JP2005127834A - ガス漏れ検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧のガスが貯蔵されているボンベや該ボンベに接続される配管などにおいて、亀裂の発生の有無を確実に判定することが可能なガス漏れ検出装置を提供する。
【解決手段】所定の時間をおいてボンベまたは配管の圧力を測定する圧力測定部11と、圧力測定部11によって所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出部12と、圧力差が第1のしきい値より大きい場合に、以後に測定される圧力から算出される圧力差を所定の回数分加算する圧力差加算部14と、圧力差加算部14によって算出される圧力差が第1のしきい値より大きい第2のしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定部15と、を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ガスが貯蔵される貯蔵室やこの貯蔵室に接続されるガス配管などにおけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置に関するものである。
燃料として天然ガスなどのガス燃料を使用する自動車では、ガス燃料を燃焼して出力を取り出すエンジンとガス燃料が加圧充填されたボンベとが配管されている。ボンベには高い圧力のガス燃料が充填されているため、ガスの圧力を検出するセンサをボンベやエンジンに接続される配管に設けて、ボンベや配管への亀裂の発生によるガス漏れの検知を行なっている。このガス漏れの検知を行なう従来技術として、種々のものが提案されている。たとえば、ガス漏れの検知を行なう従来技術の1つについて説明すると、最初にエンジンが停止している状態でボンベや配管のガス圧を取得する。つぎに所定時間経過した後でエンジンが停止した状態にあるときにボンベや配管のガス圧を取得し、最初に求めたガス圧との差を算出する。また、所定時間経過した後でエンジンが停止した状態のときのボンベや配管のガス圧を取得し、前回のガス圧との差を算出する。これを繰り返し行い、算出されたガス圧の差の値を積算し、ガス圧の差の積算値が所定値より大きい場合に、ガス漏れしていると判断する(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−41106号公報
しかしながら、上述した従来のガス漏れの検知方法では、エンジン停止毎(1トリップ毎)にボンベや配管のガス圧を取得して積算するものであり、たとえば自動車の運転中に迅速にボンベや配管に亀裂が発生したことを把握することができない。そこで、従来では、ボンベや配管の亀裂の発生を自動車の運転中に検出している。図16は、従来の自動車の運転中におけるガス漏れの検出方法を説明するための図である。図中、横軸は経過時間を示し、縦軸はガス圧を示している。また、曲線L11は、ボンベや配管に亀裂が発生した場合のガス圧の実際の時間変化を示しており、曲線L12は、所定のタイミングでボンベや配管に設置された圧力センサによって測定された圧力値を示している。すなわち、曲線L11のように時間とともに変化するボンベや配管内の圧力を、所定の時間間隔をおいて圧力センサによって測定し、A/D変換したものが曲線L12となる。
曲線L11の時刻t101までに示されるように、通常、ボンベや配管内の圧力は、燃料ガスの使用とともに減少するので、一定の割合で減少していく。その後、時刻t101〜t102の間の時刻txで、ボンベまたは配管内に亀裂が発生したとすると、ボンベや配管内の圧力はある圧力となるまで急激に減少し、その後は滑らかに圧力が減少するようになる。このとき、曲線L12に示されるように、時刻t101〜t102,t102〜t103,t103〜t104,t104〜t105,t105〜t106で圧力の低下量はそれぞれα,β,γ,η,θとなる。ここで、従来のガス漏れの検出方法では、圧力を測定する所定の時間間隔における圧力低下量が亀裂判定値x以上である場合に、ガス漏れが発生したと判定していた。
しかしながら、従来のガス漏れの検知方法では、全体としては亀裂判定値x以上の圧力低下量が認められるのに対して、圧力を測定する所定の時間間隔におけるそれぞれの圧力低下量は亀裂判定値xより小さい値を示すために、ガス漏れが発生していないと判定される場合があった。たとえば、図16に示されるように、時刻t102〜t106で算出される圧力低下量α〜θの和(=α+β+γ+η+θ)は亀裂判定値xより大きいが、それぞれの時刻で算出される圧力低下量α〜θは亀裂判定値xより小さいため、どの測定タイミングでもガス漏れが発生しているとは判定されなかった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、高圧のガスが貯蔵されている高圧ボンベや高圧ボンベに接続される高圧配管などにおいて、亀裂の発生の有無を確実に判定することが可能なガス漏れ検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるガス漏れ検出装置は、ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管におけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置であって、所定の時間をおいて前記貯蔵室または前記配管の圧力を測定する圧力測定手段と、前記圧力測定手段によって前記所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出手段と、前記圧力差が第1のしきい値より大きい場合に、以後に測定される圧力から算出される圧力差を所定の回数分加算する圧力差加算手段と、前記圧力差加算手段によって算出される圧力差が前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定手段と、を備えることを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管の所定の時間間隔における圧力差が第1のしきい値以上の場合に、ガス漏れの可能性があるものとみなして、所定の蓄積回数だけ圧力差を記憶する仮判定状態となる。そして、蓄積回数分の圧力差の記憶が終了すると、仮判定状態時における圧力差の加算値、すなわち仮判定状態の開始時の圧力と終了時の圧力との差が、第2のしきい値を上回るか否かでガス漏れの判定が行われる。
また、請求項2の発明にかかるガス漏れ検出装置は、ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管におけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置であって、所定の時間をおいて前記貯蔵室または前記配管の圧力を測定する圧力測定手段と、前記圧力測定手段によって前記所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出手段と、前記圧力差が第1のしきい値より大きい場合に、以後に測定される圧力から算出される圧力差を多くとも所定の回数分、前記圧力差算出手段によって圧力差が算出されるごとに加算する圧力差加算手段と、前記圧力差加算手段によって加算される圧力差が前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定手段と、を備えることを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管の所定の時間間隔における圧力差が第1のしきい値以上の場合に、ガス漏れの可能性があるものとみなして、所定の回数だけ圧力差を記憶する仮判定状態となる。そして、圧力差が算出される毎にそれまでに記憶されている圧力差の加算値を求め、第2のしきい値を上回るか否かのガス漏れの判定が行われる。このガス漏れの判定は、ガス漏れと判定されるまでまたは圧力差が所定の回数だけ記憶されるまで行われる。
