JP2012096006A - 組み付け用位置確定機能付き面係止基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】衣服の前立てのように目視で位置関係を正確に確認できないところでの服地の重合を確実に、かつ簡便に行えるようにする、勘合による位置確定機能付き小型面係止片を、家庭での可能な取り付け加工によって二枚の基材の脱着を正確にかつ簡便に行える面ファスナーを主要な係合手段として取り付ける小型面係止片は、面ファスナーの係合強さを十分に発揮させるために、基板先端部を「へ」字状に傾斜させる曲げ加工を要する。
また基板と面ファスナーを消費者が自由に好みに合わせて組み合わせて使用することができなかった。
【解決手段】 勘合によって位置合わせできる打ち抜き基板、二種類と係合強さの主体である面ファスナーを二つ別個に準備しておき、服地等の基材上で両部材を任意の位置関係で配置し、同時に基材に縫製、組み付けることで一対の面係止片を形成する。
【選択図】図10

Description

本発明は、衣服の布地等の二枚の基材に取り付けてそれらの重ね合わせ部において、簡便に固着できる係合具を指先の感覚で確実にかつ容易に位置合わせができるようにする一対の小型面係止片の係止基板に関するもので、両係止片は勘合させて位置合わせできる形状のプラスチック製基板と二枚の基材を係合させる面係合手段からなる凹部係合片と凸部係合片を構成し、これら両係止片の部材を別個に基材に取り付けて、面係止片を基材上で形成する技術に関するものである。面係合手段には面ファスナー、ポック等があるが、面ファスナーを代表させている。
二枚の基材の重なり部において結合する手段として従来から行われているものとして、脱着が容易なものとしてはボタンとボタンホールからなる通常のボタン方式がある。この手法は18世紀の中ごろに英国で開発されたとされている。それより幾分早い時期にボタン状の突起物と細紐で係合する比較的ルーズなボタン紐方式がある。これは18世紀初期に日本でも武士の衣装に実施された手法である。これは結合がルーズであるため主として荷重のかかる縦方向の係合に用いられた。
これらの結合手段が開発された後、しばらくして超小型の金属製のスナップホックが実用化された。しかし、位置決めの困難さがあり、普及しなかった。この後、20世紀に至って面ファスナーが開発され、比較的ラフな位置決めでやや大きめのサイズを二枚の基材に固着することで使用可能になる条件で用いられてきている。
また日本では近年開発された結合手段として、金属爪形片と太糸の組み合わせでの引っ掛け式である「コハゼ」法がある。これは現在では足袋の踵部の留めにのみ用いられている。この限定的使用は作業の困難さと位置決めの不確実さが問題として残っているためである。具体的には足袋の重ね部において上側の布地端に縫いつけた金属小片を下側の布地端に形成した太糸の係止部を抱き込む形で踵部の布地を固定するが、両者とも小さな部材であり、ブラインドタッチでの位置確認が困難であること、この重ね部の押さえを十分に行わねばならないこと、さらには両者の係合がタイトに行われなければ、使用中に外れる可能性があることが挙げられる。
結合素材として最も開発の余地のあるものは面ファスナーである。この素材は不満足ながらも衣服等にも取り付けられている実績がある。この面ファスナーの使用される場面の一つは、位置確定の不確実性が顕在化しない面ファスナー同士の移動距離の短い手袋や胸元上部の係合である。係合のずれが目立ちにくいところでの使用である。これらの場合は比較的小片での使用である。もう一つの場面は、大きく開くかばんの蓋部、および枕カバー等の係合で、この係合ではずれがあってもそれほど目立たない。二枚の基材の重なり部に固着する面ファスナーは一方の面ファスナーが小さい場合でも対向して用いる面ファスナーは1辺が数センチ以上と大きいサイズであることが多い。
着たときの肌感覚が良好で、かつ糸くずが洗濯時に付着しないこと、さらには見栄えが気になる衣服等においては係合の位置ずれが生じないようにすることが、面ファスナーを係合手段として普及させるには不可欠な条件になっていた。
これらの問題についてはメーカーによる改良が進み、第二世代の面ファスナーともいえるものが使用されてきている。この面ファスナーの構造は、突起とこれが引っかかるループが一枚のファスナー面に混在する新タイプであり、衣料用として開発され、肌の刺激を軽減し、糸くずが洗濯時に絡まらないものとして登場し、現在は導入段階にある。この先端素材を用いて、使用者の衣服への取り付け作業を簡単に、かつ衣服の脱着が容易になる係合具の開発が望まれていた。特に介護の分野では、緊急的に衣服を脱ぐ、又は重ね分を開放することが求められるので、瞬時にロックを解除できるファスナーやホック群を面係止手段に用いるメリットは大きく、これらを用いた面係止片の開発が急がれている。
