JP2012097427A - 引戸の閉じ支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】引き戸に適用されるトリガー型の閉じ支援装置において、戸パネルが乱暴に閉じ操作される場合であっても、トリガー爪が切換具の受溝から離脱するのを解消して、戸パネルの跳ね返りを防止し安全性を向上する。
【解決手段】トリガーベース51と、トリガーベース51でシーソー揺動可能に支持されるトリガーアーム52と、トリガーアーム52を係合付勢するトリガーばね63と、ケース23のロック開口25に係脱するロックアーム53を含むトリガー型の閉じ支援装置を前提とする。ロックアーム53とロック開口25との係合が解除された状態において、トリガーアーム52が切換具20から離れる向きへ沈み込み揺動するのを規制するロック構造を設ける。ロック構造は、トリガーアーム52に設けたロックピン90と、可動ブロック34に設けられて、ロックピン90を受け止めるロック腕85とで構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、引戸の戸パネルを閉じ端寄りにおいて自動的にゆっくりと閉じ操作できる引戸の閉じ支援装置に関する。
本発明の閉じ支援装置に関して、本出願人は類似構造の閉じ支援装置を先に提案している(特許文献1)。そこでは、ガイドレール内に組み付けられる閉じ支援ユニットと、ガイドレールの上壁内面に固定される切換具とで閉じ支援装置を構成している。閉じ支援ユニットは、閉じばねの張力で戸パネルを閉じ操作する閉止構造と、先の切換具で切り換え操作される切換構造と、戸パネルの閉じ動作を制動するダンパーと、これらの部材を収容するケースなどで構成している。
図17に示すように切換構造は、可動ブロック121に対して左右スライド可能に連結されるトリガーベース122と、同ベース122でシーソー揺動可能に支持されて切換具123の受溝124に係脱するトリガーアーム125と、トリガーアーム125を係合付勢するトリガーばね126と、可動ブロック121の下面に設けたロックアーム127などで構成してある。ケース128の底壁には、ロックアーム127が係脱するロック開口129が設けてある(以下、この切換構造を備えた閉じ支援装置を単にトリガー型の閉じ支援装置と言う。)。図17において、符号130はトリガーアーム125に設けたトリガー爪、符号131は可動ブロック121とトリガーベース122との間に設けた復帰ばね、符号132は受溝124の第1受面、符号133はトリガー爪130を係合待機姿勢に保持するパイロット爪である。
上記のトリガー型の閉じ支援装置によれば、開放状態の戸パネルを閉じ操作するだけで、閉じばねの蓄力状態を開放して戸パネルを閉じ端寄りにおいて閉じ支援でき、同時に閉じ動作をダンパーで制動できる。また、閉じ状態にあった戸パネルを開放操作するだけで閉じばねを蓄力することができ、同時にダンパーを制動待機状態に復帰できる。したがって、使用者は、通常の戸パネルと同様に、戸パネルを単に開閉操作するだけで、閉じ端において閉じ支援機能と制動機能とを発揮させて、戸パネルの閉じ忘れや、戸パネルの跳ね返りなどを解消できる。
特開2010−209526号公報(段落番号0053、図6)
本発明者は、上記のトリガー型の閉じ支援装置を試作し動作テストを行った。その結果、想定以上の外力が加わるような場合に、切換構造において動作不良を生じるおそれのあることが判明した。たとえば、任意の開放位置から戸パネルを閉じ操作するときは、トリガー爪130が切換具123の受溝124に落ち込み係合するのが正常な動作であるが、戸パネルが乱暴に閉じ操作される場合には、トリガー爪130が衝突反力を受けて受溝124から離脱することがあった。
上記のように、閉じ移動するトリガー爪130が受溝124から離脱すると、閉じ支援装置は切換具123を素通りし、ダンパーは作動しない。そのため、戸パネルは開口枠に衝突して跳ね返り安全性を確保できない。本発明者は、トリガーばね126で落ち込み付勢してあるはずのトリガー爪130が、受溝124から離脱する原因を探った。その結果、図17に想像線で示すように、トリガー爪130の突端が受溝124の第1受面132に接当するときの衝突反力で、トリガーアーム125が実線で示すようにトリガーばね126の付勢力に抗して沈み込み揺動するのが要因であることを確認した。つまり、閉じばねを蓄力した状態においては、トリガー爪130は受溝124と係合できる姿勢に位置保持されているものの、その状態からさらに沈み込み揺動できる構造になっている点に問題があることを確認した。
また、図17に想像線で示すように、トリガー爪130が受溝124の第1受面132と係合し始めるときの、両者130・132の係合部分の寸法が僅かであるため、上記の係合不良を助長していることを確認した。このように、トリガー爪130と第1受面132との係合量が小さいと、両者130・132が係合し始めるときの係合動作が、切換構造を構成する各部品のばらつきに大きく左右されることになる。そのため、先の各部品の加工誤差や組立誤差を厳密に管理しなければならず、それに伴い閉じ支援装置の製造に要するコストが嵩むのを避けられなかった。本発明は、上記の技術的背景のもとに提案されたものである。
本発明の目的は、たとえ戸パネルが乱暴に閉じ操作される場合であってもトリガー爪が受溝から離脱するのを阻止して、戸パネルを閉じ端寄りにおいて自動的にゆっくりと閉じ操作して安全性を向上できる引戸の閉じ支援装置を提供することにある。
本発明の目的は、切換構造を構成する各部品の加工誤差や組立誤差を厳密に管理する必要もなく、トリガー爪を受溝に対して確実に落ち込み係合させることができ、したがって全体装置の製造に要するコストを削減できる引戸の閉じ支援装置を提供することにある。