また、請求項3の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記加算を行う圧力差の数は、前記第1のしきい値より大きいと判断された際における圧力差の大きさに応じて異なることを特徴とする。この請求項3の発明によれば、所定の時間をおいて測定される前後の圧力差が仮判定状態への移行の判定を行う際に使用される第1のしきい値以上の場合であって、その圧力差が、上記第1のしきい値に比して大きい値を有するほど圧力差の値を加算する回数を少なくし、上記判定値に近い値を有するほど圧力差の値を加算する回数を多くするように、加算する回数を可変にすることができる。
また、請求項4の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記第2のしきい値は、前記貯蔵室または前記配管にガス漏れが発生した場合に、最も圧力が低下しない部位における圧力の低下量であることを特徴とする。この請求項4の発明によれば、貯蔵室や配管に亀裂が生じた際の圧力の低下量が最も小さい値がガス漏れ判定の基準値として設定される。これは、圧力測定手段によって測定される圧力は貯蔵室や配管内全体の圧力を示す絶対ガス圧力ではなく、圧力測定手段の周囲の圧力であるので、貯蔵室または配管での亀裂の発生位置が圧力測定手段から離れれば離れるほど、圧力の低下量は一般的に小さくなることを考慮したものである。したがって、通常、圧力差測定手段からもっとも離れた位置に生じた亀裂による圧力の低下量が第2のしきい値として用いられる。
また、請求項5の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項4の発明において、前記貯蔵室または前記配管の温度を測定する温度測定手段をさらに備え、前記ガス漏れ判定手段は、前記温度測定手段によって測定された温度に対応する第2のしきい値を用いて前記貯蔵室または前記配管のガス漏れの判定を行うことを特徴とする。この請求項5の発明によれば、貯蔵室または配管の温度の変化によって生じるガスの圧力の変化を考慮した第2のしきい値が、ガス漏れ判定手段によるガス漏れの判定時に使用される。
また、請求項6の発明にかかるガス漏れ検出装置は、ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管での前記ガスの消費中におけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置であって、所定の時間をおいて前記貯蔵室または前記配管の圧力を測定する圧力測定手段と、前記圧力測定手段によって前記所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出手段と、測定される圧力から算出される圧力差を所定の回数分加算する圧力差加算手段と、前記圧力差加算手段によって算出される圧力差がガスの消費量より大きいしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定手段と、を備えることを特徴とする。
この請求項6の発明によれば、ガスが消費されている最中に、ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管の所定の時間間隔における圧力差がしきい値以上の場合に、ガス漏れの可能性があるものとみなして、所定の蓄積回数だけ圧力差を記憶する仮判定状態となる。そして、蓄積回数分の圧力差の記憶が終了すると、仮判定状態時における圧力差の加算値、すなわち仮判定状態の開始時の圧力と終了時の圧力との差が、通常状態でのガスの消費量を考慮したしきい値を上回るか否かでガス漏れの判定が行われる。
また、請求項7の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項1〜6のいずれかの発明において、前記圧力測定手段によって測定される圧力が前回測定された圧力よりも所定の圧力値以上上昇している場合にノイズと判定し、ガス漏れ検出を中止する機能をさらに備えることを特徴とする。この請求項7の発明によれば、圧力差算出手段によって算出された圧力差が仮判定状態への移行を判定する際の第1のしきい値以上であり、仮判定状態へと移行した後であっても、つぎの測定時に元の圧力値に戻った場合には、前回測定された圧力値はノイズと判定され、仮判定状態が解除される。
また、請求項8の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項7の発明において、前記所定の圧力値は、前記圧力測定手段によって測定される圧力の値がA/D変換される際の誤差の最大値よりも大きいことを特徴とする。この請求項8の発明によれば、新たに測定された圧力値が前回の圧力値よりも高くなった場合であっても、測定された圧力値のA/D変換の誤差範囲内であれば、ノイズではないと判定される。
また、請求項9の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項7または8の発明において、ノイズと判定された場合に、前記圧力測定手段は圧力の測定を所定の期間中止することを特徴とする。この請求項9の発明によれば、圧力測定手段になまし処理がされている場合に、測定された圧力値にノイズが重畳すると、元の正常な圧力値に戻るまでに時間がかかり、その期間精確な圧力値の測定ができないので、所定の期間は圧力の測定が中止される。この所定の期間は、なましデータにノイズが重畳した場合に正常な圧力値に復帰するのに最も遅い時間を要する場合を想定して設定される。
また、請求項10の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項1〜9にいずれか1つの発明において、前記圧力測定手段は、前記貯蔵室または前記配管の異なる位置に複数設けられ、前記ガス漏れ判定手段は、前記複数の圧力測定手段によって測定される差圧に基づいて、さらにガス漏れの判定を行う機能をさらに有することを特徴とする。この請求項10の発明によれば、亀裂の発生箇所から距離の異なる複数の点で圧力測定手段によって圧力が測定される。各圧力測定手段で測定される圧力値は、貯蔵室や配管内全体の圧力を示す絶対ガス圧力ではなく、圧力測定手段の周辺の圧力であるために、亀裂の発生箇所の位置からの距離で異なる値を示すことになる。
また、請求項11の発明にかかるガス漏れ検出装置は、請求項1〜10のいずれかの発明において、前記圧力差算出手段は、算出した前記圧力差を累積して記憶する機能をさらに有し、前記ガス漏れ判定手段は、前記高圧ガスの使用量から計算で求まる前記貯蔵室または前記配管のガス圧の低下量と、前記圧力差算出手段によって累積して記憶された前記圧力差の累積値とを比較して、前記貯蔵室または前記配管のガス漏れの判定を行う機能をさらに有することを特徴とする。この請求項11の発明によれば、実際に使用したガス量が所定の値である場合にガスの消費量を計算によって精確に求めることができ、これよりガスの消費による貯蔵室や配管の理想的な圧力の低下量が求められる。また、圧力測定部による所定の時間間隔ごとに測定される圧力値によっても実際の貯蔵室や配管の圧力の低下量が求められる。そして、これらの2つの圧力の低下量の差をとることによって、実際のガスの消費量の理想的なガスの消費量からのずれが検出される。