初期の面ファスナーを取り付けた基材同士を位置確定した上で係合させる初歩的方法が米国特許(特許文献1)に公開されている。この発明の後は世界的にも結合の確実さと操作の容易さ、および位置確定の容易さを兼ね備えたユニバーサルデザイン的な係合手段は出現していない。
近年に至って世界的な傾向であるが、高齢者の増加に伴って(視覚障害者を含む身障者も対象になる)指先の不自由な人の衣服の前立ての結合を容易にしてほしいというユニバーサルデザイン的要求が生じている。この要求に基づいて各種の開発が行われている。
米国特許3873051号公報 日本特許 特願2010−236870号
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、特許文献2の技術は本発明の同一発明者が行った発明である。
衣服の前立てのように目視で位置関係を正確に確認できないところでの基材の重合を確実に、かつ簡便に行えるようにする、勘合による位置確定機能付き小型面係止片で、家庭での可能な取り付け加工によって二枚の基材の脱着を正確にかつ簡便に行える面ファスナーを主要な係合手段として取り付けた位置確定機能付き小型係止片である。
この特許出願の基本の面係止片は、面係合手段の面ファスナーを予め基板に配置しておくものであった。粘着材または縫製糸によって両者を軽度に固定しておくものであった。この小型の面係止片では、基板の勘合部で傾きが生じることで、基板に固定される面ファスナーの全面での良好な係合は困難になる。また、この組み立て済みの面係止片は、最終の消費者が色の好み、又は素材の好み等に基づいて選択し、組み合わせることができないという不自由さが伴う。
本発明は、上記の問題点を解決するもので、基材への面係止片取り付けの際、位置合わせになる勘合のための係止基板と係合の面ファスナーを個別に製造したものを準備し、これら部材を任意に選択して、基材にこれらを同時に組み付けて面係止片を形成するものである。家庭用のミシンで対応できる素材の組み合わせを行うことで、任意の位置関係で、面ファスナーを基板の近く、または上に乗り上げる等の位置調整を行えるようになる。家庭での縫製による部材の基材への組み付けによって、簡便に面係止片を基材上に形成する。
本発明の名称に記している「係止片」と「係止基板」は一対で機能する「係合具]と区別するために用い、必ずしも同一構成の係止片を使用する必要のないことを背景にしている。凸形係止片と凹形係止片の部材を個別に生産し、販売し、使用できるものである。
本発明は、これら係止片をさらに構成する部材として扱えるようにしたことの利点として、面ファスナーを基板に対して接するようにする位置関係になると、やや硬めの基板と軟らかい素材の面ファスナーと分けて用いることになり、勘合後の面ファスナーの押圧を平行な面関係でおこなえるようになる。つまり保持している勘合状態が面ファスナーの係合に影響しなくなる。
請求項1に係る発明は、二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、該面係合手段を基材に固着する前記凹形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凹形係止基板に対向して用いる凸形係止基板の突起部を該切り欠け部に勘合させて用いることを特徴とする凹形係止基板に関する。
請求項2に係る発明は、二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に対し、基板側の面係合手段端部から該基板までの間隔が30mm以内から、基板に面係合手段が乗り上げた状態になる範囲で面係合手段が基材に配置され、該面係合手段を基材に固着して用いる前記凹形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凹形係止基板に対向して用いる凸形係止基板の突起部を該切り欠け部に勘合させて用いることを特徴とする凹形係止基板に関する。
請求項3に係る発明は、前記凹形係止基板の切り欠け部は、上縁部と下縁部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の凹形係止基板に関する。