本発明に係る引戸の閉じ支援装置は、ガイドレール2内に組み付けられる閉じ支援ユニット4と、ガイドレール2に固定される切換具20とを備えている。図3に示すように、閉じ支援ユニット4は、閉じばね21の張力で戸パネル1を閉じ操作する閉止構造と、閉じばね21を蓄力できる状態と、蓄力された閉じばね21の張力を出力できる状態とに閉止構造を切り換える切換構造と、戸パネル1の閉じ動作を制動するダンパー22とをケース23に収容して構成する。図4に示すように、切換構造は、可動ブロック34で復帰ばね57を介して左右スライド可能に支持されるトリガーベース51と、トリガーベース51でシーソー揺動可能に支持されて切換具20の受溝79に係脱するトリガーアーム52と、トリガーアーム52を係合付勢するトリガーばね63と、可動ブロック34に支持されてケース23のロック開口25に係脱するロックアーム53を備えている。このような切換構造を備えたトリガー型の閉じ支援装置において、ロックアーム53とロック開口25との係合が解除されたロック解除状態にあるとき、トリガーアーム52が切換具20から離れる向きへ沈み込み揺動するのを規制するロック構造が、可動ブロック34とトリガーアーム52との間に設けてあることを特徴とする。
図1に示すようにロック構造は、トリガーアーム52に設けた接当体90と、可動ブロック34に設けられて、接当体90を受け止める規制体85とで構成する。
ロック構造は、トリガーアーム52の前後に設けたロックピン90と、可動ブロック34に設けられて、前記ロックピン90を受け止める前後一対のロック腕85とで構成する。ロックピン90の揺動領域に臨むアーム凹部58の前後に、ロック腕85をスライド案内するガイド部89を形成する。ロック腕85がロックピン90の沈み込み揺動を規制する状態において、ガイド部89がロック腕85を受け止めるようにする。
ロック腕85の突端に、ロックピン90を受け止める受座86と、受座86へ向かって上り傾斜するガイド面87とを形成する。
トリガーアーム52は、アーム本体52aと、アーム本体52aの外面を覆って衝撃を緩和する外装体52bとで構成する。アーム本体52aは外装体52bの成形時にインサート固定する。
本発明ではトリガー型の閉じ支援装置において、可動ブロック34とトリガーアーム52との間にトリガーアーム用のロック構造を設けた。トリガーアーム用のロック構造は、ロックアーム53がロック開口25から離脱した状態、つまりロックアーム53がロック解除された状態において、トリガーアーム52が切換具20から離れる向きへ沈み込み揺動するのを規制する。この規制作用によって、切換具20の受溝79と係合したトリガー爪61が受溝79から離脱するのを防止できる。因みに、トリガー型の閉じ支援装置において、ロックアーム53はロック開口25と係合して閉じばね21を蓄力状態に保持しており、ロックアーム53がロック解除された状態になるのは以下の状況である。戸パネル1が閉じ状態にあるとき。戸パネル1が閉じ状態から開放操作されて閉じばね21が蓄力されるまでの間。開放位置にある戸パネル1を閉じ操作する過程で、トリガー爪61が切換具20の受溝79に落ち込み係合した直後とである。
上記のように構成した本発明の閉じ支援装置によれば、たとえ戸パネル1が乱暴に閉じ操作される場合であっても、トリガー爪61が衝突反力を受けて受溝79から離脱するのを確実に防止できる。つまり、乱暴な閉じ操作で戸パネル1が切換具20を素通りして開口枠に衝突するのを確実に防止できる。したがって、戸パネル1を閉じ端寄りにおいて自動的にゆっくりと閉じ操作して跳ね返りを防止でき、トリガー型の閉じ支援装置の安全性を向上できる。また、本発明に係る引戸の閉じ支援装置においては、戸パネル1が閉じ操作されるとき、トリガー爪61と受溝79とが、十分に大きな係合寸法で係合しあうようにするので、切換構造を構成する各部品の加工誤差や組立誤差を厳密に管理する必要がない。したがって、従来のトリガー型の閉じ支援装置に比べて、加工や組立の管理の手間を著しく省いて、全体装置の製造に要するコストを削減できる。
トリガーアーム52に設けた接当体90と、可動ブロック34に設けた規制体85とでロック構造を構成すると、トリガーアーム52および可動ブロック34の構造の一部を変更するだけの、より少ない手間でトリガーアーム用のロック構造を構成できる。従って、閉じ支援ユニット4のコンパクトさを損なうこともなくトリガーアーム用のロック構造を付加して、切換構造が作動不良に陥るのを的確に防止できる。
トリガーアーム52の前後に設けたロックピン90と、可動ブロック34に設けた前後一対のロック腕85とでロック構造を構成し、アーム凹部58の前後に設けたガイド部89でロック腕85をスライド案内すると、トリガーアーム用のロック構造の堅牢度を向上できる。トリガーアーム52およびロックピン90の沈み込み揺動をロック腕85で規制するとき、トリガー爪61に作用する衝突反力を、ロック腕85とガイド部89とが協同して受け止めるからである。また、ロック腕85をトリガーベース51に設けたガイド部89でスライド案内するので、ロック腕85とガイド部89との相対スライドを円滑に行って、ロック腕85によるロックピン90の受止め作用を安定した状態で的確に行える。
ロック腕85の突端に、受座86とガイド面87を形成すると、衝突反力を受けたトリガー爪61が切換具20の受溝79から離脱しようとするとき、ロックピン90の下面をガイド面87ですくいあげ、さらに受座86で受け止めて、トリガーアーム52の沈み込み揺動をさらに確実に規制できる。したがって、トリガー爪61に作用する衝突反力が大きい場合にも、トリガー爪61が受溝79から離脱するのをさらに的確に阻止できる。
