JP2012096633A - ブレーキセンサ故障診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクセルペダル及びブレーキペダルを誤って両踏みした時にエンジン出力を制限させる車両において、両踏み状態であるか否かの判定に用いるブレーキセンサの故障を、新規にブレーキセンサを追加することなく診断可能にしたブレーキセンサ故障診断装置を提供する。
【解決手段】アクセルセンサ及びブレーキセンサ(ブレーキスイッチ)の検出結果に基づき、両ペダルが踏込操作されている両踏み状態であると判定されている時に、エンジン出力を制限させる車両において、ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらず(S20:Yes)、ブレーキセンサによる踏込検出がなければ(S21:No)、或いは、ブレーキペダルの踏込みを解除操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらずブレーキセンサによる解除検出がなければ、ブレーキセンサが故障であると診断する。
【選択図】 図5
【解決手段】アクセルセンサ及びブレーキセンサ(ブレーキスイッチ)の検出結果に基づき、両ペダルが踏込操作されている両踏み状態であると判定されている時に、エンジン出力を制限させる車両において、ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらず(S20:Yes)、ブレーキセンサによる踏込検出がなければ(S21:No)、或いは、ブレーキペダルの踏込みを解除操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらずブレーキセンサによる解除検出がなければ、ブレーキセンサが故障であると診断する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、アクセルペダル及びブレーキペダルを誤って両踏みした時にエンジン出力を制限させる車両に適用され、両踏み状態であるか否かの判定に用いるブレーキセンサの故障を診断する装置に関する。
車両の運転者がブレーキペダルを踏み損なってアクセルペダルも同時に踏み込んでしまい、運転者の意図に反して車両を加速させてしまうことの安全対策として、特許文献1には、両ペダルが共に踏み込まれた両踏み状態を検出した場合には、アクセルペダルの踏込量に応じたスロットル開度とならないようにスロットルバルブを制御してエンジン出力を制限させることが提案されている。
上記安全対策を実現させるためには、アクセルペダルの踏込操作の有無を検出するアクセルセンサ、及びブレーキペダルの踏込操作の有無を検出するブレーキセンサを設け、これらセンサの検出結果に基づき両踏み状態を検出する必要がある。そして、ブレーキセンサが故障していると両踏み状態を検出できなくなるので、誤って両踏みした時のエンジン出力制限ができなくなる。そのため、ブレーキセンサの故障を診断する装置が必要になってくる。
そこで本発明者は、既存のブレーキランプ用スイッチ及びブレーキ油圧センサを上記ブレーキセンサとして利用し、これら2つのブレーキセンサが異なる検出結果である場合に、いずれかのセンサが故障であると診断することを検討した。
しかし、車両によっては、ブレーキ油圧センサの検出信号が入力されるECU(ブレーキ制御装置)と、ブレーキランプ用スイッチの検出信号が入力されるECU(エンジン制御装置)とが別々になっており、この場合には、両ECU間で検出信号の送受信が必要となるため通信の複雑化を招く。また、故障診断専用にブレーキセンサを新規に追加することはコスト高を招く。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、アクセルペダル及びブレーキペダルを誤って両踏みした時にエンジン出力を制限させる車両において、両踏み状態であるか否かの判定に用いるブレーキセンサの故障を、新規にブレーキセンサを追加することなく診断可能にしたブレーキセンサ故障診断装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、アクセルペダルの踏込操作の有無を検出するアクセルセンサと、ブレーキペダルの踏込操作の有無を検出するブレーキセンサと、前記アクセルセンサ及び前記ブレーキセンサの検出結果に基づき、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルが共に踏込操作されている両踏み状態であるか否かを判定する両踏み判定手段と、前記両踏み状態であると判定されている時に、前記ブレーキペダルの踏込み操作を前記アクセルペダルの踏込み操作よりも優先してエンジン出力を制限させる出力制限手段と、を備える車両に適用されることを前提とする。
そして、前記ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらず前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、或いは、前記ブレーキペダルの踏込みを解除操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらず前記ブレーキセンサによる解除検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