請求項4に係る発明は、前記凹形係止基板の切り欠け部は、切り込みを入れて形成し、凸形係止基板の突起部によって開口することを特徴とする請求項1又は2に記載の凹形係止基板に関する。
請求項5に係る発明は、二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、該面係合手段を基材に固着する前記凹形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凹形係止基板に対向して用いる凸形係止基板の突起部が、上縁部と下縁部を有している該切り欠け部に対し、そのいずれか一方と勘合することを特徴とする凹形係止基板に関する。
請求項6に係る発明は、前記凹形係止基板に、該切り欠け部を複数個設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の凹形係止基板に関する。
請求項7に係る発明は、前記凹形係止基板の切り欠け部は、上縁部と下縁部を有し、少なくともその一方は末広がりに形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の凹形係止基板に関する。
請求項8に係る発明は、前記凹形係止基板の切り欠け部は上縁部と下縁部を有し、少なくともその一方は略円弧で形成されることを特徴とする請求項1乃至7に記載の凹形面係止基板に関する。
請求項9に係る発明は、前記凹形係止基板の切り欠け部と勘合する凸形係止基板の突起部は、末広がりに形成されていることを特徴とする請求項1乃至8に記載の凸形係止基板に関する。
請求項10に係る発明は、二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凸形係止基板であって、突起部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、該面係合手段を基材に固着する前記凸形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凸形係止基板に対向して用いる凹形係止基板の切り欠け部を該突起部と勘合させて用いることを特徴とする凸形係止基板に関する。
請求項11に係る発明は、前記凸形係止基板の突起部は前記切り欠け部に収まる形状にしたことを特徴とする請求項10に記載の凸形係止基板に関する。
請求項12に係る発明は、二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、または全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、面係合手段が基材に固着する前記凹形係止基板であって、基材の重なり部でこの凹形係止片に対向して用いる、該切り欠け部と勘合する突起部および該面係合手段と係合する面係合手段を相手の基板側に配置している凸形係止基板の突起部が、該切り欠け部に挿入されて形成される勘合状態を保ったまま、係止片基板を傾けて面係合手段同士を押圧したときに、前記勘合状態が解除されることのないことを特徴とする凹形係止基板に関する。
次に面係止片(1,2)の自動的な位置確定法を図1と図2を用いて説明する。凹形係止片に対する凸形係止片の挿入位置を目視で確定しないラフな挿入作業の場合である。この作業が行われても、つまり穴の上縁部(4)または下縁部の頂部付近に突起部(6)の上縁部(7)先端が挿入されると、プラスチック基板の特性が関係して切り欠け部(3)の切り口の傾斜を形成する上縁部等に沿って滑りが生じ、突起部の根元まで穴の最大長さのところへ導かれる。突起部の先端に続いて突起部の根元まで深く差し込むにつれて、穴の最大長さのところまで突起部が導かれる。
穴の両端の切り込み部で突起部が勘合し、突起の根元が軽く固定される。これによって、差込む突起部の方向が規定され、凸形係止基板の姿勢が規制される。当然ながら穴の最大長さが長くなればなるほど、係合具の位置確定機能の精度は向上する。
この意味において、切り欠け部の数を増やして勘合の感触を指先で得られる度合いを高めることは重要である。また、勘合後の操作の段階での係止基板の姿勢の維持には、勘合箇所を増やすことは有効である。
両部材の選択使用法は、先述したようにやや硬めの基板(5,13)と柔らかい面ファスナー(8)を分離して組み合わせることも可能になり、これらの位置関係によって勘合操作の主体である凸形係止片を指先で扱う際の作業性にバリエーションが生じる。