請求項1の発明によれば、所定の期間における圧力差を加算した圧力差の加算値を用いてガス漏れの判定を行うようにしたので、ガスが貯蔵されている貯蔵室や配管での亀裂の発生の有無を確実に判定することができるという効果を奏する。
また、請求項2の発明によれば、圧力差が算出される毎にガス漏れ判定を行うようにしたので、仮判定状態に移行した際に設定される圧力差の加算回数に達する前でも、ガス漏れであると判定することができ、貯蔵室や配管での亀裂の発生の有無を確実にそして速やかに判定することができるという効果を奏する。
また、請求項3の発明によれば、貯蔵室や配管に生じた亀裂の大きさに関係なく、確実に亀裂の発生によるガス漏れを検出することができる。また、所定の時間間隔で行われる圧力の測定では、そのタイミングによって圧力の低下量が変化するが、その変化に依存することなく確実に亀裂の発生によるガス漏れを検出することができる。たとえば、圧力差算出手段によって算出された所定の期間における圧力差が第2のしきい値よりも大きい場合に、加算回数を1回または数回というように減らせるので、ガス漏れ判定を迅速に行うことが可能となる。また、逆に、圧力差算出手段によって算出された所定の期間における圧力差が仮判定状態への移行の判定を行う際に使用される第1のしきい値よりもわずかに大きい場合には、加算回数を多めにして、ガス漏れ判定を慎重に行うことが可能となる。
また、請求項4の発明によれば、第2のしきい値を、貯蔵室または配管に発生した亀裂による圧力の低下量のうち、最も小さい圧力の低下量に設定したので、亀裂の発生場所にかかわらず、ガス漏れの判定を確実に行うことができるという効果を有する。
また、請求項5の発明によれば、ガスの温度が常温より高いときや低いときに生じる亀裂判定レベルのばらつきをなくし、亀裂発生の誤検出や亀裂が検出できないという事態を避けることができるという効果を有する。
また、請求項6の発明によれば、所定の期間における圧力差を加算した圧力差の加算値を用いてガス漏れの判定を行うようにしたので、ガスが消費されている最中でも、ガスが貯蔵されている貯蔵室や該貯蔵室に接続される配管での亀裂の発生の有無を確実に判定することができるという効果を奏する。
また、請求項7の発明によれば、圧力測定手段にノイズが重畳して、仮判定状態への移行が設定された場合でも、つぎに測定される圧力の値によって、ノイズによる影響か否かを再度判定するようにしたので、圧力の値にノイズが重畳された場合を、亀裂の発生と誤検出する事態を防ぐことができるという効果を有する。
また、請求項8の発明によれば、圧力測定手段によって測定された圧力値がA/D変換する際の誤差によって、前回の測定時の圧力時よりも上昇した場合でも、ノイズではないと判定されるので、ノイズによる圧力の変化と亀裂の発生による圧力の変化とを分離できないことを原因とする亀裂の発生によるガス漏れが検出できなくなるという事態を避けることができる。
また、請求項9の発明によれば、ガス圧データにノイズが重畳された後に本来のデータに収束するときの下降値が、亀裂の発生と判定されるという誤検出を避けることができる。
また、請求項10の発明によれば、複数の圧力測定部によって測定される相対的な圧力の値を参照することによって、上記の発明によって検出できない亀裂の発生によるガス漏れも検出することができるという効果を有する。
また、請求項11の発明によれば、理想的なガスの消費量から求まる貯蔵室や配管のガス圧の低下量と、圧力測定部によって所定の時間間隔ごとに測定される圧力値によって求まる貯蔵室や配管のガス圧の低下量とのずれを検出することによって、上記に記載の発明によっては検出することができないような微小なガス漏れをも検出することができるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるガス漏れ検出装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるガス漏れ検出装置の実施例1の概略構成を示す図である。ガス漏れ検出装置1は、圧力を測定する圧力測定部11と、圧力差を算出する圧力差算出部12と、算出した圧力差からガス漏れの判定を行う仮判定状態に移行するか否かを判定する仮判定状態移行判定部13と、仮判定状態での圧力差の加算を行う圧力差加算部14と、亀裂発生の判定を行なうガス漏れ判定部15と、検出した圧力や算出した圧力差などを格納するデータ格納部16と、これらを制御する制御部17と、を備えて構成される。
圧力測定部11は、たとえばガスが加圧されて貯蔵される高圧ガスボンベ(以下、単にボンベという)や、ボンベに接続される高圧ガス配管(以下、単に配管という)などの観測対象に設置され、所定の時間間隔でその圧力を測定する機能を有する。この圧力測定部11として、圧力センサなどを用いることができる。圧力測定部11によって測定された圧力は、データ格納部16に出力される。この圧力測定部11は特許請求の範囲における圧力測定手段に対応する。また、この明細書においてボンベとは、ガスを貯蔵するタンク(貯蔵室)のことであり、特許請求の範囲における貯蔵室に対応する。
圧力差算出部12は、所定の時間間隔で圧力測定部11によって測定される圧力の差を算出する機能を有する。具体的には、前回の所定の時間に測定され、データ格納部16に格納されている圧力(以下では、前回の圧力という)と、その後所定の時間が経過して圧力測定部11によって測定される圧力(以下では、今回の圧力という)との差である圧力差を計算し、その結果をデータ格納部16に出力する。この圧力差算出部12は、特許請求の範囲における圧力差算出手段に対応する。
仮判定状態移行判定部13は、圧力差算出部12によって算出された圧力差に基づいて、ガス漏れ検出装置1を監視状態と仮判定状態の2つの状態を切り替えるための判定を行う。ここで、仮判定状態とは、ガス漏れと判定される可能性の高い圧力差が検出されたときにより精確な判定を行うために圧力差算出部12によって算出される圧力差を所定の回数(以下、蓄積回数という)だけ累積的にデータ格納部16に記憶させて、総合的な判定を行うための装置状態をいい、監視状態とは、圧力差算出部12によって算出される圧力差を、仮判定状態に移行するか否かの判定を行った後に記憶せずに破棄する装置状態をいう。仮判定状態移行判定部13は、圧力差算出部12によって算出された圧力差が所定の値(以下、仮判定状態移行判定値という)以上か否かを判定し、圧力差が仮判定状態移行判定値以上の場合にはガス漏れ検出装置1を仮判定状態に切り替え、圧力差が仮判定状態移行判定値より小さい場合には監視状態を続行する。また、仮判定状態移行判定部13は、仮判定状態への移行に際して、算出した圧力差を所定の蓄積回数だけ蓄積するようにしてもよいし、圧力差算出部12によって算出された圧力差の大きさによって、算出した圧力差の蓄積回数を変えるようにしてもよい。たとえば、算出された圧力差が大きければ大きいほど圧力差の蓄積回数を少なくし、算出された圧力差が小さければ小さいほど圧力差の蓄積回数を多くするように設定してもよい。
ここで、仮判定状態移行判定値の設定について説明する。一般に、高圧ガスボンベや高圧ガス配管において、ガスが使用されているときには、使用とともにその内部の圧力が減少する。たとえば、天然ガスを燃料とする自動車において、使用される燃料ガスの高圧ガスボンベや高圧ガス配管内での圧力は、エンジンへの噴射回数とともに所定の割合で低下する。したがって、仮判定状態移行判定値は、ガスの使用時におけるガス圧の低下率を基準に、その変動幅を考慮して設定される。これにより、たとえば、天然ガスを燃料とする自動車において、使用される燃料ガスの高圧ガスボンベや高圧ガス配管内での圧力が、エンジンへの噴射回数とともに所定の割合で低下する場合を、ガス漏れと判定することが防止される。この仮判定状態移行判定値は、特許請求の範囲における第1のしきい値に対応する。