上記発明では要するに、ブレーキペダルを踏込み操作(或いは解除操作)する筈の車両運転状況であるにも拘わらずブレーキセンサによる踏込検出(或いは解除検出)がなければ、ブレーキセンサが故障であると診断する。そのため、2つのブレーキセンサの検出結果を比較して故障診断するといった先述の手法とは異なり、上記発明によれば2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。よって、故障診断専用にブレーキセンサを新規に追加することを不要にでき、ECU同士の通信の複雑化も回避できる。
なお、ブレーキランプ用のスイッチは殆どの車両に設けられているので、このスイッチを、両踏み判定に用いるブレーキセンサとして利用することが望ましい。また、ブレーキ油圧を検出するブレーキ油圧センサを、両踏み判定に用いるブレーキセンサとして利用してもよい。また、ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキストロークセンサを、両踏み判定に用いるブレーキセンサとして利用してもよい。
請求項2記載の発明では、車両運転者によりエンジン始動操作が為されてからエンジン停止操作が為されるまでの期間に、前記ブレーキセンサによる踏込検出が1度もなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
通常の運転者であれば、エンジン始動操作が為されてからエンジン停止操作が為されるまでの期間にブレーキペダルを一度は踏込み操作する筈である。この点を鑑みた上記発明では、エンジン始動操作が為されてから停止操作が為されるまでの期間(「ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの踏込検出が1度もなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
請求項3記載の発明では、駆動輪へ動力伝達する際の変速段を自動で切り替える自動変速装置であって、ブレーキペダルが踏込まれていることを条件にシフトレバーのパーキングレンジへの切り替えが可能に構成された自動変速装置を備えた車両に適用され、運転者がパーキングレンジへ切り替え操作した時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
ブレーキペダルが踏込まれていることを条件にシフトレバーのパーキングレンジへの切り替えが可能に構成されている車両であれば、パーキングレンジへ切り替え操作した時にブレーキセンサによる踏込検出が必ず為される筈である。この点を鑑みた上記発明では、パーキングレンジへの切り替え時(「ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの踏込検出がなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
請求項4記載の発明では、駆動輪へ動力伝達する際の変速段を自動で切り替える自動変速装置を備えるとともに、ブレーキペダルが踏込まれていることを条件にエンジン始動を許可する車両に適用され、エンジン始動時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
ブレーキペダルが踏込まれていることを条件にエンジン始動を許可する車両であれば、エンジン始動時にブレーキセンサによる踏込検出が必ず為される筈である。この点を鑑みた上記発明では、エンジン始動時(「ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの踏込検出がなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
請求項5記載の発明では、車両走行期間中に前記ブレーキセンサによる解除検出が所定時間以上なければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
通常の運転者であれば、所定時間以上ブレーキペダルを踏込んだまま車両走行することはない筈である。この点を鑑みた上記発明では、車両走行期間中(「ブレーキペダルの踏込みを解除操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキ解除検出が所定時間以上なければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
請求項6記載の発明では、ブレーキ油圧が所定時間で所定値以上上昇(急上昇)している時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
一般的なブレーキ装置では、ブレーキペダルを踏み込むとその踏力によりシリンダ内の油圧(ブレーキ油圧)が上昇し、その油圧により制動力を発揮させる。したがって、ブレーキ油圧が急上昇している時にはブレーキペダルが踏込み操作されている筈であり、ブレーキセンサによる踏込検出が為される筈である。この点を鑑みた上記発明では、ブレーキ油圧の急上昇時(「ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの踏込検出がなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
但し、ABS装置や車両姿勢制御等、ブレーキ油圧を自動で制御する装置が搭載されている車両においては、ブレーキペダルを踏込み操作していなくてもブレーキ油圧が急上昇するよう自動制御する場合があるので、当該装置が作動していない時に上述の故障診断を実施することを要する。
