JP2012097372A - 複雑な柄の製織方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1〜第n+2(nは3以上の奇数)の綜絖枠を備える織機による製織方法であって、織物の幅方向に連続する3以上の奇数本の経糸を一組とし、幅方向に順に第1〜第n組と規定した場合に、第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの奇数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの偶数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通す。第3綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、以下、同様の手順を繰り返す。そして、第1、第2綜絖枠を交互に上下動させつつ、第3〜第n+2綜絖枠を適宜上下動させる。
【選択図】図1
Description
織機は開口方式や緯糸の供給方式によって区分され、例えば開口方式の違いによってタペット織機、ドビー織機、ジャガード織機が知られており、緯糸の供給方式によってフライシャトル織機(有杼織機)、シャトルレス織機(無杼織機)が知られている。
例えばドビー織機を用いる場合における織物組織の設計作業にあたっては、予め使用する糸の種類、織物の幅及び長さ、糸量等を計算した上で、織物の組織図、経糸を綜絖枠に通すための引込図、ドビー装置(開口装置)を動作させるための紋栓図を作成する。以下の説明においては、組織図、紋栓図及び引込図をまとめて織方図と呼ぶものとする。
図13は織方図の一例を示すものであり、1/2の綾織(斜文織)の組織図(a)を、綜絖枠を12枚使用し、経糸の引込をいわゆる順通しにして引込図(b)と紋栓図(c)とに分解したものである
組織図においては経糸が浮いている点にあたる方眼の目を黒く塗りつぶして表している。また、引込図においては最も織前側の綜絖枠を図中の最下方に表しており、各枠の黒で塗りつぶした位置に経糸を通している。
紋栓図においては最も織前側の綜絖枠を図中の最左方に表しており、1回目、2回目、・・・と連続する開口ステップにおいて黒く塗りつぶした枠を開口装置で上昇させることで杼口を形成する仕組みになっている。
すなわち、例えばドビー織機においては、綜絖枠の枚数が制限されているため(最大で48枚程度だが、一般的に広く用いられているものは16枚程度)、例えば曲がり斜文、流水柄、木目柄のように織物の幅方向に拡がった複雑な曲線柄を描くことは困難であった。
また複雑な曲線柄を描く場合には一完全組織が大きくなるため、織方図の作成に膨大な時間が必要になると共に、経糸の引込作業が煩雑になり、作業ミスが生ずる可能性があった。
つまり、一回の開口ステップにおいて上記一対の組のうち一方の組(例えば第1組)が柄になる場合、他方の組(例えば第10組)が地となる。これを利用して、一回の開口ステップにおいて一方の組は柄、他方の組は地となるように反転した図柄で一完全組織が構成されるデザインを採用すれば、織方図の作成作業の負担を大幅に軽減できる。
特に、請求項2、3及び5の発明によれば、第1組から第2n組を一完全組織とする織物の幅方向に拡がった複雑な図柄を描くことが可能となる。
なお、本明細書において「柄」とは、一組を構成する奇数本の経糸の全てが浮いている状態又は全てが沈んでいる状態を指す。また「地」とは、一組を構成する奇数本の経糸のうち浮いている状態の経糸と沈んでいる状態の経糸がそれぞれ少なくとも一本存在している状態を指す。そして、「図柄」とは柄と地との組み合わせから構成される意匠を指す。
ここで、従来の製織方法において境界線を右上がりに移動させるには、一回の開口ステップにおいて、柄の左側の境界線を移動させるべく、左側の境界線を形成する綜絖枠の上下動作を操作すると共に、右側の境界線を移動させるべく、右側の境界線を形成する綜絖枠の上下動作も操作する必要があった。つまり、一回の開口ステップにおいて2つの綜絖枠の上下動作を同時に操作する必要があった。
しかし、本発明の製織方法によれば、一つの綜絖枠の上下動作を操作するだけで左右2つの境界線を右上がりに移動させることが可能となる。
これを詳細に説明すると、例えば図1において、第3組では1回目から6回目の開口ステップまでは第5綜絖枠を奇数回目のステップで上昇させ、偶数回目のステップでは下降させる(上昇させない)パターンを繰り返すことにより柄を形成し、次の7回目のステップで第5綜絖枠を上昇させないことにより地を形成している。これにより、第3組においては6回目と7回目のステップによって左側の境界線が形成される。一方、第3組と一対の関係にある第12組では、柄と地が第3組とは反転して現れるので、第3組と同様に6回目と7回目の開口ステップによって右側の境界線が形成される。
以上の通り、第6綜絖枠の上下動作を9回目のステップで操作するだけで、左右両側の境界線をそれぞれ右上がりに移動させることができる。