圧力差加算部14は、仮判定状態移行判定部13によって仮判定状態へと装置状態が切り替えられ、設定される圧力差の蓄積回数分の圧力差がデータ格納部16に格納された後に、データ格納部16に格納される圧力差を加算する機能を有する。この圧力差加算部14は、特許請求の範囲における圧力差加算手段に対応する。
ガス漏れ判定部15は、圧力差加算部14によって算出された圧力差の加算値に基づいて、ボンベや配管に亀裂が発生しているか否かを判定する機能を有する。具体的には、ガス漏れ判定部15は、圧力差の加算値が所定の値(以下、ガス漏れ判定値という)よりも小さい値である場合には、観測対象であるボンベや配管には亀裂が発生しておらず、ガス漏れしていないと判定し、圧力差の加算値がガス漏れ判定値以上である場合には、観測対象には亀裂が発生しており、ガス漏れしていると判定する。観測対象がガス漏れしていると判定された場合には、ガス漏れ判定部15はガス漏れしている旨の信号をガス漏れ検出装置に接続される表示部などに出力する。このガス漏れ判定部15は、特許請求の範囲におけるガス漏れ判定手段に対応する。
ここで、ガス漏れ判定値の設定について説明する。図2は、ボンベや配管に発生した亀裂によるガス漏れ時の圧力変化量を示す図である。この図2において、横軸は経過時間を示し、縦軸は観測対象の圧力を示している。曲線L1,L2は、ともに時刻tでボンベや配管に亀裂が発生した場合の圧力の変化を示す曲線であるが、曲線L2は、圧力測定部11と亀裂の発生位置との距離が曲線L1に比して大きい場合を示している。ボンベや配管に亀裂が発生すると、その直後に圧力の急激な低下が見られるが、しばらくすると滑らかに圧力が減少するようになる。この亀裂発生による圧力の急激な低下における低下量は、この図2に示されるように、圧力測定部11からの距離が離れているほど小さくなる傾向がある。すなわち、圧力測定部11からある位置で亀裂が発生した場合の曲線L1での圧力の低下量x1は、それよりも遠い位置で亀裂が発生した場合の曲線L2での圧力の低下量x2よりも大きい。したがって、ガス漏れ判定値は、圧力測定部11の配管またはボンベ上の設置位置に対して、亀裂が発生した際に最も圧力の落ち込み量が小さい場合の圧力の低下量を用いることが望ましい。このガス漏れ判定値は、上述した仮判定状態移行判定値以上の大きさを有しており、特許請求の範囲の請求項1〜5における第2のしきい値と請求項6におけるしきい値に対応する。
データ格納部16は、ガス漏れの判定を行う際に必要なデータを格納する機能を有する。データ格納部16には、圧力測定部11によって測定された圧力、仮判定状態にあるときに圧力差算出部12によって算出された圧力差、仮判定状態移行判定値、ガス漏れ判定値などが格納される。また、仮判定状態移行判定部13が圧力差の大きさによって加算回数を可変に設定する場合には、圧力差の範囲に対応する加算回数が格納される。
図3は、ガス漏れ検出装置の実際の構成例を示すブロック図である。この図に示されるように、ガス漏れ検出装置1は、圧力センサ101と電子制御ユニット110とを備えて構成される。圧力センサ101は圧力測定部11に対応し、配管やボンベに取り付けられる。電子制御ユニット110は、図1の圧力差算出部12、仮判定状態移行判定部13、圧力差加算部14、ガス漏れ判定部15、データ格納部16および制御部17に対応するものであり、入力インタフェース111と、A/D変換部112と、メモリ113と、中央演算処理プロセッサ(以下、CPUという)114と、出力インタフェース115と、を備えて構成される。入力インタフェース111は圧力センサ101と接続され、圧力センサ101によって測定された圧力値を受け取る。A/D変換部112は、圧力センサ101によって測定されたアナログ値である圧力値をデジタル値に変換する。メモリ113には、圧力差の算出や仮判定状態への移行の判定処理、ガス漏れの判定処理を実行するプログラムのほかに、測定される圧力や算出した圧力差、仮判定状態移行判定値やガス漏れ判定値が格納される。CPU114は、メモリ113に格納されるプログラムにしたがって各種の処理を行う。出力インタフェース115は、CPU114によるガス漏れの判定処理の結果を、表示装置や警告灯などの外部装置に出力するインタフェースとなる。
つぎに、このガス漏れ検出装置1の動作について説明する。図4は、本発明にかかるガス漏れ検出装置の処理手順を示すフローチャートである。まず、ガス漏れ検出装置1は、観測対象であるボンベや配管が備えられる、たとえば自動車などの対象が始動状態となった場合に、監視状態として起動され、所定の時間が経過したか否かを判定し(ステップS11)、所定の時間が経過していない場合(ステップS11でNOの場合)には所定の時間が経過するまで待ち状態となる。その後、所定の時間が経過すると(ステップS11でYESの場合)、圧力測定部11は観測対象の圧力を測定し(ステップS12)、その結果をデータ格納部16に格納する。つぎに、圧力差算出部12は、データ格納部16に格納されている前回の圧力とステップS12で測定された今回の圧力との差である圧力差を算出する(ステップS13)。ここでは、ガス漏れ検出装置1が監視状態にあるので(ステップS14でNOの場合)、仮判定状態移行判定部13は、算出された圧力差が仮判定状態移行判定値以上か否かを判定する(ステップS15)。圧力差が仮判定状態移行判定値よりも小さい場合(ステップS15でNOの場合)には、監視状態を続行するように判定し(ステップS16)、ステップS12で測定した最新の圧力についてのデータのみをデータ格納部16に残し、それ以外の圧力と圧力差についてのデータを破棄する(ステップS17)。そして、ガス漏れ検出装置1の停止などによって処理が終了するのか否かを判定し(ステップS18)、終了しない場合(ステップS18でNOの場合)にはステップS11に戻り、そうでない場合(ステップS18でYESの場合)にはそのまま処理が終了する。
一方、ステップS15で圧力差が仮判定状態移行判定値以上の場合(ステップS15でYESの場合)には、仮判定状態移行判定部13は仮判定状態に装置を切り替え、たとえばガス漏れ検出装置1に備えられるメモリに仮判定状態フラグをセットし(ステップS21)、以後圧力差のデータを蓄積する回数を設定する(ステップS22)。このとき、ステップS12で測定された最新の圧力とステップS13で算出された圧力差はデータ格納部16に記憶され(ステップS32)、ステップS1に戻る。その後、ステップS11〜S13で説明した監視状態の場合と同様に所定の時間間隔で圧力が測定され、圧力差が算出される。ここでは、ガス漏れ検出装置1が仮判定状態にあるので(ステップS14でYESの場合)、今回ステップS13で蓄積した圧力差の数がステップS22で設定された蓄積回数に達したか否かが判定される(ステップS31)。設定された蓄積回数に達していない場合(ステップS31でNOの場合)にはステップS32に処理が移る。また、設定された加算回数に達した場合(ステップS31でYESの場合)には、圧力差加算部14は、データ格納部16に格納された蓄積期間中の圧力差をすべて加算し(ステップS33)、ガス漏れ判定部15は、この圧力の加算値がガス漏れ判定値以上か否かを判定する(ステップS34)。圧力の加算値がガス漏れ判定値以上である場合(ステップS34でYESの場合)には、観測対象に亀裂が発生したと判定し(ステップS35)、処理が終了する。一方、圧力差の加算値がガス漏れ判定値より小さい場合(ステップS34でNOの場合)には、観測対象に亀裂が発生していないと判定し(ステップS36)、仮判定状態フラグをリセットしてステップS37)、監視状態へとガス漏れ検出装置1を切り替えて、ステップS18の処理へ移る。