請求項7記載の発明では、ブレーキ油圧が所定値未満である時に前記ブレーキセンサによる解除検出が所定時間以上なければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
一般的なブレーキ装置では、ブレーキペダルの踏込みを解除するとシリンダ内の油圧(ブレーキ油圧)が低下して所定値未満になり、制動力が発揮されなくなる。したがって、ブレーキ油圧が所定値未満である時には、少なくとも所定時間以上はブレーキペダルの踏み込みを解除している筈であり、ブレーキセンサによる解除検出が為される筈である。この点を鑑みた上記発明では、ブレーキ油圧が所定値未満である時(「ブレーキペダルの踏込みを解除操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの解除検出がなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
但し、ABS装置や車両姿勢制御等、ブレーキ油圧を自動で制御する装置が搭載されている車両においては、ブレーキペダルの踏込み解除操作をしていなくてもブレーキ油圧が所定値未満となるよう自動制御する場合があるので、当該装置が作動していない時に上述の故障診断を実施することを要する。
請求項8記載の発明では、車両が所定時間で所定値以上減速している時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
車両が所定時間で所定値以上減速(急減速)している時には、ブレーキペダルを踏込み操作している筈である。この点を鑑みた上記発明では、車両の急減速時(「ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの踏込検出がなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
請求項9記載の発明では、駆動輪へ動力伝達する際の変速段を自動で切り替える自動変速装置を備えた車両に適用され、前記自動変速装置のシフトレバーが走行レンジへ切り替えられており、かつ、車両位置が所定時間以上変化していない時に、前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする。
シフトレバーが走行レンジへ切り替えられており、かつ、車両位置が所定時間以上変化していなければ、ブレーキペダルを踏込み操作している筈である。この点を鑑みた上記発明では、走行レンジのまま車両位置が変化していない時(「ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況」に相当)にブレーキセンサの踏込検出がなければ故障と診断するので、2つのブレーキセンサの検出結果を要することなく故障診断できる。
ちなみに、上述した各発明によりブレーキセンサが故障していると診断した場合には、両踏み状態であると判定されているか否かに拘わらず、エンジン出力を所定値未満に制限する出力制限制御を実施することが望ましい。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。先ず、本実施形態にかかる車両用エンジン制御装置が適用されたエンジン制御システム全体の概略構成を、図1に基づいて説明する。
図1に示すエンジン11(内燃機関)は点火式のガソリンエンジンであり、エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、電動モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
更に、アクセルセンサ31によってアクセルペダル32の操作量が検出され、ブレーキスイッチ33(ブレーキセンサ)によってブレーキペダル34の踏込操作が検出されると共に、車速センサ35によって車速が検出される。なお、本実施形態のブレーキスイッチ33には、電磁リレーにより構成される接触式の機械式スイッチを用いているが、非接触式のスイッチを用いてもよい。また、ブレーキスイッチ33には、ブレーキランプのオンオフを切り替えるスイッチが利用されている。つまり、ブレーキスイッチ33は、ブレーキランプのオンオフスイッチとして機能するとともに、両踏み判定用のスイッチとしても機能する。
ここで、ブレーキペダル34は、車両の運転中に車両を減速又は停止させるための常用ブレーキ装置のブレーキ操作部である。また、アクセルペダル32やブレーキペダル34は、図2に例示する吊り下げ式(ペンダントタイプ)のペダルでも良いし、或いは、図3に例示するフロア支持式(オルガン式)のペダルでも良い。
図2は、吊り下げ式のブレーキペダル34と吊り下げ式のアクセルペダル32との位置関係を示す図であり、アクセルペダル32は、車両乗員の足裏で踏込み操作される踏込操作面を有するペダル部32aと、ペダル部32aから上方に延びるアーム部32bと、アーム部32bの上端を回動可能に支持する支持部32cと、を備えて構成されている。ブレーキペダル34は、車両乗員の足裏で踏込み操作される踏込操作面を有するペダル部34aと、ペダル部34aから上方に延びるアーム部34bと、アーム部34bの上端を回動可能に支持する支持部34cと、を備えて構成されている。
図3は、アクセルペダル320がフロア支持式である場合の図であり、このアクセルペダル320は、車両乗員の足裏で踏込み操作される踏込操作面を有するペダル部320aと、ペダル部320aのうち車両後方側の端部を回動可能に支持するとともに車体のフロア部50に固定された支持部320bと、ペダル部320aを上方へ押し戻す向きに弾性力を付勢するバネ部320cと、を備えて構成されている。