特に面ファスナーを基板とほとんど接する位置関係、または数ミリの間隔をあけて配置する関係では、これによって基板と面ファスナーが別個に動くことができるようになる。したがって基板を直接指先で挟んで操作することが可能になる。この状態を得ることによって、基板の勘合状態での基板の傾きの影響を相殺できるように、基板の勘合部近くで傾斜させる工夫が不要になる。具体的方法として考えられる基板への切れ目が不要になる。そして、切れ目で曲げて傾斜させる作業が不要になる。
基板に対する面ファスナーの位置を保持して、面ファスナーを基材に固着すれば、面ファスナーの係合が平行に重なる全面で良好に行われるようになる。
請求項1等に記述しているような面ファスナーと基板の位置関係がいくつか存在する。切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置することができる。これらの中で、「近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態」は、面ファスナーを基材に縫製用の糸(11)固着した時に、面ファスナー部がフレキシブル性を発揮し、基板の勘合の傾きを相殺して面ファスナー同士は押圧によって接触するエリアでは設定される係合強さを得ることができる。
これに対し、面ファスナーが基板に全部乗り上げた状態で、面ファスナーが基材に固着されると、基板も基材に同時に縫い付けられ、固着される。したがって、固着の準備段階で、基板に面ファスナーを部分的に、または仮固定的に一体化しておくと、基材への組み付け法による係止片の形成は容易になる。
この仮固定には、糸による縫いつけ、または両面粘着テープを用いることができる。
基板と面ファスナーの形状について説明する。図ではともに矩形またはこれに類する形状で示している。係止片としての係合機能を発揮できる、ある程度の面積を有する面ファスナーであれば良い。また基板は長方形である必要はない。基板は持ちやすい形状とデザイン外観を有することが求められるだけである。
通常、規格シートまたはテープから効率よく、打ち抜き又は切断によって切り出す際の歩留まり効率または生産性を考慮して判断する。
基材に基板を配置し、面ファスナーをこの基板との近接した位置等になるようにして、切り欠け部を設けた凹形係止片を形成する。この切り欠け穴部の形状の一つとして、上下の円弧を対称に結合した唇状の打ち抜き穴がある。これを含む勘合可能な形状を有する凹形係止片と対向して用いる凸形係止片は、前記面ファスナーと係合する機能のある面ファスナーをプラスチック基板に固着し、これに近接する部分で上記切り欠け部に挿入し、自動的に勘合する形状の突起を有する凸形係止片とで構成する。
これら凹部係止片と凸形係止片を重合して係合しておきたい二枚の基材の端部に固着しておき、広げた状態の基材同士をラフな勘合部での挿入による自動位置確定によって、これに続く押圧によってずれの生じない係合を完成させるものである。
この押圧までの係止基板の操作中に、勘合が外れないようにする補助機構として、請求項12の内容にある突起部が引っかかる外れ防止部(9)が必要になる。図1の切り欠け部には外れ防止突起を設け、図3には外れ防止バーが形成されている。
面ファスナーは簡単な押圧によって十分か強度を有する係合を行うことができる優れた素材である。しかし、一旦係合させると、この係合関係を解除するのにかなりの力を要することから、一回の係合操作によって二枚の基材同士を正確な位置関係で確実な面ファスナーの係合を完了させなければならず、位置確定機能が重要になる。これは高齢者用衣服においては特に重要になる。
以下本発明の代表的な位置確定機能付き小型面ファスナーの基板との位置関係を、基板形状を示す図面を用いて説明する。図1と図3は切り欠け部が二個の場合で、面ファスナーを基板近くに配置した状態を示す図である。図1は両者が接している状態、図2は一部重なって面ファスナーが基板に一部乗り上げている状態の図である。面ファスナーのサイズは基本的には基板のサイズに規制されることはなく、また左右均等に配置する必要もない。また基板の長さより面ファスナーの長さを長くする等の調整は自由に行える。
ナーの係合を完了させなければならない。
面係合手段の代表である面ファスナーを基材に縫製で取り付ける際の、基板との位置関係であるが、切り欠け部を設けた該基板の面係合手段側端部から面係合手段までの間隔が30mm以内から、基板に面ファスナー全体が乗り上げた状態になる範囲で、面ファスナーを基材に配置する。この両部材の位置関係は、使用者またはアパレルメーカーが任意に設定できる。