換言すると、一つの綜絖枠(上記例では第6綜絖枠)の上下動作を操作するだけで、左右両側の境界線を形成することが可能となるので、従来のように右側の境界線を移動させるための綜絖枠と左側の境界線を移動させるための綜絖枠の2枚の綜絖枠の上下動作を操作する必要がなくなり、織方図の作成過程を簡略化できると共に製織工程を簡略化できる。
本発明の製織方法の第一の実施の形態について図1(a)〜(c)を用いて説明する。
本実施の形態においては綜絖枠を11枚(n=9、n+2=11)備えたドビー織機を用いている。
まず、作業者は織物の図柄を決定し、これを組織図に表す(図1(a)参照)。
引込図においては、最も織前側の綜絖枠(図中の最下方の枠)を第1綜絖枠、続く綜絖枠を織前から順に(図の上方に)第2綜絖枠、・・・第11綜絖枠と規定している。また、織物の幅方向に並べた経糸において、連続する3本を一組とし、幅方向に第1組、第2組、・・・第18組(2n=18)と規定している。黒で塗りつぶした方眼は各綜絖枠において経糸を通している位置を表している。
第1綜絖枠は複数の綜絖を備えており、第1組〜第18組のうちの奇数組、すなわち第1組、第3組、第5組、・・・第17組であって、これら各組を構成している3本の経糸のうち両端2本の経糸を第1綜絖枠の綜絖に通している。なお、実際には第19組以降も同様に両端2本の経糸を第1綜絖枠の綜絖に通しているが、本実施の形態においては第1組から第18組までが一完全組織となっているため説明を省略する。
第2綜絖枠の綜絖には、第1組〜第18組のうちの偶数組、すなわち第2組、第4組、第6組、・・・第18組であって、これら各組を構成している3本の経糸のうち両端2本の経糸を通している。
第4綜絖枠の綜絖には、上記第3綜絖枠で使用した第1組以外の組である第2組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本と、この第2組から幅方向に9組ずれた第11組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本を通している。
第5綜絖枠の綜絖には、上記第3及び第4綜絖枠で使用した第1組及び第2組以外の組である第3組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本と、この第3組から幅方向に9組ずれた第12組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本を通している。
以下第6〜第11綜絖枠についても同様の手順を繰り返すことで、第3〜第11綜絖枠について各々2本の経糸を綜絖に通している。
紋栓図においては図中の最左方から順に第1綜絖枠、第2綜絖枠、・・・第11綜絖枠としている。そして、連続する開口ステップにおいて黒で塗りつぶした綜絖枠を順次上昇させることで所定の経糸を上下方向に開口させ、杼口を形成するようになっている。
第1綜絖枠は1回目、3回目、・・・と奇数回目のステップで上昇し、第2綜絖枠は2回目、4回目、・・・と偶数回目のステップで上昇するようになっている。つまり、第1綜絖枠と第2綜絖枠は連続する開口ステップにおいて交互に上下動するように設定されている。
次に、第3〜第11綜絖枠の動作について、第5綜絖枠を例にして説明する。第5綜絖枠は当初1、3及び5の奇数回目のステップで上昇するが、7回目は上昇せず、8回目で上昇し、以後10、12、・・・24と偶数回目で上昇する。次に25回目で上昇し、以後27、29、・・・35と奇数回目で上昇する。
次に、7〜24回目のステップでは第5綜絖枠と第1綜絖枠の動作は一致しておらず、一方が上昇しているときには他方が下降している状態となる。換言すると第5綜絖枠と第2綜絖枠の動作が一致している。
次に、25〜36回目のステップでは再び第5綜絖枠と第1綜絖枠の動作は一致し、両者同時に上下動している。換言すると第5綜絖枠と第2綜絖枠の動作は一致していない。
また、第1綜絖枠は第3組において3本の経糸のうち両端2本の経糸が綜絖に通されているが、第12組においては3本の経糸のいずれも通されていない。
また、第2綜絖枠は第3組において3本の経糸のいずれも通されておらず、第12組において3本の経糸のうち両端2本の経糸が綜絖に通されている。
つまり、第3組においては、第1綜絖枠と第5綜絖枠の動作が一致している場合(1〜6回目及び25〜36回目のステップ)、第3組を構成する3本の経糸が同時に浮沈することになるため、このステップの間は織物の柄部分が形成されることになる。
また、第3組において、第1綜絖枠と第5綜絖枠の動作が一致していない場合(7〜24回目のステップ)、各ステップにおいて第1綜絖枠の上昇に応じて左右2本の経糸が浮き上がるか、あるいは第5綜絖枠の上昇に応じて真ん中1本の経糸が浮き上がるのみなので、織物の地部分が形成されることになる。
また、第12組において、第2綜絖枠と第5綜絖枠の動作が一致していない場合(1〜6回目及び25〜36回目のステップ)、各ステップにおいて第2綜絖枠の上昇に応じて左右2本の経糸が浮き上がるか、あるいは第5綜絖枠の上昇に応じて真ん中1本の経糸が浮き上がるのみなので、織物の地部分が形成されることになる。