車体のフロア部50は、水平に拡がる形状の金属製パネルにより形成されている。なお、フロア部50の前方端部には傾斜状の金属製パネルにより形成されるキックアップ部51が接続され、キックアップ部51の前方端部には、鉛直に広がる形状の金属製パネルにより形成されるダッシュパネル52(ファイアウォール)が接続されている。そして、アクセルペダル320の支持部320bは、このフロア部50に取り付けられている。
これら各種センサやスイッチの出力は、電子制御回路(ECU30)に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することでエンジン制御手段としての役割を果たし、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。その際、ECU30は、アクセルセンサ31で検出したアクセル開度(アクセルペダル32の操作量)に基づいてスロットル開度(吸入空気量)等を制御してエンジン11の出力を制御する。
これら図2及び図3に示すように、アクセルペダル32,320とブレーキペダル34は、フロア部50の上方にて並べて配置されており、運転者が片足で両ペダル32,320,34を同時に踏み込むことができるような位置関係に配置されている。
なお、アクセルペダル32が吊り下げ式の場合には、フロア支持式の場合に比べてペダル部32aの位置が高くなるので、ブレーキペダル34のペダル部34aの位置と同じ高さになる場合が多い。そのため、特に両ペダル32,34が吊り下げ式の場合(図2参照)には、図3の場合に比べて、運転者がブレーキペダル34を踏込み操作しようとした時に誤ってアクセルペダル32も踏み込んでしまうといった事態に陥りやすい。そのため、誤操作による両踏みに対応した本実施形態のエンジン制御は、図2の如く両ペダル32,34が吊り下げ式の場合に効果が好適に発揮される。
ECU30は、アクセルセンサ31の出力信号に基づいてアクセルペダル32の踏み込み(オン操作)を判定すると共に、ブレーキスイッチ33の出力信号に基づいてブレーキペダル34の踏み込み(オン操作)を判定する。なお、アクセルセンサ31により検出されたアクセルペダル32の踏込量が所定値A1以上である場合に、アクセルペダル32が踏み込まれていると判定(オン操作を判定)する。そして、アクセルセンサ31及びブレーキスイッチ33が共にオン操作を判定している時には、アクセルペダル32及びブレーキペダル34が共に踏込操作されている両踏み状態であると判定する。
また、アクセルセンサ31及びブレーキスイッチ33が共にオン操作判定している時点において、エンジン出力軸の回転速度を変速して駆動輪へ伝達する自動変速装置ATが動力伝達を遮断するニュートラル状態又は動力伝達する連結状態のいずれであっても、上述の如く共にオン操作判定していれば両踏み状態であると判定する。図1に示す変速機(トランスミッション)には、その変速段を自動で切り替える自動式(AT)が採用されているが、変速段を運転者が手動操作して切り替えるマニュアル式(MT)であってもよい。
両踏み状態であると判定した場合には、エンジン制御用のアクセル開度(エンジン11の制御に使用するアクセル開度)を車速に応じた制限値にするアクセル開度制限制御(出力制限制御)を実行する。一方、ブレーキペダル34のオン操作が検出されていない時にアクセルペダル32のオン操作が検出されている場合には、運転者の加速意図があると判断して、アクセル開度制限制御を禁止する。
次に、図4を用いて、ECU30により実施されるアクセル開度出力制御の処理手順を説明する。図4に示すアクセル開度出力制御ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。
本ルーチンが起動されると、まず、ステップS10で、車速が所定値V1以上であるか否かを判定する。このステップS10で、車速が所定値V1以上であると判定された場合には、ステップS11(両踏み判定手段)に進み、実アクセル開度が所定値A1よりも大きいか否かを判定する。ここで、所定値A1は、予め設定した固定値としても良いし、車速に応じて設定するようにしても良い。
このステップS11で、実アクセル開度が所定値A1よりも大きい(アクセルペダル32が踏み込まれている)と判定された場合には、ステップS12(両踏み判定手段)に進み、ブレーキOFF(ブレーキペダル34の踏み込みが解除された状態)からブレーキON(ブレーキペダル34が踏み込まれた状態)になったか否かを判定する。
ブレーキONになった場合には、アクセルペダル32及びブレーキペダル34が共に踏み込まれた両踏み状態であると判定(S12:Yes)して次のステップS13に進む。一方、上記ステップS12で「No」と判定された場合には上記ステップS10に戻る。
ステップS13では、両踏み状態に至る過程で、実際にアクセルペダル32を踏み込み開始した時期(実アクセル開始時期)が、実際にブレーキペダル34を踏み込み開始した時期(実ブレーキ開始時期)よりも後であるか否かを判定する。そして、実アクセル開始時期が実ブレーキ開始時期よりも後ではないと判定(S13:No)した場合には、ブレーキペダル34を踏み込む際に誤ってアクセルペダル32も踏み込んでしまった、誤操作による両踏み状態であるとみなして、次のステップS14(出力制限手段)に進み、エンジン制御用のアクセル開度を制限値まで減少させるアクセル開度制限制御を実行する。
