、気筒判別信号発生器19から、図2(A)に
示されているような、各気筒の上死点(TDC)信号d
とシリンダ信号cとを組み合わせた気筒判別信号が出力
される。各気筒の点火は#4、#2、#1、#3の順に
行われる。このとき、回転速度検出手段1のFVコンバ
ータ7から出力される波形は、図2(B)に示されてい
るような種々の周波数成分を含んだ複雑な波形となる。
しかしながら、各気筒の点火が正常に行われているとき
には、同図の左端部分に示されているように比較的周期
性のある波形となる。
【0014】いま、同図のs点、すなわち第4気筒#4
で失火が生じたとする。すると、クランク軸の回転速度
が低下するので、回転速度検出手段1の出力波形は大き
く落ち込む。そして、その失火の揺り返しにより、回転
速度が上昇し、次いで再び低下する。したがって、回転
速度検出手段1の出力波形は、同図に示されているよう
に大きなうねりを持つことになる。
【0015】このような回転速度検出手段1の出力波形
がフィルタ回路2に通されると、まず、ハイパスフィル
タ8によって低周波成分が除去される。次いで、第1ロ
ーパスフィルタ9によって高周波成分が除去される。し
たがって、そのローパスフィルタ9からの出力波形は、
図2(C)にaで示されているように、失火による落ち
込みと、その揺り返しによるうねりとのみが顕著な波形
となる。また、ハイパスフィルタ8からの出力信号が第
2ローパスフィルタ10に通されることにより、そのロ
ーパスフィルタ10から、第1ローパスフィルタ9の出
力波形に比べて1/2位相の遅れた波形信号が出力され
る。その場合、第2ローパスフィルタ10の設定周波数
は第1ローパスフィルタ9の設定周波数より低いので、
第2ローパスフィルタ10の出力信号の振幅は第1ロー
パスフィルタ9の出力信号の振幅より小さくなる。した
がって、第2ローパスフィルタ10から出力される信号
は、図2(C)にbで示されているような波形となる。
そして、その出力信号が増幅器11によって増幅され、
その振幅が第1ローパスフィルタ9の出力信号の振幅に
できるだけ近付くように調整される。次いで、それらの
波形信号が混合器12において重ね合わされる。それに
よって、1/2位相のずれた振動が互いに打ち消し合
い、揺り返しによるうねりが低減される。その場合、第
1ローパスフィルタ9から出力された失火による回転速
度低下の波形信号は、第2ローパスフィルタ10の出力
波形の平坦な部分に重ね合わされるので、ほとんどその
まま残る。こうして、混合器12から、図2(D)に示
されているように失火による回転速度低下が明瞭な波形
信号が出力される。
【0016】そして、そのフィルタ回路2、すなわち混
合器12からの出力波形信号が失火判別手段3に送ら
れ、比較器17において基準値設定器16が発生する基
準値と比較される。その基準値は、図2(D)にhで示
されているようなレベルである。したがって、失火によ
る波形の落ち込みはその基準値より低くなる。また、そ
れ以外のときに基準値より低くなることはない。こうし
て、混合器12の出力値と基準値とを比較することによ
り、その出力値が基準値より低いとき失火が発生したと
判定され、比較器17から失火信号が出力される。そし
て、その失火信号が失火気筒確定手段18に送られ、ど
の気筒に失火が生じたかが判別される。この場合、ハイ
パスフィルタ8及びローパスフィルタ9,10による信
号の時間遅れのために、失火の判定は第1気筒#1が上
死点近傍にあるときに行われる。そこで、その失火気筒
確定手段18においては、その時間遅れを補正し、失火
気筒が#4であると判定する。
【0017】このようにして、この失火検出装置におい
ては、失火以外の要因によるエンジンの回転速度変動及
び失火後の揺り返しによる回転速度変動をできるだけ除
去した波形によって失火が検出される。したがって、そ
の失火の検出が正確となり、失火気筒の確定も確実とな
る。
【0018】図3は、本発明による失火検出装置の第2
実施例を示すブロック図である。なお、以下の実施例の
説明において、対応する部分には同一の符号を付すこと
により、重複する説明は省略する。この失火検出装置の
場合には、第2ローパスフィルタ10の設定周波数は一
定とされている。その設定周波数は失火後の揺り返しよ
り高い周波数とされるが、失火時の回転速度の低下を鈍