ここで、本発明によるガス漏れ検出方法の具体例について説明する。図5は、観測対象における圧力の変化を示す図である。この図において、横軸は経過時間を示し、縦軸は圧力値を示している。また、曲線L3は観測対象における実際の圧力の状況を示す曲線であり、曲線L4は本発明のガス漏れ検出装置によって測定された観測対象の圧力値を示す曲線である。この図に示されるように、ガス漏れ検出装置1は所定の時間間隔Δtで観測対象のガス圧力を検知している。時刻t0〜t3では、観測対象におけるガス圧力はガスの使用量に応じた所定の変化率で減少し、圧力の低下量も仮判定状態移行判定値よりも小さい所定量mであるとする。そのため、時刻t0〜t3ではガス漏れ検出装置1は監視状態にある。
その後、時刻t3と時刻t4の間の時刻taで観測対象に亀裂が発生しガス漏れが発生したものとする。このガス漏れにより、ガス漏れ検出装置1の仮判定状態移行判定部13は、時刻t3〜t4で仮判定状態移行判定値以上の圧力差aを検出し、ガス漏れ検出装置1が仮判定状態に移行する。ここでは、仮判定状態への移行の判定を行った回数も含めて蓄積回数が6回に設定されるものとする。その後、ガス漏れ検出装置1は、時刻t4〜t5,t5〜t6,t6〜t7,t7〜t8,t8〜t9の時間間隔でそれぞれ圧力差b,c,d,e,fを蓄積する。そして、6回目の蓄積が終了した時刻t9で、ガス漏れ検出装置1の圧力差加算部14は、蓄積したすべての圧力差の加算値a+b+c+d+e+fを求め、ガス漏れ判定部15は、求められた圧力差の加算値をガス漏れ判定値Sの大きさと比較する。この図5では、圧力差の加算値a+b+c+d+e>ガス漏れ判定値Sであるので、観測対象に亀裂が発生していると判定される。このようにして、本発明によるガス漏れ検出装置1では、連続したサンプリング期間における圧力差の和をガス漏れ判定値Sと比較するので、亀裂によるガス漏れの発生を効率よく検出することが可能となる。
ここで、圧力測定部11による圧力の測定時にノイズが発生した場合の処理について説明する。図6は圧力測定部にノイズが発生した場合の圧力値をA/D変換した曲線の一例を示す図である。実際の圧力がP0にもかかわらず圧力測定部11にノイズが重畳されたときに測定された圧力のA/D変換を時刻t11で行うと、A/D変換値は図6のように圧力値gだけ落ち込む。しかし、これはノイズであるためにつぎの測定時には圧力は正常な値P0まで復帰する。このとき、前回と今回のA/D変換値にはhの分だけ圧力の上昇が発生する。ところが、ボンベ内のガス圧は運転中には充填が行われることがないので上昇することがない。したがって、今回のガス圧が前回のガス圧に対して上昇している場合には、ノイズであると判定することができる。ただし、A/D変換の際に生じる誤差によって、前回のガス圧より今回のガス圧のほうが高くなる場合があるので、使用するA/D変換器の変換誤差の範囲以内の上昇である場合には、ノイズと判定しない。そこで、仮判定状態移行判定部13は、仮判定状態移行判定値以上の圧力差が検出され、仮判定状態に移行した場合であって、その後に検出された圧力差とほぼ同じ圧力値の上昇が認められる場合には、上記の仮判定状態移行判定値以上低下した圧力差の変動はノイズと判定し、圧力差を蓄積する期間を中止する機能を持たせてもよい。
つぎに、ガス圧データになまし処理をしている場合の処理について説明する。図7は、ガス圧データになまし処理を施した場合における圧力測定部にノイズが発生したときの圧力値をA/D変換した曲線の一例を示す図である。実際の圧力がP0であるにもかかわらず圧力測定部11にノイズが重畳されたときに測定された圧力のA/D変換を時刻t21で行うと、図6と同様にA/D変換値は圧力値iだけ落ち込む。これはノイズであるためにつぎの測定時t22では圧力は正常な値P0まで復帰するはずであるが、なまし処理がされている場合には、所定値jの分だけしか圧力の上昇が行われない。このように、ガス圧データになまし処理をしている場合に、圧力測定部11による圧力の測定時にノイズが発生すると、本来のガス圧に復帰するまでに、なまし値が収束するまでの時間Δtnがかかる。そのため、圧力測定部11によって測定されるデータになまし処理が施されている場合には、ノイズであると判定されると、所定の期間、図4に示される亀裂検出処理を中止するようにした方が望ましい。このとき、亀裂検出処理を中止する時間はなましデータにノイズが重畳し、正常な値に復帰するまでに要する時間のうち最も遅い時間であるとする。この亀裂検出処理を禁止するか否かの判定処理は、ガス漏れ検出装置1の仮判定状態移行判定部13によって実行される。なお、図7では、正常な値P0にノイズが圧力の低下方向に作用する場合を説明したが、正常な値P0にノイズが圧力の上昇方向に作用する場合も同様である。
図8は、亀裂検出処理の禁止方法を示すフローチャートである。この処理はガス漏れ検出装置が起動されている場合に実行され、たとえば、所定の時間ごとに図4の亀裂検出処理が実施される直前に行うようにしてもよい。まず、仮判定状態移行判定部13は亀裂検出処理の禁止期間中か否かを判定する(ステップS41)。これは、たとえばデータ格納部16の亀裂検出処理の禁止期間か否かを示すフラグの有無などによって判定することができる。亀裂検出処理の禁止期間中でない場合(ステップS41でNOの場合)には、前回の圧力差から今回の圧力差を減算したガス差圧を算出し(ステップS42)、ガス差圧が亀裂検出処理を禁止するべき所定の値(以下、亀裂検出処理禁止判定値という)以上か否かを判定する(ステップS43)。ここで、図6や図7のように一度圧力が下がった後に再び圧力が上がる場合には、今回の圧力差は負となる。したがって、ガス差圧は前回の圧力差よりも大きな正の値となる。したがって、仮判定状態への切り替えの判定を行う仮判定状態移行判定値よりもガス差圧が大きい場合には、ガス圧データにノイズが重畳してしまったと判定することができるので、亀裂検出処理禁止判定値として、たとえば仮判定状態移行判定値を用いてもよい。
ガス差圧が亀裂検出処理禁止判定値以上の場合(ステップS43でYESの場合)には、仮判定状態移行判定部13は亀裂検出処理の禁止設定を行い(ステップS44)、処理が終了する。この禁止設定は、たとえば、データ格納部16に亀裂検出処理の禁止期間か否かを示す領域を設け、この領域にフラグを立てることによって行うことができる。一方、ガス差圧が亀裂検出処理禁止判定値より小さい場合(ステップS43でNOの場合)には、上述した図4に示される亀裂検出処理を実施(続行)することができ(ステップS45)、処理が終了する。
また、ステップS41で亀裂検出処理の禁止期間中である場合(ステップS41でYESの場合)には、仮判定状態移行判定部13は、亀裂検出処理の禁止期間が終了したか否かを判定する(ステップS46)。亀裂検出処理の禁止期間が終了していない場合(ステップS46でNOの場合)には、禁止状態であるのでそのまま処理が終了する。一方、亀裂検出処理の禁止期間が終了した場合(ステップS46でYESの場合)には、たとえばデータ格納部16の亀裂検出処理の禁止期間か否かを示す領域のフラグを外すことによって、亀裂検出処理の禁止期間を解除し(ステップS47)、処理が終了する。