一方、両踏みが検出された場合であっても、実アクセル開始時期が実ブレーキ開始時期よりも後であると判定(S13:Yes)した場合には、意図的に両踏み操作したとみなして、次のステップS15(出力制限禁止手段)に進み、ステップS14によるアクセル開度制限制御の実行を禁止して、図4の処理を一旦終了する。
ここで、実アクセル開始時期が実ブレーキ開始時期よりも後である場合(S13:Yes)に、アクセル開度制限制御(S14)の実行を禁止させる意義について以下に説明する。両踏み時にアクセル開度制限を制限(出力制限)する安全対策では、車両運転者が誤って両踏みした状況を想定しているが、車両運転者が意図的に両踏み操作する場合もある。例えば、登り坂で車両を発進させる場合において、ブレーキペダルを踏んだままアクセルペダルを踏み込むことにより、停車状態(車速ゼロ)のままでエンジン回転数を上昇させ、その後ブレーキペダルから足を離して加速発進させるといった両踏み操作である。
そして、意図的に両踏み操作する場合には、ブレーキペダル34よりも後にアクセルペダル32を踏込操作する筈であり、ブレーキペダル34よりも先(又は同時)にアクセルペダル32を踏み込むことはない。この点に着目し、ステップS13で肯定判定した場合には、意図的に両踏み操作されたとみなして出力制限を禁止してエンジン出力の上昇を許可する(S15)。一方、上記以外の両踏み検出時には、誤ってブレーキペダル34が踏み込まれているとみなして出力制限を実施して安全を図る(S14)。
ステップS14によるアクセル開度制限制御が実行されると、その後、ステップS16に進み、アクセル開度制限制御の実行中にブレーキONからブレーキOFFになったか否かを判定する。このステップS16で、アクセル開度制限制御の実行中にブレーキONからブレーキOFFになったと判定された場合には(S16:Yes)、運転者が意図的にブレーキペダル34の踏み込みを解除したため、エンジン出力を抑制する必要はないと判断する。そして、続くステップS17において、エンジン制御用のアクセル開度を実アクセル開度に戻すアクセル開度復帰制御を実行する。詳細には、アクセル開度復帰制御開始時の車速(又はアクセル開度制限制御開始時の車速)に応じた変化速度(増加速度)でエンジン制御用のアクセル開度を実アクセル開度まで増加させる。
この後、ステップS18に進み、実アクセル開度が所定値A4よりも小さいか否かを判定する。ここで、所定値A4は、上記ステップS11の所定値A1よりも小さい値に設定されている。このステップS18で、実アクセル開度が所定値A4よりも小さいと判定された場合には、アクセル開度復帰制御を終了する。
ところで、アクセルセンサ31やブレーキスイッチ33が故障していると、ステップS11,S12による両踏み判定が正常にできなくなる。特に、アクセルセンサ31が故障しても運転者の意図に反したエンジン出力の増加は生じないが、ブレーキスイッチ33が故障すると、誤って両踏みした時のエンジン出力制限(S14)ができなくなるため、運転者の意図に反してエンジン出力が増加することが懸念される。よって、ブレーキスイッチ33の故障を診断すること、及び故障時にフェールセーフ制御を実施することが重要である。
そこで本実施形態では、ブレーキペダル34を踏込み操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらずブレーキスイッチ33による踏込検出(ブレーキON検出)がなければ、或いは、ブレーキペダル34の踏込みを解除操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらずブレーキスイッチ33による踏込み解除検出(ブレーキOFF検出)がなければ、ブレーキスイッチ33が故障であると診断する。そして、故障と診断された時には吸気量や燃料噴射量を強制的に所定値未満に制御することで、エンジン出力を所定値未満に制限するフェールセーフ制御を実施する。
次に、図5,図6を用いて、ECU30により実施されるブレーキスイッチ33の故障有無を診断する処理手順を説明する。これらの故障診断処理ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。なお、図5及び図6による処理のうち一方の処理で故障診断され、他方の処理で正常診断されている場合には故障診断を優先させる。
先ず、図5の処理ルーチンによる故障診断の手順を説明する。ステップS20で、車両運転者がブレーキペダル34を踏込み操作する筈であろう車両運転状況(ブレーキON状況)であるか否かを判定する(詳細は後述)。そして、ブレーキON状況であると判定(S20:Yes)した場合には、ステップS21に進み、ブレーキスイッチ33による踏込検出(ブレーキON検出)の有無を判定する。
そして、ブレーキON状況でブレーキON検出があれば(S21:Yes)、続くステップS22にてブレーキスイッチ33が正常であると診断する。一方、ブレーキON状況であるにも拘わらずブレーキON検出がなければ(S21:No)、続くステップS23にてブレーキスイッチ33が故障していると診断するとともに、続くステップS24にてエンジン出力を所定値未満に制限するフェールセーフ制御を実施する。なお、このフェールセーフ制御では、図4のステップS14と同様のアクセル開度制限制御を実行してもよい。
次に、ステップS20の判定にかかるブレーキON状況の具体的ケースA1〜A6について説明する。
<ケースA1>