アーム本体52aと、外装体52bとでトリガーアーム52を構成すると、アーム本体52aでトリガーアーム52の強度を確保しながら、トリガー爪61が切換具20の受溝79と係脱するときの叩打音や衝撃を、外装体52bで吸収し緩和して静音化できる。また、外装体52bの成形時にアーム本体52aをインサート固定することにより、外装体52bとアーム本体52aを組付ける手間を省きながら、両者52a・52bを強固に一体化できる。
本発明に係るロック構造の正面図である。 引戸の正面図である。 閉じ支援装置の縦断正面図である。 閉じ支援ユニットの一部を破断した分解正面図である。 切換構造の分解斜視図である。 戸パネルを閉じた状態における切換構造の縦断正面図である。 戸パネルを開放し始めた状態における閉じ支援ユニットの縦断正面図である。 図7におけるA−A線断面図である。 切換具とトリガー爪の詳細構造を示す縦断正面図である。 ロックアームの切り換え動作を示す縦断正面図である。 トリガーアームの切り換え動作を示す縦断正面図である。 戸パネルを開放した状態における切換構造の縦断正面図である。 戸パネルを閉止操作するときの切換構造の動作を示す縦断正面図である。 戸パネルが乱暴に閉止されるときの切換構造の動作を示す正面図である。 閉じ支援装置の変形例を示す概略平面図である。 閉じ支援装置の変形例を示す縦断正面図である。 従来のトリガー型の閉じ支援装置の要部を示す縦断正面図である。
(実施例) 図1ないし図14は本発明に係る引戸の閉じ支援装置の実施例を示す。図2に示す引戸は、ウォークインクロゼットや屋内収納室の出入口を1枚構造の戸パネル1で開閉する場合を示している。なお、本発明における上下、左右とは、図2に示す交差矢印と上下、左右、前後の文字表示に従うものとする。
図2において、出入口に設けられる開口枠の上部には、戸パネル1を開閉案内するガイドレール2が固定してあり、その内部に戸パネル1を吊持するランナー3と、閉じ支援ユニット4が収容してある。ランナー3は、戸パネル1の上部上隅に装着されるランナー台5に対してランナー軸6を介して連結してある。ランナー3で吊持された戸パネル1のふらつきを規制するために、戸パネル1の下面に設けたスライド溝7を床面に固定したガイド8で案内している。符号9は把手である。
図8に示すように、ガイドレール2は、下向きに開口する断面C字状のアルミニウム条材からなり、その下端に前後一対のレール壁2aが対向状に形成され、両レール壁2aの間に先のランナー軸6を通すレール開口2bが設けてある。この実施例におけるガイドレール2は、閉じ支援装置を備えていない引戸のランナー用に設けられた既存のガイドレールをそのまま利用しており、一般的なガイドレールに比べてレール内面の上下寸法が小さく設定してある。
図3においてランナー3は、左右に長いランナーブロック12と、ランナーブロック12の前後面の左右に配置される4個のローラー13と、前後で対になるローラー13を軸支するローラー軸14などで構成してある。ランナーブロック12の一側上部には、閉じ支援ユニット4を連結するための連結座15が横向きに突設されて、その肉壁の内部に板ナット16が装着してある。ランナー3は、戸パネル1の閉じ端側と開放端側とを吊持するが、閉じ端側のランナー3の連結座15に、閉じ支援ユニット4のケース23の端部がボルト17で連結してある。
閉じ支援装置は、ガイドレール2内に組み付けられる閉じ支援ユニット4と、ガイドレール2の上壁内面に固定される切換具20とで構成する。図3において閉じ支援ユニット4は、閉じばね21の張力で戸パネル1を閉じ操作する閉止構造と、切換構造と、戸パネルの閉じ動作を制動するダンパー22と、これらの部材を収容するケース23などで構成する。切換構造は、戸パネル1の開閉に連動して切換具20で切り換え操作されて、閉じばね21を蓄力できる状態と、蓄力された閉じばね21の張力を出力できる状態とに、閉止構造を切り換える。
ケース23は、断面がC字状のステンレス条材からなり、その内部に閉じばね21、閉止構造、切換構造、ダンパー22が組み付けられる。図4および図5においてケース23の上面側には、先の各部材の浮き上がりを規制する規制壁23aが折り曲げてある。ケース23の閉じ端寄りの底壁にはロック開口25が形成され、ケース23の底壁の中央付近にはダンパー22のシリンダー46を保持する爪26が上向きに折り起こしてある。ケース23の閉じ端には連結ブロック27がピン28でかしめ固定してあり、同様にケース23の開放端には固定ブロック33がピン29でかしめ固定してある。連結ブロック27は閉じ端側のランナー3の連結座15の下面に接合されて、板ナット16に下方からねじ込まれるボルト17で連結される。
閉止構造は、引っ張りばねからなる閉じばね21と、閉じばね21の一端が掛止される固定ブロック33と、同ばね21の他端が掛止される可動ブロック34とで構成する。図4に示すように、固定ブロック33は射出成形品からなり、可動ブロック34との対向側面の上下に、閉じばね21用の掛止片35と、ダンパー22の端部を受け止める保持凹部36とが形成してある。また、固定ブロック33の開放端側の側面にはブラケット37が横向きに突設され、ブラケット37の突端の前後に設けた一対のローラー(移行体)38をローラー軸39で遊転自在に軸支している。
ブラケット37より下側の固定ブロック33の前後には、ガイドレール2のレール壁2aで受止められて、閉じ支援ユニット4の浮き上がりを規制する規制片40が張り出してある。また、固定ブロック33の内部には、レール開口2bに臨む振止めローラー41が配置されてピン29で遊転自在に軸支してある。この振止めローラー41は、前後いずれか一方のレール壁2aの対向面で受け止められて、閉じ支援ユニット4が蛇行するのを規制する。固定ブロック33は、ピン29を利用してケース23の開放端に固定してあり、これにより、固定ブロック33と、ケース23と、ダンパー22のシリンダー46とは常に一体化された状態で同行移動する。