このように、各ステップにおいて、第3組で柄になっている場合には第12組で地になっており、第3組で地になっている場合には第12組で柄になっている。つまり、第3組と第12組では柄と地が常に反転して現れることになる。
また、第1組と第10組、第2組と第11組、第4組と第13組、・・・第9組と第18組の関係も上記第3組と第12組の関係と同様になる。
したがって、第1組〜第9組で描かれる図柄と第10組〜第18組で描かれる図柄とを比較すると、第1組〜第9組で右肩上がりに延びる柄が第10組〜第18組で右肩上がりで伸びる柄と連続的に繋がることになる。
ここで、経糸を綜絖へ引込む際に、順通し、山道通し、飛通し、破れ通し等の織物設計において従来一般的に行われている手法を用いて図1(a)の組織図に示すような図柄を描くには綜絖枠を18枚用いる必要が生じるため、一般的に広く流通している綜絖枠が16枚の織機ではこのような図柄は実現不可能であった。
しかし、本実施の形態で示した方法によれば、綜絖枠の枚数が11枚で足りるため、綜絖枠が16枚の織機であってもこのような織物の幅方向に拡がった図柄が実現可能となる。
なお、36回目の開口ステップ以降は1回目の開口ステップから順次繰り返していくことになる。
本発明において最も重要な点はnを奇数にすることである。nを奇数(本実施の形態においてはn=9)にすることで、第n組と第n+1組との間を境目として柄と地とを反転させることができるようになり、第1組から第2n組までを一完全組織とする織物の幅方向に拡がった複雑な図柄が可能となるからである。
仮にnを偶数(例えばn=8)とすると、第1組で柄であった箇所が反転せずにそのまま柄として第9組に現れてしまい、第1組〜第8組の図柄と第9組〜第16組の図柄が同一となってしまう。つまり、第1組から第8組までが一完全組織となり、織物の幅方向に拡がった複雑な図柄を描くことが困難になってしまう。
次に、本発明の第二の実施の形態について図2(a)〜(c)を用いて説明する。
本実施の形態が上記第一の実施の形態と異なる点は幅方向の飛数が変化する点である。「幅方向の飛数」とは柄と地とが入れ替わる箇所(柄と地の境界部分)が幅方向に何組分連続するかを示す数を指す。
なお、上記第一の実施の形態においては、柄と地の境界部分が1組ずつ斜め上方に移動するので幅方向の飛数は1である。
このように幅方向の飛数が変化するように紋栓図を作成することにより、例えば幅方向の飛数を大きくすることで柄の傾斜角を緩やかにし、幅方向の飛数を小さくすることで柄の傾斜角を急峻にできる。本実施の形態では織前から後方(図では上方)に向かうにしたがって幅方向の飛数を小さくし、傾斜角を急峻にしていくことで全体として流水柄を形成している。
次に、図3〜図5に示す複雑な曲線からなる木目柄の形成法について第三の実施の形態として説明する。
図6は木目柄を作成するべく引込図及び紋栓図を作成する際の基本となる織方図である。以下、図6の織方図を「基本図」という。
この基本図を具体的に説明すると、図6(a)の組織図に示すように、各組において開口ステップの26回分に相当する柄の部分と、同じく開口ステップの26回分に相当する地の部分とで構成されている。全体としては柄と地とが層状になって右上がりにのびており、全26組で一完全組織が構成されている。
なお、図柄の理解を容易にするために3本一組の経糸が全て浮き上がっている状態を黒、全て沈んでいる状態をグレーで表し、地となる部分は白で表している。
また、第3綜絖枠の綜絖には第1組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本と、当該組から幅方向に13組ずれた第14組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本を通している。以下、同様の手順を繰り返して、第4綜絖枠、第5綜絖枠、・・・第15綜絖枠の各々の綜絖に経糸を通している。
例えば経糸引込パターン(四)は3本の経糸のうち両端2本を第2綜絖枠の綜絖に通し、真ん中1本を第6綜絖枠の綜絖に通した状態を指す。
図6(c)の紋栓図に従って製織作業を行うと、経糸引込パターン(四)によって1回目〜6回目の開口ステップでは地となり、7回目〜32回目の開口ステップでは柄となり、33回目〜52回目の開口ステップでは地となる図柄を描くことができる。
ここで、図6(c)の紋栓図を変更しないという条件下で、経糸引込パターン(四)と(八)の位置を入れ替えた状態を図7に示す。
図7(a)の組織図には、7回目〜32回目の開口ステップでは柄になるという経糸引込パターン(四)の特徴が入れ替え前の経糸引込パターン(八)の位置に現れ、15回目〜40回目の開口ステップでは柄となるという経糸引込パターン(八)の特徴が入れ替え前の経糸引込パターン(四)の位置に現れている。
このように、図6(c)の紋栓図を変更しないという条件下で経糸引込パターンを適宜入れ替えたり、追加や削除をすることで図3に示す木目柄を作成することができる。
例えば、経糸引込パターン(六)と(十一)では柄と地の境界部分が緯糸10本分、つまり緯糸5組分連続しているために長さ方向の飛数は5となる。