通常の運転者であれば、エンジン始動操作が為されてからエンジン停止操作が為されるまでの期間にブレーキペダル34を一度は踏込み操作する筈である。この点を鑑み、エンジン始動操作が為されてから停止操作が為されるまでの期間(S20:Yes)に、ブレーキON検出が1度もなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、上記「エンジン始動操作」の具体例としては、イグニッションスイッチのオン操作、スタータモータの始動操作、自動変速装置ATの作動を操作するシフトレバーをドライブレンジへ切り替える操作、等が挙げられる。また、上記「エンジン停止操作」の具体例としては、イグニッションスイッチのオフ操作、自動変速装置ATのシフトレバーをパーキングレンジへ切り替える操作、等が挙げられる。
通常の運転者であれば、エンジン始動操作が為されてからエンジン停止操作が為されるまでの期間にブレーキペダル34を一度は踏込み操作する筈である。この点を鑑み、エンジン始動操作が為されてから停止操作が為されるまでの期間(S20:Yes)に、ブレーキON検出が1度もなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、上記「エンジン始動操作」の具体例としては、イグニッションスイッチのオン操作、スタータモータの始動操作、自動変速装置ATの作動を操作するシフトレバーをドライブレンジへ切り替える操作、等が挙げられる。また、上記「エンジン停止操作」の具体例としては、イグニッションスイッチのオフ操作、自動変速装置ATのシフトレバーをパーキングレンジへ切り替える操作、等が挙げられる。
<ケースA2>
ブレーキペダル34が踏込まれていることを条件にシフトレバーのパーキングレンジへの切り替えが可能に構成された車両であれば、パーキングレンジへ切り替え操作した時にブレーキON検出が必ず為される筈である。この点を鑑み、パーキングレンジへの切り替え時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、パーキングレンジへの切り替えは、例えばブレーキ油圧センサによる検出値が所定値以上であることを条件に許可する等、ブレーキスイッチ33以外のセンサの検出値に基づき許可するよう構成されることを前提とする。或いは、ブレーキペダル34が踏込まれていなければ機械的にパーキングレンジへの切り替えが不可となるよう構成されていることを前提とする。
ブレーキペダル34が踏込まれていることを条件にシフトレバーのパーキングレンジへの切り替えが可能に構成された車両であれば、パーキングレンジへ切り替え操作した時にブレーキON検出が必ず為される筈である。この点を鑑み、パーキングレンジへの切り替え時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、パーキングレンジへの切り替えは、例えばブレーキ油圧センサによる検出値が所定値以上であることを条件に許可する等、ブレーキスイッチ33以外のセンサの検出値に基づき許可するよう構成されることを前提とする。或いは、ブレーキペダル34が踏込まれていなければ機械的にパーキングレンジへの切り替えが不可となるよう構成されていることを前提とする。
<ケースA3>
ブレーキペダル34が踏込まれていることを条件にエンジン始動を許可する車両であれば、エンジン始動時にブレーキON検出が必ず為される筈である。この点を鑑み、エンジン始動時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、上記「エンジン始動時」の具体例としては、イグニッションスイッチのオン操作時、スタータモータの始動操作時、等が挙げられる。
ブレーキペダル34が踏込まれていることを条件にエンジン始動を許可する車両であれば、エンジン始動時にブレーキON検出が必ず為される筈である。この点を鑑み、エンジン始動時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、上記「エンジン始動時」の具体例としては、イグニッションスイッチのオン操作時、スタータモータの始動操作時、等が挙げられる。
<ケースA4>
ブレーキ油圧が急上昇している時にはブレーキペダル34が踏込み操作されている筈であり、ブレーキON検出が為される筈である。この点を鑑み、ブレーキ油圧の急上昇時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、ブレーキ油圧が所定時間内に所定圧以上上昇した時に、「ブレーキ油圧の急上昇時」であると判定すればよい。
ブレーキ油圧が急上昇している時にはブレーキペダル34が踏込み操作されている筈であり、ブレーキON検出が為される筈である。この点を鑑み、ブレーキ油圧の急上昇時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、ブレーキ油圧が所定時間内に所定圧以上上昇した時に、「ブレーキ油圧の急上昇時」であると判定すればよい。
ちなみに、ABS装置や車両姿勢制御等、ブレーキ油圧を自動で制御する装置が搭載されている車両においては、ブレーキペダル34を踏込み操作していなくてもブレーキ油圧が急上昇するよう自動制御する場合があるので、これらの装置が作動していない時に上述の故障診断を実施することを要する。
<ケースA5>
車両が急減速走行している時にはブレーキペダル34を踏込み操作している筈である。この点を鑑み、車両の急減速走行時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、車速が所定時間内に所定値以上減少した時に、「急減速走行時」であると判定すればよい。