図5に示すように、可動ブロック34は、横長四角形状の射出成形品からなり、その内部に閉じ端側と下面側へ向かって開口する連繋凹部42が形成してある。可動ブロック34の固定ブロック33との対向面の上下には、閉じばね21用の掛止片43と、ダンパー22のピストンロッド47を係合する係止凹部44とが形成してある。また、可動ブロック34のトリガーベース51側の側端の上部には、後述するトリガーアーム52の沈み込み揺動を規制するロック腕(規制体)85が横向きに突設され、その突端に四分円状の受座86と、受座86へ向かって上り傾斜するガイド面87とが形成してある。閉じばね21は、ケース23に組まれた固定ブロック33と可動ブロック34の各掛止片35・43に掛止されて、両ブロック33・34を互いに近づく向きに引き寄せ操作する。可動ブロック34は、ケース23で相対スライド可能に案内支持してある。
ダンパー22は、シリンダー46の内部にオイルが封入してあるシリンダー型のオイルダンパーからなり、ピストンおよびピストンロッド47がシリンダー46内へ相対的に退入移動するときの運動エネルギーを吸収して制動する。つまり、戸パネル1が閉じ移動するときに制動作用を発揮でき、したがって、戸パネル1が急に閉じ操作されるような場合でも、その閉じ動作をゆっくりとしたものにできる。シリンダー46は、固定ブロック33の保持凹部36と、ケース23の爪26との間に移動不能に嵌め込み装着される。ピストンロッド47の突端に固定したキャップ48は、先の係止凹部44に下面側から係止固定してある。ダンパー22の上側の空間を利用して、先の閉じばね21が配置してある。
図5および図6において切換構造は、トリガーベース51と、トリガーベース51でシーソー揺動可能に支持されるトリガーアーム52、および可動ブロック34に組み付けられるロックアーム53などで構成する。トリガーベース51は、角軸状のスライド軸55と、トリガーアーム52を収容するアームホルダ56とを一体に備えた射出成形品からなる。スライド軸55は、可動ブロック34の連繋凹部42で左右スライド自在に案内支持される。アームホルダ56には、トリガーアーム52とトリガーばね63を収容するアーム凹部58が設けてあり、スライド軸55側のアーム凹部58の前後壁には、先のロック腕85をスライド案内するガイド部89が形成してある。このガイド部89の上方空間が、後述するロックピン90の揺動領域になっている。トリガーベース51の全体は、スライド軸55と連繋凹部42の内奥端との間に配置した圧縮コイル形の復帰ばね57で、閉じ端側へ向かって進出付勢してある。
トリガーアーム52は、左右に長いプラスチック成形品からなり、その左右中途部がトリガーベース51に固定したピン60で揺動可能に支持してある。ピン60より右側のアームの上面には、切換具20と係脱するトリガー爪61が形成され、トリガー爪61の基端近傍の前後には丸軸状のロックピン(接当体)90が突設してある。ピン60より左側のアームは、トリガーばね63で揺動付勢された状態におけるトリガーアーム52の揺動限界を規定するストッパー腕62として機能する。トリガーアーム52は、アームホルダ56の内部に配置した圧縮コイルばねからなるトリガーばね63で、トリガー爪61が切換具20の受溝79と係合する向き(上向き)に付勢してあり、この付勢状態においてストッパー腕62がアーム凹部58の内底で受止められている。
図9に示すように、トリガー爪61は第1側面91と、第2側面92と、これら両者の上端に連続する爪上面93とで四角形状に形成してある。トリガー爪61の第1側面91および第2側面92と爪上面93との隅部は丸められており、丸められた第1側面91側の隅部を符号94で、第2側面92側の隅部を符号95で示している。後者の隅部95の円弧径は、前者の隅部94の円弧径より大きく設定してある。
トリガーアーム52の強度を十分に確保し、さらにトリガー爪61が切換具20の受溝79と係脱するときの叩打音を抑止するために、トリガーアーム52は、アーム本体52aと、アーム本体52aの周囲を覆う外装体52bとで構成する。図8および図9に示すように、先に説明したロックピン90とトリガー爪61の右半部はアーム本体52aと一体に形成してある。アーム本体52aは、たとえばポリアセタールなどの機械的強度に優れたプラスチック材を素材にして射出成形してある。外装体52bは、ウレタン樹脂系のプラスチック材を素材にして射出成形してあり、その成形の過程でアーム本体52aをインサートして一体化している。先の第1側面91側の隅部94は外装体52bと一体に形成され、第2側面92側の隅部95はアーム本体52aと一体に形成してある。ウレタン樹脂系のプラスチック材で外装体52bを形成することにより、トリガー爪61が受溝79と係脱するときの叩打音を緩和吸収して、戸パネル1を開閉するときの切換構造の切換動作に伴う作動音を静音化できる。
ロックアーム53は、左右に長いくさび状の射出成形品からなり、大半の部分が可動ブロック34の連繋凹部42の下側に収容されて、可動ブロック34に固定したピン65でシーソー揺動可能に支持してある。ロックアーム53の右端の上隅には、復帰ばね57の付勢力に抗してトリガーベース51を受け止める段部66が切り欠いてある。段部66に連続する円弧周面が、ケース23に設けたロック開口25と係合するロック係合部67になっている。