この前者の位置制限は、係止片として機能を保持できる範囲であり、勘合の後の押圧作業のしやすい間隔であり、衣服の外観を良好に保つ上での間隔である。もう一方の乗り上げる状態は、面ファスナーが勘合の切り欠け部、および突起部としての機能を損なわない状態を限度とする。
図2と図4ほ切り欠け部が二個の場合で、面ファスナーを基板近くに配置した状態を示す図である。図2は両者が近接している状態で、図4は若干広めに配置されている状態の図である。この二個の切り込み部は、真横にある必要はなく、「ハ」字の形に開いていても良い。これに対向する突起部の形状がこれに合致するようになっていることがこの配置の条件になる。
切り欠け部の形状には、基板内で閉鎖の穴になっている場合と湾状に基板の輪郭を食い破ったようになる場合とがある。通常は穴形状として設定し、この形状は台形や菱形、平行四辺形等の四角形が一般的である。直線の上縁部(4)または下縁部(14)を有する三角形を含む多角形を採用できる。図7は四角形の台形の例である。これらの形状に曲線を採用した扇形、楕円形等でも良い。
上縁部または下縁部にはカーブ形状になる円弧または末広がりの形状を推奨するが、この部分が階段状または一部が微細に入り組んだ形状でも基板素材の滑り適性によって適応でき、カバーできる。上縁部に円弧を用い、下縁部を直線にすると半円状になり、図3に示す形になる。
上縁部に円弧を用い、下縁部を「コ」字形にすることもできる。
切り欠け部は、開口している穴形状に基板を打ち抜いて形成するが、この穴部のない切り込みだけの形状に、または穴がごく小さく加わるようになる併用型の切り込みを行っても良い。請求項4はこれらを含むものである。図8に示す例は、後者の穴部と切り込み部の併用例であるが、菊割り状に複数本いれ、これに補助的に同心円状にも切り込みを入れておくと、突起部のこの部分への挿入の際に容易に軟らかく開口して勘合する。
面ファスナーの幅寸法は求める係合強度によっても異なるが、通常は基板の幅と同程度にする。高い係合度が必要な場合には、幅よりも長さを長めにとることで対処するのが、前たて部の重なりの外観を良好にするには、適する。
基板と面ファスナーのサイズは、勘合部を設ける場合では、幅は15mmから25mmの範囲で、20mm程度が好適である。組み付けた後の全体サイズと、基板を指先で把持して行う勘合操作の作業性を考慮して幅を決定することになる。
長さは60mmから90mmの範囲で、70mm程度が好適である。前たてに一個だけの係止片を取り付ける場合には、長めの基板と面ファスナーを使うと好都合である。特に面ファスナーは基板より長く用いることができるため、80mm強の長さが適する。
切り欠け部のサイズは、形状にもよるが図3の半円状の場合、または楕円形状、またはこれらに類似する円弧を一部に有する形状では、幅が10mmから15mmの範囲で、12mm程度が好適である。切り欠け部の長さは18mmから23mmの範囲が適し、22mmが好適である。
これらの寸法は、基板の切り欠け部を除く余白寸法との関係も重要で、基板の機能を保持し、かつ打ち抜き加工時の割れ防止の観点も組み入れて設定しなければならない。これは素材の剛性、打ち抜き適性によっても異なり、バランスよく設定しなければならない。
突起部のサイズは、切り欠け部の形状と合わせた上、ほぼ同じ形状にするのが望ましい。最大長さ部で勘合が指先の操作時の感覚で実感できるように、ガタなく合致するようにする。凸形係止基板の外形は、前述の凹形係止基板のサイズに合わせるのを基本とする。
突起部はその後に回転・移動によって勘合が解除されないようにロックする機構が必要になる。この外れ防止部を切り込み穴に付けた例を図1等に示しているが、突起部先端に棒状に設けても機能する。
凸形係止基板の突起部の形状は、切り欠け部に挿入後に、係止片基板の位置と姿勢を正規に保ち、これを指先感覚で確認できるものである。このためにはプラスチック製の基板の切り欠け部のエッジと突起部のエッジで移動可能の滑りが生じなければならない。切り欠け部内の突起部の移動が阻止されると、勘合状態にならない。
このためには突起部の先端には末広がりのカーブを有していることが好ましい。勘合作業の際に、突起部が肌に触れたときのことを考えて、エッジのない形状にしておくことも重要である。深く挿入することで、両基板の位置が確定するのが好ましいが、深く突起部を穴部に挿入した勘合によって位置確定ができるようにしておけば、突起の先端と穴の上端の形状を合わせておく必要はない。挿入のある段階で勘合が起こり、その後穴部の最大長さ部に突起部の根元が移動できる形状であればよい。穴部の上縁が円弧であっても突起部の先端に直線部を部分的に設けた形状の採用は可能である。