車両が急減速走行している時にはブレーキペダル34を踏込み操作している筈である。この点を鑑み、車両の急減速走行時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、車速が所定時間内に所定値以上減少した時に、「急減速走行時」であると判定すればよい。
<ケースA6>
自動変速装置ATのシフトレバーが走行レンジへ切り替えられており、かつ、車両位置が所定時間以上変化していなければ、ブレーキペダル34を踏込み操作している筈である。この点を鑑み、走行レンジのまま車両位置が変化していない時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、ステップS20の判定を実施するにあたり、車両に搭載されたナビゲーション装置が有するGPSにより検出した車両位置に基づき、車両位置の変化の有無を判定すればよい。或いは、車両周辺の障害物と自車両との距離を検出する障害物センサの検出値に基づき、車両位置の変化の有無を判定すればよい。
自動変速装置ATのシフトレバーが走行レンジへ切り替えられており、かつ、車両位置が所定時間以上変化していなければ、ブレーキペダル34を踏込み操作している筈である。この点を鑑み、走行レンジのまま車両位置が変化していない時(S20:Yes)にブレーキON検出がなければ(S21:No)、故障と診断する(S23)。なお、ステップS20の判定を実施するにあたり、車両に搭載されたナビゲーション装置が有するGPSにより検出した車両位置に基づき、車両位置の変化の有無を判定すればよい。或いは、車両周辺の障害物と自車両との距離を検出する障害物センサの検出値に基づき、車両位置の変化の有無を判定すればよい。
次に、図6の処理ルーチンによる故障診断の手順を説明する。まず、ステップS30で、車両運転者がブレーキペダル34から足を離して踏込みを解除する筈であろう車両運転状況(ブレーキOFF状況)であるか否かを判定する(詳細は後述)。そして、ブレーキOFF状況であると判定(S30:Yes)した場合には、ステップS31に進み、ブレーキスイッチ33による踏込の解除検出(ブレーキOFF検出)の有無を判定する。
そして、ブレーキOFF状況でブレーキOFF検出があれば(S31:Yes)、続くステップS32にてブレーキスイッチ33が正常であると診断する。一方、ブレーキOFF状況であるにも拘わらずブレーキOFF検出がなければ(S31:No)、続くステップS33にてブレーキスイッチ33が故障していると診断するとともに、続くステップS34にてエンジン出力を所定値未満に制限するフェールセーフ制御を実施する。なお、このフェールセーフ制御では、図4のステップS14と同様のアクセル開度制限制御を実行してもよい。
次に、ステップS30の判定にかかるブレーキOFF状況の具体的ケースB1〜B2について説明する。
<ケースB1>
通常の運転者であれば、所定時間以上ブレーキペダル34を踏込んだまま車両走行することはない筈である。この点を鑑み、車両走行期間中(S30:Yes)にブレーキOFF検出が所定時間以上なければ(S31:No)、故障と診断する(S33)。なお、ステップS30の判定を実施するにあたり、車速がゼロkm/hより大きい場合に車両走行期間中と判定すればよい。
通常の運転者であれば、所定時間以上ブレーキペダル34を踏込んだまま車両走行することはない筈である。この点を鑑み、車両走行期間中(S30:Yes)にブレーキOFF検出が所定時間以上なければ(S31:No)、故障と診断する(S33)。なお、ステップS30の判定を実施するにあたり、車速がゼロkm/hより大きい場合に車両走行期間中と判定すればよい。
<ケースB2>
一般的なブレーキ装置では、ブレーキペダル34の踏込みを解除するとシリンダ内のブレーキ油圧が低下して所定値未満になり、制動力が発揮されなくなる。したがって、ブレーキ油圧が所定値未満である時には、少なくとも所定時間以上はブレーキペダル34の踏み込みを解除している筈であり、ブレーキOFF検出が為される筈である。この点を鑑み、ブレーキ油圧が所定値未満である時(S30:Yes)にブレーキOFF検出がなければ(S31:No)、故障と診断する(S33)。
一般的なブレーキ装置では、ブレーキペダル34の踏込みを解除するとシリンダ内のブレーキ油圧が低下して所定値未満になり、制動力が発揮されなくなる。したがって、ブレーキ油圧が所定値未満である時には、少なくとも所定時間以上はブレーキペダル34の踏み込みを解除している筈であり、ブレーキOFF検出が為される筈である。この点を鑑み、ブレーキ油圧が所定値未満である時(S30:Yes)にブレーキOFF検出がなければ(S31:No)、故障と診断する(S33)。
以上により、本実施形態によれば、車両の運転状況がブレーキON状況(或いはブレーキOFF状況)であるにも拘わらずブレーキON検出(或いはブレーキOFF検出)がなければ、ブレーキスイッチ33が故障していると診断するので、同一のブレーキスイッチを2つ設けて両スイッチの検出結果を比較することを必要とすることなく故障診断できる。よって、故障診断専用にブレーキスイッチ33を新規に追加することを不要にできる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では、オンオフを検出するブレーキスイッチ33を両踏み判定に用いるブレーキセンサに適用し、このブレーキスイッチ33を故障診断の対象としているが、ブレーキペダル34の踏込量を検出するブレーキセンサを両踏み判定に用いるブレーキセンサに適用し、このブレーキセンサを故障診断の対象としてもよい。