図3では経糸引込パターン(二十二)の次の(二十五)からは長さ方向の飛数が次第に小さくなるように設定されている。長さ方向の飛数を大きくすると柄の傾斜角を急峻にし、長さ方向の飛数を小さくすることで柄の傾斜角を緩やかにできる。図3の木目柄は、右方向にいくに従って柄の傾斜角が緩やかになっていき、符号X1で示す線の地点で傾斜角がゼロになり、符号X1より右側の部分は左側の部分と線対象になるように設定されている。
木目柄のように柄の傾斜角を複雑に変化させなければならないような図柄を描く際には同一の経糸引込パターンを複数回使用することになる。例えば、経糸引込パターン(二十)は図3において6回使用している。
この木目柄の作成方法について説明するためにまず「緯糸挿入パターン」について説明する。
図6(c)の紋栓図の左側に示すように、開口ステップの2回分、すなわち緯糸2本を一組として開口ステップの1回目及び2回目から順に緯糸挿入パターン(1)、(2)、・・・(26)と規定する。
例えば緯糸挿入パターン(10)では19回目のステップにおいて第1、3、5、7、9、11及び14綜絖枠が上昇し、20回目のステップにおいて第2、4、6、8、10、12、13及び15綜絖枠が上昇する組み合わせになっている。
ここで、図8(c)に示すように緯糸挿入パターン(10)の次にもう一度緯糸挿入パターン(10)を繰り返すと、図8(a)の組織図に示すように柄と地が再度繰り返されることになるので、結果的に図柄を長さ方向に伸ばすことができる。
次に図5の木目柄について説明する。この木目柄の特徴は、図4の木目柄と比較して符号X2で示す線の地点で柄の傾斜角が90度になり、符号X2より上側の部分は下側の部分と線対象になっている点である。これによってより現実に近い木目柄を実現している。
次に、本発明の第四の実施の形態について図9(a)〜(c)を用いて説明する。
本実施の形態では13枚の綜絖枠(n=11、n+2=13)を用いている。
第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第22組のうちの奇数組であって、各組を構成する3本の経糸のうち奇数番目である1番目と3番目の経糸を通している。
第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第22組のうちの偶数組であって、各組を構成する3本の経糸のうち奇数番目である1番目と3番目の経糸を通している。
また、第3綜絖枠の綜絖には第1組と、この第1組から奇数組である7組ずれた第8組を構成する各3本の経糸のうち偶数番目である2番目の経糸を通している。
第4綜絖枠の綜絖には第3綜絖枠で使用した組以外の第13組と、この第13組から7組ずれた第20組を構成する各3本の経糸のうち偶数番目である2番目の経糸を通している。
第5綜絖枠の綜絖には第3及び第4綜絖枠で使用した組以外の第3組と、この第3組から7組ずれた第10組を構成する各3本の経糸の偶数番目である2番目の経糸を通している。
以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第13綜絖枠の各々に合計2本の経糸を通している。
なお、例えば第9組においては第11綜絖枠に経糸が通されているため、次の第10組においては第11綜絖枠から、第12、第13、第3、第4、第5と5枠分増加させた第5綜絖枠に経糸が通っている。
このように引込図を作成することにより、図9(a)に示すような柄と地とが複雑に混在したぼかし柄を形成することができる。
また、経糸について3本一組ではなく5本以上の奇数本を1組としてもよい。図10は5本一組にした場合の引込図の例であり、第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第18組のうちの奇数組であって、各組を構成する5本の経糸のうち1、3及び5の奇数番目の経糸を通している。また、第2綜絖枠の綜絖には偶数組であって、各組を構成する5本の経糸のうち1、3及び5の奇数番目の経糸を通している。第3綜絖枠の綜絖には第1組を構成する5本の経糸のうち2及び4の偶数番目の経糸と、当該第1組から幅方向に9組(奇数組)ずれた第10組を構成する5本の経糸のうち2及び4の偶数番目の経糸を通している。以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第11綜絖枠の各々に合計4本の経糸を通している。このように5本以上の奇数本を1組とすると図柄を織物の幅方向に大きくすることができる。
このように、第1及び第2綜絖枠に通す経糸の本数を第3〜第11綜絖枠に通す経糸の本数より少なくすることで、第1及び第2綜絖枠は製織作業中に常に上下動を繰り返すので、上下動による摩擦で経糸が擦り切れる可能性を抑えることができる。