面係止片の基材への固着法を説明する。用意した面ファスナーと係止基板の配置を決め、縫い付ける基材の所定位置に固定する。簡単なプレス装置を用いて縫製作業中にこれら部材のズレが生じないようにしておく。
ミシンで係正片を基材に固着する場合の両部材に対する糸のかけ方、または縫い方の例を模式図で図8に示している。図中の11は縫い付けの糸で、糸の上のドットは針穴を示す。このミシン縫製までの両部材の固定には簡易のプレス装置を使うほかに、両面粘着テープを少量用いることも有効である。接近している場合には、ミシンで両部材を連続的に縫いつけることもできる。
プラスチック基板には粘着両面テープを裏面に固着するタイプ、工業用ミシンで糸を縫いつけに適合する素材を用いる。縫いつけ固着には針の通りが良いものが必須条件になり、厚さと硬さに限度があり、汎用樹脂であればPP,PVDC,PET等がコストの面で対象になる。0.2mmから2mmまでの厚さのシートを用いる。好ましい範囲は0.5mmから1.0mmである。粘着固着法であればもう少し厚いものでも使用可能になる。
また低発泡シートとしての発泡PPシートは勘合時の感覚を得やすくする厚さを得る上で好ましい。特殊なシートとして樹脂処理した板紙や厚手の合成紙、各種フィルムのラミネートシート等を用いることもできる。コストより装飾性を重要視すると、光沢のある金属薄板、彩色した原料をブレンドしたセルロイド、割れ防止加工した木材突き板等も使用可能である。ミシン加工ができ、ある程度の耐水性があるものであれば採用できる。
面ファスナーは冒頭説明したような第二世代として登場した、対向する両面に同じタイプを使用できる最新素材のほか、普及している安価なタイプ、その他すべての面ファスナーを使用できる。さらにはゆっくり剥離すれば再使用が可能な粘着テープ、その他の固着機能があるものであれば使用可能である。
本発明は、面ファスナーに代表される面係合手段を位置確定機能のある係止基板に近接して配置して、両者を面係止片として服地等の基材の重ね合わせ部に固着すると、指先で両基板をつかみ、操作することで楽に係合作業に入ることができる。次に凹部係止片の一部に設けた切り欠け部と対向して用いる凸部係合片に設けた突起部を勘合させて正確な位置確定を行い、この状態で面ファスナーを押圧することによってブラインドタッチで相互の位置ずれなく、係止片同士を係合させることができる。
この家庭で衣服に基板付与面ファスナーを縫製、組みつけることで、指先が不自由な高齢者、または身障者の衣服の脱着を容易にできる。これによって自立心のある人の生活の質が向上する。
またこの係止片を一般の衣服に用いることによって、ファッション性の求められる衣服のデザインにおいてもボタンやジッパー以外の選択肢を増やすことができる。
本発明に係る組み付け式で形成する、切り欠け部を二個配置した凹形係止片の例の平面図である。面ファスナーと基板が接する組み付けの例。 本発明に係る組み付け式で形成する、突起部を二個配置した凸形係止片の例の平面図である。面ファスナーを基板に近接して組み付けの例。 本発明に係る組み付け式で形成する、切り欠け部を二個配置した凹形係止片の例の平面図である。面ファスナーが基板に一部乗り上げている組み付けの例。 本発明に係る組み付け式で形成する、突起部を二個配置した凸形係止片の例の平面図である。面ファスナーと基板に広めの間隔を設ける組み付けの例。 本発明に係る組み付け式で形成する、切り欠け部を一個配置した凹形係止片の例の平面図である。面ファスナーが基板に隙間を設けて配置されている組み付けの例。 本発明に係る組み付け式で形成する、突起部を一個配置した凸形係止片の例の平面図である。面ファスナーと基板が接する組み付けの例。 本発明に係る切り込み部が台形の例を示す凹形係止片の平面図である。面ファスナーと基板が近接する組み付けの例。 本発明に係る切り欠け部が、切り込みによって突起部が勘合するように開口する例を示す凹形係止片の平面図である。面ファスナーと基板が近接する組み付けの例。 本発明に係る組み付け式で形成する、面ファスナーと基板が接する組み付けの両係止片の押圧後の係合状態を示す図。 本発明に係る組み付け式で形成する、一対の凹形係止片と凸形係止片を糸で基材に固着した状態の模式図である。
1 凹形係止片
2 凸形係止片
3 切り欠け部
4 切り欠け部の上縁部
5 凹形係止基板