上述してきたように、本実施例1では、所定の時間をおいて測定された圧力の圧力差を算出し、圧力差が仮判定状態移行判定値以上の場合に、所定の回数分蓄積した圧力差を加算し、この圧力差の加算値を用いてボンベや配管の亀裂の有無を判定するようにしたので、一回の算出された圧力差では亀裂の発生によるガス漏れと判断できない場合でも、ガス漏れの判定を行うことができる。また、仮判定状態への移行の有無の判定を行う圧力差の大きさによって、加算回数を変化させるようにすることで、より確実に亀裂の発生によるガス漏れを検出することができるとともに、圧力差が大きい値の場合には加算回数を少なくして処理速度を高めることができる。さらに、観測対象であるボンベや配管などに亀裂が発生した場合で、圧力測定部11によって測定される圧力の低下量が最も低い値をガス漏れ判定値と設定することで、観測対象での亀裂の発生位置にかかわらずガス漏れを検知することができる。
また、仮判定状態移行判定部13によって一度仮判定状態に移行した後で、前回のガスの圧力に対してA/D変換時の誤差以上に圧力値が上昇した場合には、仮判定状態から監視状態へ切り替えるようにしたので、測定された圧力値にノイズが重畳された場合にも対応することができる。さらに、ガス圧データに対してなまし処理をしている場合にノイズが重畳した場合に、所定期間圧力差のサンプリングを禁止するようにしたので、圧力測定部11による測定値がばらつくときの測定を避けることができる。
実施例1では、仮判定状態移行判定部13によって仮判定状態に移行すると、設定された蓄積回数分の圧力差が蓄積された後に、圧力差加算部14による蓄積された圧力差の加算値が算出され、ガス漏れ判定部15によって、この圧力差の加算値に基づいてガス漏れの判定を行っていた。この実施例2では、仮判定状態に移行した後に、圧力差が算出される毎に圧力差を加算してガス漏れの判定を行う場合を説明する。
この実施例2におけるガス漏れ検出装置の構成は実施例1の図1と同様であるので、図示を省略する。ただし、仮判定状態に移行して圧力差算出部12によって圧力差が算出されるたびに、圧力差加算部14は蓄積された圧力差の加算値を算出し、ガス漏れ判定部15は圧力差の加算値とガス漏れ判定値とを比較してガス漏れの判定を行う点が異なる。このガス漏れ検出装置の構成によれば、仮判定状態に移行した後に、圧力差のデータが所定の蓄積回数分だけ蓄積される前でも、ガス漏れの判定を行うことが可能となる。
つぎに、このガス漏れ検出装置1の動作について説明する。図9は、本発明にかかるガス漏れ検出装置の処理手順を示すフローチャートである。まず、ガス漏れ検出装置1が起動されると、実施例1の図4のステップS11〜18と同様の処理が実行され、監視状態において、所定の時間間隔で圧力差が算出される(ステップS51〜S58)。すなわち、ガス漏れ検出装置1は、観測対象であるボンベや配管が備えられる、たとえば自動車などの対象が始動状態となった場合に、監視状態として起動され、所定の時間が経過すると圧力測定部11によって観測対象の圧力が測定され、さらに圧力差算出部12によってデータ格納部16に格納されている前回の圧力と測定された今回の圧力との差である圧力差を算出し、この圧力差と仮判定状態移行判定値とを比較して監視状態を続行するか仮判定状態へと移行するかを判定する。そして、監視状態を続行する場合には、測定された今回の圧力のみをデータ格納部16に記憶し、処理が終了しない限り所定の時間間隔で上記の処理が繰り返し実行される。
ステップS55で圧力差が仮判定状態移行判定値以上の場合(ステップS55でYESの場合)には、仮判定状態移行判定部13は仮判定状態にガス漏れ検出装置1を切り替えるフラグをセットし(ステップS61)、以後の圧力差のデータを蓄積する回数(蓄積回数)を設定する(ステップS62)。このとき、ステップS52で測定された最新の圧力とステップS53で算出された圧力差はデータ格納部16に記憶される(ステップS63)。その後、圧力差加算部14は、現在までにデータ格納部16に格納されている圧力差を加算し(ステップS64)、ガス漏れ判定部15は、この圧力加算値がガス漏れ判定値以上か否かを判定する(ステップS65)。圧力の加算値がガス漏れ判定値以上である場合(ステップS65でYESの場合)には、観測対象に亀裂が発生したと判定し(ステップS66)、処理が終了する。一方、圧力差の加算値がガス漏れ判定値より小さい場合(ステップS65でNOの場合)には、今回ステップS53で蓄積した圧力差の数がステップS62で設定された蓄積回数に達したか否かが判定される(ステップS67)。設定された蓄積回数に達していない場合(ステップS67でNOの場合)にはステップS51に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。なお、この場合、ガス漏れ検出装置1は仮判定状態となっているので、ステップS54の分岐ではステップS63へと処理が移行する。また、ステップS67で、設定された加算回数に達した場合(ステップS67でYESの場合)には、観測対象に亀裂が発生していないと判定し(ステップS68)、仮判定状態フラグをリセットして(ステップS69)、ガス漏れ検出装置1を監視状態に切り替え、ガス漏れ検出装置1の停止などによって処理が終了するのか否かを判定する(ステップS58)。処理が終了しない場合(ステップS58でNOの場合)にはステップS51に戻り、そうでない場合(ステップS58でYESの場合)にはそのまま処理が終了する。
この実施例2によれば、仮判定状態に移行した場合に、圧力差が算出されるたびにガス漏れ判定を行うようにしたので、設定された所定の蓄積回数分の圧力差のデータが蓄積される前でも、ガス漏れが生じている場合にはガス漏れの判定を行うことができる。この結果、ガス漏れの判定が一層速やかに行われる。
実施例1では、ガス漏れ判定値は所定の値に設定されている場合を説明したが、ガス漏れ検出装置の設置環境は常に一定ではなく、たとえば季節によって、また使用される地域によって温度が変化する。ガスは温度によって圧力が変化するために、温度に応じてガス漏れ判定値を変化させるようにしてもよい。図10は、本発明にかかるガス漏れ検出装置の実施例3の構成を示すブロック図である。このガス漏れ検出装置1aは、実施例1の図1に示されるガス漏れ検出装置1において、ガス漏れ検出装置1a、より望ましくは圧力測定部11が設置されるボンベや配管などの観測対象の温度を測定する温度測定部18がさらに備えられることを特徴とする。なお、この温度測定部18は、特許請求の範囲における温度測定手段に対応する。
一般的に、温度が高くなるにしたがって、ガスは膨張するので圧力が高くなる。したがって、図11に示されるように、ガスの温度の変化に対するガス漏れ判定値の変化について予め図11のようなデータを求めてデータ格納部16に格納しておく。また、ガス漏れ判定部15は、ガス漏れ判定を行う際に、まず、判定時における観測対象の温度を温度測定部18から取得し、この温度に基づいてガス漏れ判定値を選択し、その後選択したガス漏れ判定値と仮判定状態の期間中の圧力差の加算値とを比較してガス漏れの判定を行う。なお、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。また、この場合のガス漏れ検出方法は、実施例1の図4または実施例2の図9のいずれの方法を用いてもよい。
上述してきたように、本実施例3では、観測対象に温度測定部18を設け、この温度測定部18によって測定される温度に基づいてガス漏れ判定値を設定するようにしたので、観測対象の周囲環境の温度が変化した場合でも、効果的に亀裂の発生によるガス漏れを検出することができる。