ロックアーム53は、トリガーベース51が可動ブロック34に対してスライド変位するとき変位操作されて、ロック係合部67がロック開口25に係合するロック姿勢(図10(b)に示す状態)と、ロック係合部67がロック開口25から離脱するロック解除姿勢(図10(a)に示す状態)とに揺動できる。この姿勢変更を許すために、トリガーアーム52のスライド軸55の下面に、先の段部66の出入りを許す逃げ凹部68が上凹み状に形成してある。また、段部66で受け止められるストッパー部69が、逃げ凹部68の右側端に隣接する状態で形成してある。さらに、スライド軸55の基端下面に、ロック状態のロックアーム53をロック解除操作する操作面70が斜めに形成してある。ロック解除状態において逃げ凹部68に入り込んだ段部66は、逃げ凹部68の右側の斜面71を受け止めている(図10(a)参照)。
図9において切換具20は、ガイドレール2の上壁にビスで締結されるベース78を有し、ベース78の下面中央にトリガーアーム52の姿勢を切り換える第1突起(突起)96と第2突起(突起)97を設け、両突起96・97の間にトリガー爪61と係脱する受溝79を形成してなる。受溝79の左の溝側面には、トリガー爪61の第1側面91を受け止める第1受面80が形成され、受溝79の右の溝側面には、トリガー爪61の第2側面92を受け止める第2受面81が形成してある。第1受面80がベース78に対して直交するのに対し、第2受面81は開放端側へ向かって下り傾斜する斜面で形成してある。第1受面80および第1側面91は、互いに垂直面に沿って接当し、さらに両者80・91の係合量は、従来のトリガー爪と受溝の係合量に比べて十分に大きく設定してある。具体的には、従来のトリガー爪と受溝の係合量が1mmであったのに対して、第1受面80と第1側面91の係合量は3mmとして、トリガー爪61が衝突反力で受溝79から離脱するのを困難化した。
第1突起96は、第1受面80と、第1受面80の下端に連続する水平の下端面82と、下端面82に連続して閉じ端側へ向かって上り傾斜する第1導入面98とで台形状に形成してある。また、第2突起97は、第2受面81と、第2受面81の下端に連続する水平の下端面83と、下端面83に連続して開放端側へ向かって上り傾斜する第2導入面99とで三角形状に形成してある。第1突起96の下端面82は、第1突起97の下端面83よりも下方に位置させてあって、ケース23の上開口面に入り込んでいる。第1、第2の各突起96・97は、ガイドレール2の前後方向の中央に位置しているので、ランナー3が開閉移動するとき、切換具20がランナーブロック12やローラー13と干渉することはない。
可動ブロック34、トリガーベース51、トリガーアーム52、およびロックアーム53は次の手順で組み立てる。まず、トリガーベース51にトリガーばね63とトリガーアーム52を組み付けて、トリガーアーム52とトリガーベース51をピン60で連結する。次ぎに、トリガーベース51のスライド軸55に復帰ばね57を組み付けて、これら両者55・57を可動ブロック34の連携凹部42に差し込み、さらにロックアーム53をスライド軸55の下側に組み付けてピン65で止め付ける。この状態においてはロックアーム53の段部66がスライド軸55の下面に設けたストッパー部69を受け止めるので、スライド軸55が連携凹部42から抜け出ることはない(図4参照)。また、可動ブロック34とトリガーベース51とは、復帰ばね57の付勢力を受けて互いに離れている。
ロックピン90の周辺に注目すると、ガイド部89に臨むトリガーベース51の前後に設けてあって、その上面でロック腕85をスライド案内している。ロック腕85はロックピン90の揺動領域から開放端側へずれた位置に保持されている。また、図8に示すように、ロックピン90、ロック腕85、およびガイド部89のそれぞれは、トリガーベース51の前後幅の範囲内に設けられている。これは、トリガーアーム52の下方揺動を規制するロック構造を、ケース23の前後幅内に収まるように構成して、閉じ支援ユニット4をコンパクト化するためである。
戸パネル1が乱暴に開閉される場合などの、異常時におけるトリガーアーム52の誤作動を避けるために、トリガーアーム用のロック構造を設けている。このロック構造は、トリガーアーム52に設けたロックピン90と、可動ブロック34に設けたロック腕85とからなり、例えば、戸パネル1が乱暴に閉じ操作される場合に、ロック腕85がロックピン90の揺動領域の下側に入り込んで、その受座86でロックピン90を受け止めて、トリガーアーム52が受溝79から離れる向きに沈み込み揺動するのを規制する。
以下、閉じ支援ユニット4の動作を説明する。図6に示すように、戸パネル1が閉じ状態にあるとき、トリガーアーム52のトリガー爪61は切換具20の受溝79に落ち込んでおり、ロックピン90はロック腕85の受座86で受止められていて、トリガーアーム52の下方揺動が規制されている。ロックアーム53はロック解除姿勢に保持されて、段部66の一部が逃げ凹部68の内部に入り込んでいる。この状態のトリガーベース51には復帰ばね57の付勢力が作用しており、復帰ばね57の付勢力は、逃げ凹部68の斜面71を介してロックアーム53にも作用している。そのため、ロックアーム53には時計回転方向の揺動モーメントが作用している。しかし、ロックアーム53の下面がケース23の底壁で受け止められているため、ロックアーム53が揺動することはない。閉じばね21は、固定ブロック33と可動ブロック34とを接近する向きに引き寄せて全体が縮んだ状態になっており、連結ブロック27とトリガーベース51の間隔寸法は最大の状態になっている。
(開放時の閉止構造および切換構造の動作)