・ここで、スロットルバルブには、電動モータでスロットル開度を制御する電動式と、運転者によるアクセルペダルの踏込み操作力で機械的に駆動させる機械式とがある。そして、図1に示す例では電動式スロットルバルブが用いられており、両踏み判定時にはアクセル開度を制限することでエンジン出力を制限させている。これに対し、機械式スロットルバルブが用いられた車両において、両踏み判定時には所定の気筒に対する燃料噴射をカットして失火させることでエンジン出力を制限させるようにしてもよい。
・図5,図6に示す上記実施形態では、ケースA1〜A6及びケースB1〜B2のいずれかに該当する場合にブレーキスイッチ33が故障であると診断しているが、これらのケースを組み合わせて、複数のケースが該当した場合にブレーキスイッチ33が故障であると診断するようにしてもよい。
・図4に示す例では、実アクセル開始時期が実ブレーキ開始時期と同時又は前であることを条件として(S13:No)、エンジン出力制限を実施(S14)しているが、ステップS13の判定を廃止して、実アクセル開始時期及び実ブレーキ開始時期のいずれが先であるかに拘わらず、エンジン出力制限を実施(S14)するようにしてもよい。
31…アクセルセンサ、33…ブレーキスイッチ(ブレーキセンサ)、32,320…アクセルペダル、34…ブレーキペダル、S11,S12…両踏み判定手段、S14…出力制限手段。
Claims (9)
- アクセルペダルの踏込操作の有無を検出するアクセルセンサと、
ブレーキペダルの踏込操作の有無を検出するブレーキセンサと、
前記アクセルセンサ及び前記ブレーキセンサの検出結果に基づき、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルが共に踏込操作されている両踏み状態であるか否かを判定する両踏み判定手段と、
前記両踏み状態であると判定されている時に、前記ブレーキペダルの踏込み操作を前記アクセルペダルの踏込み操作よりも優先してエンジン出力を制限させる出力制限手段と、
を備える車両に適用され、
前記ブレーキペダルを踏込み操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらず前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、或いは、前記ブレーキペダルの踏込みを解除操作する筈の車両運転状況であるにも拘わらず前記ブレーキセンサによる解除検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とするブレーキセンサ故障診断装置。 - 車両運転者によりエンジン始動操作が為されてからエンジン停止操作が為されるまでの期間に、前記ブレーキセンサによる踏込検出が1度もなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1に記載のブレーキセンサ故障診断装置。
- 駆動輪へ動力伝達する際の変速段を自動で切り替える自動変速装置であって、ブレーキペダルが踏込まれていることを条件にシフトレバーのパーキングレンジへの切り替えが可能に構成された自動変速装置を備えた車両に適用され、
運転者がパーキングレンジへ切り替え操作した時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキセンサ故障診断装置。 - 駆動輪へ動力伝達する際の変速段を自動で切り替える自動変速装置を備えるとともに、ブレーキペダルが踏込まれていることを条件にエンジン始動を許可する車両に適用され、
エンジン始動時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のブレーキセンサ故障診断装置。 - 車両走行期間中に前記ブレーキセンサによる解除検出が所定時間以上なければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のブレーキセンサ故障診断装置。
- ブレーキ油圧が所定時間で所定値以上上昇している時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のブレーキセンサ故障診断装置。
- ブレーキ油圧が所定値未満である時に前記ブレーキセンサによる解除検出が所定時間以上なければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のブレーキセンサ故障診断装置。
- 車両が所定時間で所定値以上減速している時に前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のブレーキセンサ故障診断装置。
- 駆動輪へ動力伝達する際の変速段を自動で切り替える自動変速装置を備えた車両に適用され、
前記自動変速装置のシフトレバーが走行レンジへ切り替えられており、かつ、車両位置が所定時間以上変化していない時に、前記ブレーキセンサによる踏込検出がなければ、前記ブレーキセンサが故障であると診断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のブレーキセンサ故障診断装置。
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