実施例1〜3で説明したガス漏れ検出装置では、観測対象への亀裂の発生の検出を高い確率で行うことができるが、場合によっては検出がなされない場合もあり得る。たとえば、1回目の圧力の低下量が大きい場合に加算回数を減少させるようにしたときに、加算回数が少なすぎて所定の圧力低下量を検出することができないという場合も発生し得る。そこで、この実施例4では、一層確実に観測対象への亀裂の発生の検出を行うことが可能なガス漏れ検出装置について説明する。具体的には、図2に示されるように亀裂が発生した位置と圧力測定部11の取り付け位置によって圧力低下量が異なることを利用して、観測対象に複数の圧力測定部を設けることを特徴とする。ただし、そのうちの1つの圧力測定部は、実施例1〜3で亀裂の判定に使用される圧力を測定する圧力測定部11であるとする。
図12は、本発明にかかるガス漏れ検出装置の実施例4の概略構成を示すブロック図である。このガス漏れ検出装置1bは、実施例1の図1のガス漏れ検出装置1における亀裂の発生の判定に使用される圧力測定部11を第1の圧力測定部11aとし、このほかに観測対象上に第1の圧力測定部11aとは距離的に離れた位置に第2の圧力測定部11bがさらに備えられることを特徴とする。第2の圧力測定部11bで測定された圧力は、データ格納部16に格納される。また、ガス漏れ判定部15は、所定の時間間隔で第1と第2の圧力測定部11a,11bによって圧力が測定されると、これらの第1と第2の圧力測定部11a,11bによる圧力の差を差圧として算出し、この差圧に基づいて観測対象の亀裂の発生の有無を判定する機能も有する。これにより、ガス漏れ判定部15が実施例1で説明した方法で亀裂が発生していないと判定された場合でも、その後で第1と第2の圧力測定部11a,11bで測定された圧力の間に所定の値以上の差圧が存在すれば、観測対象に亀裂が発生していると判定することができる。
図13は、本実施例4による亀裂発生の判定方法を示すフローチャートである。この処理は、実施例1の図4や実施例2の図9での亀裂判定で亀裂が発生していないと判定された後に実行される。まず、所定の時間が経過するまで待ち状態となる(ステップS71でNOの場合)。その後、所定の時間が経過し(ステップS71でYESの場合)、監視状態に戻ったガス漏れ検出装置1bの第1と第2の圧力測定部11a,11bはそれぞれの位置で圧力を測定し、その結果がデータ格納部16に格納される。ガス漏れ判定部15は、第1の圧力測定部11aによって測定された圧力と第2の圧力測定部によって測定された圧力との差である差圧を算出し(ステップS72)、その差圧が所定の値(以下、亀裂発生判定値という)以上か否かを判定する(ステップS73)。差圧が亀裂発生判定値以上である場合(ステップS73でYESの場合)には、観測対象に亀裂が発生していると判定し(ステップS74)、処理を終了する。また、差圧が亀裂発生判定値よりも小さい場合(ステップS73でNOの場合)には、観測対象に亀裂は発生していないと判定し(ステップS75)、処理を終了する。
なお、上述した説明では2つの圧力測定部11a,11bを設ける場合を説明したが、圧力測定部を3以上設けるようにしてもよい。この場合には、すべての圧力測定部の組み合わせについて差圧を算出し、最も大きい差圧を基準に判断すればよい。
この実施例4によれば、ボンベや配管の観測対象に複数の圧力測定部を備えるように構成したので、ボンベや配管に亀裂が発生しているにもかかわらず、実施例1〜3の方法では亀裂の発生を検出できない場合でも、実施例1〜3の方法の後に所定の時間が経過した後に、亀裂によるガス漏れの発生を検出することができるという効果を有する。
上述した実施例1〜4では、配管やボンベに生じた亀裂によるガス漏れを検知することはできるが、配管やボンベからの微小なガス漏れを検知することは困難である。この実施例5では、所定量のガスをボンベから送出する系における微小なガス漏れの検知方法について説明する。なお、このような系として天然ガスを燃料とする自動車におけるエンジンに燃料を供給するための燃料ボンベとその配管を例に挙げて説明する。
この実施例5におけるガス漏れ検出装置の構成は、実施例1の図1の構成と同一であるので、その図示を省略する。ただし、圧力差算出部12によって算出される各時刻における圧力差は、破棄されずにデータ格納部16に蓄積されていくものとする。
図14は、この実施例の原理を説明するための図である。この図において、横軸は燃料ボンベからエンジンへの燃料の噴射回数を示し、縦軸は低下するガス圧(ガスの総消費量)を示している。一点鎖線で示される直線L5は、燃料ボンベや配管にガス漏れがない場合の燃料消費を示す直線であり、実線で示される直線L6は燃料ボンベや配管にガス漏れがある場合の燃料消費を示す直線である。これらの直線より、燃料ボンベや配管にガス漏れがある場合には、当然のことながら燃料の噴射回数が増加するとともにガスの総消費量が、燃料ボンベや配管にガス漏れがない場合に比して多くなる。そして、両者の測定の誤差範囲が互いに重ならない噴射回数である検出ポイントにおける差を検出することによって、微小なガス漏れを検出することができる。ここで、自動車に積載されている電子制御ユニットは、1回の噴射で消費される燃料を把握しており、噴射回数はエンジンの回転数に比例するために、図14の直線L5を求めることが可能である。また、圧力測定部11は、実際に燃料ボンベや配管の圧力を測定するので図14の直線L6を求めることも可能である。
つぎに、この実施例5における微小なガス漏れの判定方法について説明する。図15は、微小なガス漏れの判定方法を示すフローチャートである。この処理は、ガス漏れ検出装置1が起動された後に実行されるが、その実行されるタイミングは検出ポイントに達したときである。この検出ポイントとは、たとえば図14の燃料ボンベや配管にガス漏れがない場合の燃料消費を示す直線L5での誤差を考慮した変動幅と、燃料ボンベや配管にガス漏れがある場合の燃料消費を示す直線L6での誤差を考慮した変動幅とが重ならなくなる噴射回数以降の点をいう。まず、ガス漏れ判定部15は、現在のエンジンの燃料の噴射回数が検出ポイントに達したか否かを判定する(ステップS91)。エンジンの燃料の噴射回数が検出ポイントに達していない場合(ステップS91でNOの場合)には、圧力差算出部12は、圧力測定部11で測定された圧力を用いて圧力差を算出する(ステップS92)。そして、ガス漏れ判定部15は、過去に算出された圧力差を積算して(ステップS93)、処理を終了する。
一方、エンジンの燃料の噴射回数が検出ポイントに達している場合(ステップS91でYESの場合)には、積算した圧力差が噴射によって消費が見込まれるガス圧の低下量(以下、見込みガス消費量という)以上か否かを判定する(ステップS94)。積算した圧力差が見込みガス消費量以上の場合(ステップS94でYESの場合)にはガス漏れであると判定し(ステップS95)、処理を終了する。一方、積算した圧力差が見込みガス圧差より小さい場合(ステップS94でNOの場合)にはガス漏れがないと判定し(ステップS96)、処理を終了する。
このガス漏れ検出装置の構成によれば、理想的なガスの消費量から求まるボンベや配管のガス圧の低下量と、圧力測定部によって所定の時間間隔ごとに測定される圧力値によってもと舞えるボンベや配管のガス圧の低下量とのずれを検出することによって、上記の実施例1〜4では検出することができないような微小なガス漏れをも検出することができる。したがって、上述した実施例1〜3で説明したガス漏れ検出装置と組み合わせることで、亀裂の発生によるガス漏れのほか、微小なガス漏れをも検出することができるようになる。
この実施例5によれば、自動車のエンジンにおける燃料噴射回数が所定の検出ポイントに達したときに、理想的な燃料ガスの消費量と実際の燃料ガスの消費量を比較するようにしたので、燃料ガスが貯蔵されるボンベやボンベとエンジンを結ぶ配管に存在する微小なガス漏れを検出することができるという効果を有する。