上記の状態から戸パネル1を開放操作すると、ケース23、固定ブロック33、シリンダー46がランナー3に同行して開放方向へ移動する。このとき、トリガーアーム52が切換具20で受け止められているため可動ブロック34は移動しない。したがって、図7に示すようにケース23および固定ブロック33の移動に伴なって、閉じばね21は徐々に伸長されて蓄力する。閉じばね21が伸長するのに伴なって、図10(a)に示すようにロック開口25がロックアーム53の下方に接近する。
ロック開口25がロックアーム53の真下に位置した状態では、図10(b)に示すように、時計回転方向の揺動モーメントを受けたロックアーム53が、ロック開口25に落ち込んでロック姿勢に切り換わり、ロック係合部67がロック開口25の開口縁で受け止められる。この状態では、可動ブロック34が固定ブロック33側へ移動しようとするのを、ロックアーム53で阻止しており、したがって閉じばね21を伸長した蓄力状態に保持できる。
ロックアーム53がロック開口25に落ち込んでロック姿勢に切換わるのと同時に、段部66と斜面71との係合が解除されるので、トリガーベース51は斜面71とストッパー部69の左右間隔分だけ復帰ばね57で閉じ端側へ押し出される。その結果、図10(b)に示すように、そのストッパー部69が段部66で受け止められ、ロックピン90とロック腕85の受座86とが相対的に左右に分離して、トリガーアーム52の下方揺動を許す状態となる。このとき、トリガー爪61は第1受面80に接当している。
引き続き戸パネル1を開放操作することにより、図11(a)に示すようにトリガー爪61の第2側面92側の隅部95が受溝79の第2受面81に接当する。そして、隅部95に作用する第2受面81の押し付け反力によって、トリガーアーム52の全体がトリガーばね63の付勢力に抗しながら時計回転方向へ揺動する。そのためトリガー爪61は、図11(b)に示すように、受溝79から抜け出て係合解除状態に切り換わり、第2突起97の下面を潜り抜ける。この潜り抜け動作を円滑に行うために、隅部95の円弧径を大きく設定している。このときのロック腕85は、ロックピン90の揺動領域から開放端側へ退避しているので、ロックピン90がロック腕85で受け止められることはない。以後は、図12に示すように、ロックアーム53がロック姿勢に切り換わった状態を維持したままで、閉じ支援ユニット4がランナー3に同行移動する。このとき、トリガーアーム52のストッパー腕62はアーム凹部58の内底で受け止められて、トリガー爪61の突端の一部がケース23の開口面より上方に突出している。
(閉じ時の閉止構造および切換構造の動作)
切換具20より開放端側の任意の開放位置から戸パネル1を閉じ操作すると、閉じ端側のランナー3が切換具20の下面側を通過する。さらに、図13(a)に示すように、トリガー爪61の隅部94が第2突起97の第2導入面99に接当し、トリガーアーム52の全体がトリガーばね63の付勢力に抗しながら時計回転方向へ揺動して、トリガー爪61が受溝79に落ち込み係合する。このときの第1側面91は図13(b)に示すように第1受面80に受け止められる。トリガー爪61の隅部94が第2導入面99に接当するときの叩打音と、第1側面91が第1受面80に接当するときの叩打音は、トリガーアーム52の外装体52bが吸収し緩和する。
上記の状態のトリガーアーム52およびトリガーベース51は閉じ方向へ移動できないが、ロックアーム53はロック開口25内を閉じ端側へ向かって移動できる状態にある。そのため、可動ブロック34は復帰ばね57を圧縮しながらトリガーベース51側へスライドする。同時にロックアーム53は逃げ凹部68内を閉じ端側へ移動し、その端部が操作面70に接当して反時計回転方向へと揺動されて、ロック開口25から離脱する。その結果、図13(c)に示すように、ロックアーム53がロック開口25から抜け出てロック解除姿勢に切り換わる。
ロックアーム53がロック解除状態に切り換わった状態では、ロックアーム53による可動ブロック34の移動規制作用は解除されるものの、今度はトリガー爪61が受溝79と係合して、可動ブロック34の移動を規制する。さらに、ロックアーム53がロック解除状態に切り換わるのと同時に、ロック腕85がロックピン90の側へ相対スライドして、その受座86でロックピン90を受け止めて、トリガーアーム52の時計回転方向の揺動を規制する。以後は、ケース23および固定ブロック33などが、閉じばね21に引っ張られて閉じ端側へ移動し、戸パネル1を閉止操作する。このとき、ダンパー22によって閉じ動作が制動されるので、戸パネル1はゆっくりと閉じ移動する。
(異常時の閉止構造および切換構造の動作)
たとえば、戸パネル1が切換具20より開放端側の任意の開放位置から乱暴に閉じ操作される場合には、先に説明した場合と同様に、トリガー爪61の隅部94が第2突起97の第2導入面99に接当する(図13(a)参照)。また、トリガーアーム52の全体がトリガーばね63の付勢力に抗しながら時計回転方向へ揺動して、トリガー爪61が第2突起97を潜り抜けて受溝79に落ち込み係合する。さらに、トリガー爪61は閉じ方向へ移動して、その第1側面91が図14に想像線で示すように第1受面80に衝突する。衝突反力を受けたトリガー爪61は、図14に実線で示すように、トリガーアーム52を時計回転方向へ揺動させる。