らせるために、できる限り低い周波数とされる。例えば
揺り返しの周波数が8Hzであれば、その設定周波数は1
0Hz程度とされる。そして、第1及び第2ローパスフィ
ルタ9,10に、それぞれ位相器20,21が接続され
る。これらの位相器20,21は、ローパスフィルタ
9,10の出力信号の位相を揺り返しの振動波形が打ち
消されるように同期させるもので、例えば第2ローパス
フィルタ10の出力信号の位相を第1ローパスフィルタ
9の出力信号の位相より1/2遅らせるもの、あるいは
第2ローパスフィルタ10の出力信号の位相を第1ロー
パスフィルタ9の出力信号の位相に対して整数倍ずらす
ものとされる。これらの位相器20,21の位相変化量
は、位相調整器22により自動車の運転状態に応じて調
整されるようになっている。第2ローパスフィルタ10
から位相器21を通して出力される信号は、増幅器11
によって増幅された後、第1ローパスフィルタ9から位
相器20を通して出力される信号とともに混合器12に
送られる。混合器12はこれらの信号を処理する演算器
で、第2ローパスフィルタ10からの出力信号が第1ロ
ーパスフィルタ9からの出力信号より1/2位相遅らさ
れているときにはそれらの信号を単に重ね合わせ、整数
倍位相ずらされているときにはそれらの信号の差を取る
などの演算をする。その他の構成は図1の実施例と同様
である。
【0019】このように構成された失火検出装置におい
ても、第1ローパスフィルタ9側の出力信号に表れる失
火後の揺り返しによる振動波形と第2ローパスフィルタ
10側の出力信号に表れる同様な振動波形とが混合器1
2において互いに打ち消し合うので、その混合器12か
らは、図1の実施例の場合と同様に、失火による回転速
度低下のみが顕著な信号が出力されることになり、同様
な作用効果が得られる。その場合、第1ローパスフィル
タ9より設定周波数の低い第2ローパスフィルタ10か
ら出力される失火時の回転速度低下の波形は鈍くなる
が、その波形は増幅器11によって増幅されるので、そ
の波形によって揺り返しの初期の大きな振動波形も打ち
消される。また、揺り返しの振動の振幅は第1及び第2
ローパスフィルタ9,10のいずれ側もほぼ等しくなる
ので、その振動は確実に低減される。そして、この実施
例の場合には、第1及び第2ローパスフィルタ9,10
通過後の信号の周期を位相器20,21によって同期さ
せるので、エンジンの低速回転時にも同期させることが
できるという効果が得られる。
【0020】図4は、本発明による失火検出装置の第3
実施例を示すブロック図である。この失火検出装置の場
合にも、図3の実施例と同様に、第2ローパスフィルタ
10の設定周波数は揺り返しの周波数よりやや高い一定
の周波数とされる。そして、第1及び第2ローパスフィ
ルタ9,10にそれぞれ位相器20,21が接続され、
それらのフィルタ9,10を通る信号が、そのうちの揺
り返しによる振動部分が互いに打ち消されるタイミング
で同期される。第2ローパスフィルタ10から位相器2
1を通して出力される信号は、増幅器11によってゲイ
ン調整された後、第1ローパスフィルタ9から位相器2
0を通して出力される信号とともに混合器12に送られ
る。混合器12においては、それらの信号の重ね合わせ
あるいは差し引きなどの処理が行われる。失火後の揺り
返しによる振動の振幅は、エンジンの負荷など、その運
転状態によって異なる。例えば低負荷のときには、慣性
によってエンジン回転速度が維持されるので、揺り返し
の振幅は小さい。そこで、増幅器11にはゲイン調整器
23が接続され、運転状態に応じて増幅器11のゲイン
が制御される。
【0021】このように構成された失火検出装置におい
て、いま、回転速度検出手段1のFVコンバータ7から
図5(A)に示されているような回転速度変動の波形が
出力されたとする。すると、第1ローパスフィルタ9か
ら位相器20を通して出力される信号波形は、同図
(B)のaのようになる。また、第2ローパスフィルタ
10の位相器21が第1ローパスフィルタ9の位相器2
0より1/2位相を遅らせるものとされているとする
と、その位相器21からの出力波形は同図にbで示され
ているようになる。そして、第2ローパスフィルタ10
の位相器21から出力された信号が増幅器11によって
増幅され、混合器12において第1ローパスフィルタ9