以上のように、本発明にかかるガス漏れ検出装置は、高圧ガスを貯蔵するボンベやガスボンベに接続される配管のガス漏れの検出に有用であり、特に、天然ガスなどを燃料とするエンジンを有する自動車の燃料ボンベや配管のガス漏れの検出に適している。
本発明によるガス漏れ検出装置の実施例1の概略構成を示す図である。 ボンベや配管に発生した亀裂によるガス漏れ時の圧力変化量を示す図である。 ガス漏れ検出装置の実際の構成例を示すブロック図である。 本発明によるガス漏れ検出装置の処理手順を示すフローチャートである。 観測対象における圧力の変化を示す図である。 圧力測定部にノイズが発生した場合の圧力値をA/D変換した曲線の一例を示す図である。 なまし処理の場合の圧力値をA/D変換した曲線の一例を示す図である。 亀裂検出処理の禁止方法を示すフローチャートである。 本発明によるガス漏れ検出装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明によるガス漏れ検出装置の実施例3の構成を示すブロック図である。 ガス漏れ判定値のガス温度による変化を示す図である。 本発明によるガス漏れ検出装置の実施例4の概略構成を示すブロック図である。 本実施例4による亀裂発生の判定方法を示すフローチャートである。 エンジンによる燃料の噴射回数と燃料ガスの総消費量の関係を示す図である。 微小なガス漏れの判定方法を示すフローチャートである。 従来の自動車の運転中におけるガス漏れの検出方法を説明するための図である。
符号の説明
1,1a,1b ガス漏れ検出装置
11 圧力測定部
11a 第1の圧力測定部
11b 第2の圧力測定部
12 圧力差算出部
13 仮判定状態移行判定部
14 圧力差加算部
15 ガス漏れ判定部
16 データ格納部
17 制御部
18 温度測定部
101 圧力センサ
110 電子制御ユニット
111 入力インタフェース
112 A/D変換部
113 メモリ
114 CPU
115 出力インタフェース

Claims (11)

  1. ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管におけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置であって、
    所定の時間をおいて前記貯蔵室または前記配管の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記圧力測定手段によって前記所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出手段と、
    前記圧力差が第1のしきい値より大きい場合に、以後に測定される圧力から算出される圧力差を所定の回数分加算する圧力差加算手段と、
    前記圧力差加算手段によって算出される圧力差が前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス漏れ検出装置。
  2. ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管におけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置であって、
    所定の時間をおいて前記貯蔵室または前記配管の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記圧力測定手段によって前記所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出手段と、
    前記圧力差が第1のしきい値より大きい場合に、以後に測定される圧力から算出される圧力差を多くとも所定の回数分、前記圧力差算出手段によって圧力差が算出されるごとに加算する圧力差加算手段と、
    前記圧力差加算手段によって加算される圧力差が前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス漏れ検出装置。
  3. 前記加算を行う圧力差の数は、前記第1のしきい値より大きいと判断された際における圧力差の大きさに応じて異なることを特徴とする請求項1または2に記載のガス漏れ検出装置。
  4. 前記第2のしきい値は、前記貯蔵室または前記配管にガス漏れが発生した場合に、最も圧力が低下しない部位における圧力の低下量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のガス漏れ検出装置。
  5. 前記貯蔵室または前記配管の温度を測定する温度測定手段をさらに備え、
    前記ガス漏れ判定手段は、前記温度測定手段によって測定された温度に対応する第2のしきい値を用いて前記貯蔵室または前記配管のガス漏れの判定を行うことを特徴とする請求項4に記載のガス漏れ検出装置。
  6. ガスが貯蔵されている貯蔵室または該貯蔵室に接続される配管での前記ガスの消費中におけるガス漏れを検出するガス漏れ検出装置であって、
    所定の時間をおいて前記貯蔵室または前記配管の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記圧力測定手段によって前記所定の時間を挟んだ前後で測定される圧力の圧力差を算出する圧力差算出手段と、
    測定される圧力から算出される圧力差を所定の回数分加算する圧力差加算手段と、
    前記圧力差加算手段によって算出される圧力差がガスの消費量より大きいしきい値よりも大きい場合にガス漏れであると判定するガス漏れ判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス漏れ検出装置。
  7. 前記圧力測定手段によって測定される圧力が前回測定された圧力よりも所定の圧力値以上上昇している場合にノイズと判定し、ガス漏れ検出を中止する機能をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のガス漏れ検出装置。
  8. 前記所定の圧力値は、前記圧力測定手段によって測定される圧力の値がA/D変換される際の誤差の最大値よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載のガス漏れ検出装置。
  9. ノイズと判定された場合に、前記圧力測定手段は圧力の測定を所定の期間中止することを特徴とする請求項7または8に記載のガス漏れ検出装置。
  10. 前記圧力測定手段は、前記貯蔵室または前記配管の異なる位置に複数設けられ、
    前記ガス漏れ判定手段は、前記複数の圧力測定手段によって測定される差圧に基づいて、さらにガス漏れの判定を行う機能をさらに有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のガス漏れ検出装置。
  11. 前記圧力差算出手段は、算出した前記圧力差を累積して記憶する機能をさらに有し、
    前記ガス漏れ判定手段は、前記高圧ガスの使用量から計算で求まる前記貯蔵室または前記配管のガス圧の低下量と、前記圧力差算出手段によって累積して記憶された前記圧力差の累積値とを比較して、前記貯蔵室または前記配管のガス漏れの判定を行う機能をさらに有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のガス漏れ検出装置。
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