しかし、閉じ力を受けた可動ブロック34とロックアーム53とは、先に説明したように、復帰ばね57を圧縮しながらトリガーベース51側へスライドできるので、ロック腕85がロックピン90の下方に相対的に進出する。その結果、図14に示すようにロックピン90のガイド面87がロックピン90の下半周面に接当して、トリガーアーム52のアーム端をロックピン90を介してすくい上げ、さらに図1に示すように受座86で受け止めて、トリガー爪61が受溝79から離脱するのを規制する。このように、ロック腕85とロックピン90とで、トリガー爪61が受溝79から離脱するのを規制すると、戸パネルが乱暴に閉じ操作される場合であっても、トリガー爪61が受溝79に落ち込み係合した状態を維持して、戸パネル1が切換具20を素通りして開口枠に衝突するのを防止できる。また、戸パネル1の跳ね返りを防止して安全性を向上できる。
以上の動作説明から理解できるように、ロックアーム53とロック開口25との係合が解除された状態であって、戸パネル1が閉じ操作されるときに、ロックピン90がロック腕85で受止められる。これによりトリガーアーム52は、トリガーアーム用のロック構造によって切換具20から離れる向きへ沈み込み揺動できないように規制される。
閉じ支援ユニット4におけるケース23の前後幅、および振止めローラー41の直径寸法は、レール開口2bの開口幅E(図8参照)より僅かに小さく設定してある。同様に、ローラー38の直径寸法は、レール開口2bの開口幅Eより僅かに小さく設定してある。これにより、閉じ支援ユニット4は従来の閉じ支援ユニットに比べて著しく簡単にガイドレール2に組付けることができる。
詳しくは、閉じ支援ユニット4の全体を縦長姿勢にした状態で、固定ブロック33側のローラー38を、ガイドレール2のレール開口2bからレール内に差し込み、閉じ支援ユニット4を90度旋回してローラー38がレール開口2bを跨ぐようにする。次ぎに、ローラー38を支点にしてケース23をガイドレール2の内部に差し込み、その端部に固定した連結ブロック27をランナー3の連結座15にボルト17で連結する。
施工時の勘違いや錯誤などによって、戸パネル1を左右のランナーに吊り込んだ状態において、ロックアーム53がロック解除姿勢に切り換わっている場合がある。その場合には、ロックアーム53をロック姿勢にリセットする必要があるが、本発明の閉じ支援ユニット4によれば、閉じ支援ユニット4をガイドレール2から取り外す必要もなく、ロックアーム53のリセット作業を誰もが簡単に行なえる。
ロックアーム53がロック解除姿勢に切り換わっている場合には、可動ブロック34が閉じばね21で固定ブロック33側へ相対的に引き寄せられている。戸パネル1を閉じ端まで移動操作すると、図6に示すようにトリガー爪61が受溝79に落ち込み係合して、可動ブロック34の移動が規制される。この状態で、戸パネル1を開放操作すると、先に説明したように、ケース23を可動ブロック34に対してスライド変位させて閉じばね21を蓄力でき、ばねの伸長ストロークの終端寄りでロックアーム53をロック姿勢に切り換えることができる。つまり、戸パネル1を一旦閉じ操作した後、開放操作するだけの簡単な操作で、ロックアーム53をリセットし、閉じ支援機能を適正に機能させることができる。トリガー爪61が受溝79に落ち込み係合する時のリセット動作を容易化するために、受溝79の左右幅をトリガー爪61の左右幅より僅かに大きく設定している。
上記のように構成した閉じ支援装置によれば、閉じ状態の戸パネル1を開放操作するだけで、閉じばね21を蓄力された状態に復帰保持でき、同時にダンパー22を制動待機状態に復帰保持できる。したがって、使用者は、通常の戸パネルと同様に、単に戸パネル1を開閉操作するだけで、閉じ端において閉じ支援機能と制動機能とを発揮させて、戸パネル1の閉じ忘れや、乱暴に閉じ操作されるときの跳ね返りを防止できる。
また、戸パネル1が乱暴に閉じ操作されるような場合であっても、ロックピン90をロック腕85で受け止めて、トリガー爪61が衝突反力を受けて受溝79から離脱するのを阻止できるので、切換構造が作動不良に陥るのを防止できる。したがって、閉じ支援装置を常に適正に作動させて、トリガー型の閉じ支援装置の安全性と信頼性を向上できる。また、従来のトリガー型の閉じ支援装置においては、戸パネルを閉じ操作するときのトリガー爪と受溝の係合量が僅かであるため、閉じ支援装置を構成する部品の加工誤差や組立誤差を厳密に管理する必要があった。しかし、本発明に係るトリガー型の閉じ支援装置においては、十分に余裕のある状態でトリガー爪61と受溝79とを係合させるので、閉じ支援装置を構成する部品に加工誤差や組立誤差があったとしても、トリガー爪61と受溝79とを支障なく係合することができる。したがって、支援装置を構成する部品の加工や組み立ての管理の手間を大幅に軽減して、従来のトリガー型の閉じ支援装置に比べて全体装置の製造に要するコストを削減できる。
また、切換具20を除く構成部品の全てをケース23に組み付けて閉じ支援ユニット4としてユニット部品化するので、施工時に閉じ支援装置の組み立てを行なう必要がなく、その分だけ施工の手間を省くことができる。また、ダンパー22として、充分な制動力を発揮できるにもかかわらず、小形でコンパクトなシリンダー型のオイルダンパーを使用するので、閉じ支援ユニット4の全体をコンパクト化して、既存のガイドレール2であっても支障なく適用できる、汎用性に優れた閉じ支援ユニット4が得られる。
トリガーベース51、トリガーアーム52、可動ブロック34に組み付けられるロックアーム53などで切換構造を構成し、トリガーアーム52およびロックアーム53の姿勢の切り換えを各機構部品の機械的な動作によって行なうので、戸パネル1の開閉を円滑に、しかもより小さな力で軽快に行なえる。戸パネル1の大きさや重量が異なる場合でも切換構造を共通して適用できる。
図15および図16は、閉じばね21を圧縮コイル形のばねで構成した切換構造の変形例を示している。そこでは、連結ブロック27の後面と可動ブロック34の後面のそれぞれにばね受座101・102を設け、これら両者の間に閉じばね21を配置した。図15(a)は閉じばね21が蓄力された状態を示し、図15(b)は閉じばね21が伸長した状態を示している。ケース23には可動ブロック34側のばね受座102の往復動を許すスライド溝103が形成してある。