からの出力信号と重ね合わされることにより、その混合
器12からは図5(C)に示されているような波形信号
が出力される。その場合、増幅器11の増幅率が1.0
であるとaのようになり、増幅率が1.5であるとb、
増幅率が2.0であるとcのようになる。
【0022】このように、運転状態に応じて増幅器11
のゲインを変えることにより、運転状態によって異なる
揺り返しの振幅を適切に低減させることができる。した
がって、混合器12から出力される波形信号は失火によ
る回転速度低下のみが顕著なものとなり、その出力値と
基準値とを比較することによって、失火が正確に判定さ
れるようになる。そして、そのようにして失火が判定さ
れた実時間から、各フィルタ8,9,10及び位相器2
0,21による信号の時間遅れを補正した上で気筒判別
信号との関係を見ることによって、失火気筒を確定する
ことができる。
【0023】なお、上記実施例においては、エンジン回
転速度を検出する回転体としてフライホイール4に取り
付けられるリングギヤ5を用いるものとしているが、そ
の回転速度はクランクパルスによって検出するようにす
ることもできる。また、エンジン回転速度信号をアナロ
グ信号として出力する純機械的な回転速度検出手段を用
いることもできる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、エンジン回転速度検出手段からの出力波形を
フィルタに通し、特定周波数の信号のみを取り出すよう
にしているので、エンジン回転数の2次あるいは3次の
周波数を持つ回転速度変動や自動車の通常走行中におけ
るエンジン回転速度変動など、失火以外の要因による回
転速度変動を除去することができる。また、その信号
に、その信号に対して位相のずれを有する信号を合成す
るようにしているので、失火による回転速度変動は残る
ようにしながら、失火後の揺り返しによる波形は低減さ
せることができる。したがって、失火時の回転速度変動
を明確にすることができ、失火の検知性を向上させるこ
とができる。また、失火気筒の確定も容易化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多気筒エンジンの失火検出装置の
第1実施例を示すブロック図である。
【図2】その失火検出装置の各部において出力される信
号波形を示す波形図である。
【図3】本発明による多気筒エンジンの失火検出装置の
第2実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明による多気筒エンジンの失火検出装置の
第3実施例を示すブロック図である。
【図5】図4の失火検出装置の各部において出力される
信号波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 回転速度検出手段 2 フィルタ回路 3 失火判別手段 5 リングギヤ 6 ピックアップ 7 FVコンバータ 8 ハイパスフィルタ 9 第1ローパスフィルタ 10 第2ローパスフィルタ 11 増幅器 12 混合器 16 基準値設定器 17 比較器 18 失火気筒確定手段 19 気筒判別信号発生器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 茂 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 西村 要一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 多気筒エンジンの瞬時の回転速度を検出
    してそのエンジンの回転速度変動の波形を出力する回転
    速度検出手段と、 その回転速度検出手段の出力波形からそのうちの特定周
    波数成分を取り出す第1フィルタと、 その第1フィルタの出力信号に対して位相のずれを有す
    る信号を出力する第2フィルタと、 それら第1フィルタ及び第2フィルタの各出力信号を合
    成した合成信号を出力する混合器と、 その混合器の出力値と基準値とを比較して前記エンジン
    の失火を判別する失火判別手段と、 を備えてなる、多気筒エンジンの失火検出装置。
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