さらに、経糸について3本一組ではなく5本以上の奇数本を1組としてもよい。図12は5本一組にした場合の引込図の例であり、第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第18組のうちの奇数組であって、各組を構成する5本の経糸のうち2及び4の偶数番目の経糸を通している。また、第2綜絖枠の綜絖には偶数組であって、各組を構成する5本の経糸のうち2及び4の偶数番目の経糸を通している。第3綜絖枠の綜絖には第1組を構成する5本の経糸のうち1、3及び5の奇数番目の経糸と、当該第1組から幅方向に9組ずれた第10組を構成する5本の経糸のうち1、3及び5の奇数番目の経糸を通している。以下、同様の手順を繰り返して、第5綜絖枠、第6綜絖枠、・・・第11綜絖枠の各々に合計6本の経糸を通している。このように5本以上の奇数本を一組とすると、3本一組の場合と比較して柄を織物の幅方向に大きくすることができる。
また、ドビー織機に適用する場合には綜絖枚数は5枚以上であればよい。
また、ドビー織機に適用する場合には綜絖枚数は5枚以上であればよい。
Claims (5)
- 第1〜第n+2(nは3以上の奇数)の綜絖枠を備える織機による製織方法であって、織物の幅方向に連続する3以上の奇数本の経糸を一組とし、幅方向に順に第1〜第n組と規定した場合に、
第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの奇数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの偶数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第1及び第2綜絖枠以外の第3〜第n+2綜絖枠については、
第3綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組以外であって幅方向に奇数組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第4綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組であって前記第3綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組以外であって幅方向に奇数組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第5綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組であって前記第3及び第4綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組以外であって幅方向に奇数組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第n+2綜絖枠の各々の綜絖に経糸を通し、前記第1綜絖枠と第2綜絖枠を交互に上下動させつつ、前記第3〜第n+2綜絖枠を適宜上下動させることにより、前記各組の奇数本の経糸を全て浮かせるか又は全て沈めることで織物の柄を形成することを特徴とする製織方法。 - 第1〜第n+2(nは3以上の奇数)の綜絖枠を備える織機による製織方法であって、織物の幅方向に連続する3以上の奇数本の経糸を一組とし、幅方向に順に第1〜第n組と規定した場合に、
第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの奇数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの偶数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第1及び第2綜絖枠以外の第3〜第n+2綜絖枠については、第3綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第4綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組であって前記第3綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第5綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組であって前記第3及び第4綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第n+2綜絖枠の各々の綜絖に経糸を通し、前記第1綜絖枠と第2綜絖枠を交互に上下動させつつ、前記第3〜第n+2綜絖枠を適宜上下動させることにより、前記各組の奇数本の経糸を全て浮かせるか又は全て沈めることで織物の柄を形成することを特徴とする製織方法。 - 第1〜第n+2(nは3以上の奇数)の綜絖枠を備える織機による製織方法であって、織物の幅方向に連続する3本の経糸を一組とし、幅方向に順に第1〜第n組と規定した場合に、
第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの奇数組であって、各組を構成する3本の経糸のうち両端2本の経糸を通し、
第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの偶数組であって、各組を構成する3本の経糸のうち両端2本の経糸を通し、