6 突起部
7 突起部の上縁部
8 面ファスナー
9 外れ防止部
10 基材
11 糸
12 切り込み
13 凸形係止基板
14 切り欠け部の下縁部

Claims (12)

  1. 二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、該面係合手段を基材に固着する前記凹形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凹形係止基板に対向して用いる凸形係止基板の突起部を該切り欠け部に勘合させて用いることを特徴とする凹形係止基板。
  2. 二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に対し、基板側の面係合手段端部から該基板までの間隔が30mm以内から、基板に面係合手段が乗り上げた状態になる範囲で面係合手段が基材に配置され、該面係合手段を基材に固着して用いる前記凹形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凹形係止基板に対向して用いる凸形係止基板の突起部を該切り欠け部に勘合させて用いることを特徴とする凹形係止基板。
  3. 前記凹形係止基板の切り欠け部は、上縁部と下縁部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の凹形係止基板。
  4. 前記凹形係止基板の切り欠け部は、切り込みを入れて形成し、凸形係止基板の突起部によって開口することを特徴とする請求項1又は2に記載の凹形係止基板。
  5. 二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、該面係合手段を基材に固着する前記凹形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凹形係止基板に対向して用いる凸形係止基板の突起部が、上縁部と下縁部を有している該切り欠け部に対し、そのいずれか一方と勘合することを特徴とする凹形係止基板。
  6. 前記凹形係止基板に、切り欠け部を複数個設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の凹形係止基板。
  7. 前記凹形係止基板の切り欠け部は、上縁部と下縁部を有し、少なくともその一方は末広がりに形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の凹形係止基板。
  8. 前記凹形係止基板の切り欠け部は、上縁部と下縁部を有し、少なくともその一方は略円弧で形成されることを特徴とする請求項1乃至7に記載の凹形面係止基板。
  9. 前記凹形係止基板の切り欠け部と勘合する凸形係止基板の突起部は、末広がりに形成されていることを特徴とする請求項1乃至8に記載の凸形係止基板。
  10. 二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凸形係止基板であって、突起部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、又は全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、該面係合手段を基材に固着する前記凸形係止基板であって、二枚の該基材の重なり部で前記凸形係止基板に対向して用いる凹形係止基板の切り欠け部を該突起部と勘合させて用いることを特徴とする凸形係止基板。
  11. 前記凸形係止基板の突起部は前記切り欠け部に収まる形状にしたことを特徴とする請求項10に記載の凸形係止基板。
  12. 二枚の基材の重なり部の一方に固着して用いる凹形係止基板であって、切り欠け部を設けた該基板に、面係合手段が近接状態で、又は接した状態で、又は一部乗り上げた状態で、または全部乗り上げた状態のいずれかの状態で配置され、面係合手段が基材に固着する前記凹形係止基板であって、基材の重なり部でこの凹形係止片に対向して用いる、該切り欠け部と勘合する突起部および該面係合手段と係合する面係合手段を相手の基板側に配置している凸形係止基板の突起部が、該切り欠け部に挿入されて形成される勘合状態を保ったまま、係止片基板を傾けて面係合手段同士を押圧したときに、前記勘合状態が解除されることのないことを特徴とする凹形係止基板。
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