図16は、切換具20より開放端側の任意の開放位置から戸パネル1を閉じ操作して、トリガー爪61が第2突起97を潜り抜け受溝79に落ち込み係合し、ロックアーム53がロック解除された状態を示している。この状態では、受溝79とトリガー爪61が係合して可動ブロック34の移動を規制しており、可動ブロック34に連結したピストンロッド47は静止している。そのため、ケース23、固定ブロック33、およびシリンダー46が、閉じばね21に押されて閉じ端側へ移動し、戸パネル1の閉止移動を支援する。同時に、ダンパー22によって閉じ動作が制動されるので、戸パネル1はゆっくりと閉じ移動する。なお、閉じ状態の戸パネル1を開放操作するときは、ケース23、固定ブロック33、およびシリンダー46が開放方向へ移動するのに伴い、閉じばね21が圧縮されて蓄力され、ロックアーム53がロック開口25に落ち込み係合して蓄力状態を保持する。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
上記の実施例では、トリガーアーム52の前後に設けたロックピン90を、前後一対のロック腕85で受け止めるようにしたが、その必要はない。例えば、トリガーアーム52の開放端側の側面に、下向きの壁面を備えた段部あるいは切欠などの接当部(接当体)90を設けておき、この接当部90を可動ブロック34に設けた突起状の規制体85で受け止めて、トリガーアーム52の沈み込み揺動を規制することができる。また、トリガーアーム52の先端の前後いずれかに、規制片40と同様の突片を張り出して接当体90とし、これを可動ブロック34に設けた突起からなる規制体85で受け止めて、トリガーアーム52の沈み込み揺動を規制することができる。
また、上記の実施例では、戸パネル1が吊車型のランナー3で支持してある場合について説明したが、本発明の閉じ支援ユニット4は、戸パネル1が戸車型のランナー3で支持してある場合にも支障なく適用できる。閉じ支援ユニット4とランナー3とは、ボルト17で締結する必要はなく、ピンや、互いに嵌合する係合構造で連結することができる。ケース23を支持するローラー38はスライダーに変更することができる。
1 戸パネル
2 ガイドレール
4 閉じ支援ユニット
20 切換具
21 閉じばね
22 ダンパー
23 ケース
33 固定ブロック
34 可動ブロック
51 トリガーベース
52 トリガーアーム
53 ロックアーム
61 トリガーアームのトリガー爪
63 トリガーばね
79 切換具の受溝
85 ロック腕(規制体)
86 ロック腕の受座
89 ロック腕用のガイド部
90 ロックピン(接当体)

Claims (5)

  1. ガイドレール(2)内に組み付けられる閉じ支援ユニット(4)と、ガイドレール(2)に固定される切換具(20)とを備えており、
    閉じ支援ユニット(4)が、閉じばね(21)の張力で戸パネル(1)を閉じ操作する閉止構造と、閉じばね(21)を蓄力できる状態と、蓄力された閉じばね(21)の張力を出力できる状態とに閉止構造を切り換える切換構造と、戸パネル(1)の閉じ動作を制動するダンパー(22)とをケース(23)に収容して構成されており、
    切換構造が、可動ブロック(34)で復帰ばね(57)を介して左右スライド可能に支持されるトリガーベース(51)と、トリガーベース(51)でシーソー揺動可能に支持されて切換具(20)の受溝(79)に係脱するトリガーアーム(52)と、トリガーアーム(52)を係合付勢するトリガーばね(63)と、可動ブロック(34)に支持されてケース(23)のロック開口(25)に係脱するロックアーム(53)を備えているトリガー型の閉じ支援装置であって、
    ロックアーム(53)とロック開口(25)との係合が解除されたロック解除状態において、トリガーアーム(52)が切換具(20)から離れる向きへ沈み込み揺動するのを規制するロック構造が、可動ブロック(34)とトリガーアーム(52)との間に設けてあることを特徴とする引戸の閉じ支援装置。
  2. ロック構造が、トリガーアーム(52)に設けた接当体(90)と、可動ブロック(34)に設けられて、前記接当体(90)を受け止める規制体(85)とで構成してある請求項1に記載の引戸の閉じ支援装置。
  3. ロック構造が、トリガーアーム(52)の前後に設けたロックピン(90)と、可動ブロック(34)に設けられて、前記ロックピン(90)を受け止める前後一対のロック腕(85)とで構成されており、
    ロックピン(90)の揺動領域に臨むアーム凹部(58)の前後に、ロック腕(85)をスライド案内するガイド部(89)が形成されており、
    ロック腕(85)がロックピン(90)の沈み込み揺動を規制する状態において、ガイド部(89)がロック腕(85)を受け止めている請求項2に記載の引戸の閉じ支援装置。
  4. ロック腕(85)の突端に、ロックピン(90)を受け止める受座(86)と、受座(86)へ向かって上り傾斜するガイド面(87)とが形成してある請求項3に記載の引戸の閉じ支援装置。
  5. トリガーアーム(52)が、アーム本体(52a)と、アーム本体(52a)の外面を覆って衝撃を緩和する外装体(52b)とで構成されており、
    アーム本体(52a)が外装体(52b)の成形時にインサート固定してある請求項2から4のいずれかひとつに記載の引戸の閉じ支援装置。
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