第1及び第2綜絖枠以外の第3〜第n+2綜絖枠については、第3綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本を通し、
第4綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組であって前記第3綜絖枠で使用した組以外の組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本を通し、
第5綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組であって前記第3及び第4綜絖枠で使用した組以外の組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する3本の経糸のうち真ん中の1本を通し、
以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第n+2綜絖枠の各々の綜絖に経糸を通し、前記第1綜絖枠と第2綜絖枠を交互に上下動させつつ、前記第3〜第n+2綜絖枠を適宜上下動させることにより、前記各組の3本の経糸を全て浮かせるか又は全て沈めることで織物の柄を形成することを特徴とする製織方法。 - 第1〜第n+2(nは3以上の奇数)の綜絖枠を備える織機による製織方法であって、織物の幅方向に連続する3以上の奇数本の経糸を一組とし、幅方向に順に第1〜第n組と規定した場合に、
第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの奇数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの偶数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第1及び第2綜絖枠以外の第3〜第n+2綜絖枠については、
第3綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸と、当該組以外であって幅方向に奇数組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第4綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組であって前記第3綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸と、当該組以外であって幅方向に奇数組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第5綜絖枠の綜絖には第1〜第2n組のいずれか一つの組であって前記第3及び第4綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸と、当該組以外であって幅方向に奇数組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第n+2綜絖枠の各々の綜絖に経糸を通し、前記第1綜絖枠と第2綜絖枠を交互に上下動させつつ、前記第3〜第n+2綜絖枠を適宜上下動させることにより、前記各組の奇数本の経糸を全て浮かせるか又は全て沈めることで織物の柄を形成することを特徴とする製織方法。 - 第1〜第n+2(nは3以上の奇数)の綜絖枠を備える織機による製織方法であって、織物の幅方向に連続する3以上の奇数本の経糸を一組とし、幅方向に順に第1〜第n組と規定した場合に、
第1綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの奇数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第2綜絖枠の綜絖には第1組〜第2n組のうちの偶数組であって、各組を構成する奇数本の経糸のうち偶数番目の経糸を通し、
第1及び第2綜絖枠以外の第3〜第n+2綜絖枠については、第3綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第4綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組であって前記第3綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
第5綜絖枠の綜絖には第1〜第n組のいずれか一つの組であって前記第3及び第4綜絖枠で使用した組以外の組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸と、当該組から幅方向にn組ずれた組を構成する奇数本の経糸のうち奇数番目の経糸を通し、
以下、同様の手順を繰り返して、第3綜絖枠、第4綜絖枠、・・・第n+2綜絖枠の各々の綜絖に経糸を通し、前記第1綜絖枠と第2綜絖枠を交互に上下動させつつ、前記第3〜第n+2綜絖枠を適宜上下動させることにより、前記各組の奇数本の経糸を全て浮かせるか又は全て沈めることで織物の柄を形成することを特徴とする製織方法。
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